狂死郎(ONE PIECE)

登録日:2020/03/16 Mon 01:17:12
更新日:2025/03/05 Wed 19:31:36
所要時間:約 7 分で読めます




“人は花”よ

アンタがきれいな水でなけりゃ

女もしとやかに咲くもんかね


狂死郎(きょうしろう)とは、漫画ONE PIECE』の登場人物。


【プロフィール】

通称:狂死郎
悪魔の実:なし
年齢:不明
異名:居眠り狂死郎
身長:推定3m
誕生日:不明
肩書:ワノ国黒炭家御用達両替屋
血液型:不明
趣味:不明
好物:不明
CV:岸尾だいすけ


【概要】

黒炭家御用達の両替屋にして花の都の裏社会を取り仕切り、「花の都に狂死郎一家あり」と謳われる大ヤクザ・狂死郎一家の親分。

水色の長いリーゼントヘアーと細くつり上がった異様なが特徴の3mほどの大男。
常に酩酊気味で名前の通りすぐに居眠りするがワノ国の将軍である黒炭オロチからの信頼は厚く、バックにオロチ、ひいては百獣海賊団がいるため、ワノ国、特に都で狂死郎一家に手を出す者はいない。
また、彼が経営する遊郭の花魁である小紫は、その美貌からワノ国一と言われ、オロチのお気に入りにもなっている。
その権威と強さもあって、小紫が例え何人もの(悪人の)男達をたぶらかし破滅させて恨まれてきた時も、狂死郎の小紫に危害を加えられる者は誰もいなかった。


【人物像】

将軍に対する強い忠誠心を持つ一方、小紫をうらやましがりペットのように言う侍に対して上記のように諫めたり、三下であっても己の部下がやられれば一切その報復に容赦をしない任侠心、将軍に歯向かった者は誰であろうと処断するという厳格さを持つことから人々に「狂死郎親分」と呼ばれ畏怖され、配下やオロチの腹心達からは尊敬を集める。
その忠誠心の高さは自身のお抱えでもある小紫がオロチに歯向かった際には、オロチの権威を守るために“オロチの不興を買うことを承知で”真っ先に斬り捨てている。

小紫の葬儀には混乱が起きないように国中へ葬儀が映るよう光画タニシを手配し、ゾロの襲撃からオロチを守るなど、「将軍の犬」を自称し忠臣として振る舞っている。
その忠臣ぶりには、小紫を斬った彼に怒りを見せた暴君オロチですら、狂死郎の守ろうとした「将軍への反逆は大罪」という道理と仁義の正当性から処断できなかったほど。
一方で、酔った際にはオロチの小心ぶりを陰で嘲笑い、将軍の怒りを買ったトコが小紫と共に生き延びていたり、錦えもんが用意した判じ絵を見て意味深な表情となるなど怪しい行動も目立つ。

元ネタは、柴田錬三郎の小説に登場する剣客にして幾度も映像化された「眠狂四郎」。


【戦闘能力】

ワノ国のヤクザの親分と言うこともあり、凄まじい技量を持つ剣客。
オロチによる霜月康イエの処刑によって激情に駆られオロチを狙ったゾロの飛ぶ斬撃を弾き、ゾロが右肩を負傷していて更に二刀流だったとはいえゾロの猛襲をあっさり捌いた実力者


【活躍】

元は流れ者で20年ほど前に花の都に現れた。
絡んできたチンピラを返り討ちにし、彼らを配下に狂死郎一家を立ち上げると、当時花の都の裏社会を取り仕切っていたヒョウ五郎がオロチとカイドウによって採掘場での強制労働送りにされていた事もあり、瞬く間に勢力を拡大。
遂にはその評判がオロチの目に留まり、オロチにスカウトされ配下となった。
以降、ヒョウ五郎に代わる顔役として花の都の裏社会を仕切ってきた。

サンジとの戦いで逃げ延びた部下の一人からサンジの事を聞くや、百獣海賊団大看板クイーンに連絡を取り、見せしめとして真打ちの中でも精鋭とされる飛び六砲のドレークページワンを呼び寄せる。
その後、オロチの宴に参加し、その際にトコを庇ってオロチの前で無礼を働いた小紫を斬り捨てた。

後日、羅刹町での小紫の葬儀では民衆の混乱を避けるため光画タニシでの配信を手配する。トの康の処刑後に怒りを露わにしたゾロがオロチを襲撃した際は、飛ぶ斬撃からオロチを守り、そのままゾロと対峙する。

