ギルフォード・ザ・ライトニング(遊戯王)

登録日:2025/04/14 Mon 16:52:16
更新日:2025/04/20 Sun 15:44:01NEW!
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ギルフォード・ザ・ライトニング召喚!!

オレのデッキの中で最強を誇るしもべ!!
稲妻を操る伝説の戦士だ!
こいつがてめえを倒すぜ!マリク!

ギルフォード・ザ・ライトニング》とは、高橋和希原作の漫画遊☆戯☆王』に登場するカード、及びそれを元にした遊戯王OCGに存在するカードの1つ。
この項目では関連カードも紹介する。

【性能】

効果モンスター
星8/光属性/戦士族/攻2800/守1400
このカードはモンスター3体をリリースして召喚する事もできる。
(1):モンスター3体をリリースしてこのカードのアドバンス召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールドのモンスターを全て破壊する。


【原作にて】

炎の凡骨デュエリスト城之内克也がバトルシティ編から使用したカード。
下級モンスターは割と充実している物の、上級モンスターの打点不足に悩まされていた城之内の待望の切り札である。
彼曰く「最強のしもべ」らしくマリク戦で満を持して登場した。
その効果は単純明快、アドバンス召喚にリリース(生け贄)モンスターを1体プラスすると敵モンスター全てを破壊するという豪快なもの。
また「どんな特殊能力を持ったモンスターでも破壊できる」らしく、OCG風に直すと「無効にして破壊」と言った感じだろうか。
神のカードを持たない城之内にとって、ある意味それに代わる切り札と言えるか。
「三体の生け贄を捧げて召喚する事で発動する効果を持つ」という点は神と共通している。

攻撃名は「ライトニング・クラッシュ・ソード」、効果名は「ライトニング・サンダー」。
登場するや否やマリクの盤面を更地にし逆転の起点になるかと思いきや、残念ながら《悪夢の魔鏡》で攻撃は凌がれ、返しのターンで《ラーの翼神竜》にやられてしまった。
向こうは本物の神のカード、それも最上位の神なので相手が悪かったと言うべきか。

原作で描写された中では、上記のデュエルが城之内のラストデュエル*1
なので原作の《ギルフォード・ザ・ライトニング》の活躍はこの1回のみ。
後はアニメオリジナルエピソードと外伝が主。
特に遊戯王Rにて《時の機械-タイム・マシーン》の中から現れた彼は圧巻の一言。
その頃でも城之内の手札で最強のステータスを誇るのは変わりないようだが、そのせいか《邪神イレイザー》に撃破されるという、神に二度もやられるという栄誉?も得た。

アニメでも勿論登場。
ドーマ編孔雀舞戦では罠カード《ダブルマジックアームバインド》で奪い取った《ハーピィ・レディSB》2体を含む3体を生け贄に召喚しダイレクトアタックを決めたが返しのターン《ハーピィ・レディー鳳凰の陣ー》により破壊され大ダメージを受けた。

KCグランプリ編ではマスク・ザ・ロック戦でも3体生け贄に召喚し《古代竜-エンシェント・ドラゴン》を効果で破壊しダイレクトアタックを決めるも、蘇生効果を持つ《古代竜-エンシェント・ドラゴン》に相討ちとなり破壊される。
しかし返しのターンで蘇生され勝利の布石となる。

いずれのデュエルも破壊はされてしまうものの不利だった流れを変えるのに一役買っている。

映画版「光のピラミッド」でも召喚され、バトルシティ優勝者に野良試合を仕掛けて来たモブデュエリスト達を圧倒。
普段コメディーリリーフかつ軽んじられがちな城之内だが、それでも木っ端のデュエリストの敵う相手ではない事が描写されている。


実は入手経緯が不明。
バトルシティ編では「レアカードを賭けての勝負」がルールとして義務付けられているが、城之内の提示したレアカードは《時の魔術師*2
となると《ギルフォード・ザ・ライトニング》は《時の魔術師》や《真紅眼の黒竜》程のレアカードではない*3か、大会の途中で手に入れたカードのどちらかになる。

単純なカードパワーでは《真紅眼の黒竜》を上回るこのカードについて大会前に言及する場面が一度も無いこと、原作バトルシティ編基準ではかなりの高スペックを誇る《ギルフォード・ザ・ライトニング》が高レアカードではないとは考えにくい((バトルシティ編に登場するモンスターとしては攻撃力2400前後から「レアカード」とされる傾向が見られ、またOCGや後発の《眠れる巨人ズシン》のような「高性能の大型モンスターだがレアカードではない」といったカードは当時の原作にはあまり見られない。

