龍が如く8

【りゅうがごとくえいと】

ジャンル ドラマティックRPG


対応機種 プレイステーション5
プレイステーション4
Xbox Series X/S(ダウンロード専売)
Xbox One(ダウンロード専売)
Windows(Steam/Microsoft Store)
メディア BD-ROM 1枚
発売元 セガ
開発元 セガ(龍が如くスタジオ)
発売日 2024年1月26日
定価(税込) 通常版:9,680円
デラックスエディション:10,780円
アルティメットエディション:12,760円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 良作
ポイント 桐生一馬、真の最終章
新旧2人の主人公がRPGで共闘
過去最大級のボリューム
シリーズで初めて海外が舞台に
オープンワールド級の広大なマップ
バトルシステムが大きく改善
メインシナリオ終盤がやや駆け足気味
まさかのガチャピン&ムック出演
龍が如くシリーズ



世界一、運が悪くて
世界一、ハッピーなヤツらの物語



概要

極道の世界を描くアクションアドベンチャー『龍が如く』シリーズのナンバリング第8作。邦題でサブタイトルがないのは『龍が如く3』以来*1

バトルは『龍が如く7 光と闇の行方』から引き続きターン制RPGとなっているほか主人公は春日一番と桐生一馬のダブル主人公を採用している。
前作から引き続き横浜の伊勢佐木異人町に加え、シリーズ初となる海外のハワイ・ホノルルシティが舞台となる。

本記事では、『7』を「前作」として扱う。


ストーリー

2023年。東京都知事・青木遼の陰謀を暴いたことにより「ハマの英雄」と呼ばれるようになった春日一番は、渡世の親であった荒川真澄の遺志を継ぎ、伊勢佐木異人町ハローワークの契約社員として東城会・近江連合の解散によって職にあぶれた元極道たちを救うべく、彼らの就職先の斡旋を行っていた。
かつての戦友である足立やナンバ、紗栄子もそれぞれの道を歩み始めていた矢先、暴露系のVtuber「多々良ひそか」の動画によって職を追われてしまい、再びどん底の生活に戻ってしまう。

そんな中、足立からかつて横浜の裏社会を牛耳った三大組織の1つ「横浜星龍会」に怪しい動きがあることを教えられ星龍会本部へ乗り込んだ春日達は、新しく若頭に就任した海老名正孝から彼らが行っている「ゴミ処理ビジネス」に元極道が雇用されていることを知る。
さらに、収監されていたはずの元荒川組若頭・沢城丈からハワイにいる春日の母親・茜に会いに行くよう依頼される。

茜に会うべくハワイ・ホノルルシティに降り立った春日は、拾ったタクシーの運転手エリック・トミザワの妨害を受ける。
飛行機の中で助けた青年・三田村英二の仲裁で事なきを得たのもつかの間。たどり着いた茜の家にいた家政婦・不二宮千歳に薬を盛られ全裸でビーチに放り出されてしまい、警察に拘留されてしまう。

拘留に納得がいかず署を脱走した春日が出会ったのは、かつて伝説の極道と呼ばれた桐生一馬だった…。


特徴・新要素

マップ

  • 本作では春日のホームタウンともなった横浜の伊勢佐木異人町、お馴染みの神室町に加え、シリーズ初となるハワイ・ホノルルシティの3都市が舞台となる。
    • ホノルルシティは異人町の約3倍とされるシリーズ最大規模のマップで、オープンワールドと言っても過言ではない広さを誇る。また、シリーズで初めて天候の概念が導入され、リアルタイムで天候が変化するようになった。
      • お金については1ドル=100セント=100円の円高にもほどがある固定レートで、マップを切り替える際に自動で換金される。
  • マップの広大化に伴い、従来の徒歩とタクシーに加えて下記の移動手段が追加された。

トロリーバス

  • ホノルルシティでのみ利用可能。停留所にアクセスすることでトロリーバスに乗って移動できる。バスなのでルートと乗降できるポイントは決まっているが、料金は無料で、道中の敵に絡まれることもない。運転手に話しかけると次の停留所までスキップできるが、強制的に降ろされる。
    • 席に座ると一人称視点になり、隣に座ったメンバーと会話できる。

OKAサーファー

  • サブストーリークリアで入手できる、いわゆるセグウェイ。入手後はいつでも乗れる。こちらは日本でも使用可能。
    • LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』のスケボーに近いが、こちらは電動のためか車道以外の場所でも乗れるほか、マップからポイントを設定することでそこまで自動で運転してくれる機能もある。また、人などにぶつかっても転倒はせず停止するのみとなっている。
    • その代わり雑魚とのエンカウントは無効にならないほか、バッテリーが切れたら走れなくなるため充電(有料)する必要がある。

タクシー

  • マップ画面でタクシーのアイコンを選択することで直接ジャンプできるようになり、ファストトラベルに近い感覚で使用できるようになった。
    • 店の中など全体マップが表示されない場所からのジャンプや神室町と異人町の行き来はスマホから行う必要がある。

アドベンチャー

  • 泳ぐ
    • ハワイでは海に近づくと海を泳げる。潜ってアイテムを探したり、海で開いているショップに行けたりする。
      • 海にいるボートはお邪魔キャラ扱いで、ぶつかるとダメージを受ける。人間が泳ぐビーチでボート乗り回していいのか。
    • 日本では原則不可能だが、チュートリアルとして異人町で1回だけ泳げる。しかしその場所は…。
  • アロハリンクス
    • 街中では挨拶ができるようになり、街の人も反応してくれる。
      • 一部の人は挨拶するとフレンドになり人間力が上がる。ゲージが最大になってラブフレンドになるとアイテムをくれたりするようになるほか、街で会った際に向こうから挨拶してくれるようになる。
      • フレンドがならず者に絡まれるイベントが復活し、救出するとアイテムがもらえるようになった。
  • 食事コンボ・宴会トーク
    • 食事コンボの組み合わせのヒントが表示されるようになった。また、宴会トークは特定の食事コンボ発生時に合わせて発生する形に変更された。
  • パーティチャット
    • 途中で選択肢が発生するようになり、以後の会話が一部変化するようになったほか、選択によってパーティメンバーが絆レベルを追加取得する。
  • 絆レベル
    • 前作と同様のシステムだが、本作では上記の極技継承のスロット解放や絆連携の習得など関連する項目が増えている。
    • また、前作では絆ドラマを見るまでレベルキャップが解放されなかったが、今作ではレベルキャップが撤廃された。
  • 絆さんぽ・絆ビンゴ
    • 街中で発生する、パーティメンバーと1対1のパーティチャット。発生するとそのメンバーの人となりが知れるほか、列が揃うとビンゴになり絆レベルが大きく上昇する。
      • また、コンプリートことで特別なイベント「絆さんぽフィナーレ」が発生する。
  • バー・サバイバー/リボルバー
    • サバイバーはお馴染み横浜で拠点となるバー。本作では遂にマスターと桐生の対面が実現することになる。
    • リボルバーはハワイでの拠点となるバー。マスターはやっぱりどこかで見たような顔。また、『龍が如く7外伝 名を消した男』に出演していたkson氏がショップ店員を務める。
      • 機能はどちらも共通で、前作と同じく1曲単位のカラオケ、食事が可能。拠点としての機能も健在で、アイテムボックスと回復ポイント完備。
      • 本作ではアルバムが追加され、パーティチャットの振り返りに加え宴会トークと絆さんぽの振り返りも可能になった。また、クリア後はここで桐生と春日の切り替えと時間帯変更が可能になる。
  • 料理
    • 前作と同じく街中で入手できるフルーツや海の幸から回復アイテムを作成できる。本作では各バーのマスター以外にも街の一部ショップ店員も作ってくれる。
  • おみくじ集め
    • 本作の収集要素。ホノルルシティに落ちているおみくじを集めて前作に登場したカムロップに渡すとレアなアイテムと交換してくれる。
      • 本作の交換アイテムは基本的に闘神の護符などのワンオフ品で、1つ交換するごとに新しいアイテムが入荷されていく。
  • CD鑑賞・プレイリスト
    • 前作と同じく街中やプレイスポットでCDを入手でき、サバイバーやリボルバーで再生できる。本作ではそれに加えて春日のアパートやドンドコ島にあるラジカセにアクセスするかスマホから最大10曲までプレイリストに登録し、街中で再生できるようになった。
    • 曲目は前作から引き継いだものに加え、『ソウルハッカーズ2』『ペルソナ4』『ペルソナ3』『真・女神転生V』などからも追加されている。
    • 本作ではTBSラジオの情報番組『アフター6ジャンクション2』とコラボ。「『龍が如く』の世界で放送されている同名の番組」という設定で、本作のためにTBSが特別チームを編成し制作している。全10回の番組が収録されており、ストーリーの進行で追加されていく。
      • MCは現実と同じくRHYMESTERのラッパー・宇多丸氏とTBSアナウンサーの宇内梨沙氏が担当。両氏は同名のキャラクターとして作中にも出演している。
  • フォトラリー
    • 横浜・ハワイでヒントをもとに指定された場所の写真を撮影していく。エリアごとに指定された写真を全て撮影するとレアな装備がもらえる。

