ウォーグル

登録日:2011/01/08 Sat 19:51:56
更新日:2025/05/15 Thu 19:27:47
所要時間:約 8 分で読めます





ウォーグルとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。

<データ>


全国図鑑No.628
分類:ゆうもうポケモン
英語名:Braviary
高さ:1.5m
重さ:41.0kg
タマゴグループ:ひこう
性別比率:♂100♀0


特性:するどいめ(命中率を下げられない。相手の回避率ランクを無視する。手持ちの先頭にするとレベルの低いポケモンが出にくくなる)
   /ちからずく(追加効果の出る技は追加効果が出なくなるが、その技の威力が1.3倍になる)
隠れ特性:まけんき(相手の技や特性で能力を下げられると攻撃が2段階上がる)

※仕様により、「いのちのたま」を持たせて「ちからずく」の適用される技で攻撃した場合、反動ダメージを受けない(威力アップはそのまま)

HP:100
攻撃:123
防御:75
特攻:57
特防:75
素早さ:80
合計:510

努力値:攻撃+2

ワシボンがLv54で進化する。


<概要>


ブラック・ホワイト』で登場した、インディアンの羽飾りのような鶏冠?をもつ猛禽類型のポケモン。
バルジーナがハゲタカなのに対しこちらはハクトウワシ+ネイティブアメリカン。
発売前からかなり早い段階で発表され、そのデザインから前評判は上々だった。

性別は♂しか存在しない。対になるバルジーナも♀のみである。
さえ恐れぬと言われるほどの勇敢かつ、誇り高い大空の戦士であり、仲間のためなら危険をかえりみず戦う。
その勇姿を称え、エンブレムのモチーフとしての人気も高い。

過去に住みかを人間に荒らされた際は一丸となって抗った。
体の傷が多い個体ほど仲間から尊敬されるというが、それは向かい傷が多い個体のみであり、逆に後ろ傷が多い個体は群れでバカにされる。

自動車を鷲づかみにしたまま大空を舞うことができる程の脚力と翼の力を持つ。
しかし血の気が多く荒っぽい性質が災いして、ガラル地方の運び屋の座はアーマーガアに奪われてしまった。


<ゲームでのウォーグル>


ブラック・ホワイト

野生では『ホワイト』のみ出現。
進化前のワシボンは10番道路、チャンピオンロード、クリア後では11番道路とビレッジブリッジにウォーグルが出現する。
(同じひこうタイプのバルジーナは『ブラック』のみに現れる)

ストーリー中の使用トレーナーはサザナミタウンの不意打ちチャンピオンシロナのみ。
『ブラック』ではここでしかお目にかかれない。
しかしながらそのせいで、『ホワイト』ではバルジーナが大きな哀しみを背負う羽目に…

発売前からそのビジュアルが公開されていたことから男の子のハートを鷲掴みにしたが、
ふたを開けてみると「ホワイト版のみ、しかもクリア後にしか手に入らず、進化も非常に遅く、後述のように対戦でも微妙」ということが明らかになり、
非常に多くの落胆を誘った。さらに当時のウォーグルは新技「フリーフォール」のイメージが強く、これがバグによって使用禁止になってしまった。
当時の低評価にはおそらくこの辺の事情が関係していると思われる。

BW2

続編であるBW2にももちろん登場。相変わらず野生での登場は『ホワイト2』のみ。
本作では毎週月曜日に4番道路にてシンボルエンカウントの個体が登場。レベルは驚きの25
さらに、このウォーグルは特性が隠れ特性の「まけんき」になっている。
ちなみに、隠れ特性のワシボンはその後XYのフレンドサファリにて解禁された。

第六世代

XYではジュエルシリーズが登場しなくなったため、アクロバットも相対的に弱体化。さらに差別化しやすくなった。

XYからは「するどいめ」で相手の回避率アップを無視できるようになり、ようやく実戦に使える特性となった。
奇石ラッキーシャンデラといった「ちいさくなる」使い相手に弱点を突けるので有用。
また、第六世代から♂からも隠れ特性が遺伝するようになったので厳選が楽になった。

