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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦

登録日:2010/06/01 Tue 21:19:22
更新日:2026/08/17 Mon 20:56:46
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歴史を変えるおバカ参上!


2002年に放映された『クレヨンしんちゃん』のオリジナル映画第10作目であり、映画化10周年記念作品。
キャッチフレーズは「歴史を変えるおバカ参上!」で、劇場版としては最後のセル画制作作品となる。





■概要

クレヨンしんちゃんという作品のみならず、アニメーション映画という括りの中でも珍しく戦国時代の風景や生活描写を丁寧に描いているのが最大の特徴。
合戦の描写も単なる火縄銃の連発やのチャンバラだけではなく、で"叩く"、総合的な組討術、弓矢や投石を使った火縄銃の援護など、実写の時代劇でもまず描かれない詳しい描写を行っている。*1
また、敵軍が進軍の妨げになる、或いは兵糧になると思われる収穫間近の稲を刈るという、いわゆる「刈田狼藉」が明確に描かれるのも珍しかった。
そのため、当時の専門家からも「合戦の映像資料としては最も正確な物」と高い評価を得た。

クレヨンしんちゃんならではの野原一家の活躍やギャグの要素は控えめで、本格的な時代劇ドラマとしての色合いが強く、根底もシリアスな雰囲気が漂っている。
また、作中で明確な「死」が描かれ、結末も一抹の寂しさが胸に残る切ない終わり方となっている*2

前作の『オトナ帝国の逆襲』とともにクレヨンしんちゃん映画の中でも感動作として評価が高く、後にこの作品を原案とした実写映画『BALLAD 名もなき恋のうた』が作られた。
本作の主演であり、初代しんのすけ役の矢島晶子もまた、インタビューにて本作を前作と並ぶ最高傑作であり別格と評している。
余談だが、3作目の『雲黒斎の野望』とは同じタイムトラベル設定で且つ舞台となる時代(どちらも1570年代)も被っている。作風には大きな隔たりがあるのだが、作品世界では地続きではあるために結末についての考察が賑わうことに。

なお、この映画が受賞した賞は下記の通りで、一連の劇場版シリーズでも初めての公式受賞でもある。

◇2002年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞
◇2002年度日本インターネット映画大賞・日本映画作品賞
◇2002年第7回アニメーション神戸個人賞
◇第57回毎日映画コンクール・アニメーション映画賞
◇東京国際アニメフェア2003・劇場部門優秀作品賞
◇東京国際アニメフェア2003・個人賞部門監督賞
◇第22回藤本賞

だが、そもそも2作続けてのシリアス路線や、前作以上のクレしん映画としては異色な展開に批判的な声もあり、「出来自体は評価するがクレしん映画でやる必要がない」とこの作品を嫌うファンも存在する。
特にシンエイ動画社長(当時)の楠部三吉郎*3は監督の原恵一*4に対して「素晴らしい作品をつくることと、その作品が持つ世界を再現することは違う」と叱責。
原はそれを受け入れ、本作をもって監督を離れている*5(絵コンテとしては『3分ポッキリ大進撃』まで参加)。
また、これを傑作と評価するシリーズファンの中にも、「この2作はあくまで異色作だからこそ良い」と言う声も多く、次作以降は従来のギャグ路線に戻る事となる。

また、本作と前作の『オトナ帝国の逆襲』の人気が凄まじかった事もあり、以降の劇場版作品は評価が伸び悩み、興行収入も低迷が続くなど、ある種の呪いとなってしまい、暗黒期に突入する原因となってしまった。
残されたスタッフや新たに加わった製作スタッフは常に『オトナ帝国』と『戦国大作戦』と比較されるプレッシャーと、本来シリーズとしては異色作であるはずのその2作と同じ傾向を求める観客からの一方的な失望という、ある意味では理不尽な状況の中に置かれる事となる。
​それでも諦めることなく、長年の試行錯誤を繰り返した末に誕生したのが、2014年の逆襲のロボとーちゃんである。本作は『オトナ帝国』や『戦国大作戦』を彷彿とさせる異色の作風でありながら、「クレしん」らしいギャグや温かさも兼ね備え、シリーズ屈指の傑作と称されるほどの高評価を獲得。興行収入でも長年大きな壁だった『オトナ帝国』を突破し、映画シリーズが新たな黄金期へと突入する契機となった。