シナリオ

  • 本作では中盤まではハワイで春日と桐生が共闘する。操作キャラは春日で固定され、桐生はパーティメンバー扱いとなる。
    • 中盤以降は桐生が日本に帰国し、春日はハワイで、桐生は日本で活動し話を進めることになる。アイテムや所持金は共有しており、装備も引っぺがすことが可能。

キャラクター

  • 前作のパーティメンバーは、ゲストだった鎌滝えり以外は全員続投。
    • さらに日本側の主人公となる桐生、ハワイ側の新キャラクターとして春日が乗ったタクシーの運転手の日系人エリック・トミザワ、茜の家政婦を名乗る不二宮千歳、前作でもプレイアブル化の要望が高かったコミジュル総帥・ソンヒを加えた総勢10人となる。
  • 実在の人物は前作に引き続きナンバ役の安田顕氏、沢城役の堤真一氏、回想のみではあるが荒川役の中井貴一氏が出演しているほか、トミザワ役にKing Gnuの井口理氏、海老名役に長谷川博己氏、三田村役に成田凌氏が出演している。
    • また、サブストーリーではYouTuber兼総合格闘家の朝倉未来氏が出演している。朝倉氏の演技の方はお察しください…。
  • 本職の声優陣も、宗教団体パレカナの代表ブライスを演じる古谷徹氏や荒川組長の恋人・茜を演じる榊原良子氏といったレジェンドクラスから、伊波杏樹氏に種﨑敦美氏など近年話題の方まで多数出演している。

バトル

基本は『7』と同じくターン制バトルだが、様々な部分が変更されている。前作は『ペルソナ』シリーズに近かったが、本作は『軌跡』シリーズにも共通する要素が追加されている。

新ライブコマンドRPG

  • 手番が回ってきたキャラは一定範囲内で自由に動かせるようになったことで、前作以上に位置取りが重要になった。移動範囲はレベルが一定に達するごとに広がっていく。
    • オブジェクトに近づくことで物を拾って攻撃できたり、パーティメンバーの近くで攻撃すると連携攻撃が発生するなど、ある程度攻撃の内容を操作できるようになった。
      • またこの仕様変更に伴い、路上武器拾いの判定のタイミングが攻撃コマンド実行時に変更され、事実上の運頼みだった前作から打って変わって活用しやすくなった。
  • 極技に技の効果範囲が表示されるようになった。
    • また、一部を除いて必中ではなくなったため、回避率が高い敵に対しての対策を練る必要が生まれている。
  • 従来のアクション形式と同様に、敵味方に吹き飛ばし・バウンドの概念が追加された。
    • 吹き飛ばした先に壁があると追加ダメージが発生するほか、吹き飛ばした先に他のパーティメンバーがいた場合は追い討ちをかけて同じく追加ダメージが発生する。
  • 「組技」属性の追加
    • 一部の極技や、ジョブ「堂島の龍」の壊し屋スタイルの通常攻撃など、敵を投げ飛ばす「組技」の発動が可能になった。
    • この属性の技は、ガード状態の敵に通常より大きなダメージを与えることが可能で、戦術の幅の広がりに一躍買っている。
  • 前作では一部ジョブの効果だったMP回復が全ジョブの通常攻撃の追加効果となったほか、位置取りによってMP回復量が高い連携攻撃や近接ボーナスに派生するなどさまざまに変化するようになり、通常攻撃の重要性が増した。
  • 一部の敵がガード状態になった際、明確にアイコンとして情報が出るようになった。またこの状態になると「組技」属性の攻撃が特効となりガードを崩しつつクリティカルとなる。
  • 特定のポイントに「特別な敵」と呼ばれる、王冠付きの雑魚が居座るようになった。強敵だが、金庫の鍵とレアアイテムを確実にドロップする。
    • 出現場所は固定で、基本的には一度倒すと再出現しなくなる。ハワイでは9章での敵強化のタイミングで強化版が一度だけ出現するようになる。
    • クリア後は画面を切り替えるだけで再出現するほか、「フカヒレ」「イカゲソ」といった、最強武器の素材を低確率でドロップする。

クイックバトル

  • 味方に対して敵のレベルが著しく低い場合、戦闘開始後すぐに敵を全滅させて終了となる「クイックバトル」が選べるようになる、某怪盗団が使っていた瞬殺にあたるシステムである。
    • 経験値は低くなるものの取得金額やドロップアイテムは変わらない他、扱いは通常のバトルと同等なため、安全に酔いを醒ませる。
    • なお前述の特別な敵及びイベントバトル、絡まれているフレンドの救出はクイックバトルの対象外となる。

アロハッピーツアーズ

  • ハワイの日本人向け旅行代理店。ここでハワイのアクティビティを体験することでジョブを閃く。前作のハローワークに相当するが、過去作の天啓システムのオマージュともなっている。
    • 閃くキャラは、男性用ジョブは春日、女性用ジョブは千歳が担当。一部のアクティビティはシナリオの進行によって桐生が登場するバージョンと足立が登場するバージョンの2種類が用意されている。
    • アクティビティの体験は1回限りだが、すべてのアクティビティを体験した後はムービーが自由に鑑賞できるようになる。ちなみに、水着になるムービーでは千歳の乳揺れが見られる。
    • 今回はアクティビティの体験となるので、前作と同じく人間力に加えてお金が必要になっているほか、春日編でしか解禁できない。
    • 前作からもいくつかのジョブが続投しており、それらは桐生編で自動的に解禁されるようになる。
      • また、ジョブとは別に衣装の着せ替えも可能。

ジョブ

  • 前作のキャラの専用ジョブは全て続投しているが、習得する極技が調整されており全体的にバランスが改善された。さらに新キャラの専用ジョブとして桐生の堂島の龍、トミザワのタクシードライバー、千歳の財閥令嬢、ソンヒのアサシンが追加された。
    また、春日の新規専用ジョブとして召喚士が追加された。何を召喚するかは後述。
    • 桐生の堂島の龍は『龍が如く0 誓いの場所』や『』と同じようにヤクザ・ラッシュ・壊し屋の3スタイルに切り替えられる。
      • ヤクザ:バランス型。『0』や『極』と異なりチンピラではない。状況によって通常攻撃がヒートアクションに変化する。
      • ラッシュ:スピード型。移動範囲が広くなるほか、通常攻撃が2回できるようになる。
      • 壊し屋:パワー型。移動範囲が狭くなる代わりに通常攻撃が組技になり、相手のガードを崩せるようになる。
    • 男性用の新規汎用ジョブとしてマリンマスター・サムライ・ウェスタンマン・ワイルドダンサー・アクションスターが、女性用の新規汎用ジョブとしてトロピカルダンサー・クノイチ・ハウスキーパーが追加。
      • さらに、早期購入特典もしくは有料DLCを適用することで男性用のフットボーラー、女性用のテニスプレイヤーが追加される。
    • 前作からは男性用は料理人・ダンサー・ホストが、女性用はアイドル・ナイトクイーンが続投している。
    • ジョブLvによるステータス上昇が低くなった代わりにレベルアップによるステータス上昇幅が大きくなった。そのためジョブ変更した際のステータス下降が気になりにくくなっている。

極技継承

  • 上記ジョブ変更とは別に、他のジョブで習得した極技を変更したジョブでも使用できるようになる。
    • 前作では特定の極技のみ引継ぎ可能だったが、今作では習得すれば全て引継ぎ可能*2なので自由度が増している。
    • スロットは最大6つ。春日は人間力の上昇で、他のキャラは絆レベルの上昇でスロットが解放されていく。
      • 「~の極み」といった演出つきの技は絆Lv100で解放されるスロットのみ設定可能。

絆ゲージ

  • 絆連携などを行うことでたまっていくゲージ。
    • 前作にもあった主人公との連携攻撃となる絆技は絆ゲージを最大まで貯めたうえで対応するパーティメンバーからの発動という形に変更された。
    • 主人公の春日は絆ゲージが存在せず、パーティメンバー全員の絆ゲージを消費して繰り出す超絆技が使用可能。
    • 桐生は超絆技は使えないが各パーティメンバーや春日との絆技に加え、中盤以降は一定時間戦闘システムがアクションになる絆覚醒が使えるようになる。

デリバリーヘルプ

  • 前作と同じくお金を払うことで助っ人を呼びだせる。クールタイムが廃止され連続で呼び出せるようになった代わりに、全体的に高額になった上、2回目以降は割増料金となりコストが高くなる。
    • 本作では単発で攻撃を行うキャストのほか、一定ターンの間味方キャラとして共闘してくれるキャストも登場した。

