遊☆戯☆王デュエルモンスターズ6 エキスパート2

登録日:2011/11/11 Fri 22:03:08
更新日:2025/04/17 Thu 18:02:32
所要時間:約 4 分で読めます





新たなシステムを搭載し、

DMシリーズ最高傑作誕生!!



コナミからゲームボーイアドバンス用ソフトとして2001年12月20日に発売した遊戯王OCGゲーム。後に本作をベースにした多言語対応版の世界大会用ソフトのインターナショナルが発売した。

特典カードは
の4種。全て高橋和希がデザインした。
不評が多かったからか本作から特典カードのランダム制を廃止した。

限定版では上記のカードのシークレットレア仕様が封入され、復活した通常版*1ではウルトラレア仕様が封入されており、流通数の少なさから高値で取引されている。
インターナショナルの特典カードは英語版三幻神で、こちらにも限定版はシークレット、通常版はウルトラレアであるがこちらの通常版は流通数が比較的多かったため、そこまでの値段の差はついていない。*2


攻略本の付属カードは上巻が王家の神殿、下巻が聖獣セルケト
王家の神殿は発動までタイムラグがある罠を高速で使用できるため色々と悪用され禁止カードとなり、神殿が無いと死ぬセルケトは巻き添えを喰らった。

現在はエラッタされ無制限となっているが、発売当時の融合デッキ表記によりシンクロ他のエクストラデッキのモンスターは出せるのかが問題になり、調整中の期間が長かったがエクシーズモンスターが増えてから召喚が可能になった。*3
ただ制限復帰の際のエラッタによって融合モンスター指定に変更されてしまったため上記の裁定も無意味なものとなってしまった。初めからそうしとけ


本作はパッケージ裏に上の黄色のアオリが使われているが、遊戯王OCGとしては1作目となる前作に比べて格段に進歩している。

収録パックは2001年7月に発売した第二期の第六弾「Labyrinth of Nightmare −悪夢の迷宮−」まで。
発売時期的に仕方ないとはいえ当時発売していた変態隊長が登場した「Struggle of Chaos −闇を制する者− 」やスピリットが登場した「Mythological Age −蘇りし魂−」が収録されなかった事も惜しい点。

■本作の特徴


  • ゲームスピードの加速
効果発動やチェーンの処理がテンポアップしており、常時早送り機能*4も導入されていたりと快適性は前作より更に向上。

  • より複雑な効果の再現
前作では再現不能であった為に収録されなかった一部のカード群が収録され、単純に完成度が高まった。

  • 原作世界への没入感の増加
原作での展開(バトルシティの開催中)を踏まえてか対戦相手を一覧から選ぶ前作までの方式から、シティの区画を選択し、その場にいるデュエリストから対戦者を選ぶという方式に変更。
前作(DM5)では必ず誰かとデュエルしなければ1日が経過しなかったが、本作は通行人と話す事でも1日経過するように。大会の日数調整やデュエルせずにマスを移動したい時に便利。

そしてゲームを進めていくと一定の感覚でグールズ襲来警報が発令され、グールズが街中を徘徊するように。
この時、通行人と会話するとグールズが現れ強制的に対戦させられる。*5
襲来してきたグールズに負けるとカバンに入れていたレアカードを1枚奪われてしまうが、勝利できればグールズ襲来警報は解除され、検挙に貢献した報酬としてレアカードパックを入手できる。

なお、グールズメンバー5人をそれぞれ一度ずつ倒すと、グールズのアジトイベントが発生。最奥部で待ち構える闇マリクを見事倒せばイベントクリア。
後述する制限デュエルが解禁されたり、マリクを含むグールズメンバーが他決闘者同様に街中をうろつくようになる。
ちなみにグールズのアジト内の決闘者に負けてしまった場合、アジトから追い出され、再びグールズメンバー5人をそれぞれ一度ずつ倒さないとアジトに再訪問できないので注意。

また、一部のデュエリスト(主に人格を入れ替える事が出来るキャラ)は対戦時にランダムで人格交代が発生する。
ただ人格交代といってもデッキ内容は変わらないが。

もう1つは特定の人物が同じマスにいると、対戦者を選んだ時に交代が発生する。
これについては親しい間柄、兄弟、利用し合う関係の決闘者に設定されている(城之内瀬人モクババクラ⇔マリク等)

プレイヤー「おっ、モクバだ。お~い」
瀬人「(スッ」
プレイヤー「」

選んだ奴と逆の相手と戦うはめになるので、モクバと瀬人が同じマスにいてモクバと戦いたい場合は瀬人の方を選ぶ事。


  • 制限デュエル「種族限定検定」の導入
グールズのアジトイベントクリア後、マップ内の決められたマスで行われるようになる。
全部で10個あるが挑める順番は固定化されており、前の検定をクリアしていないと次の検定が出ないようになっている。

