レイ・ザ・バレル

登録日:2011/02/15(火) 00:38:49
更新日:2022/07/16 Sat 13:41:40
所要時間:約 5 分で読めます






どんな命でも、
生きられるのなら生きたいだろう




機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の登場人物。

CV:関俊彦(幼少期は桑島法子)

人種:コーディネイター
血液型:O型
年齢:不明
身長:168cm
体重:56kg
髪色:白金
瞳:淡い水色
出身地:GARM R&D社L4コロニー メンデル内研究所(ヒビキ研究室)
搭乗機:ザクファントム
レジェンドガンダム


ザフトの最新鋭戦闘母艦ミネルバに配属された赤服MSパイロット。
同僚のシン・アスカルナマリア・ホークとはアカデミー(ザフトの士官学校)時代の同期生で、在校時は常にトップの成績を収めていた。
ただ一度だけ、追試ではあるが成績でシンに負けたことがある。

当初は彼のパーソナルカラーである白に塗られたブレイズザクファントムに搭乗していたが、本編後期でアスランが乗るはずだったレジェンドガンダムに乗り換えた。

見た目は内巻き金髪ロングヘアの中性的な美少年。
性格は冷静沈着で無口。基本的に仏頂面で、あまり和やかに世間話などをするタイプではない。
しかし無口すぎて本編序盤では少し空気であった。
特技はピアノであり、劇中や幼い頃の回想で演奏しているシーンがある。
育ての親であるギルバート・デュランダルを過剰なまでに敬愛しており、プライベートな場では「ギル」と愛称で呼んでいる。

普段はクールで大人びた性格な彼だが、議長等心を開いている相手には幼い少女のような行動をするなど極端な二面性を持っている。


特に本編19話ではまるで幼い娘のようにぽっと頬を赤らめ微笑みながら議長に抱きついていた。
このシーンからゲイ・ガ・バレルとかレイザーバレルHGなんてあだ名がつけられている。
ちなみにこのシーンはDVD版では頬の染まりをなかったことにされたり、スペシャルエディション二巻において以下のように平井氏の絵で健全な表現(?)に修正されたりした。
ガチホモと言うわけではないのだろう……多分。



以下、ネタバレ












その正体はラウ・ル・クルーゼと同じくアル・ダ・フラガから作り出されたクローン人間。
つまりレイもまたコーディネイターではなくナチュラルに分類される。
資料によってアル・ダ・フラガのクローンであったり、ラウ・ル・クルーゼの二次コピーであったりまちまちである。

その出生故か、ラウと同じくムウ(ネオ)とはお互いに感知し合う。
物語序盤でネオ(ムウ)から「白い坊主君」と呼ばれ、ムウとラウのような因縁フラグが立ったかに見えたが最後まで別にそんな事は無かった。


生み出された理由や経緯についてはやや不明瞭な点があるが、ラウと違いフラガ家に引き渡されることはなかったらしく、幼い頃にどこかの施設(メンデル?)に閉じ込められていたところを青年期のラウに連れ出された模様。
それ以降はラウ、その友人であるデュランダルらに見守られながら普通の子供のように成長。
ラウも同じ境遇の人間だからかレイの前では仮面を外しており、レイがアカデミーに入る前後の無印の頃まで交流を持っていたりと、それなりに仲は良かった様子。
そのため第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦でラウが戦死したことを聞いた時には悲しんでいた。

なお、自分とラウの境遇について深くは教えられておらず、ラウの死後にデュランダルが告げた「君も、ラウだ」という言葉をきっかけに自分とラウを『もう一人の自分』として半ば同一視するようにもなった。
しかもこの言葉はただの配慮の欠けた言葉や言葉不足にも見えるが、デュランダルは様々な物事を遺伝子重視で捉えているため(そのためのデスティニープランである)、彼の思想的には間違った表現ではなかったりする。


クローン故にラウ同様テロメアが短く、短命。
作中ではラウより一回りほど若い青年期であるにも関わらず彼と同じ細胞分裂を抑える薬を服用しなければならない状態にあり、寿命は残り幾何も無い。
しかし、ラウやデュランダルといった保護者やアカデミーで同年代の友人に恵まれたためか、自身の死を前にしてもやや達観してはいるがラウほどの絶望や破滅的な願望は抱いていない。
むしろ自分たちのような境遇の存在が生み出され苦しまずに済むように、という前向きな願いからデュランダルが望む新しい世界を作るために戦っている。
一方その延長で自分のような存在は消えるべきという意識も持っていた。

また、最終盤まで自ら相対することも出自が明らかになることもなかったので表に出ていなかったが、
自分と同一視しているラウの仇であるキラ・ヤマトに対しては強い敵意を秘めていた。

