DOOM Eternal

登録日:2022/03/12 (土) 23:16:53
更新日:2025/03/13 Thu 11:51:15
所要時間:約 169 分で読めます




地獄より湧き出ずるありとあらゆる邪なるもの

そして人が生み出す悪しきものに抗うため

我らは貴様を遣わす… 貴様だけを

猛り狂うがいい、終幕の時まで────────



DOOM Eternal』とは、DOOM』シリーズ第5作ファーストパーソン・シューティングゲーム


概要

前作『DOOM(2016)』の成功を受けて制作された直系の続編で、ストーリーやゲーム性も地続きになっている。
また、前作は一作目と同一タイトルが採用されていたが、本作ではゲームのテーマと合わせて『Eternal』を冠している。
開発はお馴染みのid software・販売は前作同様ベセスダ・ソフトワークス。後発のSwitch版移植は前作『2016』や『Wolfenstein』シリーズでも担当したパニックボタン。
PC・PS4・Xbox One向けに2020年3月20日(日本語版同年3月26日)発売。後にNintendo Switch・PS5・Xbox Series X|Sでもリリースされた。

作風は今回もスポーツ系・リアル系といった現代のFPSの枠組みに当てはまらず、高速アクションとPvEに特化したオールドスクールスタイルの『DOOM系』をより手強く突き詰めたゲームデザインになっている。
キャンペーンモードに比重を置いた内容や他の追随を許さない強烈なゴア表現も前作同様。
マルチプレイは前作では多数VS多数形式が主だったが、本作ではスレイヤー1人VSデーモン2体(+召喚される雑魚デーモン)という変則マッチとなっている。
前作でのDLCはマルチプレイ専用スキンが主だったが、本作ではカットシーンのスレイヤーの姿や武器にも反映される他、イベント期間中にゲームをプレイして一定XPを稼ぐ事でアンロックされるシーズンバトルパス仕様。なおイベント期間終了後は後に1回だけリバイバルされ、以降は小型DLCとしてまとめ売りされることになる。
また、今回はキャンペーン側にもDLC追加チャプター『The Ancient Gods』がリリースされた。こちらについては後述。

ストーリー展開は前作がシリーズ第1作を踏襲したシンプルな流れだったのに対し、本作のプロットは『DOOM II』を土台として「地獄と化した地球から人類を救済するための戦い」。
但し、今回は前作の種明かしも含まれたことにより、天使に相当する存在である『メイカー』という新たな種族の登場と暗躍、およびドゥームスレイヤーと関わりが深い種族『アージャンタ』の過去が物語の核となっている。このメイカーは別にポッと出の存在ではなく、実は前作のカットシーンやマルチプレイステージで既に伏線として存在が示唆されていた。
主人公・ドゥームスレイヤー自身も地獄のみならずメイカーとの因縁があり、彼の出自も物語上の中核を担っているため今回はカットシーンでの出番も非常に多い。
相変わらずコーデックスを読まないと全容の把握は難しいが、世界観や設定も前作同様抜かり無く作り込まれており、物語や背景設定を好む考察勢の賑わいも結構活発。
ただ、ゲーム性重視のユーザーが元々多いシリーズなのを配慮してか、カットシーンは極一部を除いてスキップ可能な脳筋スレイヤー大歓迎仕様。

楽曲は前作同様ミック・ゴードンが担当。
前作同様、従来作の楽曲フレーズを含んだ楽曲は非常に高い評価を得た…のだが、制作・スケジュール等々で諸問題が発生しており、本作キャンペーンを最後に外れる事になってしまった*1
『TAG』アップデート以降は『QuakeChampions』『BrutalDOOM』で本シリーズやid社のファンには馴染み深いアンドリュー・フルシュルト(本編でもバトルモード等の一部楽曲を担当)とRWBY等を担当したデビット・レヴィに交代しており、こちらの両名の楽曲も好評。

本作発売後、id及びベセスダを擁するゼニマックスグループがマイクロソフト社に買収されたため、本作及びシリーズの権利の元締めもそちらに移行している。
しかしマイクロソフトは当初の販売計画に口出ししない方針の為、グループ買収後も各ハード毎のアップデートやSwitch版(DLC含む)発売、ホーFall GuysスマブラSP等へのコラボも滞りなく行われている。*2

ちなみにゲームエンジンは前作や『Dishonored』『Wolfenstein II』等で使用されていた「id Tech6」を更に発展させた「id Tech7」の初採用作にして技術デモであるため、id softwareの本作に対する期待と力の入れ具合もうかがえる。
また、スタンドアロン向けのゲームながら発売から2年経過した現在でもアップデートが続けられており、スキンの追加や後述するマスターレベルの実装が定期的になされている。

その後の2024年6月のXboxショーケースで、前作『2016』の前日談に当たるシリーズ6作目『DOOM: The Dark Ages』が発表された。

システム

基本的に旧作や前作を踏襲しており、やはり近代的なシステムを意図的に廃し立ち回りと攻撃を重視した高速アクション特化している。
更に前作では使い所が少なかった伏せ動作がオミットされ、入れ替わりでダッシュが追加された。これによって高速移動による接近・回避・距離調整や滞空時間延長等、立ち回りが更に強化されている。
また後述の スワップコンボ を駆使すると格闘ゲームも真っ青な怒涛の射撃コンボを叩き込める。
反面、連携を前提としている為か前作に比べ火器の火力や殺傷範囲が全体的に抑えられており、所持弾薬数に至ってはシリーズで最も少ない。特にShellとRocketは最大強化でも前作の1/3程度。
但し弾薬補給に使用するチェーンソーの燃料は最低一つ常にリチャージされ、殆どの場面でゾンビ等の雑魚が無限湧きする…と、弾切れで詰む状況は極力減らされている。

一方、敵の攻撃性や執拗さは前作よりも格段に増し、更により群れて襲いかかってくる場面が多い上、火力・装弾数の低下等も絡み難易度も増大
その点を見越してか、エクストラライフ(その場復活の残機)アイテム、通常ゲームモードかつボス戦限定で連続リトライ時にセンチネルアーマー(ステージ終了まで永続する強力な防御バフチート)解禁等の救済処置が導入されている。
更に、体力・アーマー回復アイテムの回復量も「『死ぬには若すぎる』のみ微増、それより上は難易度による変動なし」という仕様に改められた他、難易度「ナイトメア」での敵の攻撃力増加もやや控えめにされる等、前作よりも易しくなっている部分も。
総合して見ると、「 低難易度は前作より難しめだが、高難易度では逆に易しめ 」というバランス調整がなされている。

特殊なモードとして、 難易度ナイトメア+任意のミッション選択およびリトライ不可+エクストラライフなし+死亡時及びデータロード時にデータ抹消という 、まさに挑戦状とも言うべき究極の難易度「ウルトラナイトメア」が前作から続投されたほか、
死亡時にデータ抹消+ミッション選択不可 という点は「ウルトラナイトメア」と同じながらも、ゲーム開始時に難易度選択可能・道中でエクストラライフ回収可能等の難度緩和が施された「 エクストラライフモード 」も追加。


つまる所、「ゲーム上の制約を理解しながらその中でどう立ち回るか」という、前作以上に目まぐるしい流れの中で大きな決断を求められる本作の戦闘システムのコンセプトは「 コンバットパズル 」となっている。
近年のFPSの中では異端の方向性ながらも非常に高い評価を受けたが、比較的堅実なゲームデザインだった前作『2016』からの大きな変化…つまる所手強い無双ゲー寄りからフロムゲー寄りになった=強烈な高難度化、ゆえのとっつきにくさから否定意見も結構多い。

以下ニューゲームをする度に見られる、idからのDoomEternal4箇条(意訳)
  • 色んな武器をガンガンまんべんなく使おう
  • 死にながらでも戦い方を覚えていこう
  • 新しい敵や武器が出たらヒント文を追加していくよ
  • 諦めずに頑張れ!

