《 注意 》
・この小説は、チャットから派生したアリバフさん・ネイプによる[[リレー小説]]です。
・猿駆さんと[[ルフェウス]]が中心となります。
・「----」で区切ったら次の人へ回す合図になります。(※環境によって表示は違うかもですが、テキストそのままではなく、仕切り線タグが挿入されます)
・順番、長さは適当です。書けたら繋げていきましょう。
・自キャラの登場シーンだけは、PL様本人が書いて頂けると助かります。
追記:こちらのリレー小説は
コンビナートによるルフェウスさんの捕獲などが発生しなかったパラレルワールドでの物語となります。ですが、このリレー小説の結果起きた感情の推移や異能の変化は本編でも反映させる腹積もりです byアリバフ
互助組織『
ハーメルン』が、極力、疾患者が一か所に集まる拠点を持たず、通信回線のみで繋がりを持とうとするのには、こういう理由があったのだ。
雪崩れ込む黒服の群れ。
時折聞こえるのは、ロシア語のやりとり。
犯罪組織『コンビナート』による襲撃だと気付いた時にはもう、遅く。
ここのところ、暇があればこの廃工場に屯して、とりとめもない冗談を言い合っていた。
きっと随分と前から、目を付けられていたのだろう。
複数の〝疾患者〟が特定の場所に集まるとなれば、そこは格好の「餌場」になってしまう。
そんな〝上〟の思惑を、身を持って理解させられている。今。
一番最初に、出入り口に最も近くにいた玲岐が犠牲になった。
まぶしい車のヘッドライトに、黒く浮かぶ玲岐の影が、ゆっくりとまるでスローモーションのように倒れるのを、全員が見た。
自分が何かを言うよりも早く、フラウムが奴らに飛びかかる。
―――救世主妄想症候群/メサイアコンプレックス。
犠牲にしたものの比重に応じて、自らの肉体を強化するフラウムの疾患。
「玲岐の命」の犠牲で、フラウムはかつてないほどに強い力を手に入れ、押し寄せる黒服達を蹴散らしていた。
その時、自分が何を言ったのかは覚えていない。ただ、残るベルメリオとヴェルトーを守るために、二人の前に立ったのだと思う。
一瞬怯む黒服達が、何かを叫んだ。
「――――!!」
ロシア語は知らないが、何故か、何を言っているかは理解できた。
――――殺せ!!
目の前で戦っていたフラウムの頭部が、ぱっと弾けた。散弾銃の音が響く。『パララララッ』と、嘘みたいに軽い音。
「――――――――っ!!」
叫んだ。
なのに、声は出ない。
上擦って掠れて、空気を震わせることが出来ない、絶叫。
再び散弾銃が『パララララッ』と歌い、がくん、とバランスを崩して倒れる。
左脚が、焼けるように熱い。
撃たれた。〝自分に傷がついている〟。その時はじめて気づいた。
地面に近い位置からの視野。その中で、何かを叫んだベルメリオと、自分に駆け寄ろうとしたヴェルトーが、次々に血しぶきを上げて倒れるのが見えて。
ほんのついさっきまで、ふざけた会話をして笑っていた、4人が全員。
ゆっくり近付いてくる黒服。
その銃口が、駄目押しの一発を見舞おうと、自分に向けられて、
自分の意識は、そこで途切れた―――
とある晴れた昼下がり、黒い服を着た小柄な男と、銀髪の中性的な体つきの女が、小さな栗色のバイクに乗って道を走っていた。
運転しているのは男の方、交通ルールなど知ったことではないとばかりにスピード全開でバイクを飛ばしていた。バイクは、その見た目にそぐわず、かなりの馬力を見せ二人を運ぶ。女はそんな男の運転を咎める様子もなく、無表情で男にしがみついていた。
見た目だけであれば、カップルの二人乗りにも見えたのかも知れないが、二人から漂う雰囲気は明らかに色恋沙汰とはかけ離れていた。
男…猿駆は、現状を後悔していた。なぜこんな面倒事に自ら巻き込まれにいってしまったのかと。後ろの女――ルフェウスと言う名なのだが、猿駆は通称である“死体”で呼んでいる――は、これから“コンビナート”に乗り込むつもりなのだ。