エクステンデッドのステラに同情し、デュランダルの意向に逆らって彼女を逃がそうとするシンに手を貸したこともある。
因みに閉じ込められていた施設のことはトラウマになっており、作中で起きた発作はロドニアラボの雰囲気が施設のものとよく似ていたことでフラッシュバックを起こした結果だった。


シンには彼を『デュランダルの剣』とするべく近付いたように描写され、迷う彼を強引に戦いに導いたり、デュランダルを信じるように説いたりもした。
その流れに乗せるためにも期待外れ&用済みとなったアスランが拘束に反抗して脱走しようとした際には、それを利用して急かしたててメイリンもろともシンに討たせた*1
(最大の目的は上記の通りだが、アスランを援護したことからメイリンについても将来の不安要素と見做した可能性がある。)
ただ、戦友のルナマリアと共々友情も感じており、彼がルナマリアとイチャついている時は気を利かせて退席したり、シンに戦いを強いている自分の立場を自嘲したりもしている。
前述のステラの処遇についても同情も大きいのだが、シンとの友情も大きかった。
議長の意向に逆らっていたことから分かるように、このことは計画的には寧ろマイナスになりかねなかった*2

これらの関係は小説版でも同様で、しっかり明記されている。

なお、『デュランダルの剣』についての詳細は描かれなかったが、
デスティニープランの成功&維持する為の議長の意のままに敵対者殲滅や粛清を担う役割に誘導しようとしていた可能性が高い。
原作期間の誘導だけではなく、シンの未来も含めて自嘲に繋がっていると思われる。
更に言えばシンのパイロット能力(才能)的には確かにこの上なく適正があるものの、
良くも悪くもあまり割り切れる性格ではないことや、そもそも戦っている根本的理由から心がもたなさそうでもある。


アスラン主役のコミカライズ作品「THE EDGE」の続編「THE EDGE Desire」では、彼のシンへの友情が強調されている。
アスランとメイリンが乗っていたグフを撃墜した後、悪夢に魘されるシンを心から心配し、「戦争の無い世界を作り、シンの苦しみを終わらせたい」と願うレイや、抱き合うシンとルナマリアを見て優しく微笑むレイ等の本編では見られなかった彼の一面が見られる。
同漫画にはシン・ルナ・レイのアカデミー時代の話や、最終話のレイの心情を描いた話等レイの出番が多い。
その他、本編で描写に恵まれなかったシンやミーア等新キャラ組のファンは必見であると言える。




本編最終話では自身の境遇から「俺はラウ・ル・クルーゼだ」と言いながら、キラと対峙する。
しかし、キラに「君は『君』だ、『彼』じゃない!」と諭された事で激しく動揺し、キラのメサイアへの突入を許してしまう。
その後崩壊してゆくメサイアに自身も追いかけ、キラとデュランダルの舌戦を影で聞いていたことにより、
キラを射殺してくれるだろうというデュランダルの目論見とは裏腹に、敬愛している議長を「明日が欲しい」という理由から咄嗟的にその手で銃撃してしまう。

それ以上の理由を言葉にはしていないが、ラウと同じ生まれであることに固執し過ぎて諦観したような人格にもなっていたが彼とはあくまでも別人である事…いくら遺伝子が同じだろうがレイはレイであってラウではない*3
そしてデュランダルが主導するデスティニープランの主張に対して、「生まれで運命が決まっている訳ではないし、ましてやそれで運命を決められてしまうのは嫌だ」みたいな感じの本心に気付いてしまったが故の行動だと思われる。

他方から考えてもデスティニープランに対して前向きな意志で未来を求めていたが、
前述の様にその意思の根底は「自分のような存在は消えるべき」の様な諦観が大きく、 自身がデスティニープランに求めた未来に自分達は含まれていなかった
前向きな意思があった事も確かだが、厳しく言うと本質は自己否定によるやんわりとした自殺願望…の様な後ろ向きな意思だったとも言える。
「THE EDGE」においてはシンに「レイの運命は変わらないのか?」と指摘された際には一瞬言葉を詰まらせてしまった後、儚げな笑顔を浮かべていた。

本記事冒頭のセリフ「どんな命でも、生きられるのなら生きたいだろう」もステラに対する本心からの言葉だが、自分自身にもがっつり当てはまっていて伏線や結末の暗示とも取れるものになっている。
この様に生死に関して複雑な意識があることとデュランダルを慕う気持ちから本人も気づいていなかっただけで、元々デスティニープランに心の底では反対の立ち位置だったと言える。

その後、タリアに抱き寄せられ、彼女を「お母さん」と呼びながら、議長やタリアと共にメサイアの爆炎の中に消えていった。
この時の様子から思わずデュランダルを撃ってしまいはしたが、別に憎くて堪らなくなった等そういう訳ではない事が分かる。
また、デュランダルの方も彼を息子の様に思っていた為、撃たれたにも関わらず配慮が不足していた事を謝罪している。
(このことからデュランダルはレイすらも計画成就の道具として見ていたわけではなく、撃たれてから過ちに気づいた模様)


