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更新日:2025/04/11 Fri 14:56:20
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「ビースト」とは、Fateシリーズに登場する特殊クラスである。
エクストラクラスであり、文字通り
「獣」のクラスである。
概要
それは人類悪と呼ばれる存在。人類が人類である限り必ず現れる、人類史の澱みであり人理の汚点。
これは人類が発展すればするほど強くなっていき、その社会を内側から食い破る癌細胞のような性質を持っている。
人類史を脅かす、人間の獣性によって生み出された七つの災害、これがクラス・ビーストである。
英霊召喚の元となった人類の
自殺機構であり、七つの災害の通りビーストⅠ~ビーストⅦまで存在すると推測される。
そしてその安全装置として存在するのが「冠位」を冠する英霊達、つまり
グランドクラスである。
◆人類が滅ぼす悪
ギルガメッシュ曰く、人類悪とは「人類を滅ぼす悪」ではなく、「
人類が滅ぼす悪」とのこと。
獣にとって人類が敵なのではなく、人類にとって獣が敵なのだ。
その原動力は人類に対する悪意などではなく、むしろ人類に対する愛や善意。
敵意によって人類を滅ぼそうとした
ゴルゴーンのような
復讐者とは逆である。
その正体は
人類愛。
人類を良くしたい、
人理を守りたいという願いである。
それらが暴走して今ある世界を滅ぼしてしまう存在。
それが人類悪────ビーストと呼ばれるモノである。
それは裏返せば、
愛を持たないクソ野郎は、いかに強大な霊基を得ようともビーストという脅威に転じることは出来ないということでもある。
ただし、愛する「人類」をどう定義するかは各ビーストたちの主観によって異なるらしく、
例を挙げれば、『自分が愛する「人類」は自らのみであり、そのほかのホモ・サピエンス(人間)は含まれない』と定義した上で、
自分以外の人間を羽虫に等しき存在とみなし、ひたすら己の快楽のために利用・消化しようとした
ビーストも存在する。
その有り様から、『FGO』ではゲームシステム上「ビーストクラス」と表記され、専用のアイコンも存在するものの、
どうあってもカルデアに味方するとは思えず、敵専用クラスと思われていた。
…しかし、何事も例外はあるということなのか、とあるサーヴァントがビーストクラスとして実装されるという事態になり、
ビーストクラスのサーヴァントでビーストクラスの敵に対抗する、「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」的なバトルが可能になってしまった。「なんだこれ地獄かね?」
流石に規格外の召喚にも程があるためか、ビーストクラスが召喚される際には召喚サークルの光が消灯し、黒い魔法陣が発生するという特殊演出になる。
そのため、ビーストピックアップの際は☆4、☆5サーヴァント以上確定演出が入った時点ですり抜けが確定することにもなる
◆戦闘力・クラススキル
戦闘力は圧倒的という言葉すら生温いほど凄まじい。
現状ビーストクラスは6体登場し、うち4体については詳細なスペックが分かっているが、どれも単独で世界を滅ぼし、人類史を終わらせ得るほどの力を有している。
ロビンフッドに言わせればサーヴァントが100騎居ても敵わないらしい。
クラススキルとして「獣の権能」「単独顕現」「ネガ・〇〇」というスキルを持つ。
「獣の権能」は対人類とも呼ばれ、英霊・神霊・延いては人類史に対する特効スキル。
「単独顕現」は単独行動の上位互換スキルで、世界の修正力や人理焼却の影響は受けず、タイムパラドックスによる攻撃や即死攻撃もキャンセルされる。
その為、顕現したら最後、その場で全力をもって倒すしかない。逆にこのスキルを持つサーヴァントはつまり…。