ダンジョン

  • ハワイと横浜にある自動生成型のダンジョン。行方不明になったコミジュル構成員やホームレスを救出しながら下層を目指す。そこ、タルタロスとか言わない。
    • 当初は全30階で、5階ごとにボス戦とチェックポイントがある。30階まで到達するとEXフロアが出現し、40階まで拡張される。
      • EXフロアは敵のレベルが本編ラスボスより高い。さらに横浜ダンジョンの最深部で待ち受けるのはいつもの彼と、DLCを導入しない場合の実質的なエンドコンテンツとなっている。

プレイスポット

クレイジーデリバリー

  • ホノルルシティでプレイ可能。街中でフードを集め、スピンやフリップ、ドリフトなどのトリックを決めながらお客さんのもとに配達する。もしかしなくても『クレイジータクシー』のパロディ*3
    • ただ配達するだけでなく、配達までにトリックを成功させるほどスコアが高くなるため、高スコアを狙うならトリックも重要。
    • 難易度が上がると車などのお邪魔キャラが登場し、接触するとフードを失う他、トリックでも着地にミスすると転倒してしまう。一方でこのトリック中は無敵になり車を弾き飛ばせるため、いかにトリックを使いこなすかが重要となっている。
    • 届けた食べ物は崩れそうなものだが、客も注文した時点でクレイジーに届けてもらうことを期待しているのでOKらしい。良いのかソレで。

不審者スナップ

  • ホノルルシティでプレイ可能。トロリーバスに乗り、時折現れる不審者の写真を撮る。誰が呼んだか「スジモンスナップ
    • 出現時間が短い不審者ほどスコアが高いほか、画面の中央で捉えるほどスコアが高くなる。また、最もスコアが高い不審者はベストタイミングで撮影することでさらにスコアが高くなる。
      • フィルムの枚数には限りがあるほか、撮影すると数秒ながらクールタイムが発生するため、場所とタイミングを覚えて的確に撮っていくスキルが要求される。

ゲームセンター

  • いつものUFOキャッチャー以外はラインナップが一新。本作では『バーチャファイター3tb』『ゲットバス』『スパイクアウト ファイナルエディション』の3タイトルが収録されている。
    • 『スパイクアウト』はXb向けのリメイクとして『スパイクアウト バトルストリート*4』が発売されていたが、純粋な移植は本作が初であり、実に25年越しの初移植となった。
  • また、現実におけるセガのアミューズメント事業譲渡に伴い、店名が今までのクラブセガからGiGOに変更されている。

マッチングアプリ

  • 春日でのみプレイ可能。現実のマッチングアプリと同様にプロフィールを設定し、マッチした相手とチャットで好感度を上げていきデートを申し込む。システム的には『0』のテレクラに近い。
    • デートのお誘いに成功するとリアルでの対面となる。当然ながらサクラやハズレがいるのは『0』と同様だが、こちらは一度会ってしまえばマッチングしてもプレイヤーの意思で回避可能。
      • コスプレイヤー/インフルエンサーのソフィー氏、モデルの真島なおみ氏、チアリーディングガールのリンシャン氏の3人が当たり枠を担当しており、対面できるとそれぞれの実写映像が見られる。
    • ネタ要素と思われがちだが、人間力が大きく上がるため攻略面でも有用なプレイスポットとなっている。

ナイトクラブ・キャバクラ

  • 基本は前作と同じだが、本作では女性の紗栄子、ソンヒ、千歳も入店できるようになっている。お金こそかかるものの、絆上げに有用。

m HOLD'EM神内

  • 伊勢佐木異人町に追加された「m HOLD'EM目黒」とのコラボショップ。
    • カードのデザインや店内の内装などが忠実に再現されており、ポーカーや食事を楽しめる。レートは低レートのみだが、仲間との対戦は高レートで行う。
    • チップや景品は従来のカジノとは独立しており、こちらでプレイして集める必要がある。

仲間との対戦

  • 今までもダーツでは仲間との対戦ができたが、本作ではそれに加え麻雀・ポーカー・こいこい・おいちょかぶでパーティメンバーと対戦することが可能になった。難易度は中級・低レートに相当する*5
    • 1対1で勝負するダーツ・こいこいはメンバーを1人選んで対戦する。4人で対戦する麻雀・ポーカー・おいちょかぶは編成しているメンバーがそのままメンツとなる。また、対戦したメンバーとの絆レベルが上昇する。
      • ボイスは専用のものが用意されているほか、ルーチンもメンバーによって異なる。

その他

  • 正式なプレイスポットにはなっていないが、各地で釣りをしているホームレスに話しかけることで釣りが可能。海でとれるアイテムをミニゲームで入手可能。
    • また、リゾートホテルのボーイに話しかけるとホテルのプールを利用可能。HP・MPが全回復しパーティメンバーの絆ゲージが上昇する。
  • これまで登場したプレイスポットではサバイバル缶拾い・資格学校・バッティングセンター・将棋・ゴルフ・カジノ・賭場・麻雀が続投。
    • このうち、資格学校はハワイに移り春日専用に、サバイバル缶拾い・ゴルフ・バッティングセンターは桐生専用になった。
    • 日本とハワイ双方でプレイできるカジノ、賭場、将棋はチップの所持数や進行度を共有しており、景品も共通。

サイドコンテンツ

スジモンバトル

  • 本作の雑魚は倒した際に一定確率で消滅せずその場に残るようになった。ここで、お歳暮を渡し誠意を見せることでスジモンが仲間になってくれる。
    • そして、各地にいるスジモンマネージャーやスジモン四天王とスジモンバトルを行っていく。当然の如く情報が出た瞬間からポ〇モンバトルと散々ネタにされている。
    • 仲間になったスジモンは前衛に最大3人、控えに最大3人配置でき、3対3でバトルする。先にメンバーが全滅した方が負け。
      • スジモンにはホット・クール・ナチュラル・ポジティブ・ネガティブの5属性があり、前者3属性が三竦み、後者2つが互いに特効となっている。ポ〇モンみたいなものだ
      • バトルは編成スジモンの速度の合計値が高い順に手番が回ってくるアクティブターン制。攻撃すると行動ゲージが下がるので、手数で攻めるか重い一撃を叩き込むかといった選択、属性や位置取りも重要。また、1ターンに1回だけ位置や後衛との入れ替えが可能。
    • スジモンはスジテインを与えてレベルを上げたり、同系統のスジモンを重ね合わせることで覚醒させられる。最大レベルまで覚醒したスジモンはより上位のスジモンに進化させることも可能。
    • また、稀に「殺意の極道」に目覚めるスジモンがおり、覚醒させることでさらに能力が強化される。カプコンまで敵に回すつもりか。
      • 元ネタと異なりデメリットは特にないので、終盤の強力な戦力になってくれる。
    • スジモンは雑魚を倒す以外に、チケットやお金を使ってガシャを回すことでも入手可能。なお、春日は最後までハワイにいるので、日本のスジモンはガシャでのみ入手可能。
  • アナコンダショッピングセンターには「筋神コロシアム」があり、様々な条件のスジモンバトルが可能。従来の闘技場に相当するといえる。
  • 街中には編成や強化を行う端末「スジスポット」がある。スジモン用のアイテムの補充や編成・強化はここで行う。
  • マネージャーにはランクがあり、スジモン四天王を倒すごとに上がり、合わせてスジモンのレベル上限も上がっていく。
  • 育てたスジモンは春日の専用ジョブ「召喚士」にセットすることで、極技でセットしたスジモンを呼びだして攻撃させる。セットしたスジモンの能力が高いほどダメージに補正がかかる。
    • 他にも、後述のドンドコ島でバトルやタスク実施に使用する。

