ガーディアン(遊戯王OCG)

登録日:2010/03/18 Thu 23:41:30
更新日:2025/04/27 Sun 12:58:01
所要時間:約 6 分で読めます





遊戯王OCG『ガーディアンの力』にて登場した「ガーディアン」と名のつくモンスター群の総称。
アニメではドーマの三銃士の一人ラフェール(もみあげが立派なやつ)が使用した。

概要

ウェポンサモナーによってデッキから「ガーディアン」をサーチできる」という特徴によって括られるテーマ。
その中でも「対応する装備魔法が場に表側で存在する事でのみ展開可能となる」モンスターのことを指すことが多い。

対応する装備魔法がなければ展開できないこと、その装備魔法に発動コストなどが必要なことから非常に使いづらく、戦力としてはあまり期待できない。
対応する装備魔法がイラストに描かれているが、
自身は装備魔法を移し替える効果は無く、「他のカードの効果」ないしは「改めて用意した2枚目以降のカード」でなければ自分が装備する事はできない。

「カード名」を指定する極めて初期の例であり、初期の例にもれず名称ガバが非常に多い(詳しくはウェポンサモナーの項目を参照)。
装備魔法がなければ展開できない、ガーディアンという名称から、イメージは「武器に宿った精霊」といったところ。

ちなみに装備魔法のガーディアン以外の方が多い

各種ガーディアン一覧


各ガーディアンは以下の共通したテキストを持つ。
「(対応の装備魔法)」が自分のフィールド上に存在する時のみ、
このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができる。


下級モンスター

  • ガーディアン・シール
効果モンスター
星4/炎属性/炎族/攻1700/守1400
「流星の弓-シール」が自分のフィールド上に存在する時のみ、このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができる。
このカードに装備された自分の装備カード1枚を墓地へ送る事で、相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。

流星の弓-シール
装備魔法
装備モンスターの攻撃力は1000ポイントダウンする。
装備モンスターは相手プレイヤーに直接攻撃をする事ができる。

狼とドラゴンが混ざったような奇妙な姿のガーディアン。
「ガーディアン」の中では比較的マシな方で、除去効果も合わせてなかなか使える。
それ以前に「適当なモンスターにシールをつけてこのカードを出して、さらに装備魔法を出して」という一連の展開が難しいが、
シールはそのデメリットの激しさから対戦相手につけることも考えられるので戦略に割と応用が利くのが嬉しいところ。
デッキトップに戻る「執念の剣」と合わせると無限に破壊できるが、ガーディアン自体のスタッツが当時でも低いのであまり頼りにならないコンボである。


  • ガーディアン・ケースト
効果モンスター
星4/水属性/海竜族/攻1000/守1800
「静寂のロッド-ケースト」が自分のフィールド上に存在する時のみ、このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができる。
このカードは魔法の効果を受けない。
また相手モンスターから攻撃対象にされない。

静寂のロッド-ケースト
装備魔法
装備モンスターの守備力は500ポイントアップする。
装備モンスターを対象にするこのカード以外の魔法カードの効果を無効にし破壊する。

唇のぷっくりした人魚のモンスター。
魔法の効果を受け付けず、伝説のフィッシャーマンに似た効果を併せ持つ。
そこそこの守備力を持つが、「攻撃対象にされない」という効果がその利点を完全に殺している。魔法シャットアウト効果も攻撃力が低いので生かしづらい。
イラストみたくケーストを装備しても、彼女自身が「魔法の効果を受けない」のでディスシナジー。
ありえないとは思うが【ガーディアン】でデッキを組む場合、このカードは様々な意味で事故要素になりかねないため、採用には熟考を要する。
いったい何を考えてこんな効果にしたのかよくわからないカードである。《ブラック・ホール》でも巻き添えにならないとかそういう感じ……?