スワップコンボ

本作の戦闘メカニズムにおける攻撃面での最重要仕様。
前作でも武器の逐次変更やホイール・ホットキー・クイックスワップによる連携攻撃は重要な戦術だったが、本作では攻撃の後スキを武器交換でキャンセルできる
その為武器切り替えを活かしたコンビネーションは2つでも使用できる武器がある限り、前作以上にスムーズかつ高速で常時発動可能。ホイール・ホットキーを使えば更に3つ以上の武器での高度な連携も狙える。
交換のスキを短縮するホットスワッパーPerkも今回はコストが軽く序盤で即座に習得可能。必須。
その性質上一射毎のスキが大きい単発武器のスーパーショットガンとバリスタは特にエゲツない威力を発揮するが、これらは消費も大きくあっという間に弾切れになるため、常にそれが最適解ではないので要注意。
フォダー種には過剰火力になりがちなので、雑魚掃討や削りに適したコンバットショットガン・ヘビーキャノン・プラズマライフル等へ瞬時に切り替えて対応可能という意味でもこの仕様が地味に便利。
ちなみに採用率が高いのはお手軽大火力連携のSSG+バリスタ・回転率と威力のプレシジョンボルト+ロケットランチャー・低消耗で部位破壊にも適したスティッキーボム+プレシジョンボルト辺り。
勿論これ以外にも様々な連携が可能で、より強烈な正面への威力集中や複雑かつド派手な魅せ技等、プレイヤーのセンスによって大きく変化し爽快感を生むものとなっている。
但し、プレシジョンボルトはスワップ時にトリガーを引いたままだと自動的に発砲しない、アーバレストやデストロイヤーブレードはMODボタン押しっぱなしだと発砲よりもチャージが優先される等、武器によって入力の仕様が細かく異なるため、連携によっては格闘ゲームのコンボの如く操作が複雑化しており、それらを頭にしっかり叩き込まないと使いこなせない事が本作の難易度上昇を担っている側面もある。

しかも、チュートリアルが丁寧な本作では珍しく、この説明が入るのはキャンペーン全体の折返し地点とかなり遅い。それまで仕様に気付かず苦労した新米スレイヤーも多いとか。

ちなみに武器スワップ速度は地味にフレームレートと微妙に連動している様で、フレームレートが低い環境ほどスワップ速度がわずかに早いという検証結果が出ている。
また、武器をホットキーで直接変更できるPC版が優位と捉えられがちだが、実は同ゲーム時間換算ではホイール経由の方が僅かに変更速度が僅かに早いという検証結果も出ている。
ホイール起動中はバレットタイム状態のため入力に余裕があるため、キャンペーンなら一概にキーボード>コントローラーにならない様にしている。但しバトルモードはバレットタイムが動作しないのでおそらくキーボード前提。

部位破壊

前作ではピンキーの装甲等に適用されていた要素。
本作では敵が攻撃に使用する一部装備も破壊対象となっており、レヴナントのランチャーやアラクノトロンのタレット等を破壊すれば射撃攻撃を封じ、攻撃力の低下を狙う事も可能となっている。
特にスティッキーボムやプレシジョンボルトは破壊可能部位への特効効果がある上に最序盤から入手可能。これらを活かして敵の戦力を削ぐ事も勝利の鍵の一つとなる。
ダメージ表現の演出としても組み込まれており、あらゆる敵の肉体がダメージの蓄積によって徐々に破壊される形で演出が発展しており、肉片が飛び散り削がれ骨まで露出するというエグい姿が描写される。
ヘルナイトやタイラント、本作ラスボスの様な耐久力の高い敵ほどこのシステムが反映され易く、グローリーを叩き込む頃には全身グズグズでそれもう痛ましい姿に…
要するに『BAYONETTA』の演出システムと同様で、敵の損傷状態で現在の残耐久力を大まかに目算可能。

グローリーキル

本作でも引き続き導入された、確実なトドメと確定回復アイテムドロップによる体力補給を兼ねた処刑システム
今回はドゥームブレードによる鋭い斬撃も加わり演出も更に多彩化。但し残念ながら今回は壁際限定の叩きつけ系や敵側からのキルムーブはオミットされた。
基本的に『2016』と立ち位置は変わらないが本作では難易度によるヘルスアイテムの回復量増減が無くなったので高難度帯での回復量は格段に増している。
更に今回は新たな範囲攻撃「ブラッドパンチ」・更に『TAG2』の「センチネルハンマー」の使用ゲージを回復させる効果も加わっているため、攻撃に転じる意味でも更に重要度は増している。
一方で全体的に演出時間が長めになり、敵AIは前作以上に執拗で横槍も多く、迂闊に使用すると発動後のスキで袋叩きにされるリスクが増えたため、より慎重になる必要がある。
スキを軽減するサベッジ・長距離から捕捉出来るシークアンドデストロイ・発動後にスピードボーナスが付加されるブラッドフュエルの重要性も上がっている。

ちなみに今回はアーマードオフェンシブのルーンがないのでグローリーキル自体でのアーマー補給は出来なくなったが、フレイムベルチと併用すれば一応可能。
また、バーサーカーパワーは残念ながら本作ではサベッジ・シークアンドデストロイの対象外。

  • チェーンソーキル
基本的には前作同様、燃料を消費してヒットした敵を確殺しつつ大量の弾薬を獲得可能。本作では各弾薬最大所持数の半分程。
前作と違い持ち替え無しにボタン1つで即座に振るので咄嗟の使用がし易くなっている。
一方、本作では燃料のストックは3から変わらず、前作で出来たバロンの様なスーパーヘビーに対しては使用不能になっている。
むしろ使用不可能な相手に対して振ると寸前で踏みとどまるモーションでスキを晒してしまうのでうっかり使用しない様に気をつけよう。
ちなみにサベッジによる高速化対象外となったがシークアンドデストロイによる射程範囲強化とブラッドフュエルの速度強化の対象になる。

武器MOD

前作とほぼ同様の、武器の性質をガラリと変えたりより尖らせるセカンダリファイア用パーツ。クセが強かったりむしろプライマリよりこちらの方がメイン火力になったり等多種多様。
MOD交換のスキも前作より小さくなっているので敵編成や地形により柔軟に対応し易くなっている。
本作の武器MODの性質は基本的に前作の性質を踏襲しているものの、全体的に前作でお手軽かつ強力だったものは性質が抑え気味に調整されており、運用に慎重さや正確性が求められる様になっている。
ちなみに今回も前作のフィールドドローンによく似たボットから入手するが、本作のものはVEGA謹製らしく彼の名が刻印されている。そのせいか本作はツールボックスの受け取りは乱暴だが殴って奪ったりしない。

その他

  • 本作では壁から突き出たポールを用いるポールジャンプ・一部の壁に張り付いて登り降りが可能なウォールクライムといったアスレチック要素が追加。特に前者は空中からの攻撃や攻撃の回避に大きく役立つ。クロノストライクルーン(空中で始動可能なバレットタイム)を装備していればより攻撃に使い易くもなる。
  • 前作でも小ネタやイースターエッグが多く見られたが、本作ではそれ以上のid・ベセスダ・他社問わず様々なネタが仕込まれている。特にそれ自体がイースターエッグの塊なスレイヤーの私室は必見。発売からまもなく速攻で発覚し次第すぐにカットされ、本人が見る事はなかったが当時本シリーズのプレイ配信を行っていた戌神ころねネタまで仕込まれていた。
  • リブートシリーズの方向性や前述のアスレチック要素もそうだが、今回は特に1980・1990年代のレトロゲームに回帰した要素が多い。id社の『Commander Keen』やそのベースとなった任天堂のマリオシリーズ*3を思わせるFPSらしからぬプレイ感覚の場面も数多く見られる。
  • 同時期に現行機移植版が配信された『DOOM 64*4のストーリーと重要な繋がりがある。


DLC『The Ancient Gods』

本編のアフターストーリーで、『2016』『Eternal』の完結編とも言える追加キャンペーンモードで、2部作が配信。以下『TAG』と表記。
ストーリー展開だけでなく「特定の武器以外ではまともに倒せない」「強力なバフ効果を備えている」等の強力な新規デーモンが追加されており、本編以上の高難易度を誇る。
一方でスレイヤーは本編の強化要素を全コンプしているうえに4枠目専用のルーン、『TAG2』限定のセンチネルハンマーといった新たな能力も加わる。
なおCS版の『TAG』は『Eternal』本体を購入していなくても単体でプレイ可能という、DLCとしては珍しいスタンドアロン形式のDLCとなっている。

マスターレベル

ステージ構成こそ基本的に本編と同じだが敵の配置や出現パターン、ギミック等に大幅に手が入った高難度ステージ。全難易度対応だが、それぞれでクリア条件を満たすと対応スキンがアンロックされるちょっとしたご褒美付き。
高難度と言っても単に強い敵を大量に配置してる訳ではなく、敵を倒す順番、3燃料チェーンソーやクルーシブルの使い所を考えながら武器と立ち回りをフルに駆使する事で突破し易くなる構造となっており、高難易度ではプレイヤーの技量だけでなく攻略センスを全力で試してくる「コンバットパズル」の真骨頂。

名前の由来は『DOOM II』における高難易度ステージWADの詰め合わせ拡張パック『Master Levels for DOOM II』から。

現時点で未実装の「地上の地獄」「エグザルティア」「ドゥームハンターの基地」「センチネルプライム」マスターレベルもデータ内には残っており、敵配置については完成に近い状態。PC環境でならMOD導入でプレイも可能。

クラシックモード

マスターレベル限定の特殊なゲームモード。これのみ報酬に難易度分けがない。
コンバットショットガン1丁(MODなし)とガジェットのみでスタートし、他の武器(スーパーウェポン含む)やMODはステージ各所に隠されたものを集めなければならない。
敵の配置は据え置きなので、他の序盤から出現するスーパーヘビーをいかに切り抜けるかがポイント。

ホードモード

Ver6.66から追加された、ウェーブ制の連戦ラッシュモード。
最初はコンバットショットガン一丁とガジェットのみの装備からスタートし、ラウンドクリア毎に各武器の中からランダムで一つアンロックされていく。ちなみにスレイヤーの各能力・武器や所持ルーンは『TAG』同様フル強化済み。
複数の挑戦をまたいで累計スコアを集めると『DOOM II』に由来するスキンやエモートがアンロックされる他、オンラインのスコアランキングで他プレイヤーと競う事もできる。
何気にストーリー仕立てであり、ディーグ・ラナクの討伐前の時系列。北極にスレイヤーを誘い出したディーグ・ラナクが舞台を次々と変えながら大量のデーモンを襲わせる、といったお話。 敵は『TAG2』仕様だけどな!

