登録日:2018/11/04 (Sun) 08:05:00
更新日:2024/11/27 Wed 22:04:20
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…いや
ここでいい
幕末は
血溜まりでいい…
✗
※単行本の表紙では「-特筆版-」と表記されているが、ここでは「-キネマ版-」と表記する。
✗概要
元々「るろうに剣心」の原作は人誅編の後に「
北海道編」を続ける案もあったが、和月氏としては既に「るろうに剣心という作品のテーマは完結している」としてその案を却下し人気がある内に終了させた。
そのため当時の担当者の佐々木氏から「
人気がある状況で終了したのだから、もう二度と剣心を描くな」という言葉と、
大団円を迎えて終了させてもらったことへの読者に対する誠意と謝意を込めて、長年るろ剣を描かずにいた。
しかし、
実写映画の話が決まったことで佐々木氏から宣伝も兼ねてるろ剣の再執筆の提案と、
和月氏も「もう一度るろうに剣心を描いてみたい」という想いから、この「るろうに剣心-キネマ版-」の執筆に繋がった。
なお当時SQ.で連載していたエンバーミングはこの影響で1年ほど休載の煽りを被ることになった
ちなみにるろ剣再執筆案として他に「
北海道編」と「剣心と薫の息子である剣路と、弥彦と燕の息子である心弥が主役の物語」があったが、
前者は「ファンが望んでいるのは分かっているが、剣心の物語は人誅編で完結したから」という理由で没になり、後者は「面白そうだが剣心の物語ではない」という理由で没になった。
そして数年後に
シレッと北海道編が開始されるが、北海道編が開始されたのはこのキネマ版を経た事も関係している。
だがその北海道編が色んな意味で波乱の状況になる事をこの時誰も予想していなかった。
世界観は完全に
パラレルであり原作との繋がりは一切無い。ただ再筆版の設定を取り入れたキャラも多い。
物語の内容はかつて原作が週間連載を始める前に目標三十週を想定して構成された、
鵜堂刃衛を
ラスボスにしたエピソードが原案となっている。
また、この内容は作者が提案した実写映画の没ストーリーが元になっている。
✗物語
黒船来航以来、様々な理想野望が渦巻く幕末の京都に“人斬り抜刀斎”と呼ばれる志士がいた
血溜まりの中で数多の人を斬り、血刀を以て新時代を切り拓いたその男は、動乱の終結と共に「最強」という伝説だけを残して人々の前から姿を消した
動乱の時代は終わり、明治十一年の東京
嘗て”人斬り抜刀斎”と呼ばれた流浪人『緋村剣心』と剣術に生きる少女『神谷薫』の出会いから
浪漫譚と血溜まりの再戦の幕が上がる
✗登場人物
✗
緋村剣心
左頬に十字の傷を持ち、”
不殺”の誓いを刀に込めた流浪人。浪漫譚の主人公。
神速を旨とする古流剣術『
飛天御剣流』を用い、嘗て血溜まりの中で数多の人を斬り殺し”
人斬り抜刀斎”と謳われた男。
動乱の時代の終結と共に「最強」という伝説だけを残し人々の前から姿を消し、今は当ての無い旅を送る流浪人として全国を行脚している。
人斬り抜刀斎の時代には自らの血刀が新時代を切り拓き、やがて自分もその中で生きていく…と思っていたがその過去の所業故に新時代に居場所を見出せずにいた。
江戸から変わった東京に初めて訪れた際にたまたま開催されていた撃剣興行の
人斬り抜刀斎役として間違われて出場させられ、そこで剣術小町『
神谷薫』と出会う。
その出会いからこの明治に再び血溜まりを作ろうとする者の存在を感じ取り、”
不殺”の誓いを込めた『
逆刃刀』を振るうことになる。
そして、嘗て幕末で刀を交えた人斬り「
鵜堂刃衛」に薫が攫われ、二人の人斬りが再び刀を交える。
原作では第一幕ですんなり流浪の旅を止め神谷道場に住まうことになった剣心だが、今作ではあくまで
武田観柳の手から薫達を守るための逗留という形で神谷道場に居候しており、観柳らの脅威が去ればまた流浪の旅を再開する予定だった。
だが全編を通した上で最終回に薫から「
時代を変えても 刀を変えても 人が変わらなければ何も変わらない」と諭されて流浪の旅を終える形になったため、原作以上に流浪の旅を終えた展開が自然になっている。
