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映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズに登場。
実写映画シリーズでの演者はヴィゴ・モーテンセン氏。
キャスティングは当初スチュアート・タウンゼンド氏として発表されていたが、
撮影開始直後にモーテンセン氏に変更された。
これについては当初「新しいイメージの面白いアラゴルンが撮れる」という構想だったそうなのだが、
実際に撮影すると、若き美男子のタウンゼンド氏と歴戦の勇士アラゴルンとではイメージと異なる事が判明。
協議の末、制作側が「我々のキャスティングミスでありタウンゼンド氏に責任は無い」と認めた上で、
タウンゼンド氏のイメージを守るために自主降板の形になったとの事。
通り名の「馳夫(Strider)」はアメンボの意味で、長い脚でスイスイと野を歩いていく事から付けられたあだ名。
当人はすこぶる気に入っていて、いずれ王になったらこれを家名にするなどと冗談めかして口にしていた。
なっちの『韋駄天』訳も間違いじゃないんだけど他の誤訳が酷すぎたし、わざわざ訳語を変える意味もないかもだ
サウロンの勢力に抵抗する野伏(レンジャー)の長アラソルンの息子として生まれるも、父はオークに殺害され、
幼くして"裂け谷"のエルフ王エルロンドに預けられ、彼の娘であるアルウェン姫と共に育った。
長じて自らの出生をしった後は野伏として各地を遍歴する中でガンダルフと出会い、その協力者となる。
やがてガンダルフが一つの指輪を見出した事、そしてそれを廃棄する旅にホビットが出る事を知らされ、
戦う術を知らない彼らの護衛として、フロド達の旅に同行する事を決意する。
『旅の仲間』ではホビット庄を旅立ったばかりで右も左も分からないフロド達を導く協力者として登場。
最初は自分の血に流れる力に若干の迷いがあるキャラクターとして描かれており、
かつて指輪の誘惑に負けたイシルドゥアの血も引いている事などもあって表に立つ気は無かったのだが、
旅の中ではパーティのリーダーとして指揮を取り、数々の危機を乗り越えていく。
本来アラゴルンが王位に就くべきゴンドール国は、イシルドゥアが摂政に統治代行を命じたまま討ち死にしており、
王を失ってから3000年の長きにわたり、摂政が王に代わって国を治めてきたという歴史を持っている。
当代の摂政の息子にして「旅の仲間」の一人であったボロミアは、こうした複雑な事情もあって、
最初はアラゴルンが本来正当なゴンドールの王である事への反発、彼が王とならない事への不満を抱いていたが、
その王に相応しい立ち居振る舞いに嫉妬めいた感情を覚えながらも、徐々にアラゴルンを認めていく事になる。
しかしボロミアは指輪の魔力に屈し、フロド達の命を救うため身代わりとなって命を落としてしまう。
その時にゴンドールを救って欲しいと頼んで事切れたボロミアからの遺言を受け取り、
そして指輪を所持して一人で旅立とうとする直前のフロドとの対面した際に、
一つの指輪の誘惑に勝てるのかフロドに尋ねられ、さらに指輪の誘惑の声も聞くが、それを振り切ってフロドを送り出し、
ボロミアの遺志を継いでフロドを守るため、サウロンの気を引いて陽動すべく、ゴンドールの王として打って出る事を決意する。
『二つの塔』ではレゴラス、ギムリらと共に、「ホビットを探せ」という理由でオークに攫われてしまったメリーとピピンを追跡中、
ローハン国の騎士から、ローハンが邪悪な存在に転落した魔法使いサルマンの一派によって牛耳られつつある事を聞く。
復活を果たしたガンダルフからメリーとピピンがエント達によって保護されたことを知らされたため、ローハンの救援に向かう事に。
ガンダルフの力によってローハン王セオデンは正気を取り戻したが、既にサルマン率いるオークの軍勢はローハンに侵攻しており、
アラゴルンはローハンの姫からの恋慕を振り切り、ローハンの騎馬軍団、そして援軍に駆け付けたエルフの軍団と共にこれを退ける。
