ゴブリンスレイヤー


「つまり俺は、やつらにとってのゴブリンだ」

蝸牛くも氏作のライトノベル『ゴブリンスレイヤー』の主人公。
劇中では主に「ゴブリンスレイヤー」「小鬼殺し」と呼ばれるが
本名は不明(本作では基本登場人物は役職や異名でしか呼ばれない)。
ドラマCDおよびアニメ版でのCVは 梅原裕一郎 氏。

常に薄汚れた鉄兜と革鎧、鎖帷子を纏い、中途半端な長さの剣と腕に括り付けた円盾を愛用する寡黙な青年。
作中より10年前の夏、故郷付近で発生した小鬼禍(ゴブリンハザード)により壊滅した、とある村の生き残りであり、
唯一の家族であった実姉が目の前でゴブリンに凌辱され惨殺される光景を目の当たりにし、
絶望と憎悪の末に「ゴブリンという種族の根絶やし」を誓い、
災禍から5年後に冒険者となって以降、ひたすら他の冒険者が忌諱する「ゴブリン退治」の仕事をこなし続けている。
その為、作中でも「変人」「変わり者」「いつもゴブリンゴブリン言ってるなんか変なの」扱いだったり(常に鉄兜で素顔を隠しているのもあるのだが)、
「(弱い)ゴブリンしか倒せない臆病者、雑魚」扱いされていたが、
作中で起きた数々の事件や出来事を経て、周囲にも彼の功績(及びゴブリンの脅威)が知られるようになる。

普段は自分と同じく運よく故郷の災禍から生き延びた幼馴染である牛乳娘牛飼娘と、
その伯父であり彼女を引き取って育てていた牧場主の住処に下宿している。
牛飼娘からは災禍以前から好意を抱かれていたようであり、
加えて、双方がお互いを今はもう失った掛け替えの無い日常の残滓として見なし合っている関係でもある。
牛飼娘の伯父からは「物狂い」として冷ややかに見られていて気まずい関係だが、
向こうも小鬼禍で妹(牛飼娘の母)をゴブリンに殺された事もあって心境は共感できるためか、
冒険者稼業に関して口を出さないなど最低限の尊重はされており、
加えて牛飼娘を引き取り自分を住まわせてくれていることに感謝と尊敬の念を持っているため、
ゴブリンスレイヤーが敬語で接する数少ない相手である。

在野の冒険者としては最上級の「銀等級」に位置する*1。ゴブリン退治に関してはまさしくエキスパートであり、
どこからか仕入れた広範な知識の引き出しをすべてゴブリン殲滅に注ぎ込んでおり、とにかく使える物は何でも使う
手持ちの武器が損耗すれば倒したゴブリンの持つ粗末な武器を拾って次々使い捨てる
「バリアを張る」魔法を使ってバリアで出入り口を塞いで火責め水責め(極端な場合にはバリア同士で挟んで圧し潰す)、
遠方への移動や、緊急脱出が基本的な使い道である転移ゲートを水責め目的で深海に繋いだ結果、超高水圧のウォーターカッターと化して堅牢なオーガを一撃死、
粉塵爆発を誘発する為に最適な、目の細かい小麦粉をわざわざ遠方から取り寄せて閉所の強敵を爆破等々……。
(ただし、基本的に自身は魔法を使えないので、巻物(スクロール)(使い捨ての魔法のアイテム)を使用する、仲間に指示を出すという形になるが)
神々のダイス(偶然や運命)に縛られない、時に奇抜で身も蓋もない戦術の数々は
TRPGにおける所謂「マンチキン」*2と呼ばれる「困ったプレイヤー」がモチーフという事もあって、
旅の仲間達も度々苦笑したり憤慨したりはするものの、ここぞという処で“やらかしてくれる”ものとしてある意味強く信頼されている。

