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ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国」を以下のとおり復元します。
*ZOIDS2 ヘリック共和国VSガイロス帝国 
【ぞいどつー へりっくきょうわこく ぶいえす がいろすていこく】

|ジャンル|シミュレーションRPG|&amazon(B00005U0LW)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|トミー|~|
|開発元|ウィル|~|
|発売日|2002年2月21日|~|
|価格|5,800円(税抜)|~|
|判定|なし|~|
|>|>|CENTER:''[[ゾイドシリーズリンク>ゾイドシリーズ]]''|

#contents(fromhere)

**概要
''共和国と帝国の覇権を巡る戦争が再び繰り返される・・・!''
 太陽系から、はるか数万光年の彼方に存在する惑星Zi(ズィー)。
 そこに生息する巨大な金属生命体「ゾイド」は、「メカ生体・ゾイド」に改造され、戦争に投入されていた。
 ガイロス帝国とヘリック共和国の覇権を巡る果てしなき抗争は再び幕を開けたのである……。
(説明書より引用)

ゾイドのアニメが『/0』へと代替わりを果たした2002年((しかし、発売された時点では放送は既に終了していた。))、満を持して発売されたPS版ゾイドシミュレーションゲームの2作目である。基本は前作を踏襲しつつ、物語に重点が置かれている。~
今回はアニメのストーリーとバトルストーリーが適度にミックスされた内容であり、バトルストーリーから取られた部分もあればアニメから取られた内容もある。~
一方、前作ほどミリタリーに重点は置かれてなく、子供向けアニメ作品らしくとっつきやすいつくりになっている。

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**評価点
//あって当たり前のことは書かない。

***登場ゾイドの種類
今作では前作に登場しなかった新世代ゾイドが多数登場し、共和国・帝国あわせてその数100体以上。~
その中にはアニメで活躍したブレードライガー、ライガーゼロ、ジェノザウラーだけでなく、「ZOIDS SAGA」からオリジナルゾイドが2体が登場し、前作で未登場が嘆かれたグレートサーベルはグレートセイバーという名前で登場し、さらにはライジャーの勇姿も。
-ゾイドは前作と同じくすべて3DCGで再現されていて、戦闘では変わらず軽快な動きを見せてくれる。
-改造のバリエーションが前作よりも増え、新型機は勿論、旧型機も多くのバリエーションを持つ。
-アニメ登場ゾイドはもちろん強力だが、だからといって旧型機相手に無双ができるほどではなく、戦略次第であっさり墜ちる。シミュレーションゲームとしてのバランスは破綻していない。

***ストーリー・設定
賛否両論部分もあるが、固有名詞を持った登場人物が姿を見せるようになり、より深く作品に没頭できるようなった。~
帝国、共和国いずれもただの軍人だった主人公が戦いを通じて、その裏で暗躍する陰謀に気づき、国家の枠を超えて惑星のために真の敵と戦うという王道の物語が展開される。

-当然、ストーリーに絡んでイベントも多く、プレイヤーは多くの選択をしなければならない。選択によって支給されるゾイドの種類が変わったり、一見寄り道のようなイベントを通過することで入手できるゾイドやアイテムがある。~
前作のように只言われるがまま、戦場を渡り歩くのとは一味違う。
-アニメ、バトルストーリーとのクロスオーバー
--名前が出ただけでは終わらず、バトルストーリーやアニメと同様のイベントが進行するステージが存在する。
--前作でも地球人が乗ってきたグローバリー3世が登場するなどしていたが、今作は当事者として行動しなければならない。
--帝国基地に忍び込んでゾイドを盗むステージや、ライガーゼロを入手した主人公を宿敵と見なして追い回すライバル登場など。
--ライガー系ゾイド乗り最高の称号であるレオマスターの名を冠するアイテムが登場。ライガー系ゾイドに装備させると、アニメや漫画でも登場した強力な必殺技が使用可能になる。

