ハングリーバーガー(遊戯王OCG)

登録日:2011/02/05 Sat 13:45:29
更新日:2025/05/04 Sun 19:23:04
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とっておきの料理をご馳走するぜぃ!
ご馳走はご馳走でも毒入りのご馳走さー!

《ハングリーバーガー》とは、遊戯王OCGに登場した儀式モンスター。

カードテキスト

《ハングリーバーガー/Hungry Burger》
儀式モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2000/守1850
「ハンバーガーのレシピ」により降臨。

《ハンバーガーのレシピ》
儀式魔法
「ハングリーバーガー」の降臨に必要。
(1):自分の手札・フィールドから、
レベルの合計が6以上になるようにモンスターをリリースし、
手札から「ハングリーバーガー」を儀式召喚する。


レシピ通りに作ったはずが
意志を持ってしまったハンバーガー。
美味しそうな匂いに誘われて近づくと
逆に食べられてしまうぞ。

大きく口をあけたハンバーガーのイラストが目を引く。食うのか食われるのかよくわからないモンスター。
初期の儀式モンスターの例にもれず、頼りないステータスに加えて、特に特殊能力もない。

専用儀式魔法は《ハンバーガーのレシピ》。
同期の儀式魔法が「儀式」やら「復活」やら「契約」やら「祈り」やら物々しい名前ばかりの中で食べ物らしく「レシピ」と名付けるという、微妙な儀式モンスター《ダンシング・ソルジャー》専用の《踊りによる誘発》と並ぶセンスの塊である。

エクストラデッキ最盛期の現在から見ると、正に誰得なカード…だが………

何故にアニヲタWikiでこんな奴の項目があるのか。
それは、こいつの魅力が攻守の数値、ましてや特殊能力にあるからではない。こいつの魅力は、その種族にある。

こいつ なんと……


戦士族



戦 士 族



戦  士  族


なのである。大事なことなので3回言いました。


改めて断言しておくが、こいつは戦士族である。

そのイラストから、どう見ても悪魔族、一歩譲ってもアンデット族であろう。
イラストや名前だけでこいつを戦士族と判断出来る人はまず、いないだろう。
ちなみにそのイラストだがよく見ると全世界共通で日本国旗が刺さっている。お子様ランチのつもりなのだろうか…。

しかし、戦士族だからこその実戦的なメリットもあることにはある。
儀式モンスターにもかかわらず《切り込み隊長》で守れたり、《戦士の生還》で使い回せたりとかね!

ユーフォロイドファイター》に融合してユーフォーの上に乗っけてみるのもいいだろう。
見た目、プレートに乗せられたハンバーガーである。

ドラゴン族シンクロと融合すれば《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》になれる!
……竜…騎士?

他には《神秘の中華なべ》で文字通り調理してもいいだろう。逆にこのハングリーなバーガーに食べられる恐れがあるが、ビジュアル的には問題無し。
おい、調理済みのものを調理するなって思ったやつでてこい。というより現実でも料理をリメイクするのは割とあるし。

まあ、六武衆対策のパペットプラントに取られたり、戦士抹殺されたりろくな目には遭わない気がするが……

真面目に運用するなら、儀式魔神達をいれたルイン系のデッキに投入してみて、対戦相手を驚愕させるくらいだろう。
攻撃力2000なのでドライトロンでも出しやすいよ!!


なお、現実世界には『クッキング流』というこのカードを駆使した調理召喚デッキの流派が存在する。
相手のカードのコントロールを奪いこのカードの素材としてクッキング。
次の瞬間には《レッド・デーモンズ・ドラゴン》になったり、ドラゴエクィテスの素材にされたりとこのカードの持つすべての利点を利用したデッキである。

ちなみにDM2等初期のゲーム作品での《ハンバーガーのレシピ》発動に必要なモンスターは
《牛魔人》(獣戦士族
《B・プラント》(悪魔族)
《グリグル》(植物族
…うん、間違っても食したくない。牛と植物は分からなくもないがバイオって何よバイオって…。ニンジャスレイヤーじゃないんだから…。

ついでに真DM2では「戦闘で獣族を一方的に破壊する」「トゥーン地形で強化される」の2つの効果を得ている。
トゥーン地形で強化されるモンスターはトゥーンモンスターに加えてそれに属さぬコミカルなモンスター達…コミカル…か?