  • ガーディアン・エルマ
効果モンスター
星3/風属性/天使族/攻1300/守1200
「蝶の短剣-エルマ」が自分のフィールド上に存在する時のみ、このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができる。
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分の墓地の装備魔法カード1枚をこのカードに装備する事ができる。

蝶の短剣-エルマ
装備魔法(禁止カード)
装備モンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
モンスターに装備されているこのカードが破壊されて墓地に送られた時、このカードを持ち主の手札に戻す事ができる。

短剣を構えたボブカットのエルフであり、おそらくもっとも有名なガーディアン。
召喚・特殊召喚時に装備魔法をサルベージする。しかし肝心の対応装備カードが禁止カード送りにされたため肝心の召喚も特殊召喚も不可能になった。
出せなくはないが、固有効果が「召喚・特殊召喚に成功した時」でありほぼ条件を満たせないため、ほとんど「裏守備でしか出せないバニラ」。使う意味がまったくない。
貧弱なモンスターとしても《モリンフェン》ほどの知名度はないように思えるが、一時期は「バニラ以下の最弱のネタカード」として《E・HERO バブルマン・ネオ》ともども名高かった。


  • ガーディアン・バオウ
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻 800/守 400
「破邪の大剣-バオウ」が自分のフィールド上に存在する時のみ、このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができる。
戦闘で相手モンスターを破壊して墓地へ送る度に、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
また、戦闘で破壊した効果モンスターの効果は無効化される。

破邪の大剣-バオウ
装備魔法
手札のカード1枚を墓地に送って装備する。
装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。
このカードを装備したモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、そのモンスターの効果は無効化される。

剣を構えて鎧に身を包んだ悪魔のモンスター。
こんな外見なのにガーディアンにおける最弱スタッツのカード。
攻撃力を永続的に上昇させていく効果を持つが、「手札を1枚捨てて装備した上で改めて展開しなければならない攻撃力800」なんて当時の遊戯王でも使い物にならない。
おとなしく適当なモンスターに《デーモンの斧》なり《悪魔の口づけ》なり装備させた方がはるかに使い勝手がいい。
当時は《エメス・ザ・インフィニティ》《グラッジ》など、攻撃力が永続して上がっていくモンスターがかなり警戒されてデザインされていたようである。

コイツもガーディアンである以上ラフェールの大切な仲間なのだが、GXでは覇王十代の側近の一人で純粋な悪役となっており、落差が激しい。
まぁ外見見ればわかる通り、そりゃもうコッテコテの悪魔族なので……。
ガーディアンの種族や装備魔法の類似効果《冥界の魔王 ハ・デス》を見るに、「破邪」というのは「邪を破る」ではなく「破壊的で邪悪」というニュアンスのようである。

なお当時はリバースモンスターやリクルーターが華やかなりし頃なので、発動コストさえなければ当時の環境的には結構なやり手である。
《ギルフォード・ザ・レジェンド》デッキなどでも採用候補に入ることはあった……優先順位はかなり下の方だが。

上級モンスター

  • ガーディアン・グラール
効果モンスター
星5/地属性/恐竜族/攻2500/守1000
「重力の斧-グラール」が自分のフィールド上に存在する時のみ、このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができる。
手札にこのカード1枚しかない場合、手札からこのカードを特殊召喚する事ができる。

重力の斧-グラール
装備魔法
装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。
このカードがフィールド上に存在する限り、相手フィールド上モンスターは表示形式を変更する事ができない。

頭の丸っこい恐竜のモンスター。
疾風の暗黒騎士ガイアと同じような召喚ハードル低下能力を持つ。特殊召喚というところがミソであり、通常召喚によって手札が残り1枚になったときにこのカードが手札にあればしめたもの。
対応カードも比較的使いやすい最優秀ガーディアン。ただぶっちゃけ出す条件が厳しい割には出した後は単なるバニラにすぎず、装備魔法も「癖がなくて使いやすい」のだが、カードゲームとはひと癖あるが一芸に特化したカードを集めてデッキにするゲームである。召喚条件に見合っているとは言いがたい。
そして何より最悪なのが、このカードが手札に2枚来た時。ただでさえ「対応する装備魔法が必須」なせいで手札に腐りやすいガーディアンがこの状況に陥ると、唯一の強みが完全に死ぬ。
こいつ自身はラフェールの大切な仲間なのだが、どちらかというと個人プレーに走ってもらった方がいい。そんな何とも言えない奴である。

