ガンダム強奪(ガンダムシリーズ)

登録日:2021/08/30 Mon 17:12:00
更新日:2025/04/20 Sun 01:28:54
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ガンダム強奪とは、ロボットアニメ機動戦士ガンダム』シリーズにおける定番イベントである。


概要

ガンダムシリーズにおいて「ガンダム」と呼ばれる機体は特別扱いされることが多いが、その一方で常々強奪される憂き目に遭う。
機体性能の高さや貴重品であることもさることながら、時にはその場にたまたまいたからとか、売り飛ばして金にするために盗まれるなど、さまざまな事情のもと本来の持ち主の手を離れてしまうのだ。
メタ的には仮面キャラ電波妨害と同等レベルで行われる定番の流れに近く、2号機だったり雰囲気が他と違っていたりすると奪われるんじゃないかと視聴者に邪推されてしまうほど。
ガンダムシリーズのみならずロボットアニメの最初期からのお約束ではあるが、一説には「主役が敵から強奪してそのまま運用する」という展開が初めて描かれた『機動戦士Ζガンダム』に同監督による前作『重戦機エルガイム』を意識したような点が見られることから、同作のエルガイムMk-IIの展開をブラッシュアップしたのではないかとも。

この項目では、それらの機体を強奪された機体強奪されかけた機体で区分して取り扱う。

狭義の強奪以外にも鹵獲・奪取・捕獲も当該項目にて取り扱うものとする。
ただし明確な所有者が不明な場合や、持ち主の意思のもと交換した機体放棄されていたのを拾得した機体ガンダムタイプ以外の機体に関しては除外する。

既に述べた通り、伝統的に2号機は強奪されがちというジンクスが存在する。何ならガンダム以外のロボットアニメ全般に渡って存在する。
何しろアムロ・レイが勝手に乗り込み、一時は強奪同然に持ち逃げした初代ガンダムからしてRX-78-2である。
また、メタ的に言えば敵側に奪われる機体は強奪を前提としたデザインになっていることもが多い。
つまり「2号機+悪人顔=強奪」である。さらに暗色塗装で確率UPまである。


そもそもなぜこんなに強奪されやすいの?

ガンダム強奪は特に近年ではシリーズにおける一種のお約束であるが、それだけに「カギくらいかけとけ」「重要機密の割にザル警備では?」といった視聴者からの疑問・指摘は絶えない。

お話の都合*1と言ってしまえばそれまでだが、メタ的なもの以外にも理由はいくつか挙げられる(未遂含む)。

  • 突破できるとは考えにくいセキュリティが施されている
DXやスローネツヴァイなどが該当。
「正規パイロット以外には動かせないような特殊な鍵」をかけていたのに奪われてしまった例。油断するのも無理からぬこととも言える。
DXは後述の通り起動キーとなる部品がなければ動かせないはずの機体であり、同型のキーをたまたま持つパイロットがいるなんて予想できるはずもない。
スローネも虹彩認証などの偽装の難しい生体データが起動キーになっており、それがハッキングによって書き換えられて強奪されるなどという緊急事態は、内部に裏切り者でも出ない限りは本来あり得ない事態であった。

ちなみに、実際の兵器で言うと戦車や戦闘機には基本的にキーはないとされる。
戦車は中からハッチに鍵をかけることはできるが外からはかけられず、せいぜい展示会などで侵入防止に南京錠をかける程度という。
これは軍事基地という容易に侵入できない保管場所や、自動車などと違ってすぐには起動できない点が鍵の代わりになると考えられているため。
また、緊急時に鍵を持ってくるまで出撃できないリスクの方が高いのも理由。

  • 厳重な警備を敷くわけには行かない
アレックスやGAT-Xシリーズなどが該当。
これらは本来中立であるはずのコロニーでの極秘建造であり、開発する側としても大々的に警備できなかったと考えられる。
中立コロニーが他国の兵器開発に関与していること自体がグレーを通り越して真っ黒であり、それが公になれば国際問題になりかねない。
ましてや大っぴらに警備しようものなら、少なくとも中立コロニーで何か後ろめたいことが行われている疑惑が知れ渡ってしまう*2
警備したくてもできない」ことも時にはあるのである。
そもそも中立コロニーでは戦闘行為が禁止されているので、よしんばガンダム建造が外部に露呈したとしても、政治的な問題はさておき、他国がガンダム強奪作戦というリスキーな実力行使に出ることはないだろうと考えていた可能性もある。
そこ、連邦側のコロニーだった『ファーストガンダム』や『Ζガンダム』からして割とザル警備だったろとか言わない。

  • 内通者の存在
ガンダム試作2号機、フリーダム、ブルーディスティニー2号機などが該当。上述のスローネツヴァイの高セキュリティも内通者の協力で突破されている。
一番どうしようもない、かつ実際にもままあるタイプ
スパイや何らかの意図で敵対組織や第三者にガンダムを横流ししようとしている人物が存在し、その手引きによって強奪されてしまったというもの。
スパイがいれば強奪対象の保管場所はもちろん、特徴や武装・警備・操縦方法まで把握することもできるので潜入できれば強奪は容易である。
それが有力者であれば潜入・強奪をしやすいように変装用道具の調達はもちろん、強奪するための細工や警備を手薄にしてやることもできるだろうし、何なら(強奪に偽装して)直接譲渡することすら可能である。

強奪に味方であるはずの者が協力しているとあっては、もはや警備やセキュリティ以前の問題である。
パイロット自身が一騎打ちの相手に絆され死後の機体を託すなんて例まであるが、これは「強奪」とは言わないか。

  • パイロットの都合
RX-78-2ガンダムやMk-II、クロスボーンX2やハイペリオン2号機などが該当。
いかに機体が優秀でも、パイロットの実力不足や油断があっては元も子もないという例。
Mk-IIの場合は「敵軍の襲撃に伴う混乱の中、基地内で民間人が勝手に乗り込む」「接近した味方機が既に強奪済み」といった不測の事態による影響はあるが、X2はなんと生身の人間相手に反撃を受けて奪われ、ハイペリオンも半壊状態の敵機相手に余裕綽々としていたところを鹵獲された(ただしパイロットの実力差による面も大きい)。
RX-78-2ガンダムも実戦経験皆無なパイロットが私情から無断出撃した挙句、まともに動けないまま右往左往してあわや鹵獲という事態に。


強奪された機体

G-3ガンダム

異聞のとにかく多い機体であるが、その中でもキワモノ中のキワモノの漫画『Gの影忍』での顛末。
輸送中にジオン軍の忍者ヒュウガの襲撃を受けて強奪され、主君であるデギン・ソド・ザビに献上される。
紆余曲折の末この機体はヒュウガの弟であるリュウガの手に渡り『Gの影忍』の通り名とともに宇宙世紀の歴史の陰を駆けることになる。


フルアーマーガンダム

機動戦士ガンダム サンダーボルト』で登場した機体。
序盤の出撃から生還したパイロットの中で最も階級の高いイオ・フレミングに託されたが、ガンダム神話ともども故郷奪還の人身御供になるのを多くのクルーから願われていた。
そんな願望に逆らうように戦果を重ねていき、宿命のライバルたるサイコ・ザクと交戦。
互角の勝負を繰り広げたが、相手の不意打ちと不幸で敗北を喫してしまい、増援にかけつけたジオン軍によって鹵獲されてしまう。
一年戦争後は久しくジオン残党軍の所有する秘密基地で保管されていたが、ダリルの手によってパーフェクト・ガンダムの外装部品として再利用される。


ブルーディスティニー2号機

ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』3部作の3作目のライバル機。
テスト中にニムバス・シュターゼンの手で強奪される。
テストだというのになぜかビームライフルを持たされていたこと、なぜかジオン軍に情報が漏れていたことなどから分かる通り、EXAMシステムの開発者であるクルスト・モーゼス博士の手引きによるものであった。
小説版ではニムバスに託すような形で本機を明け渡している。


ガンダム試作2号機

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場するライバル機。
作品発表順としてはMk-IIの方が先に奪われているが、2号機は強奪されるというジンクスが広まったのはほぼこいつのせい
なにせ、当記事の名称にもなっている「ガンダム強奪」というのも本作の第1話、本機が強奪されるエピソードのタイトルであるし。

南極条約に抵触しかねない核弾頭を搭載したガンダムだが、それを狙ったデラーズ・フリートのアナベル・ガトー少佐によって、オーストラリア大陸にあるトリントン基地で核を積んだタイミングで強奪される。
連邦軍基地内ということで検問自体はあったが、スパイが製造元のアナハイム・エレクトロニクス社員だったことからガトーは連邦軍の兵士になりすましており、基地の外でガトーと合流したスパイによって検問の通過を許してしまった。

追撃に参加した試作1号機パイロットが格下の腕前ということや、政治闘争による追撃の不十分さもあって地上での奪還に失敗。
デラーズ・フリートによって南極条約違反の口実やコンペイトウ(旧ソロモン)宙域で行われた観艦式での核攻撃の原因につながってしまった。
その後は数々の戦いを経て戦士として成長したコウの1号機フルバーニアンと交戦。核攻撃の反動で機体の一部が不調になるというアクシンデントはありながらも、ガトーの優れた技量によって死闘を繰り広げた末に相討ちになり、機体は爆散。パイロットのガトーは部下のカリウスによって救出されている。

ちなみに、厳密に言えば1号機も本体ではないが予備のコア・ファイターを盗まれかけたことがある。
これは敵基地の所在をあぶり出すために母艦アルビオンに乗艦していたスパイにわざと奪わせた形になっており、最終的には居場所を突き止められたくないジオン軍によって撃墜された(スパイは直前にパラシュートで脱出)。
また、試作3号機もアルビオン隊によって奪われているが、正確には受領のためにラビアンローズへ向かったところを上層部の暗躍によって阻まれたため、コロニー落としを阻止するために命令を無視して強奪同然に受領したという展開である。


ガンダムMk-II

シリーズ2作目である『機動戦士Ζガンダム』の第1話でいきなり強奪される機体。
後にティターンズ崩壊のきっかけを作った戦犯と揶揄されるジェリド・メサ中尉が搭乗していた3号機がコロニー内の基地に不時着して放置されていたのを、当時はエゥーゴどころか連邦軍人でもない民間人の少年カミーユ・ビダンに八つ当たり気味に奪われた。
しかも直後に、味方が乗っていると誤認したカクリコン・カクーラー中尉の2号機も鹵獲。
パイロットは地上に降ろしたが、機体はそのままリック・ディアスによって宇宙に運ばれている。
さらに残った1号機もエマ・シーン中尉がバスク・オム大佐の親書をエゥーゴへ送り届けた時に、その内容から組織への疑念を抱いたエマが寝返ったことで、1号機から3号機までの全機がアーガマに奪われてしまった
一応、後でティターンズは3機の奪還に成功したが、エゥーゴに寝返ったエマの作戦によって結局捕らえていたカミーユもろとも取り逃し、結果的に3機揃って2回も強奪されたことになる。
ちなみに設定上は4号機も存在したが、本編開始前に墜落事故で喪失しており、ティターンズにはMk-IIの実機は一機も残っていない*3

この手の強奪兵器にありがちな「実戦に使う場合整備はどうするの?」という問題も、一機でも奪取できれば研究用に回せるかもという目論見が棚ボタ的なハプニングで3機も同時に獲得できたため、「研究と新規の予備パーツの見本用」「現場の予備パーツ用」「実戦用」という形で解決してしまった。ぶっちゃけるとΖガンダムの完成は多分に「研究用の見本」を遠慮なく解体してムーバブル・フレーム構造を学べたのが大きく*4、ジェリドの発言をブラックジョークと断じてもなお、グリプス戦役の戦況を大きく動かした強奪と言える。
この一件もあり、ティターンズはMk-IIの量産を断念。その後の兵器開発にも大きな影響が出る結果になってしまった*5
後に本機の設計を受け継いだ新型量産機としてバーザムが開発されたほか、劇中のサイコガンダムシリーズ、『A.O.Z.シリーズ』における一部のTRシリーズなどで「ティターンズのガンダム」はリベンジがなされている。肝心肝要のバーザムはあまり活躍しなかったけど。

