日豊本線

登録日:2015/05/06(水) 15:00:00
更新日:2025/03/20 Thu 01:28:52
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日豊本線(にっぽうほんせん)とは小倉駅から鹿児島駅までを結ぶJR九州の鉄道路線である。
小倉~行橋間にはJFの路線記号が設定されている。

*1

概要

九州の西岸を縦貫する鹿児島本線とは対に、福岡県、大分県、宮崎県、鹿児島県等の九州東部を縦貫するJR九州の一大重要幹線である。
かつては全線直通列車や本州からの寝台列車もあったが、山陽九州新幹線の開通や飛行機の台頭によりいずれも消滅してしまった。
今では各県の県庁所在地への通勤路線及び都市間輸送がメインとなっている。
だが、東九州自動車道を始め、九州自動車道・大分自動車道・宮崎自動車道といった高速道路及び高速バスの充実により苦戦を強いられている。
そのせいか、九州新幹線(東側ルート)の話は全く出てこない。それどころかJRが博多から宮崎の最速ルートで九州新幹線+高速バス(新八代乗り換え)を推奨しているほど。

路線図

*2


○運行形態

特急は小倉~大分・佐伯間、大分・延岡~宮崎・南宮崎・宮崎空港間、そして宮崎~鹿児島中央間の3区間での運行。
普通は小倉~中津間、中津~佐伯間、佐伯~延岡間、延岡~西都城間、都城~鹿児島中央間の5区間に概ね分かれている。
尚、小倉~西小倉間は鹿児島本線との重複区間になっている。
かつて寝台特急「富士」は当路線の全区間(廃止直前は大分まで縮小)含め東京~西鹿児島間1574.2㎞を1日以上かけて運行していた。
これは2015年5月現在で最長運行記録を保持する「サンライズ出雲」の767.1kmの2倍以上に当たる文字通り「日本最長の定期列車」であった。

・特急

【小倉~大分間】

上記の通り北九州市・豊前市・中津市・別府市・大分市の都市間輸送を担っており、バスとの競合が最も激しい区間である。
その為、特急・普通を問わず列車本数が最も多い区間となっている。
特に小倉発着の特急のほとんどは博多発着となっている。
また、別府~大分間は久大本線豊肥本線から直通する特急も運行されているが、本項ではそれらは割愛する。
以下、直通路線の<>内の区間が日豊本線区間。

宮崎空港線直通
にちりん(<小倉・大分~南宮崎>~宮崎空港)

●鹿児島本線及び宮崎空港線直通
ソニック(博多~<小倉~中津・大分・佐伯>)
にちりんシーガイア(博多~<小倉~南宮崎>~宮崎空港)

【大分~南宮崎】

大分県宮崎県を跨ぐ区間で県境を超える特急の他、宮崎県内の都市間輸送の列車も運転されている。
●宮崎空港線直通
にちりん(<小倉・大分~南宮崎>~宮崎空港)
ひゅうが(<延岡~宮崎・南宮崎>~宮崎空港)

日南線直通
海幸山幸(<宮崎~南宮崎>~南郷)

【宮崎~鹿児島間】

鹿児島都市圏の地域輸送を担う区間。かつては肥薩線から「はやとの風」(吉松~<隼人~鹿児島>~鹿児島中央)が直通していた。

●鹿児島本線直通
きりしま(<宮崎~鹿児島>~鹿児島中央)

・快速・普通

【小倉~中津間】

この区間は複線区間も多い為、日中は小倉~行橋間は1時間に3~4本、行橋~中津間も1時間に2~4本運行される。
この他に快速が朝に上り1本されている(かつては夕方時にも下り3本運行されていた)。
これ以外に小倉~城野間で日田彦山線の列車も乗り入れる為、ダイヤ的には非常に恵まれている。
朝夕には鹿児島本線の門司港駅まで直通する列車がある。以前は山陽本線の下関駅まで直通する列車も多かったが、今は朝のみになっている。その内の1本は大分まで直通する。