火祭り当日は、花の都の留守番を任される。


【狂死郎一家】

黒炭家御用達の両替屋…の皮を被ったヤクザ集団。
両替屋だけでなくワノ国一の美女小紫が働いていた遊郭の経営も行っている。

  • クニさん、カクさん、スケさん
狂死郎一家の3人の子分。
花の都で一家の許可なくそば屋を出していたサンジに場所代を払うよう強要し、それを拒否されると狼藉を働くが、食い物を粗末にしたことでサンジの怒りを買い、サンジとフランキーに返り討ちにされる。

元ネタは、越後のちりめん問屋一行だろうか。



追記・修正は将軍に忠誠を誓ってからお願いします。



















































以下ネタバレ注意

































おぬし……!! 傳ジローか!!?

いかにも!! 見違えたろうな…

すぐにでも名乗り出たかったが

万が一を考え敵であり続けた………!!


傳ジロー(ONE PIECE)

登録日:2020/03/16 Mon 01:17:12
更新日:2025/03/05 Wed 19:31:36
所要時間:約 7 分で読めます






その正体は赤鞘九人男の一人・(でん)ジローにして、都を騒がせていた大泥棒・丑三つ小僧その人である。




【本当のプロフィール】

本名:傳ジロー
異名:居眠り狂死郎
肩書:ワノ国光月家家臣・赤鞘九人男→ワノ国・希美大名
年齢:47歳
身長:306cm
悪魔の実:なし
覇気武装色見聞色
出身地:偉大なる航路(グランドライン) 新世界 ワノ国 花の都
誕生日:10月26日(でん←10、じろー←26)
星座:蠍座
血液型:XF型(現実だとAB型)
趣味:昼寝
初登場:単行本95巻・第960話・『光月おでん登場』
好きな食べ物:牛すじ
嫌いな食べ物:くさやの炭火焼き
CV:岸尾だいすけ

【本当の概要】

赤鞘九人男に名を連ねる侍。
サングラスと長髪を大きく纏めているのが特徴の男だが、おでんの過去編のみの登場のため、現在の消息は不明だった。


【本当の人物像】

元は花の都の孤児で、当時から言葉巧みに安価な値段で高価な商品を買い叩き、をチョロまかすなど口が上手い。
腕っ節の強い不良だった錦えもんとは、悪友のような仲だった。
また、その頭の回転の速さから、大人達のことを「全ての愚かな大人達」と毒づいているが、光月おでんのことは唯一尊敬しており、対面した際には目を輝かせていた。
自称「将軍の」というのも、オロチではなく光月家を指したものであろう。

上記のように子供の頃から詐欺を働くほど悪知恵が働いただけにおでんの家臣になって本格的に学問を学んでからはより賢くなり、九里の財布役・財政係となった。
他にも8人(+イゾウ)に学問を教える描写もある。
その頭脳は狂死郎になった後にも活かされ、自身の一家を切り盛りして発展させ、黒炭家御用達の両替屋にするまでとなっている。
トキとおでんの予言である20年後の未来のために面従腹背を選んであの小心者オロチの信頼を勝ち取ったり、様々な事態や裏切りを想定して対策を講じていた。

【本当の戦闘能力】

赤鞘九人男の一人だけあって戦闘力は高く、イヌアラシとネコマムシ酒天丸らと同様に20年後の「決戦の日」のために研鑽を重ね続けた。

【本当の来歴】

◆過去

少年時代・青年時代

孤児だった約41年前に錦えもんが原因で発生した事件をおでんが解決したことで彼に惚れ込み、同じくおでんに惚れ込んだ錦えもんと共に最初の家臣となった。

おでんが九里大名となってからは財布役・財政係を担当。
おでんが恩人である康イエの元部下だったオロチの頼みを断れずに金を貸していることには怒り、オロチを「あんな奴」と嫌っていた。

25年程前にオロチが将軍代理となってからは、九里の財政が一層貧しくなったこともあり、国中を歩き回って金を借りたり返済のために奔走していた。


おでんの死後

20年前におでんがカイドウ討伐を決意した際にも共に立ち上がったが、夜襲をかけようとするも情報が伝わっていたことなどもあって奮戦虚しく敗れてしまう。
主君おでんが赤鞘九人男を庇い彼らに未来を託して処刑され、彼の命がけの行動で他の九人男と共に解放されるとアシュラ童子と共に百獣海賊団のナンバーズら追っ手を食い止めるべく殿を務め、辛くも逃げ延びた。

