南斗人間砲弾

登録日:2009/08/24 Mon 14:51:47
更新日:2024/06/25 Tue 20:31:32
所要時間:約 3 分で読めます




南斗人間砲弾とは、テレビアニメ版北斗の拳の第19話『悪党ども!死への片道切符を用意しろ!!』にて登場した南斗の名を冠する拳法。

創始者:ガレッキー様
使用者:ガレッキー様およびゴールドウルフ軍団


名前から見て分かる通り、嫌がる人間を砲弾代わりに無理矢理大砲にぶち込み、
照準を合わせて砲弾となった人間を対象の人間にぶつけて両方を殺すという、世紀末を象徴するかのような極悪非道な南斗聖拳の技である。



追記・修正は南斗聖拳を習得してからお願いします。


















というのは嘘で、本当はまさかの自らが大砲の中に入って上空に飛び出し、上空から襲いかかるというなんともおマヌケな拳法である。

今までのアニメオリジナル回でも世紀末の拳法アニメにあるまじきトンデモ設定はあったがそれでも黙認してきたなか、
流石に原作サイドの堪忍袋の緒を切ったある意味すごい拳法である。そこ、大砲に弾入れた方がマシじゃね?とか言わない。
着地とかどうすんの?とか、大砲に吹っ飛ばされながらまともに戦えんだろ?とかも言わない。そこら辺は世紀末だからとご理解いただけたら幸いである。
現在ではサーカスに行けば見れるかもしれない。

見た目のインパクトと分かりやすさからか、創作でもパロディやネタでよく使われている。
ゲームだとマリオカービィリンクポケモンのフキヨセジム聖剣伝説の移動などで見られる。
パワードールやサクラ大戦のリボルバーカノンなど、一部のロボゲーでは大砲を弾道ミサイルに置き換えた「ハイテク化された南斗人間砲弾」が登場している。

それにしてもこんなトンデモ拳法にも南斗の名を冠しているあたり、南斗も懐が深いような頭がどうかしているような・・・原作漫画「いやこんな拳法ないしそもそも拳法じゃねーだろこれ」


●本編での活躍
胸に七つの傷を持つ男(ケンシロウ)を匿っている疑いのあるジーナの村*1を襲うために使用した。
想定外の攻撃なためか(そりゃそうだ)バリケードを張ってたものの、ジーナの村は陥落した。

ちなみにこのアホな拳法の創設者は食事の時間を優先して襲撃を知られていながら敢えて3時間遅らせる、などの謎行動でも視聴者に突っ込まれている。
地味に食事の内容もスープにフライドチキン、コーヒーと飲み水の確保にも苦労する世界ではありえない献立。

そんなジーナの村の危機を聞きつけたケンシロウはガレッキー様が率いるゴールドウルフ軍団(シンの手下)と対決する。
ゴールドウルフ軍団のモヒカンを文字通り蹴散らし、残ったのは創始者ガレッキー様となった。
ガレッキー様は自身も南斗人間砲弾でケンシロウに襲いかかるが、北斗虚空斬の前に敗れ、体の自由を奪われた上、地面に突き刺さってしまう。

まあ結局ケンシロウの敵ではなかったわけで。

最後は人質として取られていた気球の子供達を救うため、ガレッキー様を弾としてバットが気球のバルーンに命中させたが、空中の気球のバルーンをいきなり破裂させたら危なくないか?というか気球に乗っておびえる子供もなんだかなあ…

ちなみにガレッキー様は役目を終えると爆死しました。

なお、ゴールドウルフ軍団の使う南斗人間砲弾には
モヒカン:ただ飛び出すのみ
ガレッキー様:きりもみ回転を加えながら飛び出す
という違いが見られる。

やはり創始者は格が違った。



ただこの回転が何を意味するかがいまいち理解できない。
回転を加えたことによって遠心力やら何やらの力が発生してコントロールが良くなったり、
ドリルのような作用が働いて殺傷力が増すのかもしれないが、よくわからない。
ガレッキー様はきっとウォーズマン理論の信奉者なのだろう。

しかし、大砲から飛び出す時に回転を加えるのはとても難しいのではないだろうか?
まさか大砲にライフリングでもしていたのか?
少なくとも僕にはとてもできない・・。さすが世紀末。


また、南斗人間砲弾が登場した第19話はアニメ版『北斗の拳』の中でも屈指のバカ回として評価されており、
当時のお茶の間に爆笑を誘ったり、見ているお子様たちを唖然とさせたりし、強烈なインパクトを与えた。

