「天音揺波、我らがヲウカに決闘を」
BakaFire Party製作の対戦型ボードゲーム『桜降る代に決闘を』(略称「ふるよに」)の登場人物(メガミ)の一柱。
同作の顔役として公式ビジュアルでは多用されており、公式小説『桜降る代の神語り』(以下『神語り』)では主人公を務めている。
デジタル版(スマホアプリ版)の担当声優は
加隈亜衣
女史。
「ナ」が付かないと
極限流モーレツ娘になるので注意(『
KOFXIV』から中の人が同じだけど)。
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原作の解説 |
和風世界観のボードゲーム。現在のバージョンは「新幕(シーズン5)」。
キャラクターデザインはTOKIAME氏。
「双掌繚乱」「眼前構築」「桜花決闘」の三つで構成され、カードゲームの側面も持つ。
プレイヤーは開始前に二柱の「メガミ」を選択(双掌繚乱)。
各メガミは7枚の通常札と4枚の切札で構成されており、互いのプレイヤーは相手のメガミを確認してから、
通常7枚、切札3枚のデッキを構築(眼前構築)し、対戦に挑む(桜花決闘)。
桜花決闘は「桜花結晶」という桜の花びらを模したトークンを扱う。
トークンの置き場所によって「相手との間合い」「防御力(オーラ)」「切札用リソース(フレア)」「体力(ライフ)」などが決まる。
カードは大きく分けて「行動」「攻撃」「付与(一定ターン特殊効果を発動)」の三種類で、攻撃は記載された「間合」が一致していないと放てない。
攻撃にはそれぞれ「オーラダメージ値」「ライフダメージ値」が記載され、受ける側のオーラがオーラダメージ未満の数ならライフに通る。
プレイヤーは間合を調節しながら相手に攻撃し、オーラを削ることでライフにダメージを与える攻撃を通し、相手のライフを0にすれば勝利。
一回の対戦で扱うカードの少なさと桜花結晶の置き場所で状況を表現するルールの分かりやすさ、回転の速さなどから、
初心者にも分かりやすいルールとなっている一方、メガミの組み合わせと相手のメガミを見てからデッキ構築する戦略の奥深さから、
上級者からも支持されており、基本セットは幾度も再販を続けている他、イエローサブマリンの販売額ランキングで1位を記録したことも。
公式サイトでは攻略記事や調整理念などの細かい解説も行われている他、世界観を彩る小説の連載や、
紹介などに使える素材集の配布も行われており、また内容を用いた二次創作は非営利活動に限り自由に行えるとしている。
こうしたこともあってファン活動も盛んで、ニコニコ動画でもプレイ動画等が多数アップロードされている。
ちなみに扱うのが「メガミ」だけあって、ゲームに限っては 登場人物全てが女性という中々素晴らしいことになっているのだが、
カードイラストはほぼ攻撃動作や構えなどでダメージモーションの類は無く、上がサラシ巻きなど際どい服装のメガミはいるものの、
露骨なエロ描写は無く、 パンチラの類すらも無い。 『アルカナハート』並みに超硬派!
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プロフィール
身長158cm、好きなものは勝つこと、寝ること、団子。
元は人間の「天音揺波(あまね ゆりな)」であり、天音家領主の娘にして無敗のミコトとして活躍していた。
装備している刀は「斬華一閃」といい、彼女が宿していたメガミ・ザンカから引き継いだものである。
公式小説『神語り』は彼女が世界全体とメガミの存亡に関わるある陰謀に巻き込まれ、それを解決してメガミに至るまでが描かれている。
ブログで閲覧可能な他、一部改訂等が行われた書籍版も発売されているので興味のある方は一読を推奨。
なお小説ではミコトの時代を「揺波」、メガミになってからを「ユリナ」と書き分けており、以降もそれに準ずる。
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ミコトとメガミと桜花決闘について |
この世界には「神座桜」という特殊な桜があり、これを介してメガミの力を宿せる特殊な者が「ミコト」と呼ばれる。
ミコトは普段は通常の人間より少し強い程度だが、桜花結晶を宿せばメガミの力で超常的な能力を扱えるようになる。
この桜の前でミコト同士が行う決闘が「桜花決闘」である。
ゲームのプレイヤーもこのミコトとして、メガミ二柱の力を宿して相手のミコト(プレイヤー)と対決する。
つまり『ふるよに』は「 メガミを使役して戦わせる」ではなく「メガミを宿した本人同士で戦う」のだ。
格ゲーで例えるなら、パルティニアスとヴァンリーを宿した 愛乃はぁとに「なりきる」ゲームと言った所か。