本来はデーモンを操作してキャンペーンプレイ中のスレイヤーに乱入対戦を挑むインベージョンモードが実装される予定だったものの、COVID-19による情勢の影響下*5で実装が見送られたため、その代案として用意された。
キャンペーン中にプレイヤーを死亡させたデーモンが、他のプレイヤー上で強化+マークされ出現する「エンパワードデーモン」はその名残と思われる。

ストーリー

UAC火星基地・アージャントタワーの事件から十数年が経過した2160年代。
地球の大地は業火で焼かれ川には溶岩が流れ、そしてデーモンが跋扈する地上の地獄(Hell on Earth)と化していた。
事件の2年後から突如として地球にヘルポータルが開かれ、今日までに地球上に人類の6割が「摂取」され地上には巨大な「スーパーゴアネスト」が聳え立ち、宇宙からでも解るほど悪魔のシンボルである逆五芒星が刻まれる惨状に陥っていた。
挙げ句、世界的な複合企業体であり高い軍事力を持つUACはあろう事かデーモンに与し、地獄の侵略活動を支援・扇動する有様へと堕ちきってしまっていた。

UAC火星基地の唯一の生還者であるサミュエル・ハイデン博士は帰還直後、アージャントエネルギーを有するデモニッククルーシブルを手に火星での事件の一部始終を公表。
地獄の侵略に備えるべくカルト化が進むUACから離脱し自由武装連合「ARC」を創立、侵略が始まってからは残存勢力によって結成された統合政府と共に人類を導いていた。
だが、いくら殺しても無尽蔵に湧き出るデーモンの群れにARCは敗戦を重ね、更に起死回生を狙った「ヘルブレイカー作戦」の失敗により、ハイデン博士のボディは大破した挙げ句意識不明の重体に陥ってしまう。

今なお生き延びる僅かな人々は『悪魔が恐れる唯一の男・ドゥームスレイヤー』に救いを祈り続けていた。
かつて火星における地獄の侵略を水際で阻止し、そして今も何処かを渡り歩きデーモンの軍団をたった一人で駆逐し押し返す『獣』であり『破滅の使者』

衛星軌道上から見下ろす城塞型の宇宙要塞「ドゥームの要塞」で管理AI・VEGAは、ドゥームスレイヤーが長年追い続けていた仇敵であり、デーモンの指揮を行う「ヘルプリースト」の位置特定に成功。
地上の通信を傍受しながら戦闘準備を整えていたスレイヤーはポータルを起動し、散弾銃を手に憤怒と憎悪を宿しながらにデーモンの要塞に乗り込む…ここから、本作の物語は始まる。

※時系列については資料によってブレが有り、ここではゲーム内のコーデックスとDOOMwikiaのタイムラインを準拠として解説

登場人物

「彼は我らとともに歩み、この地球から悪を滅ぼすだろう。
我らの声に応えて来たりしあの者は死にゆく我らとは全く別の存在である。
彼は破壊者で、我らを造りし創造主の右腕であり、そして希望が潰える恐怖をもたらす者である」
─コラックス碑文 3:13

本作でも引き続き主人公、絶対に妥協しないデーモン絶対殺すマン。相変わらず寡黙な『奴らが恐れるただ一人の存在(The Only Thing They Fear)』。しずえさん大好きマン
上記の通り今回は全体的に基本能力が抑えられており、特に弾薬所持数には強化が進んでも悩まされ易い。一方で新たに追加されたダッシュとブラッドパンチの存在により立ち回り・切り返し・肉薄戦闘での爆発力は大きく強化されている。
本編以前から既にデーモンとプリーストを追って各地を転戦していたらしく、たった一人でデーモンの軍勢を押し返す姿からARCや生存者達からもドゥームガイドゥームマリーン等と呼ばれ、
真意が汲めない事から警戒対象とされながらも生存者達からは英雄視・神格化がなされており、名称も「破滅の使者」「ドゥームそのもの」という定義に変化している節がある。
その神話的な強さはスレイヤーを研究していた科学者を科学信奉からスレイヤーの信奉者へと変える程である。
ハイデン博士の指揮で武装をゴリゴリに進化させ巨大ロボットまで有するARCが防戦一方に追い込まれ、僅か2年で数十億もの人類を虐殺したデーモン達を、意趣返しと言わんばかりに草を刈る様に抹殺していく様を魅せられたら無理もない。

前作のEDで地獄に強制送還された後、詳細な経緯は不明だが移動拠点「ドゥームの要塞」を発見・再起動させ、要塞の機能を使ってプラエトルスーツにバックアップしていたVEGAの復元に成功している。
また、今回はアージャントの世界も物語の舞台となっているため、ナイトセンチネルの一人である彼のアージャントでの出自や経緯についても本作で詳細が明かされる。
なお、火星の事件で採取された彼の血液サンプルをARCの科学者が解析した結果「人間と同じ遺伝子を持ち、血液型AB型」と無事に判明したが、セラフィムから異能を授かった事によるものか出所不明の謎の物質が混じっている事も判り、これが彼の異能をもたらしていると思われる。身体能力?ジャンプとダッシュ以外は元々超人だろこの人

その超脳筋性急さと力づくで物事を押し通す強引さも相変わらず…どころかとりあえず無理でも生体・網膜認証を試みたりしてた前作より増しており、
VEGAが制御を奪うまで操作不能な火器のトリガーを何度も引いたり、高射砲として使用されるカタパルトや無駄にハイテクな投石機に自分が乗り込んで砲弾代わりに突撃と無茶したり…宇宙一強力な砲弾
しかも気質が原因で半ば独善と呼べる判断もしてしまいがちな上、コミュニケーション行為を自ら放棄している*6ため、結果的にカーン・メイカーに罪の聖像起動を決意させて人類をより大きな危険に晒したり、『TAG』でもARCに混乱を招いている。

一方で茶目っ気や収拾癖も相変わらずで、本作では嬉しくなさそうに入手した各種デーモンのフィギュアを集めて専用棚に飾っており、この他にも私室には地獄産ギターやスケボー*7やらネタまみれの書籍や雑誌、
UACからかっぱらったと思わしきアージャントセルケースやソウルキューブ、挙句の果てには条件を満たすと『DOOM I』『DOOM II』が実際に遊べるDOS-V機…等、やたらと私生活の趣味が垣間見える。
ちなみに今回もスレイヤーのフィギュアを入手すると嬉しそうにフィギュアと一緒にドゥームブレードを掲げる。
更にソーシャル機能の強化によりスレイヤー本人やデーモン用スキンシステムやエモートも実装され、とうとうコスプレ芸まで覚えてしまった。今日も地獄と地球と天国をビールデブやコスプレファンボーイ、ユニコーンが奔走する…

作品外では任天堂非公式ネタで何故かしずえさんと仲良し*8そしてスマブラSPでMii用スレイヤー衣装が追加されたため、擬似的に共演が実現した
洋ゲーのキャラでは珍しく、グッドスマイルカンパニーからねんどろいどやfigmaブランドで立体化されており、日本でも発売されている。また、後に『I』のドゥームガイもPOP UP PARADEでの立体化が決定した。
なおDOOM公式Twitterはねんどろいどやスマブラでスレイヤーをしずえさんと並べたり『メトロイドドレッド』の発売を祝うスレイヤーのパロディイラストをアップしたりと色々エンジョイしてる模様、本当にMS傘下かよ



  • プラエトルスーツver.2.0
前作のオリジナルプラエトルスーツと違い、新たに新造されたスーツ。
地獄に送り返された後でまたデーモンの異端者が作ってもらったのか、スレイヤーやVEGAが設計・制作したのかは不明。
外観は前作のアーマーと比べライトグリーンが基調となり更に上腕部が大きく開いているため、より旧来のマリーンアーマーに近いデザインになっている。北極とか溶岩地帯とかで寒かったり暑かったりしないのだろうか
デザインモチーフは旧マリーンアーマー&映画『プレデター』シリーズ。スレイヤーの通り名の一つが「束縛されない捕食者(Unchained Predator)」なので多分それにも引っ掛けている。