「ネガ」スキルは各ビーストに固有のスキル。各ビーストの出自や特性に応じて英霊のスキルや宝具に強力な耐性を得る。
Dr.ロマン曰く、ビーストはそれぞれ個体差があり、特有の能力を備えている。
例えばビーストⅡは、
地上にまだ生きている生命がいる限り、死の概念を持たないというチート過ぎる特性を備えていた。
◆グランドサーヴァント
ビーストは例え単独であっても世界を終わらせることが出来得る存在のため、
ビーストが顕現した際には、抑止力によるカウンターとしてグランドクラスのサーヴァントが召喚される。
ただし例外もあり、ビーストⅢの様にまだ成長しきっていない幼体だったり、人類史から切り離された世界に引き籠っていた場合、
抑止力にその存在を認められず討伐に際してグランドクラスの助力が得られないことがある。
一方で、グランドクラスが召喚されないという事は「世界の脅威と認められない=まだビーストとして覚醒しきっていない」という事でもあるため、
その状態であれば(絶望的な戦力差を覆す程の対策と幸運≒抑止力の絡んだ人知れずの導きこそ必要なものの)通常のサーヴァントでも撃破可能である事が実証されている。
……もっとも完全体との差は自由に動けるかどうかだけ、なんていう事もあるが。
ビーストⅠ〜Ⅶ
※ ネタバレ注意
◆ビーストⅠ
○真名:
ゲーティア
○示す理:
『憐憫』
○所業:
『人類史を熱量に変えて太陽系の歴史をリセットし、死という終わりのない世界を作り出す』
○人類愛:
『全ての命が悲劇と苦しみの中で終わるこの星を認めない』
○出典:旧約聖書
○固有スキル:
『ネガ・サモン』
○ILLUST:山中虎鉄
○CV:
杉田智和
人間が生み出した、人類史を最も有効に悪用した大災害。
Fate/Grand Orderにおける人理焼却の黒幕であり、最初のビースト。
かつての主であるソロモン王の遺体に巣くい受肉を果たした
七十二柱の魔神の集合体。
『魔神王』の名を冠する、意志を獲得した原初の
魔術。
魔神の身であるが故に、人間を憐れみこそすれ理解はできない「憐憫」の化身。
◆ビーストⅡ
○真名:
ティアマト
○示す理:
『回帰』
○所業:
『新たな自身の子によって現存生命を一掃し、全生命体の母へと返り咲く』
○人類愛:
『母親として子供達を愛したい』
○出典:古代メソポタミア神話
○固有スキル:
『ネガ・ジェネシス』
○ILLUST:山中虎鉄
○CV:
悠木碧
人間が置き去りにした、人類史に最も拒絶された大災害。
Fate/GOの第七章「絶対
魔獣戦線バビロニア」にて登場したクラス・ビースト。
真水の神である原父アプスーの妻である原初の海の女神。
多くの神々を産み出した、母なる存在であった。
人類を神代以前に引き戻さんとする、「回帰」の化身。
◆ビーストⅢ
ビーストⅢと呼ばれるものは、L・Rという対の性質を持つ2つの人類悪が存在する。
ただし同じ理を持ちながらそれ以外はあらゆる面で対極のため、互いに相容れる事は決して無い。
合体して最強フォームになるなんてこともない
なお、この特性を持つ二体セットのビーストたちの存在自体は
プロトアーサーの体験クエストで言及されていた。
◇ビーストⅢ/R
○真名:
魔性菩薩/ヘブンズホール
○示す理:
『愛欲』
○所業:
『セラフィックスで地球内核に潜行、星の頭脳体となり、人類を快楽を得るためのリソースとして消費する』
○人類愛:
『この世にただ一人の「人」である己への自己愛』
○出典:『
Fate/EXTRA CCC』
○固有スキル:
『ネガ・セイヴァー』
○ILLUST:ワダアルコ
○CV:
田中理恵
アニムスフィア家が所有する北海油田セラフィックスで、職員のメンタルケアをしていた仏教徒の女性セラピスト、
殺生院キアラ、。
こことは異なる遥か彼方の編纂事象においてムーンセル・オートマトンを掌握した手腕を買われ、時間神殿を脱出した
魔神柱ゼパルの依代に選ばれる。
ところが善性を封印された結果
