絶望神サガ

登録日:2023/02/25 Sat 23:59:03
更新日:2025/01/17 Fri 17:52:48
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2023年上半期の主役にしてラスボス 3ターンキル DM DM22-EX2 どうあがいても絶望 どうしてこうなった ぶっ壊れ ぼくのかんがえたさいきょうのクリーチャー みんなのトラウマ やべーやつ インフレ インフレの極致 ウンチホープとはえらい違い オリジン クソゲーの押し付け合い ゴッド サガ サガマスターズ ソリティア チート チーム零カラー デュエマ デュエマ史上最も騒がれた一枚 デュエル・マスターズ バランスブレイカー ボルバルの再来 ループ 偽りの神 単体ゴッド 即死コンボ 多色 多色クリーチャー 実質エクストラウィン 対話拒否 強い方の絶望神 最強 殿堂入り 殿堂入り最速記録更新 水/闇文明 水文明 水文明のクリーチャー 絶望 絶望神 絶望神サガ 賛否両論 逆アンチホープ 過ちは繰り返される 闇文明 闇文明のクリーチャー 黒歴史




オリジンが塗り替えた歴史において、五龍神同様に厄介な存在はゴッドであった。

彼らは自分たちのルーツでもある「サガ」をゴッドとすることで、

かろうじて自分たちが世界創世の正統な後継者であるように偽っていたのだった。

ミスティ・レポート 第七章『偽りの神について』より



絶望神サガ》とは、TCGデュエル・マスターズ」のクリーチャー。
DM22-EX2「ヒーローズ・ダークサイド・パック 闇のキリフダたち」に収録されたレインボーゴッド/オリジンである。


解説


絶望神サガ R 水/闇文明 (3)
クリーチャー:ゴッド/オリジン 3000
このクリーチャーが出た時、または自分のターンのはじめに、カードを1枚引き、自分の手札を1枚捨てる。その後、自分の墓地にクリーチャーが3体以上あれば、コスト5以下のゴッドまたはコスト5以下のオリジンを1体、自分の墓地から出してもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。

あの《創造神サガ》の派生クリーチャー。
cipとターン開始時に手札交換を行い、条件次第でコスト5以下のゴッドorオリジンの蘇生も追加で発動できる。

3マナというお手軽さで手札交換を行える優秀なシステムクリーチャーであり、一度召喚すれば毎ターン手札の質と墓地を高められる。
更にクリーチャー3体が墓地に貯まると、手札交換の後でコスト5以下のゴッドかオリジンを踏み倒すことができる。

ゴッドと言えばG・リンクによって強力無比な能力を発揮するクリーチャーが多い一方で、リンクさせるために特定のクリーチャー2~3体を並べなければならないハードルからなかなか決めにくいギミックだった。
しかしサガがいれば、手札にダブついたゴッドを墓地に落としつつコストによっては召喚するより早く場に出し、G・リンクを早期に成立させる事が出来る。
ただ、こちらの効果は発動するともれなくサガが自壊してしまうデメリット付きのため、手札交換と異なり毎ターンの使用は出来なくなっている。

コスト5以下のゴッドやオリジンには優秀なクリーチャーも多く、自壊のデメリットを考慮してもなおゴッド及びオリジンデッキの救世主となる優良カードに仕上がっている。


相性の良いカード


  • 邪道神キキ》&《外道神カイカイ
奇々怪々でお馴染みの悪童ゴッド。
両方ともコスト5である事からサガによる踏み倒しに対応しており、色も合っているので同じデッキに組みやすい。
リンク状態では自分がカードを引いた時にその数だけ相手の手札をハンデスする効果が発揮されるため、サガと並べれば毎ターンの手札交換によって相手の手札を確実に削いでいくコンボが決められる。

ゴッド・ノヴァOMG化したゼンアク。
本家は両方ともコスト7なのでサガでは対応していないが、極限の方なら2体ともコスト4のためサガから踏み倒せる。
リンクが成功すれば、漏れなく派生元の《創造神サガ》や《破壊神サガ》にも繋げられる。

右神の《龍神メタル》と本家《破壊神デス》には対応していないものの、最も強力な《龍神ヘヴィ》及びデスのリメイクである《暗黒破壊神デス・フェニックス》を蘇生させる事ができる。
特に暗黒破壊神の方は墓地進化Vによって召喚される上に、メテオバーンでヘヴィ及びメタルを墓地から蘇生できるため、手札交換しながら墓地肥やしもできるサガとの相性は良好。

縦横2枚の4枚で構成される4体神。
なんとアージュ以外の全員に対応しており、自身の色的にも水闇神帝と闇単神帝の両方に対応している。
他にも墓地肥やしを重ねる事で、墓地にあるゴッドの数だけパワーが上がるスヴァのパンプアップにも貢献できる。

G・リンクの中でも屈指のハードルを誇る事でお馴染みの六体神。
しかしサガの手に掛かればアトムとプロトン以外の四体神を蘇生可能であり、G・リンクが格段に成立しやすくなる。
手札交換にエレクトロンが反応し、山札から2枚引いて2枚捨てられるのも嬉しい。




















ここで終われば優秀なゴッドとオリジンのサポートで済んだのだが…


サガループ


デュエマのプレイヤーなら…TCGに触れた事がある人なら既に気付いているかもしれないが、効果テキストを今一度読んでほしい。

コスト5以下のゴッドまたはコスト5以下のオリジンを1体、自分の墓地から出してもよい。

サガのコストは3で、その種族はゴッドとオリジンサガ自身がリアニメイトの対象に入っている
こういった能力の場合、「《絶望神サガ》以外の」という指定が普通ならば入っているが、サガにはそれがないため、これは《絶望神サガ》から《絶望神サガ》への踏み倒しが可能という事を意味する。

加えて、

そうしたら、このクリーチャーを破壊する。

サガはこの効果によって自壊し墓地に行く。前述の通り、墓地にあるサガは《絶望神サガ》の蘇生対象となる。

もし、サガの効果によって墓地にある別の《絶望神サガ》を蘇生した場合、効果が解決し終わった段階で効果を使い切ったサガが墓地にあり、バトルゾーンには今しがた蘇生して出た時効果の誘発を待機している《絶望神サガ》。

つまりは…

1.墓地にクリーチャーが2体以上いる状態で《絶望神サガ》Aの誘発効果を発動する。
2.手札交換によって、墓地に2枚目の《絶望神サガ》があるなら適当なクリーチャーを、ないなら手札の《絶望神サガ》を捨てる。
3.墓地の《絶望神サガ》Bを蘇生させた後、場の《絶望神サガ》Aが自壊する。
4.場に出た《絶望神サガ》Bのcipが発動し、手札交換しながら墓地の《絶望神サガ》Aを蘇生させて自壊する。
5.場に出た《絶望神サガ》Aのcipが発動し、手札交換しながら墓地の《絶望神サガ》Bを蘇生させて自壊する。
6.以下、4と5を繰り返す。

という一連のループにより、デッキが尽きるまで延々と墓地を肥やす事が可能となっている。
デュエマに限らずTCGにおいて墓地は貴重なリソースであり、墓地にカードを重ねていく事で強力な効果や様々なコンボを決められるようになっている。
それをこのカードは、必要枚数2枚という緩すぎる条件わずか3ターン目から始動可能という早すぎる展開スピードによって、無限墓地肥やしという絶大なアドバンテージを稼いでくれる。

詳細なやり方は後述するが、このループを活用する事によって3ターンキルも容易に実現できてしまう。

ループ系のデッキは基本的に必要カードが複数種に渡る上に手順も複雑で、歴代屈指の規制スピードで界隈をザワつかせたかの【ヨミジループ】もループに入るためには3種類のカードを必要としていた。
それを考えるならば、たった1種類のカードを2枚組み合わせただけでここまでお手軽にループを構築できるサガは極めて異例。
あまりにも異常すぎるその性能から、発表当初はユーザーからエラッタやテキストミスが疑われたりした(後述)。