ただ考えてみてほしい。
モヒカンたちがヒャッハーと叫びながら上空から襲いかかってくるのである。
インパクトがデカすぎはしないだろうか?
また、『北斗の拳』の世界では航空機や弾道ミサイルが滅んで久しく、迎撃ミサイルや対空機関砲、
果ては「防空」という考えそのものまで失われていたことも考慮すれば、
地上の防衛網を飛び越えて空挺部隊を目標に送り込めるこの技の真の恐ろしさが見えてくる。
KING軍には小型ヘリというまともな航空戦力もあるんだけどね


なお、アニメ版北斗の拳はこの頃、ネクロマンサーやらバットマンやら、挙句戦車やら直球ど真ん中のグスタフ列車砲
果ては戦艦まで出るなど、本当に銃やら核戦争前の超技術が枯渇&失われているのか?と疑わざるを得ない有様だった。
このように原作を大幅に逸脱した敵が数多く出現していたのだが、さすがにこの回で原作サイドが激怒し、以降監修が入るようになったとか。

とはいえ原作サイドが介入したのはあくまで噂であり、
しかも監修が入ってもアレな事が多い『北斗の拳』なのであくまで都市伝説程度に思っておいて欲しい。武論尊氏がオリジナルの変更には無茶苦茶厳しいのはホント
実際アニオリでも少女武道家やジョーカーといった名キャラクターも生まれているわけだし。

ただ、そんな都市伝説が生まれるほど絵面がひどかったのは事実である。
いずれにせよ幸いなのは、この回はアニメ史に誇れる屈指の、笑って受け入れられる最高のおバカ回だったことだろう…。

●類似の技
南斗人間砲弾と同じく「上空からの攻撃」と意図した技として、原作にて拳王長槍騎兵が用いた「死の特攻」がある。
これは崖の上から目標に向かってバイクで駆け下り、勢いがついたところでバイクから飛び降り、槍を構えて頭上から襲い掛かるというもので、
ケンシロウが拾った鉄の棒で迎撃態勢を取らなければならなかったところを見ると、かなり強力な技のようである。
すさまじい威力を持つ死の特攻であるが、「目標が崖下にいないと使えない」「技を使うたびにバイクを潰す羽目になる」など、
運用性・経済性では南斗人間砲弾に軍配が上がる。






●元ネタ?
実は遥か昔の中国で実際に実践した人物いる。
それは明の時代に生まれ育った王富という人物である。
彼の目的は「宇宙に行く」事で、伝説上は最初に宇宙飛行士を目指した人物とも言われている(月の裏側にあるクレーター「ワン・フー」は彼の名前が元となっている)。
彼は火薬を47本の竹の筒に詰めて椅子に設置し、その爆発で宇宙へと旅立とうとしたのである。
しかし当然失敗に終わり、王富もその時の事故が元で命を失った……

……と言われている



実はこれ1900年代にアメリカの作家が寄稿した謎の文章によるもので、実在の人物なんかではない。フィクションである。
勿論民明書房に掲載されていたわけでもない。

実際、原文は「Wan Hu」だけなのでどんな漢字を当てるのかもわかっていない始末であり、日本のwikiでは「王富」だが、中国の維基百科では「万戸」となり「万虎」もある、と記されている。

しかも大きく分けて二段階に分かれており、
最初は1909年にJ・エルフレス・ワトキンスなる人が記載した記事だが、極めてケッタイなもので、

「史上最初に空を飛ぼうとして命を散らしたのは紀元前2000年ごろの中国の官僚でWang Tuという。
まず巨大な凧を二つ作って並行かつ水平に固定し、その中間に椅子を固定して、乗り込む。そして47人の付添人が、装置の下に用意された47カ所のロケットに同時に点火する。
しかし火をつけた瞬間に火薬は大爆発して役人も大火傷。皇帝も激怒し、Wang Tuを百叩きの刑にした」

……という話。
言うまでもないが紀元前2000年=夏王朝黎明期のころに火薬なんてあるわけないし、そんな時代の文字は未解読。
皇帝なんて称号はまだ生まれてないというツッコミももはや野暮。
何気に、問題の役人も名前が「Wang Tu」である。いちおう中国側では「王屠」と当て字されている。

ほんでそれが1944年以降、数名の作家が作品内で多少もじりながら使用していった。
その過程でいつの間にか、主人公の名前が「Wang Tu」から「Wan Hu」に代わり、また凧が無くなって「ロケットをつけた椅子」がメインになった模様。

とまあ最初っから外国で生まれたトンチキな文章である。実際の話などではまったくありません。
そもそもマイナーなネタだし、原作者だって知らなかっただろう。

むしろ「人間砲弾」の元ネタを求めるなら、ジュール・ヴェルヌの名作古典『月世界旅行』ではなかろうか。






追記・修正は大砲で飛び出しながらお願いします。










突撃!南斗!人間砲弾!


発射イクー

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最終更新:2024年06月25日 20:31

*1 実際にケンシロウが訪れはしたが、もう去った後だった