気密性・環境耐性はオリジナルと変わりなく、本作では直接宇宙空間や水中での行動する姿が見られ、深海の水圧に耐える事も可能*12
前作のスラストブーツを使い回しているのか、それともバラして部品を組み込んだのか、最初から2段ジャンプが可能。
更に高所から落下した際の耐衝撃性はオリジナルよりも格段に上で、前作では手をついて衝撃に耐える必要があった高度でも余裕で耐える事が可能な他、前作では転落死していた高度でも何故かダメージと引き換えに近場にリスポーンする。しかも今回はバニーホップまで可能。
防御力については今回も相変わらず設定に反してその辺の雑魚の攻撃もバンバン通るので取り囲まれると前作以上に死が見える。
一応、前作からやたらと威力が上がったカコデーモンの噛みつき、シリーズ最大級の敵である罪の聖像や闇の主等の強大な相手の攻撃等でもある程度耐久が残っていればHP1+数秒間無敵で耐える様になっている。
だがそれ以上に、旧作のバックパックを思わせるウエストリグが見えるにもかかわらず、やたらと所持弾薬数がタイトになっているのが難点。
その代わりスレイヤーの意思に応じて投射武器の射出や火炎放射の同時可能な「装備ランチャー」が左肩に、デーモンを容易に両断する伸展式の両刃剣「ドゥームブレード」を左腕に新設して使いこなしている。

ちなみにオリジナルスーツはサミュエルが遠隔操作可能な拘束装置という脆弱性が付加されたためかスレイヤーの私室で解体されており、修復中とも部品取りとも取れる状態。条件を満たすと本作の仕様に合わせて専用ランチャーとブレードが追加された物が使用可能。

なお、本作ではこのスーツ以外にもコスメティックスキンで旧マリーンアーマーや『II』のカバーアート装備、『Commander Keen』のコスプレ等でも上記の性質は一切変わらず、専用デザインのブレードやランチャーが取り付けられている。その為明らかに気密保護が見られない装備でも真空や水中を無制限に行動可能というすごい光景が見られる
  • ドゥームブレード
左腕部のガントレットにマウントされた伸展式の両刃剣。切れ味は極めて鋭くデーモンをバターの様に容易に斬り裂き抉る事が可能で、ノコ刃形状のおかげでマッドクラブの様に硬い甲殻であっても切り裂く事ができる。
それだけ優れた武器なのに何故か通常戦闘では使用せず、グローリーキルとカットシーンでのトドメ演出専用となっている。濫用して折れた事があったのだろうか
ちなみに地獄への強襲に参加したセンチネルの中には両手の篭手にマウントされたブレードを装備していた者がおり、彼の得物を参考にしたのかもしれない。
  • ダッシュ
後述のブラッドパンチ同様アージャント製のアーティファクトを入手する事で地上・空中共に高速で短距離直進するショートダッシュが2回まで連続で使用可能。リチャージ式で使用すると短時間のクールタイムが必要。
移動・戦闘における立ち回り・アスレチック攻略・敵のロックオン解除・ついでに本作で復活したバニーホップに絡ませたり…と、あらゆる意味で本作のスレイヤーを支える重要な機動能力。
ちなみにダッシュによる突進にもこっそり攻撃判定が有り、威力もヘビーキャノンのプライマリ1発と同じ位あり、フォダー程度ならノックバックも可能。チェインガンのエネルギーシールド使用中は威力が4倍になり、更にアップグレードでヘビークラスをも怯ませる事も可能となる。

  • VEGA CV:高宮俊介
安全プロトコルを無効にしましょうか?

前作の最終盤でスレイヤーを導くために自ら犠牲になった超高性能AI。スレイヤーの咄嗟の機転でバックアップをプラエトルスーツに残したため、本作ではスレイヤーの拠点であるドゥームの要塞の管理AIとして復活した。
基地の管理運営やポータル操作に前作同様作戦中のナビゲーションの他、支援装備設計・復元やコーデックスの分析・翻訳等多方面に渡ってスレイヤーの良き右腕として補佐している。
MODを運搬するドローンも今回は彼の手製らしく、アージャントの流れを組んだフォルムながらもVEGAの刻印が刻まれている。


  • サミュエル・ハイデン
火星の地表を撃った所で、穴を開けるなんてことは…

引き続き登場の死ぬほど胡散臭いファッキンサイボーグ博士。前作でスレイヤーから奪ったクルーシブルを手土産に地球へ帰還し、地獄による侵略活動を予見してカルト化したUACから独立・武装組織ARCを結成・指揮をしている。
前作EDでの「またいつか会える時まで」の言葉通り、ドゥームスレイヤーの帰還をも予見しておりARCのメンバーにも伝えていた事から彼の名と存在の周知が早かった模様。
また、そもそも前作での動向の多くは元より「遠からず地球に起きる地獄の侵略」に対するものであった事が明かされた。
その知力や技術・指導力に加え保有するデモニッククルーシブルから供給されるエネルギーは人類の抵抗活動にとって要なのだが、「ヘルブレイカー作戦」の失敗によりハイデンのボディは大破し意識不明に陥っている。
しかもその脳の構造が何故か通常の人間と異なるため、高い医療技術を持つARCでも延命以上の処置が出来ない有様だった。

ゲーム中盤にVEGAの提案でハイデンの助力が必要になったスレイヤーが内心嫌そうにARC本部に現れ、「繊細な作業が必要」と言われた直後にすっげえ雑に延命装置から無理やり引っ張り出された挙げ句、ポータルへ雑にポイッと放り投げられて要塞の床に転がる前作のラストで裏切った事を根に持ってるのだろうか
直後の戦闘から帰還したスレイヤーがセンチネルエネルギーの奔流に放り込んだ事で意識を取り戻す…が挨拶もなく相変わらず不躾に作戦の指示を一方的にしてくる。
この時急速に回復したのはセンチネルの医療技術だけでなく、VEGAによれば何故か彼の脳の構造は要塞のメインフレームの設計と酷似しているらしく、それも関与していると思われる。
日本語版では『TAG』から声が変わっている。


終盤に罪の聖像の危険性をほぼ同じ内容で繰り返し訴えた事*13や、BFGを使った火星への砲撃を行おうとするスレイヤーに対する困惑、前作でもそうだったが特徴的なボイスフィルター等が原因でインターネットミーム化しておりよくネタにされている。ついでにver6から暫くの間ボケが進行して要塞に戻る度にアンメイカー入手時のセリフを喋るバグが追加された
また、彼とVEGAはやたらと没音声が多く開発中のストーリーライン変更*14を色々とうかがわせている。

  • ヘルプリースト
スレイヤー「ここがあのプリーストのハウスね…
デーモンによる地球摂取を指揮する地獄の司祭達。元々はアージャント・ドヌールとエレメンタルレイスに仕えるディーグ教団の司祭だったが、メイカーからアージャントエネルギーの恩恵を受ける内に離反してしまう。
呪術や魔法に長けながらも高度な知識と軍才を持ち、アージャント・ドヌールに属していた頃は作戦立案にも携わってい記述があり本編中でも前線指揮を執り行っている。
エネルギー工場の建設や対センチネル・スレイヤー専用兵器ドゥームハンター開発、内乱末期にはバレンの離反等*15で暗躍した。
更に司祭達はセンチネルの血を引く地位の高い立場のため、内通が露見しても猶予を与え、更に地獄への起死回生の作戦が失敗しても尚も信頼を寄せるノビク王に民は嘆いたとされている。

姿形こそ人間だが、長年のアージャントエネルギー使用で肉体・精神共に堕落しきっており、体色は青白く顔付きも赤く染まった目とともに悪魔の様にに歪んでいる。ちなみに堕落しきる以前のモデルも存在しており、コーデックスやカットシーンで使用されている。
地獄との契約なのか呪術なのかは不明だが、物理的な殺害は可能でも「魂までは奪えない」との事で事実上不老不死らしく、スレイヤーが所有するメダリオンに魂を封じる事ではじめて抹殺が可能になる模様。ただ、この辺りはあまり具体的に描写されておらず詳細には謎が多い。
アージャンタでありながら滅亡を導いた経緯や地球摂取の指揮、アージャント世界における因縁からスレイヤーの絶対殺すリストトップ3に並べられ、
各々が解雇通達のお宅訪問追跡してきたスレイヤーを迎撃するものの、戦力全てが撃破された上で誅殺され地球摂取の一時的な停止に成功した。

  • ディーグ・ナイロックス
クラウンを被ったプリースト。タイタンが担ぐ移動要塞を使って前線指揮を行っていた…という事以外の詳細が少ない。まぁオープニングで早々に死んだし…
ゲームスタート前にいきなりVEGAに位置を特定されたのが運の尽き、本拠地である移動要塞内へスレイヤーに直接乗り込まれて守衛のデーモンを皆殺しにされた挙げ句、激情とともに首を力づくで引き千切られた記念すべき犠牲者1号。
その首は他のプリーストやカーン・メイカーが会合を行う砦に侵入するための鍵として使用され、更にプリースト達の眼前に放り投げる事で宣戦布告として利用された。