続編の『機動戦士ガンダムΖΖ』でもキャラ・スーンがネオ・ジオンに帰るための足として強奪・使用したが、途中で乗り捨てたことから敵の手に渡ることはなかった。

なお、当のエゥーゴも本機の強奪直後に、自分たちの最新鋭機であるリック・ディアス(クワトロ機)を強奪されたことがあるが、途中で撃墜されたのでティターンズの手に渡ることはなかった。


ガンダムF90 2号機

宇宙世紀0120年、ラー・カイラム級戦艦アドミラル・ティアンムでのテスト中にオールズモビルこと火星独立ジオン軍の手で強奪され、火星まで持ち去られて改造される。
厳密に言えばオールズモビル側のスパイがいたゆえの鹵獲強奪であり、セキュリティ上の問題はそこまでない。
奪還のために出撃した1号機との戦闘で撃破されるが、残った機体は後にサナリィの手で回収されF90Ⅱとして生まれ変わる。


ネオガンダム2号機

機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』に登場する機体。
本来は主人公であるトキオ・ランドールが上官であるバズ・ガレムソンから原隊復帰と同時とともに与えられるはずだったが、ガレムソンの所業に反発していたトキオが2号機を強奪。
彼の駆る1号機と決戦を繰り広げ、最終的に両機とも大破。パイロットのトキオは何とか脱出している。
なお、ガレムソンはトキオに反発されるだけのことはある悪行を繰り返しているが、対立していたトキオにわざわざ最新鋭のガンダムを与えようとするという面倒見のよさを見せている。
一種の懐柔行為ではあるが、トキオが反発した理由はそもそものガレムソンの率いる部隊の汚れ仕事とその引き受けの代償としての違法行為への見て見ぬふりに対する義憤だったため、当然のことながら懐柔行為は失敗した。
ちなみに1号機が黒で2号機が白という、連邦製のガンダムにしては珍しい配色をしている*6
しかし奪うのは主人公陣営なので結局敵が黒・味方が白になってしまったが。


クロスボーン・ガンダムX2

機動戦士クロスボーン・ガンダム』中盤、X2はパイロットのザビーネ・シャル木星帝国に寝返ったことによって脱走した彼ともども木星側に渡った後、同時に捕らえられたトビア・アロナクスの公開処刑に用いられるが、なまじ形ばかりの抵抗を許す意図でトビアを拘束せず、MS相手には役立たないであろう機関銃を渡していたのが仇となり、機体に関する知識があったトビアの機転で彼に奪取し返されてしまった。
この際、なんと「生身のトビアを襲ったら反撃でバルーンダミーの誤作動を誘発されてカメラアイを塞がれてしまい、やむなくコクピットを開けて対応しようとした所を殴り込まれて奪われる」という醜態を晒している*7
その後、X2はトビアの脱出に使われた上、最終的にコア・ファイター以外の部分は囮として明後日の方向へと射出され、トビア本人はコア・ファイターでマザー・バンガードと合流した。
なお、囮とされた部分は木星によって回収されてX2改として再度実戦投入された他、木星のMS開発技術を飛躍的に進歩させる礎になった。
この時点での作品展開では「敵対勢力の機体が強くなってしまった」という色が強かったが、後の展開……キンケドゥが引退し、カーティスの物語となった章で主人公陣営が「木星帝国のうち貴族主義じゃないだけでベラが総責任者だったのと同じ論法で残存した穏健派」になったことから、『X-11』では主人公機がこの「X2のリバースエンジニアリングや技術学習が大前提の木星帝国系MS」になっている。


ファントム(形式番号:EMS-TC02

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』の事実上の主役機。
木星共和国特殊部隊「サーカス」が開発した「一騎当千機」(サウザンド・カスタム)の内の一機で、上述のX2などのサナリィ製MSを参考に開発されたが、光の翼を使いたいためにレコードブレイカーから流用した制御システムがうまく作動せず、失敗作の烙印を押されて封印されていた。
しかし、たまたま乗り込んだフォント・ボーが「八掛けの吊橋」からヒントを得てバイオコンピューターの起動に成功し、彼によって「サーカス」から奪われ「新生クロスボーン・バンガード」のエンジェル・コール追跡に使われることになった。
ちなみに、木星製MSということもあって一見するとガンダムとは思えないフォルムだが、組み込まれたミノフスキードライブが起動すると、それによって発生する本機の「光の翼」である「ファントム・ライト」により、顔がいわゆるガンダムフェイスになる他、元々開発の際に参考とされた機体にX2などのガンダムタイプが含まれているのもあってか、作中後半に改修された際には「ゴーストガンダム」と名付けられている。

ちなみにこのファントム、後の『DUST』で量産型の「ノエル・レイス」が登場しているが、こちらも主人公アッシュによって輸送船が襲われ*8、「借りる」形で一部の機体が奪われている。


ドラゴンガンダム

機動武闘伝Gガンダム』のネオチャイナ代表機体。地球に降りる際に手違いがあって野盗に奪われてしまう。
ガンダムファイト国際条約第4条「ガンダムファイターは己のガンダムを守りぬかなくてはならない」に完全に反する不祥事であり、ファイターのサイ・サイシーはネオジャパン代表のドモン・カッシュを利用して奪還している。


デビルガンダム

ご存じガンダム史上最凶最悪の機体。
主人公ドモンは兄キョウジが強奪したデビルガンダムを探すためにガンダムファイトに参戦していたが、それはウルベ・イシカワが吹き込んだ嘘だった。
しかしガンダムファイト決勝戦後、大破していたデビルガンダムはどさくさ紛れにウルベに本当に強奪されてしまう。
それ以前でも東方不敗マスター・アジアは時が来ればウォンの手からデビルガンダムをかっさらう気満々であった。
また、『スーパーロボット大戦シリーズ』などのゲーム作品に登場した場合は高確率で争奪戦になると、つくづく人間のエゴに振り回される不憫な機体である。


ガンダムデスサイズ

新機動戦記ガンダムW』に登場した機体。
何かと不幸に縁のあるデュオ・マックスウェルと同様に、ウイングガンダムの改修用にヒイロ・ユイにパーツを無断で拝借されるなどの目に遭っている。
しかも宇宙に上がった直後にトーラス部隊に捕捉され、機動性が皆無なまま交戦状態になった結果、かなりの損傷を受けてパイロットのデュオともども鹵獲されてしまう。
「自爆装置まで作動しないとは運がない、いやいいのか」
後にデュオはヒイロに救出されるが、デスサイズは別の場所に移動されていたのか鹵獲されたままで、そして最期はコロニーの人間の大半がOZを支持するようになった状況で悪の根源として全国放送で損傷したままの姿を映されながら、トロワ・バートンの手によって「公開処刑」される。
強奪兵器としては珍しく戦線に投入されていないが、本作では自爆後に回収されてゼクス・マーキスによって修復されたウイングや、カトルが投降した後にトラントが操縦していたウイングガンダムゼロなどガンダムがOZに回収される場面があるため、この項目で挙げられる他の強奪とはやや意味合いが異なるが、OZから本機は「ガンダム0(ゼロ)2(ツー)」というコードネームで呼ばれるので特筆する。


ガンダムジェミナス02

新機動戦記ガンダムW DUAL STORY G-UNIT』に登場するMS。
敵部隊「OZプライズ」の襲撃を受けて応戦するも敗北し、大破した状態で奪われてしまい、修復・改造されて敵として登場した。後に奪い返された……というかパイロットが裏切りMO-V側に帰還し、最終決戦では1号機と2号機の共闘を繰り広げ中破するもG-UNIT最終型のパーツに使われた。
背景がやや特殊で、機体設計者が最初から敵軍と通じていたため、「奪う前から改造用のパーツが用意されており、技術解析の必要もなかった」という珍しいケースと言える*9


ガンダムDXダブルエックス)

機動新世紀ガンダムX』の後期主人公機。
新地球連邦軍が威信をかけて開発した新型機で、ゾンダーエプタ島でガロードたちの前に登場する。
神々しいまでの後光を見せながらのツインサテライトキャノンの発射演出は圧巻の一言。
本来、サテライトキャノンの使用にはニュータイプによる月の施設への登録が必要だが、新連邦はかつてジャミル・ニートが搭乗していたガンダムX(NT-002)の残骸を回収し、登録済みのデータを流用することで使用可能にしている。
一度はカトックとガロードによって格納庫を制圧されるも、機体の開発を推し進めた当のアイムザット・カートラルは自分たちの手元にあるGコンがないと起動しないと高を括っていた。
だが、保管されていたガンダムX(NT-001)時代から使っていたGコン*10を別行動していたジャミルたちが奪取してガロードに渡されたため、それを使って即起動されてしまう。
DXはジャミルやカトックの亡骸を手に乗せて船から脱出し、同じく脱出したフリーデンに届けた後、追撃のバリエント部隊に対し固定装備のみで戦闘し全機返り討ち。
さらに現れた新連邦極東部隊に対し、ツインサテライトキャノンを無人のゾンダーエプタ島に撃ち込んで威嚇・撤退させた。


∀ガンダム

∀ガンダム』に登場する主役メカ。
終盤に月面で兄弟機のターンXとの決闘を行った時、ロラン・セアックがコックピットだけを離脱させて敗走している。
その後は残った本体がギム・ギンガナムらギンガナム艦隊の手に渡り、地球侵攻作戦ではスモーのコックピットを流用して運用されていた。
後にロランたちの手で奪還されるが、それまでの間にメカニックによって整備されたため鹵獲前よりも性能が上がっている。

「貴様達の整備のおかげで使いやすくしてくれてありがとう!」
「使いやすくしたあぁ!?」


ストライク以外の前期GAT-Xシリーズ

機動戦士ガンダムSEED』に登場する機体群。
地球連合軍が立案し、中立であるオーブ連合首長国のモルゲンレーテ社が主導して極秘裏に開発された初の地球連合製MSだったが、資源コロニー「ヘリオポリス」から搬出される直前、情報を掴んでいたザフト軍クルーゼ隊によって強奪された。
唯一強奪を免れたストライクガンダム以外の4機がザフトの手に渡り、以後長い期間、兄弟機が敵味方に分かれて対決することになる。
5機の中でブリッツはストライクによって撃墜され、イージスはストライクを巻き込んで自爆。唯一強奪を免れていたストライクも大戦末期に母艦アークエンジェルを陽電子砲からかばって爆散したため、稼働状態で終戦を迎えられたのはデュエルとバスターだけであった。
なお、デュエルは終戦までザフトによって運用されていたが、戦後に地球連合に返還されたと言われており、三隻同盟にパイロットとともに加わったバスターもザフト(強奪)→地球連合(奪還)→オーブ(モルゲンレーテ社)→三隻同盟と希有な運命を経てデュエルと同じく返還された……はずだったが、劇場版ではザフトで改修された機体が再登場した。
返還したものを再度譲渡してもらって改修したのか、そもそも設定を覆して返還そのものがなかったことにされたのかは不明だが*11、少なくともディアッカ・エルスマンはバスターに愛着を持っているようだ。

