「オレは オレよりつよいチカラをゆるさない……」
鳥山明の漫画『
ドラゴンボール』及び関連アニメシリーズに登場するキャラクター。
原作及びアニメ『ドラゴンボールZ』における最後にして最強の敵であり、シリーズ全体の
ラスボスと言える。
(ただし、劇場版『Z』まで含めると他にも
最強候補が存在し、『Z』の続編『ドラゴンボールGT』にも
より強大なボスが登場するが)
名前の由来は、ビビディ&バビディと合わせて某
ディ○ズニー映画の挿入曲『BIBBIDI-BOBBIDI-BOO(ビビデバビデブー)』より。
声優は
塩屋浩三氏。デブブウから純粋ブウまで全ての声を氏が担当されている。
他にも塩屋氏は同作で
ギニュー?特戦隊のグルドなどを演じている。
邪悪な魔道士ビビディによって偶然造り出された魔人。
大きさは人間と殆ど変わらないが、ピンク色の肌や頭の触角など外見的には人間とかけ離れている。
悟空たちにも計りにくい独特の『気』を持ち、魔法のような(というかそのもの?)不思議な技を操り、
触角から発射した光線によって相手をクッキーや飴玉などに変えたり、傷を一瞬で癒すことも出来る。
また、悟空や
ベジータから受けた技を一瞬で会得するほどの高い学習能力を備えている。
自身の意思によって肉体の形状が自在に変化し、
身体を柔らかく変化させるほか、元の体積を超えて膨張させることもできる。
身体から離れた肉片も操作でき、千切った肉片を武器として使うことも可能。
再生能力も備えており、身体を真っ二つにされても瞬時にくっつき、
粉々にされても肉片が再結合し、粉々にした後の肉片を焼かれて灰にされても、そこから出た煙が集まって即座に再生してしまう。
しかも
ピッコロや
セルと違って再生時に体力まで回復するため、ノーリスクで何度でも復活し続けられるという驚異的な能力である。
*1
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原作ネタバレ |
生み出されてから僅か数年で数百の星々を破壊し暴れ回っていたが、
あまりにも凶暴でビビディにも完全に制御することは出来なかったため、休息が必要な時には球体状に封印されていた。
そして、その隙を付いた 界王神によってビビディは倒されることに。
界王神は下手に刺激を与えて封印が解けることを恐れ、以来魔人ブウは封印されたままの状態で地球に転がっていた。
だがその後、ビビディの息子
バビディ
によって魔人ブウの封印が解かれてしまうことに。
最初に登場したのは太った体型で無邪気なブウ(通称・ デブブウ)。
前述の界王神達の王ともいうべき存在・大界王神をブウが取り込んだ結果この形態になった。
魔王 ダーブラや超サイヤ人2となった ベジータを圧倒し、超サイヤ人3の 悟空と互角に戦うなど驚異的な力を見せた。 *2
気まぐれで奔放、クッキーやチョコレートなどの甘いお菓子を好むなど子供のような性格をしているが、
これは魔人ブウに取り込まれた大界王神が温和で優しい心の持ち主だった事が影響しているようである。
善悪の観念に乏しく命を奪う事にも躊躇いが無いが、殺戮は単に彼を作ったビビディが「娯楽」として教えただけであり、
仲良くなった ミスター・サタンから『人を殺すのは悪いことだからやってはいけない』と諭されると、素直に従った。
また、それ以前から逃げたり怯えたりする相手を虐殺するのを楽んでいた反面、逃げない相手は殺そうとせず、
盲目の少年に視力を回復させた上に、栄養のある物として牛乳を店から持ってきてあげたことがある。
ただし、この牛乳の正体は店の人間であり、牛乳に変化させて少年に届けていた。
地球人から見れば恐ろしい光景だが、ブウにとっては少年のためにやったことであり、
デブブウが良くも悪くも純粋な性格であることを象徴するエピソードであるとも言える。