  • ガーディアン・トライス
効果モンスター
星5/光属性/雷族/攻1900/守1700
「閃光の双剣-トライス」が自分のフィールド上に存在する時のみ、このカードは召喚・反転召喚・特殊召喚する事ができる。
このカードが破壊され、墓地へ送られた時、墓地に存在するこのカードの生け贄召喚に使用したモンスターを自分のフィールド上に特殊召喚する。

閃光の双剣-トライス
装備魔法
手札のカード1枚を墓地に送って装備する。
装備モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。
装備モンスターはバトルフェイズ中に2回攻撃をする事ができる。

自身の破壊時に、召喚時にリリースしたモンスターを蘇生させる。コントロールを奪い召喚してからこのカードを破壊すれば、リリースしたモンスターが味方になる。
これによってアドバンテージ損失の補填が可能なのだが、そもそも《閃光の双剣-トライス》は通常のデッキでは非常に使いづらい。
シールともども特殊なデッキにおいて打点を増やすために用いられるカードで、シールと違って発動コストが必要なので気軽には使えない。
ピーキーすぎるカードなのでレベル5のガーディアンを入れる余地がそもそもないし、破壊にしか対応していない上にリリースモンスターが墓地に残っている必要がある。
ここまでくると相性のいいデッキを構築する方が難しくなる。


最上級モンスター

効果モンスター
星8/風属性/天使族/攻 2500/守/2000
(1):自分の墓地にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードに装備された自分フィールドの装備魔法カード1枚を墓地へ送り、相手の墓地のモンスターを3体まで対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で除外したモンスターの数×500アップする。

女神の聖剣-エアトス
装備魔法
(1):装備モンスターの攻撃力は500アップする。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた時、自分フィールドの「ガーディアン・エアトス」1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は、除外されているモンスターの数×500アップする。

詳細は当該項目で。
アニメでは対応装備「女神の聖剣-エアトス」が無ければフィールドに出せなかったが、OCGでは単体でフィールドに出すことができる。
後に「女神の聖剣-エアトス」もOCG化された。アニメオリジナルの「ドーマ編」登場モンスターであるためか長らくOCG化されず、
特に「バーサーカーソウル」がネットミーム化していた頃は「未OCG化の優良カード」としてカード化が熱望されていた。

当時のアニオリでは「墓地にモンスターを置く」という行為がかなり不徳なこととして扱われており、
特にラフェールはこの行為を非常に嫌う信条を持っていた。そのため「墓地にモンスターが存在しない場合」という、一見厳しい条件が課されている。
そして彼の闇堕ちを象徴するのが、エアトスとは対照的な効果を持つデスサイスである。


特殊召喚・効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻 2500/守/2000
このカードは通常召喚できず、このカードの効果でのみ特殊召喚できる。
(1):「ガーディアン・エアトス」が戦闘・効果で破壊され自分の墓地へ送られた場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが特殊召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「死神の大鎌-デスサイス」1枚をこのカードに装備する。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分は召喚・特殊召喚できない。
(4):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
手札を1枚墓地へ送り、このカードを墓地から特殊召喚する。

死神の大鎌-デスサイス
装備魔法
「ガーディアン・デスサイス」にのみ装備可能。
(1):装備モンスターの攻撃力は、お互いの墓地のモンスターの数×500アップする。