なお、強奪や鹵獲とは異なることから詳細は省略するが、ヘリオポリスではこれとほぼ同時期に別のMSも3機ほどそれぞれ別々の勢力に持ち去られている


フリーダムガンダム

『機動戦士ガンダムSEED』の後期主人公機。
アークエンジェルがいるであろう地球連合軍本部JOSH-Aにザフトが奇襲を仕掛けたことを知り、仲間たちを守るべく再び戦うことを決めたキラ・ヤマトに、彼が戦うための「剣」としてラクス・クラインが横流しに近い形で手引きし、強奪されたザフト製のガンダム。
ニュートロンジャマー」という装置によって核の使用が制限されている劇中において初めて登場した、作品内でも数少ない核エンジンを動力とした「ニュートロンジャマーキャンセラー」搭載MSであり、その無尽蔵ともいえるエネルギーを利用する前提の圧倒的な性能と、パイロットであるキラの技量の高さから無類の強さを誇った。

ちなみに兄弟機のジャスティスガンダムはパイロットに任命されたアスラン・ザラに引き渡されたが、彼はザフトを裏切って機体ともども三隻同盟に加わったため、結果的には強奪された格好になっている。
ザフトからすればフリーダムともども三隻同盟に奪われたに等しいが、一度は正式に機体を受領したパイロットが機体ごと離反した形になるので強奪とはややニュアンスが異なる。
なお、もう1つの兄弟機であるプロヴィデンスガンダムでようやく正規パイロットによって運用されたが、これもこれでパイロットのクルーゼとしてはプラントを裏切って地球連合もろとも世界を壊滅させるつもりだったので、一歩間違えれば結果として3機とも奪われた形になっていた可能性があった。


ソードカラミティガンダム

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で登場した、ストライク以下「前期GAT-Xシリーズ」を発展させた「後期GAT-Xシリーズ」の1つであるカラミティガンダムの再設計機。
強奪の被害に遭ったのはエドワード・ハレルソンが受領した2号機で、大戦末期の第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後にエドワードが脱走した際に強奪。
そのまま彼の愛機として南米独立戦争の旗印となり、彼を危険視した連合の差し向けた刺客の最後の1人である「乱れ桜」レナ・イメリアの搭乗する1号機との激戦の末に相討ちとなり中破。
エドワード・レナ両者ともに瀕死の重傷を負い、その模様を撮影していたジェス・リブルが彼らをプラントの中立基地へ担ぎ込んだためにそのまま放棄されていたが、MSコレクターのカイト・マディガンが両機ともに回収して保存しており、『Δ ASTRAY』の描写では2号機はエドへ返却された模様。
1号機はそのままコレクションとして保管され、3号機は第三次ビクトリア攻防戦への協力の見返りとして乗り手である連合製コーディネイター「ソキウス」3名とともにサハク家へ譲渡されているため、描写の限りでは1機残らず連合の手元から散逸している。


ハイペリオンガンダム

『機動戦士ガンダムSEED X ASTRAY』で登場した機体。3機が開発された。
地球連合軍の一勢力であるユーラシア連邦初のMSで、1号機にはスーパーコーディネイターの失敗作でもあるカナード・パルスが搭乗。彼が率いる「特務部隊X」が運用していた。
所属する衛星基地「アルテミス」の指揮官ジェラード・ガルシアは彼と本機の力で出世しようと目論んでいたが、急激に進む戦況に対応できずに上層部に切り捨てられてしまう。
その逆恨みにカナードを拘束しようとするが、部隊もろとも離反された上にニュートロンジャマーキャンセラーを有する大西洋連邦の基地を襲撃されてしまう。
さらにオマケとして「アルテミスの荒鷲」の異名を持つ秘蔵っ子のバルサム・アーレンド少尉の2号機を追撃させるが、まんまとコクピットだけ撃破され、機体は1号機の修理パーツとして使用されてしまうのであった(その後の扱いは後述)。
こうして一瞬にしてガンダムを2機も失ってしまったガルシアはそのまま歴史の波に埋もれて生死不明となり、アルテミスも所有者が有耶無耶になったらしく、後に意外な勢力が再使用することになる。
ハイペリオン自体は修復されて核エンジンを外付けし、「スーパーハイペリオンガンダム」として改修された上で独立部隊となったカナードが搭乗するも、ドレッドノートガンダムとの再戦の末に撃破されて核エンジンが暴走・ロストしてしまった。
カナード自身は生存しており、以降は受け継いだドレッドノートを愛機としている。

ちなみにこのバルサム・アーレンド、機体の左肩やヘルメット(設定画より)には7つの撃墜マークが施されているが、これは全てシミュレーションでの戦果であって実戦経験はほぼ皆無。
「アルテミスの荒鷲」という異名もムウ・ラ・フラガの「エンデュミオンの鷹」を真似た自称に過ぎず、いくらカナードがエースパイロットだったとはいえ、半壊した同型機を相手に完敗したことから見ても実際の実力は平凡でしかない*12
2号機自体も1号機にパーツを提供するためだけに登場したかのような描写になっており、パイロットともども「史上最弱のガンダムパイロット」「予備パーツ」などとネタにされることもある。

なお、戦闘中にパイロットだけを殺害し、ガンダムだけ持ち帰るという展開は割と珍しいケースである。
ガンダムを並みのパイロットに任せるとどうなるかの好例だろう。


エクリプスガンダム2号機

漫画『機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE』にて登場。2機が開発された。
大戦後に偶然手元に転がり込んだフリーダムを勝手に解析し、得られたデータを元に開発。オーブがユニウス条約を締結していないことを口実にミラージュコロイドを装備し、オーブの理念に反する「敵国が攻撃姿勢を変えた段階で攻撃を開始する、超長距離、超高速度、超高高度からの敵基地攻撃能力」という趣旨で開発された戦略爆撃機という極めてイリーガルな機体であるため、存在が明るみに出ればオーブのシンボルである太陽を覆い隠し、闇をもたらす存在ゆえに「エクリプス(日食)」の名を持つ。
1号機は白と青を基調とした明るい塗装だが、予備パーツの2号機は爆撃機として強調すべく夜間迷彩を兼ねた黒と赤の邪悪なカラーリングになっている。

このような政治的事情からオーブ外務省の国際災害救助組織「ODR」が保有していたが、密かに武装組織「アンティ・ファクティス」と通じていたケン・ノーランド・スセに強奪された。
奪ったのはケンだが、恐るべきは分かりやすいテロリストを撒き、情報を小出しにしてODRをおびき寄せ、隙を突いて修復が必要な状態にまで損傷を与え、2号機を「動ける状態にして」まんまと奪い取ったアンティ・ファクティス首魁ジョエル・ジャンメール・ジローの采配と言えよう。
1号機は多数のビーム兵器にフェイズシフト装甲・ミラージュコロイドといったエネルギーを消費する装備が多い割にバッテリー駆動というチグハグさがあったが、2号機は核エンジンを搭載しており、連合基地に核攻撃を仕掛け再び戦争を「オーブを戦場に」始めようとするのがアンティ・ファクティスの目的であった。
それを止めるために大急ぎで修理され、新型ストライカーパックを装備したホーリの1号機と交戦するがわずかな差で制されたこと、そして途中から邪悪な本性を現したジョエルに立ち向かうためにケンはジョエルと袂を分かち、ホーリと再び共闘する。
上記の通り1号機は矛盾した機体性能で2号機は予備パーツとのことだが、これはあえて1号機を技術的に「間違った使い方」をして見せることで各国に本機を調べさせ、「もし正しい使い方をすれば……」とあえて「真のエクリプス」たる2号機の正しい使い方を察させることで間接的な抑止力とするのが本機の真の目的である。
すなわち、永久中立国家たるオーブが存在する限りは「2号機(本来の使い方)」が起動することはまずないが、万が一オーブが滅ぼされて残党が報復を行えば、エクリプスは恐ろしい殺戮兵器と化してしまう。このようにオーブを滅ぼせばまた同じものを作り出すかもしれないことを示唆し、「オーブという国家をこの世からなくす」という選択をさせない抑止力を生むのである。
「核搭載モビルスーツ」「内通者によって強奪される」「報復を目的に開発」「1.5作目の物語に登場」など、言うなれば『SEED』版ガンダム試作2号機にして現代の実際の軍事における「戦略兵器を持つということ」を『SEED』の世界観に落とし込んだコンセプトを持たされた機体。*13
『SEED』自体が「21世紀の機動戦士ガンダム」と呼ばれることもあり、オマージュ としての側面も多分に含まれている。


ガイアガンダムカオスガンダムアビスガンダム

機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で登場したセカンドステージシリーズと呼ばれる機体群。
前作とは逆転する形で、プラントの工廠コロニー「アーモリー・ワン」で開発されたところを地球連合軍特殊部隊「ファントムペイン」によって強奪されてしまった*14
描写を見る限り、ザフト兵士が一般人に扮したファントムペインの3人を格納庫に案内して武器を提供していること、ダークダガーの奇襲やアウル・ニーダが「情報通り」と言っていることから見ても内通者による手引きである可能性が高い。

主人公のシン・アスカが乗るインパルスガンダムや、開発の遅れによって本国に保管されていたところをザフトに復帰したアスランのセイバーガンダムミネルバ隊の面々と交戦し、物語中盤に至るまでメインのライバル機として幾度となく交戦を続けていった。

ガイアはパイロットであるステラの独断行動でロドニアに突撃した所をシンとアスランに迎撃され、機体を破壊せず無力化された*15ことからそのままザフトに奪還される。
……かと思いきや今度はクライン派に再度強奪されエターナルに運び込まれてカラーリングを変えた上でアンドリュー・バルトフェルド専用機として運用された。
劇中では何の説明もなく再登場したのでクライン派の手に渡った経緯は不明だが、バルドフェルドが隻腕で義手付きかつ隻眼という非常に重いハンディキャップを抱えているため、クライン派の手に渡った後でそれを埋めるための改修が行われている可能性はある。
一度は強奪された機体が奪還されるだけでも珍しいのに、その後さらに別の勢力にまた強奪されるというのは前代未聞である。

アビスは宇宙ではもちろん、得意の水中からもミネルバを苦しめたが、ガイア奪還後のクレタ沖での戦闘にてSEEDを発現させたシンのブラストインパルスによって撃墜され、パイロットのアウルも戦死した。

カオスは途中でフリーダムにバラバラにされたりしながらも最後まで生き残るが、ベルリンの戦闘でイケヤ・ニシザワ・ゴウのムラサメ一個小隊の連携攻撃で墜落したところを、胴体を両断されて撃墜された。
パイロットのスティング・オークレーは辛くも生存している。強化人間とはいえさすがにタフすぎる。



ストライクフリーダムガンダムインフィニットジャスティスガンダム

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場した機体。フリーダムとジャスティスの2代目とも言うべき後継機(先代と同時期に開発された説もあり)。
設定が二転三転しているのでは詳細は不明だが、いずれの場合でもクライン派がザフトから情報なり設計中の機体を奪ったことは間違いなく、軍事工廠「ファクトリー」で完成された点では共通。
しかし、劇中では開発経緯に関して明確に言及されるシーンはなく、あくまで設定上の話でしかない。
ちなみに、ストライクフリーダムは後の劇場版においても、本編開始前の設定ながら強奪されかける目に遭ったことが語られている(詳細後述)。


テスタメントガンダム

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で登場。アウトフレームのオリジナル機体。
元々ジェネシスαで管理されていたが、施設の強豪パイロットのアッシュ・グレイの留守中に地球連合(厳密には一族)が襲撃して強奪。
ストライカーパック検証用の機体というのも仇になり、戦場で放棄されていたものを回収・保管していたソードストライカーを駆使して防衛線を突破し、エールストライカーに換装してまんまと逃げきった。
その後はカイト・マディガンの手に渡るが、こちらはその時のパイロットが事実上放棄したものを回収したので厳密には強奪ではない。
なお、予備フレームと予備パーツがジェネシスα内に残されており、それらをロウが回収。発泡金属装甲などを継ぎ足すことで組み上げたのがアウトフレームである。