言わずと知れた遊戯の《ブラック・マジシャン》、自己強化能力+高ステータスのトークン生成能力を持つ《インセクト女王》、★6にして真紅眼と同じステータスを誇る梶木の《半魚獣・フィッシャービースト》やそれに匹敵するスペック+「飛行能力」を持ち梶木デッキのアンティ対象《要塞クジラ》といった他のレアカードと比較すると、攻2800守1400というこれらを上回る高いステータスに加えて全体破壊効果まで持つ本カードの能力はずば抜けており、それでいてレアリティが低いというのは些か不自然。))ことからしておそらくは大会の途中で何らかの形で入手した可能性が最も高いだろう。
描写外のデュエルでアンティとして入手したか、デート中の遊戯よろしく大会途中にパックを剥いていつもの強運を発揮して当てたのだろうか。
シングル買いという線もなくはないが、貧乏描写が目立つ城之内からは想像は難しい。

マリクに洗脳されていた時に禁止カード群と共にデッキに混ぜ込まれていたのをそのまま使用している可能性もあり得るが、彼の性格的にそれは考えにくいかもしれない。もしそうならグールズ謹製の偽造カードの可能性も出て来てしまう。
もしかしたら割と最初のほうからデッキには入っていたが、なかなか手札に来ず、ずっと城之内を支えてきた仲間という可能性も無くはない。しかし生贄召喚を前提とする効果を持っている以上、間違いなく王国編の時点では持っていなかったと思われる。

実のところ遊戯王シリーズで「入手経緯」が明確なカードというものはそう多くない*4ので、このカードばかりが取り立てて謎という訳ではない。
しかし、
  • バトルシティ編に於ける城之内の動向は割かし細かく描かれているため、いつの間にか入手していたにしてもその「いつの間」が入る余地が少ない
  • 時の魔術師然り真紅眼然りサイコショッカー然り、他の城之内の切り札級カードは入手経緯がはっきり描かれている
といった事情もあって入手タイミングが謎という点で珍しいこのカードは注目されやすいのである。

入手を差し込めそうな唯一のタイミングがリシド戦であり、アンティルールで彼から手に入れたと考える向きもある。*5リシドのイメージとは合致しないカードなので、それはそれで不自然だが……。

メタ的に考えるとしたらば、遊戯・海馬・マリクが神のカードを所有する中では、
城之内は真紅眼の不在もあって「負けるのも無理はない」感が出てしまうので、デッキパワーの調整役として登場したものと考えられる。
もっと言ってしまうならこのカードはOCGの登場(厳密に言えばゲーム付属カードとしての)が先のカードなのでサプライズ出演(逆輸入)という形なのである。

【OCGにおいて】

遊☆戯☆王デュエルモンスターズ6 エキスパート2 付属カード」で初登場。後に「STRUCTURE DECK-城之内編- Volume.2」にてイラスト違い版も登場している。
高橋和希先生描き下ろしのイラスト*6という形で収録されており、原作での登場よりゲームでの付録としての登場が先だったりする。
原作通りモンスター3体リリースで《サンダー・ボルト》出来る。
流石に破壊耐性無視までは出来ないものの非常に強い。
また効果を使わなくても単なる最上級モンスターとして使用することも可能であり、原作さながらの活躍が期待できた。

弱点は単純にモンスターを3体並べるというのは非常に難しかった
当時は2025年の今みたいに特殊召喚手段が豊富ではなく、下級モンスターで戦線を維持しながら上級モンスターを出すというゲームスピードがとても遅い状態。
1対1の小競り合いが多くフィールドのモンスターも枯渇しがちな上に1体1体の価値は高く、3体もいらないモンスターがいるという状況は稀であった。
また召喚に手間が掛かる割にアド的には3体のモンスターを破壊してやっとトントン、それなら召喚しやすい《雷帝ザボルグ》の方が使いやすかった。

それでも上手くデュエルを進めれば《ギルフォード・ザ・ライトニング》で敵フィールドを一層し、そのままダイレクトアタックで決まる試合も無かったわけではない。
この点では相手フィールドの魔法・罠ゾーンのカードを全て破壊するという対になる《モイスチャー星人》とは大きく差が付いている。

また、当時プレイしていた人でないと絶対に知らない使い方として《ユーフォロイド・ファイター》の融合素材にするというものがある。
パワー・ボンド》を使って融合すると攻撃力が8000になり、1ターンキルが成立するため。
いざとなれば通常召喚や《早すぎた埋葬》及び《リビングデッドの呼び声》による蘇生が可能なので戦略に柔軟性があるのが利点。
対抗馬となるカードは《ウェポンサモナー》によるサーチに対応しており攻撃力も高いが融合素材以外に活用手段が無い《ゲート・ガーディアン》。
当時は【ユーフォロイドファイター1キル】使用者の間でも結構な議論の種であった。