  • ディーグ・ラナク
装飾付きの仮面を身に着けており、カオススローンの闇の総督も兼ねているプリースト。アージャント・ドヌールにおいては長年王に仕え、アージャンタ達の精神的成長を導いてきた聖職だったとの事だがどうしてこうなった…
実は他のプリーストと違って長年地球でも活動を行っており、アージャント内乱の時点で地球の北極でアガドンハンターの亡骸を回収しドゥームハンターの生産を行っていた。
元々本作世界のUACに入り込んでおり、前作のオリビア・ピアスとも旧知。その為UACの火星開発計画にも関与しており前作のラザロラボの倫理観行方不明っぷりやアージャントタワーの事件後、わずかな期間ででヘルゲートが地球に開いたのもラナクによる所が大きいと思われる。そのためサイボーグ化デーモンの量産もこいつが関わっているかと思われる。
更にオリビア・ピアス死後はUAC社内における実権を握り、内部のカルト化やデーモンへの支援活動を行わせていた。
会合後、北極のUACカルト基地やドゥームハンターの基地で万全の防衛態勢でスレイヤーを迎撃するが、切り札であった最新鋭のドゥームハンター3体に至るまでグローリーキルされて失敗してしまう。
尚も永遠の命等をチラつかせてスレイヤーに命乞いを試みるが、当然そんな佞言に聞く耳を持つ訳がなくドゥームブレードで斬首され犠牲者2号となった。

後に追加されたホードモードでも進行役を行っている(このモードは『TAG2』仕様だが、彼の罠で仕掛けられたデーモンと連戦しながら北極のハンター基地に向かう場面を描いている)。最近はキャンペーンよりもこっちで生き生きとしている気がする。楽しそう。
ステージ内やホードモードのカットシーンではホログラムを使ってスレイヤーを挑発したり、ボス戦やホードモードのウェーブ中では音声のみだが戦局に一喜一憂しながら茶々いれたり…と、プリーストの中でも特に出番やセリフが多くかなりキャラが立っている。

  • ディーグ・グラブ
サークレットを身に着けたプリースト。『2016』のコーデックスでも名前や行動が言及されており、バレンを唆す事でエレメンタルレイスの秘匿場所を突き止め、更にバレンの息子の魂を罪の聖像に吹き込んだ張本人なのが明かされていた。
装飾が他の二人に比べて地味なのは『2016』の時点で「ヘルプリーストの中では最も序列が低い」とされていたためと思われる。
現在でも残存するアージャント世界でも実権を握っており、かつてメイカー派だった民衆やセンチネル達に対して威張り散らしながら管轄している。
メイカー側に堕したセンチネルプライムの運営も行っており、かつては「奴隷を競わせ戦士を生み出す」神聖な場であったアリーナでデーモンによる公開処刑もとい人間との殺し合い興行をプロモートしている。
ディーグ・ラナク死後はカーン・メイカーによって要塞のポータルでは侵入不可能となっているセンチネルプライムに避難させられるが、スレイヤーに古代都市ヘベスのスリップゲートを経由して追跡される。
センチネルプライムの「プリーストの血をアリーナで流せば都市の利権を全て失い追放される」掟を盾にしながら現在のアリーナ絶対王者・グラディエーターをけしかけ、それを撃破したスレイヤーに対し尚も掟を盾にするが、
案の定スレイヤーは意に介さず言葉の途中にスーパーショットガンで頭を粉砕され無事に犠牲者3号になる。

  • カーン・メイカー
カーン・メイカーの意志に背くことは出来ないのです
…あなたはそれに従うように運命づけられているのだから

宇宙の運行を行う、天使に相当する高次存在「メイカー」の指導者。ちなみにメイカーは性別の概念があり、こいつは女性型。なおメイカーの種としての集合意識としての存在でもある。
神に近い存在とされ、実際ファーザーと呼ばれる主神をメイカー代表として仕える立場、にもかかわらず地獄と盟約を結んでおり、配下であるヘルプリーストを使役して「罪を犯し続けた人類への審判」と称して地獄の人類摂取を指導している。
人類を根絶する気は当初は一応無かったのだが、本編終盤でスレイヤーにヘルプリーストを全員抹殺された事で地球摂取が阻止されたため、罪の聖像を起動し地球と人類の絶滅を決意する。


  • 裏切り者/バレン CV:白熊寛嗣
人々を救っても平和は来ない…
重荷をしょいこむだけだ。さらにな

かつてのナイト・センチネルの司令官。モヒカンの偉丈夫で、本来は厳つい見た目に違わぬ優れた能力と気丈さを併せ持った戦士だった。別にヒャッハーとか新鮮な肉とかは言わない
『2016』のコーデックスでも彼の存在が語られていたが、息子が戦死した事を地獄と内通していたディーグ・グラブに付け込まれ甘言に乗った結果情報を流し、地獄に奇襲を決行したはずのレイス派のナイトセンチネルらは万全で迎撃されてしまいスレイヤー一人を残して全滅してしまう。
しかも抗争と内乱による混乱によって王が没し、罪の聖像の襲撃により首都アージャント・ドヌールが地獄に堕ち、故郷と文明そのものを破滅させてしまう。
挙句の果てにそこまでして救いたかった息子は既に罪の聖像に作り変えられており、祖国滅亡に利用されていた…という自業自得ながらと事ん救いのない結末を迎えている。
自らの過ちで故郷が滅んだ事や罪の意識からアージャントの世界ではなく地獄の中で失意になりながらも孤独に生きている。尚、長年地獄で生きているにもかかわらずデーモン化の兆候どころか加齢すら見られない理由は不明。
アウトランダーとしてアージャント世界に流れ着いたスレイヤーにとっては当時の同胞であると同時に恩人でもあり、クルーシブルを難なく扱えるのも彼の指導の元でセンチネル達から剣術を叩き込まれたため。
取り返しのつかない過ちを犯していたものの、同じく地獄に家族を奪われたスレイヤーも思う所があるのか彼の心境自体は理解している様で、彼が原因で数多の戦友やアージャントが没したにもかかわらず嫌ったり責めたりする様子も見られない。
セレスティアルロケーターを所有しており、ヘルプリースト追跡に必要としたスレイヤーと接触。彼の言動からそれ以前にも再会している模様。
今もなお地球と人々を救うために地獄、そしてメイカーと戦い続けるスレイヤーに「人々を救っても報われることはない、更に重荷を背負い込むだけだ」と王とほぼ同様の忠告と、それでもスレイヤーが行動を止める事はない事を見越して特別な短剣を彼に委ねる。
この短剣は後にスレイヤーの手でアーダックへと無事に配達され、そして 大惨事を引き起こした 模様。


  • ノビク王 CV:土師孝也
孤独なる者よ
奴らはもはや、救うべき同胞にあらず!

アージャント・ドヌール最後の王。かどうかはともかく実力者揃いのセンチネルを束ねる王としての才気を持つ人物で、センチネルの中でも特にアクが強くコミュニケーションがほぼ無理なスレイヤーも彼の前では礼儀や忠節は現在でも示している。
過去のセンチネルの地獄侵攻でメイカーとの地獄の密約が露見した時、彼らと直接繋がっているディーグ教団の告発に対してもプリーストがセンチネルの血筋という伝統と格式を重んじた厳格さで猶予を与えた事が、後のアージャント崩壊に大きく影響してしまい戦争の最中没した。
既に故人ではあるが、内乱時に没した地である城塞都市エグザルティアの玉座に霊魂の形で現世に留まり続けている。ちなみに玉座の裏に何故かエクストラライフをこっそり隠してる
「堕落しきっているとはいえセンチネルの血を引くヘルプリースト達を殺すことは許されない」とスレイヤーに警告しているが、その次には「奴らが罪を贖う番だ」と告げ、最後には「奴らはもはや、救うべき同胞にあらず!」と去り行くスレイヤーに檄を飛ばしている。

つまるところノビク王はあくまで建前としてスレイヤーにセンチネルの法を説いたうえで、プリーストの抹殺を許可したという事である。実際ノビク王は天の裁きや救うべき同胞にあらずといった遠回しな表現を使っており英語版でも日本語版でも殺せとは一言も言っていない(殺せと言ってないのでノーカン)。
自身とセンチネルを裏切り多大な犠牲を出した挙句、臣民の魂に精神が消滅するほどの苦痛を与え、神聖なアリーナをデーモンと人間の殺し合いの見せ場にしたり、楽しみの為に人間を拷問したりと好き放題やってるプリーストにブチギレまくっててもおかしくはない。
それ以外直接の出番はないがゲーム開始時とエンドロールのナレーション*17は彼が担当。
実は没音声で『TAG1』導入部の語り部もしており、日本語版でもしっかり音声も収録されているのだが何故か未使用。