【中津~佐伯間】

この区間は大分都市圏区間の運行が主で、大分以南は全て単線になる事もあり
  • 亀川~幸崎が1時間に2~4本程度
  • 中山香~亀川間は1時間に1~3本程度
  • 幸崎~臼杵間は1時間に1~2本程度
  • 中津~宇佐が1時間に1~2本、昼間2時間間隔
  • 臼杵~佐伯間は1~2時間に1本
  • 宇佐~中山香間は1~2時間に1本(下りは4時間開くことも)・20時終電(宇佐駅)
と見事なまでに大分近郊とそれ以外の格差が浮き彫りになっている。
それでもダイヤ改正で普通が1本増やされるなど、まだ後述の区間よりかは恵まれている。幸崎までがSUGOCA北九州エリア。

【佐伯~延岡間】

ザ☆秘境区間。大分・宮崎の県境区間の為、日豊本線でも一番扱いが酷い。
どれくらい酷いかというと特急列車の途中停車駅はない。
問題となる普通列車についてはこの比ではなく、全国トップクラスの少なさとなっている。
特に2018年3月17日のダイヤ改正において、ただでさえ少なかった列車がさらに削減された…。


ダイヤ改正後の現状はというと、気動車1両から電車での運行に戻された。
使用車両は815系2両編成か787系4両編成で、後者は先頭車両にのみ乗車できる。
特急用の車両まで使用されるなんて乗り得…という問題ではない。
本当に問題なのは、運転するダイヤである。
なお、途中駅は省略する。

佐伯→延岡の普通列車時刻表
延岡行 重岡行 重岡行
佐伯発 6:18 17:29 19:03
重岡着 6:46 18:00 19:36
重岡発 6:47
延岡着 7:26

延岡→佐伯の普通列車時刻表
佐伯行(南延岡始発) 大分行 佐伯行
延岡発 6:10 20:08
重岡着 6:46 20:42
重岡発 6:47 18:21 20:43
佐伯着 7:19 18:53 21:11

これだけである。
本当にこれだけである。
重岡~延岡間は下り1本、上り2本まで削減され、重岡発の下り列車は始発列車兼最終列車が朝の6時台である
ちなみにこの時刻、かつて石勝線で運転されていた新夕張6:45発楓行を思わせる早さである。
1日1.5往復の駅は廃駅となった石北本線の生野駅と同じで、完全に北海道とほぼ変わらないレベルとなってしまった…。
そのうち廃駅が出るのも時間の問題かもしれない…。
…かと思っていたが2020年秋に運行開始した787系を改造した観光特急「36 ぷらす 3」の停車駅に重岡駅が選ばれた。
更には大分最南端の宗太郎駅も停車駅に選ばれており、これらはしばらく廃駅になる可能性はなくなったであろう。逆に選ばれなかったこの区間の駅は廃駅の可能性が高まった。

【延岡~西都城間】

この区間は宮崎県内都市間輸送とあって再びダイヤが増加する。
基本的には延岡~宮崎空港間と宮崎~西都城間で、それぞれ1時間1本程度運行される。
この他、宮崎近郊の高鍋・佐土原~宮崎~田野間では区間運転が1本あり、上記列車を加えると1時間2本程度の運行となる。佐土原~田野間はSUGOCA宮崎エリア。
また、日南線宮崎空港線吉都線の列車も乗り入れる。
特に宮崎空港線開通時に際しては高速化も進められた結果、単線区間では一番優遇されている。

【都城~鹿児島間】

鹿児島近郊区間の国分~鹿児島間は1時間あたり約2本、隼人〜鹿児島間は更に増えて朝夕のラッシュ時に3本運行されている。SUGOCA鹿児島エリアにも指定されている。かつては肥薩線吉都線からの直通もあった。
対して西都城~国分間は利用客が少なく、下りは6時間くらい運転がなかったりするので注意が必要である。
なお、使用車両は817系の他、キハ40形・47形の気動車も使用される。かつては国分~鹿児島中央間では415系の運行が多かった。
因みに鹿児島発着の列車は全て鹿児島中央まで運転される、一部は鹿児島本線川内駅まで直通し、上りのみ川内発宮崎行きのロングラン列車が設定されている。