とまあご覧の通り、お世辞にも強いとは言い難いカードのひとつである。
上記のクッキング流のような拘りがない限り、儀式戦士族を使うとしても他に強いのはいるし、このカードに拘る必要はない。誰もがそう思っていた。

だが2023年、ハングリーバーガーはあるカテゴリーの登場により、まさかの大出世を果たす。




  • バグリエル・ド・ヌーベルズ
儀式・効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2400/守1850
「レシピ」カードにより降臨。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
相手フィールドの全ての表側表示のカードの効果をターン終了時まで無効にする。
「ヌーベルズ」モンスターの効果で特殊召喚した場合、
さらに相手フィールドのモンスターを可能な限りリリースする。
(2):自分・相手ターンに、相手フィールドの攻撃表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターをリリースし、手札・デッキから「ハングリーバーガー」1体を特殊召喚する。

  • Recette de Specialite(ルセット・ド・スペシャリテ)~料理長自慢のレシピ~
カウンター罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに「ヌーベルズ」儀式モンスターが存在し、
モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。
その発動を無効にする。
「ヌーベルズ」モンスターの効果で特殊召喚されたモンスターが自分フィールドに存在する場合、
さらにその無効にしたカードを破壊できる。
(2):自分が「ハングリーバーガー」の特殊召喚に成功した場合、
墓地のこのカードを除外して発動できる。
相手フィールドのモンスターを可能な限りリリースする。

なんと、デッキビルドパック「ワイルド・サバイバーズ」にて登場したテーマ、ヌーベルズにて《ハングリーバーガー》を名指しで指定するカードが登場。
しかも順番の違いこそあれ、どちらも「ハングリーバーガーが場に出たら相手モンスターが居なくなる」と言う、ゲームにのみ存在する「まわりに美味しそうな臭いを撒いて近づくものを逆に食べてしまう」と言うフレーバーテキストを再現した物となっている。
オマケにヌーベルズに所属する儀式モンスターは全て食べ物モチーフ・闇属性・守備力1850とハングリーバーガーと一致しており、対応する儀式魔法は全て「○○のレシピ」であり、偶数レベルのモンスターは全員戦士族とこれまたハングリーバーガーと同じ種族である、とこれでもかとハングリーバーガーを意識したテーマとなっている。
ハンバーガーのレシピの方も、《バラムニエル・ド・ヌーベルズ》のサーチ効果の対象が“「ヌーベルズ」カードまたは「レシピ」カード”なため対応しており、相手の場に守備表示モンスターしか存在せず《バグリエル・ド・ヌーベルズ》の効果が使えない場合でも《ハングリーバーガー》を儀式召喚する事で料理長自慢のレシピのリリース効果を起動出来るため、《ハングリーバーガー》共々採用する事が推奨されている。

また、料理長自慢のレシピのリリース効果は自身が墓地にさえいれば良いので、ヌーベルズだけでなくおろかな副葬などと共に既存のクッキング流に突っ込むだけでも良いと言う塩梅になっている。

ちなみに「ハンバーガーのレシピ」に写っている料理人はどうやらヌーベルズの経営するレストラン「ア・ターブル」の初代料理長らしい。


そして2025年には…

  • アングリーバーガー
儀式・効果モンスター
星6/闇属性/戦士族/攻2800/守1850
「レシピ」カードにより降臨
このカード名はルール上「ハングリーバーガー」として扱う。
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):手札のこのカードを相手に見せて発動できる。
デッキから「ヌーベルズ」モンスター1体を手札に加え、このカードをデッキに戻す。
(2):攻撃可能な相手モンスターはこのカードを攻撃しなければならない。
(3):自分・相手ターンに発動できる。
自分・相手フィールドの攻撃表示モンスター1体をリリースし、
手札・デッキから攻撃力2000の「ハングリーバーガー」1体を特殊召喚する。