ガンダムキュリオス

機動戦士ガンダム00』の主人公勢力「ソレスタルビーイング」の運用する主要機体、通称「ガンダム」の一機。
物語序盤からセルゲイ・スミルノフら人類革新連盟の部隊によって追い込まれ、ソーマ・ピーリスとの相性の悪さに付け込まれるなどして鹵獲されかけたことが何度もあったが、パイロットであるアレルヤ・ハプティズムの覚醒や別部隊の救援で事なきを得ていたため、ガンダムの中で最も窮地に追い込まれつつも生き延びていた。
だが、物語終盤から登場したGN-Xによってさらに状況が悪化し、最終決戦においてセルゲイの捨て身の行動で機体が大破。そのまま国連軍によってパイロットともども鹵獲され、アヘッド開発の礎として研究開発の対象にされてしまった。
ただし、動力源のGNドライヴに関してはアレルヤが咄嗟の判断でパージして母艦プトレマイオスに送ったことで難を逃れている。


ガンダムAGE-3

機動戦士ガンダムAGE』の3代目主人公機。
物語中盤でウェアをオービタルに換装したものの、強化されたギラーガザムドラーグによって苦手な近接戦闘を強いられたことで鹵獲されてしまう。
その後はヴェイガンの工廠に運ばれて機体構造などを解析されてしまい、後のガンダムレギルス開発の一翼を担ってしまう。
しかもキオがヴェイガンから脱出するとレギルスによって圧倒的なまでの実力差を見せつけられ、最期はダルマにされてしまった。


G-セルフ

ガンダム Gのレコンギスタ』の主人公機を務めるG系MS。
ヘルメスの薔薇の設計図に基づいてドレット軍に開発され、斥候として地球に降下していたが、第1話からして地球に降下してきたところをキャピタル・アーミィに鹵獲され、それを海賊部隊が横から掠め取るところから物語が始まる。
その後、同話後半でアイーダ・スルガンが本機を使用してキャピタル・タワーに攻撃を仕掛けるも、ベルリ・ゼナムの活躍によって拿捕されてキャピタルの管理下に置かれ、第3話ではアイーダがこれを奪還してベルリたちとともに海賊部隊に帰還。
さらに中盤ではクレッセント・シップを占拠したジット団に戦利品として拿捕され、これをベルリがG-アルケインで奪還……と、奪還も含めるなら全26話の中で5回も強奪されていると言う多難すぎるMS。
この機体には「レイハントン・コード」という強固なセキュリティロックがかけられており、レイハントンの血を引く人物と正規パイロットのラライヤ以外には操縦どころかコクピットハッチを開けることすらできない。
ほとんどの工業製品が「ユニバーサル・スタンダード」という共通規格に基づいて互換性を持つ作中世界では言うまでもなく稀有な機能であり、ジット団のフラミニアからは「資源が限られた宇宙で使うマシンなのに、ユニバーサルに使えないなんて何事か」と怒りを露わにされていたが、そんな機体に限って何度も奪われるという皮肉めいた経歴を辿ることになった。


G-ルシファー

同じく『Gのレコンギスタ』において、ジット団がヘルメスの薔薇の設計図から開発していた下手なラスボスよりもラスボスっぽいデザインに定評があるG系MS。
最終調整中の機体が格納庫に保管されていたことに目をつけたマニィとノレドによって強奪され、そのままメガファウナに持ち込まれてラライヤの乗機になった。
ちなみにこの強奪シーンはパチンコ一個でやってきたノレドによって成功しているが、整備士2人は最初からほとんど抵抗らしいものも見せていない。渡す直前になっても拘束すらされないどころか猫を抱えている始末で、どこか呑気な雰囲気すら感じ取れる様子は譲渡に近しいものがある。
なお、調整中ということでコクピットにはサブパイロット用シートが取り付けられていたが、海賊部隊で使われるようになってからも取り外されることはなく、ノレドがサブパイロットとして同乗している。


ガンダム・バエル

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する機体。
300年前に起きた大戦争「厄祭戦」で活躍した、72機あるガンダム・フレームの1号機。
作中ではギャラルホルン本部の地下格納庫に安置されていたが、マクギリス・ファリドの手によって再起動。ギャラルホルン全部隊に反旗を翻し、革命軍の旗印として活動する。
キマリスヴィダールと激しい攻防を続けるも戦略的な勝利に恵まれず、最終的にはスキップジャック級戦艦の格納庫にもつれ込む形で突っ込んで機能を停止。戦後は厳重な封印処置をされた上で再び元の場所に戻された。
強奪されつつも最終的にはボロボロのまま取り戻したという点ではデュエルやバスターに近しいものがあるが、パイロットの言動や目的からして簒奪に等しい行為も行われている稀有な例。


ガンダム・アスタロト

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 月鋼』に登場する機体。本当に「ガンダム売るよ」されてしまった機体。しかも2回も。
まずストーリー開始前に、ウォーレン家が所持していた本機が御家取り潰しの憂き目に遭って闇市場に売りに出されてしまった。
最終的には複合企業「タントテンポ」の手に渡り、タンポテントに身を寄せていたウォーレン家の嫡男ヴォルコが修復に奔走し、ある程度戦える状態にまで修復されていた。
その後いろいろとあったのと彼は体が不自由なため、主人公のアルジにパイロットを任せることになった。
とはいえ、こちらは恐らくは正式な手続きによる売却かつ、元の持ち主が正式に渡したことから厳密には強奪ではない。

問題はその後。
アスタロトの装甲は別のガンダム・フレームであるガウヴァルに使われていたが、それを撃破したことで奪還。
こうして残り18%くらいでアスタロトが元に戻る……というところで、ウヴァルのパイロットの元にいた謎の女ナナオ・ナロリナによって強奪され、またもや闇市行きになった。
とりあえずフレームだけは木星で見つかったので、別の機体の装甲を使って「ガンダム・アスタロトリナシメント」として生まれ変わることになった。


ガンダム・ダンタリオン

同じく『鉄血のオルフェンズ 月鋼』に登場する機体。
まず作中世界の舞台となるポスト・ディザスターにおいて、ガンダムは基本的に「家」が所有しており、本機もご多分に漏れずにザルムフォート家が所有していたが、一家の活動に疑問を持った嫡男のザディエルが強奪する形で持ち出した。
その後は独自に活動するも、紆余曲折を経てパイロットともどもザルムフォート家に帰還する。
パイロットが所属組織から勝手に持ち出し、返還されて元鞘に納まり、なおかつ終始パイロットが変わらないという強奪ではなかなか珍しいパターン。

ちなみに、ナディラ家の所有する「ガンダム・グレモリー」も、一家にかけられた不正取引の疑いから逃れるためにパイロットかつ当主のデイラ・ナディラに持ち出されている。ポスト・ディザスターのガンダムこんなんばかりだな。
後にデイラの疑いは晴れて家に戻ることになったので、グレモリーも戻ったと推測される。


+ 『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のネタバレ注意!

RX-78-02ガンダム(GQuuuuuuX)

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の宇宙世紀における最初の「ガンダム」で通称『白いガンダム』。
原作と同様に「V作戦」の一環で開発されてサイド7の1バンチに搬入されていたが、宇宙世紀0079年9月18日、本作では乗機が不調のジーンに代わってシャア・アズナブル少佐自らがザクに乗り込んで奇襲を敢行。
パイロットのいないまま屋外に置かれたままのガンダムを発見したシャアは、その場で乗り換えてまんまと鹵獲に成功。
ジオン公国にてリバースエンジニアリングされた上でシャア専用カラーに塗り替えられ「赤いガンダム」として猛威を振るうが、一年戦争末期に謎の現象「ゼクノヴァ」でシャアもろともMIAになる。

本編では何らかの経緯でシュウジ・イトウの乗機となっている。


GQuuuuuuX

『GQuuuuuuX』本編の宇宙世紀0085年までにジオン公国が開発したニュータイプ専用ガンダム。
イズマ・コロニー周辺で目撃されていた赤いガンダムの捜索・確保のために出撃するも、パイロットのエグザベ・オリベが新システム「オメガ・サイコミュ」を起動できず苦戦。コロニー内までもつれ込んだ戦いの末に操縦不能になり、やむなくエグザベは機体から降りる。そこに軍警察と交戦中の主人公アマテが現れ、強そうだからとGQuuuuuuXに乗り換えるとオメガ・サイコミュが起動。軍警ザクを撃破した後、そのまま持ち去ってしまった
そしてエグザベは軍警の拷問を受けるという踏んだり蹴ったりな目に遭った。


エルガイヤーを除く機甲神

SDガンダム外伝シリーズの『機甲神伝説編』に登場する機兵*16だが、主役機のエルガイヤー以外は毎回のように奪われたり操られたりしている。
まず本編以前、ネオガンダムとルナガンダムが月から脱出する際にアルテイヤーが破壊されて脱落する。
そのアルテイヤーの残骸はエルガイヤーの模造品であるカオスガイヤーとして修復され、エルガイヤー以外の5機を奪って合体し闇機甲神ガンジェノサイダーとなる。
最終的にはカオスガイヤーが破壊されたことで奪還された。それとは別にジュピタリアスも当初はデラーズ軍に鹵獲・洗脳されて死機兵エビルシャドウとして運用されていた。
鎧闘神戦記編』では、今度は暗黒卿マスターガンダムの怨念が鹵獲されたエルガイヤー以外の機甲神を操り、暗黒機甲神ジェノガイストとして暴れまわる。この時には破壊されて長期の修復に入る。
『新生生誕伝説編』ではマスターガンダムに乗っ取られていた後遺症がまだ残っていたギガンティスが暗黒機甲神ギガンティスと化し、他4機を操っていた。
ギガンティスが騎士バルバトスに浄化されたことで他の4機も正常に戻った。


機動武神天鎧王

SD戦国伝シリーズの『新SD戦国伝 超機動大将軍編』に登場する天空武人の遺産である巨大ロボット
天宮と魔界の境界を封じる力を持っており、魔界への扉をその身をもって抑え込んでいたが、魔星大将軍に乗っ取られ覇道大将軍のパーツ*17として取り込まれてしまう。

後に同じく天空武人の遺産である超機動大将軍によって倒されたことで奪還されるが、短期間のうちに魔界側にすっかり解析されていたのか、『刀*18覇大将軍編』では魔刃頑駄無(魔刃冥王殿)率いる魔界の戦力として模造品と思しき黒い天鎧王が投入されている。

また武者○伝では魔王頑駄無が「天馬の国沈没エネルギー」を吸い取るべく、恐らくは超時空転移装置によって天馬の国(現代日本)に召喚。
再び闇の力に支配されてしまい、その波動を感じ取った號斗丸=爆王頑駄無との死闘の末に破壊された。
こちらは號斗丸の反応から、恐らく『超機動大将軍編』の物と同じ本物の天鎧王と思われる。劇中では容赦なくブッ壊しているが、よかったのだろうか。