■あらすじ

ある日、野原一家全員が泉に佇むお姫様の夢を見た。
同じ夢を同時に見る程の家族の絆に一時思いを馳せたのも束の間、朝の忙しい時間だったこともあってそんな話はすぐに忘れ、各々大急ぎで家を飛び出して行った。
だがシロはその直後から唐突に庭に穴を掘り始める。

しんのすけが幼稚園から帰る頃には庭には大穴が開いていた。しんのすけはみさえに庭の修復を言い渡されるが、執拗に埋め戻しを妨害するシロの姿と「はなさかじいさん」の一節から、シロが宝物の匂いを嗅ぎ取ったのではと考えたしんのすけは一緒になって更に掘り進める。
やがて穴の奥から小さな木箱が発見されるが、中にあったのは汚い字とぶりぶりざえもんの絵が書いてある手紙だけだった。
このようなものを書いた記憶も埋めた記憶も無いしんのすけは困惑するが、手紙に書いてある「お姫様は超美人」と読める部分で夢で見たお姫様を思い出したしんのすけがお姫様に会いたいと願うと、彼はいつの間にか夢の中でお姫様を見た場所にいた。
辺りを探索する中でしんのすけは井尻又兵衛由敏という名の侍と知り合い、さらに又兵衛の案内で夢で見たお姫様「廉姫」に出会う。

一方、春日部では突如行方不明になったしんのすけを追っていたみさえとひろしは、手紙の「てんしょうにねん」を手掛かりに調べた結果、しんのすけは戦国時代「天正2年」の春日部にタイムスリップし、自分たちもそこに行くことになると予測。
信じ切れないみさえもしんのすけのためならばと腹を括り、しんのすけを連れ戻す為に動き始める。


■登場人物

当時のテレビシリーズでは、野原一家はまたずれ荘で暮らしていたが、本作では既に新居で暮らしている*6
各キャラクターの『BALLAD 名もなき恋のうた』における演者も記載。

野原しんのすけ[声:矢島晶子
[演:武井証]
歴史を変える我等がおバカな5歳児。
戦国時代にタイムスリップし、又兵衛と廉姫に出会う。
今回は対応や行動も真面目なのが多くギャグは控えめ。
別れ際に又兵衛から馬手差を託される。

今回の一件はなんと現代の歴史史料に掲載されており、そこでの漢字表記は「野原信之介」であり、この「信之介」という字はしんのすけの原型である『だらくやストア物語』の二階堂信之介と同じである。
『BALLAD 名もなき恋のうた』では「川上真一」になっている。年齢は小学生に引き上げられており、臆病で小生意気な性格。

野原ひろし[声:藤原啓治
[演:筒井道隆]
「しんのすけのいない世界に未練なんかあるか!?」
お馴染みしんのすけの父親。歴史資料を読んだ際に「野原信之介とその一族が奮戦」との記述を見たことで、資料に書かれていることが他人事とは思えずしんのすけがタイムスリップし、自分達も同じ運命を辿ると確信。みさえ、ひまわり、シロを連れて車で戦国時代に突入する。
戦場を愛車の日産パルサーセダンで駆け回ったりボディーブレードで敵の大将を怯ませたりと活躍する。
ビールを戦国時代に持ち込んだが仁右衛門達に全て飲み干された。南無。

『BALLAD 名もなき恋のうた』では「川上暁」になっている。職業は会社員からカメラマンになっており、また愛車も日産パルサーセダンからトヨタ・ランドクルーザーになっている。

野原みさえ[声:ならはしみき]
[演:夏川結衣]
しんのすけの母親。当初はしんのすけが警察に捜索願を出しており、タイムスリップしたという話も信じられなかったがひろしに説得されて共に車で戦国時代に突入する。
鞘付きの刀で敵大将の刀を防いだ。
『BALLAD 名もなき恋のうた』では川上美佐子になっている。こちらでは姉さん女房である。


野原ひまわり[声:こおろぎさとみ]
しんのすけの妹。
ひろし達に連れられて戦国時代にやって来る。流石に今回ばかりは戦には関わらず、シロと共に車の中で観戦する。
『BALLAD』では相当するキャラは存在しない。

◆シロ[声:真柴摩利]
野原家の飼い犬。彼の小屋の下は、何かとタイムスリップと縁があるようだ。
ひろし達に連れられて戦国時代にやって来る。
タイムスリップする前に小屋の屋根を傷付けられた。
また、自分が掘った穴を埋めようとしたしんのすけにクロスチョップを見舞う。
『BALLAD』ではひまわりと同様、存在が消去されている。