ORASでは「おおぞらをとぶ」の際に野生の個体が出現する。

SV

パルデア地方で特定のエリアとストーリー上のラストダンジョン「パルデアの大穴」に登場。
進化に必要なレベルが高いため、野生で登場するウォーグルは相応にレベルが高い。
…が、ロースト砂漠にいるコイツは危険度が段違いで高いことで有名。
野生テラスタルモトトカゲやヌシのパラドックスポケモンよりレベルが10前後高いのだ。
しかも出現場所が高い岩の上とかニッチな場所ではなく、マリナードタウン側の入り口付近に闊歩と普通に移動してもエンカウントすることもある。
保険にピッピにんぎょうを用意するのがおすすめ。

<対戦でのウォーグル>


ノーマル/ひこうの中でも屈指の攻撃を誇り、高威力の一致技も自力で覚える。

ラインナップとしてはタイプ一致の「ブレイブバード」「フリーフォール」「あばれる」など
完全に物理型の種族値だが、ちからずくが適用される一致物理わざは「ブレイククロー」だけ。
不一致だと「いわなだれ」「がんせきふうじ」「いわくだき」と、正直物足りない。
サブに「シャドークロー」「ばかぢから」、変化技は「ふきとばし」「つめとぎ」、わざマシンで「ビルドアップ」「かげぶんしん」「いばる」など。

耐性の面から流石に昆布でお馴染みの無道さんほどではないが、それでも伝説を除くそこいらの鳥ポケを凌ぐ耐久のおかげで、
微妙なすばやさをカバーする「おいかぜ」を自分で使うチャンスが多いのは嬉しい。
♂固定なのでタマゴ技はあきらめよう。


しかしこのウォーグル、第四世代狂気の序盤鳥ムクホークの劣化」と言われることが多い。
あくタイプのバルジーナが対になってるのなら、正義の象徴であるかくとうタイプにすべきだった」とも言われる始末。
序盤鳥と同じタイプや対になるバルジーナが耐久型であることから速攻低耐久としての能力を期待され、
そして育成が面倒な割にムクホークより使いづらい点に失望されがちである。というか当時のムクホークがアタッカーとしてはかなり使いやすかったので、無駄が多いとしか思われなかったのだ。
特性の「ちからずく(第五世代が初登場)」も、ヒヒダルマがこれを使いこなせるのに対して、ウォーグルではデメリットとしての側面の方が大きい(最近はちからずく対応技も増えてきたのだが、当時は「いわなだれ」「ブレイククロ―」くらいだった)。
当時は「使うポケモンによってはデメリットにもなる特性」というのがまだかなり珍しいころで、これがガッカリ感をさらに助長してしまったものだと思われる。

だが、どちらかと言えば素のウォーグルの能力はエンブオークリムガンに近いタイプであり、

「相手の一撃を耐えて痛い一撃を叩き込む」所謂「肉を切らせて骨を断つ」

という運用コンセプトの方が向いているのである。
相手の攻撃関係の能力値が並かそのラインなら一致抜群ぐらいは普通に耐える。
鳥の中では珍しい「攻め」と「堅さ」を両立した存在なのだ。

ただ、ライバルのムクホークが優秀な特性である「いかく」を備えているため、
これを考慮すると結局ウォーグルがムクホークに勝る種族値は攻撃(たった3の差)と特防だけだったりする。
つまりウォーグルに求められる役割はムクホークで大体できてしまうのだ。素早さを調整して守りを固めるなど、自分の好みで調整して上手く活躍させたい所。

+ ムクホークってぶっちゃけ対戦でメタゲームに食い込めた実績は特にないし、限定的とはいえ明確に強豪だった時期のあるウォーグルに対してそんな上回ってる存在とは思えないんだが
ここまででやたらとムクホークと比較されることについて、おそらく第五世代以降に始めたプレイヤーは違和感を持つかもしれない。そういうコメントもついているし。
現代のように上位陣の編成や技の採用率などを非常に気軽に視覚化する機能があると、そしてもう第四世代の資料なんてそれこそ大会の上位編成くらいでしか知らないと、ムクホークが強ポケモンというのはかなり違和感があることだろう。
そういう機能がつく前(っていうかそもそもネット対戦の黎明期)は「対戦の基本的なことを覚えられる登竜門」としてかなり人気が高く、当時の基準では無駄がなく、そして強かったのだ*1
ムクホークは「ノーマル・ひこうの基準点」どころか、気軽に参戦できるようになって敷居が低くなったポケモン対戦の0キロポストであり、この世代にとってはかなり特別なポケモンだったのだ。
それに当時のガチ対戦は乱数調整やチートのような手段に手を出さなければならず、これが当時の道徳面的によろしくないこととされたというのもある。
詳しくはムクホークと色違い(ポケモン)の欄へどうぞ。また、違和感があったポケモンの古いコメント欄なんかにもそういう風潮が残っていたりする。
その是非を判ずるのはあなただが、ムクホークが強いというのは「そもそもメタゲームなんて言葉と無縁だった、カジュアル対戦華やかなりし頃」の主流意見だと覚えていただきたい。

