クラッシュ・チーム・ランブル

【くらっしゅちーむらんぶる】

ジャンル アクション


対応機種 PlayStation 4
PlayStation 5
Xbox One
Xbox Series X/S
発売元 Activision
開発元 Toys for Bob
発売日 2023年6月20日
定価 通常版3,990 円
デラックス版4,990円
プレイ人数 1人(オンライン限定で最大8人)
レーティング IARC:7+ 暴力(軽度)
備考 ゲーム内課金あり(現在は課金不可)
パッケージ版は海外限定(日本はダウンロード専売)
判定 クソゲー
シリーズファンから不評
ポイント クラッシュシリーズ初のオンライン対戦ゲーム
キャラゲーとしても対戦ゲームとしてもクオリティが低い
1年経たずにアップデート打ち切り
クラッシュ・バンディクーシリーズ


概要

初代プレイステーション時代から人気のあるクラッシュ・バンディクーシリーズ
かつては長らく暗黒期が続いたが、近年は『ブッとび3段もり!』や『とんでもマルチバース』の成功により再び盛り上がりを見せている。

従来作品はステージクリア式のアクションゲームが主だったが、今作は4vs4で行われるシーズン制オンライン対戦ゲームとして発売された。
カーニバル』のようなお祭りゲーとして本作に期待するファンも多かったが…。
以下はプレイステーション4・5版を基準に解説を行う。

  • 前述したとおり、4vs4で行われるチーム戦で、ステージに点在するウンパ・フルーツ(以下、リンゴ)を拾ったり箱を壊して集め、自陣バンク上まで運搬することで得点。2000点先取した方が勝利となる。
  • 過去作ではタイムアタックの報酬であったレリックはリンゴとは別の収集アイテムとして存在し、集めて「レリックステーション」へ持っていくことでキャラクターの強化やギミックの作動など、様々な恩恵を受けられる。一度に持ち運べるのは最大15個まで。
    • 通常のレリックステーションの他、ステージ中央には強力なレリックステーション(エピック)が存在する。
    • 強化系レリックステーションは先に規定数集めたチーム全員が利用できる。一定時間経過で使用できなくなり、クールタイムが終わると再利用可能になる。
  • ダイヤは今作ではダイヤの足場としてステージ各所に2~4個で1セット、最大3セット存在する。1セット内のダイヤの足場を全て自陣色に染めると一定時間リンゴを得点した際にブーストがかかって多く得点できるようになる。
    • ダイヤを染めても完全に染まる前ならば上に乗ることで阻止する事が可能。また、一度ブーストしたダイヤは黒くなってクールタイムが終わるまで利用できなくなる。
  • キャラクターのロールは、一度に持ち運べるリンゴの最大数が多い「スコアラー」、レリックやダイヤを集めて味方への支援が主な「ブースター」、基礎ステータスが高く直接戦闘能力に秀でた「ブロッカー」の三種類。
    • キャラクターにはレベルが設定されているが、レベルが上がることでステータスが変化するのではなくスキンやエモートなどが得られる。
    • 実装キャラが少ないためか同じチーム内で同キャラをピックアップすることが可能。
  • 対戦する際、一人に付き一つアビリティを選んで装備することができる。100点分の得点を追加する「リンゴちょきん」、相手に移動速度低下のデバフを与える酸を吐き出す「ハエとりでっぽう」など。
  • ダメージを受けると集めたリンゴを落としてしまう。落とすというが、厳密にはロストしてそのまま消滅する。
    • ノックアウトされたりステージ外に落ちた場合は、その時点で所持していたリンゴもレリックも全て消滅する。
  • 対戦の成績はバッジという形で評価される。得点をすると「スコアバッジ」、ダイヤを取ると「ブーストバッジ」、相手を攻撃すると「ブロックバッジ」等々…。
    • これらのバッジは対戦終了時のXP計算の他、これらを集めることで新たなプレイアブルキャラやアビリティを開放することができる。
  • 期間限定でイベントが実施されていた。期間中はシーズンパスやキャラクターのXPを稼ぎやすかったり、新キャラの先行実装イベントでアイテム収集することで専用のスキンなどがもらえた。
  • シーズン2以降は通常の対戦モードの他、4人で協力してお題をこなす「パーティモード」、週末限定で通常とは異なるルールでの対戦を行う「TFBラボ」などが追加された。