強奪されかけた機体

RX-78-2ガンダム

実は早くも第1作目『機動戦士ガンダム』から奪われかけている。
第1話で民間人のアムロが勝手に乗り込んだことや、第2話でシャア少佐が上官のドズル・ザビ中将から「できるならそのモビルスーツを手に入れろ!」と命を受けたが*19、実際には捕える以前の問題だったことはノーカンとしても、第16話でセイラが兄の消息を知るために無断で出撃して満足な操縦が行えなかった時に鹵獲されかけたことがある。
間一髪でガンキャノンに乗ったアムロが駆けつけ、逆にパイロットごとザクを鹵獲してホワイトベースに帰艦したことで事なきを得たが、連邦軍反攻の切り札である本機で無断出撃した挙句鹵獲されかけるなど大失態もいいところであり、劇場版ではマチルダ・アジャン中尉から「ニュータイプの実験という意味がなければ無断でガンダムを使ったあなたは重罪です。レビル将軍の尽力を認めてやってください」と釘を刺されている。
また、周囲との確執に耐えかねたアムロがガンダムごとホワイトベースから脱走したこともあったが、もちろんアムロがジオン軍に内通していたわけではないし、後にホワイトベースに帰艦するにあたり一緒に持ち帰っているので強奪ではないだろう。
ちなみにこの時、アムロの処遇を不安視するハヤトに対して「脱走者は死刑に決まってらあな」と煽るカイにセイラも「必要ならばそうするってことよ」「このままアムロのわがままを通させるわけにはいかないわ」と同調しているが、このエピソードはよりによって彼女が無断出撃した次の回であり、盛大なブーメラン発言になっている。

しかし、劇場版『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』では歴戦のエースパイロットであるククルス・ドアンの乗るザクとの一騎討ちの末に割とガッツリ負けて*20ガンダムを鹵獲されている。
なお、TV版第15話ではコア・ファイター部分のみでドアンの島に来ているため、ガンダム自体は鹵獲されてない。


ガンダム・ピクシー2号機

同組織内で起きた強奪。
元々はホワイトベースに輸送予定だったが、ジオン軍のウルフ・ガー隊に目をつけられて何度も基地を襲撃される。
高性能なガンキャノンですら太刀打ちできない敵部隊に対抗するために、護衛小隊隊長のボルク・クライ大尉は無断でピクシーに乗り込み敵を退けた。
しかし、その越権行為は無能な上官のノクトにとっては目にあまる行為であり、現状を把握しようともせずにピクシーを取り上げようとするが、ボルクに自分の靴を舐めろと命じた後正式に譲渡となり、彼の愛機となる。
とはいえ、ノクトとしては現状を打破できた後は再びピクシーを輸送するつもりだったのだろう。
だが結果的にそうはならず、ボルクの愛機として最後まで戦い抜いた。

「事情により余ったガンダムに強引に乗り込み敵を撃破し認められる」というのは一種のテンプレでもあり、同じような展開が『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラ戦記0122』の主人公ベルフがガンダムF90に乗ることで行われた。
ただし、F90の方は本来の乗機であるジェガンが修理中だったことと、上官が物分りのいい人物だったのでスムーズに譲渡されている。


ガンダムNT-1

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』に登場するガンダム。通称「アレックス」。
元々はニュータイプ専用機として開発されていたが、ニュータイプとして覚醒しつつあったアムロの反応速度にガンダムが追いつけなくなったことから、彼の専用機として転用された背景がある。
設計段階から各部にマグネット・コーティングを採用し、さらにスラスターや反応速度などを徹底的に向上させた結果、総推力174000kgというケタ外れの数値に到達*21。さらには史上初となる全天周囲モニターに追加装甲のチョバム・アーマーを備えるなど、一年戦争のMSとしては間違いなくオーパーツないしオーバーテクノロジーの機体である。
しかし、あまりにピーキーすぎるゆえに並みのパイロットでは扱いきれない機体になってしまい、本機の開発に携わった技術者をして「こいつをまともに扱えるのは一種の化け物」と言わしめている。
そのため、テストパイロットであるクリスチーナ・マッケンジー中尉の技量をもってしても機体の性能を引き出すことはできなかった*22

北極基地からパーツの状態で宇宙へ上げられ、中立であるサイド6のリボー・コロニー内の工場で組み立てと最終調整が行われていたが、新型ガンダムの情報をキャッチしたジオン軍特殊部隊「サイクロプス隊」の標的になり、連邦兵に変装していた彼らに危うく奪われかけた。
幸いバーナード・ワイズマン伍長の失言もあって潜入が露見し、銃撃戦の末に彼を残して隊員は全滅。ケンプファーの襲撃時にはクリスチーナの手によって起動し、チェーンマインでチョバム・アーマーとブレードアンテナの片方を破壊されつつもガトリングガンで撃破に成功した。
しかし、バーナードの駆るザクⅡ改との戦闘では市街地への被害を避けるために単身森林に突っ込んでいった結果、ビームサーベルでザクを撃墜することには成功するも、本機も頭部や左腕を破壊されるという損傷を負ったため、ホワイトベースに届けられることなく終戦を迎えた。

一年戦争末期という時間的な制約があるため、仮に無事だったところで戦線に投入されていたかはさておき、もしホワイトベースに届けられていた場合はシャアのジオングを瞬殺し、ラスト・シューティングもなくア・バオア・クーから無傷で帰還していたとも言われる
当然ながらシャアの戦死によって『Zガンダム』以降の作品につながらなくなり、ひいては宇宙世紀の歴史を変えていたとも言われるため、後付けとはいえ本機の存在は極めて大きな分岐点になったと言えるだろう。

なお、ジオン軍の上層部としては万が一作戦に失敗した場合、核攻撃でコロニーごと本機を抹殺する予定だったが、その前に連邦軍艦隊に投降したことで未遂に終わった(バーナードはその事実を知らない)。


Ζガンダム

『Ζガンダム』の後期主人公機。
実際に奪われかけたのは続編の『機動戦士ガンダムΖΖ』序盤で、ジャンク屋稼業をしていたジュドー・アーシタとその仲間たちによって整備中のアーガマ内部に侵入・強奪されかけた。
もし成功していた場合はどこかに売り飛ばされ、その資金は妹リィナの学費になっていたことだろう。


νガンダム

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主人公機。
物語中盤でケーラ・スゥのリ・ガズィを人質に取ったギュネイ・ガスが人質解放と引き換えに本機の武装解除を要求し、もう一歩で捕獲されるところまで追い詰められた。
しかし逸ったギュネイのミスで人質のケーラが死亡してしまい、結果として捕獲を免れている。
なお、『ギレンの野望』シリーズではifルートとして「もしνガンダムが手に入ったら」というルートが存在しており、この場合では奪取に成功している。


陸戦型ガンダム

機動戦士ガンダム 第08MS小隊』の前期主人公機。量産機なのでシロー・アマダ隊長以下08小隊の面々も搭乗する。
ゲリラの少女キキ・ロジータが全裸で水浴びをしていたところを偶然見てしまったシローが、後の挟撃作戦の際にゲリラに因縁を付けられ、ガンダムもろとも連れ去られた。
必死の説得の末、キキに監視を付ける条件で解放したことで作戦に復帰、機体も取り戻したが、ゲリラに相当荒らされたことに頭を痛めていた。


ユニコーンガンダム

機動戦士ガンダムUC』の主人公機。
元々はネオ・ジオン軍残党の袖付きに譲渡される予定だったのが急遽変更されてしまったのと、連邦政府の根幹を揺るがすと言われた「」の鍵である特性から、箱の居場所が特定されるまで各陣営に固執されている。
クシャトリヤシナンジュはもちろん、2号機にあたるバンシィにまで追われている始末で、「必要なのはコクピットとパイロットだけだから、四肢を捥いで強引に連れ帰れ」とまで命ぜられている。
何度か誘拐・奪取されているがセキュリティ上の都合でパイロットであるバナージ・リンクスから放すことができず、いずれも最終的には母艦ネェル・アーガマの元へ帰参している。

ちなみに厳密に言えばガンダムではないが、本機の開発の元になった兄弟機シナンジュ・スタインはデータ収集後に袖付きの手によって奪取されてしまい、シナンジュとして改装された上で本機の前に立ちはだかることになる。
だが、実際にはアナハイム社と袖付きの共謀の上で強奪に偽装した譲渡という体になっており、そもそもスタインが常人では扱えないほどの欠陥同然の性能になっていたのも、最初から「常人ではないパイロット」の搭乗を前提にしていたからである。


クロスボーン・ガンダムX3

『クロスボーン・ガンダム』に登場する3番機。
木星軍と地球連邦軍の攻撃によってシーブック・アノーやベラたちの海賊軍が窮地に陥り、シェリンドン・ロナの思惑により監禁されていたトビア・アロナクスが奪取しようとする。
しかし、相対した際のやりとりと自ら血を流す姿にトビアの覚悟を受け止めたシェリンドンは追撃を放棄。半ば投げやり気味の形ではあるが持ち出しが認められた。


Vガンダム

機動戦士Vガンダム』の初代主人公機(高級量産機)。
序盤で敵のクロノクルたちの部隊に捕まり、鹵獲されたことで試験運用される。
だが、他の仲間たちとの戦闘の際にクロノクルが操縦に慣れていなかったこともあって脚部を破損。分離することもできず、丸ごと放棄したために奪還された。
ちなみにウッソは奪還の際にゾロに乗っていたがあっさり慣れており、奪還後にはブーツアタックまで行っているとクロノクルとは対照的だった。

もしこのままラゲーン基地まで持ち帰られていたら、単純ながら性能が高い機体構造やベスパより完成度が高いミノフスキーフライトのシステムなどを解析されていただろう。


ゴッドガンダム(形式番号:GF13-017NJII

『Gガンダム』の後期主人公機。ネオジャパン代表機体であり、第13回においては同国の代表機体としてはシャイニングガンダムに次ぐ2号機に当たる。
ガンダムファイターに憧れる少年チャンが勝手に乗り込むが、当然ながら訓練を受けてない彼ではファイティングスーツの着用に耐えられず、間一髪でドモンが彼を気絶させたことで事なきを得る。
モビルファイターたるガンダムは肉体が屈強ではない人が乗ると全身の骨がバラバラになるため、乗っているファイターに合わせて各種調整をしているが、この描写を見る限り正規のファイター以外の搭乗を制限するセキュリティはないようだ。
ちなみに彼が本機を奪おうとした動機は、コブラガンダムのパイロットであるシジーマおよびその飼い蛇の巨大コブラに痛めつけられているドモンを見て、あんな弱い人物はガンダムファイターにふさわしくないと考えたため。なお、実際の試合では無事ドモンが勝利した。


ストライクガンダム

『SEED』の前期主人公機。
兄弟機の他4機がザフトによって強奪される中、本機の奪取を担当したラスティ・マッケンジーが戦死し、地球連合軍の女性士官であるマリュー・ラミアスと現場に居合わせたキラが搭乗。アスランの先輩であるミゲル・アイマンが鹵獲を試みた。
ジンの武装ではフェイズシフト装甲に歯が立たなかったが、当初はパイロットですらないマリューがアスランの銃撃によって腕を負傷した状態で操縦していたこともあって窮地に陥るものの、咄嗟に操縦を代わったキラが機体のOSを書き換えたことで驚異的な機動性に追いついていけずに敗北し、自爆装置を作動させた上で戦闘データを持って脱出。
そのため、本機は唯一地球連合軍の手に残っていたが、なし崩し的にパイロットに任命されたキラがザフト軍人のアスランと親友同士だったことから*23、アスランは何度もザフトに来ないかと説得しており、煮え切らないキラに対してイージスで強引に鹵獲してヴェサリウスまで連行しようとした。
間一髪のところで間に合ったメビウス・ゼロの介入で事なきを得たが、イザークらアスランの仲間たちからも連行は反対されており、そもそも命令は撃破だったので持ち帰ることができたかは疑問。


フリーダムガンダム

『機動戦士ガンダムSEED』の後期主人公機。
上記の通りザフトから奪われた機体ではあるが、同時に地球連合軍に捕獲されかけてもいる。
その機動性からニュートロンジャマーキャンセラーを搭載していることが看破され、研究対象として捕獲を命ぜられたレイダーガンダムフォビドゥンガンダムの挟撃に遭い、パイロットのキラがとある事情で冷静さを失っていたこともあって、背部ウイングの片翼と頭部を失う損傷を受けてあわや鹵獲という事態に。
幸いジャスティスやバスターの支援で何とか助かったが、もし捕獲されていた場合はパイロットの精神的負荷が過剰にかかっていた時期だったことから抵抗すらままならなかっただろう。