本人は剣の扱いと短剣の投擲技術に長けており、ゴブリン相手であるならば暗闇でも音を頼りに短剣投擲の一撃で仕留められるが、体躯も膂力も並で、
辺境最高一党(パーティー)」「辺境最強の槍使い」といった他の同期の銀等級達に比べると戦士としての技量はあくまで凡庸の域にとどまる。
「正面からは苦手」と本人が零す通り、他の銀等級は一対一で快勝しているゴブリンチャンピオン相手に、
致命的失敗(ファンブル)で死にかける経験をしているし、ゴブリンロードと一対一で戦った際にも深手を負わされている。
とはいえ、辺境の開拓村最大の脅威であるゴブリンを日夜駆除し続けている功績は「辺境最優」とも称され、
吟遊詩人の奏でる武勲詩にもなっている(泥臭い実態に比べるとかなりヒロイックに脚色されてはいるが)。
一匹でも逃せば別の災禍の火種になると誰より理解している為、ゴブリンならば赤子でもまったく容赦しない。
装備品が貧弱なのも、「もしゴブリンに敗北しても、強力な装備をゴブリンに渡さないため」と徹底している。
逆にゴブリン以外の魔物にはあまり興味はないため、名前すら覚えようとしない。
「海ゴブリン」退治の依頼をされ、行ってみたらゴブリンとは全く無関係の半魚人の事だったのでそのままスルーして帰ろうとした事さえある。
(その件は旅の仲間の取成しでちゃんと調査して依頼者の誤解を解き、漁村の真の脅威を倒して帰ったので依頼放棄にはなっていない)
話をしようとすれば一言目には「ゴブリンか?」ときて「ゴブリンじゃないなら帰る」となる。
一時の大きな脅威よりも、常に村々を脅かす悪辣なゴブリン共こそが彼にとって戦うべき宿敵なのだ。

「お前なぞより、ゴブリンの方がよほど手ごわい」

彼自身、冒頭のセリフのように自らをゴブリンの鏡写しと諧謔する程度にはタガが外れている事を自覚しているが、
それでも彼が決して「祈らぬ者(ノンプレイヤー)」に堕していない事は、旅の仲間との次のようなやり取りが明瞭に証明しているだろう。

「小鬼殺し殿、小鬼を討つか村人を守るか、いかに?」
「決まっている。両方だ」

また、現在ではいつもの仲間以外にも他の一党ともよく行動を共にするようになり、人間味を取り戻してきている。

+旅の仲間

女神官

──守り、癒し、救え。『地母神の三聖句』
地母神に仕える心優しい神官の少女。CVは小倉唯氏。
最初の冒険で組んだ新人冒険者の一党が、ゴブリンの巣穴で運悪く全滅の憂き目に遭った際、
危ういところをゴブリンスレイヤーに助けられた。
己の身を顧みず休む間も惜しんでゴブリン退治に奔走し、ふと目を離せばあっさり頓死しかねない彼を放っておけず、
半ば押し掛けるような形でゴブリン退治に同行するコンビとなる。
当初は新米臭さが抜け切らず、ゴブリンスレイヤーの奇策に振り回される毎日だったが、
長期にわたっての相棒関係によって少々薫陶が行き届きすぎ、
  • 仲間が匂い消しの為ゴブリンの体液まみれにされそうになっている所を「慣れますよ」の一言でスルー
  • 目潰しの「聖光(ホーリーライト)」、敵を遮断する「聖壁(プロテクション)」、隠密行動の友「沈黙(サイレンス)」といった搦め手ばかり多用しすぎて、
    まともに治癒の奇跡を使った回数が下手をすると片手で足りる。
  • 浄化(ピュリファイ)」の奇跡で敵の血液を真水に変える暴挙により、危うく地母神に奇跡をはく奪されかける
といった有様で、順調になんか変なの二号への道を転げ落ちている。
ゴブリンスレイヤー譲りの機転や奇策で一党の危機を救う場面も増えているのだが、
その度に妖精弓手が「純真だった子が毒された」と天を仰ぐのが恒例行事となりつつある。
ゴブリンスレイヤーに必要な装備だと説明されて最初に誂え、褒められた思い出のある鎖帷子が宝物で、
これを盗まれた時は取り乱し大泣きしてしまったほど。
金床よりはマシではあるものの、貧乳な事を気にしており、実際地の文では幾度となく「薄い胸」と表記されている。
また、ゴブリンに襲われた恐怖で2度しめやかに失禁している。