問題点

キャラゲーとしての問題

  • 初期実装キャラは8人だが、 8人中7人が前作『とんでもマルチバース』からの流用
    • シーズン1で追加されたエヌ・ジンとリパー・ルーのモデルも前作からの流用。
    • モデルだけでなく、攻撃モーション、やられモーションなどもほとんどが流用素材。
      • 流石に前作でプレイアブルでなかったニトラス・ブリオなどは多少モーションが追加されているが、明らかに前作プレイアブルたちと比べてモーション数が少ない。
    • スパイロシリーズからのゲストキャラたちも『Spyro Reignited Trilogy』(日本語未対応)からの流用である。
    • 流用自体が悪いわけではなく、『ブッとびニトロ』も『ブッとび三段盛り』からのモデル流用が多かったがそちらに登場していなかったクランチやニーナといったキャラはモデルを新造されて参戦していた。
      対して本作は明らかに既にモデルのあるキャラしか参戦していないため悪目立ちしてしまうのである。
  • キャラゲーなのに 誰一人としてボイス未収録
    • ライブラリ音声も一切使用されておらず、海外声優による「Yeah!」「Fooo!」程度のボイスしか発さず、キャラ同士の絡みや交流などは一切合切描かれない。キャラゲーとしてあまりに致命的である。
    • アクアクとウカウカ、前作のクォンタムマスクたち、エヌ・オキサイドなどはレリックステーションのアイテム扱い。当然ながら彼らにもキャラボイスはない。
      • ついでに言うとエヌ・オキサイドに至ってはホームグラウンドである宇宙ステージが実装されていないため、砂漠ステージのレリックステーションという縁もゆかりもない場所に追いやられている始末。
      • 唯一、司会者&実況のみボイスが実装されているが、ビジュアルなどは一切明かされていない天の声。その上ボイスパターンも少ないので聞いていると段々煩わしくなってくる
      • 一応チュートリアルでココがテキストのみのボイスなしで喋るが、機械翻訳したかのような不自然な文であり、過去作におけるココのキャラと全然合っていない。
  • キャラクターだけでなく、ステージ背景や小物に至るまで前作からのモデル流用が目立つ。
    • BGMは流石にとんでもマルチバース以前の作品から採用されている物もあるが、これらも特にアレンジされておらずそのまま使用している。その上、 タイニータイガーが参戦していないのにタイニータイガーのボス戦BGMだけ収録されている などチグハグなところも。
  • キャラゲーだが ストーリーモードは存在しない
    • キャラクター図鑑やライブラリ機能といった類も存在しない。そのため前作をプレイしていないと「タウナ、初代とキャラ違わない?」「エヌ・トロピーがなんで女なの?*1」といった感じで困惑することになる。
  • そもそもストーリーはあってないようなもの。
    • 「元々はウンパ・アイランドで年に一度行われるリンゴの豊作を祝う収穫祭というローカルなお祭りだったのだが、年を経るにつれて規模が大きくなり、現代では各国から腕に名のある選手が集う一大イベントになった」という設定があるのだが、当然ながらゲーム内では説明されない。この設定を知っている人はどのくらいいるのだろうか?
    • 一方で「ランブルはココが作ったゲームという噂がある」という記述もあって根本的な設定すら曖昧。
  • 唯一の使い回しでない、完全新キャラ「キャットバット」の扱い。