◎使用車両

○特急列車

久大本線豊肥本線、日南線直通用の気動車は「ゆふいんの森」を除いて省略。

  • 787系
「にちりん」・「にちりんシーガイア」・「ひゅうが」・「きりしま」・「36ぷらす3」で使用。
4人用の個室や通常のグリーン席の上位となるDXグリーン席が設置されているなど、定期特急車両としては豪華な作りになっている。
かつては鹿児島本線の特急「つばめ」、「有明」で使用されていたが、九州新幹線全線開通により老朽化した485系と入れ替えるための体のいい在庫処理を兼ねて日豊本線に移ってきた経緯がある。

2018年3月17日からは佐伯~南延岡間の普通列車でも一部使用される。
それに伴い2017年から「にちりん」・「きりしま」で試験的にワンマン運転を行っていたが翌年には4両編成の787系は全てワンマン運転になった。
無論6両編成や繁忙期の臨時列車の787系は引き続き車掌が乗務している。
更には上述のように新たな観光列車「36 ぷらす 3」に選ばれ専用車として改修が行われる。
*4

  • 883系
「ソニック」で使用。
営業用の交流電車としては日本初の振り子式車両でもある。
時期によって前面形状や色を少し変更したりと遊び心の強い設計となっているが、塗装はリニューアルに合わせて全編成で統一された。
JR九州の車両では珍しく完成予想イラストなどの事前発表が無く、落成後も前面を黒いカバーで覆い展示会まで全貌を見せないという徹底した秘匿ぶりを見せていた。
増備時期によって5両だったり7両編成だったりとしていたが、通勤需要の増加に伴い現在は全編成が7両化。
増備された中間車は885系と同一設計となった。
*5

1996年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

  • 885系
「ソニック」で使用。
6両編成で、振り子式の制御方式・最高時速130km/hを出す高スペック。
落成当初は「かもめ」と運用が分かれており、前面やライト形状が異なっていた(現在は「かもめ」編成も塗装が統一)。
車内は床がピカピカの木目と革張りの座席という豪華仕様である。
*6

2001年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

  • キハ71系・72系
「ゆふいんの森」で使用。
久大本線経由なので本来は別府~大分間のみ運転。
緑色の車体にドーム状の車体形状が特徴。

  • 783系
「にちりん」「にちりんシーガイア」「ひゅうが」「きりしま」で使用。
5両編成。因みにJR発足後初の新設計車両だったりもする。
「ハイパーサルーン」という愛称があり、客用扉が車両の真ん中にあるのが特徴。
2021年3月改正で撤退。
*7

  • キハ140形・147形
「はやとの風」で使用。
元々は普通列車用だった車両を特急仕様に改造したもの。
2022年3月で運用終了し、長崎向け観光列車「ふたつ星4047」に再改造された。

○普通列車

  • 811系
小倉~中津間で使用。4両編成で1989年に導入されたJR九州初の一般型電車である。
*8

  • 813系
小倉~佐伯間で使用。3両編成で一部編成はバス用の大型LEDが取り付けられている。
最高速度自体は811系と同じだが、曲線通過速度が向上しているためちょっと速い。
*9

  • 815系
中津~重岡間で使用。
ワンマン運転対応の2両編成。因みに窓ガラスは、紫外線96%カットの「UV96」使用。
ラッシュ時に不足する811系の代走用として使用されることもある。
*10

  • 817系
延岡~鹿児島間で使用。ワンマン運転対応で基本は2両編成だが、区間や時間帯によっては4両や6両で運転する事がある。
宮崎空港線への直通列車は主にこの車両が用いられる。
*11

なお、上記4車種は相互に併結運転が可能になっている。
ただし、811系だけは貫通扉が非常用なので併結時も編成間での行き来はできない。

  • 415系
小倉~佐伯間で使用される交流・直流両対応の車両。
現在運用されているのはステンレス車の1500番台のみ。
小倉から山陽本線に直通して関門トンネルを通過する列車は、必ずこの車両が使用される。
*12

かつては国分~鹿児島中央間でも使用されていた。また下の写真のような鋼製車も存在したが全車引退済み。
*13

  • 713系
延岡~西都城間で使用。817系と同じく宮崎空港線への直通車両に用いられる。
元は国鉄が地方路線の普通列車用に新造した車両だが、財政難から量産は見送られ製造は900番台4編成8両のみに留まった。
但し車体構造は後年475系から改造された717系に受け継がれている。
当初は長崎地区で運用されていたが、宮崎空港線開業に伴い同線へのシャトル列車へ転用された。ようは持て余した車両の島流し
車内は485系から持ってきた座席が並んでいたり、走行音が違ったりと塗装も相まって変わり種な形式。年々数と運用が減ってきているので乗るなら今のうちかも。
*14