そんな本カードは登場からわずか半年で数多くの大会で大暴れ。CSベスト4に3人残るのは当たり前で、CSベスト4独占も何回かあった。そして散々悪用された結果として、2023年8月11日付で殿堂入りを果たす事になった。
殿堂入りまでに要した日数は174日。これは実質的な*1デュエルマスターズ史上最速の規制である。そしてこれでも遅すぎたという声は少なくない。
世に出てから規制されるまでの約半年間環境に甚大な影響を与え続けた、デュエマ史上トップクラスにぶっ壊れたカードの1枚である。


ループで使用されるカード


絶望神サガ

絶望神サガ R 水/闇文明 (3)
クリーチャー:ゴッド/オリジン 3000
このクリーチャーが出た時、または自分のターンのはじめに、カードを1枚引き、自分の手札を1枚捨てる。その後、自分の墓地にクリーチャーが3体以上あれば、コスト5以下のゴッドまたはコスト5以下のオリジンを1体、自分の墓地から出してもよい。そうしたら、このクリーチャーを破壊する。

周辺パーツの前にまず《サガ》本体の性能を再確認。

同名2枚でループするこのカードだが、そのループが発生するのは最速で3ターン目。2023年のデュエマではその後一切の反撃を許さずに勝つことも難しくなく、最速3ターンという数字はそのまま最速3キルを意味する。
サガループに入る=勝ちであり、サガデッキはサガループに入ることを最終目標に試合を進める。

ループ以外の点に着目すると、《サガ》は素で手札交換能力を持っており、3コストと軽いこともあり自身が2枚目の《サガ》を探す潤滑油として機能する。
《サガ》2枚が揃っていなくともトップに賭けて召喚できる他、毎ターン開始時にも使えるため3コスト払ってポン置きしても十分な働きを見せる。

そして無視できないのがコスト5以下のオリジン及びゴッドの蘇生。この蘇生範囲には《サガ》以外にも強力なカードが存在しており、そちらの踏み倒しとしても優秀。
詳しくは後述するが踏み倒し札としての役割を持ったことで《サガ》はループパーツの枠を超えた活躍をすることになる。

ループ前の準備

氷牙レオポル・ディーネ公 C 水文明 (4)
クリーチャー:サイバー・ウイルス/ナイト 2000
自分が呪文を唱えた時、カードを1枚引いてもよい。
エマージェンシー・タイフーン C 水文明 (2)
呪文
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
カードを2枚まで引く。その後、自分の手札を1枚捨てる。

龍装者“JET”レミング UC 火文明 (3)
クリーチャー:ドラゴンギルド/ビートジョッキー 2000+
自分の手札を捨てた時、このターン、このクリーチャーのパワーを+4000し、「W・ブレイカー」を与える。(「W・ブレイカー」を持つクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
ローレンツ・タイフーン UC 水文明 (2)
呪文
カードを2枚引く。その後、自分の手札を1枚捨てる。

サガループの条件である①サガ2枚②墓地にクリーチャー2体を同時にサポートするカード。
いずれも2マナで手札交換が行えるツインパクトカード。クリーチャーを捨てればこのカード自身と合わせて墓地にクリーチャーが2枚揃う。
そのため、2ターン目にこれらのカードで手札交換、3ターン目に《サガ》召喚でループに入る3キルムーブがサガの黄金戦術。相手の墓地リセットに対しても5マナ以上あれば《エマタイ》+《サガ》で墓地0から即座にループ突入も可能。

これらの呪文はあくまでただの手札交換でしかなく、どれだけ打っても手札の枚数は減らないし、なんなら打てば打つほど手札の質は良くなる
この手札の質に裏付けられた対応力の高さによりサガは3キルデッキながらむしろ長期戦をこそ支配した。

サガの両腕

蒼狼の大王 イザナギテラス P(VR) 水文明 (4)
クリーチャー:ナイト/オリジン/ポセイディア・ドラゴン 3000
ブロッカー
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から5枚を見る。その中から1枚を手札に加え、残りを好きな順序で山札の下に置く。その後、コスト3以下の呪文を1枚、自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。

冥界の不死帝 ブルース P 闇文明 (2)
クリーチャー:アウトレイジMAX 13000
T・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを3枚ブレイクする)
自分の墓地にあるカードが13枚より少なければ、このクリーチャーは攻撃できない。
自分のターンの終わりに、自分の山札の上から1枚目を墓地に置いてもよい。
「迷いはない。俺の成すことは決まった」 P 闇文明 (3)
呪文
S・トリガー
コスト3以下のクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。

《サガ》の右腕と左腕と称しても過言ではないほどサガデッキを支える重要な2枚。

蒼狼の大王 イザナギテラス》は《サガ》から変換可能な4コストのオリジンで、cipで手札補充をしながら3コスト以下の呪文を踏み倒すことができる。チャージャー呪文でアンタップマナ生成、除去呪文でメタクリ突破、展開呪文でループ補佐…など手札消費を抑えながら多彩な仕事を行えるとても器用なカード。
《サガ》からの蘇生範囲にこのクリーチャーが存在したため、《サガ》は2枚揃ったら勝つ強力なフィニッシャーでありながら1枚でも初動や除去、妨害やブロッカー展開などを兼ねる多機能カードとして働いた。

冥界の不死帝 ブルース/「迷いはない。俺の成すことは決まった」》は下面の呪文が重要で、その下面はサガを蘇生することができるS・トリガー呪文。
当然トリガーで踏ませて墓地に《サガ》含むクリーチャーが2体以上いればそのまま相手ターン中にサガループに突入することができる。
そしてこの呪文は3コスト。つまり《イザナギ》から唱えられる。これにより《サガ》⇒《イザナギ》、《イザナギ》⇒《迷いはない》、《迷いはない》⇒《サガ》とお互いを踏み倒し合う関係が発生する。先述した《サガ》の多機能性はこの相互踏み倒しにより他の2枚にも拡張され、サガデッキの強固さに繋がった。

特に《サガ》から蘇生した《イザナギ》で《迷いはない》を唱えると《サガ》を蘇生してサガループに帰還できることは重要。
例えば公開領域に2枚目の《サガ》がまだ存在しない段階でも《サガ》→《イザナギ》→《迷いはない》→《サガ》とつなげることでデッキの上から7枚を確認でき、その中に2枚目の《サガ》が存在すればそのままループに突入可能。《サガ》が2枚揃っている段階でもこの動きでデッキボトムを固定でき、また相手ターンのループではこの動きで盤面にブロッカーの《イザナギ》を並べ、半端な攻めなら受けきることが可能である。
《イザナギテラス》については個別項目も参照。

フィニッシュ手段

環境で活躍した【サガループ】には、大きく分けて初期から存在した【DOOM型】と中期から頭角を現した【ダンタル型】の2種類が存在した。

1.DOOM型

超神星DOOM・ドラゲリオン SR 闇文明 (12)
進化クリーチャー:フェニックス/デーモン・コマンド/ドラゴン・ゾンビ 12000
このクリーチャーの進化元クリーチャー1体につき、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
超無限墓地進化:クリーチャーを1体以上自分の墓地から選び、このクリーチャーをその上に重ねつつ出す。
T・ブレイカー
メテオバーン:このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚、墓地に置いてもよい。そうしたら、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、その選んだクリーチャーのパワーを-9000する。その後、進化ではないクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。

超神星DOOM・ドラゲリオン》は《超神星DEATH・ドラゲリオン》の転生版で、攻撃時に墓地から進化以外の好きなクリーチャーを踏み倒せる超大型クリーチャー。額面コストは12と重いものの、墓地から進化元として重ねたクリーチャーの数分軽減されるため、デッキのほぼすべてを墓地送りにしたサガループ後の状態では僅か1マナで召喚可能。
ループの締めとして《黙示賢者ソルハバキ》を出す、または《イザナギテラス》で闇のチャージャー呪文を唱えることで闇の1マナを生成、《DOOM》から以下のクリーチャーを踏み倒すことでフィニッシュする。