ストライクフリーダムガンダム

上記の通り元々はザフトから強奪された設定ではあるが、劇場版『SEED FREEDOM』では本編の半年前、アークエンジェルに引き渡された本機が正体不明のテロリストに強奪され、地上の施設を破壊して回るという事件が発生。幸い、突如出現したブラックナイトスコード ルドラが撃墜したことで鎮圧に成功する。
劇中ではカガリ・ユラ・アスハの「半年前のフリーダム強奪事件ではオーブも彼らに借りがある」という発言や撃墜時の回想シーンが描写された程度だったが、いかんせん介入のタイミングが都合よすぎることや、そもそも本機はキラでなければまともに操縦できないこと、ブラックナイトスコード カルラの武装が本機に類似していることなどから、事件自体がファウンデーション王国による自作自演の可能性がある。
撃墜された本機はオーブに回収され、モルゲンレーテ社から修復を兼ねて「ストライクフリーダムガンダム弐式」へと改修されることになる。


ガンダムエクシアガンダムデュナメスガンダムヴァーチェ

『00』の第三世代MSたち。
何十年も先を行く技術と圧倒的性能から、その存在が認知された第2話から鹵獲計画が立案されており、以降も鹵獲に関する描写が多い。
組織の実態を含めた機密保持の厳重さの裏返しで、放棄された武装や新システムの発見、さらにはガンダムに触れた指先の情報だけでも高い価値を有している*24
人類革新連盟によるガンダム捕獲作戦ではヴァーチェおよびキュリオスが鹵獲されかけ、アザディスタン内紛ではエクシアがコクピットをこじ開けられそうになった。
さらにガンダム鹵獲のために三国家が合同で行った軍事演習では、14時間にもおよぶ飽和射撃でAEUがヴァーチェを、ユニオンがデュナメスを、人類革新連盟がキュリオスを、サーシェスがエクシアをそれぞれ鹵獲寸前にまで追い込んだが、いずれもスローネ部隊の介入で失敗した。
その後は疑似太陽炉の普及もあって割り切って殲滅に移行するが、キュリオスの項目を見てわかる通り当時でも大きな価値を有している。


ダブルオーガンダム

『00』のセカンドシーズン主人公機にして第四世代MSの一角で、初のツインドライヴシステムを実装した機体でもある。
ヴェーダを掌握していたリボンズ・アルマークですら知らない新技術と彼自身の劣等感解消から優先的に鹵獲するよう旗下のイノベイドに命じており、直接刹那・F・セイエイと対峙した時は何度となく「(ダブルオーは)僕の機体なんだよ」と主張していた。
また、ツインドライヴの調整が不完全のまま発動したTRANS-AMの余波でオーバーロードを起こして沈黙した時はアロウズの部隊に鹵獲されそうになったこともある。


ガンダム・エアリアル

機動戦士ガンダム 水星の魔女』の主役機。
第1話からいきなり、自身の意志を無視してグエル・ジェタークとの決闘を取り付けたスレッタ・マーキュリーに不満を抱いたミオリネ・レンブランが無断で借用。
結果としてグエルとの決闘も彼女が挑む羽目になるが、その最中にスレッタが強引に乗り込んだことで奪還している。2度の挑戦者変更を律儀に認めるグエルもグエルである。
事の発端はスレッタが起動に必要な生徒手帳をミオリネに預けっぱなしにしていたという、パイロットに不手際があった珍しい例。

とはいえ禁じられていたGUNDフォーマットを利用した機体とあって、エラン・ケレス(4号)から決闘の勝利報酬として要求されたり、ペイル社から強奪を指示されていた5号に強奪寸前まで持っていかれたりとたびたび災難に見舞われている。
第17話にてグエルとの決闘に敗れたことで本機はスレッタの手元を離れるが、これは強奪ではなく決闘の結果による譲渡なので厳密には異なる。また、譲渡後も開発元のシン・セー開発公社CEOであるプロスペラが管理に一枚噛んでいるため、敵組織へ渡ったとも言い難い。


余談

実際の鹵獲兵器について

上記のようにガンダムシリーズではたびたび鹵獲兵器の実戦投入が行われており、敵軍の兵器を初見にもかかわらず乗りこなしたり、弾切れや被弾してもしれっと補給・修復されたりしている場面が見られるが、現実的な観点から考えた場合、小銃のような携行兵器ならまだしもこの手の大型兵器は前線に投入するよりも、多くの場合はリバースエンジニアリング(分解・解析によってデータを徹底的に収集)する傾向にある*25
コピーや技術の盗用までには至らずとも、弱点や脆弱性を明らかにして自軍に周知すればその脅威を大きく削ぐことができ、今後の兵器開発の参考にするなど、兵器1台分どころではない効果を生み出せるのだ。
そのため、近代の軍隊では何らかの理由で兵器を放棄せざるを得なくなった場合、敵軍に利用されないために自ら破壊することが義務付けられている。

鹵獲兵器をいきなり前線に投入した場合、細かい操縦方法がわからないことも多く、当然ながら予備パーツもない上に大抵の場合は部品の規格も異なることから補給や整備もままならず、結局使い捨てにならざるを得ないなど運用性が劣悪になってしまうことが容易に想像できる。
兵站の貧弱な組織の場合は鹵獲兵器を応急修理しながら使えるだけ使うこともあり得るが、「分析される前に奪還もしくは破壊」を目指す敵軍から集中して狙われる可能性が高い*26*27ことを考慮するとやはり長持ちしないのが現状であり、まずは一度後送して分析に回し、それが終わってから物質(ものじち)にするなり実戦運用に移るなりするのが筋と言える。
どんな罠が仕込まれているかわからないし意図的でなくても不具合に気づかずに死ぬ可能性があるため、拾った敵の兵器を解析班に回さずにその場で使うのは「そうしなければ次の瞬間死ぬ」といった切羽詰まった場合に限られる。
解析された後でさえ、後述の「ニーモーター」のように解析が不十分で事故を起こしたりもする。

なお、携行兵器のように手軽に入手できる場合では「隣の芝は青い」のごとく、敵軍の武器に魅力を感じた兵士が好んで使うこともある。
第二次世界大戦の東部戦線ではドイツ兵には堅牢で装弾数の多いソ連製のPPsh-41サブマシンガンが、ソ連兵には軽量で品質のいいドイツ製のMP40サブマシンガンが好まれたという有名な話もある。
もっとも「鹵獲した八九式重擲弾筒を使おうとして骨折した」など、運用法がわからないせいで事故が起こることはやはりある。これは本来地面に置くための台座のパーツを「膝に押し当てて使用するためのもの」と誤解したのが理由。
一説には終戦による日米交流で正しいマニュアルを理解した際に「うちもこのサイズ感のグレネードランチャーが欲しいなぁ」と小銃につけるハンドガード式ランチャーができた……とされており、事実なら最終的には「正しく解析し、正しく技術を流入させた」とは言える。

一方で、武装やパーツを自軍の規格に合うように換装するなどして効率的に運用するケースも多い。
大型鹵獲兵器をバンバン実戦投入した稀有な例が第二次世界大戦のフィンランド軍で、物資が窮乏していた当時はドイツやイタリアなどから輸入する兵器では全く数が足りず*28、ソ連軍の兵器を徹底的に鹵獲・強奪しては戦場に投入していた。何せ戦車をかっぱらう方法がマニュアル化されていたほど。
その上で、部品も他国の部品を使ったり自作したりして元のソ連の純正よりも品質をよくして使うといった離れ業を演じている。
近年にわかに有名になったフィンランド軍の自走砲BT-42もソ連軍戦車BT-7の鹵獲品を自国パーツで改装し、イギリスの砲(自国改造済み)を乗せるというだいぶ魔改造な代物だったり。
スペアパーツがなければ作ればいい
それを現実にやってのけた彼らの奮闘の前に、ついにソ連もフィンランドを完全占領することはできなかった。

もちろんこれらはあくまで現実的な側面からの話であって、味方の高性能機が奪われてそのまま敵に回ったり、逆に敵の最新鋭機を強奪し鼻を明かしてやったりするのはまさしくロマンの塊で物語的には盛り上がるため、今後も強奪しそのまま使用する展開は続くであろう。


実際の兵器強奪作戦

上記の第二次世界大戦時のフィンランド軍のように敵軍の使用兵器をその場で盗んだ例も時々あるが、ガンダムシリーズのように「入念な準備を経ての兵器強奪作戦」も実際に行われている。
例えばイスラエルはフランスの戦闘機ミラージュの設計図をスパイ活動により盗み出し、コピーモデルである「クフィール」を勝手に開発したりしている。
ただし、イスラエル軍はフランスから輸入する形で元からミラージュを使用しており、ガンダムのように「敵国の新兵器を解析し新兵器研究に役立てる」「自軍のフラグシップ機として運用する」というものではなく、「フランスがミラージュを輸出してくれなくなったので自前で開発するために設計図を盗みに行くことにした」というニュアンスである。

また、イラン軍は米軍の無人偵察機RQ-170センチネルをハッキングにより自軍基地と誤認させることでイランに着陸させるという方法で鹵獲。解析の上でこれをコピーしたと見られる無人機シームルグおよびサーエゲを開発し、実戦に投入している。
ガンダムとは「戦時下ではない」「超画期的性能を持つフラグシップ機ではない」といった事情の違いはあるが、やはり「現実的にはこんなところ」といった鹵獲兵器の行く末と言えよう。

日本でも戊辰戦争にて劣勢だった旧幕府軍が新政府軍の最新鋭兵器である甲鉄艦を強奪すべく、新政府軍の軍艦が停泊していた宮古湾に軍艦で侵入する作戦を立案。
アメリカ国旗を掲げた欺瞞工作で何とか甲鉄艦に接弦し、斬り込み隊が突入したところまではよかったが、最新鋭の銃火器によって撃退され、作戦は失敗に終わっている*29


鹵獲兵器をいきなり戦線に投入することへのフォロー

作中でも鹵獲兵器を強奪したその場から運用し始めるのは簡単なことではないらしく、作品によってはある程度の説明・理由付けや、その苦労に関する描写がある。

  • ザク
ガンダムではないが、史上初のMSということで鹵獲に関するエピソードは非常に多い。
特に一年戦争初期の連邦軍はMSに煮え湯を飲まされ続けたため、彼らとしては喉から手が出るほど欲しいものだった。
そのMSに対する熱意は半端ではなく、小説版『ガンダム戦記』に登場したマット・ヒーリィなどはジオン軍のザクを強奪しただけで中尉に昇格したほど*30
件のザクは後に開発に回されたと設定されており、さらに追加で鹵獲できたので実戦投入に踏み切ったらしい。
その主な例としては、『IGLOO』に登場した鹵獲したザクII6機と61式戦車2台からなる捕獲機部隊「セモベンテ隊」が著名。MSに対抗できる手段が乏しかったのも事実だが、MSパイロットの育成や戦術の確立といった目的も含めての実戦投入である。
もちろんいくら機体を鹵獲しても弾薬には限りがあるが、だからこそセモベンテ隊は味方のふりをしてジオン軍の基地を襲撃するという形振り構わない手段で弾薬を奪っていた*31
だまし討ちとはいえ「侵略者ジオンに勝利した」という事実は彼らの力になり、結果セモベンテ隊は優秀なチームになっていった*32