しかし未だローハンとゴンドールは不仲のままであり、冥王サウロンの脅威の前に中つ国の平和は風前の灯であった。
『王の帰還』では「旅の仲間」達と共にモルドールに向かい、サルマンの居城アイゼンガルドへ潜入。
サウロンがゴンドールに侵攻を開始している事を察知するも、ローハンとゴンドールは不仲のため、援軍に向かえば侵略と誤解されかねない。
そこでボロミアに命を救われたメリーとピピンが一計を案じ、ゴンドールから正式にローハンに支援を求める事ができたものの、
ゴンドール軍とローハン軍を両方合わせても、とてもサウロンの軍勢に勝てるほどの戦力にはならない。
エルロンドからの助言を受けたアラゴルンは、かつてイシルドゥアに忠誠を誓いながらも彼を見捨てたため、
永遠に彷徨う宿命を背負わされた亡霊の軍の存在を知り、レゴラスとギムリと共に亡霊の封じられた死者の道へ赴く。
そして彼らを解放する事を約束し、その見返りとして亡霊の軍勢に援助を求めると、軍を率いてゴンドールに王として帰還。
しかしゴンドールを救っても、フロド達による指輪破壊が終わるまでは陽動をやめるわけにはいかない。
アラゴルンはフロド達が必ずや指輪を破壊すると信じ、全滅必至の最終決戦という名前の時間稼ぎを実行に移す。
そして「フロドのために」と心を一つにした人類とエルフの軍勢、そして「旅の仲間」が無限とも思える邪悪な軍勢と戦い続けたその果てに、
ついに一人のホビットによって指輪は破壊され、冥王サウロンは滅び去るのだった。
その後アラゴルンは正式にゴンドールの王として即位し、アルウェンと結ばれ、平和のうちに国を統治していく事になる……。
原作小説と映画では細かな描写が異なっており、アラゴルンの場合は主に装備面での変化が顕著。
愛剣である折れたる剣ナルシルを所持しておらず、また終盤で復活したアンドゥーリルの入手経緯も原作と異なっており、
そのため映画版ではかつてサウロンを討った折れたる剣ナルシルを会議の場で披露し、その身分を明かす場面も無い。
かわりに"裂け谷"に辿り着いた際、エルフ王エルロンド、恋人であるエルフの姫君アルウェンから、保管されたナルシルを見せられ、
その後『王の帰還』にてナルシルを打ち直したアンドゥーリルを授けられるという形となっている。
他にも原作で恋人アルウェンに与えている筈のバラヒルの指輪を終始自分が身に付けており、これによって正体が暴かれる。
一方で彼が王になった時に名乗る名前であると予言された、エルフ女王ガラドリエルから贈られた緑の石(エレッサール)は身に帯びておらず、
代わりにアルウェンから贈られた白い宝石の付いた首飾りを身につけており、これが映画版におけるエレッサールであると思われる。
また、装備についてもモーテンセン氏が 「野伏は弓を持っていないと狩りが出来なくて飢え死にしてしまう」と指摘したため、
原作では触れられていなかった弓矢も携行しており、ドワーフの地下王国の廃墟モリアの坑道を突破する戦闘で使っている。
加えてエクステンデッド・エディションではエルフの国ロスローリエンに辿り着いた際、
原作で受け取るアンドゥーリルの鞘の代わりに、ケレボルンよりエルフの短剣を受け取っており、
オーク(ウルク=ハイ)のラーツとの戦いや黒門の戦いで使っている。
また「旅の仲間」の一人である人間の男性ボロミアを葬って以降は、彼が使っていた手甲を形見として身に付けている。
このように『指輪物語』を英雄譚として見ると、典型的な貴種流離譚であり、間違いなくアラゴルンこそが主人公である。
『王の帰還』でタイトルコールだし、何なら原題も『指輪の王』だし
一方フロドは「ごくごく平凡な若者が突然巨大な使命を背負わされて世界を救う旅に出る」という意味では確かに主人公であり、
第一巻『旅の仲間』のラストで別々になってからは、この二本の軸で物語が展開されていく事になる。
英雄的な人間の活躍と、そして平凡な人々の持つささやかな勇気と善意こそが、冥王サウロンを滅ぼすに至ったのだ。
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