ゼパルを逆に呑み込み、新たにビーストⅢ/ラプチャー(Rapture、歓喜や有頂天の意)として変生した。
「この世に人は我一人」という思想を心底から信じているため、自己愛だけでビーストに登り詰めた「自己愛」の化身。
◇ビーストⅢ/L
○真名:
カーマ/マーラ
○示す理:
『愛欲』
○所業:
『自身という宇宙の中に、人間一人一人のため最適化された無数の己を作り出し、その欲に寄り添い甘やかして堕落させる』
○人類愛:
『愛の神としての万象に対する他者愛』
○出典:インド神話/
仏教
○固有スキル:
『ネガ・デザイア』
○ILLUST:
ReDrop
○CV:
下屋則子
インド神話における愛と堕落の神。本来は男性神だが、本作では
とある少女を依代として顕現している。
シヴァの怒りに触れ第三の眼で焼き殺され、概念すらあやふやな存在になったが、
「シヴァの第三の眼は宇宙を灼き尽くすもの」、つまりそれに焼かれたカーマは宇宙に値する存在であるという理屈により、自分自身を一つの宇宙と化してしまう。
更に魔王マーラとしての側面やその愛の性質がRと対を成すものだった事等から、新たにビーストⅢ/ラプス(Lapse、堕落や喪失の意)として変生した。
愛に倦みながら愛を与える、「他者愛」の化身。
◆ビーストⅣ
○真名:
キャスパリーグ
○示す理:
『比較』
○所業:不明
○人類愛:不明
○出典:アーサー王伝説
○固有スキル:不明
○ILLUST:タイキ
○CV:
川澄綾子
カルデアのマスコットとなっていた
マーリンの使い魔。通称フォウくん。
その真の正体は『アーサー王伝説』において、
「生まれればブリテン島に災厄をもたらす」と予言された
『災厄の獣』。
ケイ卿が駆けつける前に180人もの騎士を葬り去り、アーサー王の持つ
エクスカリバーすら通さない毛皮を持ち、
アーサー王に重傷を与え苦戦させたという逸話を持つ『アーサー王伝説』屈指の怪物。
むしろこいつを倒したケイ卿はなんなんだ
また
違う世界においては『霊長の殺人者』プライミッツ・マーダーとも呼ばれていたという。
人間同士の関わりを傍観しながらその悪性を吸収する「比較」の化身。
◆ビーストⅣ:L
○真名:
タマモヴィッチ・コヤンスカヤ
○示す理:
『愛玩』
○所業:
『人類の滅亡を眺めながら、『新しい動物』たちの世界を構築する』
○人類愛:
『憎悪する人類を含めた、地球上全ての生物を愛している』
○出典:『
Fate/Grand Order』
○固有スキル:
『ネガ・セルフ』
○ILLUST:ワダアルコ
○CV:
斎藤千和
第二部序章から登場していた「NFFサービス」を名乗る女性。
当初は異星の神の使徒の3人のうちの1人と目されていたが、
物語が核心に迫るにつれそうではない事が徐々に明らかになっていく。
その正体は、ビーストⅣであったキャスパリーグが退場して空席になったⅣの席に収まるべく、代わりにビーストになったモノ。
それまでも断片的に
コヤンスカヤがビーストであることは示唆されてきたが、肝心のナンバーは「Ⅴではないか?」と推察されるに留まっていた。
先行実装された「光のコヤンスカヤ」の
プロフィールにてⅤではなくⅣの幼体であることが明かされ、
そして期間限定イベント『非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ』にてその正体が語られた。
自分が産み出した生物たちの楽園でヒトを見下し続ける「愛玩」の化身。
◆ビーストⅤ
詳細不明。
◆ビーストⅥ
「ネガ・メサイア」なるスキルを持つ事のみ、ビーストⅡのマテリアルで判明している。
また、Ⅲ同様対の存在であることが示唆されており、その片割れを追ってプロトセイバーはFGO世界へやってきた。
◇ビーストⅥ/S
○真名:
ソドムズビースト/ドラコー
○示す理:
『堕落』
○所業:
『第一の獣による人理の終焉を再現し、人類史を救うという眩い願いを欲望のままに貪る』