妖精弓手

──無知なる者こそが幸福である。知ることは最上の喜びなのだから。『エルフの格言』
金床ハイエルフ女性の銀等級冒険者。CVは東山奈央氏。
凄腕のレンジャーであり、その弓矢の冴えは魔術に匹敵する。身体能力も高く、
前線で敵の攻撃をひょいひょい避け続ける。原作者曰くトールキン人
齢2000を超えるのだが、ハイエルフとしてはあくまで小娘に過ぎないため、ロリババァの類ではない。
実際ハイエルフには珍しいほどのお転婆で好奇心旺盛、じゃじゃ馬で跳ねっ返り。
しかしその実はハイエルフの姫君であり、子供じみた動きながら実に優雅だったりもする。
ゴブリンスレイヤーを「オルクボルグ」と呼び、事あるごとに彼の無茶苦茶な作戦にダメ出しをしている。
もちろん殺し合いなのに手段を選ぶなんてという向きもあろうが、
彼ら彼女らは冒険者であり、そして挑むのは殺し合いではなく冒険なのだ。
そのため機会さえあればゴブリン退治以外の冒険をさせたがり、文句を言いながらもゴブリン退治の依頼にも付き合いはする。
女神官とは同性である事と、精神年齢の近さもあって親しい友人関係にある。

鉱人道士

──宝石も金属も、磨く前は全て石塊。物事を見た目で判断する鉱人は、この世におらぬ。
ドワーフの銀等級冒険者。CVは中村悠一氏(!)。
優れた精霊使いだが、時には投石紐や斧などでの戦いもやってのける腕っこき。
如何にもドワーフらしい酒と宴会を愛するムードメーカーで、他の仲間達を様々なあだ名で呼ぶ。
妖精弓手を(胸が)金床(のように平ら)呼ばわりした元凶であり、度々戯れのような口論を繰り返している。
彼もゴブリンスレイヤーを「かみきり丸」という字名で呼ぶ。妖精弓手の「オルクボルグ」も含め、
どちらも彼らの言葉で「ゴブリン殺し」を意味している
(AA版ではトールキン著『ホビットの冒険』における銘剣かみつき丸(オルクリスト)と呼ばれている)。
鉱人もみな職人気質であるせいか、決して人当りのよくないゴブリンスレイヤーを早々に気に入った奇特な人物。

蜥蜴僧侶

──竜とは逃げぬものなれば。
リザードマンの銀等級冒険者。功徳を積み上げ、恐るべき竜に至る事を目指す竜司祭。CVは杉田智和氏。
リザードマン自体の気質とドラゴンを理想の姿とする竜司祭の理念が両輪として噛み合った、穏やかなる戦狂い。
その戦術眼はゴブリンスレイヤーも信頼を置いており、一戦交える前には参謀役たる蜥蜴僧侶に「どう見る?」と訊ね、
戦況を整理するのがルーティンのようになっている。
戦場となれば祖たる竜の加護(主に「竜牙刀(シャープクロー)」の奇跡)と共に獰猛な肉食獣の如き暴れっぷりを見せるが、
平時はリザードマンにとっての異文化であるチーズに目がなく、特に牛飼娘の牧場のものが好物。甘露!
(彼らにとって動物は狩るものであり、飼育や酪農などの「共に生きる」という考え方がない)
様々な竜司祭の奇跡を使いこなすが、中でも「竜牙兵(ドラゴントゥースウォリアー)」は前線要員の増員、救助した捕虜の後送など大変便利。
時にユーモラスな行動もする為、チーズ堪能中の姿も含めてパーティー随一の萌え要員である。

余談ながら、旅の仲間の中でも多芸さ、強さの面で出色の感がある蜥蜴僧侶だが、
これは「後年のサプリメント(追加ルール)で登場した強力な新種族・新職業」と言うネタらしい。


