ダイケンキ(ヒスイのすがた)

登録日:2022/02/12 Sat 00:19:36
更新日:2025/04/04 Fri 16:11:26
所要時間:約 4 分で読めます






非情なる気質と太刀筋を有す。怒涛の連撃は千重波の如し。ヒスイにて進化せし稀有なる姿。



本項では、ダイケンキのヒスイ地方におけるリージョンフォーム(ヒスイのすがた)を解説する。


■データ


全国図鑑No.503
分類:かんろくポケモン
英語名:Samurott
高さ:1.5m
重さ:58.2kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂87.5♀12.5

タイプ:みずあく
特性:げきりゅう(HPが1/3以下になると水タイプの技の威力が1.5倍になる)
隠れ特性:きれあじ(斬る技の威力が1.5倍になる)

HP:90
攻撃:108
防御:80
特攻:100
特防:65
素早さ:85
合計:528

努力値:特攻+3

ミジュマルがLV17でフタチマルに進化
フタチマルがヒスイ地方でLV36でヒスイダイケンキに進化。

■概要


イッシュ御三家のみずタイプ担当ミジュマルの最終進化形。
そんなダイケンキが『Pokémon LEGENDS アルセウス』の舞台たるヒスイ地方ではまさかのリージョンフォーム(ヒスイのすがた)を獲得した。

原種がみず単タイプだったが、ヒスイのすがたではあくタイプを獲得。ヒスイバクフーン共々単タイプを脱却した。
原種に比べ曲がりくねった貝の鎧、フランベルジュのようなアシガタナはいずれも黒色に染まり、禍々しい赤色の模様と、全体的に妖刀を構えたかのような妖しげな雰囲気は、例え厨二病でなくとも思わずかっこいいと思ってしまうことであろう。
色違いは原種に似ている。これは他のヒスイ御三家も同じ。
原種と比べ体重はかなり軽くなっており、それが能力傾向にも反映されてか、種族値は耐久を落とし、代わりに素早さが増加している。*1
その素早さは同作品における時空の歪みや大大大発生で登場した時の異常な接近速度で反映されており、非常に恐ろしい。続くsvでもフィールド上での異常な速さがお任せバトルで反映される形となっており、原種では何故か滅多にやらない野生のポケモンを切り裂くモーションもあってより怖さが強調されることになっている*2ヒスイ地方の調査隊はこんなのと格闘していたのか・・・。
原種よりもフィールドを素早く動いて敵を切り伏せるヒスイダイケンキは必見。

原種が侍らしく一刀で斬り伏せるのに対して、千重波にも例えられる連続斬りで斬り刻む荒々しさ。
アシガタナの構え方も原種が順手なのに対してこちらは逆手でアシガタナを構えている。
その千重波の秘剣は専用技『ひけん・ちえなみ』として使うことができる。

みず・あくタイプはシザリガーサメハダーゲッコウガといった先輩(ゲッコウガは後輩か?)がおり、
特にゲッコウガは同じ御三家かつ同じ和風モチーフ(こちらは侍、あちらは忍)という繋がりがある。
ただし本作では三種とも登場しないため、実質ダイケンキの固有タイプとなる。
同じヒスイ御三家のバクフーンにはみず・あく両方のタイプで抜群を取れるかわり、
ヒスイジュナイパーにはくさ・かくとう両方のタイプで抜群を取られてしまう。

バクフーン、ジュナイパーとことなり、ダイケンキはなぜヒスイ地方ではこうなったのかの考察は語られていない。
そもそもヒスイ御三家自体ラベン博士によって連れてこられた、本来ヒスイ地方に棲息していないポケモンたちである。
なお、バクフーンとこれまたことなり、ダイケンキ(とジュナイパー)は従来作ではそもそもシンオウ地方に連れていけない。
そのため、現在のシンオウ地方でもミジュマルを育てれば、この荒々しいダイケンキに成長する可能性はある。
『LEGENDS アルセウス』自体、ノボリの再登場やコピペロの補完としてのラブトロスの登場、
第五世代ポケモンのウォーグルドレディアゾロアークバスラオのリージョンフォームの登場など
かなり第五世代要素を強めており、「BWリメイクの伏線」とまで言われるほどである。今後のダイケンキに期待しよう。

■ゲームでのヒスイダイケンキ


御三家なので、モクロー・ヒノアラシと選択でミジュマルを入手できる。
モクロー・ヒノアラシを選択してもストーリークリア後にギンガ団研究所のラベン博士から一匹だけ貰える他、純白の凍土で時空の歪みに遭遇することでミジュマル・フタチマルと遭遇できる。
そのミジュマルを最終進化させるとダイケンキとなる。
原種と進化条件は全く一緒であり、普通にプレイしていればミジュマル選択のプレイヤーは最初に入手できるヒスイのすがたとなるだろう。
なお、ほかの作品では現時点で原種にしか進化できないので間違ってもヒスイの姿が欲しければ進化させるまでよそに出さないこと。

能力値は良くも悪くも平々凡々、しまいには物理技ばかり覚えるのに(ほぼ誤差とはいえ)特攻が高いと、みずタイプを普通にやってしまっている原種と比較して、
そこそこレベルの素早さと攻撃重視の能力となり、非常に噛み合っている。
反面耐久は脆い。『LEGENDS アルセウス』の早業・力業システムを上手く使えと言わんばかりの能力値傾向と言えよう。

あくタイプわざとして、先述の『ひけん・ちえなみ』(Ceaseless Edge)を習得できる。
これは攻撃後相手に闇のオーラを纏った貝殻が食い込みダメージを与え続ける、端的に言えばスリップダメージわざとなっている。
同じくダイケンキが習得できる『つじぎり』と比較して最終的なダメージは上回る代わり、一撃の重さではつじぎりがまさる。
どちらを習得するかで違う戦法が楽しめるであろう。なおわざエフェクトは一見の価値あり。