メガミの方はミコト同士の決闘には基本的に参加しないが、「顕現」して人間の姿になることで人間の世界に干渉することは可能で、
メガミそれぞれの主義によって活動の場所も異なり、普段は滅多に姿を現さない者や、逆にずっと顕現して人間の組織のリーダーに収まっている者と様々。
顕現した時の身体能力はミコトと比較しても格段に高く、1対1ではまともに勝てるような相手ではない。
無敗のミコトである揺波ですら、公式小説でメガミ・ハガネと決闘して勝利したのは相手が人間に合わせたルールで降参したからにすぎず、
別のメガミ・ヒミカが決闘以外で明確に殺意を向けてきた時には(直前のある出来事で動揺しつつも)本能で死を直感し、
逃げる以外の手段が全く取れなかったレベル。
治癒力も高い(というかあくまで人間に関わるための器に過ぎない)ため、メガミ・オボロは左腕と左目を失ったにも拘らず、
「落ち着いたら治すさ」と軽々しく言ってのけている。
……とまあ実質不老不死だが、ある条件で死を迎えることはある。
ちなみに、桜花決闘で使う武器は自前のものにせよメガミの象徴武器を顕現するにせよ、全て本物である。
決闘ではミコトが結晶を使ってガードできるから死なないだけで、決闘以外で振るうなら 相手は当然死ぬ。
というか、 揺波も公式小説で人を殺めてしまっている。不可抗力ではあるが。
揺波は決闘以外で人を攻撃する際は上記不可抗力以外は峰打ちにとどめており、決闘が互いに命を傷付けることなく競い合える手段であることもまた、
彼女が決闘を愛する理由の一つなのである。
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決闘を愛する
戦闘民族スポ根女子。
プロフィールにあるように負けず嫌いな性格で勝利至上主義者。
他者の決闘内容に評価・講釈を述べるなど過程を無視するわけではないものの、基本的に「決闘する以上は勝利するのが大事」と考えている。
ミコト時代の特に幼いころはより勝利に貪欲で、本格的に「
勝てばいい!それがすべてだ!」みたいな状態であった。
具体的には
盲目のミコトとの決闘で「聴覚」を癇癪玉で潰す、とか。
この時の相手・氷雨細音(後のメガミ・サイネ)はそういった卑怯な手段に加え、
揺波と正反対の「勝利は武の道の果ての結果にすぎず、過程が重要」という信条の持ち主だったため、
揺波とはライバル関係に至っている。
ツンデレ面倒見がいいので揺波はそう悪くは思っていないが。
ちなみに周囲は癇癪玉について「確かに卑怯かもしれないけど、禁じ手ではないよね?」という対応。
まあ決闘で使う武器は刀や薙刀はもちろん、
銃・
槌・
爪・
忍術・
鎌・
毒・扇・旗・乗騎・傘・弁論と何でもござれなので、
癇癪玉ぐらいでは別に何てことないのだろう。
お嬢様育ちでかつ決闘に燃えて生きてきた故に世事には疎く、公式ページの人物紹介では
「女子力は3ぐらい」と記載されている。
……何が基準の3かは不明だが、こういう書き方をする以上は
たったの5ではゴミ扱いされる意味での3であろう。
『神語り』では、路銀を落としてしまったため茶屋の支払いを働いて返そうとするも、
ことごとく皿を割ってしまい、
結局イノシシの駆除で返すことになるという一幕も描かれた。
「か、刀とか振れます! いっぱい振れます!」
ついでに、誕生したばかりのメガミに「ぽわぽわちゃん」と名付けてしまうあたり、ネーミングセンスも非常に残ね……独特である。
尤も、名付けられた当のメガミは気に入っていたが。
こういった設定・描写と後述の性能も相まって、
一部のミコト(プレイヤー)から「脳筋ゴリラ」扱いされることも。これはひどい。
フォローすると彼女が生まれた時には実質没落状態とはいえ、名のある家の生まれだけに礼儀作法はきちんとしており、
劇中では目上の人間にきちんと敬語で接し、
変なあだ名をつけたり名前を間違えたりするようなことは無い。
決闘以外の難しい話を嫌がることはありつつも(ザンカの話は言い回しの回りくどさもあってほとんど理解できずにいた)、終盤で黒幕の言い分を論破したりと、
決して「頭が悪い」わけではないことが示されている。
そもそも『ふるよに』の現行ゲームルールは彼女が制定して広めているという体裁をとっているので、頭が悪くては務まらないだろう
(公式のルール解説役も彼女および共に行くメガミの二柱が担当)。
『神語り』では揺波に勝るとも劣らないバカや脳筋が度々出てくるし、
メガミにも公式プロフィールで堂々と「しかし残念ながらバカ。」とか書かれちゃうのが一柱いるので、相対的に彼女はマトモな部類と言えるのかもしれない
原作中の性能
接近して斬る、以上。