世界設定

本作の世界「四方世界」は「秩序」と「混沌」に属する神々が、世界の支配を巡って勝負をするために創り上げたTRPGの「盤」のようなもので、
そこに生きる人々、冒険者といった存在は「祈りし者(プレイヤー)」という駒であり、
NPCに相当する「祈り持たぬ者(ノンプレイヤー)」と戦い続けている。
その全てを左右するのは神々が投じる「宿命」と「偶然」のサイコロ、そして人々の意志と因果である。*3

ゴブリンは最弱のモンスターとして扱われており、
体格、力、知性は人間の子供程度しかなく、夜目が利く事と嗅覚に優れる事を除けば、基本的には特殊な能力も持っていない。
そのため単脅威度評価は低く見られがちで、国家や領主がその害に対して動く事はほとんど無いが、
武器や道具を扱う最低限の知能は持ち合わせている上に極めて残虐、かつ簡単に数が増えるために徒党を組んで襲撃してきた時の脅威は馬鹿に出来ない*4
学習能力も低くはなく(ゴブリンスレイヤー曰く、馬鹿だが間抜けじゃない)、毒の武器や騎乗用の狼などを使い、
混沌勢力に与えられれば船や戦車なども一応は操る事もできる。そして猿真似程度であっても一度奪った知識は、
シンクロニシティのように別の巣のゴブリン共も使い始める事がある。ルールブックの版上げや追加データのオマージュか
その上、他よりわずかに上の知性と魔術の才能を持った個体(シャーマン)や人間以上の体格をした個体(ホブ或いはチャンピオン)、
高い統率力を持った上位種(ロード)が出現する事もあり、それらの特殊個体に率いられた群れは危険度が跳ね上がる
(皮肉な事に、こうした上位種は「運良く討伐から逃げ延びた」「優しい冒険者に見逃された」個体に発生しやすく、
 そうして他の巣で再起した「渡り」と呼ばれる個体は往々にして手強い存在となる。故にゴブリンは皆殺しだ)。
しかし主な被害者は収入の乏しい辺境の村落であるため報酬は少なく、
更に高レベル冒険者でも一寸したミスで死ぬ(=ゴブリン相手でも死ぬ可能性が常にある)と言う、
ある意味現実的な世界観(下敷きになっているD&Dの仕様を再現しているという面もある)な事からゴブリン討伐依頼は敬遠される事が多く、
駆け出しの冒険者が引き受けるまで放置されるケースが多い。

これは作中世界に魔神の復活の兆しがあり、ゴブリン以上に脅威となる世界を滅ぼしかねない魔王や竜などが跋扈している状勢なのも原因の1つである。
また、ゴブリンを侮った未熟な冒険者が返り討ちに遭うのは確かに珍しくないのだが、
あくまでそれは運が悪かったためで、その程度の冒険者でも過半数は問題なく討伐に成功するのが普通である。
逆に言うと駆け出しの冒険者だけで対処できてしまうのも、本腰を入れた対策が取られない一因となっている。

本作ではゴブリン相手に全滅するパーティーも少なくないが、これは主役がゴブリンスレイヤーだからと言う理由でしかない。
漫画版では「手練れの一党(パーティー)」と交戦したダンジョンボスがあと一歩まで追い詰められ必死の呼吸で腰を抜かしている傍らで、
無傷のゴブリン達が全滅した冒険者達の死体を嬲っているという場面が描かれている。
要は運の悪かった冒険者が居たからこそゴブリンスレイヤーに出番が回ってきただけの話である。
この世界では魔神が跳梁闊歩する以上、ゴブリンは大した事のない怪物であるというのは純然たる事実なのだ。
なにしろ、一般人がちょっと棒を振り回しただけでも倒せるのだから
(逆に言うと、1匹倒した程度で調子に乗った新米冒険者が油断して全滅する(巣の中で袋叩きに遭う)原因にもなっている)。