他にはみずタイプなので『アクアテール』、フェアリーへの打点としての『アイアンテール』『どくづき』、
かくとうへの打点として『サイコカッター』、くさへの打点として『つばめがえし』『シザークロス』『メガホーン』も習得可能。
とくこうも別に低くはないので『れいとうビーム』『ハイドロポンプ』も候補となるだろう。
一方で、元ミジュマル系統専用技だった『シェルブレード』は習得しない。
というより、『LEGENDS アルセウス』においてはミジュマル、フタチマルの習得技から『シェルブレード』が抜かれており、まさかのホタチ、アシガタナの使用技がみずタイプ以外のつばめがえし、シザークロス、ひけん・ちえなみだけという割り切りっぷりである。

本作では習得技もあり、苦手相手でもある程度ダメージを与えられ、得意相手にはスリップダメージも含め大ダメージを与えられるため、場面を選ばず出していける優秀なポケモンと言えよう。
ただしオヤブンは『はかいこうせん』だの『すてみタックル』だの『ギガインパクト』だのを平気で連発してくるため、その辺はヒスイバクフーンに比べるとやややりづらい。

総合的には(水御三家の例に漏れず)攻略において一番の安定択となる御三家と言える。

第9世代でもHOME解禁により、原種ともども参戦。
「ひけん・ちえなみ」は攻撃しながらまきびしを撒く技に変更され、先発適性が高くなった。
更に隠れ特性が原種でははっきり言って持ってても困る特性だった「シェルアーマー」から新特性「きれあじ」に変更。
本編に来た事で「シェルブレード」を返してもらった他、「せいなるつるぎ」「つじぎり」「きりさく」「れんぞくぎり」「つばめがえし」等斬る技に恵まれたヒスイダイケンキとはすこぶる相性がいい。
何気に特殊だが「エアスラッシュ」にも乗る。
また、ダイケンキが第9世代で得た数々の物理技はヒスイダイケンキも習得可能……と、総合的にかなり戦いやすいポケモンになったと言えるだろう。
そして同種族故原種が血の涙を流す事がほぼ確定してしまった
現にみずタイプやあくタイプの伝説ポケモンなどが出禁になったシーズンのシングルにおける使用率では一時期みず御三家使用率2位を記録した他*3、選出した構築を最終10位代まで押し上げている。
「アンコール」による妨害に加え、「ひけん・ちえなみ」や「シェルブレード」が強力になり、先制技も「アクアジェット」よりも強い「ふいうち」という選択肢ができたのも大きかっただろう。

最強のテラレイドバトルにも登場したが、めっちゃ鬼強い。まずその技。

  • タイプ一致➕テラスタイプ一致で重ねがけされた「シェルブレード」
  • まきびしをまくことで一度やられてから全回復するポケモンにダメージを与える「ひけん・ちえなみ」
  • こちらの防御バフを無視する「せいなるつるぎ」
  • 苦手なくさタイプを斬り殺すのに有効な「シザークロス」
  • 若干心許ない素早さを補う「じならし」
  • 攻撃力を上げる「つるぎのまい」(しかも最初に使用してくる)
  • 急所率を上げる「きあいだめ」(中盤)
そしてこれを特性「きれあじ」で大幅に補強してくる上に初手で「つるぎのまい」を使う関係で悠長にバフ・デバフを積む前に文字通り斬殺されてしまう。
また、やられながらデバフを与え、先々につなごうにもターン減少による早めのシールド展開や「ひけん・ちえなみ」によってばら撒かれた「まきびし」のせいでゲッコウガの「どくびし」よろしくダメージを受け、疲弊するばかりとなる。
そのため、対策としてはダメージと合わせて火力を削る能力、特に選択肢が限られる特性を変える能力が注目された。
この条件を満たす者としてウツボットが突如脚光を浴びることになった。序盤はくさタイプながらどく複合のため「シザークロス」で弱点を突かれず、「いえき」➕「クリアスモッグ」で凶悪すぎる火力を打ち消した後、「アシッドボム」➕「ギガドレイン」で攻めていくことができる。ハエトリソウなのに食しているのはラッコの侍という・・・
他のポケモンも急所対策の「シェルアーマー」に特性を消す「なやみのたね」に回復の「こうごうせい」に「てっぺき」➕「ボディプレス」コンボの5拍子の揃ったドダイトス、でんきタイプの領袖ハラバリーミライドンがいるが、防御の低さや「シザークロス」の関係上威嚇デバフなど味方のお膳立てがないと安定しないこともしばしばであった。

■余談

ヒスイジュナイパーがマタギ、ヒスイバクフーンがイタコと東北~北海道らしいモチーフとなっているが、ヒスイダイケンキも同様に五稜郭で最期まで戦い抜いた『土方歳三』がモチーフではないかと囁かれている。
五稜郭はシンオウでもヒスイでも無くてアルミア*4だけど。


追記・修正はヒスイの姿になってからお願いします。

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最終更新:2025年04月04日 16:11

*1 全くの余談だが、本作のリージョンフォーム、追加進化組は素早さが落ちている(良くて据え置きな)ポケモンが殆どであり、ダイケンキのように原種より素早くなる例は珍しい。

*2 では水上はどうかというと、今度は潜水艦のように泳いで移動し、敵を田楽刺しにするため、こちらはこちらで怖い

*3 何の因縁か、1位は同じアシカ仲間のアシレーヌである。こんなところでもお似合いとは・・・

*4 シンオウ(ヒスイ)と同じく北海道がモデルだが、アルミアは積丹半島〜函館、青森の上半分が舞台となっており、公式から明確に「シンオウの近くに存在する」と言われている。