1.1シャコガイル+イワシン型
水上第九院 シャコガイル SR 水文明 (9)
クリーチャー:ムートピア 13000
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分の墓地にあるカードをすべて山札に加え、シャッフルする。
相手のターンのはじめに、カードを5枚引き、その後、自分の手札を3枚捨てる。
自分の山札の最後の1枚を引く時、ゲームに負けるかわりに勝つ。

一なる部隊 イワシン UC 水文明 (2)
クリーチャー:ムートピア 1000
このクリーチャーがどこからでも墓地に置かれた時、カードを1枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を1枚捨てる。

《サガ》が公開されてから最初に考案されたタイプのデッキ。
サガループでデッキを1枚にした後《DOOM》を召喚、《DOOM》の攻撃時のメテオバーンで《イワシン》を落としつつ《シャコガイル》を蘇生する。
すると《シャコガイル》の墓地リセットと《イワシン》の手札交換が同時に待機するので、後者を先に処理して山札を引き切ってEXWinとなる。

シールドに1枚も干渉せずに特殊勝利が成立する、S・トリガーが全く通用しない恐ろしいコンボのためDOOM型の中でも採用率は高め。
しかし23年3月殿堂で《イワシン》が殿堂入りしたことで盾落ちのリスクが高まり、フィニッシュ手段をこれ1本に頼ることは危険になった。

1.2Vol-Val-8
禁断 Vol-Val-8 KGM 水/火/自然文明 (9)
クリーチャー:ディスペクター/アーマード・ドラゴン/アース・ドラゴン/禁断 54321
EXライフ
スピードアタッカー
T・ブレイカー
ジャストダイバー(このクリーチャーが出た時、次の自分のターンのはじめまで、このクリーチャーは相手に選ばれず攻撃されない)
このクリーチャーが攻撃する時、自分の山札の上から5枚を見て、その中から2枚まで手札に加える。残りを好きな順序で山札の下に置く。その後、パワー6000以下のクリーチャーをすべて破壊してもよい。
自分のターンの終わりに、このターン、クリーチャーが4体以上破壊されていれば、このターンの後に自分のターンを追加する。

サガループの過程で破壊カウントが大量に貯まることを活かし、《Vol-Val-8》で追加ターンを取って殴る型。追加ターン+ジャストダイバーでそこそこのトリガーはケアできるとはいえ、相手のシールドに真正面から付き合っているのでループ後の勝ち手段としては比較的不安定。
それでも「《DOOM》以外のフィニッシュパーツが1枚でいい」という利点を生かし、特に《イワシン》殿堂後はシャコガイル型に盾落ちケアのサブフィニッシャーとして採用されている場合もある。

2.ダンタル型

蝕王の晩餐 R 闇文明 (3)
呪文
自分のクリーチャーを1体破壊する。その後、それよりコストが1大きいクリーチャーを1体、自分の墓地から出す。

この型がフィニッシュ手段に使うのは《蝕王の晩餐(ショッキング・ダンタル)》。自分のクリーチャーを破壊してそれよりコストの1大きいクリーチャーを蘇生する、墓地版《ヒラメキ・プログラム》というべき呪文。
そしてそのコストは《ヒラメキ》と同じ3…そう、《イザナギ》から唱えられてしまうのだ。これを利用してサガループから《イザナギ》、《イザナギ》から《晩餐》を唱えて5コス、《晩餐》をさらに唱えて6コス…と繋げてより複雑なループフィニッシュを行うのがダンタル型である。

龍素記号wDサイクルペディア SR 水/闇文明 (5)
クリーチャー:クリスタル・コマンド・ドラゴン/ダークロード 5000
ブロッカー
ジャストダイバー
このクリーチャーが出た時、コスト4以下の呪文を1枚、自分の墓地からコストを支払わずに唱えてもよい。
自分の手札から呪文を唱えた時、その呪文を自分の墓地からもう1度、コストを支払わずに唱えてもよい。この能力は各ターン1度しか使えない。
自分の墓地から呪文を唱えた後、墓地のかわりに山札の下に置く。

サイバー・K・ウォズレック VR 水文明 (6)
クリーチャー:サイバー・コマンド 6000
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、コスト3以下の呪文を合計2枚まで、両プレイヤーの墓地から選ぶ。それらをコストを支払わずに唱え、その後、持ち主の山札の下に置く。
ウォズレックの審問 VR 闇文明 (2)
呪文
相手の手札を見て、コスト3以下のカードを1枚選び、捨てさせる。

ループに必要なクリーチャーは《龍素記号wDサイクルペディア》と《サイバー・K・ウォズレック》の2体。
ダンタル型の強みとして、ループパーツがループ以外でも強力に振舞える点がある。DOOM型では《Vol-Val 8》や《シャコガイル》などフィニッシュの段階でしか絡まないカードを複数枚投入していた。
それに対しダンタル型の《サイクルペディア》はロングゲーム時に設置して呪文倍化でリソース差をつけるエンジンとして、《ウォズレック》は下面の《ウォズレックの審問》が墓地にクリーチャーを落としつつ相手の動きを遅らせられる初動として使用できた。これらを駆使したコントロールプランがサガを対策して速度を落とした相手に対して強烈なサブプランとなっている。
詳細なループ手順はこちら。
+ ...
ループ導入盤面は盤面に《サガ》+《イザナギ》、手札に《晩餐》。サガループの過程で1回《イザナギ》→《迷いはない》を挟めば盤面は成立する。山札3枚で《サガ》の効果を解決するところからスタート。
1.《サガ》で2体目の《イザナミ》を蘇生。(山札2枚)
2.《イザナギ》で手札から《晩餐》を唱え、《イザナギ》を破壊して《ペディア》を蘇生。(山札1枚)
3.《ペディア》で墓地から《晩餐》を唱え、《ペディア》を破壊して《ウォズレック》を蘇生。《ペディア》が破壊されたので《晩餐》は墓地に残る。
4.《ウォズレック》で墓地から《迷いはない》と《晩餐》を唱える。《迷いはない》で《サガ》蘇生、《晩餐》で《イザナギ》を破壊して《ペディア》を蘇生。(山札3枚)
5.《サガ》で《イザナギ》を蘇生。(山札2枚)
6.《イザナギ》で山から《晩餐》を手札に加えて唱え、《ウォズレック》を破壊。《ペディア》の効果で《晩餐》をコピー。(山札1枚)
7.コピーした《晩餐》を墓地から唱え、《ペディア》を破壊して《ウォズレック》を蘇生。《ペディア》が破壊されたので《晩餐》は墓地に残る。
ここで山札は《迷いはない》1枚、盤面は《イザナギ》と《ウォズレック》、待機中の効果は《ウォズレック》。
8.《ウォズレック》で墓地から《迷いはない》と《晩餐》を唱える。《迷いはない》で《サガ》蘇生、《晩餐》で《イザナギ》を破壊して《ペディア》を蘇生。《ペディア》の効果を保留。(山札3枚)
9.《サガ》で《イザナギ》を蘇生。(山札2枚)
10.《イザナギ》で山から《晩餐》を手札に加えて唱え、《ウォズレック》を破壊。《ペディア》の効果で《晩餐》をコピー。(山札1枚)
11.コピーした《晩餐》を墓地から唱え、《ペディア》を破壊して《ウォズレック》を蘇生。《ペディア》が破壊されたので《晩餐》は墓地に残る。
ここで山札は《迷いはない》1枚、盤面は《イザナギ》と《ウォズレック》、待機中の効果は《ウォズレック》と8で蘇生した《ペディア》。
12.《ペディア》の効果以外7と全く同じ盤面なので8に戻る。
ループの結果、《ペディア》の墓地詠唱効果を無限にストックすることで4以下の呪文を好きな回数使用することが可能。
その後のフィニッシュ方法としては《本日のラッキーナンバー!》ですべての数字を宣言してトリガークリーチャー・トリガー呪文をケアした後、《迷いはない》と《晩餐》で並べたクリーチャーに《勝熱と弾丸と自由の決断》で疑似SAを付与して過剰打点で攻撃することがメインだった。
最終的に定着したのは《蒼神龍ヴェール・バビロニア》のcipを好きなだけ使い相手の手札と山札を完全に把握した上で操作して一切の反撃の目を奪うもの。いっそ一思いに殺してくれ