モンスターは戦士族・獣戦士族のみ使用可能、モンスターはレベル4以下のみ使用可能、魔法・罠カードの使用禁止などプレイヤー側だけが多種多様な制限ルールで対戦を行なう大会が開催される。
勝利できればターゲットウィーク以外では得られないランダムカードパックを入手できる他、全ての検定を制覇すれば制限・準制限カードの枚数制限が撤廃できる。(ON/OFFは切り替え可能)

対戦相手は各検定ごとに固定。(相手と顔合わせをするシーンがないため、デッキ内容や一部セリフ発生カードで判別するしかないが)
相手側は通常時のデッキのままのため、上記の構築制限などは完全無視
(クリボー使えない)ドラゴン族縛り相手にデビフラ1キルとか、魔法・罠カード縛りに地獄のハーレム決めるとか止めてくれませんかねぇ…。

  • 戦士・獣戦士族モンスターのみ
    • 対戦相手は城之内。魔法・罠カードの使用に制限はない。
      戦士族には攻撃力の高いモンスターが多いので純粋な力勝負となる。
  • 魔法使い族モンスターのみ
    • 対戦相手は闇遊戯。魔法・罠カードの使用に制限はない。
      いつもの「磁石の戦士マグネット・バルキリオン」による積み込みコンボを初手高確率で行う。
      魔法使い族も能力の高いモンスターはそれなりにいるが、最初の積み込みをどう止めるかが勝負の分かれ目になるだろう。
  • ドラゴン族モンスターのみ
    • 対戦相手は社長こと海馬瀬人。魔法・罠カードの使用に制限はない。
      この時代のドラゴン族は下級モンスターが貧弱極まりなく、上級モンスターはレベルの高さから重いものが多くて扱い辛い。
      やはりというべきかデビフラ1キルコンボを初手高確率で決めようとしてくる。検定でも容赦ない社長流石です。
      この検定では「クリボー」が使えないため、フリーチェーン可能な罠カード「和睦の使者」で代用したい。
  • 昆虫族モンスターのみ
    • 対戦相手は虫野郎…もとい羽蛾。魔法・罠カードの使用に制限はない。
      昆虫族は全体的に能力が低いもののリバース効果モンスターに鬱陶しいものが多い。
      羽蛾がリバース効果を多用して嫌がらせしてくるなら、こちらもリバース効果を多用するか魔法・罠カードで発動前に掃除してやろう。
  • レベル4以下のモンスターのみ
    • 対戦相手は御伽。魔法・罠カードの使用に制限はない。
      全体的な火力の低さに悩まされるので効果モンスターを上手く使いたい。
  • 攻撃力1000未満のモンスターのみ
    • 対戦相手は竜崎。魔法・罠カードの使用に制限はない。
      とにかく戦闘ダメージを与えるのに苦労する。
      反射ダメージに特化させるかバーンカードで焼き切るのがベター。
  • 守備力1000未満のモンスターのみ
    • 対戦相手は絽馬。魔法・罠カードの使用に制限はない。
      このゲームの収録カードで守備力1000未満の上級・最上級モンスターはいないため実質レベル4以下制限の強化版。
      人造人間-サイコ・ショッカー」を出されても対抗出来るように除去・装備魔法を多目に積んでおこう。
  • 効果モンスター禁止
    • 対戦相手は杏子。魔法・罠カードの使用に制限はない。
      通常モンスターしか使えないが、魔法と罠はいつも通り使えるので、特に難しくはない。
      杏子自体洗脳版含めても弱い方なので…
  • 魔法カード禁止
    • 対戦相手はリシド。モンスターカード全般と罠カードは制限なし。
      彼は罠カードをこれでもかと伏せまくるため、魔法・罠カードゾーンが全部埋まった後で「サイコ・ショッカー」を立たせれば罠の封殺だけでなく魔法カードの使用も封じられる。
      こちらも罠カードが使えなくなってしまうが相手の魔法カードを使えなくさせた方が戦いやすい。
      時折伏せるモンスターは厄介なリバース効果モンスターが多く、迂闊に攻撃を仕掛けるのは危険。
      リボルバー・ドラゴン」のように相手を間接的に除去できる効果モンスターも採用したい。
  • 魔法・罠カード禁止
    • 対戦相手は舞。モンスターカード全般は制限なし。
      相手が舞さんなので初手高確率で地獄のハーレムコンボを決めてくる。一撃では倒されないにしてもキツい。
      「翻弄するエルフの剣士」で地獄のハーレムを食い止めたり、「サイバーポッド」で全破壊→運ゲーに身を任せたり等、強力な効果モンスターを総動員して打ち勝とう。


……などなど、その言葉に違わない内容で好評を得た。


運要素が強いカードゲームであるにもかかわらず対戦相手の手札が予め1ターンキルが出来るように調整(いわゆる積み込みというイカサマ)されている点はかなり強い批判を受けている。