***前作からの改善点
''搭載武装の再現度向上''
-前作では標準装備も含めて6つまでしかパーツが装備出来ず、設定上強力なはずの重武装ゾイドが装甲板を装備した骨ゾイドよりも弱い…と言うことがよくあった。~
今作では固定装備とは別に管理されるようになり、種類を問わず4つまでパーツを装備ができる仕様に変更された。~
これにより、前作では設定だけで存在していなかった補助的な役割の武装が一つ一つ可能な限り再現されるようになり、ゾイドの個性が大きくなった。
--シールドライガー等のEシールドがONN/OFF切り換え型の特殊能力として登場。戦闘中のダメージの減少だけでなく、フィールド上で発動させて範囲攻撃や奇襲攻撃のダメージを減少させることが出来る。~
ただし、ターン毎にエネルギーを消費するため燃費が悪く、こればかりに頼ることはできない。
--マッドサンダーの反荷電粒子シールドも再現され、荷電粒子砲を完全に無効化できるようになった。こちらは無効化する度にエネルギーを消費する。
--ゴルドスやディメトロドン等の電子戦ゾイドには索敵範囲の広いレーダーが標準搭載となり、射撃戦以外の強みをもつことができた。
--ブースターを搭載したゾイドには「加速」という特殊能力が与えられ、一時的にフィールドでの移動範囲を強化することができる。高い機動力を戦闘中だけでなく、フィールド上でも推進力として再現した。
--前作でマップ兵器でしか使えなかった武器が戦闘でも使用可能に。いずれも長射程で高火力。弾数は範囲攻撃用と戦闘用で別々に管理されている。
---この中でもデスザウラーの大口径荷電粒子砲は、エネルギー消費量が凄まじいが長射程・高火力・高クリティカル率。設定通り小型・中型ゾイドなら一発で蒸発させられるほどの凶悪な武装となった。~
ジェノザウラー系やデススティンガー等も荷電粒子砲を同じように使用可能。新型ゾイド寄りではあるが、帝国ゾイドの射撃戦において大きなアドバンテージとなっている。
--再生能力に優れているという特徴のある『ハイドッカー』は、HP再生をデフォルトで持つようになるなど装備以外でも特徴づけられている。
--また、前作にはなかったゾイド固有の機動力と装甲値が再現され、高機動ゾイドは回避率が高く、重装甲のゾイドはそれだけダメージを受けづらくなっている。
---実は前作でも機動力は(何故か隠しパラメーターとして)存在していた((実際、同じ攻撃でも相手によって命中率が変っている。))。ただしサイズ補正の方が高かったのでサーベルタイガー(大型高機動ゾイド)よりもイグアン(中型普通ゾイド)の方が回避率が高かったのも事実である。本作ではサイズ補正が減らされている。
---装甲値は全体的に低めの為((一番硬い部類のゴジュラスでさえ、スパロボに例えるとリアル系上位(スーパー系下位)レベルである。))、無いよりマシ程度である。
--ネタ要素ともなるが、ゴルドスやウルトラザウルス、ブラキオスやゲーターといった本来鈍重なゾイドに付いている格闘兵器も使用可能。大きく首を下ろして噛みつくウルトラザウルスや、首をしならせて頭突きのような噛みつき攻撃をかますブラキオスは必見。
---尤もこれは原作再現。旧大戦時代は格闘兵器を持っていなかったこれらの機体が現大戦で改良された設定されている為((そのためか原作において、旧大戦では互角扱いだったバリゲーダー(格闘主体)とブラキオス(砲撃主体)が現大戦ではブラキオス優勢と言う評価に変っている。))。

''戦闘AIの改善''
-行動順がまず一般のゾイド、最後に隊長機に変更された。このため、少なくともやみくもに突撃して、真っ先に小隊長機が撃墜されて全滅と言う事((敵味方共に、隊長機が撃墜されると部下は無条件で撤退するため。要は『ラングリッサーシリーズ』と同じ。))は少なくなった。
-しかしあいかわらず砲撃主体のゾイドが接近戦を挑んできてあっさり返り討ちなんて事も多発する。((射程の長い武器を弾切れやエネルギー切れで使えないようにさせるとよく発生する))

''ゾイドの改造バリエーション''
-前作に登場した改造キットのバリエーションが増え、より多くの種類の派生機体を作成できるようになった。
--セイバータイガー系、レッドホーン系、シールドライガー系、ジェノザウラー系などなど。
-一部の改造機体はバトルストーリーでつけられていたコードネーム((シャイアン、マーキュリーなど))がつけられ、また色も変化するようになった。
-さらに改造に加えて、装備品を取り替えることで能力が変化する『換装』が一部のゾイドの機能として追加された。
--ライガーゼロの売りであるCAS(チェンジング・アーマー・システム)を再現した機能だが、旧世代ゾイドのグランチュラなどもこの機能により能力と外見が変化する。改造と違って、純粋な強化ではなくある性能に特化させるものが多い。
--換装は改造と異なり元に戻すことも出来るため、気軽に変更することが出来る。輸送型ゾイドに搭載しているときにも換装可能なため、任務中でも状況によって使い分けが出来る。