本作がTRPGをモチーフとしている事を鑑みると
  1. 大体の冒険者(PC)は最初の冒険でゴブリン退治のシナリオをやる
  2. 高レベル冒険者のシナリオとしてゴブリン退治が行われる事はほとんどない
  3. 作成直後の冒険者の運が悪いとゴブリンに殺されたり全滅する事は稀に良くある
  4. モンスターデータの中でゴブリンは最弱である
といった事情に対するメタファーだと思われる。

例えるならゴブリンとは『スーパーマリオブラザーズ』におけるクリボーみたいなもので、
確かに多くの新人プレイヤーを死に至らしめ、時として熟練のプレイヤーがやられる事も珍しくはないが、
しかしだからといって(マリオメーカーで山積みのクリボーが降ってくる等の人為的な例を除けば)
クリボーは「全力で攻略し完全な対策を練り上げなければならない強敵か?」と聞かれれば、誰もが「違う」と答えるだろう。

そんなこんなで実益度外視でゴブリン討伐の依頼を受けまくるゴブリンスレイヤーのような冒険者は希少である。
しかし依頼がある以上は無視する訳にもいかないので、それを優先的に安定して処理してくれる冒険者というのは、冒険者ギルドにとっても正に救い主。
加えてゴブリンの巣には高確率で周辺住民か同業者の虜囚が捕らわれている為、その救出もしくは遺品の回収は関係者への心象も良い。
故にその実績が高く評価され、ゴブリン退治しかしていないゴブリンスレイヤーが銀等級に認められる結果になったのである。


小説の制作背景

本作が作られた時期はネット小説が書籍化される事がメジャーとなった時期であるが、
小説投稿サイト出身の多くの作品と異なり、『ゴブリンスレイヤー』は、所謂「やる夫スレ」でAA作品として投稿されたのが初出である。
友人の勧めでそれをリメイクして富士見ファンタジア大賞に応募した際には一度落選したものの、
その後も投稿を続けた結果、GA文庫大賞に応募した時代劇が最終選考まで進んだものの惜しくも落選。
(作者としては、ラノベ大賞に挑むには圧倒的に不利な時代劇で応募して最終選考まで残った時点でエイドリアン!と叫んでいた模様)
しかし編集が応募履歴を遡って『ゴブリンスレイヤー』とその元ネタであるAA小説の存在を知り、なんやかんやで書籍化するという複雑な経緯を持つ
(こちらの時代劇『天下一蹴-今川氏真無用剣-』の方も後にクラウドファンディングで書籍化され、コミカライズまでされている)。

なお、ゴブリンスレイヤーは、作者がネット上の雑談において、
「対ゴブリン剣術があるならゴブリンだけを退治する冒険者がいるのでは?」という発想からキャラクターが構想されたらしい。
そしてそれを書く上においてバットマンパニッシャーロールシャッハグリーンアローといった
アメコミにおけるヴィジランテ(自警団的ヒーロー)をファンタジーでやったのがゴブリンスレイヤーなのだとか。
実際、本作に登場する勇者(見た目は彼女そっくりっていうかAAの時は本人だった)はスーパーマンであり、
ゴブリンスレイヤーはバットマンである、というのは幾度かインタビューでも言及されている。
ゴブリンスレイヤーが辺境の村々を守るからこそ、勇者は世界の危機に立ち向かう事ができ、
勇者が世界を救うからこそ、ゴブリンスレイヤーは辺境で小鬼と戦う事ができるのだ。

余談だが、家族を殺されている事やそれ起因する復讐心、タイトル及び異名に「スレイヤー」と付いているなど、
赤黒い忍者めいた共通点があり、しばしば混同されたり派生作品と間違われる事もある。
……まあAA版でメンポ兜に「鬼」「殺」と入れられてたり、アニメでも片目がセンコ(線香)めいて赤く発光してたりするのだが
実際ニコニコではクロスオーバーさせたMADがある。
違和感はスレイされました。
ちなみに、ニンジャの方のオーディオドラマやアニメでナレーションを担当している声優の芸名も「ゴブリン」である。
このままではゴブリン氏がスレイされてしまう!