井尻又兵衛由俊(いじり またべえ よしとし)[声:屋良有作
[演:草彅剛(SMAP)]
戦国時代に来たしんのすけが出会った侍。本作のもう一人の主人公。詳細は個別項目を参照。
春日家の家臣で廉とは幼なじみ。空を見上げるのが好きで「青空侍」と呼ばれている。
戦場では鬼井尻と恐れられているが女性には弱い。廉姫に想いを寄せているが身分の差に苦しんでいる。
終盤に大蔵井家との戦に赴く。
しんのすけからは「おまたのおじさん」と呼ばれた。
実は30歳で35歳のひろしより年下。*7
中の人は某アニメで「ヒロシ」を演じている為、ダブルひろしの共演となった。
『BALLAD』では由俊ではく義時になっている。

◆春日廉(かすが れん)[声:小林愛]
[演:新垣結衣]
野原一家の夢に出てきたお姫様で春日城の姫。又兵衛の幼なじみで彼に想いを寄せている。
しんのすけが最初に現れた泉が好きでよく出入りをしている。終盤に又兵衛を心配して戦場へ走る。
しんのすけからは「廉ちゃん」と呼ばれた。
「おーい、青空侍!」
小林愛氏は「オトナ帝国の逆襲」にも参加していたため、2作連続で(前作では敵役だが)ヒロイン役を演じることになった。
原監督によれば、この頃の富野由悠季作品での常連となっていた氏の演技を見て「自然な演技が出来る声優」として衝撃を受けたから、とのこと。

◆春日和泉守康綱(かすが いずみのかみ やすつな)[声:羽佐間道夫]
[演:中村敦夫]
春日城の主で廉の父親。
温厚な性格の好人物でしんのすけが未来から来た話も信じていた。
ひろしの話を聞き、戦になることを覚悟に大蔵井家からの婚姻話を断る。

◆犬居兵庫助頼久(いぬい ひょうごのすけ よりひさ)[声:大塚周夫
春日家に使える老将。康綱に絶対の忠誠心を持っている。
終盤に動揺する家臣たちに覚悟を説く。
しんのすけの話を聞いた際にカレーを興味を持つ。

◆堀川新八郎忠継(ほりかわ しんぱちろう ただつぐ)[声:納谷六朗]
春日家の家老。実直な性格で隼人の失踪に怒りを見せていた。
カレーを食べて辛いと漏らす。
中の人は組長…もとい園長先生*8

◆榊隼人佐晶忠(さかき はやとのすけ あきただ)[声:玄田哲章
春日家の家老。序盤に又兵衛と共に合戦の指揮をしていた。
終盤の大蔵井家との戦いを前に失踪する。
中の人はアクション仮面

◆仁右衛門(にえもん)[声:緒方賢一
[演:吹越満]
井尻家の足軽頭。又兵衛の父親の代から仕えている。
又兵衛を「若」と呼び、普段は軽口を叩いているが本心では慕っており、無二の信頼を置いている。戦では実質又兵衛の右腕として活躍している。
中の人は同日に公開された『名探偵コナン』の劇場版である『ベイカー街の亡霊』にも出演していた。

◆彦蔵[声:宮迫博之]
[演:波岡一喜]
又兵衛が撃退した野伏せり(要は野盗のようなもの)。元大蔵井家の足軽。
森の中の泉に来た簾を仲間と共に襲撃するが、駆け付けた又兵衛に一蹴される。
しかし簾の指示もあったとはいえ命を取らず、金子を持たせて見逃してくれた又兵衛の強さと懐の深さに感服し家来になる。
顔に大きな傷があり、長い太刀を持っている。
儀助と共に実力はなかなかに高い。

◆儀助[声:蛍原徹]
[演:菅田俊]
彦蔵と共に又兵衛の家来になった野伏せり。金砕棒を武器とする巨漢。
野伏せり達は他にも数名いたが、それらは又兵衛から貰った金子を渡し国に帰らせたとのこと。

◆吉乃[声:山本圭子]
[演:香川京子]
廉に使える老女。礼儀に厳しいが廉には愛情を持って使えている。わりと子供好きでひまわりをあやす中で笑顔を見せた場面も。
中の人は暗黒タマタマ玉王ナカムレを演じていた。