だが、6年ほど経過した際に《神獣王バルバロス》が登場。
効果は以下の通りである。

効果モンスター
星8/地属性/獣戦士族/攻3000/守1200
(1):このカードはリリースなしで通常召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で通常召喚したこのカードの元々の攻撃力は1900になる。
(3):このカードはモンスター3体をリリースして召喚する事もできる。
(4):このカードがこのカードの(3)の方法で召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールドのカードを全て破壊する。

モンスターだけでなく魔法、罠ゾーンも破壊する効果を持つ上に普通に攻撃力で負けている。
更に妥協召喚も可能な上に、その場合でも攻撃力1900と下級エースレベルという化け物みたいなカードが現れてしまった。
こいつが現れた以降は《神獣王バルバロス》じゃなくて《ギルフォード・ザ・ライトニング》も、《モイスチャー星人》に至ってはもっと採用する理由がほとんどないのがまた辛い。

とはいえ種族・属性が違うので、その辺りで差別化は可能。
光属性・戦士族はサポートが豊富であり、《不死武士》や《オネスト》を使えるのはバルバロスには無い利点と言えよう。
特に《フォトン・サンクチュアリ》はこいつの効果発動を狙うにはうってつけである。
《不死武士》が蘇生したターンに《フォトン・サンクチュアリ》を発動すればその時点で3体分確保できる。
単独では下位互換でも、デッキ単位で独自の運用ができるのは救いである。

問題は全体破壊効果の価値自体が薄れてきていることだが。
インフレとは恐ろしい。

遊戯王ラッシュデュエルでも登場。向こうのルールにあわせて効果が少し変わっている。
効果モンスター(LEGEND
星8/光属性/戦士族/攻2800/守1400
このカードはモンスター3体をリリースして攻撃表示でアドバンス召喚できる。
【条件】上記の方法でこのカードを召喚したターンに発動できる。
【効果】相手フィールドのモンスターを全て破壊する。

強制効果ではなく起動効果となった。
しかしカード以上にルールが追い風、何故ならラッシュデュエル通常召喚がターンに何回も行えるため、使い勝手はかなりいい。
ただしLEGENDカードなので他のカードとの兼ね合いが問題。光属性かつ戦士族主体のデッキなら採用の価値はあるか。



【関連カード】


《ギルフォード・ザ・レジェンド》

効果モンスター
星8/地属性/戦士族/攻2600/守2000
このカードは特殊召喚できない。
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在する装備魔法カードを可能な限り自分フィールド上に表側表示で存在する戦士族モンスターに装備する事ができる。

装備カードサポートとなったギルフォード。
墓地に装備カードを落としまくれば最大でも5枚もの装備カードをつけることが可能である。
装備にコストがいるカードも踏み倒しできるのは嬉しい限りである。

しかし手軽さを重視するなら《不意打ち又佐》、ワンキルに特化するなら《重装武者ーベン・ケイ》が優先されるのが辛いところ。
装備コンボを狙うのに最上級の通常召喚は重すぎる上、装備カードを大量に墓地に送るのも簡単ではない。
攻撃力を装備魔法で補強する関係上、素のステータスの高さも大した利点になっていない。
何より特殊召喚できないのが辛い。「墓地に装備魔法がある状況で2体の生け贄を要求する」というのは、どんなデッキで使えばいいのかという根本的な疑問をもたらす。

……というのはストラク看板時代のお話。
現在の遊戯王OCGには《聖騎士の追想 イゾルデ》という究極の相方が存在している。
リンク召喚時のサーチ効果でこいつを呼び込め、装備カードを大量に落としながらのリクルート効果でリリース役を供給できる。
ただし、このカードをサーチしても召喚できるのは次のターン以降になってしまうが……。

アニメ『GX』では万丈目の後輩である五階堂が使用。
墓地の装備魔法を一気に装備して《XYZ-ドラゴン・キャノン》を戦闘破壊破壊するも、《おジャマ・デルタハリケーン!!》 で破壊される。
しかし、五階堂の切り札としてはこの後登場した《重装武者-ベン・ケイ》の方が目立っている節がある。
また、この登場はこのカードの初収録された『ストラクチャーデッキ-戦士の伝説-』販促のためという面があるのだが、同じくストラクチャーデッキ使いだったダークネス吹雪やティラノ剣山と違い五階堂はレギュラーになれなかったどころか再登場すらかなわずこのカードの登場もそれっきりという点でも不遇。