ドンドコ島

  • 春日のサイドコンテンツ。地球のどこかにある廃業寸前のリゾート島「ドンドコ島」を悪徳清掃業者「クリーンパイレーツ」から守り一流のリゾート地に復活させる。誰が呼んだか「あつまれ ごくどうの森
    • ゲームとしては完全に独立しており、パラメータやお金なども専用のものを使用する。ここで得たお金はドルに換金することが可能。
    • 時間はリアルタイムで経過する。家に戻ってカレンダーを調べると1日が終了し、体力が回復するとともに翌日に移行する。家に戻らず探索を続行することも可能だが、1日の終了まで活動していると体力回復なしで強制的に翌日に移行する。
    • さらにゲストとしてガチャピン&ムックがマスコットおよび島内放送を担当する。近年の設定に合わせて本人役としての出演となっているほか、春日が「さん」付けする数少ないキャラとなっている。
  • DIY
    • 島に不法投棄されたゴミや木、岩をバットで壊したり、モリで魚を獲ったり虫取り網で虫を捕まえて素材を入手し、DIYで家具などを製作できる。
    • 製作できるものは机やパソコンといった小物から久瀬の兄貴御用達のエンコセットや虎のはく製といったヤクザ御用達品、果てには天下一通りのゲートや赤牛丸、漫画喫茶などの建物まで多岐にわたり、島に自由に配置できる。建築基準法?そんなものはありません。DIYの域を超えてる?『龍が如く』ではよくあること。
      • 製作したものを配置することで知名度や充実度が上昇する。春日の家に配置すると充実度が上がり体力の上限値が上昇する。
      • 配置は基本自由だが、効果の高い施設ほど多くスペースを使用するので、時には区画整理も必要。
    • お土産を製作することも可能で、一部は春日の体力回復アイテムともなっている。
  • ツアー
    • 宿泊施設を配置することで宿泊客を呼び込むツアーが可能になる。ツアーは3泊4日で、4日目の朝にチェックアウトとなりそのまま次の客を呼びこめる。ここで得た収益はそのままドルで春日の所持金に加算される。
      • 招待客はサブストーリーやエンディングドラマをクリアしたり街中で声をかけたり、CMを打つことで増えていく。最終的にはサバイバーのマスターや真島の兄さんたちも来てくれるようになる。DLCを導入するとナンバ達パーティメンバーも招待できる。
    • 宿泊施設にはランクがあり、高いほど収容人数が多くなり一度に呼び込める客の人数が増えるほか、満足度が上がりやすくなる。島の設備を宿泊客が利用することでリアルタイムに知名度や満足度が上昇したりお金がもらえるので、どの施設をどう配置するかも重要。
      • 客にも好みがあり、宿泊施設のランクや島の設備の傾向や、充実度によって上下する。満足度が高いほどチェックアウト時に払ってくれるお金が多くなり、低いまま放置するとチェックアウトを待たず帰ってしまう。宿泊客が宿泊施設に紐づけされていない場合も同様にチェックアウトを待たず帰ってしまう。
      • 満足度は挨拶したりお土産を渡すことで上昇するほか、島の施設利用でも上がる。また、ツアー中に1度だけキャンプファイヤーを開催でき、満足度を大きく上昇できる。
  • ドンドコファーム
    • ドンドコ島の離島で、スジモンに職業訓練作業やトレーニングをさせることでDIYなどに使う素材やお金を入手できる。ウェザーニュースのキャスターの檜山沙耶氏と駒木結衣氏が管理を担当する。
      • 作業は欲しい素材が手に入るコース、最大3人の作業させるスジモンを選択することで一定時間経過後に入手できる。コースや素材にはスジモンの属性に対応した相性があり、相性や絆が高いほど成功率が高くなる。
      • トレーニングは同じくコースと育成するスジモンを最大3人選択することで一定時間経過後に絆ゲージとレベルが上がる。
    • また、スジモンに話しかけてねぎらうことも可能。この要素は、『ポケモンX・Y』のポケパルレや、『ファイアーエムブレムif』の交流コンテンツ(通称:ifパルレ)とよく似ていることから、一部のプレイヤーからは「スジパルレ」と呼ばれている。
  • バトル
    • 島には復興を妨害しようとするクリーンパイレーツの社員が襲来することがあり、放っておくと宿泊施設を壊されてしまい宿泊客と宿泊施設の紐づけが切れてしまうので、春日がバットで滅多殴りにして撃退することになる。現状、春日が唯一アクション形式で戦うバトルである。
      • 体力が0になってもゲームオーバーにはならないが、治療費としてお金がかかる。
    • ドンドコファームではイノシシなどの害獣が出現することがある。出現中はスジモンの作業が止まってしまうほか、翌日まで放置すると作業が強制キャンセルされてしまうため、それまでにスジモンバトルで撃退する必要がある。
  • オンラインコ
    • 中盤で登場するインコ。ドンドコファームに常駐し、自分のドンドコ島のデータをネットにアップできるほか、他のプレイヤーのドンドコ島に遊びに行けるようになる。
    • 他のプレイヤーの島でミッションをこなすことでオンラインマイルが手に入り、アイテムやオーナーアバターと交換できる。
      • さらには他のプレイヤーとのスジモンバトルも可能。リアルタイムの対戦ではないが、他のプレイヤーがどのような編成で戦っているかの参考にはなる。

エンディングノート

  • こちらは桐生のサイドコンテンツ。とある理由で死期が近い桐生がナンバの提案でこれまでやりたくてもできなかったことを行っていく。
    • このコンテンツに関連して桐生の専用ジョブである堂島の龍に春日の人間力と同じく心・技・体の覚醒度が追加され、レベルを上げていくことで状態異常耐性や各スタイルの能力が強化されていく。
  • エンディングドラマ
    • エンディングノートのメインストーリー。親っさんこと風間新太郎の墓参りで偶然再会した伊達の計らいで、これまで出会った人々の想いを聞く。
      • 成長した太一に始まり、一輝&ユウヤ、松永&田頭、中嶋社長、そして狭山、秋山とこれまで桐生とかかわった面々が総登場。それぞれが桐生に対し現在はどのように思っているかを聞くことができる。そして、彼らとの物語の果てにあるものは…。
  • 追憶ダイアリー
    • 神室町と異人町を回り、様々な思い出を振り返る。一部はサブストーリーになっており、こちらでは古牧や柄本医院などが登場する。
      • 過去作キャラが多数登場するのも同様で、まさかのムナンチョ・鈴木との再会、ポケサーファイターとのニアミス、シリーズでも初となる本編中の亜門登場など、こちらもエンディングドラマに負けないほど内容が濃い。
      • 特に、今までは隠し要素のみであった亜門との再会は絆覚醒のチュートリアルにもなっており、ゲーム上でも非常に重要なイベントとなっている。
      • 芸能人をモデリングしたキャラクターも一部登場する*6
      • この追憶ダイアリーではサバイバーのマスターやチャウ・カーロンともついに対面。『7』では疑惑止まりだったが、それぞれ柏木とラウ・カーロン本人だったことが確定することとなった。
    • 外伝作品の『見参!』『維新!』『OF THE END』についても言及されるが全て桐生が見た夢、パラレルワールドとされている*7。凄い夢を見ているものだ…。
  • 未練ミッション
    • 桐生側の達成目録。こなすことで覚醒度が上昇していく。
    • 前作の達成目録だったバイトクエストは絡まれている人を助けるバイトレスキューのみ続投し、こちらに組み込まれている。

評価点

前作をも超えるボリューム

  • マップの数は前作と同じ3都市だが、追加されたホノルルシティは異人町以上に広く、様々な遊びが詰め込まれている。
    • 前述のようにタクシーのさらなる仕様改善に加えOKAサーファーやトロリーバスといった移動手段の追加により移動も快適。
    • 地名や外観はアレンジされているもののホノルルの町並みも忠実に再現されており、文字通りのホノルル観光気分を味わえる。
    • サイドコンテンツのボリュームも豊富で、特にドンドコ島はもはや1つのゲームと言えるほどのボリュームと作り込み。
    • シリーズは元より業界屈指のボリュームと宣伝されたことは伊達ではない。

バトル

  • 前作で問題視されていたバトル要素が、大きく改善された。
    • 前述のようにある程度だが移動できるようになったことで位置取りを自分で調整できるようになったほか、吹き飛ばした敵を他の敵にぶつける、味方のほうに吹き飛ばして追撃させるなど戦略性が上がっており、より頭を使う。また、攻撃する敵への進攻ルートにほかの敵がいても、攻撃を妨害されることがなくなった。
    • これに伴い、前作ではそれなりに多かった敵全体に攻撃する極技も、春日と桐生の専用ジョブによるものと、サイドコンテンツを進めることで習得できるものの3種類のみとなった*8
      • レベルが上がればクイックバトルで瞬殺できるようになるので、テンポも大きく改善されている。
    • 一部の武器でのみ可能であったMPの回復が全ての通常攻撃に付与された。また、絆追撃でより多くのMPを回復させられることから、極技を使いやすくなっている。
    • 属性の偏りについても「電撃のみ弱点、他は全て軽減」等の異常な耐性を持った敵は激減し、ダメージを通しやすくなった。
      • 例外として打撃に耐性を持つ敵もいるが、いわゆる「メタルスライム」ポジであり打撃以外の属性にも耐性があるので偏っているわけではない。
      • 味方ジョブも属性のバランスが改善されており、前作にはなかった通常攻撃が銃撃属性のジョブも追加されている。また、現状のジョブでは使えない属性を極技継承で補うなど融通も利かせやすくなっている。前作で強力な極技が少なかった水属性も大幅に補強されており、格段に使いやすくなっている。
    • ジョブランク1時点で極技を4つ習得できるようになっており*9、戦術の幅を広げやすくなっている。
    • 酔いの仕様は前作とほぼ同じだが、本作では解除できる極技が非戦闘時にも使用可能になったほか、ソフトドリンク系の回復アイテムに酔い状態を一段階回復する効果が追加、前述のようにクイックバトルを行えばノーリスクで解除できるため、前作より気軽にアルコール系を飲めるようになった。
      • もともと酒豪の設定を持っていた紗栄子は店で飲んでも酔いレベルが上がりにくくなっており*10、いざというときの解除役を任せられるようになった。
      • さらに酔いレベルが高いほど威力の上がる極技が追加されており、酔い状態になるメリットも生まれている。
    • もちろん、ジョブの種類など遊びの量自体も前作と同程度の十分量が用意されており、バカゲー感も健在。
  • 春日の「フリーター」及び追加ジョブ「召喚士」と桐生の「堂島の龍」は武器が装備できない反面、ジョブランクを上げると攻撃力と魔力が加速度的に増加し、極めると最強の武器を装備した他のジョブより攻撃力が高くなることもある。武器を購入する費用が減るなど前作より需要が高まった。
  • これらの点が功を奏し、難易度自体も手頃なものとなった。
  • 桐生をRPG型式で操作できるのは、本作が唯一。前述したように、専用ジョブはすさまじい強さを誇っており、従来同様のカタルシスを得られる。
    • 桐生は絆覚醒で一定時間アクション形式で戦える。これまでの桐生=アクションをRPG上で再現しており、敵を一方的にボコる快感を味わえる。
      + 終盤のネタバレ注意
    • 終盤では隠棲していた真島・冴島・大吾とのバトルがあるが、追いつめられると桐生の特権だった絆覚醒を発動、桐生も絆覚醒を発動させアクション形式で殴り合って倒すという非常に熱い演出がある。さらにフィールドでは過去作のムービーが走馬灯のように流れ、BGMも過去作のものに切り替わるという拘りよう。
  • 春日の人間力を上げやすくなった。
    • 前作では、人間力を上げるための手段が限られており、すべてを上げ切るにはかなりの労力がかかっていた。本作は、大海原資格学校をアレンジした「大海原ライセンススクール」のほか、前述したアロハリンクスやマッチングアプリなどの採用により、人間力をかなり上げやすくなっている。また、前作ではランダム出現だった「にぎにぎ」も、本作では確実に出現するようになっている。