原作に比べややふさぎ勝ちで少々昂り易く、20代後半相応の未熟さが見られる。
デザインでは正義の味方の象徴としての白マフラーを携えており、また十字の傷が通常時は白、刀を握ると薄紅、抜刀斎時は深紅になるギミックを搭載。
原作では働いている描写が無いのでニートであるとよくネタにされてきたが、今作では遂に薫に「働け!」と言われてしまう…
また、飛天御剣流の字面、あるいは読み方が原作と違っている。(例:原作「龍槌閃」→キネマ「龍
墜閃」、原作「
天翔龍閃」→キネマ「
天翔龍閃」
✗
神谷薫
剣術に人を活かす活心を見出せることを願う剣術小町。浪漫譚のヒロイン。
亡くなった父親が開いた流派”神谷活心流”の剣術道場の師範代で、現在は門下生もおらず一人で切り盛りしている。
悪徳商人の
武田観柳の策略によって撃剣興行の見世物にされ、その上道場と命が狙われていた所を剣心によって助けられる。
時代が変わっても剣術は人を活かす活人術であり続けることを願うが、剣心同様に幕末を生き、
剣の持つ”
真実”を知る鵜堂刃衛に、人斬り抜刀斎を呼び戻すための”
生贄”に選ばれてしまう。
剣心が未熟な面が強調された半面、本作の薫は弥彦や剣心に生き方を諭したりするなど相対的に成熟している。また原作では序盤辺りから剣心に対し恋慕の感情を抱いていたが本作ではその様な感情は特に無い。
また原作ではことあるごとに竹刀を振り回すなど暴力的な面が目立っていたが、昨今の
暴力ヒロインは嫌われる面を考慮して、
怒っても精々両手を上げる程度になったなど改善の面が多く見られる。
だが料理は相変わらず不味い。原作と違いその不味さを自覚は出来てるが、上達しようとしても弥彦に「無駄な努力!」、剣心には「珍味」と言われてしまう。
元々は東京府士族であったが、両親の死後浮浪児になり、今は観柳の下働きをしており薫の監視(及び薫が何かしたら酷い仕打ちを被る逆人質)役として送り込まれていた。
しかし何かと世話を焼いてくれる薫を内心慕っており、彼女を危険な撃剣興行から庇おうとしたために観柳からボロぞうきんの様に捨てられた所を剣心に救われる。
以後は神谷道場に居候として住み込んでおり、牛鍋屋の赤べこで顔見知りの燕と再会する。が、その燕の実家の困窮を観柳に利用され商談を持ち込まれる。
だが、燕を見捨てることも神谷道場が奪われることも良しとせず、毅然と観柳の商談を突っぱね、今まで碌に握ったことが無かった竹刀で辛くも観柳を打ち負かす。
最終回で正式に神谷活心流の住み込みの門下生となり、赤べこで働きながら燕には内緒で借金の返済に充てている。
原作ではとても10歳とは思えない程の強さを有していたが、流石に強すぎるという意見が目立ったために今作では下方修正され、銃火器を所有していない状態での観柳を何とか打ち負かす程度に終わる。
原作では両親への尊敬の念や東京府士族の誇りを持っていたが今作ではそういった感情は殆ど無く、
そもそも当初は剣術や強さに対してそれほどの憧憬も無く、本格的に剣術を始めたのも
最終回になってから。
実は作者の筆による漫画においてはじめて薫の料理を「不味い」と言った。
“万物必壊”の拳『
二重の極み』を奥の手として持つ喧嘩屋。神谷道場の略奪に失敗した観柳が抜刀斎討伐のために集めた裏社会の猛者の一人。
だが本人は道場の略奪も薫や弥彦にも眼中になく、ただひとえに嘗て幕末最強と呼ばれた剣心と拳を交えたいがために喧嘩を売りに来た。当初剣心は喧嘩を買う気は無かったが、力の置き所を見失っている左之助を収めるために喧嘩を買ってくれ交戦。
二重の極みで逆刃刀を砕こうとするものの、
飛天御剣流『相龍閃』で極み外しされてしまい、完敗。
以後剣心の頼みに応じる形で神谷道場の用心棒(という体の居候)として神谷道場に住み着く。
観柳がどうこうする前に蓄えが無くなって潰れそうである。
再度道場の略奪を目論んだ観柳が雇い入れた番神が喧嘩を売ってきたため交戦。当初は無敵鉄甲の前に
二重の極みが上手く決まらず苦戦を強いられたが、両手の
二重の極み”連ね撃ち”を以て強引に突破し、番神が自滅したため勝負アリ。
弥彦が受け取りを拒否した観柳の大金を喧嘩代として名目でちゃっかりと奪うといった”
悪党”っぷりを見せつける。
その後の調査で斎藤から何も言われなかったのか?