○人類愛:
『栄華を極め、いずれ堕落するだけの人類を味わい尽くし、その終わりを看取る』
○出典:史実/ヨハネの黙示録
○固有スキル:
『ネガ・メサイア』
○ILLUST:山中虎鉄→
ワダアルコ
○CV:
丹下桜
「Fate/GrandOrder Arcade」の終章である収束特異点『背徳果実都市リリムハーロット』にて待ち受ける、同作の黒幕。
FGO本編では
期間限定コラボイベント『螺旋証明世界 リリムハーロット』で
クラスそのままにプレイアブル化している。
度を越した繁栄により破滅をもたらす「堕落」の化身。
◇ビーストⅥ/G
現状は詳細不明。こちらをプロトセイバーが追っているということだけが明言されている。怪獣ではない。のだが、メガテンのマザーハーロットが乗っている黙示録の獣に当たるものやPrototypeのビーストではないか?と言われているため、本当に怪獣かもしれない。
◆ビーストⅦ
真名:U-オルガマリー
示す理:不明
所業:不明
固有スキル:不明
CV:米澤円
『星間山脈都市オリュンポス』最終盤にて姿を現した、異星の神そのもの。
満開を迎えた空想樹マゼランを使って肉体を形成し受肉した存在。
ストーム・ボーダーからの観測ではっきりと「ビーストの霊基」と判定され、自らもビーストⅦを名乗る。
本人からすれば想定していたよりも肉体のスケールが小さかったようだが、プレイヤー…というよりカルデアのマスターたる主人公からすれば
「
第一部序盤で死亡したはずのオルガマリー所長とそっくりな姿であること」の方が大問題だろう。
本人はカルデアに対して知識以上のものは持ち合わせておらず、
所長としてのオルガマリーへの呼びかけにも何ら反応はせず、自身は
地球大統領・ U オルガマリーと名乗る。
なお、ギルガメッシュによると人類悪が顕れた世界はこの“終局の悪”に向けて更なる災厄に見舞われるらしく、
ビーストⅠが顕現した時点で、ビーストⅦはこの世界の何処かに出現している事が以前から示唆されていた。
異星の神が地球に初めて接触したのは少なくとも第一部完結よりも前の段階であるはずで、
その時点でビーストⅦの要素は既にこの世界に存在していたことになる。
番外
◇ビースト???
○真名:
カマソッソ
○示す理:
『忘却』?
○所業:不明
○人類愛:
『王として全国民、すなわち全人類を愛していた』
○出典:マヤ神話
○固有スキル:不明
○ILLUST:兔ろうと
○CV:
檜山修之
異聞帯の獣。
番号は不明だが、バトル画面ではⅠが掠れたようにも見える表記となっている。
理も不明だが、一戦目のバトル開始時に、『人類悪 ■■』というノイズのような表示がなされ、このとき一瞬「憐憫」「救世」「忘却」などの文字が映る。
ミクトランにおける最強の存在として恐れられ、「死の影」「夜より恐ろしいもの」と呼称され、生者の血を啜り動く屍に貶めるもの。
その正体は幻想種でも英霊でも神霊でもなく、かつてミクトランに存在していた人類による唯一の国「カーン王国」の王にして、現代のミクトランにおけるたった一人の人類種である。
600万年前に目覚めた脅威。それに対抗するため、カーンの民は自ら彼に命を捧げ、結果カマソッソは不死身の肉体を得て、最終的には
勝利した。
…が、その精神は摩耗し、
「民を死なせた王が生きていていいはずがない」という思いに取り憑かれ、自殺願望に苛まれている。
されど同時に、カマソッソは
「自分が死んだら彼らの犠牲が無駄になる」という責任感を抱き、相反する考えに悩んでいた。
その結果彼が出した答えは、過去を忘れ、未来を忘れ、我を忘れ、己が獣性すらも忘れること。ただ刹那的に生きることでのみ、カマソッソは自分を保っている。
この「ミクトランの全人類を死なせたこと」、あるいは「彼の自殺により人類滅亡が完了すること」を『所業』として、カマソッソは獣たる資格を手に入れたのだろう。
◇ビースト???