''スキルポイント・特殊能力の見直し''
-遠距離射撃、近距離射撃と別れていたのが射撃に統合され、より分かりやすく、そして無駄なくポイントを割り振れるようになった。特殊能力にポイントを振る余裕も作りやすくなった。
-特殊能力の名称も変更され(「精神集中」→「猛進特攻」など)、%%中二病な%%特徴を捉えた個性的な名称になった。

***その他システム
-前作のセーブデータがあると、今作にそれをロードして前作で鍛えたゾイドを登場させることが出来る。シナリオを進めるごとに、前作データの各部隊長のゾイドが増援として支給される。本来ならイベントでしか手に入らないレアゾイドも容易に入手できる。
-セーブデータを持ち寄ってチーム対戦が可能。
--友人・知人相手に自慢の部隊でゾイドバトルを行うことができ、結果問わず本編でも使えるゾイドや資金などを入手できる。
---尤も『[[大戦略シリーズ]]』『[[スーパーロボット大戦シリーズ]]』と同じく「待ちが圧倒的に有利((隠蔽や潜水能力のおかげで実際はその2シリーズより更に有利。))」なバランスなので、対戦ゲームとしての評価は高くないが。
--審判として『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』からジャッジマンが登場。さらに低確率でダークジャッジマンが乱入し、プレイヤー同士で突然共闘することになるイベントがある。
-設定を変えることで戦闘アニメを省略できるようになった。

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**問題点(前作との比較部分有り)
***戦力の偏り
登場するゾイドの基本性能は、今作でも共和国に有利となっている。
-前作同様、帝国側には飛行ゾイドが少ない。
--帝国の空中戦は今作でも『レドラー』を主力に戦わないといけない。ただし、今作ではレドラーは改造可能であり、運動性は若干落ちるが射撃戦も可能な『レドラーキャノン』に改造することが出来る。((とはいえ、拘りがなければ共和国ゾイドを使った方が良い。))
--もっとも、共和国に存在するはずの新型飛行ゾイドも登場しないため、共和国も前作と同じくサラマンダーやレイノス、プテラスを主力として使っていくことになる。
-地味に響いてくる点としては、帝国ゾイドの武器は全体的に火力が高いかわりに命中率が低いものが多い。共和国ゾイドの小型・中型の機動力重視なメンツも相まって、序盤で結構苦戦するポイント。
-帝国側に与えられたアドバンテージとしては、上記の荷電粒子砲や、ステルス・隠蔽機能を持つ大型ゾイドが挙げられるが、いずれも搭載ゾイドが与えられるのは後半から。

***未登場ゾイド
念願叶って登場したゾイドもいる一方、軍の編成バランスを調整するためか未登場に終わってしまったゾイドもいくつか存在する。
-共和国側はストームソーダー、ハンマーヘッド、ガンスナイパー、シャドーフォックスなど。
-帝国側はレブラプター、エレファンダー、ザバットなど。
--ストームソーダーは空軍バランスが更に共和国に傾くことを懸念しての未登場と思われるが、ハンマーヘッドが居ないのは帝国海軍が有利なままである((潜水(隠蔽)からの不意打ちでもない限りレドラーより弱いはずなので空軍への影響は少ない。))。
--同時参戦ならバランス的には影響が少ないはずのガンスナイパーとレブラプター((余談だがアニメ『機獣新世紀ゾイド』だと逆にレブラプターは登場したがイグアンが登場しなかった(帝国でもゴドスを使っていた)。))、アニメ『ゾイド新世紀スラッシュゼロ』の前半においてライガーゼロのライバル機でもあったエレファンダーが登場しないのはやはり残念。
--帝国側の新型飛行ゾイド『ザバット』は基本的に無人操作で特攻も任務の内の爆撃機と言う設定のため、登場させづらかったと思われる。残念。((今作のシナリオ中ではスリーパーと呼ばれる無人操作のゾイドも登場していた。))
-また登場はするものの、ダークスパイナーが原作と同様の「背びれから発生させた強電波で敵ゾイドを操る」という能力が再現されていない。尤もスパイナーの能力は途中で変更された((TVCMでは背びれでEシールドを発生させる様に描かれていたが、後のバトルストーリーでは背びれで発生させた電波で敵を操るに変更された。))うえ、アニメ『ゾイドフューザーズ』だと背びれには何の能力も無かったので原作側が悪いのかもしれないが。当然ゲームバランス的な問題もあったろう((バトルストーリーでも共和国が電波対策を完成させるまで文字通り「無敵時代」を築いた。なにせスパイナーの数と同数の味方が(おそらく強い順に)敵に回るのだから。逆に言えば本作の共和国では既に電波対策が完成していると言い訳が出来るかもしれない。))。