◆お里[声:上村典子]
[演:斉藤由貴]
仁右衛門の妻。戦で息子を亡くしている。勝気な性格で夫を尻に敷いている。

◆かずま[声:真柴摩利]
風間くんのご先祖。
弱気な性格だが切羽詰まると現代の風間くんのように饒舌になる。

◆おおまさ[声:一龍斎貞友]
マサオくんのご先祖。
強気な性格でリーダー格かと思われたがそんなことはなく、実際は現代のマサオくんと同様ヘタレで泣き虫。

◆ねね[声:林玉緒]
ネネちゃんのご先祖。
大人しい性格だがブチ切れるとネネちゃんそっくりになる。

◆ぼーしち[ 声:佐藤智恵]
ボーちゃんのご先祖。
ノリから性格までボーちゃんとそっくり。

◆大蔵井高虎(おおくらい たかとら)[声:山路和弘
[演:大沢たかお]
今作のラスボス。廉の婚約者だった大名。婚姻破棄を口実に春日領へ攻め込む。
権謀に長け、戦国の世で力を伸ばして行くタイプの人物として描かれている。

終盤の春日家との戦で追い詰められて逃亡を謀り、立ちふさがったしんのすけに斬りかかるがみさえに止められ、
ひろしのボディーブレードの一撃としんのすけの頭突きで倒される。

しんのすけに情けをかけられたことで首は切られず髷だけを取られ命は見逃された*9
しかし後述の通り「敵に情けをかけられた上に生き残る」というのは武将としては死ぬよりも恥なことだったりするので立場がなくなった可能性が高い。
『BALLAD 名もなき恋のうた』では名字が大井に変更されている他、役割が真柄太郎佐衛門と一体化しており、彼自身が又兵衛と一騎打ちで互角に渡り合う。

◆真柄太郎佐衛門直高 (まがら たろうざえもん なおたか)[声:立木文彦
大蔵井家馬廻衆。君主に忠実な武勇の侍。又兵衛と互角に戦う実力の持ち主。
敵方でも勇敢に戦ったしんのすけや又兵衛に敬意を表した。武器は長巻。
高虎が敗れた際は死を覚悟するが又兵衛から殺すには惜しいという理由で見逃された。

モデルは恐らく朝倉家家臣・真柄直隆。
五尺三寸の大太刀を用いて数々の武功を立て、最期は姉川の戦いにて12段構えの徳川陣を単騎で8段まで突き破り果てたと伝わる豪傑である。
また「太郎左衛門」は直隆の愛刀であった巨大な大太刀「太郎太刀」か。
中の人は黒磯。


■作中に登場する道具・用語

  • 天正二年
しんのすけがタイムスリップした先。
西暦で言えば1574年で、いわゆる「戦国時代末期」ごろ。
有名な出来事で言えば、朝倉義景や浅井長政が信長に敗北した翌年、織田軍が武田軍を破った「長篠の戦い」の前年。
この当時の埼玉県は「武蔵国」の一部で、舞台となる地域は劇中では「春日領」と呼ばれているが、春日部が戦国時代では「春日」と呼ばれていたという話は本作独自設定。
関東は江戸時代までは田舎だった、という話は有名だが、本作でもしんのすけらが身を寄せる春日城は農地とだだっ広い草原が広がる中にぽつんと存在する辺鄙な城下町として描かれている。
買い物に関しては又兵衛曰く「たまに市が立ち商いをする」とのことなので商人が訪れるのも散発的な模様。

  • 鉄砲
伝来地から「種子島」で有名な火縄銃。「雲黒斎の野望」にも登場している。原始的な銃であり、銃口から弾丸と火薬を込めるため、銃弾装填に時間がかかる。
加えて弾道を安定させるライフリングも無ければ弾丸の形状も空気抵抗の大きい球体なので、有効射程・命中精度も現代の小銃とは比べるべくもない。
そのため作中では限界まで敵を引き付けての一斉射撃や、装填時間中に石つぶてや弓矢での補助攻撃を行う様子がある。
とあるワンシーンでは遥か遠くから撃たれた鉄砲から煙が上がるのに一拍遅れて銃声が届く(=音速が距離に対して忠実)という描写も。

  • 攻め櫓
春日合戦の際、大蔵位が用いた攻城兵器。櫓に車輪をつけて移動できるようにし、高い位置からの攻撃を可能としたもの。
城壁を超えて矢や焙烙火矢(当時の手榴弾のようなもの)の攻撃が可能なため、春日軍は一時劣勢に立たされたが、又兵衛が焙烙火矢を持った足軽の腕を矢で射抜き、それを櫓に落とさせて爆発させて破壊した。

  • 母衣
大蔵井軍で城内一番乗りを果たした佐久間権兵衛がつけていた風船のようなもの。「ほろ」または「ぼろ」と読む。
侍の背部を大きく膨らませ、自身を目立たせる細工。甲冑の補助武具で、兜や鎧の背に巾広の布つけて膨らませ、流れ矢や石などを避けるために使われたとされる。