初登場の時点で
二重の極みを習得しており、更には原作では右手しか使えなかったが今作では左手でも使用可能と明らかにパワーアップしている。その反面斬馬刀はリストラされ斬左の異名も無い。
原作と違い剣心との喧嘩に負けてもそのまま喧嘩屋家業は続けているため、喧嘩屋廃業してから全く食い扶持稼がない原作よりかは少しだけ意味マシである。
赤報隊に関わるエピソードは尺の都合上少ししか触れておらず、原作同様に相楽総三を今でも心底尊敬しているが、
同時に総三が何処か普通とは違っていたことや、人を殺めたり等の黒い話を知っている上で尊敬しているなど原作程の妄信的ではない。
なお、両手に赤いナックルガードを付けており、
二重の極みの際にはこれを外す。作者曰く
仮面ライダー2号がモチーフとのこと。
✗
斎藤一
『
悪 即 斬』の正義を刀に刻む元・新選組三番隊組長。
己が絶対の正義
"悪 即 斬"と、極限にまで昇華させた左片手一本突刺『牙突』を武器に幕末の京都で人斬り抜刀斎と何度も刀を交えてきた
壬生狼。
明治になってからは警視庁警部補「藤田五郎」の名義で活動し、不良警官の体で観柳の下に潜入しその身辺を探っていた所、流浪人となった剣心に出会う。
逆刃刀という
中途半端な刀を携え血溜まりに戻る覚悟も無い剣心は、いずれ必ず取り返しのつかないコトになると警告する。
観柳に雇われた外印と交戦し、当初は外印から負け犬などと散々コケにされるが、
負け犬の遠吠えを見せつけ、
右片手一本突刺の一撃で外印を倒し捕縛。観柳逮捕のための証人として悪即斬は見送りとした。
事件が収拾した後、政府のお偉方一同の伝令として剣心に明治政府に帰還するよう促す。しかし剣心が再び血溜まりに戻らない決意を聞いて「阿呆が」と呟く。
原作での剣心の敵役のようで実は一番の理解者で戦友という立場はそのままで、原作とは違い、剣心が事件の度に周囲の人々への被害を防げない対応の悪さから「流浪人としても失格」と指摘しそのまま交戦することも無かったので、戦友としての繋がりがより強調された印象。
むしろあれほど望んでいた新時代に剣心が居場所を見出せなかった事に「だから青いと言ったんだ」と返したり、あくまで流浪人として生きる事を決めた剣心に「半端な覚悟ではその逆刃はいずれ自分自身を傷つけるぞ」と忠告したりと彼なりに心配している節も。
一方、幕末の回想場面では
天翔龍閃対牙突零式という原作では無かった夢の対決を披露している。
また原作では左之助から(一方的に)
ライバル視されていたが、今作は尺の都合上剣心以外のキャラとの直接の交流は無い。
原作当時は明治の警察制服の資料が無かったため即興のデザインだったが、今作はより史実に近くしてある。
なお、幕末時代は抜刀斎に煙草をスパスパ切られて青筋浮かべてブチギレるなど、剣心には散々「青い」と言いつつ自身も原作では見せなかった「青い」一面も見せている。
元武士現士族の家の一人娘。以前は弥彦の家とは隣人同士で昔から顔見知りの関係。
ただ父親の商売が上手く行かず、家計を支えるために牛鍋屋の赤べこに働きに出ている所を弥彦と再会する。
実は父親が莫大な借金を抱える羽目になり、本人が知らない所で借金のカタとして身売りの対象になってしまっている。そんな状況を利用した観柳は弥彦に対し商談を持ち出してくる。
それでも弥彦の奮闘のおかげで商談は破綻。本人は知らないがその後は父親の借金を弥彦が充ててくれている。
多かれ少なかれ原作との変化がある今作の登場人物の中で、比較的設定の変化が少ないキャラである。
✗
武田観柳
明治の時代にのさばる悪徳商人。血溜まりの黒幕。
自らを大商人と嘯く男だが、その実は戊辰・西南戦争を食い物にして成り上がった武器商人。
進出の拠点として大邸宅を構え時代遅れの道場を不釣り合いな近代兵器の隠れ蓑とするのを常套手段とし、道場を略奪する過程で剣客を見世物とする撃剣興行を行い、最後は自ら
回転式機関砲で大嫌いな剣客をいたぶる性悪。
神谷道場も略奪しようとするものの剣心の邪魔立てによって失敗に終わる。
賄賂で無罪放免を買った後も、裏社会の猛者達を金で集め剣心を葬ろうとしたり、三条家の困窮に付け込み弥彦に対し、道場の権利書類を持って来れば三条家の借金の三倍額で買い取る商談を持ちだしてくるなど、尚も神谷道場を略奪しようとする。