ミスター・サタンと共に怪我をして動けない犬を見つけた時も、わざわざ「逃げさせた後で殺す」為に怪我を治したものの、
怪我を治してもらった事に感謝した犬が逆にブウに懐いてしまい、結局彼はこの犬を殺さなかった。
要するに危険人物ではあっても根っからの悪人ではなかった。
しかし、 世界の混乱に乗じて殺人を楽しんでいた悪人にサタンが撃たれたことにより、
無邪気で善の心を持つデブブウと、デブブウの悪の心が分離しブウの形となったガリガリに痩せたブウになってしまった。
ガリガリのブウの方が分離した際に力の殆どを持って行ってしまった為、デブブウはガリブウによって吸収されてしまい、
スマートで筋肉質な 悪の魔人ブウが誕生した。
ただ、このブウも全人類を抹殺する際に前述の犬と サタンだけ標的から外すなど、デブブウの方の意識が多少は残っている。
その実力は、 悟空をして「自分と ベジータの2人掛かりでも勝てる相手ではない」と言わしめるほどだが、
超サイヤ人3のゴテ ンクスや、老界王神によって潜在能力を限界まで引き出された「アルティメット 悟飯」よりはパワーが劣る。
その後、ゴテンクス& ピッコロを吸収してパワーを増し、冷静な頭脳を得たことで悟飯を圧倒し、その上さらに悟飯をも吸収して、とてつもないパワーアップを果たした。
しかし、悟空とベジータがポタラで融合した ベジットには手も足も出ず、吸収しようと試みるも逆に 体内に侵入されて、吸収した面々を奪還されてしまった。
そして、最初に吸収したデブブウを切り離されたことにより、一時的に気を増大させマッチョな姿に変化した。
ちなみにこのマッチョなブウは、当時の界王神の中で最も力のある南の界王神を吸収した時の姿である。
アニメ『ドラゴンボールZ』でも純粋ブウといい勝負をしていて、悟空曰く「(悪の時より)気がふくれあがっている」らしい。
が、この形態での活動はすぐに終わり、
子供程度の体格しかないが、 理性や自制心を一切持たない獣のような 純粋な魔人ブウへと最後の変身を果たした。
変身といっても、この状態が魔人ブウ本来の姿である。
前述のようにデブブウの姿は大界王神を吸収したことで変化したもので、これによってバビディの命令をある程度聞き分けられていたが、
それ以前のバビディが全く制御出来なかったのがこの純粋な魔人ブウである。(デブブウになっても最終的には制御し切れずブウに殺されたが)
『ドラゴンボールZ』では、悟空がこの純粋ブウの強さを「パワー、スピード、回復力、全てにおいて今までのブウとは段違いだ」と評している。 *3
ちなみにデブブウを切り離し、結果として純粋な魔人ブウを登場させてしまったのは… 例によってベジータであった。
過去に フリーザや セルの変身を促したことと合わせて「またお前か」と言いたくなる所だが、ベジータも別にブウを強くするためにこんな事をしたわけではなく、
悟空が「2人掛かりでも勝てる相手ではない」と評した魔人ブウからデブブウを切り離すことで ブウを弱体化させるためにこの行動を起こしたのである。
ベジータも魔人ブウに一回殺されている(自爆だけど)上に、特にパワーアップを経ていない状態での再戦なので、少しでも弱体化を、と思ったのは当然であろう。
…折角良かれと思ってやったのに結果はいつも通りとは、ベジータがことあるごとに問題を起こすのは、最早 呪いのような不運も影響しているのかもしれない。
その後界王神界での激闘の末、悟空とベジータ、そしてサタンとの連携によって完成させた超特大の元気玉を受け、完全に消滅した。
さらにその後、純粋ブウは閻魔大王の粋な計らいによって『ウーブ』という地球人として転生したのだが、それはまた別の話。
なお、デブの方のブウは、純粋ブウより吐き出された後 サタンによって保護され、『 ミスター・ブウ』と名付けられた。
さらに混乱を防ぐ為に、ドラゴンボールによって一般人の記憶から魔人ブウの記憶を消した。