  • キハ40形・キハ47形・キハ147形
非電化区間の支線の直通列車に使用される。
*15

○貨物列車

ED76形・EF81形・EF510形
北九州貨物ターミナル~南延岡間で使用。
かつては寝台特急の牽引でも使用されていた。


◎主な駅一覧

  • JF01 小倉
山陽新幹線鹿児島本線山陽本線(門司駅から直通)、北九州モノレール乗り換え。
福岡県第2の都市、北九州市の中心駅にして起点駅。
博多からの鹿児島本線直通列車はここから日豊本線に入るが、進行方向が逆になるため座席転換が必須。

  • JF02 西小倉
鹿児島本線分岐駅。元々は日豊本線単独の駅で、鹿児島本線のホームは後から出来た為日豊本線所属となっている。
夏には小倉祇園太鼓や、わっしょい百万夏祭りが近隣で開催される。

  • JF03 南小倉
周辺には高校や大学が数多くある他、TOTOミュージアムも近い。

  • JF04 城野
日田彦山線分岐駅。
3面5線あるが、下りは1番乗り場、上りは3・4番乗り場を使用する。但したまに2番乗り場を使用する列車がある。
小倉北区と小倉南区の区境にあり、周辺には高校が複数ある。
北九州モノレールにも同名の駅があるが少し離れている。

  • JF05 安部山公園
桜の名所で知られる同名の公園の最寄駅。駅からも桜並木が続く。

  • JF06 下曽根
今では閑静な住宅地だが、戦後まもない1946年に子供たちが高射砲弾(!)で遊んでいたときに砲弾が爆発。
貨車3両が吹っ飛んだ他、駅も爆発により窓ガラスは木っ端微塵、壁は崩れ落ちるという大惨事が起きた駅でもある…。

  • JF07 朽網
北九州空港の最寄駅で路線バスが発着する。

  • JF08 苅田
「かんだ」と読む。1往復のみ当駅発着。京都(みやこ)郡苅田町の中心駅。

  • JF09 小波瀬西工大前
貨物支線分岐駅。
ただし、貨物線は休止中。

  • JF10 行橋
平成筑豊鉄道田川線乗り換え。
京筑地域の中心都市・行橋市の代表駅で、特急含む全列車停車駅。

  • 南行橋
県外の人からすると?となる福岡県立京都高校や行橋高校の最寄駅。

  • 新田原
一部の普通列車はここで折り返す。

  • 築城
航空自衛隊築城基地の最寄駅。航空祭の時には臨時列車や特急の臨時停車がある。

  • 椎田
築上町の代表駅。一部特急も停車。

  • 豊前松江
この区間では数少ない海に面した駅。

  • 宇島
豊前市の代表駅とあって、冷房・TV完備の待合室がある!
特急の一部停車駅。

  • 三毛門
日本最古のカボチャと言われる三毛門かぼちゃの産地に因み、駅前にはその像が置かれている。

  • 吉富
福岡県最東端の駅。吉富町唯一の駅でもある。

  • 中津
中津市の代表駅で、全列車停車駅。因みに大分県最北端の駅でもある。
この駅を境に快速・普通は運転系統が分断する。でもこっちの中津行きはそこまで嫌われていない模様。
大分県内では大分駅、別府駅に次いで3番目に利用客が多く、売上収入もJR九州全体でも12位(単独駅では2位)にランクインしている。

  • 東中津
大正時代からの駅舎が残る。

  • 今津
ここも駅舎が戦前のものと古い。

  • 天津
名前とは裏腹に一見何もない駅だが、実は69連勝の記録を持つ昭和の大横綱である双葉山の生まれ故郷だったりする!