○真名:
アンキ・エレシュキガル
○示す理:
『保存』
○所業:不明
○人類愛:
『』
○出典:メソポタミア神話&サーヴァントユニヴァース
○固有スキル:ネガ・スペース
○ILLUST:森井しづき
○CV:
植田佳奈
蒼輝銀河の獣。
別世界のためかナンバリングは番外。理は不明ながら、奏章Ⅲで戦う際には「人類悪 保存」と一度表示されたものが「人類悪 死蔵」へと変化する。
2024夏イベントで霊基が変容してしまったエレシュキガル。そして長年水着警察に追われ続けていた、待望の水着エレシュキガル。
水着が無い事で散々弄られ続けた沖田さんよりも長い間水着が無かったエレちゃんの待望である。
ドバイに最初に足を踏み入れた時、何か「違和感」と言うか「嫌悪感」のようなものを抱いたエレシュキガル。
その嫌悪感の正体は後になるまで分からなかったが、ホテルで1泊した後にはエレシュキガルの頭にはビーストである事を示す角が生え始め、クラスも実際にビーストになっていた。
彼女がビーストになった理由は、ドバイの街が実は西暦3017年の月面に建設されたムーン・ドバイであること、ムーン・ドバイの管理AIであるBBドバイによって「人類滅亡ラスボス決定戦」が執り行われた時に判明した。
エジソン・オルタ陣営が異次元へのゲートを開いてサーヴァント・ユニヴァースと繋がった際、あちらの宇宙における「人類の生存圏」を司る女神であるスペース・イシュタルと対を成す神、
「人類の輪廻転生」を司る冥界の女神であるアンキ・エレシュキガルとこちらのエレシュキガルが同調したことが原因であった。
そもそも、こちらのエレシュキガルがムーン・ドバイに足を踏み入れた時に感じた違和感は、生活する人々が全てAIであり、不老不死と恒久的世界平和を達成した世界である為「死んで冥界に行く生物としての人間」が誰一人いないことによるもの。
それが、人類全てがサーヴァントと化し死んでもリポップするだけで、冥界に誰も来なくなったサーヴァント・ユニヴァースの冥界の女神と同調してしまったのだ。
こうして「人類が永遠の命を得て冥界を捨てること」を拒絶する女神として、ビーストとして覚醒。
しかし霊基は「カルデアのマスターと契約をしているこちらのエレシュキガル」をベースにしていたため、主人公の令呪による命令が有効なままであり、
「本心をさらけ出して」の命令により敵対を諦め自壊。一旦は退場した。
その後、BBドバイに唯一対抗し得る戦力としてエジソン・オルタ陣営が決死の覚悟で別宇宙へのゲートを再稼働。
両エレシュキガルが完全に統合し新たな霊基(と水着)になったスペース・エレシュキガルとして再登場し大きな役割を果たした。
なおビーストとしての霊基は本来ならムーン・ドバイの特異点の中でのみ成立するものであったため、
彼女はビーストになった時点でカルデアにも戻れず特異点と共に消滅するしかなかったはずだったが、
スペース・エレシュキガルになってからはビーストとしてのクラスはそのままに「ただのエレシュキガル」に戻る変身機能をどうやら手に入れたようで、
結果として無事にカルデアに帰還できている。そしてカルデアと契約したビースト・サーヴァントの第2例目になった。
ちなみに彼女のビースト固有スキル「ネガ・スペース」は宇宙に出ていく人類に対して無限の邪魔力を発揮するスキルだが、
その効果は魔力や物理的な強制力を発生させるものではなく、彼女自身のモチベーションが無限に湧くというあいまいなものである。
◇ビースト(Prototype)
『Prototype』に登場したビーストクラス。東京地下の大聖杯内部にて蠢くどす黒い影の正体。マスターは沙条愛歌。
「獣」であるがゆえに言葉は話せず、まともな知性を持っているかも謎だが、
「世界に生まれ落ちたい」という欲望と最低限の思考能力は持ち合わせている。
また『Labyrinth』や『蒼銀のフラグメンツ』を見るとマスターである愛歌には忠実に従っており、相当慕っているようである。
真名は「ヨハネの黙示録」に登場する「黙示録の獣」。
外見は伝承上に登場する「七つの首に十の王冠を被った獣」そのものであり、世界を喰らう人類悪。
元々『Prototype』における
聖杯戦争とは、極東の地でとある奇跡を成し遂げるためにある枢機卿が模倣聖杯を持ち出し、
魔術師達に「根源」へ至る方法として吹聴し、実行したものであった。
その奇跡とは「黙示録の獣」の召喚。
これを呼び出し世の中に災いを振りまくことで、逆説的に現代では失われてしまった主の愛を証明するという狂った目的の為に行われた儀式────
これが、『Prototype』時空の聖杯戦争である。
しかし最後の最後に過ちを理解したセイバーが愛歌を裏切り彼女を殺害。
召喚は頓挫することになったが、それでも暴走して不完全ながら無理やり現界し、セイバーを追い詰める。
最終的にはセイバーの
宝具で焼き払われることになるがこれでも完全に消滅はしておらず、
『Prototype』本編終盤では8年前の聖杯戦争で召喚されたサーヴァントの黒化版6騎とともに現界するとされる。
また『Labyrinth』では愛歌が居なくなったことに気づき、世界の壁を超えて強引に彼女を引き戻すというとんでもないことをしでかしている。
『蒼銀のフラグメンツ』では「第四の獣」とされていたが、『蒼銀のフラグメンツ』5巻にて「第六の獣」と修正された。
『Prototype』とその他『Fate』シリーズの世界観はかなり異なるので、いわゆるビーストⅥにこれが該当するかは不明。
なお、もし当初の「第四の獣」が旧約聖書的な意味を意図していたとしたら、
「ヨハネの黙示録」の第一の獣(十本の角それぞれに王冠・七つの頭)ではなく「ダニエル書」の第四の獣(十本の角・大きな鉄の牙)のほうになる。
ビースト候補?