そのため、一般人は『何かよく分からんが、サタンがまた地球を救ってくれたらしい。』と言う風に認識しているらしい。
勿論、その後ブウが人間を襲う事は一切無くなったのは言うまでもない。
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『ドラゴンボールGT』では… |
原作終了の頃からずっとサタンと暮らしていたが、この頃の 悟空・ ベジータの超サイヤ人1には実力で劣る様子(ベビー曰く「雑魚」らしい)。
職に就くでもなく延々と修行ばかりしてきたこの50代の親父二人を褒め称えるべきか呆れるべきか。
悟空達が宇宙に旅立った9ヶ月後、ツフル人の王の細胞が組み込まれた 寄生型生命体ベビー(声優は
沼田祐介
氏)が地球を襲撃する。
彼はかつてツフル人を滅ぼしたサイヤ人に対する復讐と共に、
各地の生物に寄生し体内に卵を産み付けて洗脳していくことによってツフル人の再興を果たすという「全宇宙ツフル化計画」を企てていた。
ブウはサタンとその孫娘のパンを身体の中に隠してベビーの洗脳から守ったが、ほぼ全ての地球人がベビーによって洗脳されてしまう。
地球全土を支配下に収めたベビーは究極のドラゴンボールを使い故郷のツフル星を復活させ、そこに洗脳した地球人たちを移住させていく。
悟空たちは新ツフル星に潜入するが、そこにいたのはベジータの肉体に寄生し超サイヤ人3の悟空に圧勝するほど戦闘力を上げたベビー。
もう一人のブウの生まれ変わりであるウーブが戦いを挑むも当然敵わない。
その後、ブウは サタンに最後の別れを告げた後、ベビーに対抗する力を与えるためにウーブと同化して消滅する。
ベビーとの戦いが終わってからも彼らは同化したままであったため、ブウの人格は完全に消え去ってしまったかと思われたが、
天下一武道会に出場したウーブがサタンの実力をよく知らずに全力でサタンと戦おうとした時には、
「サタンに勝っちゃダメだ、サタンが負けたらみんな悲しむ」とウーブの中に残っていたブウの人格が彼を静止する場面もあった。
サタンもブウがいなくなってしまったことを大いに悲しみ、一度はヒーロー引退を決意した程だった。
「サタン、オレのともだち、ずっとずっとともだち、サタンのこと、オレわすれない」
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MUGENでは、stig87氏製作の悪の魔人ブウ(ディスプレイネームは『Super Buu』)と、miaoyu氏製作のデブブウ(ディスプレイネームは『Mr Buu』)が存在する。
デブブウの方はAIが搭載されていないが、悪ブウの方はかなり強いAIが搭載されている為、動画でもそこそこ出番がある。
また、神々への挑戦トーナメントでは海外製の狂キャラのブウがDBチームの大将として参加している。
製作者はレジェンドゴジータなどでお馴染みのsupermystery氏。ボイスが日本語なせいか、動画では日本製と間違われやすい様子。、
出場大会
出演ストーリー
*1
但し、あまりに大きなダメージを受けてしまった時には体力の回復がやや遅れてしまうらしく、
デブブウと純粋ブウが対決した際に
ベジータが「やばいぞ…デブのほうはもう死にかけだ…!」と発言している。
*2
尤も、
悟空曰く「本気で戦っていれば、この時の魔人ブウなら倒せていた」らしい。
元々、悟空は「人造人間編」の終盤で
セルの自爆に巻き込まれて死亡しており、
「自分が生きているとまた悪人達を呼び寄せてしまう」との考えからドラゴンボールによる復活もしなかったが、
この「魔人ブウ編」では、天下一武道会に参加するために占いババの力で一日だけ現世に戻って来ていた。
彼は自分があの世に戻った後のことを考え、
