「我が名はシャドウ…陰に潜み、陰を狩る者…」
田舎に住む貴族カゲノー男爵家の第2子として生を受けた少年であるが、
その正体は現代日本から記憶を保ったまま異世界転生した転生者。前世の名前は影野実。
普段はどこにでもいる、ごくごく平凡な目立たないモブのような生徒として過ごしているが、
その実態は陰の秘密結社「シャドウガーデン」の長「シャドウ」であり、
かつて世界を滅亡に追い込もうとした「魔人ディアボロス」の復活阻止と、
そのディアボロスの力の私物化を目的とするカルト教団「ディアボロス教団」の壊滅を目的として暗躍している。
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ネタバレ注意 |
……という建前で陰の実力者ごっこをしている(つもりの)作中屈指のアホにして狂人。
前世では主人公でもなく ラスボスでもなく、 影ながら暗躍することで密かに実力を示す「陰の実力者」という中二病設定に憧れており、
幼い頃からそれを実現するためだけに隠れて努力を重ね、屈強で筋肉質な少年に成長。
様々な実験と過酷な修行を繰り返した末に、一般人ながら軍人崩れのテロリストも相手にできる程の戦闘力を獲得していたが、
「現状では軍人崩れはともかく、武装した正規の軍隊には勝てず、まして 核兵器には無力」と伸び悩みを覚え憔悴。
人の限界を踏破できるオカルトな力を追い求めての錯乱の末、交通事故で死亡してしまう。
これらの前世の記憶や能力を受け継ぎながら転生し、幼少期よりなんの力も才能も持たないモブキャラを装いつつ、
裏で現代日本に無い概念であった「魔力」を用いた様々な実験や、盗賊狩りなどの実戦を経た修行に明け暮れる日々を送っていた
(尤も、この世界の常識的な範囲の実力者で今生の姉、クレア・カゲノーからは「弟に稽古で接待プレイをされてる」とぼんやり勘付かれていた)。
そんなある日、気まぐれに倒した盗賊団から得た元人間と思しき死にかけの 醜悪な肉の塊で魔法実験をしていた所、
偶然にも「悪魔憑き」と呼ばれる状態だった肉塊を元の 美しいエルフの少女に復元する事に成功、彼女に「アルファ」と名付ける。
そして、廃墟にあった書籍などから「ディアボロス教団」という謎の組織と、悪魔憑きの関係を絡めた即興の法螺話をアルファに吹き込んだ所、
真に受けたアルファが悪魔憑きを発症して存在を抹消された者達を集めて「シャドウガーデン」という組織を結成する。
しかし、 実はこの魔人ディアボロスや教団は実在しており、シドの与り知らぬ所で彼女達は本当に世界の闇と暗闘を開始してしまう。
シドは実情を正しく把握しないまま「自分が吹き込んだ実在しない『ごっこ遊び』にアルファ達が恩義から付き合っている」程度の考えで、
シャドウと名乗って活動するようになった。
本人は単に陰の実力者っぽいカッコよさそうな行動を思い付くままロールプレイしているだけのつもりなのだが、
噓から出た実と周囲の勘違い、シャドウを妄信し彼の妄想を容易に形に出来てしまう有能過ぎるシャドウガーデンの配下達、
そして本人が 本当に世界最凶最悪の魔人級に強いせいで、悲劇も陰謀も彼全力のごっこ遊びに無情にも蹂躙されていく事になり、
メタ的に見ても一周回ってカッコよくなってしまっているという、訳の分からない爽快感が本作の魅力である。
2022年に制作されたアニメはその魅力を最大限に引き出すべく、シャドウ活躍シーンではコメディ色よりも、
むしろ突き抜けてスタイリッシュな映像表現で描写したお蔭で、海外配信でも非常に高く評価される事になった。
“核を超えるには、俺自身が核になる事だ”という彼の頭のおかしさの結実たる奥義 「I AM ATOMIC.」のシーンは、
洋の内外問わず爆笑と共にその突き抜けた実力を示すものとして多くの人を魅了した。
無駄に発音がいいのも腹が立つというか腹筋に悪い
こうした彼の行いなどから本作品は「無自覚最強系」とも言えるが、
そうしたジャンルでは大抵の場合「自分の実力を過小評価しており、実際には最強クラスである事に気付いていない」という展開がほとんどであるのに対し、
彼の場合は「自分の実力を自覚してはいるが、その行いがもたらしたものや人間関係の変化については無自覚のまま」という、
方向性が異なったものとなっている。
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『オーバーロード』とは「
闇の支配者を目指す主人公」や「ギリシャ文字の名前を冠する美少女による精鋭集団」といった共通点が多く、
加えて主題歌も同じ歌手が担当している事もあってか、アニメの放送開始前やエイプリルフールには実際にコラボが行われた。
MUGENにおけるシド・カゲノー
出場大会
最終更新:2023年05月19日 22:03