    • 初代クラッシュの頃、コルテックスによってオスのヤマネコとメスのコウモリを掛け合わさって作られたキメラなのだが、クラッシュの反乱に乗じて研究所を脱走。あてもなく露頭を彷徨っていたところを人間のロックシンガーに出会ってハンバーガーをご馳走になり、彼の元で暮らすことになる。その後自らもロックシンガーとして大成したキャットバットは地元に帰ってコウモリたちを仲間に引き入れレストランを経営。オーナーとなって生活していたが、ある日ランブルに参戦しているコルテックスを発見。自身を改造した恨みが再燃し、復讐を果たすためにランブルに参戦することになる。
      …と、長々と生い立ちについて語ったが、これらの設定は海外のブログで軽く語られる程度で、 ゲーム内では微塵も語られない 。(参照 ※海外のサイトに繋がります)
      • それに加え上記の通りこのゲームはキャラボイスもストーリーモードも存在しないので、ゲームだけだとどういうキャラなのかが全然わからない。過去作では『レーシング』のエヌ・オキサイド、『カーニバル』のリラ・ルーなど似たようなポジションのキャラたちはしっかりボイスがあってキャラが立っていただけになおさらである。
      • そのため前述したノンバイナリーやコルテックスへの恨みといった設定はほとんど意味がないものになっている。コウモリのレストランオーナーということで、前作でディンゴダイルの店を爆破した『Papa batfield』の関係者*2と思われるがそれについても掘り下げられることがない。
      • 鳴り物入りで登場させた割にはこの程度の扱いなので、このキャラを作るリソースを既存キャラに回した方が良かったのではないのか。
  • 選出が不可解な追加キャラクター。
    • シーズン1でエヌ・ジンとリパー・ルーの2キャラが追加されたのだが…。シーズン2にて『スパイロ』シリーズからリプトーが、続くシーズン3からスパイロとエローラが参戦した。見ての通り追加キャラは 本家クラッシュシリーズよりスパイロシリーズからのゲストキャラの方が多く、しかもわざわざ連続2シーズンも割いての参戦である
      • 確かにスパイロは過去作でも度々ゲスト出演することはあったが、本家クラッシュからの未参戦キャラが沢山いるのにそれらを差し置いてゲストキャラが優先されることに不満の声も少なからずあった。
        これなら最初から『クラッシュ&スパイロ』というタイトルで売った方がまだタイトル詐欺にならなかっただろう。
        主人公のスパイロより先にヴィランのリプトーを実装させるチョイスも謎である。
    • 発売から約9カ月経過した日本時間3月5日で追加アップデートは打ち切り。結果、 登場が予定されていたニーナとピンストライプはお蔵入り となり、ほとんどのクラッシュキャラが未参戦のまま終わった。
  • 以上のことから、本作はキャラゲーとして最低限やるべきことすらできていない。海外スタジオ制作のゲームとはいえ、ローカライズやファンサービスが充実している作品は探せばいくらでもあるので擁護できないだろう。
    • 参考程度に前述の『カーニバル』と比較すると、あちらはストーリーあり、キャラボイスあり、一人プレイモードあり、やり込み要素ありと、 20年以上前のゲームにすら劣る出来である
    • そもそも前作『とんでもマルチバース』が日本語ローカライズの丁寧さやファンサービスの多さが高く評価されていたのに、何故本作でそれらを徹底的に排してしまったのだろうか。