シナリオ

  • 本作では、現実で社会問題になりつつある「動画配信、インターネットの負の側面」を前面に押し出している。
    • 動画配信を介したデマや誹謗中傷の拡散による名誉棄損、果ては再生数稼ぎのために人の道を踏み外す動画配信者が全編通して様々な形で登場しており、現実に対する強烈な風刺となっている。
      • 度々春日らの前に姿を現す悪質な動画配信者集団は、前作『7』で暴れたブリーチジャパンを連想させる。
        春日らを極悪人に仕立て上げて迫害しながら暴力行為も辞さないというブーメランぶりは、グレーゾーンでなんとか生活できている人々を一方的に迫害したブリーチジャパンとは似通った部分が多く、ブリーチジャパンが無くなってもこういう人間はいなくならないという現実を思い知らされる。
      • 歪んでいたとはいえブリーチジャパンの根底にあったのが正義感だったのに対し、今作の集団は根底にあるのが利己的な好奇心や承認欲求なので余計に質が悪い。
    • とりわけ、中心人物の1人である「万力ジャーナル」の片山(ヒョウ柄の服のチンピラ)は、その悪辣な所業から久米颯太に近いか、それ以下の下衆という声も聞かれる。
  • 加えて、元暴5年条項や世間の目による極道の社会復帰の難しさなどの今現在問題となっている事柄にも切り込んでいる。
    • 東城会と近江連合の同時解散によって極道達は新たなスタートを切ることが出来た一方で、組織という居場所を無くして路頭に迷う極道が出てきたりと必ずしも同時解散が正しかったとは言えない現状も描かれている。
      + そして物語終盤では…(ネタバレ注意)
    • 極道達の受け皿として設立された警備会社が黒幕達の手によって倒産に追いやられたという事実が判明、同時解散によって開かれた筈の未来は僅か4年で無駄になったという無慈悲な現実を突きつけられる。
      • 『7』や『7外伝』で、この同時解散の舞台裏で多くの極道が犠牲になった事も考えると、何とも遣る瀬無い気持ちになる。
    • そしてラスボスの1人は「自らの人生を狂わせた極道そのものに対する復讐」という目的を持っていることが明らかとなる。
      • 桐生達の戦いによって極道を美化されていた部分がある一方で、極道によって人生を狂わされた人間も多くいるという『龍が如く』シリーズに対するアンチテーゼともいえるラスボスであり、非常に考えさせられる人物となっている。
  • そこに前作で生き残った横浜星龍会の変質や放射性廃棄物処理問題を絡め、日本とハワイを股にかけた陰謀とそれに挑む春日・桐生を描く。
    • また、本作では桐生の身にある異変が発生しており、本来の堂島の龍とはかけ離れた実力しか発揮できなくなっている。これは、『6』までや『7外伝』までは単身で大勢のヤクザと渡り合えた桐生がパーティーバトルに参加する説得力を持たせているうえ、彼の真の最終章を彩る要素ともなっている。
      • そんな桐生だが、この状態でも味方キャラの中では最強を誇る。「これこそ桐生」と言ったところか。
    • 『7』では敵対ボスであり『7』外伝でも春日たちと話す機会が殆ど無かった桐生だが、本作までの描かれていないどこかで長く話をする機会があったらしく足立やナンバ、紗栄子も含めてゲーム開始時から仲が良い。戦闘時の連携もばっちりとなっている。
  • また、日本人からすれば「常夏の楽園」というハワイだが、アメリカ中のホームレス送り込まれる流刑地となっている暗部も描かれている。
  • 相変わらずバカゲー要素やパロディもそこかしこに散りばめられている。
    • 前述のようにアクティビティは天啓システムのオマージュなので、内容もまともなものからブッ飛んだものまで様々であり爆笑必至。
    • ジョブのアクションスターは黄色の全身ジャージ+装備がヌンチャクという出で立ちからもわかるようにブルース・リーのオマージュであり、極み技も香港映画を彷彿とさせる。さらには極技「崩雲虎掌」は誰がどう見ても10年早いあの技。ご丁寧にもコマンド入力に成功するとしっかりそれらしいセリフを口走る。
    • 前作に引き続きナンバ役の安田氏が出演する『水曜どうでしょう』ネタ、ハワイでの再会した時の足立のセリフ*11、サブストーリーでは電気ウナギのラムちゃん、パーティチャットでは唐突にウマやモルモット好きをカミングアウトする紗栄子*12、デリバリーヘルプではヘリに乗ってグラサン姿&ショットガンで狙撃する伊達*13といろんな意味でアブないネタも多い。

エンディングノート

  • 前述のように過去作で桐生とかかわった多くのキャラが総出演。特に『3』以降フェードアウトした狭山の再登場には多くのファンが感涙に咽んだ。
    • 内容も『6』で失敗したとされる「桐生一馬 最終章のやり直し」にふさわしい、涙なしでは見られない感動的な結末となっている。古牧との最後の稽古や社長となったポケサーファイターのセリフ、自分の罪と向き合い贖罪を続けるムナンチョ・鈴木の姿に思わず泣いたプレイヤーも。