  • セラフィム/サミュー・メイカー
受け取れ。君に強さを与え…
…旅の手助けをするだろう

前作でもドゥームスレイヤーに異能を授けたとされていた存在。物凄く胡散臭い声と本名が特徴
本作ではかつて創造神「ファーザー」の右腕役を務め、アージャント文明発展にも関わったメイカーだった事が判明し、スレイヤーのフラッシュバックではタラス・ナバド防衛戦での事態を重く見たセラフィムが神性機械を使いスレイヤーに異能を与えた経緯が見られる。
しかし、この行為はカーン・メイカーの意向を無視して独断で行ったものだったため、サミュー・メイカーはメイカーからの追放処分を受け、行方が知れなくなったとされている。
日本語版では『TAG』から声が変わっている。


  • ファーザー CV:高宮俊介
本作世界の創造神とされており、メイカー達の主神。無から宇宙と世界を作り出した万物の父であり、伝承ではその身を天国であるアーダックに変えたとされている。
本来彼が聖地ルミナリウムからアーダックやメイカーの指導を行うのだが、ある時を堺に突如として所在不明になっている。
しかもメイカーのメカニズムに由来する変容の阻止や次代のカーン・メイカー出生には彼の力が不可欠であるため、彼の失踪自体がメイカーという種に破綻を齎してしまっている。


  • ARCインターン*20 CV:泰勇気
なんかイケボ若ハゲARCスタッフ。ドゥームスレイヤーのファンボーイ的な気質があり、初対面では彼の異様な雰囲気にビビりつつも興奮しながらハイデンの状況を解説してくる。
『TAG』ではスレイヤーとARCが合同で作戦を行うため、アーダックに取り残されたVEGAに代わってスレイヤーのサポートを行う。
当初は寡黙なスレイヤーとのコミュニケーションにやっぱり困っていた様で、血の沼ではHUDに表示される作戦目標を勝手にとんでもない内容に書き換えていたスレイヤーに困惑しながらツッコミを入れていた。


  • 闇の主 CV:土師孝也
存在自体は前作にも触れられていた地獄の支配者。闇の主と呼ばれる存在は第四世代まで存在するが、本作の者はその何れにも該当しない、「地獄を創造した」真の意味での起源の支配者
現在は力と名を奪われた存在であり、かつてアーダックと地獄の戦争でファーザーに敗れ、封じられたとされている。
カーン・メイカー戦後、何かに呼応するかの様に謎の雄叫びが響き渡るが…?『TAG1』配信時のバージョンでは何故か名前表示されてたからバレバレだったがな*22


  • ナイトセンチネル
前作の戦いで地獄から開放されスレイヤーを導いた、かつてのスレイヤーの戦友達の霊魂。
既に肉体を失っているので直接の干渉は不可能だが、スレイヤーが向かう先々でプラエトルトークンを託す事で彼の旅路を支える。妙にアクティベート可能範囲が狭いのでスカルスイッチと並んで本作で最もパンチを食らう人ら
センチネルプライムではメイカーの軍門に下った存命のセンチネルが見られる。

  • ARCスタッフ
緑の制服を着たモブの皆さん。ARC中央施設ではハイデンの復元作業等に追われる姿が、『TAG1』ではスレイヤーとの共同作戦のため直接支援する姿が見られる。

  • UACスタッフ・ガード
何てこった…奴だ!(絶望)

おい!誰だ?立ち入り…禁止だ…(失禁)

ハッ。あの野郎、俺が怖くねぇってか。お手並み拝見したいね(フラグ)

白の制服を着たモブの皆さん。火星衛星のフォボス基地ではカルトじゃないまともな方がデーモン対応に追われている。
ちなみに彼らまともなUACスタッフは後に『TAG』でARCに協力・移籍する等して地上でもデーモンと戦っている模様。
なお、前作でUACの技術や功績を宣伝していたスポークスマンは男性だったが、今回デーモン侵略の扇動やARCやスレイヤーを嘲笑うプロパガンダを行っているのは女性のホログラム。最終盤では一向にスレイヤーの行動を挫けない事からブチ切れて喚いている姿が見られる

  • デイジー
シリーズ第一作で理不尽に惨殺された、かつてドゥームガイが溺愛していた女の子のウサギ

現代に蘇りし伝説の緑のクソ魚。『2016』ではルーンやスナック菓子のイメージキャラというイースターエッグとして登場していたが、本作で遂に魚そのものが再登場。
リブートDOOMシリーズでは地球の北極近海に生息しているらしく、何故かUACカルトの拠点で釣り上げられたり氷壁に突き刺さってたり祀られたりしており
更に言えば外見自体も血走ったギョロ目にテカった体表と妙に生々しくアレンジされており、正直怖い
全てエクストラライフ用のシークレットギミックとなっており、ギミックを解くと本作アーチバイルのそれと同じ絶叫を上げて死ぬ
出典である『Commander Keen』をモチーフにしたスキンセットのエモートでもスレイヤーに釣り上げられており、ビチビチ暴れながらこっち向いてゲップするこっちみんな


登場デーモン

本作の敵デーモンは脅威度・サイズに応じて3~4つのカテゴリ分けがされており、以下の様に大別されている。
  • フォダー :小型。能力は低いが数で押してくる
  • ヘビー :中型。実戦担当
  • スーパーヘビー :大型。ヘビーを大きく凌ぐ高い能力と支配階級の地位を持つ
  • アンビエント :特殊枠。地獄の侵食より自然発生したり人為的に作られた装置等








スレイヤーの武器





アイテム



拡張要素

残念ながら本作では前作のスナップマップモードはオミットされている。MOD・WADについてもいずれサポートを考えたいというコメントを出していた。
MOD界隈は旧作ほどではないもののそれなりに活気があり、PC版ではスキンやゲームの細部調整といった小規模なものからレベルデザイン変更・ボスラッシュ・有志製ホードモード*46等と大掛かりなものも多く作られ、シリーズ自体元々MOD文化との関わりが深いため、Discord上のDOOM公式サーバでもMOD情報交換用チャンネルが設けられている。

そしてEternal発売から4年経過した2024年8月のQuakeConにて、公式MOD開発ツール『id studio』が発表と同時に配信開始された。

用語

  • UAC(UACカルト)
シリーズお馴染みの暗黒コーポ多国籍コングロマリット。本作のストーリーラインに多大な影響を与えている『II』と違い企業そのものは健在。
だが先んじて地球に潜入していたディーグ・ラナクが幹部として入り込んで現UACの実権を握っており、デーモン侵略の扇動・補佐を行うマジの超暗黒メガコーポに堕ちきっている
但し組織の意思統一が出来ていないのか全体がカルト化している訳ではない様で、フォボスの防衛基地では真っ当に反攻作戦を続けており、上層部からのデーモン受け入れ命令が降りてもスタッフが疑問の声を挙げていた。
そんな彼らでもスレイヤーは敵扱いではないものの警戒対象としており、突如基地内に転移したスレイヤーにビビりながら道を譲っていた。ついでに通りがかりで威圧されたガードがプラズマライフルを永遠に借りパクされた
後にまともなスタッフや戦闘員はARCに合流した模様で、『TAG』でARC空母のクルーに加わっている他に地上での抵抗作戦を続けている姿が見られる。


  • ARC(アーマード・レスポンス・コンプレックス/武装応答連合)
『2016』の後、地球に帰還したハイデン博士が地獄の侵略に備えて結成した、UACから枝分かれした民衆支援の為の武装組織。「アーク」と読む。
天才科学者のハイデンが指揮と兵器開発に携わっているため技術や兵器は高度だが、無尽蔵に押し寄せ死を恐れないデーモンの数の暴力に押し切られ敗戦を重ねている。
更に指導者である当のハイデンが本編開始前にヘルブレイカー作戦の失敗により意識不明の重傷を負い、本編では半ば壊滅に近い窮地に立たされている。『II』では僅かな期間で人類が絶滅寸前に陥っていたのが本作では10年かけて人類6割損失程度に持ちこたえているのは評価すべきか。
統合政府の元、民衆保護のためのコロニー防衛や士気向上を目的としたプロパガンダ放送も行っており、スレイヤーの事は警戒対象としながらも単独で各地を転戦しデーモンの軍勢を押し返す彼の動向も追っている。インターン含めてファンボーイ気質がチラホラ

『TAG』ではスレイヤーが合流し、創造神の補佐役だったセラフィムの肉体を奪還し、ファーザーを復活させるべくスレイヤーと行動を共にするハイデンの指揮で共同作戦を展開する。
…が、スレイヤーの暴挙とも取れる行動に司令部は大混乱しインターンを除いた主なスタッフは雲隠れしてしまっている。ホントに大丈夫かこの組織…。