対策


前代未聞の性能を持つ《絶望神サガ》。しかし非常に強力な効果を持つ反面踏み倒しを挟むタイプなので対策自体はそれなりに多い。

ループが始まる前に勝つ

殺られる前に殺る
サガループが開始するよりも先に相手を討つという単純明快な攻略法。

ただし、サガの尋常じゃない展開スピードに付いていけるのは【速攻】くらいのものであり、一般的なデッキではまず太刀打ちできない。
実際にサガに速度勝ちを主張できたのは《我我我ガイアール・ブランド》を主体とした高速打点生成が売りの【赤単我我我】や、侵略で着地すると同時にシールドを吹っ飛ばす《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》擁する【アポロヌスドラゲリオン】くらいのものである。

それでもキルターン的には最速3ターンキルのサガループと同速であり、極論先攻を取られれば負けのジャンケンによる運勝負となってしまう。
サガ側の受け札も考えると絶対的な対策とは言いがたく、上記の2デッキも下記の対策を併用していた。

墓地リセット

墓地利用デッキの対策として伝統的な方法。
《サガ》がループに入るには墓地にクリーチャー2体が必要であり、それを墓地リセットカードを使って妨害する。

自然文明が入るデッキに広く採用できる《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー/お清めシャラップ》、【青魔導具】にスムーズに採用できる《凶鬼98号 ガシャゴン/堕呪 ブラッドゥ》、墓地リセット付き《エナジー・ライト》の《♪なぜ離れ どこへ行くのか 君は今》、などが実際によく使われた例。

サガ側の受けギミックであるS・トリガーの《「迷いはない。俺の成すことは決まった」》は墓地にサガが存在することを前提としており、攻撃前に墓地をリセットすることで無効化が可能。
トリガーケアを兼ねるため積極的に殴るデッキの墓地リセットは特に効果が大きく、【赤単我我我】は《コッコ・武・ルピア》で、【アポロヌスドラゲリオン】は《パーリ騎士の心得》で、墓地リセットを行いつつ早期決着を狙った。

しかし数ターンかけて大量の墓地を用意する従来の墓地利用デッキとは違い、サガの条件達成に必要な墓地はわずか2枚。一度リセットしてもまた手札交換を1回行うだけでサガの条件は再び達成されるため、結局は時間稼ぎの域を出ない。
加えて手札交換を繰り返すだけの側墓地リセットを強要される側とでは状況は決してイーブンではなく、長期戦になると後者は必然的にジリ貧になる。
更には「手札交換+《サガ》」を1ターンでプレイできるようになる5マナ以降はますます効果が薄くなり、時間稼ぎとしての役割すら果たせなくなる。
結局は墓地リセットだけでサガを対策しきったとは言えず、速攻デッキ以外は下記の対処法を併用することが多かった。

メタカードによる妨害

クリーチャーの踏み倒しや墓地利用といった相手の動きをカードの能力で制限して、ループ自体を行えないようにする方法。
デュエルマスターズには特定の行動を封じるロックじみたメタカードが多数存在しており、《サガ》を機能停止させるカードも少なくない。

手札以外からカードを出すとマナゾーン送りになる《とこしえの超人》や、墓地からカードを移動できなくする《若き大長老 アプル》は特に強力で、《とこしえの超人》は外部ゾーンが使えるアドバンスレギュレーションで、《若き大長老 アプル》は外部ゾーンが使えないオリジナル環境で、それぞれサガ登場以前から猛威を奮っていた。
開発が《サガ》にGOサインを出した背景に、これらカードが十分に強力なためとも噂される。

上記2種以外も種類は豊富。【赤単我我我】で採用された手札以外からの展開を阻止する《U・S・A・BRELLA》、【赤黒テレスコ=テレス】で採用された召喚以外の踏み倒しを完全に封じる《ルピア炎鬼》などデッキに合わせたメタカードが選択される。
クリーチャーや呪文を3回までに制限するフィールド《DG-パルテノン 〜龍の創り出される地〜》は2コストという軽さと非クリーチャーで除去を受けにくいこと、1ドロー付きで腐りにくいことが評価され様々なデッキで採用された。無色カードなためデッキカラーに寄らず採用でき、色の合うメタカードが限られる文明のデッキでは特に重宝した。


ただし、これらのカードはサガループを止めることはできても他の行動を止められる訳ではない。サガ側がサブプランを用意していた場合は当然メタカードは無力。
もっと言うとサガ側も除去カードを採用しており、メタカードを出したから全部安心というわけには中々いかない。
とはいえサガ側に対処を迫るほとんど唯一の手段であることは確か。サガ対面ではメタカードの展開/除去を巡る激しい攻防が試合展開の主となる。


主なデッキタイプ


サガデッキはループパーツが《絶望神サガ》のみなため自由枠が多く構築の幅が広い。故に様々なデッキタイプが活躍を見せた。
ここでは数あるサガデッキの中でも特に環境に定着したものを紹介する。

【DOOMサガ】

《絶望神サガ》の情報公開後真っ先に考案されたデッキ。発売から盛んに研究が進められ、妨害無しだと1/3の確率で後手3キルが決まり、後手4キル率に至っては8割超という数字は大いに話題になった*2
初期は単に【青黒サガ】と呼ばれていたが、後に登場した同じ青黒基盤の【ダンタルサガ】と呼び分けるために【DOOMサガ】と呼ばれるようになった。
【DOOMサガ】の名の通り先述したDOOM型のフィニッシュを行う。

一口に【DOOMサガ】と言ってもいくつかの形が存在するが、ここでは《一なる部隊 イワシン》の殿堂入り後にメジャーになった構成を紹介する。

  • 特長───2枚のキーカード
《絶望神サガ》の登場後しばらくして「墓地リセット+メタカード」の形で徹底的にサガを対策するデッキが多数出現。
このサガ包囲網を突破するために進化したのがこのデッキ。その立役者となったのが以下の2枚のカードで、これらのカードの発掘により特に墓地リセットに対しては強い耐性を持つようになった。

コダマダンス・チャージャー UC 闇文明 (3)
呪文
自分のシールドをひとつ、手札に加える。ただし、その「S・トリガー」は使えない。
チャージャー

盾回収を行いつつ、《イザナミテラス》から唱えて黒単色を生成できる3マナのチャージャー呪文。
チャージャー呪文としては墓地を肥やせる《ボーンおどり・チャージャー》や《スラッシュ・チャージャー》なども対抗馬ではあるが、このカードの強みとしては「手札を減らさずに3→5のマナカーブを実現できる」ことと「ある程度盾落ちケアが可能」なこと。
【サガループ】において5マナは「《エマタイ》+《サガ》」で墓地0枚からループ始動を行ったり、「除去札+《サガ》」で相手のメタクリを退かしつつループ始動を行ったりと強い動きが可能なマナ帯。ここに手札損失なくアクセスできる手打ちの強さが評価された。
《コダマダンス・チャージャー》自体にはメタを受ける余地がなく、相手が手札に構えたメタカードを尻目にさっさとマナを伸ばして勝つというのがコンセプト。

蒼神龍ヴェール・バビロニア R 水文明 (5)
クリーチャー:ポセイディア・ドラゴン/オリジン 4000
自分がカードを1枚引く時、1枚のかわりに2枚引いてもよい。そうした場合、自分の手札を1枚捨てる。
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手の手札を見て、その中から1枚選ぶ。相手はそれを自身の山札の一番下に戻した後、カードを1枚引く。