こちらも詳細は当該項目で。
ガーディアン・エアトスが破壊されることによって手札から特殊召喚できる。
その姿は闇に堕ちたガーディアン・エアトス

手札コスト付き自己再生効果を持つがこれは強制効果である上に、
フィールドにいる間は他のモンスターを召喚・特殊召喚できなくなる為うかつに出すと自分の首を絞める事になりかねない。
当然相手に破壊効果を連打されたりより高い攻撃力を持つモンスターにサンドバッグにされたりすると手札がガンガン減っていく。

【ガーディアン】デッキではなく、別途に【ガーディアン・デスサイス】を作ったほうが死神の大鎌の効果を存分に発揮できるだろう。

ウェポンサモナーはガーディアンなら何でもサーチできるので専用デッキは勿論、他のデッキでも採用されることもある。


サポートカード

リバースモンスター
星4/風属性/魔法使い族/攻1600/守1600
(1):このカードがリバースした場合に発動する。
デッキから「ガーディアン」カード1枚を手札に加える。

リバース効果で「ガーディアン」をサーチ出来る。
リバースしたこのカードに対応する装備魔法を装備させてサーチした「ガーディアン」を場に出すと言う設計と思われる。
そして海外にて大問題を引き起こしたカードでもある。
詳細は個別項目にて。


  • プリンシパグ
効果モンスター
星1/地属性/獣族/攻 0/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):元々のカード名に「ガーディアン」を含む自分フィールドの通常召喚できないモンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の通常召喚できない「ガーディアン」モンスター1体を対象とし、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●対象のモンスターを手札に加える。
●対象のモンスターにカード名が記されたカード1枚を自分の墓地から手札に加える。

「ガーディアン」特殊召喚モンスターに2回攻撃を付与する効果と、墓地除外で墓地の「ガーディアン」特殊召喚モンスターを対象に自身をサルベージか自身のテキストで指定しているカードをサルベージする効果を持つ。
《ウェポンサモナー》から実に20年以上経ってようやく登場した2枚目の「ガーディアン」指定のサポート。おせーよホセ。

本来はリメイクされた《ローガーディアン》及び新規の出た《ゲート・ガーディアン》を意識したカードと思われる。
「ガーディアン」達は装備魔法をテキストで指定しているため足りない方をサルベージして揃えられるため一見相性が良い様に見えるが、
実は《ガーディアン・デスサイス》を除く「ガーディアン」達は特殊召喚モンスターではない*1ためにほぼ恩恵はない。
一応《ガーディアン・デスサイス》は高い打点を得られる事が多いため2回攻撃は相性が良く、《死神の大鎌-デスサイス》を装備する効果はデッキからしか装備出来ないため墓地に落ちた《死神の大鎌-デスサイス》を拾えるため全くシナジーが無いわけではないのが救いか。


一応「ガーディアン」モンスターな皆さん

  • 守護者 スフィンクス
星5/地属性/岩石族/攻1700/守2400
このカードは1ターンに1度だけ裏側守備表示にする事ができる。
このカードが反転召喚に成功した時、
相手フィールド上のモンスターは全て持ち主の手札に戻る。

一見すると関係無さそうだが、このカード名のルビは守護者(ガーディアン)なので、ばっちり「ガーディアン」モンスターに含まれる。
ウェポンサモナーの効果が発動された場合、十中八九こいつが手札に加えられる(残りの一二は《ゲート・ガーディアン》)。そのためたまに岩石族やバウンス系コンボデッキに出張することもあった。

モンスター限定だが、強力なバウンス効果を持つ。発動が少し難しいのがネックだが、何度も使えるのは大きい。
守備力2400という値が「ショッカーライン」に絶妙で、ロック系と魂を削る死霊との組み合わせは非常に強力。
上級モンスターなんてデッキに2~3枚入れるか否か、だったいにしえの時代にはまさしく鉄壁の「守護者」の貫録で、
「生け贄セット(裏側守備表示)」したら「間違いなくこのカードだな」と目星を付けられた。たまに《千年の盾》とか《派手ハネ》だったりするのだが非常に珍しい例外である。
ちなみに「スフィンクス」でもあるので《守護神エクゾード》の召喚条件も満たせる。