それでも弥彦との商談は破棄されたため器の大きさでもタイマン勝負でも子供の弥彦に負けてしまい、最終的には一味を含め逮捕される。
原作での最序盤で神谷道場を略奪しようとした
比留間兄弟に、弥彦を拾いスリを働かせていた田西、立場を利用し燕を強請っていた
いとうみきお長岡幹雄といった東京篇の多くの悪党のポジションを継承した形となっている。
ただ道場の略奪は
読み切りの時点で行っていたため、ある意味原点回帰とも言える。
また原作では阿片を売ってその金でやがては武器商人になろうとしていたが、今作では最初から武器商人であり阿片は売っておらず、そのため阿片を作らせていた恵とは関連は無く、御庭番衆も雇っていない。
実写版で彼を演じた香川照之氏の怪演に影響されたことで本作の観柳は原作以上にはっちゃけていたり、ただの悪人ではなく悪徳商人としての自負を持ち合わせていたりと、
一時は作者から存在を忘れられていたとは思えないほどに色々と個性が追加されたキャラとなる。そしてその傾向は
後の作品で更に顕著になる。
✗
鵜堂刃衛
剣の持つ
真実の下に生きる人斬り。血溜まりのラスボス。
嘗ては
新選組に属し組長格並に腕は立つが、危険過ぎるために隊列には組めず『
人斬り刃衛』の仇名が付けられ恐れられていた兇人。
幕末の京都で
人斬り抜刀斎と刀を交え両掌の刀で貫かれるものの本人はご満悦。
殺すか殺されるかの幕末を誰よりも何よりも愉しんでいたが、時代が泰平の明治になると自身が愉しんでいた殺し合いの時代は終わってしまった。ならばせめてもう一度、正と死を分かつ命を殺り取りを愉しみたいと所望する。
当初は観柳の下に集まった猛者の一人だが、一番手の左之助と剣心との闘いを見て剣心のままではもう人を殺さないと悟った後にニ~五番手を瞬殺して観柳の下から離反。そして
人斬り抜刀斎を呼び戻すために薫を”生贄”として選び、剣心と刀を交える。
浅黒い肌、獣のような鋭い爪と異形感が増しており、更には
抜刀斎に刺し貫かれた両掌に直接刀身をぶっ刺して闘ったり、
剣心の猛攻で両腕の骨が折れても「関節が一つ増えたようだ!」と喜ぶ
しかも途中から明らかに折れた腕が元に戻っているなど原作に比べ狂気も増す一方で、
殺すにも値しない者は素手で相手をしたり、自分なりに人斬りとしての命の価値を見出しているなど、原作以上に人斬りとしての美学や信念を持ち合わせている。
超能力じみているということで原作の心の一方はオミットされるが、同質同様の殺気を以て相手の動きを封じることは可能。
なお和月氏としては今作の刃衛は色々と計算ミスが目立つ結果になったと評しており「やはり刃衛は原作版が完璧で究極である」と締めくくっている。
黒子のような出達と髑髏の模様をあしらった覆面を身に纏った男。当初は観柳が集めた裏社会の猛者の一人だが、後に正式に雇われる形になる。
その正体は徳川時代に江戸城と将軍家を秘密裏に護っていた影の軍団『隠密御庭番衆』の一人”黒子”。現在は御庭番衆を抜けて自分の技量と技能を活かせる戦場と強敵を求めている。
だが、たとえ徳川側に付いていても戊辰戦争などの負け戦に参加することは真っ平御免とのこと。
観柳らと共に道場を襲撃し、始めは剣心と交戦したが、一刻も早く刃衛と薫の下に向かう必要がある剣心に変わり途中から斎藤と交戦。斎藤を官憲の犬だの負け犬だのと散々見下していたが、最終的には牙突の前に敗北。
左片手一本刺突「牙突」の一撃から生き延びることが出来たのも全ては自分の力量のお陰…と思いきや、実はそれがただの右片手一本刺突であったと判明。
斎藤が「官憲の犬」であったがために「悪 即 斬」は御預けにされ、観柳逮捕のための証人として生かしておく必要があっただけという惨めな結果で終わってしまい、顔芸しなから絶叫することになった。
覆面キャラだったためにその下は美形を期待していた読者が多かった中、作者の「
美形なら、わざわざ顔を隠す必要ねーだろ!」という
作者の私怨ことで素顔は醜悪なジジイであった原作では流石に反感が大きかったため、
今作では再筆版のまつ毛がグンバツな美形に変更された。
でもやっぱりヘタレだった。
また”死の芸術家”を自称しているが
