ひねくれ者で天の邪鬼、楽しそうにしている人を見ると邪魔をしたくなる性格。
『鵺』の姿として伝承に残っている姿は実は全て人間の想像であり、彼女自身はそうして怖がる人間を眺めては面白がる妖怪である。
地下でのんびり暮らしていたが、 間欠泉騒動のゴタゴタに乗じて地上に出てきた。
聖白蓮を復活させるために必要な飛倉の破片に「正体不明の種」を植え付けることで見る者によって形が違えて見える(霊夢たちには UFOに見えるようになった)細工をし、幻想郷にばらまいた張本人。
道中において霊夢達の前に現れ、時に 弾幕で妨害し、時にアイテムをばら撒いてくる謎の光球の正体でもある。
この記述だけだと単なる愉快犯にしか見えないものの、実際は彼女なりに複雑な感情と理由もあって異変に関わったようだ。
霊夢や 霧雨魔理沙との会話では、彼女自身「良い奴」と認める 村紗水蜜達が白蓮救出に活気づく中、『村紗達が楽しそう(彼女にはそう見えたらしい)なのが許せなかった』こと、『自分だけ仲間外れにされた気がした』ことなどを動機として語っている。
また彼女は、村紗達が僧侶である白蓮のために動くことが「人間側につく」行為に見え、気に食わなかったとも語っている。
こうした複雑な心境が、彼女を異変に関与させたと言えるだろう。
しかし、白蓮が妖怪を敬い、自分のような境遇の妖怪を救うために尽力している事実を霊夢や魔理沙から聞かされて知り、己の行いを後悔する素直な一面も見せた。
要するに、ひねくれ者で天の邪鬼なのは事実だが、それだけの存在という訳ではない。
本編終了後に白蓮に謝りに行ったようだが、そんな自分さえも快く許した白蓮に感じ入ったらしく、しばらくは彼女についていくことを決める。
『非想天則』での霊夢と 東風谷早苗の会話によると、そのまま命蓮寺に居着いて仏門に入ったようである。
ただ、『求聞口授』によると、あまり命蓮寺には馴染めておらず寺の外れでつまらなそうにしている事が多いようだ。
使用する弾幕は鵺の伝承を基にしたものとUFOを使役するものの2つに大別される。
前者は 暗闇にまぎれて弾を撃ったり、レーザー形態からいくつもの弾に分裂してまたレーザーに戻るキメラ弾幕がある。
後者はいくつものUFOオプションを出現させるもので、弾幕自体はUFOから発せられるのでいくつかのUFOを早めに破壊しないと被弾しやすくなるが、耐久力がやや高いため苦戦を強いられるスペルが多い。
尖った羽があるからって別に衝撃のファースト・ブリットとか撃ったりしない。
『ダブルスポイラー』では白蓮とともにレベル12に登場、紫鏡などの都市伝説をモチーフにした弾幕や明らかに某ゲームハードチックなスペルを披露。
そんな中、正体不明「厠の花子さん」にプレイ中に
何も無い所で突然被弾するバグ
が発覚。
シューター達は正に正体不明の弾幕に怯えることになった。
(以上、ニコニコ大百科より転載、改変)
外見的には、背中に左右非対称の異形の翼が生えているのが特徴的。
右側には鎌の様な赤い翼、左側には触手の様な青い翼、そして腕に巻き付いた緑の蛇、この赤青緑の三色は星蓮船に登場するUFOと同じ色である。
黒のショートヘアに黒のミニワンピ、黒のニーソと全体的に黒のイメージでまとめられている中で、胸元の真っ赤なリボンが映えている。
そして何気に絶対領域が見えているのもポイント。「公式ニーソ」は ミスティア・ローレライに続いて二人目である。
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『東方神霊廟』ネタバレ注意 |
『神霊廟』ではEXステージの中ボスとして登場。
反妖怪を掲げる人が本編で復活してしまったことで大騒ぎになった妖怪界隈のため、妖怪の切り札として、旧知の間柄だった 二ッ岩マミゾウを外界から呼び寄せ、妖怪の勢力拡大を狙ったようだ(白蓮には内緒)。
その事を主人公達に報告した途端、
「お前はここで終わりだがな!」
と 捨て台詞を吐き、スペルカードを発動して襲い掛かってくる。 この空回り具合も実に良い。
結局、一匹強い妖怪を連れてきただけで状況が変わるわけでもなく、計画は失敗に終わってしまったようだ。
そもそもなぜ彼女がこんなに頑張っていたのかというと、前回(星蓮船)で受け入れてくれた白蓮たちへの恩返しのつもりでやっていたそうな。なんて律儀な子だ…。
まあその結果、命蓮寺のメンバーがまた一匹増え、白蓮の仕事が忙しくなっただけであったという…。
この空回り具合も実に良い。
というか、結界が張ってあるはずの幻想郷で、なぜ外の妖怪を呼び寄せることができたのだろうか(相手はちゃんと人間社会に溶け込んでいたようで、忘れ去られ幻想入りしたとは言い難い)。
意外な人脈といい、やはり鵺は謎多き妖怪であった。
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「鵺」と「UFO」について |
鵺とは「正確には良く判らないもの」という意味なのだが、日本古来の民話を含む多くの作品で妖怪の一種族として扱われている。
その場合「虎の体に蛇の尾」等といった、 数種類の生物のパーツでできた妖怪として描かれていることが多い。
西洋で言うなら、「 キメラ」に近い存在と言えるかもしれない。
鵺に関する逸話としては「平安時代に鵺の鳴き声に悩まされていた当時の天皇が、源頼政にこれの退治を依頼し、頼政がこれを成し遂げた」というものがある。
『星蓮船』のサブタイトルは『Undefined Fantastic Object』であるが、直訳すると「未定義幻想物体」、略すとUFOとなり、どちらもぬえを示唆していると思われる。
本来 UFOとはUnidentified Flying Objectの略称であり、日本語に訳すと「未確認飛行物体」となる。
極端な話、
何だかよくわからない空飛ぶ物体
であればとりあえず一応は何でもUFOということになる。
確認されたらIFO、Identified Flying Object(確認済飛行物体)と呼ぶ。
つまりは、こちらも鵺と同じく正体不明なものへの呼び名である。
鵺とUFOという一見突拍子もない組み合わせだが、『鵺』は鳥のトラツグミを指す言葉でもある。
トラツグミは細くどこか寂しげな声で鳴く鳥であり、古代から気味悪がられることも多かった。
平家物語では、現代で言う『妖怪の鵺』は鵺(トラツグミ)のような不吉な声で鳴くとされており、特に名前は付いていなかった。
そんな『鵺に似た気味の悪い声で鳴く正体不明の妖怪』がいつしか直接『鵺』と呼ばれるようになったのである(尚、上の源頼政はその元々鵺と呼ばれていた怪鳥を、その後別の天皇の依頼で退治している。ややこしい)。
一方で現代においては、トラツグミの気味の悪い不思議な鳴き声がUFOの飛行音と勘違いされ騒ぎになるケースがたまに起きる。
つまり、トラツグミの正体不明の鳴き声が、妖怪やUFOという時代に合わせた幻想を人々に見せているのである。
『鵺』の声には時代にかかわらず人間に不安を呼び込む力があるようである。
なおEXストーリー中でも、ぬえが出現する直前に主人公達は不思議な鳴き声を聞いている。
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