  • 豊前善光寺
駅近くの郵便局の名前が「乙女」。

  • 柳ケ浦
一部特急が停車。
かつては日本一始発列車が早い駅として有名だった。

  • 豊前長洲
アメリカの次の駅として一部の藩士の間で有名。

  • 宇佐
宇佐市の中心駅ポジションで一部特急の停車駅。アルファベット表記で「USA」となる。
そのため駅名標に星条旗が描かれている…ように見えるが、実際に描かれているのは宇佐神宮である。どう見ても確信犯です本当に(ry*16

  • 西屋敷
ホーム配置が独特。これはこの先上下線が離れていくため。

  • 立石
これより一旦単線区間。

  • 中山香
人名っぽいが読みは「なかやまが」。
一部は大分方面に折り返す。複線区間に戻る。

  • 杵築
杵築市の代表駅で特急が一部停車する。普通列車もまた増える。
なお、中心市街地は数km離れている。
大分空港の最寄駅でもあり、バスに乗り換え可能。
再び単線区間に突入。

  • 大神
「おおが」と少し難読。ここも折り返し列車が設定されている。

  • 日出
「ひじ」とこれまた難読。麦焼酎で有名な二階堂の工場が近くにある。
ここからしばらく複線。

  • 暘谷
「ようこく」と読む。こちらが日出町の中心駅。
同町にはサンリオのテーマパーク・ハーモニーランドがあり、駅舎にサンリオのキャラクターがデザインされている。

  • 豊後豊岡
駅舎はなんと明治時代からの建物。この辺りでは特に海に近い駅で、青春18きっぷのポスターに採用されたことも。

  • 亀川
周辺には大学、病院などがあって利用者が多く、一部の特急も停車する。
また、血の池地獄も当駅の方が近い。

  • 別府大学
同名の大学の他、大阪や八幡浜への定期船が出航する別府国際観光港が近い。

  • 別府
別府温泉の最寄駅&別府市の代表駅で全列車が停車駅。
特急「ゆふ」、「ゆふいんの森」、「九州横断特急」、「あそぼーい!」はここが終着駅。
大分県内では大分駅に次いで2番目に利用客が多いが、売上収入では中津駅に負けて17位…何でだろう?

  • 東別府
大分マリーンパレス水族館うみたまご、高崎山自然動物園への最寄駅。

  • 西大分
貨物駅が併設されている。こちらも神戸行きの定期便が就航する西大分港フェリーターミナルの最寄駅

  • 大分
豊肥本線久大本線乗り換え。
大分県の県庁所在地と代表駅にしてJR九州全体の乗降客4位&売上収入5位の駅。
特急はこの駅で運転系統が分断される。
2012年に駅舎が高架化された他、2014年のダイヤ改正で終電が1時間延長された。
この駅以南は完全に単線区間となる。

大分車両センターに隣接する。

  • 高城
大分トリニータの本拠地であるレゾナックドーム大分に一番近く、駅もそれをイメージした造りになっている。

  • 鶴崎
特急停車駅。貨物用の側線があるが定期貨物列車の発着はない。

  • 大在
大分医療センターの最寄り駅であり、一部特急が停車。
当駅で折り返す列車も設定されている。

  • 坂ノ市
近くの萬弘寺で一週間ほど市が開催されると賑わう。

  • 幸崎
多くの普通列車が折り返す他、特急が一部停車する。

  • 佐志生
八重洲の由来で有名なヤン・ヨーステンが漂着した黒島へは近くの漁港からアクセス可能。

  • 下ノ江
駅前に稲荷神社があり、これは駅建設の際に狐の巣を壊されたことに怒った狐の祟りで鎮めるために建立されたもの。

  • 熊崎
臼杵市総合公園最寄駅。

  • 上臼杵
駅の西の方にスーパーなどがあり、意外と便利。

  • 臼杵
臼杵市の代表駅であり、全列車停車駅。
かつて戦国時代に大友宗麟がガチチートと恐れられた島津軍を大砲でフルボッコにして奇跡的に生き延びた臼杵城の最寄駅。また八幡浜へのフェリーターミナルも徒歩15分ほどで行ける。