***戦闘アニメ、カットシーンが省略
OPやEDも含め、いずれも簡略化・省略化されている。
-前作は小型ゾイドにまで破壊されたときの動作があり、一部には撃破時の動作まであった。
--今作ではカメラ位置の変更もあってゾイドが小さく見え、小型・中型はゾイドが撃破されると多くはフェードアウトしてしまい、非常に味気ない物となっている。((例外的にライジャーとライトニングサイクスは、中型でありながら勝利・撃破演出のある好待遇を受けている))
-マップ兵器使用時に流れるカットシーンは今作では完全カットされ、戦闘アニメの流用とエフェクトのみで表現されるようになった。((マップ兵器が戦闘でも使用できるようになった弊害か))
-好評だったOPは至極あっさりとした物になり、EDも共和国・帝国で共通の物が流れるようになった。
--一応、一部でムービーは流れるが前作と異なり、ポリゴンモデルを流用したものとなっている。

***システム上の問題
-マップが狭くなった。
--狭い一本道が続くマップもあり、前作と同じ感じで遊んでいると狭くてゾイドが上手く展開できなくなっている。
-一部マップ兵器の弱体化
--荷電粒子砲シリーズはまだ何とか使えるが、前作でも使えた共和国のロングレンジバスターキャノン、帝国のビームランチャーは軒並み円形から細い直線範囲になり、使い物にならなくなった。((ただし、どちらも戦闘では強力な遠距離武器になっている。))
-ステルス・隠蔽能力を持つゾイドの弱体化
--ステルスゾイドは前作で猛威をふるっていたが、今作ではレーダーを標準搭載したゾイドが増えたため、その脅威が薄れている。
--さらに、マップ画面で敵ゾイドにカーソルを合わせて△ボタンを押すと、そのゾイドのステータスを閲覧できる機能があるのだが、これがステルスで不可視状態であるはずの敵ゾイドにも使用可能で、レーダー無しでもステルス状態のゾイドを発見できてしまう。
-&bold(){回避は可能だが、進行不能になる致命的なバグがある。}
-前作からそのまま残っている問題点
--前作で強すぎた特殊能力がそのまま残っている。特に猛進特攻(前作では精神集中)は名前が変わっただけで、相変わらずの壊れた性能をしている。今作ではレオマスター専用技をはじめとした強力な格闘攻撃が増えたので、様々な機体でとんでもないダメージを叩き出すことが可能。
--今作でもレベリングが訓練頼りでなかなか進まない。その代わりに次から次へと新型ゾイドが登場するのだが、それまで鍛えていた同型機よりレベルの高いゾイドを下賜され、それなら別のゾイドのレベルを上げれば良かった…となることもしばしば。~
前作同様に、下手にゾイドを戦いで鍛えるより、捕獲用ゾイドを使って捕まえた方がより強いゾイドを簡単に入手できてしまう。
--金策に関しては、今作は無償で一定数のゾイドが支給されるので、まずゾイドが購入できずに頭数不足…ということにはなりにくい。アイテム補充に関しては、フィールドで丁寧に残骸・財宝の回収を行い、あとは上記のような理由で前線に立てなくなったゾイドを(泣く泣く)売却したりすれば何とかなるはず。

**賛否両論部
***ゾイド支援システム
-戦闘アニメ有効時のみだが、戦闘中に指定されたボタンを連打することで攻撃力が1~2割ほど増加する。
--親切な機能であることは間違いないが、戦闘アニメ省略時には使えない機能であるため、戦闘アニメを省略したくても出来ない…という人も。((さほど大きな差になるわけでもないため、気にしないのが一番なのだが、せっかくある機能を使わないのももったいないので…。))
-アニメ省略中は一部の特殊能力の成功率が0%になってしまう。

***水中のゾイドを地上から攻撃可能
-前作では武器に対潜適応がないと水中にいるゾイドは攻撃できなかったが、今作ではダメージ半分になるものの、攻撃できるようになった。~
前作の潜水ゾイドは攻撃を受けにくい環境にあったため、骨ゾイド並みにHPが低く設定されていた。ところが本作でもその低HPが調整されずに継承されてしまい、その気になれば地上からゴリ押しで撃破可能になってしまっている。