ただしムクホークが強いというのも、ぶっちゃけ第四世代中盤以降では印象論的なものになっていた。本項の編集者も完全に「第四~五世代のカジュアルシングル勢」の目線からウォーグルを解説している。「ねっぷう」なんてえらく懐かしい技を……。
繰り返すが、ムクホークには当時の基準で無駄がないわけで、ノーマル・ひこうの基準点として長らく君臨することになる。ウォーグルの評価の低さにムクホークの影があることは間違いない。
ダブルだと強いとの事なので、ダブルに自信ニキはぜひぜひ追記してほしい。

また、コメント欄にガブリアスとフライゴンの比喩が出ているが、「第五世代初期にムクホークと比較されてガッカリされた」というのは事実であり、そういうネタとして書いている可能性もある。
そして竜舞によって完全に別の運用をするようになったフライゴンに比して、ノーマル・ひこうはそれ自体が差別化に非常に難航するポケモンである。


BW2では隠れ特性「まけんき」個体の入手が容易になったことにより、少なくともムクホークの劣化呼ばわりされるのは避けられるようになった。
しかしながら、今度は同じ特性を持つ隠れ特性の化身トルネロスの壁が迫りかける。
だが、あちらの一致物理技は「アクロバット」のみなので、持ち物が実質「ひこうのジュエル」で固定されてしまう。
ARサーチャー産なので、第5世代では入っているボールが「ドリームボール」固定となり、すぐにバレるのも痛い。

一方、教え技で「はねやすめ」「ゴッドバード」が追加されたので、従来の「ちからずく」型もややロマン気味とはいえ活躍する機会が増えた。
「ねっぷう」は特殊技だが、C下降補正ありでも「ちからずく」でいのちのたま持ちなら4振りでH252ハッサムに確1を取れる。
特防特化ナットレイ相手でも確2なので、役割破壊として使う価値があるかもしれない。

こだわりスカーフ」型での運用も可能。
死に出しに向く「かたきうち」、高威力の反動技「ブレイブバード」、撃ち逃げ向きの「ばかぢから」、交代技「とんぼがえり」とスカーフと相性の良い技も多い。

剣盾では「ばかぢから」より使い勝手がいいかくとう技「インファイト」を獲得。
また今作の新要素であるダイマックスの恩恵を最大限に受けた一匹であり、自身の中途半端な素早さを補強できる「ダイジェット」「ダイアタック」をタイプ一致で使えることや、加えて「ダイホロウ」「ダイナックル」の広い技範囲と追加効果のおかげで抜き性能の高さが前世代と比べものにならないほど上昇した。
ダイマックスわざは相手の能力を下げるものが多いので「まけんき」の発動機会も中々多く、ラムのみを持たせれば状態異常による妨害も困難となる。
ただその一方で「おんがえし」を失い、過去作以上に耐久面の削れっぷりが加速している点に注意。
ダイマックスが切れた後のウォーグルはとにかく場持ちしない。鎧の孤島からは「ダブルウイング」を新規習得。

第九世代ではその肝心要のダイマックスが廃止され、場持ちのなさがより顕著になってしまった。
よりにもよってSVではライバルであるムクホークが帰還してしまい、「場持ちが悪いなら最初から速くて特攻役を任せられるムクホークを選ぶ」という結果に……
そのムクホークもどっかの虎のせいで「いかく」が通り辛くなり採用率が大幅減少したが
一応、ちからずくと相性がいい「のしかかり」「アイアンヘッド」、安定ひこう技として「アクロバット」を習得可能になった。
ちなみに、一体何があったのか突然「ブレイブバード」をワシボンの時しかレベルアップで覚えなくなったため、進化後に習得させたい場合はわざマシンを調達する必要ができてしまった。