既に死人である自分ではなく、若い者たちの力で地球を救って欲しかったという。
そのため、デブブウを倒せるだけの力がありながら本気で戦うことはしなかった。
結局その願いが叶うことはなく、最終的に地球を救ったのは悟空・
ベジータ・
サタンらであったのだが。
*3
原作の描写のみで考えれば、悟飯吸収ブウが全形態の中で最強であると言える。
ガリブウがデブブウを吸収して変化した悪ブウについて、
悟空は「
ベジータとの2人掛かりでも勝てない」と評しており、
その悪ブウがゴテンクス・
ピッコロ・
悟飯らを吸収してさらなるパワーアップを遂げたのが、この悟飯吸収ブウである。
一方、純粋ブウに関しては、
悟空とベジータが初めてその姿を見た時に「あれならなんとかなるかも」と発言しており、
実際に悟空がある程度戦えているため、戦闘力は悟飯吸収ブウよりも低いと考えられる。
ベジータの発言については、デブブウとの戦いでも油断していたことから信憑性は薄いが、
悪ブウに敵わないはずの悟空でも戦えるため、悪ブウよりは弱いと考えることができる。
にも関わらず、アニメ『ドラゴンボールZ』で純粋ブウが登場したシーンでは、
悟空がこのブウを「全てにおいて今までのブウとは段違いだ」と評している。
このため、原作における強さの設定との間に矛盾が生じてしまっている。
ただ、上述の説明にもあるように、
悟空はデブブウと対峙した時には「地球のことは若い者たちに任せたい」との考えから敢えて本気では戦わず、
また周囲に対しても、最初は「あのままやってたら勝てなかったかもな」と説明していたため、
「ベジータとの2人掛かりでも悪ブウには勝てない」という発言も、同様の理由によるものだったのかもしれない。
実際この後、超サイヤ人3ゴテンクスやアルティメット悟飯は、本来悪ブウを倒すのに十分な強さを発揮している。
尤も、これ以外にも悟空や純粋ブウの強さについての疑問点は存在する。
『ドラゴンボールZ』では超サイヤ人3悟空がゴテンクス&ピッコロ吸収ブウとの戦いで劣勢に陥る描写が追加されているため、
「純粋ブウが全形態の中で最強であるのなら、悟空がその純粋ブウとまともに戦えるのはおかしいのではないか」といった問題がある。
また、「悟飯吸収ブウと戦う時に
サタンやデンデまで視野に入れてポタラで融合する相手を探していた説明が付かない」との意見もある。
ただ、『ドラゴンボールZ』における悟空は、セルの自爆によって殺された少し後、あの世での戦いでも急激にパワーアップした描写があり、
重い胴着を着た状態で
セルを瞬殺したパイクーハンが胴着を脱ぎ捨ててスピードを上げても、それを相手に互角に渡り合ったことがある。
このため、『ドラゴンボールZ』における悟空は原作以上に飛躍的な早さで格闘センスが成長する設定になっていると考えることもできる。
悟飯吸収ブウとの戦いにおいてわざわざベジータとポタラで融合してまで戦闘力を高めたことについても、
融合した状態で戦う内に悟空自身が強くなったか、一度吸収されて仲間を救出しなければならないリスクに備えて融合したとも考えられる。
なお超サイヤ人3悟空は、劇場版『ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』においても、
アルティメット悟飯や超サイヤ人3ゴテンクスを一撃で倒したヒルデガーンの攻撃に数発耐えた上、「龍拳」一発でヒルデガーンを倒してしまっている。
この戦いぶりからすると『ドラゴンボールZ』における超サイヤ人3悟空や純粋ブウの戦闘力はアルティメット悟飯を凌駕するほど高いのかもしれない。
もっとも、これらの描写は原作ファンを中心に突拍子もない展開と受け取られることも多く、批判や疑問の対象にもなりやすい。
原作・アニメに共通して一つだけハッキリしているのは、悟飯吸収ブウも純粋ブウも超ベジットなら楽に倒せる相手だということである。