ゾロアーク

登録日:2010/05/06 Thu 22:20:38
更新日:2025/04/19 Sat 16:25:24
所要時間:約 7 分で読めます






いっぺんに大勢の人を化かす力を持つ。幻の景色を見せて住処を守る。


ゾロアークとはポケットモンスターシリーズにブラック・ホワイトから登場したポケモン

■データ


全国図鑑No.571
分類:ばけぎつねポケモン
英語名:Zoroark
高さ:1.6m
重さ:81.1kg
タマゴグループ:陸上
性別比率:♂87.5♀12.5

タイプ:あく

特性:イリュージョン(場に出る時、パーティ最後尾のポケモンと外見、名前、鳴き声、入っているボールが同じ状態になって出てくる。攻撃を受けると元の姿に戻る)

種族値
HP:60
攻撃:105
防御:60
特攻:120
特防:60
素早さ:105
合計:510


努力値:特攻+2


■概要


赤と黒を基調としたキツネのような姿をしたポケモン。
頭からは黒交じりの赤い大きな鬣が伸びている。

仲間同士の結束が固く、自分たちを捕らえようとした人間を幻の景色に閉じ込め、懲らしめたと言われる。
何かに化けるだけでなく大勢の人間を化かす力も持ち、幻の景色を造り、群れと住処を守る。
ゾロアークを連れた孤独なトレーナーは幻を見せるように命じ、一人の寂しさを紛らわすという。


名前の由来はスペイン語で雄狐を意味する「ゾロ」+「悪」と思われる。

特徴はなんと言ってもその特性「イリュージョン」にある。
「へんしん」と違って見た目だけ他のポケモンに化けるため、ステータスやタイプ、技は変わらず、一度でも攻撃によるダメージを受けるとイリュージョンは解ける。
また、ゾロアーク以外の手持ちが瀕死の場合イリュージョンは発動しない。
一方でイリュージョン発動中は相手から見た場合、タイプ相性予測などの情報は全て化けた先のポケモンとして扱われる。
このため相手は化けたポケモンに有利な立ち回りを意識するがあまり結果的に隙を晒すこととなる。

ちなみにイリュージョン発動中は「へんしん」「かわりもの」が無効になるため、「かわりもの」メタモンはゾロアークがどんなポケモンに化けていても対面しただけでイリュージョンを見抜くことができる。
相手に変身できず攻撃する手段を得られないため交代を余儀なくされるが、情報戦ではアドバンテージを得られる。


2010年、BWの発売に先駆けて劇場版『幻影の覇者 ゾロアーク』の看板ポケモンとして登場。
♀のゾロアーク(CV:朴ロ美)とそれを母親のように慕う♂のゾロア(CV:間宮くるみ)という組み合わせで登場し、
ゾロアはヒカリサトシピカチュウに化け、ゾロアークはエンテイ・ライコウ・スイクンに化けて暴れたりしたほか、サトシのピカチュウにも化けた。
テレパシー能力で人間と話したりも可能で、悪役のコーダイにまさかの 「幻影だ」 をかましたりもした。
ラストやはり感動である。イイハナシダナー

また、この映画の予告編でサトシに化けた姿が微妙にワルっぽい感じだった為か、
「バトルピラミッドに続く公式闇サトシキター!\――(゜∀゜)――/」と話題になったとか。


■ゲームでのゾロアーク


BWではNが最終決戦にて使用。
Nの手持ちの「あるポケモン」にイリュージョンで化けて出てくる為、初見でまんまとやられたプレイヤーはさぞかし多い…と思いきや、
ぶっちゃけイリュージョンを効果的に使っているとは言い難い戦法の為、ゾロアークと気付かずそのまま倒してしまった人が結構いる。
通常プレイでは入手不可能なレアポケだが、♂87.5% : ♀12.5%と性別がある為、ウルガモス同様タマゴが作れる。

映画『幻影の覇者 ゾロアーク』の前売り券で手に入った色違いのエンテイスイクンライコウのいずれかを手持ちに加え、ブラックorホワイトの迷いの森の最奥部に停車しているトレーラーハウスに行くことで会うことができる。
鳴き声は『こきゅきゅきゅきゅーんっ!!
レベルは25。性別は♀固定。