以下、積み込み時の手札とワンキル手順
遊戯
磁石の戦士一式、マグネット・バルキリオン、死者蘇生、各種全体除去(サンダー・ボルトorブラックホールとハーピィの羽根帚or大嵐)
全体除去2種を発動

マグネット・バルキリオンの効果(α・β・γを手札から捨てることで特殊召喚する)を発動し、バルキリオン召喚

マグネット・バルキリオンの効果(このカードを生贄に捧げ、α・β・γを墓地から特殊召喚する)を発動し、磁石の戦士3体をフィールドへ

生贄として墓地に送られたバルキリオンを死者蘇生でフィールドへ

全員でダイレクトアタック!合計8100ダメージにより相手は死ぬ

海馬
デビル・フランケン、巨大化、各種全体除去
全体除去2種を発動

デビル・フランケン召喚、効果(LP5000を支払い融合モンスターを特殊召喚する)を発動。青眼の究極竜をフィールドへ。

巨大化(LPが相手より低ければ装備モンスターの攻撃力を倍にする)を青眼の究極竜に装備

攻撃力9000からのアルティメットバーストでダイレクトアタック!相手は死ぬ

遊戯・海馬ともに除去カードでこちらの場をガラ空きにしてくるため、対策を講じていない場合、ほんの数分で決着が付くことも…
特に海馬の積み込みの発生確率は異常で、多くの決闘者が心の中でバーサーカーソウルを発動させた。
原作における主人公・ライバル格のキャラの強さを表現したかったのだろうが、余りにも理不尽かつパワーカード頼りの戦術で批判の的となった。KONMAIだから仕方ない、と諦めよう。
以降のOCGのゲーム化において、こういった積み込み行為は確認されていない事から批判は相当のモノだったのだろう。

上記の積み込み仕様は理不尽の極みではあるが、逆に考えれば早期決着がしやすいとも捉えられる。
海馬こと社長に至っては「デビル・フランケン」の効果でライフポイントを大きく減らしてくれるため、「青眼の究極竜」の攻撃さえ凌げれば返しのターンでこちらが逆転勝利する事も比較的容易い。
1キル対策用のカードが十分揃っているなら、社長をカードパック入手用のカモとして扱えるようにもなるだろう。
なお、社長は「ブラッド・ヴォルス」等の高攻撃力の下級モンスター達に「マジック・ジャマー」による魔法カードへのカウンター等、厄介なカードをデッキに多く投入しているため、
積み込みコンボの対処に慣れすぎると、積み込みしてこなかった時の方が強いという逆転現象が起こり得る。


好評を博した本作であったが、続く78では前作や本作と異なり4まで採用されていたゲーム独自のルールが復活する。
本作を超えた、と言えるゲーム、あるいはデュエルシミュレーターの登場は2006年のエキスパート2006まで待たされることとなる。


■余談


本作の特徴でも記述したが、グールズ襲来警報で突如現れるグールズに負けてしまうとカバンの中のレアカードが1枚奪われてしまう。
この時に奪われるレアカードは、レアカードパックからでも入手可能な種類が多いのだが
デュエルには使用できないものの入手するのが中々に難しい「オベリスクの巨神兵」「オシリスの天空竜」「ラーの翼神竜」も強奪対象に含まれている。

…これだけならまぁグールズらしいなと思えなくもないが、不可解な点が一つある。

それは「デスハムスター」もグールズによるレアカード強奪の対象に含まれている事である。

この事は公式攻略本のグールズが奪うカード一覧にも書かれており、
錚々たるカード達の中に「デスハムスター」が混じっていたため、よくある誤植かと思われたが…
カバンの中に「デスハムスター」を入れている状況でグールズに負けた際、「デスハムスター」を奪っていったので攻略本の内容は正しい模様。
グールズの間で、とっとこハム太郎によるハムスターブームが巻き起こっていたのだろうか

そんな「デスハムスター」は「Thousand Eyes Bible -千眼の魔術書-」に収録されている単なるノーマルカードであり、彼女(彼)はレアカードではない。
当然のことながらレアカードパックの収録カードに「デスハムスター」は含まれていない
何らかの設定ミスではないかと思われるが、いったい何と間違えたのだろうか…?



なぁ相棒 チョット編集しないか?

この項目だったら 相棒でも大丈夫さ。

タマには サボらせてくれよ。

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最終更新:2025年04月17日 18:02

*1 4作目にはあったため5作目にもあると言われてるが、G5-0×表記収録カードのウルトラレア仕様が見つかっていないため信憑性に乏しい

*2 ただしどちらも稀少性は高く使用可能な三幻神のカード含めても高値で取引されている

*3 禁止カードは公認大会で使用はできないがノーリミットなどでは使用できたため。

*4 デュエル開始前のじゃんけんで先攻後攻決定後にL+Rボタンを押しながらデュエルに入るとBボタンを押し続けなくても常時早送りされる。

*5 グールズのアジトイベントをクリアしていないと他の決闘者と戦おうとした際にもグールズが割り込んでくる事がある。