対戦ゲームとしての問題

  • 発売直後のシーズン1の時点では、 オンライン対戦しかやることがなかった
    • 厳密に言うと、「野良ランダムマッチ」、「プライベートマッチ」、「チュートリアル」、「CPUとの練習マッチ」の計4つしか存在しない。前述した通りストーリーモードはおろか、一人プレイ用のキャンペーンモードすら未実装。令和発売のゲームにしてはあまりにも内容が乏しすぎる。
      • 更に言うならばオンライン対戦は所謂カジュアルマッチしか存在せず、 ランクマッチやレート対戦といった類はない
      • それでいて定価約4,000円というフルプライスでないにしろ強気な値段設定*3。上記で述べたように流用素材も多いのに一体どこに金をかけているというのだろうか。
    • シーズン2になってパーティモードが追加されたことでコンテンツ不足は一応解消されたが、そちらの問題点は後述。
  • 対戦バランスは劣悪とまではいかないものの、かなり粗が多い。
    • 本作の勝敗を決するのは「2000点先取」のみで時間制限は存在しない。そして得点に必要なバンクは基本お互い一つのみ*4
      要するに 相手バンクに陣取っての遅延戦法が非常に強力
    • 遅延戦法を助長しているのが、基礎ステータスが高めなブロッカーと、ブロッカーと相性のいい優秀なアビリティである「ガスモキシア警備員」と「ひんやりヒール」、そしてブロッカーに有利なバンクの仕様である。
      • 得点するにはリンゴを集めた上で自分のバンクに戻り、バンクの上に一定時間立つことが必要。この際左右への移動や攻撃はしても問題ないが、ジャンプなどでバンクから足を離すと得点がリセットされる。
      • ブロッカーの攻撃は相手を強く吹き飛ばす効果が付属している物が多く、これを受けて宙に浮かされた場合も得点がリセットされる。
      • そして得点の最中、相手チームメンバーがバンクの上にいると得点する側に得点速度が低下するデバフがかかる。このため得点する側は妨害を受けやすい一方、 妨害する方はデメリットが存在しない ので遅延戦法がやり得なのである。
      • スコアラーとブースターは忙しなくステージを駆け回ってアイテムを集める必要があるが、ブロッカーはそれらをわざわざ追いかける必要がなく、 相手バンクの上で待っていれば袋いっぱいにリンゴを詰め込んだフクロネズミが向こうからやってくるのでそれを撃退すればいい 、相手がいくらリンゴを集めようと、ダイヤでブーストしようと、 得点さえさせなければ絶対に負けない と、かなり歪なバランスとなっている。
      • この手の対戦ゲームは安易なハメ戦法が成立しないよう、得点するゴールが複数あったり、敵陣地に踏み入ると移動速度が低下するなどでバランスを取っている物であるが、このゲームにそれらのバランス調整は存在しない。
      • 極端な話、ブロッカー3、4人でチームを組み、自陣の得点を一切無視して相手の妨害に専念して遅延戦法を行い、相手を萎え落ちさせて弱いbotに変えてしまえば簡単に勝ててしまう程度の雑な調整である。
        そしてそこまでしても得られるXPがほんの少し多くなる程度なので、本気で戦う意味も薄い有様。
  • ブロッカーは他ロールと比較して基礎ステータスが高めで、ブースターは一部のレリックが2個付きになってレリックステーションを利用しやすいという特徴がある。一方でスコアラーは一度に持ち運べるリンゴの数が多少多い程度。バンクの上に相手チームメンバーがいても得点速度が低下しないくらいのパッシブスキルはあっても良かったと思うのだが。
    • スコアラーとブロッカーがタイマンで戦う場合、基礎スペックの差でプレイヤーの腕前が良くないとスコアラーはかなり不利を強いられやすく、撃退に成功してもその頃には大量に集めたリンゴのほとんどを落としていたなんてことも少なくない。
    • 因みに所持しているリンゴの数に関わらず得点速度は一定である。リンゴが少ないと得点速度が上がる場合、それはそれでスコアラーの利点はなくなるが。
  • キャラゲーなのに キャラクター固有の必殺技は存在しない 。過去作には「たつまきスピンアタック」や「リンゴバズーカ」、各種乗り物等、必殺技になりそうな要素はいくらでもあったのだが。
    そのため単調な殴り合いに終始することになり、飽きやすい。
  • カスタマイズできるのは対戦開始前に選べるアビリティ一つだけ。その中でも優秀な妨害効果の「ガスモキシア警備員」や、貴重な回復手段である「ひんやりヒール」がとびぬけて強く、余程のこだわりがない限りそれら以外を使う利点があまりない。
    • キャラクターの性能をプレイヤー好みにカスタマイズすることもできず、たまにあるバランス調整アップデート以外で能力が変わることはない。