『DUELIST ADVANCE』にて遂に《ハングリーバーガー》の直接のリメイクが登場。
「ハングリー」に対して「アングリー」と韻を踏みつつ、本家同様に「あんぐり」と口を開けた姿をかけて上手くカード名に落とし込んでいる。
パプリカとオニオンリング、そしてたっぷりのチーズが追加されており、頭(?)に刺さっている旗も「ヌーベルズ」モンスター達が身につけている星型のワッペンと同じ絵柄に変わっている。
現料理長こと《シェフ・ド・ヌーベルズ》が《ハングリーバーガー》を自分なりにアレンジして進化させたと思われる。その場合は「ヌーベルズ」儀式モンスターの「レベル×400=攻撃力」の法則からするとレベル7になりそうだが、「ヌーベルズ」の名前を持たない上にリメイク元と同じレベル6になっている。《ハングリーバーガー》をリスペクトしつつ、旗の星を足して擬似的にレベル7を表しているのだろうか。

攻撃力が2800とレベル6モンスターにしては高い攻撃力となり、これまたフレーバーテキストを再現したかの様な攻撃強制&誘導効果で低攻撃力モンスターを片っ端から食い散らかせる。
また、手札の自身を見せる事で「ヌーベルズ」モンスターをサーチする効果もあるので【ヌーベルズ】の展開補助が可能。
オマケにルール上《ハングリーバーガー》として扱うため《儀式の下準備》で《ハンバーガーのレシピ》とセットで持ってきてそのまま《ハンバーガーのレシピ》で儀式召喚したり、サーチ効果でデッキに戻っても《バグリエル・ド・ヌーベルズ》でデッキから特殊召喚できるのでデメリットを踏み倒せたり、料理長自慢のレシピの墓地効果のトリガーになったりできる。

ルール上同名カードとして扱うので本家《ハングリーバーガー》と合わせて3枚しかデッキに入れられないため、ここまで来ると攻撃力が低く効果もない本家の立場がない様に見える。
しかし、3つ目の効果として自分か相手モンスターをリリースして攻撃力2000の《ハングリーバーガー》を手札・デッキから特殊召喚する効果がある。
この効果はフリーチェーンかつ対象を取らず破壊でもない除去なので防がれにくく、相手の展開妨害だけでなく自分の低攻撃力モンスターをリリースして攻撃力2000のモンスターに変換して一斉攻撃時の打点確保にも使える非常に強力な効果。
だがこのカードはルール上《ハングリーバーガー》だが攻撃力は2800なので特殊召喚する事ができない。一方で本家《ハングリーバーガー》の攻撃力は2000
…そう、実はこのカードは本家《ハングリーバーガー》とセット運用する事でフルスペックを発揮すると言うデザインとなっているのである。
上位互換の様な性能をしつつも本家の立場を奪わないどころか肩を並べて戦うカードデザインは非常に秀逸な物となっており、決闘者達からも「理想的なリメイク」として絶賛されている。

勿論、既存のクッキング流とも相性が良く、単に《アングリーバーガー》で相手モンスターをリリースして《ハングリーバーガー》を追加で並べるだけでも強いが、レベルが同じ《バグリエル・ド・ヌーベルズ》と合わせて採用する事で料理長自慢のレシピのカウンター効果も使える様にしつつ、2種類の《ハングリーバーガー》リクルート効果で墓地効果の起動も狙いやすく出来る。

また、同パックを1箱購入した際の特典として配布されたスペシャルパック(1枚入り全12種)にてアルティメットレア仕様の《ハングリーバーガー》が収録。地味にノーマルorノーマルパラレルしか存在しなかった《ハングリーバーガー》にとって初の光り物となった。