鹵獲ザクついでに、胴体部分を鹵獲ザク*33から流用し、頭部や手足を連邦のMSの試作品で補った「RRf-06ザニー」という機種もある。
ガンダムエース』の特集記事や『Code Fairy』などでは「連邦軍がグラナダからザクのパーツを極秘に取り寄せ開発した」ともあるが、これは出典の『GジェネZERO』において「第三勢力(プレイヤー)がザクを全て破壊・鹵獲する」→「連邦軍がザクを入手できないのでMS開発につながらない」→「にもかかわらず連邦軍のユニットにジムが登場する」……というタイムパラドックスを防ぐゲームシステム上の都合に由来する。
基本的には製作元のルナツー系の部隊*34でひっそり運用されていたらしく、実戦以外では技術研究・試験・機種転換訓練に使った模様。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではホワイトベースの戦力不足を補うため、鹵獲したザクに応急処置としてガンキャノンの頭を乗せた「キャノンザク」が登場したがあっさりやられてしまった。

ちなみに、ジオン軍としてはこの時鹵獲された機体を連邦軍に最大限利用されたことはトラウマになっているらしく、後に地球からの撤退時にいらなくなったズゴックEを「連邦に奪われるくらいなら」ということで現地の外人部隊に常渡している。
この外人部隊はジオン軍の上層部からかなり嫌われているが、それでも「使い所がない」「混乱で所有権がメチャクチャ」という理由もあったため「使い潰してくれた方がいい」ということで与えられることになった。


  • ガンダムMk-II
上述の通り3機鹵獲した内、1号機は仔細解析・パーツ複製の原型用に月面にあるアナハイム社の工場に回し、2号機は現場で解体して当座の整備部品を確保。
残る3号機を塗装変更の上で実戦投入しており、これにより「3機鹵獲してようやく1機投入できた」という設定になっている。
また、操縦面の問題も鹵獲時に協力してくれたカミーユやエマが操縦方法を知っていたため、彼らに任せるという形で解決。当初は「アムロ・レイの再来」と喧伝するためにカミーユが操縦を担当し、彼がZガンダムに乗り換えた後は元々Mk-IIのテストパイロットをしていたエマが引き継いだ。
総じて、鹵獲兵器としては珍しくかなりリアリティのある展開になっている。


  • ガンダム試作2号機
デラーズ紛争中の本機の役割的にデリケートな扱いを要求されており、劇中の戦闘で優勢だったにもかかわらず、「スペアパーツがないので故障したら直せない」という理由で撤退する羽目になっている。
特に核発射用のアトミック・バズーカの砲身の収納部でもあるラジエーターシールドは核発射後のもろもろの被害から身を守れる唯一の盾であり、シールドの破損は文字通り致命傷につながることから撤退もやむなしといったところか。
漫画版ではジオン軍のパーツで魔改造している様子もある。
試験運用すらしていない代物をぶっつけ本番で投入し、不十分の耐核防御システムで防いだ結果が機体の不調程度で済んだだけでも奇跡であり、最悪の場合は全く機能せずに自らも核爆発に巻き込まれていたか、アトミック・バズーカに問題があった場合はうまく発射できずに暴発ないし自爆していた可能性だってあっただろう。


鹵獲したが運用できなかったケース。
パイロットのエルピー・プルがアーガマに投降したことから本機も持ち込まれるが、大気圏突入前後の戦闘で既に結構なダメージを負っており、当然ながらアーガマにはキュベレイのパーツなどないことから修理や整備は不可能と判断され、解体されることになる。
ジュドーの危機を救うために解体中の物を無理やり動かしたのがプル最期の出撃である。
動かなくなっていたはずの腕が直っていたり、ほぼ撃ち尽くしていたはずのファンネルが補充されていたりとちょっとおかしいレベルまで整備されてるのは秘密。


海賊軍が無益な殺生を好まない方針を取っており、捕虜にした敵パイロットは機体を残して木星帝国に帰らせるようにしていたため、鹵獲した機体も多かった様子。
しかし戦力として運用するのは地球からの大規模な補給を受けて以降のことになった。
もっとも、この時は逆に海賊軍の当時の主力機だったゾンド・ゲーが「旧式の機体過ぎてもう補給パーツなんて手に入らない」と言われており、むしろ全く陣営が違うのに地球からの補給で十分賄えるバタラ系統の規格の方が凄い気がしなくもない。


  • 前期GAT-Xシリーズ
強奪作戦を指揮したクルーゼの発言を見るに、その目的は敵の最新鋭機を自分で使うためではなく、あくまで「実機を奪い取ってデータを収集すること」が真意であることが窺える。
結果的にはその場で投入することになったが、クルーゼも当初はガンダムを戦力としてカウントしておらず、「私も出撃させてください」と申し出るアスランに対し「(乗るべき)機体がないだろ」と答えており、クルーゼの副官フレドリック・アデスも「今回は(他の隊員に)譲れ」と諫めるなど、強奪早々いきなり実戦投入する発想は誰にもなかった模様。
アークエンジェル側も強奪したガンダムをいきなり投入してきたことにマリューたちが驚いており*35、一貫して「イレギュラーな事態」として扱われている。
とはいえ、データの収集が完了したことや、クルーゼ自身がガンダム同士の戦いを一種の余興と見なしたこともあってか、アスランがイージスで無断出撃した際には一転、呼び戻そうとするアデスを制して「行かせてやれ」と態度を変えていた。
後の戦闘でデュエルが被弾しても短期間で完全に修復されていた場面もあるが、この点は後に「予備パーツも同時に持ち出していたから」と説明されている。
この場合、実機を解体しての解析はこの予備パーツで行えたとも解釈できる。
元々は他国の技術で作られている上、ブラックボックス化されていたというフェイズシフト装甲まできちんと修復してしまうあたり、ザフトの技術の高さは計り知れない。


  • フリーダムガンダム
珍しく強奪されたガンダムの奪還作戦と、それに付随して「迂闊に敵の最新鋭機を鹵獲して保有し続ける危険」が間接的に描かれたケース。
相討ちになりながらもキラのストライクを撃墜した功績を評価され、クルーゼからネビュラ勲章の授与に国防委員会直属の特務隊への栄転を告げられたアスラン。本国に戻るとフリーダムの兄弟機ジャスティスを与えられ、さらにその開発を主導した父パトリックから合わせて「第一に(キラとラクスに強奪された)フリーダムの奪還、もしそれが不可能な場合は機体を完全に破壊せよ」「フリーダムのパイロット、および接触したと思われる人物・施設全ての排除にあたれ」という命令を受ける。
フリーダムとジャスティスは当時のザフトのフラッグシップ機である以上に、最高機密にして最大の切り札であるニュートロンジャマーキャンセラーを装備しており、このデータが万が一にも敵である地球連合軍の手に渡ることを警戒しての命令である。
実際に先述のベレンコ中尉亡命事件でソ連は日本の手に渡ったミグ25の破壊に向けて特殊部隊を準備しており、劇中でもニュートロンジャマーキャンセラーがあればこれまで使えなかった核弾頭や核動力兵器が使用可能になるというリスクを鑑みれば、関係者も関係施設も全て抹消せよという指令は非現実的な命令とも過激すぎる命令とも言い切れない。
汚れ役としては不適当なエースパイロットに下す命令ではない側面もあるが*36、裏を返せば失敗が許されないという極めて重大な任務なのでこれもやむなしだろう。実際パトリックは「お前の任務は重大だぞ。心してかかれ!」との言葉と共にアスランを送り出している。

結局アスランは命令通りには行動せず、それどころか任務を放棄して自らの意思でキラとフリーダムに加勢することになったが*37、もし軍務と命令により忠実なパイロットがこの任務を受けていた場合、フリーダムの居場所だったオーブは地球連合の侵攻を受けた直後にジャスティスの襲撃、酷ければザフトの総攻撃を食らうという弱り目に祟り目も甚だしい最悪なダブルパンチを受けていたと思われる。

当のキラもラクスが危険を冒してまで本機を託してくれたことの重大さを十分自覚しており*38*39、アークエンジェルと合流して機体のことを問われた際にはニュートロンジャマーキャンセラーが搭載されていることを明かした上で「データを取りたいとおっしゃるのなら、お断りして、僕はここを離れます。奪おうとされるのなら、敵対しても守ります」「あれを託された、僕の責任です」と宣言し、再会したアスランに対しても「ここで、あれを何かに利用しようとする人がいるなら、僕が討つ」と仲間を敵に回してでも戦う覚悟を決めていた。
だが、キラの願いも空しくニュートロンジャマーキャンセラーのデータはクルーゼによって地球連合軍、それもブルーコスモス盟主のムルタ・アズラエルの手に渡るという最悪の状況を招いてしまい、戦争終盤では雨あられと降り注ぐ核ミサイル巨大γ線レーザー砲の応酬という世紀末の地獄絵図と化す。


上記の通り厳密には強奪・鹵獲に当たらないが、本来とは異なる陣営でいきなり実戦投入された例として便宜上ここに追記。
レッドフレームは乗り手のロウが腕利きのジャンク屋であるため、多少壊そうがパーツの自作やそのついでの改造・改修によって安定稼働を続けている。
また、ブルーフレーム・アウトフレームについてもそれぞれの所有者がロウと親交があることから、損傷を受けた際にたびたびロウが修理・改造を引き受けている。
ゴールドフレームに至っては運用者が開発国であるオーブ内の軍閥の筆頭のような存在なのでバックアップ体制は万全と言える状況にある。


  • ハイペリオンガンダム
カナードがガルシアに裏切られた際には、特務部隊Xのメンバーとアガメムノン級宇宙戦艦オルテギュアも同時に離反したために整備は問題なかった……と言いたいが、その直前に本機はドレッドノートとの戦闘によって大ダメージを受けており、ほぼコクピットと一部の武装しか残っておらず、右腕脚とバックパックは失ったままという状態であった。
しかしそんな折、都合よく同型の2号機に乗って、凄く都合よく自信だけはいっちょ前のバルサムがお届け追撃に現れる。
動いて御の字の状態なのにカナードは善戦……どころか必殺の一撃でコクピットを貫き圧勝。ほぼ新品同然の予備パーツを手に入れ、修理するのであった。このおかげでRFW-99 ビームサブマシンガン「ザスタバ・スティグマト」も2つに増えており、さらに攻撃力が増している。
なお、カナードは自前のメビウス部隊を持っているので、仮に2号機が現れなかったとしても補給・修理の目処は立っていたと思われる。


機動戦士ガンダム00』に物語中盤から登場した機体。ツヴァイはドイツ語で2を意味する。
ソレスタルビーイング内で私的に計画を遂行しようとしたアレハンドロと、それに乗っかって自分の野望を持つリボンズの一派によって建造された。
スローネチームの他の2機とともに必要以上に過激な武力介入を行い、世界中に憎まれたところでアレハンドロ一派から不要と判断され、当初のパイロットを切り捨ててその場で処分し、以降はアレハンドロ側に付いたアリー・アル・サーシェスが強奪。あらかじめ彼の認証データを入力済み*40の機体ごと国連軍に編入した。

以上の流れはアレハンドロ一派にとっては当初からの計画通りであり、スローネパイロットのトリニティ兄妹からすれば「正規パイロットを殺された上に機体をハッキングで奪われた」ようにしか見えないのは間違いなく、メタ的には過去作の「2号機の強奪ネタ」も意識したのだろうが、本来の運用者の視点ではパイロットを殺して入れ替えただけで常に自分の管理下のまま動いていた。
つまりアレハンドロ視点ではパイロットに無断で「パイロットの交代」と「配置転換」したに過ぎず、あくまでトリニティ兄妹は最初から捨て駒に過ぎなかったのである。
そのため、「強奪」後もパイロットの親玉は同一だったことから正規の予備部品の補給や整備を可能としていた。