錦えもん達が未来へと飛び、トキも処刑された後は主君を守れなかった悲しみとオロチやカイドウに対する怒りで何日も泣き続け、その結果髪は変色し目はつり上がるなど、顔の形そのものが骨格から変わってしまった
その後は花の都に流れ着き、絡んできたチンピラをブチのめした結果、チンピラ達から慕われるようになり、いつしか投獄されたヒョウ五郎に代わる花の都の顔役・狂死郎一家の親分として君臨するようになる。

そして評判を聞き付けたオロチにスカウトされるまでになり、内心ではオロチに対して激しい怒りを抱きながらも、カイドウとオロチの両者を打倒しワノ国を開国するための“20年後”に来る「決戦」に備えて屈辱に耐えつつ、最早別人レベルで顔が変わったことを利用して敢えてオロチの下に付くことを選んだ。
この頃から「居眠り狂死郎」の通り名で呼ばれるようになるが、これは「普段から眠そうにしているから」という姿から来たものである。
「きっと夜は女遊びに興じているから」と人々は噂したが、実際は夜な夜な「丑三つ小僧」として悪い金持ちの蔵の金を盗み、貧乏長屋や都の外にあるえびす町の人々に分け与え続けていた。

日和との再会

おでん処刑から7年後、部下達が一人の少女を孤児として連れて来るが、その少女こそ河松の下を去っていた日和だった
驚愕した傳ジローは日和に正体を明かし、彼女のこれまでの経緯も知ることとなる。


“怒り”という妖怪に取り憑かれたこの顔ではさしもの錦えもん達ですら気づきますまい…!!それが好都合

拙者のことはいつか来る「決戦」のその瞬間まで たとえ味方にさえ他言無用に願います

河松に代わり今日から拙者があなたをお守りいたす!!

名を“小紫”とお名乗りください!!


こうして日和を小紫とすることで正体を隠すと同時に、自身の威光と権力で保護し、共に現在までの地位を築き上げてきた。
また、かつてのおでんのカイドウへの討ち入りの情報が漏れていて、カイドウの口から発せられた「スパイ」の可能性から、自分の正体は日和以外には伏せており、日和にも他言無用と懇願していた。

なお、日和の禿で康イエの娘でもあるトコが日和の正体を知っていることに関してどのように思っているのかは不明。
もしかしたら傳ジローもトコが自分達が改心する切っ掛けにもなった康イエの娘であることを知っていたのかもしれない。

◆ワノ国編

錦えもん達が20年前から到着したことを知った後も、情報漏洩を警戒しすぐに名乗り出ることはせず、機が熟すまで潜伏し続けることを選択した。

日和にはオロチが日和に手を出そうとしたいざと言う時に、死をもって日和を保護し偽装すべく血のりを常に忍ばせており、小紫(日和)がトコをかばってオロチの怒りを買った際にはそれをもって日和の死を偽装。
「オロチ将軍への反逆者を処分した」ため、オロチや周囲は日和の死を悼み・狂死郎の行動に怒りながらも、狂死郎の忠誠心に慄き反論の余地はなかった。

霜月康イエ処刑後、ゾロがオロチを攻撃しようとした際にオロチを庇ったのも、オロチの死でカイドウが警戒レベルを上げてしまう事態を避けるためと思われる。
ゾロを前にして笑う余裕を見せたが、錦えもんらが連れてきた援軍の強さに喜んでいたのだろうか。

その後援軍が到着せず孤立無援のまま鬼ヶ島に向かう錦えもん達の前にルフィキッドローとそれぞれの海賊団が現れるのと程なくして部下達と共に現れて正体を明かし、カイドウ討伐に協力することを宣言する。
その際に4000人超えの援軍は全員無事であること、スパイの存在を察した錦えもんが赤鞘とルフィ達一行にのみ偽の集合場所を伝えたことで敵の目を欺くことに成功し、自身も牢屋敷に捕らえられていた侍たちを解放できたことを明かすが、何と錦えもんはガチで暗号を解読し間違えていた。
というのも実は、康イエの判じ絵は「刃武港の波止」を現していたのだが、これを見た錦えもんは素で「常影港」と読み間違えていたのである。*1
このため、赤鞘の侍たちは錦えもんに従い常影港に向かったのだが、判じ絵を正しく読み取った反乱軍の本隊は刃武港から鬼ヶ島に向けてとっくに出撃した後だった。
オロチのスパイはこの「錦えもんの読み間違い」をそのままオロチに伝達したため、結果としてその情報を疑わなかったオロチは常影港へのルートを潰したものの、初動が遅れたことに加えてそもそも場所が間違っていたため、反乱軍の封殺は失敗していた。
さらに、とどめとばかりにオロチの信頼を利用して牢屋敷の侍達を解放することにも成功しており、一気に戦力をひっくり返した。
尚傅ジロー自身は錦えもんの事を半ば盲目的に信頼しているため、錦えもんが素で読み間違えてたまたま偶然戦況がひっくり返ったということは知らない。