登場時に手札交換の形でピーピングハンデスを行いつつ自分のドローを全て《エマージェンシー・タイフーン》に変換するシステムクリーチャー。コスト5のオリジンということで《サガ》で踏み倒せる。
3ターン目に出せれば当然強力だが、《コダマダンス・チャージャー》で5マナまで伸ばして召喚してもいい。

cipのピーピングハンデスは手札枚数こそ変わらないものの、相手の手札の質を下げテンポアドを得ることができる優秀な効果。
なによりメインはドロー置換能力だろう。単純に手札交換札の質が上がるのはもちろん、墓地1枚から《サガ》召喚でサガループの始動を行えたり、高速で墓地を肥やして直接《DOOM》召喚に持ち込んだりと1ターン残すだけで取れる行動の幅が大きく広がるカード。


この2枚のカードの発見により【DOOMサガ】は徹底的に対策された上でなお自分の動きを通して勝つという強烈な押し付け性能を得た。対策されることを前提とした上で一番強い動きを遂行するという環境適応型サガである。

【ダンタルサガ】

徐々に研究が進んでいた中、2023年5月20日発売のスタートデッキ「深淵の邪襲アビスベル・ラッシュ」の発売を契機に爆発的に数を伸ばしサガ一強環境を作り上げた。
サガデッキの最終形態として広く知られ、史上最強デッキとまで称された。
名前の通り先述したダンタル型のフィニッシュを行う。

  • 特長───コントロール型サガ
《イザナギテラス》《サイクルペディア》《サイバー・K・ウォズレック/ウォズレックの審問》を中心にコントロールデッキとして発展したのが【ダンタルサガ】。コントロールデッキとは言うが最速3キルのスピード感は変わっていない。
除去や妨害、踏み倒しにリソース補充といった多様なカードを状況に合わせて使い分けてリソース勝負を仕掛け、相手の動きが鈍ったなら即座にサガループで勝負を決める。

【ダンタルサガ】はその豊富な自由枠と手札管理の緩さから《絶望神サガ》発売後に次々と新登場した強力なカードを最も自然に採用できたデッキでもある。

ドアノッカ=ノアドッカ R 闇文明 (7)
クリーチャー:アビスロイヤル 4000
S・トリガー
このクリーチャーが出た時、次の能力を2回行う。
▶相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-4000する。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)
「…開けるか?」 R 闇文明 (2)
呪文:アビスへの誘い
相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを-4000する。

「深淵の邪襲アビスベル・ラッシュ」で登場した強力トリガー獣と軽量除去呪文のツインパクト。サガ強化のラストピースとして【ダンタルサガ】の流行のキッカケとなった。

呪文面はわずか2コストで-4000というこれまでにない除去範囲を持つ。手軽な除去手段が《「敬虔なる警官」》くらいしかなくサガ使いの悩みの種であった《とこしえの超人》はこのカードの登場で簡単に除去できる存在に成り下がった。
クリーチャー面は呪文面を2回唱えているかのような分割のマイナス除去を放つS・トリガー獣。このカードの搭載によって当時サガに有利と謳われていた【赤単我我我】への勝率が一気に改善。対抗馬がいなくなったことで本格的なサガ1強環境へ突入することになる。

総じてサガデッキに足りなかった要素を上下面で兼ね備えたハイスペックカードであり、サガを完成させた1枚。

飛翔龍(フライングブイ) 5000VT(ブイティー) VIC 水文明 (8)
クリーチャー:マジック・アウトレイジMAX 12000
このクリーチャーの召喚コストを、バトルゾーンにあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
ジャストダイバー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のパワー5000以下のクリーチャーをすべて、持ち主の手札に戻す。次の相手のターン中、相手はパワー5000以下のクリーチャーを出せない。

夏の殿堂発表の日付も公開され、いよいよサガの殿堂も秒読みかと思われた2023年7月22日発売の「大感謝祭 ビクトリーBEST」で登場した《暴走龍 5000GT》の派生クリーチャー。【サガループ】最後にして最大の強化パーツ
本家とは違い盤面のクリーチャーを参照してコストを下げ、破壊のかわりにバウンス行う。
cipで全体バウンスとロックを仕掛けることができ、パワー5000以下という範囲はほとんどのメタクリーチャーを射程に収める

《5000VT》の登場でメタクリーチャーは放置しても後からまとめて雑に対処できるようになった。その影響は大きく《ドアノッカ=ノアドッカ/「…開けるか?」》が採用数を減らすほど。
対メタクリーチャーを《5000VT》に一任できる分、非クリーチャーのメタカードへの除去も積極的に枠を割けるように。エレメント除去の《邪招待》やカード指定除去の《勝熱と弾丸と自由の決断》は評価を上げ《DGパルテノン》へも簡単に対処できるようになった。


これら新カードが登場する度に【ダンタルサガ】は変身を重ね、最強の2文字をほしいままにした。
このあらゆるカードを貪欲に取り込み使いこなすポテンシャルの高さこそが【ダンタルサガ】、引いては《絶望神サガ》の1番の恐ろしさかもしれない。

【青黒赤サガ】

通称【クローシスサガ】。通常の青黒に加えて火文明のカードを採用したデッキ。
形自体は初期から存在したが徐々に構築がブラッシュアップされ、フィニッシュ手段にダンタルループが採用されだした2023年6月頃ついに環境入り。

  • 特長───カウンター型サガ
水闇の二色を基本としていたそれまでのサガデッキと違い火文明が足されたことで《ボルシャック・スーパーヒーロー/超英雄タイム》や《「必然」の頂 リュウセイ/「オレの勝利だオフコース!」》といった優秀な除去カードが採用しやすくなった。非クリーチャーを含めたメタカードに対処しやすくなった他、デッキ特性上カード指定除去が刺さる【青魔導具】に強く出れる。
そしてなにより火文明が足されたことによる一番の恩恵が次のカード。

百鬼の邪王門 R 闇/火文明 (6)
呪文:鬼札王国
<鬼エンド>クリーチャーが攻撃する時、シールドが1つもないプレイヤーがいて、自分のマナゾーンに闇のカードと火のカードがそれぞれ1枚以上あれば、この呪文を自分の手札からコストを支払わずに唱えてもよい。
自分の山札の上から4枚を墓地に置く。こうして墓地に置いたカードの中から、闇または火のコスト6以下の進化ではないクリーチャーを1体選び、出す。その後、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。その2体をバトルさせる。

鬼エンド時に攻撃に反応してタダで唱えられる踏み倒し呪文。詳しくは個別項目を参照。
その踏み倒し対象はまたはのコスト6以下の非進化クリーチャー。当然《絶望神サガ》が含まれる。
相手クリーチャーの攻撃に対しても詠唱できるため相手ターン中にループできるダンタルループの性質と合わさって、強烈なカウンター性能を発揮する。
下手な殴り方をすると逆にそのままループされて負けてしまうため、特に対速攻デッキは無類の強さを誇る。速度こそ下がっているもののその分カウンターに長ける受けに振り切ったサガデッキである。


その他の相性のいいカード


ゴッド・シグナル R 水文明 (1)
呪文
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
自分の山札を見る。その中からゴッドを1体選び、相手に見せてもよい。その後、山札をシャッフルして、選んだカードを山札の一番上に置く。

ロスト・ウォーターゲイト C 水文明 (1)
呪文
S・トリガー(この呪文をシールドゾーンから手札に加える時、コストを支払わずにすぐ唱えてもよい)
自分の山札を見る。その中から多色カードを1枚選び、相手に見せてもよい。その後、自分の山札をシャッフルし、そのカードを山札の上に置く。

《サガ》を2枚揃えるための疑似サーチ札。それぞれわずか1マナでゴッドか多色カードを1枚山札の上に置く事が可能であり、《サガ》の1枚目が手札にある状況ならば、1マナでトップ確定→3マナサガでドローすることでループに突入できる。
特に《ゴッド・シグナル》の方は、極神編とコロコロ・レジェンドで過去に二回収録されたのみだったために価格が暴騰
決闘者たちはシグナルを求め、カードショップのストレージを漁りまくったとか…。
ただ、デッキの再現性は手札交換札と《イザナギ》《迷いはない》のコンボで十分担保できていたこと、使うたびに手札枚数が減ってしまい扱いづらいこと、そして何よりサガループ系のデッキが最速3キルに特化したものから相手のメタへの対策を前提としたロングゲーム意識の構築に変化していったことで採用率は激減。それでも多色なら何でも持ってこられる《ロスト・ウォーターゲイト》はいい方で、折角高騰した《ゴッド・シグナル》は《サガ》以外に碌なサーチ先もなく真っ先にデッキから抜けていった。