ゲームにおけるハングリーバーガー

遊戯王デュエルリンクス

初期儀式モンスターとしてリンクス次元にも参戦したハングリーバーガー。
ドロップカードとして手に入るが、はっきり言ってリンクス次元でもこのステータスの儀式モンスターは扱いにくい。
また上述したOCGでのサポートたりうるカードもリンクス次元には存在しないので、他を差し置いて採用する必要性は愛がなければゼロ。

……なのだが、このハングリーバーガーなんと、


海馬モクバが使用する


そう、まさかの原作ネタ導入である。

展開の都合『遊戯王デュエルモンスターズ』では最後のデュエル以外全カットされたDEATH-T編での一幕が元ネタ。


なお、原作にハングリーバーガーが出たわけではない。なのに専用ボイス、専用カットインまで入っている気合いの入りよう
また、ご丁寧にデッキの中の他のモンスターは

《牛魔人》
《B・プラント》
《グリグル》
《キラー・トマト》
青眼の白龍》(兄サマからの借り物)

である。

もう一度言うが、モクバとハングリーバーガーに特に接点はなく、ハンバーガー繋がりと言うだけである。
なんという優遇……ッ
しかもよく考えたらこれは自分が食って死にかけた食べ物である。
普通のハンバーガーすらトラウマになりそうな体験をしたのにそれを嬉々として使う辺り、モクバもあの男の弟なのだろうと実感させられる……。

ちなみに彼以外に観月小鳥沢渡シンゴにも専用ボイスがあるが、こちらはデュエルで使用こそしていないが、
それぞれハングリーバーガーそのものと直接の関係のあったキャラクターであるためモクバの特異性が目立つ。

余談だがハンバーガーが大好物のキャラも原作にいる。主人公の武藤遊戯である。

遊戯王マスターデュエル

ハングリーバーガーのカード自体は実装されており、2023年11月に行われた儀式召喚を主題とした『リチュアルフェス』のレンタルデッキのヌーベルズに採用されている。
だが同月に実装されたデュエルパスではハングリーバーガーのアイコンが実装され更にゴールドにするとハングリーバーガーのメイトが貰える。古参のデュエリストやハングリーバーガーファンには文字通り垂唾ものだろう。
メイトの説明文によると、ハングリーバーガーの誕生は偶然の産物である模様。


現実世界でのハングリーバーガー

そんなこんなで密かな人気のあったハングリーバーガーだが、なんと2023年よりファミリーレストラン「COCO'S」にてコラボメニューに選ばれた。
これまでの遊戯王コラボといえば大抵がアニメ本編に出てきたもしくはキャラ名がついた普通のサティスファクションパスタ料理がほとんどだったが、ここに来てまさかのOCGネタである。一応アニメにカードだけは出ていたが。
しかし単なるネタ料理ではなく、ハンバーグに自信のあるCOCO'Sらしく非常に肉厚で美味しい。また特徴的な牙はチーズで再現されている。
周りに敷き詰められたポテトもうまく、これ一つで十分に腹が膨れる。
難点を挙げるとすればでかいので食べにくい事と、旗は「COCO'S」のロゴとなっているところか。要するに味ではなくこれが欠点になるほど美味い。

以上の点から、2023年はまさにハングリーバーガーの年と言っても過言ではないのかもしれない。

また、2025年には《アングリーバーガー》が紹介された遊戯王OCGタイムズでは実際に《アングリーバーガー》を再現したハンバーガーが登場した。
牙を姫筍で再現しつつ、食感を強めるためにパティにアオリイカを加えたと言う割と本格的な一品となっている。コラボ第2弾お待ちしておりますCOCO'Sさん








ハングリーバーガー「ネタにハングリーです!追記・修正宜しく!」

子供達「ウウワアァアァアアアアアア!シャベッタアアアアアアアアアア!」

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最終更新:2025年05月04日 19:23