  • 津久見
津久見市の代表駅であり、全列車停車駅。
かぐや姫の名曲「なごり雪」は、実はこの駅がモデルになっている。
その為、発車メロディーは勿論なごり雪である。

  • 日代
網代島という陸繋島が近い。そちらでは数億年前の宇宙塵が見つかったとか。

  • 浅海井
大分県&九州最東端の駅。「あざむい」と難読。周辺にはいくつか景勝地があり、特急の臨時停車がある。

  • 狩生
日曜の午前中のみ地元食材を駅で買える。

  • 海崎
かつては近くのセメント工場へ専用線が延びていた。

  • 佐伯
佐伯市の代表駅で全列車停車駅。
特急ソニックの終着駅でもある。
普通列車の系統分断駅で、この駅以南から秘境地帯に入るので注意。

↑ここまで郊外区間
↓ここから秘境区間

  • 上岡
ギリギリ佐伯市の市街地にある。ビジネスホテルも近くにある。

  • 直見
利用者は一桁に落ちる。駅舎はなくなっている代わりに綺麗なトイレに建て替えられている。

  • 直川
日本一大きいカブトムシのモニュメントが近くにある。周辺は佐伯市直川地区の集落が広がり、産直市場などがあるがやっぱり利用者は少ない。

  • 重岡
ただでさえ少ない普通列車がここで2本折り返す。少し離れた宇目地区へのアクセス駅となっている。
隣の宗太郎駅とともに「36ぷらす3」の停車駅に選ばれた。

  • 宗太郎
牛山氏の全国秘境駅ランキング26位。
大分県最南端の駅。大分と宮崎の県境とあって順位も納得できる秘境ぶりである。
だって駅に池もあるし…。
前述の様に観光特急の駅として選ばれることとなった。

  • 市棚
宮崎県最東端&最北端の駅。かつては延岡方面に折り返す普通列車が設定されていた。

  • 北川
旧北川村の中心駅だが利用者はry)

  • 日向長井
道の駅が近くの山の上にあり、歩けなくはない。尤も1日1.5往復しか来ない駅でそういう利用があるかというと…

  • 北延岡
一応、高校野球などで有名な延岡学園が1.5kmほど行ったところにある。

↑秘境区間ここまで
↓ここから郊外区間

  • 延岡
宮崎県北部の中心都市である延岡市の中心駅。ここから宮崎駅まで一気にダイヤが倍増する。
2007年までは高千穂鉄道高千穂線との接続駅でもあった。
なお、延岡〜鹿児島中央を走破する特急はないが、普通列車ではその区間を走破する列車が近年まで存在した(現在は最遠で延岡発西都城行き)。

  • 南延岡
こちらも延岡市の市街地にあり、利用客も多い。かつては扇形庫があった。
駅より南には旭化成の工場があり、貨物列車の引き込み線が引かれている。

  • 旭ケ丘
割と海に近い駅だが林に遮られていて実感しにくい。近くに国道沿いにはファミレスなどがあり、暇つぶしに苦労しない。

  • 土々呂
どこかで聞いたような名前の駅だが、どこかの不思議な生き物とは関係ない。

  • 門川
門川町唯一の駅で一部特急の停車駅となっている。

  • 日向市
日向市の中心駅。新築された木造の豪華な駅舎が有名。
なお、2008年にブルネル賞の建築部門最優秀賞を受賞している。

  • 南日向
コミュニティーセンターと駅舎が一緒になっていて、かなり立派。

  • 美々津
この駅から隣駅の東都野駅までリニア実験線跡地が並行する。
現在、実験線には太陽光パネルが敷き詰められている。

  • 東都農
牛山氏の全国秘境駅ランキング182位。かつては実験線の見学施設が併設されていた。

  • 都農
都農町の中心駅。特急が一部停車する。

  • 川南
川南町唯一の駅。

  • 高鍋
高鍋町の駅。この駅始発の区間列車もある。
特急の停車駅であるが、市街地から離れているためラッシュ時は駅前のロータリーが送迎で混雑する。
新田原エアフェスタでは数少ないシャトルバスの始発駅。

  • 日向新富
新富町の駅。一部の普通列車はここで宮崎方面に折り返す。
新田原基地の最寄り駅だが、基地までは歩くと1時間近くかかる。
駅舎の傍に今は亡き202飛行隊所属のT-33Aが展示されている。