ブラッディ・タイフーン P(UC) 水/闇文明 (2)
呪文
自分の山札の上から3枚を見る。そのうちの1枚を自分の手札に加え、残りを墓地に置く。

戦略のD・H アツト C 水/闇文明 (2)
クリーチャー:ヒューマノイド/ヒーロー 2000
このクリーチャーが出た時、カードを2枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を2枚捨てる。

《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》《龍装者 “JET” レミング/ローレンツ・タイフーン》に次ぐ、2マナで墓地にクリーチャーを2枚落とせる手札交換札として採用されるカードたち。
ブラッディ・タイフーン》は山上3枚目まで干渉可能でこの中では最も山を掘る効率が良いカードだが、墓地にクリーチャー2体の条件を満たすにはクリーチャー以外のカードがめくれたら必ず回収しなければいけない、それなのに自身がクリーチャー面を持たない呪文なので複数枚採用すると出力が落ちる…など課題も多いため9枚目以降の枠になりがち。
戦略のD・H アツト》系列は【墓地ソース】をはじめとする通常の墓地利用デッキでは真っ先に採用を検討される枠だが、このデッキでは盤面にクリーチャーが残るメリットや手札のカードをより多く墓地に送れるメリットよりも、手札の総枚数が1枚減ってしまうデメリットの方が目立つため採用率が低くなっている。

一なる部隊 イワシン UC 水文明 (2)
クリーチャー:ムートピア 1000
このクリーチャーがどこからでも墓地に置かれた時、カードを1枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を1枚捨てる。

【墓地ソース】のお供としておなじみの、墓地に送るだけで無料の手札交換が発生する最強小魚。
墓地利用メインのコンボデッキである【サガループ】においてもその強さは健在。単純に墓地肥やしと合わせて山を掘るカードとして使うだけではなく、DOOM型においては《シャコガイル》と組み合わせたEXWinコンボのキーパーツとしても重要。
サガ登場後1か月後の2023年3月の殿堂改定で殿堂入りが決定。この改定では既に環境トップであった【サガループ】に対して役割としては比較的小さい《イワシン》1枚のみの規制となったため、「冤罪だ」と憐れむ声も多かったとか…イワシンはイワシンでデッキを36枚に圧縮する0マナ手札交換という禁忌を犯している立派な犯罪カードであるのだが

暴走龍 5000GT VIC 火文明 (12)
クリーチャー:アウトレイジ 12000
このクリーチャーを召喚するコストは、自分の墓地のクリーチャー1体につき1少なくなる。ただし、コストは0以下にならない。
スピードアタッカー
T・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、サイキック・クリーチャーをすべて破壊する。その後、パワー5000以下のクリーチャーをすべて破壊する。
すべてのプレイヤーは、パワー5000以下のクリーチャーを召喚できず、サイキック・クリーチャーを出すことができない。

反逆龍 5000typeR P 火文明 (12)
クリーチャー:アウトレイジMAX 12000
このクリーチャーの召喚コストを、自分の墓地にあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
このクリーチャーが出た時、パワー5000以下のクリーチャーをすべて破壊する。
すべてのプレイヤーは、手札からしかクリーチャーを出せない。
スピードアタッカー
T・ブレイカー
無法頂上会談 P 水文明 (3)
呪文
カードを3枚引く。その後、自分の手札を2枚捨てる。

墓地ソース】の要とその派生カード。
それぞれcipでパワー5000以下のクリーチャーを全破壊した上で、《5000GT》は互いにパワー5000以下のクリーチャーを召喚できなくなり、《5000typeR》は両方とも手札からしかクリーチャーを出せなくなる。
サガループ同士で当たったミラー対面では有利に働く反面、《typeR》の方は場にいる限り墓地からの展開が行えず、自分もサガループを回せなくなるという諸刃の剣な側面も……
ぶっちゃけると《サガ》と相性がいいというよりは《サガ》の周りの墓地肥やしカードと相性がいい。ガチガチに対策されてしまいサガループを行えない場合のサブプランとなるが、実際に墓地ソース的サブプランとして採用されたのは下のカード。

詳しくは個別項目を参照。

龍装鬼 オブザ08号 SR 闇文明 (9)
クリーチャー:ドラゴンギルド/マフィ・ギャング 8000
このクリーチャーの召喚コストを、自分の墓地にあるクリーチャー1体につき1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。このターン、そのクリーチャーのパワーを、自分の墓地にあるクリーチャー1体につき-1000する。
終焉の開闢 SR 闇文明 (3)
呪文
自分の山札の上から3枚を墓地に置く。その後、クリーチャーを1体、自分の墓地から手札に戻す。

龍頭星雲人 P(SR) 闇文明 (10)
クリーチャー:デーモン・コマンド/ゼロリスト 12000
自分の墓地にある水または闇のカード1枚につき、このクリーチャーの召喚コストを1少なくする。ただし、コストは0以下にはならない。
このクリーチャーが出た時または攻撃する時、相手は自身の手札を2枚選んで捨てる。
T・ブレイカー
零誕祭 P(SR) 闇文明 (4)
呪文
S・トリガー
自分のクリーチャーを1体破壊する。その後、相手のクリーチャーを1体破壊する。

こちらも【墓地ソース】系のデッキで利用される、墓地の枚数に応じて軽減の入る大型クリーチャー。
サガループを通せない場合のサブアタッカーとして採用が見られ、特に《龍頭星雲人》は《若き大長老 アプル》などのメタカードに手札を使った相手にハンデスでさらにリソースを削り取り、《DOOM》の召喚に繋いで殴り切るといったプランが可能。《DOOMドラゲリオン》《冥界の不死帝 ブルース》といったクリーチャーたちが元から採用されていることもあり強力なサブプランとして猛威を奮った。
下面の呪文もどちらも優秀で、《終焉の開闢》は墓地肥やしと墓地に落ちてしまった《DOOM》など重要パーツの回収を行え、《零誕祭》は受けトリガーとして機能する。
《イワシン》の殿堂後は墓地肥やしの速度が下がったことで強みを生かしづらくなり、採用率が低下した。

邪神M・ロマノフ P 火文明 (5)
進化クリーチャー:ゴッド/ダークロード/ナイト 3000+
Mデッキ進化−自分の山札の上から3枚を表向きにする。その中からクリーチャーを1体選び、このクリーチャーをその上に重ねつつバトルゾーンに出す。表向きにした残りのカードを自分の墓地に置く。表向きにしたカードの中にクリーチャーが1枚もない場合、このクリーチャーを手札に戻し、表向きにしたカードをすべて墓地に置く。
メテオバーン−このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、火か闇のコスト6以下の呪文を1枚、コストを支払わずに自分のマナゾーンから唱える。
G・リンク《邪神R・ロマノフ》または《邪神C・ロマノフ》の左横。

マナから火か闇の呪文を詠唱できる元プレミアム殿堂のゴッド。コスト5なので《サガ》から蘇生可能。
主な役割はマナに置いた《蝕王の晩餐》を唱えてのループ始動。従来のダンタルループでは手札にキープする必要があった《晩餐》を黒単色マナとしてマナに逃がせるようになったことで、手札管理の自由度が飛躍的に向上した。登場時にデッキ進化で墓地を肥やせるため《迷いはない》と合わせて見切り発車も可能。
数少ない《サガ》の蘇生範囲に収まる即時打点、難易度が極端に高いサガデッキのマナ置きを容易にする能力、基本的にノイズにしかならないはずの《龍装者 “JET” レミング/ローレンツ・タイフーン》の火文明が《Mロマ》の手出しに活きる、とサガデッキとは奇跡的な噛み合いを見せた。