物語を彩る登場人物

  • 本作は、前作の約四年後が舞台で、メインメンバーも相応に成長している。
    • 中でも春日は、前作で見られた青さ*14が抜けて、陽気さとクレバーさを併せ持つ好漢としてさらなる人気を集めた。敵の行方や目的を的確に推理したり、前作でも見られた敵との舌戦、そして、仲間だと認識した相手は何が何でも見捨てない姿勢は、本作でも大きな見どころとなっている。
      • 最序盤のハローワーク勤務時のスーツ姿も「似合っている」「『0』の真島を彷彿とさせてカッコいい」と評判が良い。一方でハワイでのアロハ姿もまるで現地民のように違和感が無い。
    • 桐生もまた、今までたった1人で守る物のために戦い続けており、仲間を作ること自体を恐れていた節があった。前述の通り、全盛期より大きく劣った力しか出せないうえ、世捨て人同然になったことで、さらに自分の命を顧みないようになっていた。
      • だが、中盤で療養のために帰国してからは、ナンバやソンヒ、紗栄子、趙といった仲間たちに気遣われ、さらに最大の親友である伊達刑事の計らいで、大道寺一派に目をつけられない範囲内で過去に接触した人々の現状をある程度知らされる。桐生は、彼らが心から自分を思いやってくれていることを痛感し、彼らのためにも生き続ける希望を持つに至る。こういった「他者に頼る桐生」は今までにあまり見られなかった要素で、「従来の彼とは違う魅力がある」と好評を得ている。
    • ヒロインの向田紗栄子も、前作では凄惨な家庭環境からややヒステリックな面を見せることもあったが、本作では生活が安定していることから、勝気で気風のいい性格となっている。本作では恩人である桐生の異変を知り、彼の力となるべく奔走する。前作では何かとウマが合わなかったソンヒとも、本作ではケンカするほど仲がいいという関係に収まった。
  • シリーズお馴染みの実在人物をモデリングした出演者も好評。
    • 井口理氏が演じるエリック・トミザワは、メインキャラクターとして序盤から活躍。本職の声優、俳優に比べると演技がやや拙いものの、それも含めて味のあるキャラクターとして親しまれている。登場人物としても非常に魅力的で、ハワイの闇を体現することに一役買っている。
    • 成田凌氏が演じる三田村英二は、要所要所で春日をサポートしてくれる爽やかなイケメンとして登場する。また、画像から封筒に書かれた文字を解読するなど、今までにないソフト・情報面に強いキャラクターとなっている。が…
    • 長谷川博己氏が演じる星龍会若頭・海老名正孝は、一見理知的ながらもその裏に潜ませた狂気、そしてどこか捨て鉢な雰囲気が見事に表現されている。
    • 朝倉未来氏の演じるアサクラはサブストーリーで春日と戦ったり共闘したりにとどまるものの、壊滅的な演技に目をつぶる必要があるが総合格闘家らしくキレのあるモーションと優秀な技を彼から伝授できることから印象に残りやすい。
      • 先述したように動画配信の暗部がそこかしこにある本作の中で、真っ当に配信と向き合う姿勢を見せているのも高評価。
    • 前述した続投キャラクターも好評。特にナンバと沢城は前作では見られなかった一面が発覚しており、さらなる人気を得るに至っている。
    • ガチャピン&ムックもドンドコ島の島内放送やCMなど出番が多く、『ポンキッキ』世代にはたまらない内容となっている。公式のインタビュー映像によれば2人(?)のフェイスキャプチャーは大変だったようだが、その甲斐は十分にあったようだ。
  • 前作ではあまり出番がなかったソンヒだが、本作では桐生編の最初からパーティメンバー入りしてくれる。
    • 冷徹な女帝のイメージが強かった前作から一転。伝説の極道である桐生の大ファンという設定が追加されたほか、前作でも片鱗を見せていた天然ぶりが前面に出されたことで親しみやすさが大幅に増し、人気に拍車がかかった。パーティチャットや宴会トークでも出番が多く、純粋な戦力としても頼れる。
    • 一方でコミジュルに集めさせた情報をパーティに提供するなど、シリアスパートでも横浜裏社会の女帝という肩書きに恥じない活躍を随所で見せてくれる。
  • ハワイで独自の勢力「山井一派」を率いている山井豊は、初登場時こそ傲慢かつ狂気じみた姿が恐ろしいが、対決を重ねていくことで独自の魅力が垣間見えるようになっている。
    • 中でも桐生や春日に対するある気遣いは、プレイヤーの涙腺を刺激してくる。一派の組員たちもいい意味で個性が豊かで、春日達を車で目的地まで送り届ける場面は隠れた名シーン。低音ボイスに定評のあるベテラン声優である子安武人氏の名演もあいまって高い人気を獲得した。
    • なお、声優が同じであることから、『龍が如く 極2』に登場した飯淵圭との関連を疑うプレイヤーもいたが、制作サイドから明確に否定されている。
  • ワンカットながら趙が依頼した探偵という形で杉浦と九十九が登場し、『7外伝』に続きジャッジシリーズとのコラボレーションが楽しめる。
    • 他にも「誠陵高校の走る人体模型」「動く顔はめパネル」など、『LOST JUDGMENT』プレイ済なら思わずニヤリとするネタも多数盛り込まれている。
  • 保田団長や権田原組長、沖田博士にドクター森笠など、前作のサブシナリオで好評だったキャラクターも多くが再登場。いずれもそれぞれの理由からハワイに渡っており、再び春日と面白おかしい掛け合いを繰り広げる。
    • このうち権田原組長のサブストーリーは『7』で見せた人格者な一面をさらに昇華させた内容となっており、ラストでは思わずホロリとさせられる。相変わらずの絵面の温度差で感情が迷子になったという声もあるが。また、サブストーリー中には世にも珍しい背広姿の権田原組長も見られる。
    • 沖田博士の製作した円盤型掃除機「おそうじ丸」もさらにパワーアップ。相変わらず資金提供を要求されるうえ、二度に渡って戦うことになるが、関連イベントをクリアするとデリバリーヘルプで呼び出せる。
    • スジモンバトルで最初に仲間になるのはまさかの曽田地。かつてドクター森笠と組んでスジモンバトルを行っていたという設定が追加された。能力的にもかなり高く、前述の殺意の極道覚醒のチュートリアルも担当するため、最初から終盤まで頼りになる。
  • 新規のサブストーリー登場人物も魅力的なキャラが多い。
    • 騙されていることに気づいていながらも一目ぼれした女性のために騙されたふりをする観光客の澤井や、MV撮影のためハワイを訪れたT.M.Revolution風見エボリューションなどは特に印象的。
      • 風見エボリューションはサブストーリークリア後はデリバリーヘルプで呼べるようになる。高額ではあるが高いダメージと本作で弱点の敵が多い水属性を合わせ持ち、終盤まで頼りになる。
    • 前作同様、春日が女性キャラと仲良くなるイベントや修羅場も健在。ただし、本作では春日が明確に紗栄子に惚れていることが明らかとなっている関係上、女性から春日への片思い、あるいは恋愛とは違うコミカルな執着という関係に留まる。
      • また、前作で仲良くなるイベントを経た女性キャラは紗栄子以外は登場せず、本作の新規キャラがこれを担う。いずれのキャラクターも独自の魅力と癖の強さを発揮しており、イベント鑑賞への意欲を煽ってくれる。故に修羅場は爆笑必須である。
  • 前作で賛否両論だった男女比がやや改善された
    • 前作では、紗栄子以外のプレイアブル女性キャラは任意加入でメインストーリーにはほぼかかわらなかったえりだけで、男女比が偏り過ぎていると言われていた。
    • 本作も、まだ男性の方が多いが、千歳とソンヒが必ず加入するうえ、登場も早いことからこの点がいくらか緩和されたと言える。

後味の良い後付け設定

  • あらすじの項にある通り、前作で死んだとされていた荒川真澄の恋人である「茜」が登場する。
    + 以下ネタバレ
    • 茜はハワイの宗教組織「パレカナ」に身を寄せており、ある事情から沢城丈と連絡を取り合っていた。そして、真澄の死をきっかけに息子である春日と会いたいと切望し、その意図を汲んだ沢城の頼みによって再会が実現する。
    • 終盤、紆余曲折を経て春日が茜と対面し親子としての会話を交わすシーンは、中谷氏と榊原氏の演技も合わさり本作屈指の名場面となっている。
  • 『6』以前の作品において荒川の名が売れてなかった理由として、「極道としての大罪を犯したため」であることが本作で示唆された。

プレイスポット

  • 恒例のカラオケはボーカル違いも含めてシリーズ最多レベルの全20曲。日本とハワイで合いの手の担当も異なるため、同じ曲も2回楽しめる。
    • 中でも桐生と錦山のデュエットゆえに再録が絶望視されていた「JUDGEMENT -審判-」の収録は大きな話題を呼んだ。春日を錦山と同じ中谷氏が演じ、桐生と共演したことで実現したといえる。春日がメインのバージョンもしっかり収録されている。
    • 趙と共用ではあるが、前作ではパーティメンバーで唯一持ち歌がなかったハン・ジュンギにもようやく新曲が追加された。
      • 一方で残念ながら新キャラのトミザワには、演じた井口氏自ら辞退し新曲がない。氏曰く、「自分が歌ったら他の方が目立たなくなる」とのこと。
    • 『5』で初登場以来シリーズの名物となっていた「ばかみたい」のアンサーソングとして追加された「ばかだろう」は、「桐生が大切な人たちのスライドショーを映画形式で視聴し、最後に出たキャラに思わず涙する」という感動ものの映像と、PVでも見せた「ばかだろう ばかだね、ばかだよ、ばかやろう」と歌う桐生の姿からこれまたインパクト抜群な歌となっている。
    • 桐生が参加するためか前作と比較して合いの手がはっちゃけている曲が増えた。
      • 中でも趙・ハンの「好きになれる人を好きになれたならば」と千歳の「Honolulu City Lights」のはっちゃけぶりはいい意味で酷い。なまじ曲自体が大変真面目な分ギャップもひとしお。
    • 一部の曲は横浜とハワイでムービーが変化する。
      • 前述の「JUDGEMENT -審判-」は桐生が日本で歌うとムービーのキーボード担当がサバイバーのマスターになり、『0』の構図の完全再現となる。
      • 実在女優の伝統曲「Like A Butterfly」はソンヒが担当しているが、相方が春日のバージョンと桐生のバージョンの2種類が用意されている。曲自体も演じる武田華氏の美声が存分に揮われており、非常に評価が高い。
    • 桐生がパーティメンバーになったことで、今まで不可能だった桐生の歌に合いの手を入れることが可能になった。
      • クリア後の日本では春日がパーティメンバーになるため、春日の歌にも合いの手を入れられる。
  • ドンドコ島は非常に自由度が高く、どんな島にするかはプレイヤー次第。こだわり出すとあっという間に時間が過ぎる。
    • 春日の体力は家の充実度でのみ変化するので、充実度が高いならお洒落なロッジ風にしようとヤクザ事務所風にしようと全く問題ない。
    • クリア後に習得できる極技も非常に強力で、そのためだけに挑戦する価値がある。

