僕は、昔から自然災害の映像や画像を見るのが好きだった。
崩れて落ちる白い怒涛
瞬時に暗い空を走る青白い閃光
南瓜ほどもある空から降ってくる氷の塊
赤い溶岩を吹き出す巨大な山
瞬く間に押し寄せる水の破壊者
それらを見る毎に心が奮えた。こういうのを実際に見てみたい、と。
でも、僕が住んでた国は雪しかないから、あったとしても雪崩ぐらいしか見られない。
だから、執事に頼んで両親に内緒でこっそり映像や画像を取り寄せてもらってはその偏愛を満たしていた。
でも、それは長くは続かなかった。
それが、両親にばれてしまったからだ。
絶対嫌だった。それが無くなることで僕はおかしくなりそうだったから。
だから処分されようとするそれを見ながら、心の中で強くやめてと念じた。
すると、突然何かが天井を突き破って落ちてきた。
僕は咄嗟に目を覆った。
恐る恐る目を開けてみると、両親が頭から血を流して倒れていた。
その傍らには、いつか見たことのあった、南瓜大の氷の塊があった。
多分、それがぶつかったんだ。でも、どうして?確かそれが降ったのは日本、だった筈。
他にも何かがおかしい。目を覆っていた手が・・・やけにふわふわしている。
目をやった。愕然した。そこには、白い毛で覆われた手があった。
両親の安否確認より先に鏡を確認しに行った。
そこでは、誰とも知らない人間の様な白熊が目の前の出来事を信じられない、という様な顔をして立っていた。
でも直感した。これは僕なんだと。きっとあれも、僕がやったんだ、と。
両親は即死だった。事故として片付けられた。
傍らに残った雹は驚かれたが、ギネス記録に認定はされなかった。
それから紆余曲折あって、僕は今、ここに、
東都探偵倶楽部にいる。
日本語は2ヶ月ぐらいでマスターしてしまった。
その後でマフィアに追いかけられたりしたけど、得た力を使ったりして何とか免れてる。
使う度に白熊になっちゃうのは嫌だけど、フードがあるからどうにかなってる。それに自分で自然災害を操れて何だか楽しい。
でも、残念だけどいつかこれは全く使わない様にしないと。
これの所為で両親が死に、故郷にいるべき場所を無くしたのだから。
きっとこのままだと、ここにも居られなくなる。それは何とかして避けないと。
だって僕の恩人が、親しい人達が、何処よりも多いところだったから。
だから僕は、普通になりたい。
どうすれば、良いんだろう。
最終更新:2016年01月12日 23:28