天災 デドダム P(R) 水/闇/自然文明 (3)
クリーチャー:トリニティ・コマンド/侵略者 3000
このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を見る。そのうちの1枚を手札に加え、1枚をマナゾーンに置き、残りの1枚を墓地に置く。

3マナ3色で手札・マナ・墓地にカードを振り分ける、「5年後から来た」ともいわれる宇宙最強初動。
青黒のデッキを見たら《天災 デドダム》を突っ込んでアナカラーにしてしまうのはDMPの性か…【アナカラー/自然サガ】は、《若き大長老 アプル》などの対サガメタクリでミラー対面を有利に進め、《デドダム》や《キユリのASMラジオ》でリソースを稼いでサガループに突入するより長期戦指向の【サガループ】として開発された。
しかし、その代償として最速3キルループの確率は大幅に低下。また「ただメタクリを出した程度ではサガ対面の勝率は改善しない」「盤面とマナを伸ばしてからサガループでフィニッシュするなら、わざわざデッキ枠割いてサガループするより《CRYMAX ジャオウガ》でぶん殴った方が早いし強くね?」という致命的な気づきによって、研究が進むにつれ数を減らしていった。

「敬虔なる警官 R 水文明 (4)
クリーチャー:メタリカ/チーム銀河 4000
'<ギャラクシールド>2(このカードを使うコストの代わりに、2を支払ってもよい。そうしたら、このカードを表向きにシールド化する)
自分のターンのはじめに、このクリーチャーが表向きで自分のシールドゾーンにあれば、コストを支払ったものとして召喚する。
このクリーチャーが表向きで自分のシールドゾーンに置かれた時、相手のコスト2以下のクリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻す。次の相手のターン中、相手はコスト2以下のクリーチャーを召喚できない。

ギャラクシールドで手札からシールド化することでバウンス+ロックを仕掛ける、《とこしえの超人》や《若き大長老 アプル》などのメタクリーチャーへの対策札として採用される1枚。
単純にバウンスするだけではなくロック効果で再設置も防ぐため、メタクリに邪魔されず安全にループに突入できる。弱点は非クリーチャーや3コスト以上のクリーチャーに干渉できないことで、3コスのメタクリである《ボン・キゴマイム》や《U・S・A・BRELLA》が流行すると立ち位置を悪くしていった。

爆撃男 C 闇文明 (3)
クリーチャー:ヘドリアン 1000
このクリーチャーがどこからでも自分の墓地に置かれた時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。そのターン、そのクリーチャーのパワーを-2000する。(パワー0以下のクリーチャーは破壊される)

疾封怒闘 キューブリック P 水/火文明 (7)
クリーチャー:アウトレイジ 6000
W・ブレイカー(このクリーチャーはシールドを2つブレイクする)
自分のマナゾーンに火のカードが3枚以上あれば、このクリーチャーに「スピードアタッカー」を与える。
このクリーチャーがどこからでも墓地に置かれた時、自分のマナゾーンに水のカードが3枚以上あれば、クリーチャーを1体選び、持ち主の手札に戻してもよい。

墓地へ送られるだけで効果を使用できる除去札で、こちらもメタクリーチャーへの対策として用いられる。除去にマナを払わなくて済むため、例えば5マナ時に「《エマタイ》+《サガ》」としていた所を「《エマタイ》+《除去》+《サガ》」と動けるようになる。
爆撃男》は闇単色で色が強くパワーマイナスという質のいい除去を行えるが、-2000というラインは1枚でメタを焼くには少し物足りないライン。そのため採用実績は多くない。複数枚採用してサガループ中に累積させて除去範囲を広げるのが基本になるだろう。
疾封怒闘 キューブリック》は多色ゆえの取り扱いの悪さや条件こそあれ、対象のクリーチャーを問わない確定バウンスはやはり強力。自分のクリーチャーもバウンスできるため、ループ中の《サガ》をバウンスして手札枚数を無理やり増やしたり、《イワシン》盾落ち時に「山札と墓地の総数が5枚以下になるように《DOOM》召喚→《キューブリック》を落としてメテオバーンで《シャコガイル》蘇生→《シャコガイル》の墓地リセット後に《キューブリック》で《DOOM》をバウンスしてアタックキャンセル」の手順を踏むことで安全に《シャコガイル》のドロー効果でEXWinできたりと器用な動きも可能。

死神覇王 XENARCH VR 闇文明 (5)
クリーチャー:デーモン・コマンド/ダークロード 6000
G・ストライク
W・ブレイカー
このクリーチャーが出た時、自分のクリーチャーを1体破壊してもよい。そうしたら、相手は自身のクリーチャーを1体選んで破壊する。
自分の手札を捨てた時、このクリーチャーが自分の墓地にあれば、手札に戻してもよい。

覇王明王を騙る慮外者。サガループにおける役割は専ら無限手札コスト
サガループ中の手札交換に挟む事で、手札を捨てた際に墓地のゼナークを回収しては捨て、再び捨てる時に回収してはまた捨てて…という動きを繰り返して手札の総数を増やす事が出来る。
ただしループ後に手札を大量に必要とするサガデッキは活躍しなかったため環境での実績は乏しい。

詳しくは個別項目を参照。

零龍 MSZ 闇文明 (0)
零龍クリーチャー:マスター・ドラゴンZ 0
ワールド・ブレイカー(このクリーチャーは相手のシールドをすべてブレイクする)
このクリーチャーが零龍卍誕した時、そのターン、相手のクリーチャーすべてのパワーを0にする。
このクリーチャーは、パワーが0以下の間バトルゾーンを離れず、すべてのバトルに勝つ。
このカードがバトルゾーン以外のゾーンにあれば、自分はゲームに負ける。

四つの儀を満たす事で召喚できる特殊なクリーチャーだが、サガループの過程で自壊と蘇生を繰り返し墓地も肥える事から《復活の儀》《墓地の儀》《破壊の儀》の三つを一度に満たせる。
残る《手札の儀》も、DOOM召喚と同じ要領でループ中にアンタップマナを起こして《怨念怪人ギャスカ》でも召喚すれば簡単に達成でき、驚くほどスムーズに卍誕を行える。
ただ《手札の儀》が解放されるタイミングの関係上、3ターンキルは逃す事になる。

サガは《零龍》に頼らずとも十分すぎるほどに強く、なによりミラーのサガデッキ相手に手札を1枚献上するというデメリットが致命的で相性の良さの割に環境で共闘した実績はあまりない。

詳しくは個別項目を参照。

ヨミとイズモの C 水/闇文明 (9)
呪文:ゴッド
シンパシー:自分の墓地にあるゴッド(自分の墓地にあるゴッド1枚につき、この呪文を唱えるコストを1少なくする。ただしコストは0以下にはならない)
自分の山札の上から4枚を墓地に置く。
クリーチャー1体、自分の墓地から出してもよい。その後、それにリンクできる好きな数のゴッドを、自分の墓地からリンクして出してもよい。

《絶望神サガ》と同じ弾にて初収録されたゴッドサポート呪文。
墓地にゴッドを用意してからこの呪文を唱えれば場に直接G・リンク済みのゴッドを出せる。
実は最初の蘇生対象はゴッド限定ではないので、4コスト増えたかわりにシンパシーで軽減が可能になり多色になった《インフェルノ・ゲート》として見ることもできる。

サガループをした後に《ヨミとイズモの計画》を唱えることで、最速4ターン目にはあらゆるゴッドをG・リンク済みの状態で降臨させることが可能。
更にはサガループの最後に蘇生するクリーチャーを任意のゴッドにすることで、完成させるまでが鬼畜難易度なことで知られる神帝起源神をも同じく4ターン目には降臨させられる。
ただし、横一列に繋がる五元神だけは完成させることはできない。
とはいえ五元神であっても4体G・リンクまでは可能なため、そのサポート性能は高い。