進化前のゾロアはスクリーンの通信で受け取ったセレビィを手持ちに加え、ヒウンシティのゲームフリークにいる無口な少年に話しかけると正体を明かし、手に入る。
この際、手持ちに空きを作り、ボールを用意しておくこと。

BW発売前の雑誌等では新わざのつめとぎ、イカサマ等を覚えるとして発表されていた。


前作が配信限定だったためか、BW2では物語中盤にて元プラズマ団の茶色の人ことロットからNのゾロアが手に入る
Nのポケモンのため個体値6U。さらに性格も「せっかち(素早さ↑防御↓)」と普通に実戦レベルである。
攻略に使うと楽になる…のだが、これほどの逸材なので努力値は振っときたいのが人情。
更に殿堂入りまでは強力な技が覚えにくいこともあって、それなりの苦労をすることにはなる。
しかし、見事育て上げればポケモンリーグはゾロアークだけで殆ど制することもできてしまう。
なお、これ以外にBW2ではエンディング後に、チャンピオンロードでNの城に案内してくれる(というより道をふさいでいるのを通してくれる)別の個体が登場。
この個体は途中までは後を追えるのだが何故か最後の方まで進むと入り口に戻っており、以後初期地点で二度と動かない状態でNが撃破されるまで待機している*1
バグなのだろうが、なぜ素直にNの部屋でゾロアークが待機しているとかにしなかったのか謎。

XYではポケモンの村に野生として登場する。

Pokémon LEGENDS アルセウスではヒスイ地方のリージョンフォームがゾロア、ゾロアーク共に登場している。詳しくは項目で。


■対戦でのゾロアーク


紙耐久の両刀アタッカー。

タイプ一致技の「ナイトバースト」は「あくのはどう」を上回る威力85に加え、40%の確率で相手の命中率を下げる。
元は専用技だったが、サン・ムーンでは禁止級であるルナアーラにも解禁された。
しかし、
  • 「イリュージョン」が発動しても「ナイトバースト」を使った時点で正体がバレてしまう
  • 「あくのはどう」が命中率100なのに対し、「ナイトバースト」は命中率95と微妙に外れる可能性がある
  • 相手に先制できれば「ナイトバースト」の命中率低下よりも「あくのはどう」の怯み効果の方が勝ち筋を残しやすい
等の理由で「あくのはどう」を優先するのも手。

サブウェポンは「かえんほうしゃ」「きあいだま」「くさむすび」「めざめるパワー」等。
汎用性が高く4倍弱点も狙いやすい技が多いため、特性を活かして目当ての相手の隙を突きたい所。
特に優秀な耐性から受けに来ることが多いハッサムナットレイを狩れるのは嬉しい。
めざパのタイプはドラゴンランドロスに強いが安定か。

物理技もタイプ一致の先制技「ふいうち」、反射技「カウンター」、重い相手に有効な「けたぐり」と強力。
交代技「とんぼがえり」は潰しや半減の他にノーダメージで「イリュージョン」を再発動する布石にもなる。
特殊一本にするのもいいが、「いのちのたま」を持たせた両刀型も選択肢に入る。

補助技も奇襲性の高い「トリック」、サポート型に強い「ちょうはつ」、
積みアタッカーの起点を作る「おきみやげ」等、強力なものが多い。

変わったところでは「ねらいのまと」を持たせてエスパー無効耐性を自ら消すことで、ゾロアークだと悟られにくくすることに特化した型もある。当然それだけだと弱いため「トリック」とセットで使われる。

特性のイリュージョンが他の悪タイプポケモンとの最大の差別化要素であるが、これがかなり難しい。
最大の問題点は見せ合い3vs3ではゾロアークだと見破られた時点で3匹の内2匹が自動的にバレてしまうこと。
下手をすると自分の方が損をしてしまう。とんぼがえり持ちには特に注意。効果抜群・正体判別・逃げられるの3連コンボをくらってしまう。
あえて選出せず、相手に「ゾロアークかもしれない」と思わせるブラフ戦術もあり、その方が得なことも多い。

