関連作品 > 陽炎のメモリア(~第五回)





概要

「陽炎のメモリア」は、Webラジオ「インタラクティブウェーブ」にて配信されていた小説。
第五回より前と第六回より後では登場人物や舞台が異なっており、ここでは第五回より前を取り扱う。

「蒼き雷霆ガンヴォルト」の関連作品のうち、この「陽炎のメモリア」は時系列上最も過去にあたる物語である。*1
能力者の出現から間もない時期の世界の様相、アキュラとミチルの父である神園博士の存命時の姿、
本編に登場する「ある人物」の過去などが描かれており、短いながらもガンヴォルトの世界を理解するうえで重要な作品。








各話


タイトル 公開日時
第一回 2014/08/10
第二回 2014/08/17
第三回 2014/08/24
第四回 2014/08/31
第五回 2014/09/07







登場人物

※地の文・台詞問わず、全文の朗読は尾高もえみが担当している。

神園
未来技術研究所に勤務する研究者。第七波動研究の功労者であり、生きた伝説と称される男。
平時は穏和な人物だが、能力者に対しては別人とも思えるほど憎しみを露にする。

助手
神園博士の部下。本名は不明。
上司である神園を信頼しているが、彼が能力者へ向ける異様な憎しみには困惑する姿も見られた。

タケフツ
未来技術研究所で被献体とされていた人工能力者。




























私見






「ガンヴォルト・ゼロ」

というにはちょっと短い部分もあるでしょうか。むしろアシモフ・ゼロでしょうか。





「故・神園博士」

「現在は能力を持っていないから」なのか「娘だから」なのか、はたまたもっと別の理由があるのかは分かりませんが
神園博士は強い反能力者思想を持っている一方でミチルの事は可愛がっています。
(「第七波動」ではなく「能力者」をバケモノと蔑んでいるので「娘を苦しめた第七波動を憎んでいる」という感じでもない)

そんな彼が遺していたものが「近い将来、能力者によって人類は淘汰される」という予測データ*2
そして第七波動研究の秘蔵データ。アキュラくんが偏った理由がなんとなく理解できる代物です。

ただ、神園博士もまさか自分が事故死するとは考えていなかったでしょうし
未来技研の事故さえ起きなければデータは神園博士が保管、アキュラくんも憎しみを募らせる事なく育ち
ゆくゆくはセラピーアキュラに…という未来があったのかもしれない。





「タケフツ≒アシモフ」

ゲーム本編のアキュラくんは14歳。神園博士の台詞を聞く限り、本作の時点で彼とミチルちゃんは誕生している。
後のドラマCD「義心憤怒」では、回想シーン(紫電7歳。なお、ゲーム本編の紫電は14歳)の時点で
「陽炎のメモリア」劇中で発生した未来技研の事故について語られている。

両者を照らし合わせると、「陽炎のメモリア」第二回~第五回は本編から14年~7年前の話と考えられます。
本編のアシモフは24歳なので、この時点のタケフツの年齢は10~17歳。
残念ながら、これ以上の特定は難しい。劇中でタケフツは「少年」と表記されているが
シャオウー(12歳)もジーノ(16歳)も「少年」で括られる*3ため、絞り込みには使えなさそうです。





「第七波動とは、自然界の法則を大きく逸脱した“異能の力”」(第一回より)

能力者は気軽に空中浮遊しますが、異能の力なんだからしょうがない。

なお、デイトナ(空気の熱を変化させて気流を操作し、小規模な空気の足場を形成している)
カレラ(自らに纏わせた磁力と、床に付与させた磁力とを反発させて身体を浮かせる事ができる)
メラク(自身の能力ではなく、アームド椅子に仕込まれた機構によって浮いている)など
空中浮遊に理由付けがなされている能力者も何人か存在します。





「得体の知れない力を、同じような得体の知れない力で制御しようとしている」(第三回より)

能力者(タケフツ)を霊石で封じ込めている様を神園博士が評した台詞です。
奇しくも、後の歌姫プロジェクトはこれに近い構図。





「未来技研、実験中の事故により焼失」

陽炎のメモリア本編中では、タケフツの暴走が事故の原因と「推測」されるにとどまっていますが
「爪」サウンドトラックや電撃Nintendoでは、神園博士の死因が「タケフツ(アシモフ)の暴走」と断定されています。







最終更新:2018年05月28日 23:17

*1 始まりの能力者の発見など「出来事」に関してはより古いものもある。

*2 あくまで「予測データ」だが、神園が第七波動研究の第一人者である事を考えると信憑性は低くないと思われる。

*3 一応、ジーノは「青年」と表記される事もある。