      • バランス調整も全体的に雑。例えばそれまで弱くて全く使われていなかった「ハエとりでっぽう」を強化したところ、強くし過ぎたと不満が出たので 元の性能に戻した 等。0か100しかものを知らないのか。
  • 原作再現度も高いとは言いづらい。
    • 特にココの場合、「時空の壁を生成して追跡を振り払いつつダッシュする」という、原作にはない謎の能力を与えられている。
      前作ではクラッシュのコンパチキャラだったため性能差別化したかったのはわかるが、それなら猶の事リンゴバズーカでも持たせた方が良かったのではないだろうか。
  • オンライン対戦なので当然ながら途中抜けや切断は少なからずあるのだが、それらの行為に対する ペナルティは一切なし 。強いて言うなら途中抜けしたマッチのXPを得られない程度しかない。
    • マッチ制限がかかるわけでもなく、そもそも前述の通りカジュアルマッチしかないのでランクポイント減少などもない。
      • そのため野良マッチでは切断が頻発してまともな対戦にならないことがままある。気付いたら自分チームが全員botになっていたなんてことも少なくない。
      • 当然ながらbotのAIはお粗末なので、botの多い方が圧倒的に不利である。
  • そもそも説明が全体的に不親切。
    • チュートリアルでは本当に最低限のことしか教えてくれず、テキストでの説明もほとんどない。
      前述したブースター使用時のみ一部レリックが2個付きになるという、基本且つ重要なことも一切説明されない。
    • ロード画面のtipsでは「クラッシュの自動車免許はレーシングの時に無効になった」、 「コルテックスは生まれてから一度もシャワーを浴びたことがない」 といったどうでもいい与太話が並ぶ。
  • チャット機能が未実装。
    • 一応言っておくが本作はコンシューマ限定の作品である。それなのにDiscordなどの外部ツールを使わないとコミュニケーションが取れないのは致命的である。
    • フリーチャットやボイスチャットは暴言厨という問題があるとはいえ、固定チャット機能すらないのは言語道断である。オンラインゲーム黎明期には既に存在していた機能なのだが。
    • 味方に指示を出すにはピン刺ししかできず、ピン刺しの精度もあまり良くないのに加え、リアクションを返すこともできない。
    • このため味方と協力している感じが一切なく、お互い好き勝手動いているという方がしっくりくる。
      • 因みにボタンが足りないから実装できなかったというワケではなく、L1ボタンと十字キーを対戦で使わないので寧ろ余っている*5
  • ミニマップ機能もない。
    • そのため味方がどこにいるのか把握するのか困難。
    • 一応マップ全体を俯瞰して見渡すことはできるのだが、 ノックアウトされてリスポーンしている間のみ 。あまりに不便。
      • それに加え味方がアクティブなのかノックアウトされてリスポーン中なのかは一々スコアボードを表示させないとわからない。この手のゲームは画面端に敵味方の状態が常時表示されているのが基本であり、その情報を見て攻めるか守るかを臨機応変に判断するのが普通。
    • イベントアイテムを集める際も、マップを見渡す機能がない上にいつスポーンしたのかのアナウンスもないので不親切。
      • 更に言うなら、リパー・ルーの落とし物のビー玉、タウナのダイナマイト、ズブズブ沼というステージで魚を集めるイベントは沼なのに手に入る魚は スズキなどの海の魚 といった感じで*6、集めるアイテムの意味がよくわからないことになっている。
  • ラグやバグは少なくない。
    • プレイヤーの回線に依存しているのかラグが頻発する。
  • アクティブユーザーが少ないのかマッチングしないときは本当に全然マッチングしない。時間帯にもよるが1試合に数十分待たされることもざらにある。
    • 対戦を始めるには最低でもプレイヤーが5人必要。不足分はbotが補填されるが、当然botが多い方が不利なのでそれを見て退出するプレイヤーも多い。そしてまたマッチングが成立するまで延々と待たされる悪循環。
    • マッチングシステムも不明瞭。この手のゲームではプレイヤーの技量差が出ないように近いレベル帯のプレイヤーがマッチングしやすくなるのが常だが、このゲームではレベル一桁と90代がマッチングすることが多い。
    • そもそも本作のレベルはシーズンパスレベルしかないためマッチングの指標としては不適切。後述するようにシーズン2以降は金で買えるようになったのでなおさら意味をなさない。