いかく」「すなおこし」「かたやぶり」等、場に出た時点でメッセージに表示される特性が主流のポケモンとも相性が悪い。
これらは現在のレートで主流の強特性でもあり、イリュージョンを活用しようと思うほどパーティ構築に大きな制限がかかる。

またゾロアーク自体が紙耐久なせいで火力インフレの進んだ現環境だと半減でも厳しく、そもそも悪単タイプなので半減できるタイプも少ない。
第6世代からの耐性が弱体化し、霊半減が貴重になったのがせめてもの救いか。

ゾロアークを使うなら毒タイプやフェアリータイプ等ゾロアークの弱点に耐性を持つポケモンと組みたい所。
ゲンガーギルガルドミミッキュリザードンウルガモスクロバット等は複合タイプでより強力な耐性を持つ。
メンバー次第でメガシンカや「キングシールド」等、「イリュージョン」以外にも相手を撹乱できる要素を増やせるのも面白いかもしれない。

ちなみにレベルまではコピーすることができない。
あまりないケースだが、レベル1「がんじょう」使い等とも相性が悪い。

このように、アニメでの知名度の割に悪タイプどころか全ポケモンで見ても運用難易度が高い超上級者向けのポケモンである。
だが、単体としてのスペックはガブ超えの素早さやそれなりに高い攻撃面、上記のように豊富かつ広範囲なサブウェポンと優秀な部類。
案外普通のアタッカーとして活躍できる部類ではあるが、ゾロアークというポケモンは最大の特徴であるイリュージョンを十全に扱えるようになってこそ。
存在自体が相手の牽制になるポケモンなので、使いこなせる自信があるならご一考を。

第七世代ではフェアリーが増えたものの、元から扱いが難しいことに加え、
見せ合いで相手を牽制したり対面で相手に読み合いを迫ったりすることで行動機会を確保しやすいため、
他のあくタイプに比べれば立場の変化が少ないポケモンであると言える。
しかしZワザを使うとイリュージョンが解けてしまう点、今世代から追加された相手のパーティーの確認画面により状態異常でゾロアークかどうかがバレやすくなった点等システム面で徹底的な逆風が吹いているので注意。

北米版のORASでは特別に「ヘドロばくだん」を覚えたゾロアークが配信された(わざマシンでは覚えない)。
フェアリー対策になるほか、ゲンガーマタドガス等特殊型の毒ポケモンに化けた時にバレにくくなる。
レベルは50で「かえんほうしゃ」「あくのはどう」「ふいうち」も習得しており、ハイパーボール入り。
上述の通り「イリュージョン」はボールもコピーするので、ハイパーボールで統一する必要はない。

なお、ヘドロばくだんは剣盾以降、技マシンなどで習得できるようになった。


■ゾロア


全国図鑑No.570
分類:わるぎつねポケモン
英語名:Zorua
高さ:0.7m
重さ:12.5kg

種族値
HP:40
攻撃:65
防御:40
特攻:80
特防:40
素早さ:65
合計:330

努力値:特攻+1


進化前。実はリオルと違いベイビィポケモンではないのでメタモンとタマゴが作れる。
「イリュージョン」+「しんかのきせき」という唯一無二の組み合わせが個性となる。
Wイリュージョンという戦略も可能となる。

と言っても元々の耐久力が低いため、特化でも大抵の攻撃2発で沈む。
一応、「ようき」鉢巻ガブリアスの「げきりん」程度ならギリギリ確定で耐えられる。
「イカサマ」「カウンター」で打点を補えるため、安心して耐久面に努力値を振れる。
変化技としては「いばる」「ちょうはつ」「どくどく」等。
「ナイトバースト」による命中率低下も地味に効いてくる。