なお、舞台版ではサーシェスは自分の機体を用意していることから鹵獲していない。代わりに自分の都合のいい使い捨ての手駒にして始末した。


  • リギルド・センチュリーのMS全般
G-セルフの項で記述した通り、R.C.のほとんどの工業製品はユニバーサル・スタンダードという国際標準規格に基づいて製造されており、これには単なるパーツやソフトの規格だけでなく機動兵器の操縦方式なども含まれる。
つまり正規の訓練を受けたパイロットであれば、「とりあえず乗って動かす」だけならどんなMSやMAでも可能になっている。
これによって機種転換を非常にスムーズに行うことができるが、裏を返せば敵軍の機体であっても簡単に乗りこなすことができてしまう
そのため、先述したG-セルフとG-ルシファーに限らず、『Gのレコンギスタ』においてはMSやオプション装備の強奪、あるいは勢力間での受け渡しが頻繁にある。
そもそもユニバーサル・スタンダード自体が「資源の限られた宇宙において少しでも使えるものを増やせるようにする」という思想のもと生み出されたことが示唆されており、恐らく敵に奪われるリスクよりも、どんな製品であっても自軍で使えるようにできるメリットを取った結果と思われる。


鉄華団が本来資金繰りのために売却予定だった撃墜機体の修繕鹵獲機を、火星軌道上で苦戦するガンダム・バルバトス支援のために急遽投入したもの。
即時投入しなければ敗戦も必至な状況が多かったのでこの判断は正解と言えるだろうが、鹵獲された上官の機体を取り返そうとした士官の暴走のキッカケにもなるなど、新たなる脅威の種を撒いていたのも事実。
また、他の撃墜された機体からも武装やパーツなどを回収していたらしく、消耗品である弾薬などを含め1stシーズン最終盤に至るまでに改装されながら使われていった。


  • ガンダムグシオン
ブルワーズとの交戦で三日月がクダル・カデルを仕留めた際、コックピットのみを破壊したために機体の入手に成功。
この後にテイワズと連携して分厚い装甲を剥がし、ついでにバルバトスの予備パーツとともに加工してスリムな姿へと改修される。
武装も広く普及しているグレイズ系の汎用装備を拡張したものを使用するなど補給面も考慮され、剥がした装甲はそのままシールドに転用された。
肝心の操縦に関しては、阿頼耶識システムを別の鹵獲機から移植し、施術を行っている昭弘が担当。元々グレイズ改でシステム経由のMS操縦を慣らしていたこともあり、早期投入が可能になっている。



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最終更新:2025年04月20日 01:28

*1 一般的にガンダムは並の機体と一線を画す特別な性能を持つ機体である。その高性能なガンダムを敵だけ、あるいは味方だけが使っても話が広がりにくいので、どちらかの陣営に奪わせることで双方に使用させてガンダム同士の戦いをやった方が話が広げやすくなるなど。

*2 史実の例として戦艦大和が当時の海軍の最高機密とされており、厳重な警備・開発スタッフの身辺調査・厳しい情報統制に加えて造船所自体が軍の管制下に置かれるなど徹底的に秘匿され、ドックを見下ろす山でも憲兵が警備にあたっていたが、この場合は存在そのものではなく性能を隠そうとした例である。そもそも国家予算の数パーセントが動くような大事業を完全に秘匿するのはほぼ不可能なのだ。

*3 バックパックなどの予備パーツは少数が残っていた模様。この設定を使ったのが『ビルドファイターズ』ビルドガンダムMk-Ⅱの「5号機に相当するMSである」というセイの説明。

*4 特にカミーユが設計に関わっていない劇場版の展開。

*5 ただし、機体の項目にもある通り仮にティターンズで運用されていればいずれ「負の遺産」というレッテルを貼られかねなかったため、皮肉にも強奪されたことで陽の目を見たとも言える。

*6 先例としてはRX-78ガンダムがある。1号機「プロトタイプガンダム」は黒や灰色がメインで、2号機が白や青だった。

*7 この時乗っていたパイロットが正規パイロットではなかったため、操縦に難儀していたという事情もある。

*8 製造工場と輸送船にスパイを入れて無力化しておく念入りな方法。

*9 奪われた時点では明かされていないが、どちらかと言えばパイロットを捕虜にするついでに持っていかれたというのが実情だったらしい。

*10 このGコンは元はと言えばジャミルが前述のGX NT-002を放棄する際に持ち出して個人的に保管していたもの。

*11 劇場版では両陣営が穏健派・融和派主導になっていること、イザーク・ジュールが特殊部隊に近い隊を率いていて「勝手知ったる機体」が望ましいことなどから、正式にザフトへ譲渡する理由自体はある。

*12 一応「ガルシアの秘蔵っ子」と呼ばれたり、ハイペリオンのパイロットに任命されたりするだけあって、アルテミスの中では高い実力を持っていたのは間違いないだろうが。

*13 是非は置いておいて、実際に「これである種の脅迫が24時間365日いつでもできるようになるから『守られる』」という意味合いで似たことをしている国家はいくつか存在する(さすがに中立性維持のためにやったところはないが)。というか現代世界史ではかならず授業に入ってくる東西冷戦も軍事としての理屈だけならばほぼこれ。

*14 この際、現場に居合わせたアビスの正規パイロット予定だったマーレ・ストロードがガイアのパイロットの銃撃を受けて重傷を負っており、奇跡的に回復してパイロットにも復帰したが、元々被害妄想が激しく極度のナチュラル嫌いだった性格をさらに拗らせてしまった。

*15 アスランが「ザフトに侵入された元地球連合の施設に単騎で突撃したとあっては、辺り一帯を吹き飛ばすような特殊装備を持っている可能性も考えられる(=迂闊に破壊しては自分たちや付近の味方もただでは済まないかもしれない)」と警戒したため。実際にはステラにそのようなつもりは毛頭なかったのでアスランの杞憂だったが、交戦した現場付近には地球連合軍(ブルーコスモス)が非人道的な方法でブーステッドマンやエクステンデッドを育成していた研究施設があり、直前に報告を受けたシンとレイ・ザ・バレルが踏み込んで調査していたので無理もないだろう。

*16 SDガンダム外伝シリーズに登場する巨大ロボット兵器で、人間サイズのSDガンダムが乗り込んで操縦する。

*17 ざっくり言うと上半身がマスターガンダム、下半身がデビルガンダム最終形態で天鎧王は下半身担当。

*18 厳密には刀の字が3つ合わさった「刕」だが、強引に「トウ」と読む。

*19 ちなみに第2話サブタイトルの「ガンダム破壊命令」は、「(ジオン軍に機密を渡さないように)サイド7に残ったガンダムのパーツを破壊しろ」とアムロがブライト・ノアから受けた命令のことである。

*20 崖際に追い込まれて崖崩れを誘発され、滑落して戦闘不能になった。さらにノベライズ版によると、崖の崩落が起こらなかった場合はコックピットをヒートホークで真っ二つにされていた旨が地の文で記述されているため、本当に文字通りガッツリ負けている。

*21 実にガンダムの3倍以上でνガンダム(97800kg)と比べても2倍近く上回っているどころか、約半世紀後のコスモ・バビロニア戦争時のモビルスーツに匹敵するほどである。

*22 一応彼女の名誉のために言っておくと、そもそも士官学校を首席で卒業していた設定があり、時代が違えばティターンズに配属されていたかもしれないエリートである。それ以前に彼女の本業はシューフィッターとも呼ばれるコンピューター技師であり、人員不足とはいえテストパイロットに選ばれたあたり、むしろ高い素質を持っていたと見るべきだろう。

*23 おまけにキラもアスランと同じコーディネイターであり、「地球連合(ナチュラル) vs プラント(コーディネイター)」の対立という構図でもあるこの戦争において、キラがプラントと敵対するということは親友に同胞殺しをさせることでもある。

*24 この理由から「キュリオスの追加ミサイルポッドのような、使い捨ての追加兵装はあえて正規軍と同じ技術で作っている」「刹那の投げナイフなどは後でCBのスタッフが回収している」と語られている。

*25 第二次世界大戦時にアメリカ軍に鹵獲されたゼロ戦「アクタン・ゼロ」や、ソ連がB-29を徹底的に調べ上げた末に製造ミスの部分まで丸々コピーしたTu-4が作り上げられたことなどが好例。

*26 ひどい場合だと周辺地域もろとも徹底的な砲爆撃を加えて「焼却」するような例すらある。

*27 1976年の「ベレンコ中尉亡命事件」で当時のソ連の最新鋭機だったミグ25が日本に持ち込まれてしまった際、自衛隊はしばらく厳戒態勢を取っていたが、これもソ連がミグ25の秘密が西側に漏れるくらいならと一帯を焼き払って全てなかったことにする可能性を警戒してのことである。

*28 今でこそフィンランドは先進国の一角だが当時は貧乏国家だった。

*29 侵入しようとした軍艦は3隻だったが嵐の影響で一隻しか作戦に参加できなかったり、接弦した場所が悪くて大人数が突入できなかったりと予想外のトラブルも多かった。

*30 士官学校を主席で卒業するなど優秀な部分はあったが、決め手はザク強奪というのは本人も自覚している。

*31 鹵獲した敵機に乗って敵軍のフリをするというのはガンダムシリーズでは比較的珍しく、むしろ味方に敵と誤認されないように色を塗り替えることもある。ついでに言えば宇宙世紀でも有効かは不明だが、兵器の国籍表示の偽装は戦時国際法に違反しかねない行為である。

*32 彼らの作戦が成功した理由としては当時MSといえばジオン軍の独占技術であり、彼らに取っては「ザク=味方」という認識があったからであろう。

*33 ただし、こちらはルウム戦役やブリティッシュ作戦で撃破されて残骸になったザクの鹵獲なので本記事項目の「強奪鹵獲」とは異なる。

*34 初出の『GUNDAM TACTICS MOBILITY FLEET0079』では普通にMS戦力として運用されている。

*35 当初はイージスが出て来ただけでも「もう実戦に投入してくるなんて!」と驚いていたが、後に残りの3機までもが上記のMk-IIのように分解に回したりせずに戦線に投入したことには他のブリッジクルーまでもが衝撃を受けていた。

*36 成長著しいキラとストライクの存在は当時最強と称されるほどのザフトの脅威になっており、上記の通りネビュラ勲章の授与・特務隊への栄転・ジャスティスの受領はその栄誉の1つである。

*37 この際、協力の前にけじめをつけるべく、父の真意を直接確かめるためにアークエンジェルへジャスティスを預けた上で地球連合軍のシャトルでプラントに戻ったが、パトリックからすれば「ジャスティスや任務を放置して敵軍のシャトルで帰国し、あまつさえその経緯について何も言及せず、それどころか戦争への疑問や批判に終始する」という理解不能な言動にしか見えなかっただろう。

*38 強奪計画が彼女の独断かどうかは不明だが、父シーゲルはパトリック率いるザラ派と対立関係にあり、いくら彼女がプラント要人の令嬢とはいえ本機の強奪にはザフトの最高機密を知った上である程度関与できる立場にある人間が必須なのは間違いない。実際に「ラクス・クラインは平和の歌を歌います」という符牒を合図に計画が始まったことや、劇中でもパトリックの補佐官が「かなり周到にルートを作っていたようで」と報告していたあたり、少なくとも用意周到に準備された計画だったことが窺える。

*39 だが、監視カメラによってラクスの行為は露見しており、パトリックは「オペレーション・スピットブレイクの情報流出」の責任(実際にはシーゲルは無関係だが)もろともクライン派に押し付けて国家反逆罪で指名手配。シーゲルは行方をくらますものの、約1か月後にザラ派の特殊部隊によって潜伏先を突き止められて暗殺された。

*40 それをやられたらどうにもならないという事情もあるが、ガンダムマイスターの認定は可能とはいえ、マイスター権限を本人の同意なく奪うことは劇中の誰にもできない。