  • BFG-10000
ハイデン博士がUAC離脱前に設計・開発に携わった防衛用ビッグファッキンガン超巨大粒子砲。膨大なアージャントプラズマビーム放射によって惑星に宇宙から見えるほどのクレーターを開ける威力の砲撃が可能。
モチーフ及び名称は恐らく『QUAKE II』のビッグガンとBFG10kから。外観はBFG-9000以上にロック様な映画のバイオフォースガンに寄せている。
本作ではフォボス基地で運用されているものが登場し、ステージ前半部分がこのBFG-10000機能維持のための施設である事もうかがえる。
名称で示唆されている様にBFG-9000をベースに発展させた兵器であり、制御ポッド内の動力源兼トリガーもBFG-9000がそのまま転用されている。
ゲーム中ではステージ内の背景でバンバン砲撃しているのが見えるのだが、古代都市ヘベスに直行するためスレイヤーが制御を奪い、火星に向けて最大出力の砲撃をブチかました挙げ句BFG-9000をもぎ取られて結果的に自爆させられた

  • 火星
シリーズお馴染みの太陽系4番惑星。本作では古代にアージャント世界の多民族が『DOOM 3』の火星古代文明よろしく入植していた事が判明。
現在では深部の地殻にかつて中継都市として使用されていたヘベスの遺跡が埋没している事が判明している。
このヘベスのスリップゲートは現在も機能が生きており、要塞のポータルでは転移不能なメイカー管轄下のセンチネルプライムへ直接転移する事が可能。
しかし、ヘベスは性質上地殻深部に埋没しているため今回は移動に時間的余裕のないスレイヤーによってBFG-10000で砲撃され、遂に火星の表層自体が破壊された

  • 地獄
シリーズおなじみの舞台。本作では要塞が地球・センチネル世界・地獄いずれにも転移可能なポータル装置を備えているため従来作以上に積極的な行き来を行う。
本作ではメイカーとの密約により、アージャントエネルギーの提供と引き換えにカーン・メイカーからの支援を受けて『II』と同様の地球への侵略行為の真っ只中。
但し地球摂取の状況やアーダックへの干渉についてはそのカーン・メイカーが目を光らせており、微妙なパワーバランスを保ち続けている。
………しかし、本編終了後の時系列である『TAG』ではある程度沈静化しているものの、均衡が崩れた事で歯止めが利かなくなっている。


  • ドゥームの要塞(フォートレス・オブ・ドゥーム)
スレイヤーが各地を転戦するために拠点としている、かつてアージャント文明がメイカーの協力を基に創り上げた城塞型移動要塞。副題が『フォートレス・オブ・ドゥーム』な海外版エストポリス伝記は多分無関係
実は何気にシリーズの30年近い歴史の中で初めて実装されたハブエリア。トム・ホールによる初期構想の『DOOM BIBLE』で既にハブエリアの概念は存在していたので、それを本作でようやく形にしたものかも。
惑星間や別次元への航行も可能で、軍艦としても形容されており、かつては複数の要塞が「艦隊」として編成されており、侵攻用の揚陸艦として機能していた。代わりにコーデックスでもポータル装置に関する記述がないため、これはVEGA復元後に新設したものの模様。
スレイヤーが再稼働させてからはVEGAが管理AIとして要塞を機能・運営しているのだが、膨大な電力を要求するVEGAの稼働・ポータル発生等を一辺に賄っているので、前作のVEGA中央施設と比べ小規模でありながらそれ以上の高機能・高出力を有している事が示唆されている。
艦橋のポータル装置は地獄やセンチネルと言った他の次元への移動も可能であり、前作よりも遥かにスレイヤーの行動範囲が広くなっている。ただ、メイカーやアークデーモンによる封印が施された時空や場所への転移は制限されている様でそれらは別の移動手段で経由している。
複数存在する端末を操作する事でメインメニューを介さずクリア済みのステージ(但し「ウルトラナイトメア」「エクストラライフモード」では不可)やマスターレベルへと赴く事が可能。
現在は地球を見守るかの様に衛星軌道上に位置しており、艦橋で地球上の通信を傍受しながら必要な場所へポータルで各地へ直接転移している。動力源にセンチネルエネルギーを使用しているが、何らかの理由で使用不可能になった場合はアージャントエネルギー(ヘルエネルギー)を有した媒体での代用も可能。
要塞自体に武装が施されているかは不明だが、戦力として大変格好良い対タイタン用メック(巨大ロボット)「アトラン」を格納・運用が可能。但し大変残念な事に要塞のアトランは大破しておりゲーム上では使用されない。*49

ゲーム中ではステージ間のインターミッションを行うハブエリアとして機能し、ステージ中で手に入るセンチネルバッテリーを使用して封鎖されてるハッチを開放する事が可能。中にはセンチネルクリスタルやスーツスキンはともかく何故かプラエトルトークンを持ったセンチネルやVEGA製ドローンも入っている。
また、アトランを一望できるエレベータは監獄エリアに通じており、捕らえられたデーモンをお仕置きと称して皆殺し訓練に使う事も可能。ミッション1回に付き1度しか行えないが、ステージが進む毎に戦うデーモンの種類と数が増加する。
通常キャンペーンでは本当に練習の意味でしか無いが、マスタリーチャレンジはしっかりと進行するため、「ミッション選択」にアクセスできないエクストラライフモードとウルトラナイトメアではマスタリー達成に毎回通う事になる。
ちなみに前作の楽曲でも特に人気の高い「BFG Division」のアレンジ版が戦闘BGM
司令室はスレイヤーの私室と化しており、イースターエッグが露骨に満載されている。


  • アージャント・ドヌール(アージャント世界)
ナイトセンチネル、そしてヘルプリーストの出身とされる異世界もしくは別の星系の文明。
前作でも描かれた様に中世の欧州を彷彿とする建造物やカースト制度だがこれは伝統に則ったものに過ぎず、実際は魔法や呪術に加え高度な科学技術を有しており、この世界の人間は「アージャンタ」と呼ばれる。
『2016』では断片的に語られていたが、今回はアージャント世界も舞台として組み込まれているため詳細が掘り下げられている。


  • メイカー(Maykr)
神に近いとされる高次存在。カトリックにおける天使に相当。常に浮遊しており陶器を思わせる白い外殻を身に着けている。一方で、下半身は軟体生物とか冒涜的なアレを思わせる触手でゲソ。ああ、窓に!窓に!
前作では言及こそ無かったものの、マルチプレイでのアージャントの遺跡でメイカー・エンジェルが祀られていた他、それらしき存在がスレイヤーのフラッシュバックで一瞬見られ、当時の時点で存在を示唆されていた。

本来は主神ファーザーが指導していたのだが、ある時ファーザーが忽然と行方をくらませてからは最高位のメイカーであるカーン・メイカーが率いている。
あらゆる種族や文明を遥かに凌駕する知識・テクノロジーを保有しており、アージャントの高度な技術も多くはメイカーによって与えられたもの。
しかし伝承や神話に出てくる様なエーテルで構成された神霊等ではなく、デーモンと同様にあくまでも生物であり実体と独自の生態メカニズムを持っている。そのためブッ殺せば死ぬ
プレシジョンボルト、バリスタ等でHSしたら面白い様に死ぬし、BFGやクルーシブルなら簡単に粉砕や両断もできる。というかそもそも普通に寿命もある。
本作での行動は、スレイヤーがデモニッククルーシブルを使って「ザ・ウェル」のレイスを封印した事でアージャントエネルギーの供給を絶たれてしまったため、本作ではその代替として「大罪を犯した人類への裁き」と称して地獄の地球摂取に暗躍する…という地獄と敵対する存在からの壮絶な裏切りである。
厳密に定義すると天使というよりは異星人に近く、デザイン面でもそうした意図がチラホラ見られる。


  • セラフィム
前作ではスレイヤーに異能を与えたとされていた凄まじく胡散臭いメイカーを指していた。カトリックにおける熾天使に相当する。
メイカーエンジェルやカーン・メイカーと同様の身体的特徴と陶器の様な外殻を持つ。赤いローブを身に着けており、『2016』の文献でも見られた様にスレイヤーと直接面識のあるセラフィムはフードで常に顔が見えなくなっているが、通常のメイカーと違いバイザー状の単眼。

  • アーダック
メイカー達の住む高次領域で、「天国」「楽園」に相当する。創造神ファーザーが姿を変えてこの時空になったとも伝承では記述されている。
神秘と科学が共存した地で、メイカーが浮遊生物であるためか陸地が少なく、長距離移動のための長距離ジャンプ装置等が設けられている。人間からしたら居住性最悪
デーモンはおろか未だアージャントや人類にとっても未踏である不浄の地であり、カーン・メイカーによって強固な結界が張られているため通常はポータルやスリップゲートでも行き来が不可能。
しかしアーダックやメイカーの維持に使用する浄化されたアージャントエネルギーは地獄のネクラヴォルから直接送られるため、このエネルギーの奔流に身を投じる事で侵入が可能。
空中庭園やスレイヤーゲート等、何故か妙に古風な日本文化を彷彿とするデザインが盛り込まれている。