前述しているがここらは経緯と描写を一つずつ考えれば理解出来るものの、わざわざ内心を説明していないこともあり、
最終話まではデュランダルに身心共に完全に従っていた(「アスラン!ギルを裏切るなんて、許しませんよ!俺は」という台詞など)ため、ついていけない視聴者もそれなりに居たと思われる。



小説版では、メサイア陥落後は自分を助ける為にメサイアの近くに来ていたシンとルナマリアの声を無線で聞き、
彼等に通信で「『明日』を生きてくれ」という遺言を託した。



スーパーロボット大戦シリーズでの活躍
参戦した場合、大抵の作品に生存フラグが用意されている。
特にZシリーズと『L』は、「『親友』たるシンがレイを説得する」という胸熱展開で、
「『決められた運命』を、まさしく運命に翻弄されたはずのシンが真っ向から否定する」や、
「シンとキラが相互理解し合い、お互いの信念を見直す」等のIF展開が展開されていることが多い。


〈Z〉
終盤までは味方だが、原作ルートを通るとそのまま永久離脱してしまう。
しかしifルートを通った上で、そこで条件を満たすと再加入する。
ifルートでは自分の意志でZEUTHに残ったシンに激しい怒りを抱くも、戦いの果てに和解する。

〈第3次Z〉
『天獄篇』にて久々に登場。静養していたが、フロンタルによりプラントの国防委員長に任命される。
ネオ・ジオン(とサイデリアル)と組む事になるが、シン達の説得とアーサー達のクーデターによりプラントを出奔し、Z-BLUEに合流する。
残念ながらルナマリア同様にパイロット登録はされず、デスティニーガンダムの「ザフトレッド・コンビネーションⅡ」の演出として登場する。

スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
初参戦作品。
ほぼ原作通りだが、最後にデュランダルを撃った経緯が
「デュランダルはシロッコのクローンを大量に作る*4という形で自分達の悲劇を繰り返そうとしている」
という事実を知った事による衝動的なものとなっている。

スーパーロボット大戦K
最初から敵だが、条件を満たすと自軍に加入する。その際にステラを連れてきてくれる。

スーパーロボット大戦L
Z1同様に終盤までは味方だが、やはりデスティニープランの発動と同時に離脱し、敵対する。
しかしそのシナリオでフラグを建てると、自軍に復帰する。
しかもフラグの建て方が「キラで戦闘→シンで撃墜する」というとても簡単なものになった。
敵対時にはキラの「命は何にだって一つだ」発言に原作とは違い「お前もまた人の手で創られた生命でありながら、何故こうまで俺達と違う!」と激昂したり、フラガ家関連で因縁があるムウとの戦闘会話が用意されている。

スーパーロボット大戦UX
原作終了後の設定のため、残念ながら故人。しかしその生き様は、シンの心に強く刻まれている。
第二部中盤の灯篭流しで、シンがレイを悼む描写がある。

・スーパーロボット大戦X-Ω
イベントシナリオ「風の歌 星の歌 生命の歌」では命を落とす前に異世界のブリージンガル球状星団に飛ばされ生存しているという設定で登場。
記憶喪失を装い『マクロスΔ*5のケイオスのΔ小隊に参加していた。
ハヤテやミラージュとは確かな信頼関係を築いており、ワルキューレのメンバー達には憧憬や羨望の混じった念を抱いている。
特に寿命の短いウィンダミア人のフレイア・ヴィオンとクローン人間である美雲・ギンヌメールの生き様には結構思うところがあった様子。
事件解決後は生きる意味と目的を見つけるまで元の世界に戻ることを延期し、ハヤテたちと共に歩んでいく道を選んだ。

他にも同イベントでは『マクロスゼロ』の工藤シンと出会う、キラと完全な和解を果たす、中の人が同じエンブリヲと対面する、などの場面がある。



追記・修正してくれないと…正直、困ります

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最終更新:2022年07月16日 13:41

*1 その目的のためレイ自身は本気で攻撃はしておらず、アスランの言い分も「アスランは既に錯乱している」と評してシャットアウトしつつ、実際落とさないと逃走を許してしまう状況に持ち込めたためにシンも追い込まれて迷いながらもアスランを落とすことに繋がった。

*2 結果的にシンなどに対して間接的には影響がおおいにあったが、デスティニープランを推し進めたい議長視点からすると問題にならなかった

*3 つまり議長の遺伝子偏重の思想はよりにもよってレイの存在そのものからも間違っていたことが分かる

*4 但し本人の同意の上で、テロメア等の問題は解決したものではある。

*5 厳密に言えば今回のイベントでは劇場版軸。