  • 南蛮胴
織田信長が着用していたことで有名な鎧。ヨーロッパからもたらされた西洋甲冑(全身鎧)を日本人でも着用できるように調整したもの。作中では大蔵位高虎が着用している。

  • 馬廻衆
武将の信頼篤く、武芸に長けた者達で構成される総大将の親衛隊。
その任務は文字通り総大将の周囲を守ることであり、防衛のために彼らが武器をとる(本陣まで敵が攻めてくる)ことは敗北寸前であることを意味する。

  • 長巻
馬廻衆の一人である真柄太郎左衛門直高が使用している武器。1メートルほどの刀身と、同じほどの長さの柄を持つ。
薙刀が「長い棒の先に刃をつけた」ような形状なのに対し、こちらは「日本刀の刀身と柄をそれぞれ1メートルほどに伸ばした」ような形状である。
全体的に重く腕力が必要だが、その大きさのため振り回すだけで骨を砕き四肢を斬り落とす威力があり、武芸の心得の少ない農民兵などでも扱えるため戦国時代前半まではよく戦に用いられた。
しかし時を経るにつれ集団戦法が確立し、周りを巻き添えにしかねない長巻は廃れ槍や刀が戦場の主力武器となっていった。
姉川の戦いを描いた屏風には、真柄太郎左衛門直高のモデルとなったと思われる真柄直隆が「太郎太刀」という大太刀を振るって奮戦する姿が描かれている。

「もとどり」と読む。チョンマゲの「マゲ」の部分。もとは兜をかぶった時に蒸れないよう隙間を作るための髪型。これがないと兜がかぶれない(戦ができない)という考え方から「武士の魂」とも考えられ、髻を切られた(魂を失った)武士は武士を辞めねばならなかった。作中では大蔵位高虎が首の代わりに井尻又兵衛に髻を取られるが、これは武将にとって討ち取られるよりも屈辱的な行為(生き恥を晒す)である。

  • 金丁
作中でしんのすけと又兵衛が行った。近世の頃に誓いの印として金属製の物を打ち合わせたる行為。武士は刀の刃または鍔 (つば) 、女子は鏡などを打ち合わせた。

■余談

  • 本作のタイムスリップは一風変わった手法が取られている。
    それは「気付いたら違う場所にいた」としか言いようが無いほど一瞬で時代を飛ぶというもの。派手な効果音やエフェクトを一切用いないこのタイムスリップ描写は、クレしん映画の中でもなかなか異端。
    • 作中ではどういう原理で発生しているのか、何故タイムスリップが起きたのかは一切明かされない。だが故にこそ、本作の独特な空気の醸成にも一役買っていると言ってもいい。
  • 主題歌は、ダンス☆マン*10が歌う「二中のファンタジー ~体育を休む女の子編~」。曲名や歌詞だけを見ると戦国時代やクレヨンしんちゃんらしさは無く、本編の雰囲気とマッチしていないように見えるのだが、実際に聴いてみると以外にもシンクロしている。
    • 「空の彼方に何を見ているの?」等、映画と重なるフレーズもあり、ある意味では現代に転生した又兵衛と廉を歌っているとも取れる。


追記、修正お願いします。

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最終更新:2026年08月17日 20:56

*1 これは実写でそのまま再現すると役者がマジで危険なためであり、決して手抜きというわけではない。

*2 原作の漫画でも明確な「死」が描かれた事はあるが、アニメでは放送されない事が多い。

*3 テレビ朝日版『ドラえもん』の立ち上げなどに携わり、原作者や現場からの信頼も厚かった。

*4 初代からスタッフとして携わり、第5作『暗黒タマタマ大追跡』以降は監督を務めていた。

*5 とはいえ楠部は原を「非常に優れたアニメ監督」とも評価しており、この後、原が長年熱望していた企画である『河童のクゥと夏休み』の製作を実現。オリジナル作品と言う事もあってか興行収入は振るわなかったものの、数多くの賞を受賞する高評価を受けた。そしてこれが、原のシンエイ動画における最後の作品となっている。

*6 新居で暮らすようになるのは、公開翌月の第437話Aパート「我が家に戻って来たゾ」から。

*7 名もなき恋のうたでは25歳。

*8 一応、ワンシーンのみだが園長先生も登場している。

*9 悪役の死の回避は劇場版あるあるといえる。

*10 本編にもモブ足軽の声で出演している。