良質なBGM

  • 本作でも、質の良いBGMが多数存在し、臨場感を高めてくれる。ネタバレとなるため詳細は避けるが、各戦闘のBGMも全体的に評価が高い。
    • 中でも、ハワイでの雑魚戦闘BGM「Waikiki Down Beat」や、仲間キャラの加入ジングル「ハワイで仲間になった!」は、南国気質あふれる優れたもの。また、おそうじ丸のテーマ「いま、吸いにゆきます」はやけに壮大なアレンジがされた「Sad Mechanism」に進化し、神室町では戦闘BGMが「Funk Goes On(『極』ではなくオリジナル版)」になるなど、過去作を知る人が喜ぶものも多数そろえられている。
  • プレイリストで流せる『アフター6ジャンクション2』は本家スタッフが製作しているだけあって、『龍が如く』の世界どころか現実で流れても違和感がないほどしっかり作られている。
    • 視聴者からの投稿という設定で、『5』の「Rouge of Love -feat.かぐや-」と「KONNANじゃないっ! -情熱的だよ全員集合mix-」および『維新!』の「阿修羅小町」が合いの手入りで収録されており、ファンには嬉しい内容も。
      • 「一般人から見た前作や本作での春日達の行動」が同じく視聴者からの投稿という形で言及されるなど微妙にメタな内容も含んでおり、思わず笑ってしまう。
      • さらに「バットを持った男性がどこかに電話したと思ったら、空から大量のザリガニが降ってきた」など、デリバリーヘルプが春日の妄想ではなく現実の出来事だったことが判明してしまった。

トロフィーの条件が緩和

  • トロフィーの取得条件には従来の達成目録のコンプリートと高難易度クリアがなく、初心者でも時間をかければトロコンが十分視野に入る。
    • もっとも、難易度の変更は有料DLCを導入しないとできないのでそちらに移ったとも言える。

賛否両論点

せっかくの異国情緒がやや薄れがち

  • 物語を進めるにつれ、主にサブストーリーにおいて過去作の面子がどんどん登場。
    • せっかくハワイに来ているのに日本で見覚えのある人々と次々出くわすため、新鮮味を感じにくい部分がある。
    • とは言え、ファンサービスとしては間違った采配とも言いづらい。いつも通りのおバカなノリで繰り広げられるサブストーリーは、本シリーズの持ち味でもある。
      • 評価点でも先述した、強烈な絵面の違和感と感動が同居するサブストーリー「スノースマイル」などは、本作ならではの名エピソードと言える。
    • 最初こそ言葉の通じないハワイで苦心する春日だが、そのうち当たり前のように言葉の壁もなく誰とでも会話をするようになる。
      • 英語圏の雰囲気は薄くなってしまったものの、いちいち言葉の壁に躓いていてはテンポが阻害されるため、ゲーム的には正解だろう。
  • ドンドコ島で作れる建物が日本の繁華街的なものに偏っている。
    • リゾート地らしい建物はほとんど作れず、どうしても日本の歓楽街のような街並みになりやすい。
      • 本シリーズとしては「らしい」と言える調整ではあるものの、せっかく自由に開拓できるリゾート地なのだから、もう少しリゾートらしくできる自由度も欲しかった所である。

巨大ボス戦

  • 前作のvs重機戦の様な、非人間相手の巨大ボス戦が増加した。本作でも重機だけでなく、巨大サメやラストダンジョンではとんでもない相手とも…。
    • それらのボス戦は迫力がある・はっちゃけてて面白いという好評もある一方、「巨大ボス相手には組技属性の技が使えない」「特定のギミックを攻略しないと打倒が難しい」等戦闘に大きく制限がかかるものが多く、面倒くさい・煩わしいという声もある。

ダンジョン

  • ダンジョンは前作同様にレベル上げや珍しい装備の獲得などが可能なことから、パーティー強化のために重宝する。
    • 一方で、アタッシュケースや金庫のアイテムは取りやすいが、地面に落ちているアイテムは小さくて見えにくいことから、取りづらいという声がある。また、ドアを開けるたびにダッシュが強制解除されるためテンポが阻害される点もプレイヤーによっては気になるところ。
    • また、前作同様にメインクエストでハワイと横浜の2ヶ所の攻略が求められる。ただし、ハワイは3層進んだのちに現れるボスを倒せばよく、横浜は下り階段から外に出ればいいだけなので、イベントで攻略するダンジョンよりは手軽に終えられる。
      • 1階層当たりの規模も前作のダンジョンと比べて小規模で、レベルが上がればクイックバトルで蹴散らすことも可能になるため、総合的には前作のダンジョンより進めやすい。

その他

  • ショップでの販売品があちこちに散らばっており不便。
    • 店によって品ぞろえが違うのは当たり前なので、リアリティを出すという点では妥当な仕様でもあるが。

問題点

メインシナリオの終盤がやや説明不足

  • 序盤から中盤にかけては、両主人公の動向がしっかりと描かれているのだが、終盤の展開が圧縮気味。詳細はネタバレになるので避けるが、一例として「黒幕の1人の終盤の動向がわかりにくい」といった点が挙げられる。
    • ただし、『6』の様に致命的な話の齟齬が生じたり投げっぱなしになってる訳ではなく、プレイヤーの想像で「あのシーンまでの流れはこういうことだったのか」「この辺りで心境が変わってきたのか」「アレは仕込みとトリックだったんだろう」などある程度理解できる様にはなっている。『何があったかは想像付くから問題ない』と考えるか『きちんと描写してほしかった』と考えるかはプレイヤー次第といったところ。
    • 社会情勢の部分についても『龍が如く』世界は相も変わらず問題山積みだが、これについては本作において春日たちだけで解決しきれる性質のものではない。そこは続編以降に期待といったところだろうか。

その他シナリオ面での細かい問題点

  • 作品の性質上仕方のないことではあるが、過去作のネタバレやプレイ前提の展開が多い。
    • 特に前作や『7外伝』は事前プレイ必須レベルなので、ネタバレを嫌う方は最低でも前作を先にプレイした方がよい。
  • 桐生は相変わらず忍んでいる感が薄く、名を捨てた設定の必要性が感じ取りにくい。
    • とは言え一応、本作では「隠れているつもりではあったが敵組織の情報網が一枚上手だったためにバレてしまった」といったやむを得ない事情も発生。大道寺一派が弱体化しているという点も相まって、桐生本人が不注意すぎるといった指摘は少ない。
  • シナリオの大筋にはさほど影響はないものの、細かいツッコミ所や後付け感などは相変わらず見られる。
+ ツッコミ所や後付け設定に関する一例・ネタバレ注意
  • 気になりやすいのは「荒川真澄にはもう1人、悲惨な幼少期を送った息子が居た」という設定。
    • 前作であれだけ息子を気にかけていた荒川である。子供の存在を知った上で冷遇するとは考えづらく、作中でも「恐らくその子の存在を知らなかったのだろう」と解釈されているが、その子を産んだのは荒川と非常に深い縁を持つ女性である。
    • そのため、上記の解釈をすればしたで「それほどの縁を持つ女性の動向について全く情報を仕入れていなかった」とやや不自然。その女性は、荒川が最も憎む人間の親族でもあるため、トラウマから知ることを拒絶したのかもしれないが、その辺りの描写はなされていない。

ダブル主人公の弊害

  • 前述のように、8章以降はハワイで春日、日本で桐生を章ごとに交代して操作することになるが、パーティメンバーもそれぞれの主人公に紐づけされている。
    • また、パーティメンバーは終盤に一時合流するもののすぐに分かれてそれぞれの最終決戦に向かうため、全員が合流して自由にパーティ編成・探索や戦闘を行えるのはストーリークリア後のみとなっている。
    • そのため、ストーリー中でのパーティ最大人数がどちらも5人と前作より少ない。難易度自体は前作より低下しているためそこまで問題ではないが、戦闘での役割の融通がやや利かせづらい。
    • 春日視点では紗栄子・ソンヒ・趙とは一切イベントが発生せず、ナンバや桐生とも序盤のみなど、終盤になるほどやり取りの少なさが浮き彫りになってくる。
      • 桐生視点でも然りで、春日とは序盤のみで千歳、足立、トミザワ、ハン・ジュンギ(影武者)とは一切イベントが発生しない。桐生とハン・ジュンギ(オリジナル)とは、6で面識があったため、「共通の知人として話題にできれば面白かったのでは?」と感じるファンも見受けられた。
      • 「今回は桐生に同行するメンバーの春日との会話をもっと見たかった(逆も然り)」というのはパーティを分割する形式である以上は付きまとう問題であるため、仕方がないところだろう。
    • ハン・ジュンギの加入がかなり遅く、絆レベルや各ジョブのランクを上げるのに苦労させられる。また、上司であるソンヒとのパーティー内での掛け合いを見られるのもクリア後となっている。ハン(と趙)は当初は加入しない予定だったため、仕方ないが。
      • ただし、専用ジョブの「ヒットマン」が非常に強力*15なので、「戦力として微妙」と言われることは少ない。