パーティモードの問題点

シーズン2で追加されたコンテンツ「パーティモード」。
4対4の対戦形式ではなく、4人で一つのお題をこなすco-opモードである。
複数のWaveからなっており、時間制限以内にお題をこなすことで次のWaveへ移行。
それらとは別に1Waveごとにタイムが計測され、Waveクリアにかかった時間を星5の評価で採点する。
全てのWaveをクリアするか、時間切れになると終了。その時点でのXPを集計する。
最終Waveのみステージ各所に「ボストークン」が散りばめられており、全て集めてお題をこなすと高難易度のボスWaveに突入する。

  • 通常マッチ以上にルール説明が不親切。 なんとロード画面の下の方に小さく2行程度で書いてあるだけ
    • 例えば地面に埋まっている化石を掘り出す『マッドディグ』は操作キャラの頭上にある探知機の反応を見て掘る必要があるのだが、具体的にどうやって掘り出せばいいかまでは説明されない。
    • 練習モードも存在しないためぶっつけ本番で身体で覚えるしかない。
  • 時間制限が非常に厳しい。
    • 1、2Wave目くらいまでは時間に余裕があるので比較的クリアは容易だが、3Wave目辺りから目に見えて時間が少なくなる。
      • Waveが進むにつれてお題も複雑化したり難易度が上がっていくので時間が足りなくなる。
      • マップに点在するウォッチを取得すれば制限時間が伸びるが、一つにつき たったの5秒しか増えない 。時間制限が迫っている中でウォッチを探しても探すのに時間をかけすぎてかえって時間を無駄にするなんてこともざら。
      • そのくせ評価時間の設定は極端に厳しいので、よほど連携が上手く取れないと星1評価ばかりになってXPが大きく減らされる。ちゃんとテストプレイをしたのか疑わしいレベル。
      • そして前述したようにミニマップもチャットもないので、野良での連携はほぼ不可能。
      • 更にこのモード(及びTFBラボ)で途中抜けが発生した場合、 botの補充すら行われない 。一部ギミックは複数人必要なものもあるので、最悪お題をこなせなくて詰む。
    • 結論を言うとパーティモードとは名ばかりで、 連携の取れない味方と何の説明もなく現場仕事に放り込まれ、早退者が出ながらも残った人員で厳しいノルマを頑張ってこなしても、時間をかけすぎたということで給料を減らされる という、 ブラック企業のサービス残業みたいな社畜モード というのがこれの実態である。

その他問題点

  • オンラインゲームということでプロフィール機能が存在するが、設定できるのはエンブレム、エンブレムのフレーム、バナー、MVPのBGMだけとかなり簡素。固定メッセージによる「よろしくお願いします」程度の挨拶すらできない。
    • 自分の対戦履歴を見返す機能も、他プレイヤーの対戦履歴を閲覧することもできない。
    • 所謂ロビーや集会所機能もないのでオンラインで世界中のプレイヤーたちと交流する楽しみもできない。
  • シーズン2で追加された課金要素「クラッシュコイン」だが、用途はシーズンパスのティアをスキップするのみ。
    • 当然ながら毎日遊んでいるプレイヤーならばこれを使わずともパス報酬はほぼ回収できるし、パス報酬のスキンやBGMに興味ないプレイヤーは課金することはない。つまりパス報酬は欲しいけどプレイ時間が足りないという限られたプレイヤー以外は 課金する意味はほぼない
    • これなら基本プレイ無料にしてスキンを課金でアンロックする形式にした方が、アクティブユーザーの定着率はともかく新規プレイヤーを呼び込めたのではないだろうか。
    • シーズン3終了と同時に課金することはできなくなった。余っているコインは引き続き使用可能。
  • 本作に限った話ではないが、そもそもシーズンパス制自体、賛否の多い要素である。
    • それに加えて期間限定イベントも多い。
    • 基本プレイ無料ならまだしも、決して安くない金を払ってゲームを購入したのにゲーム内要素を全て開放できないのはプレイヤーとしてはかなりストレスが溜まる仕様である。
      • シーズン3終了後、過去のシーズンパス報酬やイベント報酬が最後のバトルパス報酬として再入手可能となった*7
  • プレイヤーの声をちゃんと聴いているか疑わしい開発運営の姿勢
    • 例を挙げると、シーズン2開始直後「新コンテンツのパーティモードを遊んで限定報酬をゲットしよう!」というミッションが追加され、限定スキンなどをゲットできた。それには特に期限が明記されていなかったため、「シーズン2の約3か月間いつでも取れるんだな」と判断し後回しにしたプレイヤーもいたのだが、 実際は1週間の期間限定 であり、報酬を得られなかったプレイヤーが続出。
      公式X(旧Twitter)にこのことについて説明や補填を求めるポストが複数投稿されたが、運営は最後までダンマリを決め込んでいた。

賛否両論点

  • 演出は全体的に簡素
    • 特に対戦終了時は「勝利!」or「負けた!」と表示→MVPの表示→スコアボードの表示→XP換算とアッサリ終わる。
      この手の対戦ゲームであれば対戦終了時に勝ったチームが一堂に並んでエモートで喜びを表現し勝利を分かち合ったりするものだが。