関連カード


創造神サガ P 水/自然文明 (8)
クリーチャー:クリエイター 9000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の、名前に《ゼン》と《アク》とあるゴッド1体のリンクを外してもよい。そうした場合、自分の山札を見る。その中から《バイオレンス・ヘヴン》または《ゴッド・ブリンガー》または《ゴッド・サーガ》のいずれか1枚を選んでもよい。山札をシャッフルする。その後、その呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、バトルゾーンに自分のゴッドがあれば、このクリーチャーはバトルゾーンを離れるかわりにとどまる。

破壊神サガ P 光/闇文明 (8)
クリーチャー:クリエイター 8000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにある自分の、名前に《ゼン》と《アク》とあるゴッド1体のリンクを外してもよい。そうした場合、各プレイヤーは自身の手札とマナゾーンのカードをすべて山札に加え、シャッフルする。
W・ブレイカー
このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、バトルゾーンに自分のゴッドがあれば、このクリーチャーはバトルゾーンにとどまる。

種族クリエイター」として登場した初のクリーチャーとその派生版。
色や性能などから2体ともゼンアクに縁のあるクリーチャーとして造形されているのだが、絶望神ではコストもパワーも大きく低下して名前以外の原形を留めていない。
また、創造神も破壊神もゼンとアクからそれぞれ文明を取って独自の色を形成しているのに対し、絶望神はアクと全く同じ色で構成されている点も不可解である。

詳しくは個別項目を参照。


背景ストーリー


史上初のクリエイターとして登場しながらも、背景ストーリー的には長らく詳細不明だった《創造神サガ》がついに掘り下げられたクリーチャー。
その正体とは、太古から存在するオリジンの祖と呼ぶべき存在であった。
クリエイターという種族はハッタリでも何でもなく、本当に起源(オリジン)たちにとっての創造主(クリエイター)だったようである。

そんなサガが一体何故、オリジンのゴッドとして語り継がれるようになったのか。
そこには一族のエゴに振り回された絶望の物語があった…。


世界が五つの文明に分かれるより前の時代。
超獣世界における実権を握らんとする蒼狼の一族は、自分達を「超獣の始祖」と騙るために様々な計略を巡らせていた。
その中でも当時の世界を支配していた五龍神と並び、彼らを悩ませていたのがゴッドの存在だった。
蒼狼の一族が始祖を名乗る上で世界創世を成したゴッドは決して無視できない存在であり、神の威光に肖るべく幾つかの策を講じていく事となる。

暴嵐の竜の力を借りて五龍神を封じた後、蒼狼の一族は手始めに異世界より外来種のゴッドを召喚した。
そうようにして呼び出された神帝神王創世神起源神・名も知れぬ神の5柱は、五龍神に代わって超獣達の信仰を集めるための象徴となった。

続けてオリジン自体の権威付けを行うべく、一族のルーツである《創造神サガ》をあたかもゴッドであるかのように偽り始める。
これによってゴッドの神話をも一族の歴史に取り込んだオリジン達は、世界創世の正統後継者として「超獣の始祖」の地位を盤石のものとしていった。
かくして子孫の手で偽りの神に祭り上げられたサガは、新しく《絶望神サガ》として歪められた歴史にその名を刻むのだった…。


備考


ゴッドとして

ゴッドとは本来、G・リンクで互いを補い合ってこそ完璧な存在となれる事が《三つ目の超人》のフレーバーテキストで語られている。
実際、他ゲームとのコラボカード王来篇から登場した既存のゴッドを1枚にまとめたカードといった一部の特殊例を除き、基本的に複数枚のG・リンクで構成されるのがゴッドという種族の特徴である。

そんな中でリンク先もなく、かといって既存のゴッド達を1枚に収めたようなタイプでもなく、完全に独立したゴッドとして成立しているサガはかなり異色の存在。
ループの中で自分自身がほんの一瞬並び立っては片方が破壊され、蘇生して再び並び立ってはもう片方が破壊され…
そうして絶望神同士で瞬間的に並んでは自壊と再生を繰り返す様は、G・リンクで互いを支え合うゴッドをこの上なく侮辱する行為であり、まさしく「偽りの神」と評されるに相応しい能力となっている。

発売前の反響について

素人でもヤバいと分かる常軌を逸した性能から、カードテキストが公開されてしばらくは「これってテキストミスじゃないの?」「まあエラッタされるでしょ」とユーザーからはあまり本気に受け取られていなかった。
実際、サガと同じく公開時からループを危惧された《煉獄邪神M・R・C・ロマノフ》が少ししてテキスト修正されていた事も後でエラッタされる説を後押ししていた。

しかし、実際に発売するのは4ヶ月ほど先で修正する時間の余裕が十分あったMRCと異なり、サガの情報が公開されたのはパック発売の15日前
販売に向けて既にカードとして刷られているのは想像に難くなく、「エラッタなんて間に合うわけないだろ!」という意見も根強かった。

そしてサガが公開されてから1週間後の2月10日。
デュエマの公式アカウントより、《絶望神サガ》についてこのようなお知らせが発信された。

2/18(土)発売の拡張パック「DM22-EX2 デュエル・マスターズTCG ヒーローズ・ダークサイド・パック ~闇のキリフダたち~」の収録カード≪絶望神サガ≫について、お知らせさせていただきます。

こちらのカードにつきまして、カードテキスト変更の予定はございません。

今後ともデュエル・マスターズをよろしくお願いします。

発売前のカードにこのようなアナウンスが成されること自体かなり異例なのだが、効果が正式なものと認められて修正が入らない事にまたDMPは騒然となった。*3
Twitterではしばらくの間「サガループ」「サガマスターズ」といったワードがトレンド入りし続け、大きな波紋を呼ぶ事となった。

殿堂入り後

サガループには《絶望神サガ》が2枚必要な以上、1枚制限になった時点でサガループは不可能。《サガ》でループをすること自体は他カードを介せば可能ではあるが要求値も高く安定性も大きく劣る。
そのため【サガループ】は《絶望神サガ》の殿堂入りで崩壊した。

しかし2024年春、《絶望神サガ》は再び環境に顔を見せる。
《サガ》を環境に甦らせたそのデッキは【マトリクスループ】。キーカードの1枚として《イザナギテラス》を使うデッキであり、そのサポートカードとして《サガ》が採用されたのである。
結局は【マトリクスループ】が発展する過程で《サガ》はデッキから抜けていったものの、《サガ》のポテンシャルを感じさせるには十分な出来事であった。


余談


  • 同じ絶望神繋がりで別のカードゲームの絶望神が話題に挙がったりした。
    あちらの絶望神が弱すぎてファンを絶望させたのに対し、サガの方は強すぎて絶望させるという対照的な性質がウケて比較画像が作られたりもした。
    実際、コストもパワーも小型で出しやすいサガに対してあちらはレベルも攻撃力・守備力もMAXで召喚のハードルが恐ろしく高い超大型モンスター、2体並べればループして爆アドが取れるサガに対して2体並べると攻撃できないセルフ・ロックと化す○ンチホープ、といった具合に妙な対照性を築き上げている。

  • 「絶望神」という肩書きに《究極神アク》と合致した文明から、今度は《超絶神ゼン》の文明を引き継いだ対となる《希望神サガ》が登場する事も予想されている。



追記・修正はサガループで何もさせないまま勝利して相手を絶望させてからお願いします。

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最終更新:2025年01月17日 17:52

*1 ジョークカードゲーム開始時からバトルゾーンに存在するカードが-3〜0日で規制されている

*2 これは発売前の研究。発売してからデッキ構築は大きく変わったため実際に環境で使われた【DOOMサガ】の数字はこれより低いと思われる

*3 とはいえ、TCG版デュエル・マスターズはエラッタにより効果のおかしいところ等を修正することはあっても、カードパワーを直接調整することは《プロジェクト・ゴッド》などのごく一部の例外を除いて行わないため、エラッタを行わないことを想像していた声も多かった。また、直近に発表から発売/発送までの間にエラッタされた《煉獄邪神 M・R・C》とは違い、発表から発売までの期間が短いからエラッタは行われないと予想する声もあった。