ちなみにAA版での彼には、固定配役でこそ無いものの『ドラゴンクエスト』の「さまようよろい」のAAが当てられている事が多く、
商業版でのデザインも若干そちらを意識したデザインになっている。さまようよろいのポーズそのまんまのデフォルメ絵も描かれている。
これは他のキャラも同様で、中には「服や装備が違うだけ」レベルで元ネタそっくりなメンツも多い
(女神官は少々ひねってあり、さまようよろいのお供のヒーラーという事でホイミスライムを隠しモチーフにしたデザインになっている)。
MUGENでも製作されていてこのwikiに項目のあるキャラも多数。
ゴブリンは流石に元々の配役を一切想起させないオーソドックスなデザインにリファインされたが。
本作のように登場キャラ全員が肩書のみで語られ本名が登場しないのは、VIP板出身の小説では一般的な事であるが、
改めてAAから小説にする際に名前をつけようとしてもしっくり来なかった事から、
「どこかの誰かが遊ぶTRPGのキャラクターである(名前は読者の想像に任せる)」という考えから、このような形になったという。
そのため、あくまで「ゴブリンスレイヤー」や「女神官」は役職等の肩書あだ名であり、
VIP小説のように肩書を名前として呼び合うシーンは皆無である。

なおやる夫系掲示板においては諸々の事情から「ゴブリンスレイヤー関連の話題を出す事が禁止」となっている掲示板もあるため、
ゴブリンスレイヤーから興味を持ったとしても、ルールを守って掲示板を使用するよう注意しよう。


MUGENにおけるゴブリンスレイヤー

JUS』風のドットを用いたちびキャラが2種類存在する。

+Santoryu MUGEN氏製作
  • Santoryu MUGEN氏製作
『JUS』風のちびキャラで、新MUGEN専用。
海外の『JUS』キャラ製作者の交流サイトにて、『JUS』キャラでお馴染みのMikel8888氏の夜トをベースにゴブリンスレイヤーを作る企画が立ち上がり、
最初の製作者が未完成のまま休止したものをSantoryu MUGEN氏が引き継ぐ形で製作された。

空中ダッシュなどにより機動力が高く、
剣による近距離攻撃が得意だが、ストライカーで女神官や妖精弓手、蜥蜴僧侶に鉱人道士を呼び出すなどテクニカルな攻め方も可能。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

+VANGUARD MUGEN氏製作
  • VANGUARD MUGEN氏製作
こちらも『JUS』風のちびキャラで、新MUGEN専用。
Santoryu MUGEN氏のキャラを参考にしており、3人のストライカーが搭載されているなど一部性能は酷似しているが、
改変キャラではなく新規に製作されたキャラである。
原作で見せた火責めや水責めの技を使用できる他、モードチェンジするゲージ技が存在し、
使用すると瞳に赤いエフェクトが灯り、性能がより攻撃的に変化する。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から


ちなみに彼の討伐対象であるゴブリンだが、斑鳩氏によって『ガーディアンヒーローズ』のものが製作されている。
現状このwikiに項目は無いが、 こちらのストーリー動画 に登場している。
他、オークトロル等、外見や設定が近しい種族もMUGEN入りしている。
…え?異名としてそう呼ばれてる悪役達?その人達は人間が化けてるだけで本物じゃないですよ。
「なんだゴブリンじゃないのか…」
取り敢えずMUGEN界広しと言えども、「善良なゴブリン」など存在していないようである。
アニメも同時期に放送されてた良心的なゴブリンの主もゴブリンを召喚したりはしないようだし…