………かつての“仲間”と再会するために
なぜ、猿駆とルフェウスの二人がバイクで二人乗りをして移動しているのか、話は二人の出会いまで遡る
二人が出会ったのはとある雑木林。コンビニへの近道として知る人ぞ知る場所である。勿論、雑木林なのである程度土地勘がないと迷ってしまうが…
この雑木林は二人の良く通る道である。よくここで出会うのも当然のことと言えるであろう。
二人の出会いは割と淡白なものだった。猿駆からすればルフェウスは皮肉の通じないつまらない奴、ルフェウスからすれば猿駆はうるさいガキであった。
二度目の遭遇の時もそれは変わらず。だが猿駆は明らかにルフェウスに執着していった。無意識のうちに目の前で死体になった弟と比較して嫉妬していたのだった。
不意な発砲から始まった三度目の邂逅。猿駆は実験と称してルフェウスに発砲。その結果は銃弾が弾き返されるというものだった。
あまりに予想外の結果。猿駆は動揺するとともに嫉妬心が暴走し、それをルフェウスにぶつけた。
ルフェウスに猿駆が怒っている理由が分かるわけもなく、いつもどおりの調子で返事を返す。再びいつものやりとりが繰り返されると思われた。しかし、猿駆が苦し紛れについた悪態が、ルフェウスの琴線に触れることになる。
言葉攻めに精神が耐えられず、膝から崩れ落ちるルフェウス。猿駆はそんな様子のルフェウスに、トドメを刺さずに立ち去った。「オモチャを壊すのは勿体ない」などと言い訳をして。猿駆はいつの間にかルフェウスに同情心を持っていた。
次に二人出会うときにはルフェウスは平常に戻っていた。そして交わされるいつものやりとり。しかし、猿駆の態度には多少の変化があった。そして、気が付けば弟のことを話していた。それに対して、ルフェウスは意外にも優しい態度を表すのだった。
そして猿駆は「ルフェウスは感情を持っている」ということに気が付く
これによって、同情心は更に深くなっていく…
そんなある日、猿駆はとある男に会う。その男の名前は「玲岐 楼雅」。現在、コンビナートの戦闘員として活動している男だ。もっとも、猿駆はそんなことは知らない。第一印象は「うざいチャラ男」であった。
その男は猿駆がルフェウスの知り合いと知るがいなや、連れてきてくれと頼むと同時に警告を投げかけた。「ルフェウスは信頼するな…」と
その様子は明らかに異常であった。猿駆は二人の関係が気になった。ルフェウスへの警戒心が湧かなかった訳ではない。しかし、どう考えてもルフェウスが男の言うような人間とは思えなかった。
そして今日、猿駆は尋ねてみたのである。「金髪のチャラ男の知り合いはいないか」と。
それに対して、ルフェウスは食いつくような反応を返してきた。話を聞くと、「死んだはずのかつての仲間」らしい。
玲岐の元へ向かおうとするルフェウスを猿駆は止めるよう説得しようとした。「奴はあんたを恨んでる。会ってもろくなことにならない」と。それでもルフェウスは言うことを聞かなかった。弟に例えて「お前ならどうする」と言われてしまうと、止めようにも止められなかった。だが、同情心からルフェウスを放っておくわけにもいかなかった。だから、言ってしまったのだ
「俺も付いていく。あんたが完全に壊れる前に引き剥がしてやるよ」
顰め面をしながら回想を終え、後ろを確認すればルフェウスは心ここに有らずと言った状態であった。いや、常にそのような様子にも見えるが…
猿駆はルフェウスに声を掛ける
「おい」
「……」
返事は無い。怒り気味に再度声をかける
「おい!」
「…何だ」
漸く気が付いたルフェウスが短く応えた。猿駆は溜息をつきながら、選択肢を突きつけるのだった
「まさかこのまま作戦無しに突っ込もうとしてる訳じゃねぇだろうな…?…慎重にいくのと派手にいくの、どっちがいい」
最終更新:2016年04月15日 16:20