他には
守護天使(ガーディアンエンジェル) ジャンヌ
王室前のガーディアン
ゲート・ガーディアン
コアキメイル・ガーディアン
ガーディアン・オブオーダー
ローガーディアン
ガーディアン・スタチュー
牙城のガーディアン
ファイアウォール・ガーディアン
等がいる。

EXデッキにもゴヨウ・ガーディアンを始め、数枚存在する。
これらはウェポンサモナー対象外だが、プリンシパグの効果は受けられる。


関連カード

  • ガーディアンの力
装備魔法
(1):装備モンスターが戦闘を行う攻撃宣言時に発動する。
このカードに魔力カウンターを1つ置く。
(2):装備モンスターの攻撃力・守備力は、このカードの魔力カウンターの数×500アップする。
(3):装備モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分フィールドの魔力カウンターを1つ取り除く事ができる。

上記ガーディアン達が登場したパック名と同じカード。
装備対象を選ばず、かなり手軽に破壊耐性を付与できる装備魔法。
攻撃された時にもカウンターが乗るため実質的に常時戦闘破壊耐性が付いた状態となり、非常に汎用性が高い。
もちろん「ガーディアンの力」自体を直接割られたり、破壊以外の除去…除外やバウンス、強制リリース、墓地送り、裏側守備表示等には無力なので過信は禁物。
デュエルリンクスでは低レア(R)の割に効果が強力と登場当時は持て囃された過去を持つ。


評価

英語版ではGuardian。
しかし「ガーディアン」以外に日本語では豊富に存在する「守護者」「番人」を意味する言葉が英語ではあまりないため、
日本語版で「ガーディアン」と付いていないのに英語版では「Guardian」と名の付くモンスターがすでに出てきていた。
(例:Celtic Guardian=エルフの剣士など)

これが英語版のウェポンサモナーのテキストを大きく乱すこととなり、「デーモン」ともども大変な混乱を招いた*2。詳細は個別項目参照。
「ふわんだりぃず」など絶対にテーマ外のモンスターと共有されることのない名称のテーマが一般化する、そのきっかけを作ったテーマでもある。

ただしガーディアンはデッキが組めるようなテーマではなかった上に、サーチするカードはほぼ《守護者スフィンクス》で、たまに《ゲート・ガーディアン》ある。
そもそも日本で遊ぶ分には「守護者」のルビくらいしか気を付けるべき点がなかった(たとえば《王座の守護者》は「しゅごしゃ」なのでNG)し、どうせこの2枚くらいしかサーチしないんだからとあまり問題視されていなかった。
そのため、この手の問題は日本においては遊戯王の未来を憂う者くらいしか気にしていなかったことも付記しておく。直感的ではないのは確かなんだけどね。

といっても、名称「ガーディアン」を指定するテーマの強化がなかなかこない、来てもデスサイス(とローガーディアン)以外には影響がないことを考えるに、
「ガーディアン」の強化に際してこの名称問題がかなり重くのしかかっている可能性は十分ある。……まぁ単純にテキストに制約が大きすぎてうまくデザインできないという方が大きいだろうが、これ以上は下種の勘繰りになるのでやめておこう。