  • 佐土原
元佐土原町、現在は宮崎市では最北端の駅。全列車が停車する。
国鉄時代には西都市までを結んでいた妻線の接続駅だった。
コンテナ集配基地が隣接している。
これよりSUGOCA宮崎エリア。

  • 日向住吉
宮崎市フェニックス自然動物園への最寄り駅。

  • 宮崎神宮
その名の通り、宮崎神宮と宮崎県総合博物館が近い。

  • 宮崎
日南線宮崎空港線乗り換え。
宮崎県の県庁所在地兼第1の都市である宮崎市の代表駅。
高架化後も2020年までホーム別で改札が分けられていた。

  • 南宮崎
日南線・宮崎空港線分岐駅。
特急「にちりん」・「ひゅうが」の一部はここまで運行する。
延岡始発特急の多くは、そのまま宮崎空港線へと乗り入れる。
宮崎市内の南端にある為、乗降客も多く宮崎県で2番目の乗降客を誇る駅。

  • 加納
住宅街の中にある棒線駅。名鉄名古屋本線にも同名の駅あり。

  • 清武
クロスモール清武の最寄り駅。特急が一部停車。
オリックス・バファローズのキャンプ地である清武総合運動公園もこちらが便利。

  • 日向沓掛
山間の長閑な駅。1面2線だがホーム幅は狭いので注意。
ちなみに「ひゅうがくつかけ」と読む。

  • 田野
普通列車が一部宮崎方面に折り返す他、SUGOCA宮崎エリアはここまで。
特急も少ないながら停車する。

  • 青井岳
牛山氏の全国秘境駅ランキング85位。
近くに温泉があり、列車の待ち合わせ駅として利用されている。
ここから都城市の駅。

  • 山之口
都城市山之口地区の中心駅。特急も一部が停車する。

  • 餅原
牛山氏の全国秘境駅ランキング155位。ここから一旦三股町。

  • 三股
三股町の代表駅で特急が一部停まる。

  • 都城
吉都線乗り換え。
宮崎県南部の主要都市である都城市の代表駅…のはずなのだが、市の中心は隣の西都城駅が近かったりする。
因みにこの駅の駅弁の「みやこのじょう盆地物語」は、「第11回九州駅弁グランプリ決勝大会」で第4位になった有名な駅弁である。
以前は貨物線があったが、現在は太陽光パネルが敷き詰められている。

  • 西都城
都城市の最寄駅であり、全列車停車駅。
宮崎でも数少ない高架駅、国鉄時代は志布志線との接続駅でもあった。

  • 五十市
「いそいち」と読む。駅に隣接してショッピングモールがあるが、直接はいけず迂回しなければならないのがもどかしい。
宮崎県の駅はここまで。

  • 財部
これより鹿児島県
曽於市で一番利用が多い駅。やまびこ館と一緒になった駅舎となっている。

  • 北俣
佐伯〜延岡の間にあってもおかしくはないくらい利用者の少ない駅。

  • 大隅大川原
「悠久の駅舎」と書かれた駅舎が印象的で、「36ぷらす3」の停車駅にも選定されている。

  • 北永野田
霧島市にある駅。
特急電車が止まらない田舎駅であるが、地味に日豊本線で一番標高が高い駅。

  • 霧島神宮
駅舎は霧島神宮をイメージした見た目になっている。特急停車駅。

  • 国分
霧島市の中心駅で、鹿児島県内のJR九州の駅としては鹿児島中央駅、川内駅に続いて第3位の乗降客数を誇る。
ここから鹿児島中央行きの区間列車が増える。因みに西郷隆盛が頻繁に訪れていたという日当山温泉の最寄駅でもある。
かつては大隅線と接続していた。