  • 神性機械
タラス・ナバドで使用されていたメイカー作の装置。
現在ではアージャント・ドヌールの崩壊同様既に破壊されているが、かつてはナイトセンチネルの中でも優れた戦士からカーン・メイカーの元で「不浄を取り除く聖なる儀式」と称してこの装置を使っていた。
闘志と実力は認められていたが野蛮と見なされていたアウトランダー・ドゥームガイはタラス・ナバドでの攻防戦の最中セラフィムに導かれてこの機械を使用し、絶大な戦闘能力と数多の異能を併せ持つ聖戦士「グレート(偉大なる)・スレイヤー」へと生まれ変わったのだった。


  • ライフスフィア
生物の記憶や存在等、本質とも言うべき情報が収まったエネルギー球。カーン・メイカーの腹部のオーブに収まっているのもその一つで、原初のカーン・メイカーが死亡した時にファーザーがこれを使って次代のカーン・メイカーを生み出す際に引き継いでいる。




…そして貴様はWiki籠りとなり

その記事立てが彼らの盾となり

その項目が…剣となる

如何なることがあろうと貴様は倒れん

貴様の追記・修正…それは、『永遠』(Eternal)

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  • 2020年
最終更新:2025年03月13日 11:51

*1 経緯は日本のゲーム系メディアでも事情説明の記事があるので参考されたし

*2 他社作品ではMojang Studiosの『Minecraft』やObsidian Entertainmentの『The Outer World』等も同様に多プラットフォームに渡るコラボを続行している

*3 『Commander Keen』は元々当時のIBM製DOS-V機向け『スーパーマリオブラザーズ3』移植作として作られたゲームでid softwareにとっても処女作。任天堂NAとの交渉決裂後、本シリーズや『ウルフェンシュタイン3D』の販売を後に担当する事になるApogee Software(3D realmsの前身)が着目し新規IPとしてリリースされた経緯を持つ。ちなみに『マリオ3』のステージ1-1を再現したプロトタイプは現在ストロング国立演劇博物館で展示されている

*4 ディレクターのヒューゴ・マーティンは元々『64』からシリーズに触れたとの事で、思い入れのある作品として挙げていた。そのためか前作でも『64』のラスボスを思わせる小ネタが仕込まれていた

*5 これによりid softwareはリモートワーク主体になり、開発上の制約が大きくなってしまった

*6 別に言語障害ではないので会話自体はその気になれば普通にできるのだが、復讐に執着するあまり無言実行する様になってしまった模様。そんな状態のため周囲のセンチネルやアージャンタ達も意思疎通にかなり困っていた記録が残っている

*7 過去にトニー・ホークシリーズのPC版に隠しキャラとしてゲスト出演している

*8 Switch英語版の発売日が北米版『あつまれ どうぶつの森』と被ったためファンサイドで起きたミーム。ミームネタをよく拾うDOOM公式Twitterもしっかりネタにしている

*9 スレイヤーのPCデスクの足元に女性と子供が写った写真が落ちているが、ディレクターのヒューゴ・マーティンはスレイヤーの家族の写真であると答えている。ただ、作中では一応カーン・メイカーの発言で示唆はされてるがそれ以上の描写はなく、ゲーム上でも寧ろデイジー推しなのでプレイヤーに想像を委ねている形

*10 『64』では過去二回の戦いが原因でPTSDに悩まされていた背景設定があったりする

*11 前作のスレイヤーテスタメントでセンチネルの王の一人として戴冠したとされていたのはこのため

*12 但し海水では勝手が違うのか、通常潜れる汚染水と違いダイバースーツ及び酸素ボンベが必要

*13 脚本の推敲不足によるミスらしく、意図した演出とかハイデンが遂にボケたとかでは無かった模様

*14 前述の蘇生時にVEGAと簡単な挨拶を交わしたり、ヘルブレイカー作戦は元々本編中で行われるものだったらしくARC戦闘員を招集する放送や、BFG-10000へのナビゲートをハイデンではなくVEGAが行う等

*15 そもそも地獄への奇襲作戦自体がディーグ教団の立案であり、最初からレイス派を瓦解させる事が目的だった

*16 レイスの亡骸と魂は後に『2016』の最終盤で見られた様に陥落したアージャント・ドヌールでエネルギー抽出に利用されてしまう

*17 声優は違うが『2016』の「切り裂け、全てが終わるまで」の語り部も彼

*18 この際苦しみのあまり絶叫するのだが、字幕では「*苦悶の叫び*」と表示されておりなかなかにシュール。

*19 この時スレイヤーはブレードを抜剣していたもののいきなりトドメを刺そうとせず立ち尽くしており、躊躇していたとも取れる描写

*20 キャンペーンでの登場時は「ARC科学者」表記

*21 日本語版ではこの時タメ口に変わっている

*22 …が、後のディレクターの発言によればこの雄叫びは闇の主とは別の存在なんだとか

*23 実はこのルール、悠久の時の中で地獄を渡り歩きデーモンを殺戮し続けるスレイヤーにも適用されるのでその気になれば地獄での支配力を持てるのだが、彼はこの事を知らないか仮に知っていてもデーモン絶対殺すマン的に無視している模様

*24 元々は本作発売前に描かれたファンアートなのでスーツとスーパーショットガンは前作のものが描かれている

*25 開始時点では一撃即死…にみせかけて、ある程度のHP+アーマー合計が残っていると致死ダメージをHP1~5+数秒無敵で踏みとどまる仕様がある。

*26 この単眼の巨人とは本シリーズのカコデーモンの元ネタである、『ダンジョンアンドドラゴンズ』に登場するアストラル・ドレッドノートの事をタイタン「ドレッドノート」とかけてパロディしたもの。

*27 移動中の刺突乱打にも攻撃判定有り

*28 リリース当初はフォダーのカテゴリに含まれていた

*29 ちなみに『64』のチェーンソーも二枚刃

*30 『3』では太古の地球に生息していたデーモンが古代火星人によって地獄に叩き帰された設定があり、アガドンハンターが地球を出自としている設定もこれを意識しているかもしれない

*31 当初大ボス個体には無効だったが後のアップデートで有効になった

*32 防具もスキンのセンチネルトレーニングアーマーとほぼ同一

*33 本体のプラズマ弾・余波のテンドリル両方防ぎきってしまう

*34 製品版ではディザームービーで使用されたデーモンのカットシーンで唯一アーチバイルのものが丸々没データとして残っている

*35 あくまでもアーチバイルが召喚したデーモンのみ。元からスポーンするデーモンにはバフ無効

*36 但し速度強化と耐性は憑依先のデーモン毎にまちまちで、サイバーマンキュバスとその他スーパーヘビー級のポゼスド化はロックオンバーストへの耐性が比較的薄め。一方でマローダーの場合は耐性設定がかなり細かく、ロックオン以外のロケット・フラググレネードとバリスタが比較的通りがよく、逆にアンメイカーがほぼ効かなくなる

*37 『3』のDLCステージでマレディクトが使用した隕石攻撃と酷似

*38 『II』における罪の聖像の弱点と同じ

*39 『DOOM』『QUAKE』『デビルメイクライ』等の影響を受けたレトロ風FPS『ULTRAKILL』の主人公V1が使用する、攻撃反射が可能なアームパンチ「フィードバッカー」を使ったテクニックに由来

*40 ただ、公式設定かどうかは不明だがプライマリは内部データ的にはチェインガンと同じ7.62mm弾という扱いの模様

*41 アーチバイルの火炎魔法等、一部はエネルギーシールドを貫通する

*42 簡単に言えば根本からへし折ることで刃をその場に残していくこともできる

*43 BFG同様カウンターによるスタン中ならギリギリ刺さるがタイミングはシビア

*44 『64』でアンメイカーを強化していくデーモンキー3個のオマージュ。ちなみにアーダックで稼働させる3つの次元ゲートリングもデーモンキーと同じ色の組み合わせ

*45 現実でも実際に販売されている。というかアメリカのインディーズバンドとか洋ゲー界隈とかではアナログレコードの新譜がまだまだ現役

*46 元々はMODで先にホードモードが作られており、オフィシャルのホードモードはそれを逆輸入した形となる

*47 その為本作『I』~『64』と『3』を含めた世界観は全て並行宇宙であり、シリーズ全作に関わる地獄は同一

*48 前作のレヴナントに関する記述や本作のヘルプリーストの外観等から見られる様にヘルエネルギーの摂取やヘルウェーブの照射自体、肉体と精神に多大な悪影響を与える

*49 ちなみにリブートDOOMディレクターのヒューゴ・マーティンは過去に映画『パシフィック・リム』で美術スタッフとして携わっていた

*50 ただ、『TAG2』でメイカードローンや堕落したブラッドメイカーは既に制御や理性を失っているためか地獄でも出現する