テーマデッキとしては、弱いというよりも「組めない」と言った方がいい。
そもそも論として名称サポートが「ガーディアンをサーチできる」というたった1種類しかないので、テーマデッキを組む意味がない。
システム的にも難がある。装備魔法自体、発動のためにモンスターが必要であり、維持のためには装備先のモンスターが除去されないことが必要である。
しかもガーディアンには「対応するカードは1種類のみで、出す順番は固定される」「それでありながら全然強くない」「他の使い道が一切なく、手札に容易に腐る」という特徴がある。
装備魔法自体も手札コストが必要だったり攻撃力が下がったりとかなり癖が強く、その装備魔法全体にも、装備魔法とガーディアンの間にもシナジーがほとんどない。
【次元斬】すら若干テーマデッキのように扱われていた時代に、これでまともなデッキを組めという方が難しく、テーマとしては言葉を濁さずに言えば「大失敗」で終わってしまった。
ラフェールが強かったのは神引きがあったからというより、当時のOCGとしてはオーバースペックだった《ガーディアン・エアトス》とか《オレイカルコスの結界》の恩恵の方が大きいのではないだろうか。
あとイラストと雰囲気を合わせられる、装備魔法をガーディアンに装備し直すアニメオリカとかもあったし。

さらにカードの能力も、仮に召喚条件がなかったとしても当時のカードと比べてもさほど強いわけではない。
20年以上前のカードに言うのもなんだが、現在の遊戯王OCGの環境においては使用に耐えうるカードではない。
というより、デフレの谷底だったGX時代でさえ見向きもされなかったのだからまぁ……その評価はお察しください。
イラストには今の遊戯王にはない、どこか洋ゲーっぽい独特の雰囲気がある。

漫画家の荒木飛呂彦は「大人はむしろ失敗から学びます」という趣旨のことを著書に記して警句としている。
そして「ロイド」「ネオス(ペーシアン)」などの問題を経て、第6期頃には名称指定を完全に使いこなせるようになっていく。現在ではもう名称ガバを探す必要すらないと一目でわかるテーマばかりであり、それらのデッキが「《サンダー・ボルト》さえデッキから抜けてしまうほどにシナジーが強い」というのは成功しすぎて寂しさすら感じてしまうほどである。
いわば遊戯王における「テーマデッキ」の最初期の例であり、こういった失敗があったからこそ現在の「強いテーマデッキ同士がぶつかりあう」というゲーム性になっていったのだ。

ちなみにガーディアンに対応する装備魔法については、
シールが【ベン・ケイ1キル】をはじめとした装備魔法じゃらじゃらつける系のデッキ、トライスが2回攻撃に戦略的なメリットを見出せるカードとのコンボで用いられた他、エルマがギア・フリードとの無限魔法発動コンボを危険視されて禁止カードに指定された。全体的に1キル寄り気味なのは密に、密に。
特に前2枚はライフポイントが少なくなりやすい特殊デュエルとの相性が非常によく、たびたび特殊召喚できる高攻撃力のモンスターと組んで環境の覇権を握る。



名も無きアニヲタよ、思い出すがいい。
お前がこの項目に何をしたのか。
お前の知識自慢欲求がこの項目を追記・修正に至らしめた。
お前の暇な時間が本項目の情報量を最大限に引き出すのだ!


この項目が面白かったなら……\ポチッと/
+ タグ編集
  • タグ:
  • 遊戯王
  • 遊戯王OCG
  • 装備魔法
  • オレイカルコス
  • ガーディアン
  • ラフェール
  • ドーマ編
  • ガーディアンの力
  • 遊戯王OCGカテゴリ項目
最終更新:2025年04月27日 12:58

*1 特殊召喚モンスターは「いつ如何なる時でも召喚・セット出来ず、特定の条件を満たす・手順を踏む事で特殊召喚するモンスター」であり、ガーディアン達は「条件を満たさないと召喚・反転召喚・特殊召喚出来ないが逆に言えば条件を満たせば普通に通常召喚可能で、セットはいつでも可能」であるため。

*2 ただし「ガーディアン」に関してはどちらかといえば当時の翻訳者が「ガーディアン」以外の名前を選ばなかったゆえの問題であり、名称指定のカードがやたら多かったり、宗教などの様々な事情ががっつりからんでくる「デーモン」に比べると「カード1枚のテキストが汚くなっただけ」で済んだガーディアンはむしろ傷が浅い方とも言えた