バトル

  • 改善はされているものの、まだ問題点は目立つ。
    • 前作も多くはなかった全体攻撃の技が本作でさらに減少し、覚えられるキャラも限られてしまった。
      • 装備武器の属性を乗せられる広範囲技である程度はカバー出来るものの、バトル開始時の敵の位置によっては速攻出来ない事も十分にありえる。
    • 地形ハマリはかなり抑えられているが、ゼロになったとは言えず時折発生するためテンポが悪化する。
    • 前作と比較してデリバリーヘルプの金額が異常に高額になっており、中盤では1回呼びだすのも一苦労。
      • 狭山や伊達といった最上位キャストの割増ともなると1回で1億円持っていかれるなど終盤でも呼ぶのを躊躇うレベル。前作で強すぎた反動の側面はあるだろうが。
    • 前述のように本作の新規ジョブの解放は春日編でしかできないうえにある程度まとまったお金が必要になっている。そのため、金欠で解放しないまま桐生編に進むと次の春日編まで解放できなくなってしまう。
      • また、ムービーの関係で最低でも春日、トミザワ、千歳、桐生か足立の4人が揃っている必要がある。期間は短いがこの4人が揃わない時期があるので、その間も解禁できなくなってしまう。
    • 主人公が戦闘不能になるとゲームオーバーになる仕様も相変わらず。
      • 本作では一定ターン経過で戦闘不能になる状態異常「呪い」が追加されているので早期撃破か事前対策が必須。
    • 前作ほどではないが、一部強すぎる極技が存在する。
      • 槍玉に挙げられやすいのはサムライの「夢想弓・破」で、ランク1で覚えられるうえ、威力が凄まじいため、どこぞのメラミのようにサムライにジョブチェンジだけして継承させるプレイヤーが続出した。とはいえサムライへのジョブチェンジには人間力もお金もそれなりに要求される。

クリア後のやりこみ要素が有料DLC必須

  • 前作と同じくDLCを適用しないと周回プレイができない。さらに本作ではクリア後に追加されるファイナルダンジョンも有料DLCに回されている。
    • 幸い発売と同時に配信しており、上位のエディションでは付属するほか、周回要素以外の追加要素もあるので決して無駄ではないのだが…。

プレイスポット

  • 前述のように、マッチングアプリは『0』のテレクラと異なり一度対面して正体が割れれば以後の回避はできる。
    • 一方でサブストーリー発生のためには全員と対面する必要があるため、ハズレとわかっている相手でもチャットを成功させなければならず、徒労感が強い。
  • スジモンバトルはDLCキャラを入れていると勝利場面のポージングが簡素なものに変更されてしまう。
    • モデリングの都合や真島・冴島・大吾・秋山にコミカルなポーズを取らせるわけにもいかなかったのかもしれないが、ドンドコ島に宿泊客として訪れるという要素はあるだけに惜しいところである。

その他

  • 桐生以外の3Dモデルが使い回されており、狭山、小雪、ユキなど、『3』以降で登場していなかった女性キャラは作中で15年近く経っているにもかかわらず若々しいままで違和感がある。本作では56歳になったはずのユキですら『0』の頃と全く見た目が変わっていない。
    • 歳を取っても見た目が老けない人物は現実にも間々居るが、手抜きと見られても仕方のない部分ではある。
      • 一方で、かつての人気キャラクターが老けた姿で登場することが嬉しいかというとそうとも言い切れないため、あえての手段であった可能性もある。かってのポケサーファイターの例とは事情が違う話なのである。

総評

『7』で鮮烈な本家デビューを果たした春日と、最後の戦いに臨む桐生のタッグを上手く描き切った快作。
シリーズ初の海外が舞台ということで今まで以上の新鮮な探索を楽しめる。
前作キャラの多くが続投されているほか、長らく消息不明だった1~6のキャラクターも再登場しているなど、顔ぶれは非常に豪華。
エンディングノート、ドンドコ島をはじめとしたサブストーリー、プレイスポットなどを含めたゲームボリュームはシリーズ最大規模であり、バトルシステムも大きく改善されている。
終盤の駆け足な展開に難色を示すプレイヤーもいるが、基本的には前作から入ったファン、初代からシリーズを追いかけてきたファンが共に楽しめる一作となっている。


余談

  • 本作で初登場したカラオケ曲「好きになれる人を好きになれたならば」は、その切ない歌詞とは裏腹に序盤で歌われる食洗機を散々引きずる合いの手のインパクトから食洗機の歌とネタにされた*16
  • 本作の章タイトルは、いずれも過去に流行した歌謡曲から取られている。
    • 第1章ではKing Gnuの代表曲である『白日』の名前が付けられているほか、最終章のタイトルの曲は、本作のエンディングテーマとなっている。
  • 本作発売の約3か月ほど前に、『7外伝』が発売されているが、本作の開発が始まった時期は7外伝より先になっている。そのため、『7外伝』の要素は最低限のものになっている*17
    + 以下ネタバレ 一方で、『7外伝』の中心人物の1人であった花輪喜平が、物語中盤で敵勢力の襲撃に遭い、あっさり銃殺されたことは大きな話題を呼んだ。
    特に『7外伝』ファンにとっては「多くの先例からして生きているのでは?」と思いたいところだが、劇中では完全に死亡したという扱いをされており、エンディングノートでは報を受けた桐生が冥福を祈る発言をしているので望みは薄いだろう。
    『7外伝』で戻ってきたと思ったら本作で早くも死亡退場とは何とも儚い命と言わざるを得ない。
    スタッフによると、「花輪はもともと退場予定で、『7外伝』であれだけの人気が出たのは予想外だった」とのこと。
    現に本作における花輪は「桐生の知り合いの大道寺一派のエージェント」程度の扱いであり、『7外伝』エンディングで明かされた設定も特に活かされない。
  • 発売してからわずか一週間で、世界累計販売本数が100万本を突破した。

その後の展開

  • 本作から半年後が舞台となるシリーズ最新作『龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii』が2025年2月28日に発売予定。対応機種はPS4/PS5/One/XSX/Win。
    • 真島吾朗が初の単独主人公で『7外伝』同様ジャンルは喧嘩アクション。
最終更新:2025年01月09日 23:06

*1 英題は『Like A Dragon : Infinite Wealth』とサブタイトルあり。

*2 春日の召喚士の極技だけは例外的に他のジョブへの引継ぎができない。

*3 他にもユービーアイソフトのゲーム『Riders Republic』にも似たイベントが存在する。

*4 360以降の本体には互換対応していないため、プレイするにはXb本体が必要。

*5 前述のようにm HOLD'EMのみ高レートに相当する。

*6 ただし、『4』で登場した谷村正義は『ONLINE』から引き続きHDリマスター版のモデリングで採用。『6』の南雲剛は担当声優の不祥事からある程度映さないようシーンが編集されている。

*7 特に『OF THE END』のシナリオ設定は『5』以降の背景と辻褄の合う合わないで議論が前々から続いていたが、本作で確定となった。

*8 前作で全体攻撃だった極技は範囲攻撃に弱体化されている。

*9 代わりにランク10まで新たに習得する極技はなくなっている。

*10 前作では店で飲むと他のメンバーと同じように上がっていた。

*11 担当声優が演じるある有名キャラクターを象徴するセリフ。気になる者はぜひとも自身の目で確かめてほしい。

*12 紗栄子役の上坂すみれ氏は『ウマ娘 プリティーダービー』でアグネスタキオン役を担当しており、それに絡めたネタ。余談だが千歳役の伊波杏樹氏は初報ではトウカイテイオー役を演じる予定だったほか桐生役の黒田崇矢氏や真島役の宇垣秀成氏、遥役の釘宮理恵氏もアニメ版に出演していたりと『ウマ娘』は『龍が如く』声優とやたら縁が深い。

*13 元ネタは刑事ドラマ『西部警察』の大門刑事。デリバリーヘルプの名前も「西部の刑事魂」と明らかに狙っている。

*14 出所直後に大事件に巻き込まれているため、精神的に不安定になっていたことが大きい。

*15 電撃属性のスタン・スマッシュや、背後から攻撃することで確実にクリティカル+威力激増+恐怖付与のキリング・スラッシュ、広範囲の敵に大ダメージを与えるトゥーハンドショットの極みなど、強力な極技を多く覚える。

*16 実際にハンを演じた中村悠一氏もそのことをネタにしている。

*17 『7外伝』で大道寺一派に吸収された獅子堂や西谷も登場しない。