鬼ヶ島到着後、南軍の侍たちを率いてカイドウがいる城の裏口を目指す。道中「親友」であった飛び六胞のササキと遭遇した時は狂死郎として応対し、隙をついて彼を容易く拘束。背中に彫られた光月家の家紋を見せつけて正体を明かし彼と決別。
裏口に到達したあとは赤鞘の侍全員で城内に突入。カイドウに渾身の一太刀を与えて討ち入りを開始させる。

ドクロドーム屋上でのカイドウとの決戦では赤鞘九人男全員の連携攻撃、多種多様な忍術、渾身のおでん二刀流"桃源十拳"を再現したが、20年もの間自らを鍛えていたカイドウにとって致命傷には及ばず一方的に蹂躙されてしまう。赤鞘の侍全員が倒された際には一人涙を流して倒れ込んでいた。
錦えもんによって屋上に遅れて駆けつけたルフィたちに打倒カイドウを託した後、自身は赤鞘の侍たちと共にローの能力で城内に避難。しばらくは戦線を離脱していたが何者かの手当てを受けたことで僅かながら回復。カン十郎による偽おでんによって混乱されるもアシュラ童子の捨て身の行動によって命拾いし、戦線に復帰する。
城内を進む中、オロチと福ロクジュ、ジャックと遭遇。オロチのヤマタノオロチの能力に対し仲間と共に首を斬り捨てる。そして雷ぞうに福ロクジュ、イヌアラシにジャックの相手を任せ、赤鞘の侍たちは戦力拡散のためそれぞれ分散。
単独で城内を駆け回っていたが宝物殿まで戻り、カン十郎の「火前坊」に巻き込まれ火達磨状態のオロチの最後の首を斬り捨てて、絶体絶命の日和を救った。
危険な場所であるにもかかわらず1人で戦場に乗り込み、果敢にオロチに挑んだ日和に激励の言葉を贈った。

天上決戦後は希美の大名に就き、短期集中表紙連載「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」ではカイドウへの恨みからヤマトに石を投げる子供たちをひっ捕らえ、「キライなやつとおでんを食べるの刑」を執り行い、両者を和解させた。


【余談】

  • アニメOP
ワノ国編のOPで、赤鞘九人男が順番に出てくる際に、酒天丸(アシュラ童子)の横に狂死郎が映っていた。
ちなみにワノ国編放送開始時点では、原作でもまだ狂死郎の正体は明かされていない。
そのため、アニメスタッフは彼の正体について作者尾田栄一郎から知らされていたのかもしれない。

  • アニメ描写
上記のようにアニメ制作陣には大まかに彼の正体を知らされていたのか、初登場時に「光月トキが死に間際に遺した言葉」を語るシーンに苦虫を噛み潰すかのような仕草、霜月康イエの公開処刑の手続き済ませた事をオロチに報告する際にオロチに対する憎悪のあまりに畳に引っかき傷を残す程に力を込めていたりと原作になかった描写が追加されている。

  • 落語
回想での初登場シーンで道具屋から鍋の下取りをダシにお金をちょろまかしたのは落語『壺算』のパロディ。
これは古典的な詐欺の手法であり、『ドラえもん』でもジャイアンのび太に行っている。



追記、修正は怒りの妖怪に取り憑かれてからお願いします。

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  • 光月日和
  • 47歳
  • 初登場がワノ国編
  • 全世界人気投票83位
  • 親分
  • 狂死郎
  • 覇気使い
  • 泥棒
  • 大泥棒
  • 剣士
最終更新:2025年03月05日 19:31

*1 絵の内容は「二本線が書き足されたハブ」。錦えもんはこれを「ハブに足を足してトカゲ=最初は刃武港だったが、常影港に集合場所を変えた」と読み取ったが、実は「ハブの腹を切るように線を引く→『はぶみなと』の文字抜きで『はと』=波止、つまり「刃武港の波止場で時を待て」という意味であった。