出場大会



*1
これより上の等級は「国専属で魔軍との最前線勤務な金等級」と「神や聖剣等に選ばれし勇者たる白金等級」のみで、
いずれもなろうと思ってなれる等級ではない。
「銀等級」でも十分優れた冠位であり、かつ上記2つと比較して自由に動けるというメリットがある
(事実劇中では過去に魔神王を滅ぼしたパーティーのメンバーだった金等級の大司教が、
 立場故に辺境の街の収穫祭に行く(名目でゴブリンスレイヤーに会う)事ができず、拗ねる場面があったりする)。
なお上の方で「高レベル冒険者でも一寸したミスで死ぬ」と書いたが、
「勇者」だけは「別のルールが適用されている」と称されるほどのチートキャラである。
ただこの場合のチートは「ずる」ではなく「実力が隔絶している」の意味で、彼女の敵は世界を滅ぼしかねない脅威ばかりであるため、
ひどいレベルでバランスが取れている領域である事は留意されたし。

*2
「マンチキン」とは「むしゃむしゃ食べる者」の事("Munchkin"であり、決してMan+Chickenではない)で、
意訳すると「餓鬼→クソガキ」。『オズの魔法使い』に登場するお調子者のこびと達として有名。
TRPG界隈で「マンチキン」と言った場合は「わがままなプレイヤー」を指す。
例を挙げれば、ゲームマスターが新米冒険者向けシナリオだと言ってるのに
「俺(のキャラ)は伝説の勇者じゃなきゃヤダヤダ」とか言い出すプレイヤーの事。

ただしこれは語源であるアメリカ版の話であり、日本ではこれが曲解されて
「世界観を無視して有利な装備や行動ばかりを選ぶプレイヤー」「ルールの穴をついて有利になろうとするプレイヤー」
そして「現代知識チートで戦うプレイヤー」等を指すようになった。
そのためアメリカ版と区別するために「和マンチ」と呼ばれている。
(実はアメリカでも「罠を避けるために、通路は10フィート棒で床を突っつきながら進み、
  扉は手動ウインチ等を使い離れた位置から破壊、宝箱も一度ひっくり返してから底をくり抜く」という
 現代の特殊部隊もかくやなプレイングが当然とされたなんて話が、与太話か笑い話の類として語られている。
 話半分で聞くべきだろうが、GMとの知恵比べという名の熾烈な騙し合いの生む弊害への教訓として刻むべきだろう。
 ただし英語圏の人間なら、こう言った特殊部隊プレイを「マンチキン」と呼ぶ事は無いので、「和マンチ」が和製英語なのも事実である)

特に粉塵爆発は(穀物庫での爆発事故や炭鉱での事故等から)中世の人間が知っていると主張出来なくもなく、
原理さえ知っていれば中世の技術力でも再現可能な事から、和マンチが好んで使用する戦法となっている。
(一部のTRPGでは開き直って「小麦粉」が爆発攻撃アイテムだったり、「特技:粉塵爆発」が存在したりする。
 一方で、炎の精霊が実在する(四元素説が正しい)世界に粉塵爆発は存在しないと断じたシステムも存在する
そのためこれらの知識を駆使するゴブリンスレイヤーは和マンチそのものなのだが、
実は粉の量とか湿度とかが結構繊細であり、ダンジョン内の酸素濃度も高いとは思えないし、
条件が整えば容易に発生するが、その条件を整えるのが中々困難なため(そうでなければ世界中の台所がギャグマンガレベルで爆発している)、
実際に投入したゴブリンスレイヤーも直後に「面倒臭すぎて使えない(意訳)」と断じ、以後は一切使っていない。
つまり和マンチが粉塵爆発を好んで使う事を踏まえた上でのメタネタであった。

また和マンチの中には「固定値以外は信用するな(サイコロは常に悪い目が出ると思え)」を信条にしている人間もいる。
神にサイコロを振らせないゴブリンスレイヤーはこれにも該当すると言えよう。
実際彼がサイコロを振らざるを得ない戦闘では、極端に出目が悪い気がする。

*3
この「祈りし者(プレイヤー)」「祈り持たぬ者(ノンプレイヤー)」は読み通り、ゲーム上の「Player Charactor(PC)」「Non-player Charactor(NPC)」にほぼ相当する形であり、
それと「祈り」を意味する「Pray」ないし「Prayer」(格ゲーマー的には「Say a prayer.」とのセリフにもある)との掛け言葉となっている。
原義の方では牛飼い娘や受付娘もNPC(プレイヤーが操作しないキャラクター)だけど。