リトルバトルでは「かえんほうしゃ」「きあいだま」を覚えないのが難点。
普通に攻める分にも辛いが、「イリュージョン」で裏をかく意義が激減したのも悲しい。


■アニメでのゾロアーク一族


ベストウイッシュ第38話「ゾロア・ザ・ムービー! ポケモンナイトの伝説!!」にて、
映画監督を目指す少年ルークのパートナーとして♀のゾロア(CV:たかはし智秋)が登場。
町の映画館で、上映している映画のヒロインの姿に化けて映画を見ていた。
そこで映画館の手伝いに来ていたルークと出会い、映画が好きなこと、そしてそのイリュージョンの能力を買われ、
彼の自主作成映画『ポケモンナイトの伝説』の主演女優に大抜擢される。

ノリノリで変身して撮影に応じていたが、海賊やポケモンナイトを演じるシーンで急に機嫌を損ねてしまい、逃げ出してしまった。
そこでサトシ達と出会い、デントの「このゾロアは女の子。女の子の役だけをやりたかったのではないか?」という推理が的中。
サトシ達が映画製作に協力を申し出たことで、気持ちよくヒロイン役に専念できることに。

続くドンバトルではラングレー(の容姿?)が気に入ったようで、彼女をアイリスと共にからかったりベルを巻いたりする為に度々彼女に化けた。


■漫画でのゾロアーク一族


進化前のゾロアがNのトモダチとして登場。
少年に化けたりポカブに化けたりしていた。

初登場はやっぱり進化前のゾロア。
主人公(笑)リョウガよりも明らかに主人公らしいライバルのハリルがBURSTするポケモン。
ついこの間、ゾロアークに進化した。

ポケモンユナイトでのゾロアーク


2022年10月27日にプレイアブル参戦。
当時はかそうパーティスタイルとのセット販売でしか購入できなかった。
原作では物理よりも特殊方面に優れていたが、今作では打撃による近接攻撃を主体としたスピード型で、技とその特殊な仕様を活かした連続攻撃を得意とする。
レベル5で進化すると同時に習得が可能となる「つじぎり」は通常の移動がダッシュ攻撃に変わり、相手ポケモンに命中すると通常攻撃が特殊強化攻撃に変化する。この特殊強化攻撃を命中させれば再度ダッシュ攻撃が使えるようになり、命中さえすればダッシュ攻撃→特殊強化攻撃→ダッシュ攻撃→(ryと繰り返し使用できる。当てるたびに専用のゲージがたまっていくが、これが満タンになることで飛び上がり攻撃が使えるようになり、この攻撃が大ダメージなうえにHP回復効果も付いているという至れり尽くせりな性能なため、つじぎりを使う上では確実に成功させたいところ。なおダッシュ攻撃の後に特殊強化攻撃を命中させずに通常の移動をすると効果が途切れてしまうため、落ち着いて入力していきたい。
ゾロアークを象徴する特性「イリュージョン」だが、原作では味方ポケモンに化けていたのに対し、こちらは敵チームまたは野生ポケモンにランダムで変身する仕様となっている。敵チームの味方に成りすまして欺くのが本来の使い方だが、発動時に一瞬無敵状態に入るため、相手の技を避ける目的で使用してみてもいいかもしれない。
ユナイトわざは自身を中心とした範囲内の相手ポケモンにダメージを与える「ナイトフォールバースト」。

■『ポケモンGO』でのゾロアーク


2022年10月より登場。
ゾロアはメタモン同様に出現時に他のポケモンに化けている仕様だが、あちらと違いプレイヤーの設定している相棒ポケモンと同じ姿でフィールドに現れるのが特徴。

現在の野生ポケモンの出現テーブルをガン無視して相棒ポケモンの姿になるため、いきなり伝説のポケモンの姿でひょっこりフィールドに現れるなどの違和感バリバリの現象が発生する上に、
色違いやシャドウ、リトレーン済のライトのエフェクトなど、普通は野生個体には付かない相棒ポケモン専用のフィールド上での情報まで律儀に再現するため、
こういった特徴を持つポケモンを相棒に設定していると、メタモンとは逆に捕まえる前から一目でゾロアだとバレる。
ある意味可愛らしくもある。



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最終更新:2025年04月19日 16:25

*1 この為何らかの方法で主人公が外に出てしまうとこのゾロアークのせいでNの城に戻るすべがなくなり、Nを撃破できなくなるのでこの先のイベントがすべて詰む。