  • 隼人
肥薩線乗り換え。因みに初代国分駅でもある。
旧隼人町の代表駅。鹿児島神宮と隼人塚の最寄駅。

  • 加治木
姶良市加治木地区の中心駅。特急もほとんどが停車する。

  • 錦江
湾と同じ駅名だが海に近いというわけではない。

  • 帖佐
姶良市の代表駅。特急が一部停車。
鹿児島県総合運転免許試験場の最寄り駅。

  • 姶良
棒線駅だがここも特急が一部停まる。

  • 重富
ここも一部の特急が停車。ここを過ぎると錦江湾ぞいに桜島を望む絶景区間に入る。

  • 竜ケ水
牛山氏の全国秘境駅ランキング188位。
1993年にこの駅に停車中の列車の前後で土砂崩れが発生し立ち往生、運転士がすぐ近くでも土石流が発生することを予見。
従来であればこのような場合車内に留まらせるのが普通だが、鉄道のそばを走る国道も土砂崩れによって寸断されて既に約3000人が孤立しており、
避難場所の確保と被害の拡大を防ぐ為に、とっさの機転で車両を崩れそうな場所に堤防代わりとして停車。
車両から乗客を避難させその後予見した場所で土石流が発生、結果多くの人が難を逃れた*17
この一連の行動は有名で『プロジェクトX』等でも取り上げられ駅には石碑が建てられている。
この駅はSUGOCAエリア外なので注意。

  • 仙巌園
2025年3月に新設された新駅。鹿児島中心部からのアクセスが乏しかった鹿児島藩主の島津家の別荘である仙巌園へのアクセス駅として建物の目の前に作られた。因みに日豊本線の新駅は1995年に作られた吉富駅以来30年ぶりの新設である。

  • 鹿児島
鹿児島本線、鹿児島市電(鹿児島駅前電停)乗り換え。
開業から戦前までは文字通り鹿児島の中心駅だったが、1945年7月27日の鹿児島空襲で満員の列車に爆弾が命中し炎上、420人が亡くなる大惨事が起こると共に駅舎も全焼してしまった。
戦後は貨物輸送の中心駅と位置付けられ、同時に被害が軽微だった西鹿児島駅(現:鹿児島中央駅)が発展し中心駅の座を譲った。今は鹿児島市内の北のターミナル駅となっている。
一応現在の5代目駅舎と同じ年に大手門が復元された鹿児島城の最寄駅。
線路名称上の終点駅ではあるが当駅折り返し列車はほぼなく、実質的には途中駅みたいな扱い。

なお、鹿児島本線・日豊本線両路線の終点駅なので、盲腸線以外の路線では珍しい「上り列車しか発車しない駅」でもあったりする。
同じような例だと、内房線外房線の安房鴨川駅がある。

九州新幹線・鹿児島本線・指宿枕崎線、鹿児島市電第二期線・唐湊線(鹿児島中央駅前電停)乗り換え。
乗降客数九州第3位、収入第2位の南九州市最大の都市にして鹿児島県の中心駅かつ運転系統上の終着駅。
日本最南端の新幹線停車駅&複数の鉄道接続駅でもある。
戦前は鹿児島市中心部の西端に位置する駅であったが上述の通り鹿児島駅が空襲が全焼の憂き目に合った事や戦後の復興計画で旅客営業の中心駅として据えられた事もあり鹿児島県の中心駅として発展した。
新幹線開業前は「西鹿児島」の駅名で、地元民には「西駅」と呼ばれていた。


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最終更新:2025年03月20日 01:28

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/883yellow.jpg 日時:2016/01/04

*2 出典:Wikipedia URL: http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/33/Nippo_main_line_ja.png 日時:2016/01/04 出典者:ikaxer

*3 この区間は開業当初から特急しか走っていない特殊な区間。

*4 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/787a.jpg 日時:2016/01/04

*5 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/883yellow.jpg 日時:2016/01/04

*6 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/885c.jpg 日時:2016/01/04

*7 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ltdec/783renew.jpg 日時:2016/01/04

*8 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/811.jpg 日時:2016/01/04

*9 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/813.jpg 日時:2016/01/04

*10 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/815b.jpg 日時:2016/01/04

*11 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/817.jpg 日時:2016/01/04

*12 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/415sten2.jpg 日時:2016/01/04

*13 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/415kuysyu.jpg 日時:2016/01/04

*14 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/713sun.jpg 日時:2016/01/04

*15 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/kiha/kiha40kyusyu.jpg 日時:2016/01/04

*16 ちなみによく見ると「八幡総本宮宇佐神宮」と書かれているのだが、遠目に見ると星に見える。

*17 ただし乗務員の指示を無視して車内に留まった人もおり土石流に巻き込まれ亡くなっている。