なお、いわゆる『小説家になろう』作品ではこうして神々が人々をゲームの駒として弄んでいる物語が多いが、
(まぁ『ゴッドサイダー』や『鬼畜王ランス』など、昔からあるネタではある)
『ゴブリンスレイヤー』世界においては神々はあらゆる人々と怪物、それらが織りなす冒険を心から愛しており、
それらの存在が自らの自由意志によって、予測不可能な活躍を繰り広げる事を望んでいるため、そういった世界観ではない。

「宿命」と「偶然」は神々の力も及ばず、お気に入りの冒険者があっさり死ぬ事も、凶悪な黒幕が顔見せした時に瞬殺される事もしばしばで、
その一方、人々や怪物が神の想定を超えた大活躍を繰り広げれば、それを大いに喜ぶ姿が度々描写されている。
そして世界に暮らす人々も神々が自分たちをこよなく愛している事を知っているからこそ、
勇気を持って冒険に挑み続けている姿も、繰り返し描かれている。

これは本作がTRPGを題材にしているからであり、神とはTRPGを遊ぶプレイヤーやゲームマスターがモチーフである。
だからこそゴブリンスレイヤーという困ったプレイヤーが、仲間と出会って、手探りで普通の冒険をしようとする姿と、
その上で神々の想定を覆すような冒険を繰り広げる様を、神々は心から楽しんで見守っているのだ。

*4
なお、ゴブリンには雄個体しか存在せず、その異常に高い繁殖力と残虐性は人間やエルフといった異種族の女性に向けられる。
村を襲われて連れ去られた村娘や、返り討ちにされた女性冒険者は余程の幸運に恵まれない限り、
とてもこのwikiに詳しく書けないような凄惨な仕打ちを受けるのは避けられない。
そしてそうした被害を放置しておくと、更に数を増やしたゴブリンによって被害が加速度的に増加していくという悪循環が生じている。
しかし数が増えたところで所詮はゴブリンなため、まともな統制など取れるわけもなく、早々に瓦解、あるいは鎮圧されてしまう。
(母親の種族が何であろうともゴブリンしか生まれないだけあって母親からの遺伝は一切存在せず、
 優秀な冒険者が母体であったとしても才能を受け継いだ個体が生まれる事が無いのがせめてもの幸いである。
混沌勢力にとっても単なる雑兵、それどころか秩序勢力の後方に放り込んで撹乱にでもなればラッキー程度の捨て駒でしかない。
そのためゴブリンによる被害は何処まで行っても人々(秩序勢力)からは個人レベルの悲劇としか見做されないのである。

一方で、大物を相手にしているベテラン冒険者の中にも故郷の村が危ない所を救われていたり、
駆け出しのころに生還こそしたもののゴブリンに対するトラウマを負っていたり(上記の金等級の大司教)、
といった個人的な理由からゴブリンスレイヤーの事を認めている者もいる。

なお作者が意識したか不明だが、こういった生態はTRPG業界では『ルーンクエスト』の混沌の種族「ブルー」のものとして知られる。
ただしブルーは略奪と暴行を司る邪悪な女神の眷属であり、ゴブリンとは比べ物にならないほどの強種族である。
(なお、ルーンクエスト世界のゴブリンは混沌勢力ではない
 と言うかトロウル(秩序勢力とは言い辛いが混沌勢力とは敵対している)の奴隷兼玩具(「トロウルボール」のボール扱い)である)。
また一般的なブルーの頭部は山羊頭だが母親側の頭部になることもあるとか
(首より下は直立した山羊で共通。なおオスの1/4しか居ないとは言えメスのブルーも存在する)。
ただし頭部が何であろうとも性格は常にブルー(混沌勢力)側である。
もしかしたら蜥蜴僧侶がドラゴンへの進化を目指しているのも、ソードワールド等の竜司祭だけでなく
ルーンクエストの「ドラゴンニュート」も元ネタに入ってるのかもしれない。


最終更新:2020年12月12日 19:45