こちらもどちらかというとラッシュデュエル向け……というわけで登場している。
効果モンスター
星8/地属性/戦士族/攻2600/守2000
このカードは特殊召喚できない。
【条件】このカードを召喚したターンに発動できる。
【効果】自分の墓地の装備魔法カードを3枚まで選び、それぞれ自分フィールドの表側表示モンスター(戦士族)に装備する。

やはり任意の発動効果となっている。またラッシュデュエルは魔法罠ゾーンが3つしかないので、回収できる枚数も3つとなっている。
しかし発動タイミング任意というは嬉しい変更。何故なら《ギルフォード・ザ・レジェンド》を出した後に戦士族を更に召喚し、彼らに装備カードをつけることが出来るからである。
また墓地送りが頻発する環境であるため、装備カードの取り捨て選択もしやすい。
特殊召喚不可のデメリットもラッシュでは痛くないという強力なカードとなっている。


《ギルフォード・ザ・ライジング》

効果モンスター
星8/炎属性/戦士族/攻2500/守2200
このカードは特殊召喚できない。
【条件】このカードを召喚したターンに、自分の墓地のモンスター(戦士族)2体をデッキに戻して発動できる。
【効果】このターン、このカードはモンスターに3回攻撃できる。

ラッシュデュエルで登場した新たなギルフォード族。
こちらはモンスターを戻して攻撃回数を増やす効果である。
いくら通常召喚が多数可能、毎ターン5枚までドロー可能とは言ってもリソースには限度がある。
特に最上級のアドバンス召喚はやはりきついが、このライジングはその辺りをカバー出来るのだ。
戦士族デッキであれば条件も満たしやすいだろう。


【余談】

遊戯王クロスデュエルでは以下のフレーバーテキストが用意された。
「稲妻と共に現れ、稲妻を操る伝説の戦士。その力が振るわれた刹那、すでに戦いは終わっている。」
「稲妻と共に現れ、稲妻を操る」「すでに戦いは終わっている」とは三体リリース時の効果を表したものだろう。
初登場時のインパクトと豪快な活躍を見事に表現した名文と言えよう。


《ギルフォード・ザ・ライトニング》で印象的なものの一つにこのシーンがあるのだが、演出の都合を含めても本当に凄まじい
まず原作では城之内が5ページも絶叫しているので、その間このモンスターもずっとラーに焼かれていたことになる。*7*8
そしてアニメではなんと1分も攻撃を受けている。
今のところ一回の攻撃でこんなに長く喰らっているのはこのモンスターだけである。
あまりの惨状にモクバが真っ青になり「ヤバイよ……」と呟いていたのだが、仮に闇のゲームではなくソリッドビジョンのシステムだけだったとしても同じことを言っていたのではなかろうか……。


この項目は記事3体を追記して召喚する事もできる。相手フィールドの記事を全て修正する。

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最終更新:2025年04月20日 15:44

*1 後攻1ターン目で中止となったバクラ戦を除く

*2 しかもその時「俺のデッキに残った最後のレアカード」と発言している。

*3 この2枚は作中では相当なレアカードと設定されている。前者はレアカードも多数所持しているハイレベルなデュエリストである舞が詳細を知らず、キースも「これほどの代物が出て来るとは(要約)」と冷や汗を流しながら驚く程の代物。また初代の数十年後が舞台と見られる『5Ds』の時代に至っては「超レアカード」とまで呼ばれている。後者は言わずもがな、作中に於ける市場価格は数十万円にも上るとされ、現実に於ける世界大会準優勝商品の使用不可カードとほぼ同じ値打ちと言える。

*4 遊戯のブラック・マジシャン・ガールなどもその一つ。

*5 リシドデッキの主戦力は罠モンスター「アポピスの化神」であり、防御に特化した戦術と、任意のタイミングで揃えられる3体のモンスターを持つ彼のデッキとは相性が良い。

*6 同時に付録でついてきたカードも同じく高橋和希先生描き下ろしデザイン

*7 マリクが設けた闇のゲームのルール通りならその筈なのだが、実は《ギルフォード・ザ・ライトニング》自体は2ページ目で消滅している描写があり、その後の3ページはどう見ても城之内がラーの炎を直接喰らってるとしか思えない構図になっている。闇のゲームのルールすら逸脱してるような気がするのだが

*8 参考までにオシリスは3ページで焼き尽くされた。