***状態異常の回復率
状態異常の種類は前作と同様だが、『ショート』『炎上』『サビ』からの回復が非常に早くなった。ほぼ1ターンであっさり回復してしまう。
-帝国ゾイドの有用性と特徴が低下。
--状態変化系武器とマップ兵器が陳腐化したこと、共和国側に近接戦闘が得意なライガー系が大量に登場したこともあって、ますます帝国と共和国での特徴の違いが少なくなった。
--また、前作にもまして戦闘が強力な攻撃をひたすら当てるだけのごり押しになってしまった。どうせすぐ回復するのだから、帝国大型ゾイドに接近戦を挑むリスクが小さくなり、ゾイドの配置や距離を余り考慮しなくとも良くなった。

***パイロットの存在
-固定の名前が付いた登場人物、主人公の存在は感情移入を高める一方で、やはりそれが嫌われる場合もある。
--特に帝国編の主人公はかなり粗忽な行動を取るので…。

***シナリオの問題
-途中から帝国・共和国でシナリオがほぼ共通となってしまう。
#region(終盤から大量に出現するアイツが…)
-元ネタのバトルストーリーやアニメが同様なのだから仕方ないことだが、物語の終盤になると『高HP』『高攻撃』『高防御』『高移動力』の3Kならぬ4Kのデススティンガーが大量に敵として登場するようになる。
--一体一体がボス級の強さというかボスそのものであり、大量の高性能武器、広範囲マップ兵器、潜水に砂漠ステルスを備え、さらにリーダー格は特殊能力『HP回復』まで持っているため、撃破は非常に困難。
--上記の「地上からでも水中のゾイドを攻撃可能」という特性を利用して戦っても、攻撃を回避されるか、当たってもEシールドの効果+水中補正によって雀の涙ほどのダメージしか与えられず、逆に荷電粒子砲で返り討ちに遭う。
---では潜水ゾイドで対抗できるのはどのぐらいいるのかというと、帝国側では『デススティンガー』自身か『ジェノハイドラ』、共和国側にいたっては『ウルトラザウルス』ぐらいしかいない。~
前作同様、いわゆる「早解き」を要求されないので、ターン数を費やしてでも何とかして地上に引きずり出す方法も考えねばならない。
--後半の勝利条件はほとんど各部隊長機であるデススティンガーを全て撃破するというものになるので、システム的にも逃げ道は無い。
--シナリオ中に登場するデススティンガーはほぼ全て部隊長機なので、捕獲することもできず、特殊能力『咆吼』に耐性持ち。
--一番辛いのは、こんな敵が佃煮に出来るくらい大量に出現すること。後半のステージは忍耐力が試されることになるだろう。
---あまりにも大量に出てくるため、1周目でも残骸回収からのデススティンガー入手にありつける…なんてことも。
---簡単に言えば、育成次第では最初からやり直した方が速いくらいに絶望的な状況。((おまけにデススティンガーが出現するとどこでも絶望的なBGMに切り替わる))
#endregion

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**ゾイダー限定の問題
-%%俺のアイアンコングがこんなに弱いわけがない。%%
--装甲値が設定されたことで、本来なら互角だったはずのゾイドに大きな戦力差が発生するようになってしまった。((むしろゴジュラスが強化されすぎてるかも。もっとも前作のゴジュラスは苦手な砲撃戦どころか得意の格闘戦もコングより弱かったりもしたが(威力命中率共にコングが上。当然装甲は双方共0。命中率のみは原作設定とも言えるが)。))
--MkIIもしくはPKまで強化すれば頼もしい。冷凍砲を搭載したままPKに改造できるバグも実はそのまま残っている。
-原作では3年以上かけて展開していたストーリーを25話前後に収めているためか、些か駆け足気味。

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**総評
-前作同様、ゾイドのゲームとしては奇跡と言っていいほどの出来映えを持っている。しかしながら前作があるからこそ、評価が辛くなる部分や改善して欲しい部分があるのも事実である。単純にシミュレーションゲームとして見ると、原作つきゲームの宿命としてどうしても一部機体(ライガー系とジェノザウラー系)のごり押しせざるを得ない部分があり、ライガー&ジェノザウラー派生機だらけとなりバランスが悪くなってしまった。アニメ側から輸入されたライガー系の『必殺技』はゲームバランスを崩壊させるほどの強力な性能を持つため、バトルストーリーを重視する層に嫌われる面がある。
-しかしながらセーブデータを使って帝国・共和国と繰り返しプレイでき、さらにクリアデータを新規ゲームで読み込むことで、敵平均レベルが80越えのハードモードとも言うべき内容で遊べたりと、長く遊べる要素は評価ポイントである。
-キャラクターゲームという特性上、前作より大味なバランスが出てきたところや細かいところの詰めの甘さがあり、万人に勧められる内容ではないが限りなく良作に近い凡作ではないだろうか。

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