屍人形と言った原作要素は無く、代わりに隠密御庭番衆の設定が付与されるなど、原作と今作で最も変わったキャラである。
結果として原作で対決した
蒼紫の立ち位置になっているのだが、戊辰戦争を「負け戦」と言う理由で参加しなかった事から分かるように、
内面は幕末時代、最後まで幕府側の勝利を諦めなかった蒼紫と真逆となっている。
ドレッドへアーと迷彩柄の恰好の筋骨隆々な男。外印同様、当初は観柳が集めた裏社会の猛者の一人だが後に正式に雇われる。
水銀を元に精製された液体金属『無敵鉄甲』を拳に塗ることで如何なる攻撃を通用しない”絶対不破”の拳を持つ。その間拳が固まって掌が使えない欠点もあるが、ぶん殴るには申し分無い。
観柳、外印と共に神谷道場を襲撃し、左之助の万物必壊の拳と自身の絶対不破の拳は”矛盾”しているため、白黒ハッキリさせるために左之助に喧嘩を売る。
当初は液体金属の特性を活かした無敵鉄鋼を用いて
二重の極みを無力化し、左之助を一方的にボコっていたが左之助の打たれ強さには効果が薄く、無敵鉄甲も
二重の極み”連ね撃ち”によって無理矢理突破されてしまう。
二重の極みを生身の部分に喰らったら流石にヤバイと思ったが、
無敵鉄甲を全身に浴びた”全身鉄甲”で第二幕の開始!…勿論全身が固まってしまい動けずに勝負アリ。
お前バカだろ
こちらは外印と違い原作との見た目の大きな差違はないが、原作ではガントレットだった無敵鉄甲が液体金属であるのは再筆版の設定を輸入したもの。
更に再筆版での全身鉄甲は「一定時間以内に中和剤を塗らないと液体金属が固まり、最終的に中毒死する」という設定もあり、
そのままの設定ならあの後死ぬことになるが、ギャグに近い描写のため死んではいないだろう。
ちなみに、原作における師匠に当たる辰巳も登場するのだが、
どう見ても番神とは赤の他人。
というか、闇乃武の立ち位置が原作と全然違うので巴との一件がどうなっているのか謎。
九頭龍閃
キネマ版における飛天御剣流奥義。
元々原作での「九頭龍閃」は当初、飛天御剣流奥義として考えていたが、後に天翔龍閃に差し替えられた経緯があり、今作ではその初期設定を採用した。
原作では奥義を会得するためには基本先代の命と引き換えに会得したり、人斬りとして迷いがあるのなら奥義の代わりに引導を渡されそうになったりしたが、今作では逆刃刀を所有していない時代に奥義を会得したのであろうが、剣心の口から剣の師匠は存命であると語られ、更には人斬り抜刀斎でも使用可能と、原作と今作では奥義の会得の流れが大きく異なっていると思われる。
✗その他
- 今作は原作とはパラレルの世界観であるが、今作の上巻には原作のるろ剣の第一幕の五日前の出来事である「第零幕」が掲載されている。
上記の剣心の項でも触れた「長年流浪の旅をしていた剣心がなぜ第一幕ですんなり旅を止めたのか」、その小さなきっかけを作ったとも言える話である。
後に令和版アニメでこの第零幕がアニメ化されることとなり、本筋は大きくは変わらないが執筆時に尺の都合で描けなかった一部キャラクターの一面を深掘りされるなどの改変も多い。なおアニメ化で第零幕を初めて知った層も多くおり、本作がアニオリエピソードと勘違いする人が続出した。
- 本作の連載中にジャンプSQでは八重の桜のコミカライズ版の連載が始まったが、本作への配慮からかドラマ版では登場している斎藤一がこのコミカライズ版では最終話まで登場しなった。
……最終話の時点でキネマ版は連載終わってたせいか、最終話では同作で登場していた高木時尾がその後斎藤一と結婚した事が明かされ、そのコマに時尾の側にいるのが背中を向けてたがどう見てもるろ剣の斎藤だった。
追記・修正は血溜まりの中でお願いします。
- この項目✗の芸が細かい -- 名無しさん (2018-11-04 20:13:13)
- エルダー先生可愛い -- 名無しさん (2018-11-05 20:49:34)
- 「一から何十冊も読むのはちょっと・・」って人におススメではある -- 名無しさん (2020-03-28 19:57:46)
- こっちのがエンバーミングとかガンブレイズウェストと世界観が繋がってそう。 -- 名無しさん (2024-08-31 08:19:08)
最終更新:2024年11月27日 22:04