評価点

  • 前述したとおり課金要素はあるが、キャラクターやアビリティのアンロックに課金は必要ない。
    • 所謂Pay to winなゲームではないので課金で有利不利がつくということもない。
  • ゲーム起動時に流れるオープニングムービーの出来はいい。
    • ただしこのゲームで流れるムービーはこれ一つのみ。この手の対戦ゲームではシーズンが切り替わったり、新キャラが参戦する際に告知ムービーが流れたりするものだが。
  • 対戦ゲームで問題となりがちなチーターやグリッチ使いはあまり見られない。
    • 裏を返せば、そういった悪徳プレイヤーからも見向きもされていないということになるが…。
  • 本作オリジナルBGMの出来はそこまで悪くはない。じっくり聞く機会はほとんどないが。

総評

果たして本作がクラッシュ・バンディクーである必要があったのか?  という根本的な疑問を抱かずにはいられない、令和にあるまじき問題作。
クラッシュ・バンディクーという25年以上続くコンテンツを扱っていながら、キャラゲーとしてダメ、対戦ゲームとしてもダメと褒められる点を探す方が難しい惨憺たる出来である。
結果的に本作は1年もたずにアップデートの追加を打ち切った。現在でも引き続きゲームの購入とプレイすることはできるが、ただでさえマッチングに不備を抱えていることに加え、いつサービス終了するかわからない現状、他のゲームを遊んだ方が遥かに有意義なのは言うまでもないだろう。
今作の大失敗が原因でクラッシュ・バンディクーというコンテンツが再び冬の時代に突入しないことを願うばかりである。


余談

  • 本作の追加アップデートが打ち切られた理由については公式で明かされていない。
    シーズン3終了前に開発元であるToys for BobがActivisionから独立したためと思われるが、あくまでプレイヤーの想像の域を出ないので注意。
  • 本作が発売された2023年、本作に出演しているスパイロシリーズは25周年を迎え、リマスター版が全世界1,000万本売り上げたとX(旧Twitter)で発表された。しかし未だに公式で日本語対応版は未発売である。
  • 2024年7月、シリーズの新作が発表もされないまま開発中止になっていた事が関係者の口から明かされた。本作の顛末と関係があるかは不明だが。
    • 後に関係者によって開発中止になった経緯が明かされた。(参照) こちらによると因果関係は逆であり、「先にクラッシュバンディクー5(仮)の開発が進められていたが、販売元のアクティビジョンの運営型オンラインマルチプレイ対戦ゲーム重視の方針によってクラッシュ5の開発が中止、その後開発中止になった別の対戦ゲームをとんでもマルチバースのアセットを流用して復活させたのがクラッシュ・チーム・ランブルであった」と語られている。
  • 公式X(旧Twitter)では本作のストーリーを補完する漫画が連載されていた。
    • ただし全文英語で日本語非対応。そもそも外部で補完する以前に 最初からゲーム内にちゃんとしたストーリーを用意しろという話である
      • なお肝心のその内容は、「次元の穴を通ってやってきたスパイロたちもランブルに参加しました。おしまい」というもの。
        結局ストーリーなんてなく、わざわざ外部で補完する程のものでもない上に、ゲーム本編が打ち切られた事によって典型的な打ち切りENDとなった。
最終更新:2025年05月08日 21:40

*1 前作のレディ・トロピーというのは従来のエヌ・トロピーと区別するための呼称であり、本名はどちらもエヌ・トロピーである。

*2 海外版の設定。日本語版ではこのセリフが差し替えられている。

*3 本作は完全オンラインゲームなので、プレイするには各プラットフォームに応じたオンラインサービスを別途購入する必要があり、実際はもう少し高くなる

*4 「みしらぬビーチ」ステージのみ、エピックのレリックステーションで得点が倍になるボーナスバンクが使用可能

*5 厳密には十字キーは全て同じエモートボタンなのだが、十字キー全てを同じにする必要はない

*6 魚のグラフィックは名前と全然違う見た目

*7 最後のバトルパス報酬の中には、本来シーズン4をやる名残だったのであろう4の数字のエンブレムがあり、哀愁を漂わせている。