場持ちさせようとするとどうしても一致技の火力はムクホークに劣ってしまうので、あちらより引き出しが広い点と特性をどうにかして活用したい所。

<リージョンフォーム>


ヒスイ地方ではリージョンフォームとしてヒスイウォーグルが登場する。詳細はこちら
こちらは原種とはまったく違った運用をすることになる。

<ポケモン立体図鑑BWでのウォーグル>


今作の彼を一言で言い表すなら

ウォーグルさんマジイケメン


<進化前 ワシボン>


全国図鑑No.627
分類:ヒナわしポケモン
英名:Rufflet
高さ:0.5m
重さ:10.5kg

タイプ:ノーマル/ひこう

特性:するどいめ(命中率を下げられない。相手の回避ランク上昇を無視する。手持ちの先頭にするとレベルの低いポケモンが出にくくなる)
  /ちからずく(追加効果の出る技は追加効果が出なくなるが、その技の威力が1.3倍になる)
隠れ特性:はりきり(攻撃が1.5倍になるが、物理技の命中率が0.8倍になる)

  • 種族値
HP:70
攻撃:83
防御:50
特攻:37
特防:50
素早さ:60
合計:350


進化前。まだ小さく可愛らしいが、この時点でもきのみを簡単に砕くほどの脚力はある。
強敵に立ち向かう勇気はこの頃から健在で、何度も戦い続けることで鍛え、強くなっていく。
余談だが、名前を「ワシボシ」と間違えられることが多い。

通常特性は進化後と共通だが、隠れ特性はウォーグルの「まけんき」に対して、こちらは「はりきり」。
性格「いじっぱり」で攻撃に努力値252振りすれば、攻撃の実数値は222と種族値150相当にもなる。
持ち物なしで「こだわりハチマキ」持ちファイアローメガボーマンダの火力を超えるのだ。

特にハチマキを巻いた場合の火力は凄まじい。
弱点を突けるメガフシギバナは物理耐久特化でも確定1発、防御4振りガブリアスも同じく確定1発。
耐久ポケの代表格であるクレセリアも防御252振りを確定1発、物理耐久特化でも高乱数2発。
ファイアローが相手の場合、火傷させられてもHP252振り程度なら「いわなだれ」で確定1発。
……ただ、残念ながら「ばかぢから」でもナットレイ奇石持ちポリゴン2・ラッキーは確定2発。

また、見ての通り攻撃以外は軒並み低水準なので、「おいかぜ」等で上手くサポートしたい。
おいかぜ役が倒れた後の死に出しなら、タイプ一致「かたきうち」も使いやすくなる。

進化後のウォーグルと同様にスカーフで速さを補う手もある。
「いじっぱり」でも激戦区の100族を抜き、「ようき」なら115族まで抜ける。
ハチマキファイアローとは技とタイプで差別化できるか。

いずれにせよ攻撃以外の能力が壊滅的な分、先制技にはかなり弱いので注意。

リトルバトルでは♂しか存在しないため、「ブレイブバード」等のタマゴ技を継承できないのがネック。
自動的にレベル5に修正されるリトルマッチを除き、「つばさでうつ」や「ヒコウZ」等で戦うことを余儀なくされる。


ひまつぶしの ためなら どれだけ じかんをろうひしようとも ついきしゅうせいを やめない とてもひまな アニヲタwikiの せんし。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ポケモン
  • ポケモン解説項目
  • ポケモン最終進化形
  • 第五世代
  • BW
  • ノーマル
  • ひこう
  • ♂のみ
  • 勇猛
  • イケメン
  • 猛禽
  • ポケスペではブラックの切り札
  • ちからずく
  • まけんき
  • はりきり
  • ワシボン
  • ウォーグル
  • シロナ
  • デクシオ
  • アオキ
  • ククイ博士
  • 628
  • 627
  • アデク
  • カヒリ
  • ポケットモンスター
  • ノーマル/飛行複合
  • 第五世代(ポケモン)
最終更新:2025年05月15日 19:27

*1 現在は第三世代初出のポケモンを「ホウエン種族値」と呼んで無駄の多い種族値とみなす向きがあるが、当時存在していたポケモンの約1/4を占めるのがこの「無駄の多いポケモン」だった