○示す理:不明
○ILLUST:武内崇
○CV:
坂本真綾
単独顕現スキルをビースト関係者以外で持つ2人のうちの一人。
そのうち、
マーリンのそれは召喚システムの穴を強引に突いた裏技のようなものであるとされるのだが、
『両儀式』に関してはスキル説明で「
このスキルを持つものは、即ち────」とかなり匂わせるような文言が存在する。
そのため「実は『
両儀式』も人類悪(候補)なのでは?」と一部で考察されており、
モーション改修以降、宝具演出でビースト戦共通の黒い太陽が一瞬映ることもこの不穏な説に拍車をかけている。
○真名:蘆屋道満
○示す理:なし
○所業:なし
○人類愛:
なし
○出典:『宇治拾遺物語』、『安倍晴明物語』、『蘆屋道満大内鑑』、アステカ神話、スラヴ神話など
○固有スキル:なし
○ILLUST:古海鐘一
○CV:
森川智之
蘆屋道満…の悪性を摘出、強調した
アルターエゴ、リンボ。
自分が作り出した特異点、
「地獄界曼陀羅 平安京」にて、聖杯、空想樹、英霊、神霊を使い潰して自分だけのビーストを作り出そうとした…のだが、
つい一昨日の夕刻まではその様に思っていたのです。
ええ、ええ、本当ですよ?
ですが、まあ、
────やめました!
ノリで計画を変更。土壇場で自分自身がビーストになることに決めた
…のだが、本人に人類愛が欠片も無かったためにビーストに変ずることに失敗。
夢破れ、あえなく倒された。
…半分ギャグみたいな展開だが、裏を返せば
- リンボはキアラと異なり他人を人と見ている、あるいは自分を愛していない
- 異星の神の如く人への愛を感じられないビーストも、間違いなく人類愛を抱いている
といったことが読み取れる。
+
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ビーストに仇なすもの |
FGOのゲーム的に、すべてのビーストは固有のクラス相性を持つが、それらビースト全てにクラス優位を取れるサーヴァントが現状一体だけいる。
それは絆礼装を手にした アンリマユ。
彼の「『ビースト』クラスに攻撃優位になる」という絆礼装は、登場から2年以上経ってなお他に類似した効果を持つ礼装がない。
聖杯に取り込まれたアンリマユは「人類悪」と呼ばれたが、実は彼は人類悪でなく必要悪である。
「この世全ての悪」たる彼は、元を正せば人類愛である人類悪を嗤う。ヒトへの愛ゆえにヒトを滅ぼすものは、ヒトを呪いながらヒトの善性を語る彼とはあまりにも性質が真逆である。
故にグランドクラスとは様々な点で天と地ほどの差があるにもかかわらず、「獣」に対しては彼らのように渡り合う可能性がある、ということなのかもしれない。
まあ耐久が足りないので普通に負けるけど
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追記・修正は人類悪を乗り越えてからお願いします。
最終更新:2025年04月11日 14:56