身も蓋も無い言い方をすれば、そういう設計になっている。
格ゲーで例えるなら
ソルや
アカツキのようなタイプだろうか。
クソゴリラ♪
以下は主に『新幕』の性能で解説。
通常札7枚中、4枚が攻撃札で2枚が付与札(片方は破棄時に攻撃)、1枚が行動札。
切札は4枚中3枚が攻撃、1枚が行動となっており、合計7+1枚の攻撃札数は全メガミ中最多。
TCGにおける「ビートダウン」と呼ばれるタイプであり、全体的に素直な性能で扱いやすい。
攻撃札の多さはそれだけガード崩し能力の高さとダメージソースの多さを意味しており、
対応(相手の攻撃に割り込めるカード)されなければ大ダメージを見込める機会は多い。
特に切札「月影落とし」はフレア7と消費は中々大きいが、オーラ4/ライフ4という双方のダメージ量の多さが光る。
相手オーラが4未満ならば対応されない限りライフ4削る(『新幕』のライフ初期値は10なので4割相当)ので、
相手にオーラで受けさせてから月影落としを、という戦略は基本。
相手もまたユリナを宿す相手には月影落としの一撃を警戒したデッキ構築を要求されることになり、相当な負担を強いることができる。
また他のメガミの攻撃を強化できる付与札「気炎万丈」や、行動回数を増やしつつ他のメガミの攻撃を強化できる「気迫」、
間合いが0-10と非常に広く対応可能、対応した攻撃の威力を削ぎつつオーラを削れる切り札「浦波嵐」など、
純粋火力以外のサポートができる札も備えていて、意外と万能な立ち回りが可能。
また「決死」という専用効果を持ち、ライフ3以下で一部の性能が向上する。
基本的な攻撃可能間合は1-4で、得意間合は3-4。
接近しなければ攻撃できず、かといって接近しすぎても強力な攻撃が通しづらいという間合調整になっている。
基本動作だけで充分調節できる間合ではあるが、間合の外からの攻撃や間合を変更できなくする効果のカードは苦手である。
ちなみに前バージョンの『二幕』では得意間合が1-2で全体的な間合もそれに応じて短かったが、『新幕』で間合がやや広げられた。
初心者には分かりやすく、上級者が使っても非常に強靭なメガミとして知られている。
攻撃力の高さから爽快感も強いために使用率も非常に高く、「迷ったらユリナ入れとけ」という考えの人も少なくないだろう。
公式の調整理念で、ゲーム全体が「王道も邪道も受け入れる多様性」を模索しつつも、
「邪道が王道を駆逐しないための安全弁の役割」とユリナについて述べていることや、
「初心者が初めて見るのがユリナであることから、彼女に親しんだ初心者が大会に出られるよう安定した性能が必要」と述べていることもあり、
彼女の強さはある程度意図的な調整がされているものと思われる。
とはいえ、上記のシンプルな強さが環境を席巻しすぎているのは公式にもあまり好ましくないようで(曰く「
王道が邪道を駆逐しすぎている」)、
幾度となくカードにはエラッタが入っており、中にはカード丸ごと別物に差し替えられた例もある
(例えば前述した「気迫」は元々「足捌き」という移動技だった)。
今後の調整内容にも注意が必要であろう。
ちなみに
アナザー版として「第一章ユリナ」も存在する。
『神語り』の第一章、ミコトとして幼い時代の揺波の再現であり、前述した癇癪玉も使用可能。
浦波嵐が不完全版となり消費が増える代わりにオーラダメージも増加、
決死でライフダメージが増加し対応不可になる「乱打」など、
不安定になった代わりに爆発力を得たような調整となる。
MUGENにおけるユリナ
way-oh氏製作のものが公開されている。現在はver1.2。
原作は上記の通り二次創作可能だが、原作の素材を扱えないため手描きの
ドット絵を始めとして、
ゲージ類・
エフェクト・
SE・
カットインや
ポートレイトといった素材全般を自作している。
このためデジタル版の加隈女史の声は入っておらず、今後も対応予定は無いとのこと。
打撃・弱斬り・強斬りの3ボタン式。
パワーゲージがオーラとして使われ、前進で増加、後退やガード硬直で減少。0の時にガードすると
ガードクラッシュ。
これによりバックステップはゲージ消費行動となっており、オーラが一つ以上なければ使えない。
切札(
超必殺技)にはフレア(数字表記)が必要で、これはオーラ消費で溜めるかダメージを受けると増加する。
原作におけるシステムで格ゲー向きでない要素を妥協しつつ再現したとのことで、集中力や達人の間合いなどは無いが、
他の印象的なシステムを格ゲー風にアレンジして再現している。
性能は簡単に言うとバッサリ感。全体的に火力が高く、強斬り一発で2割近く飛ぶ。
移動技の「足捌き」による高機動と1F投げ・小ジャンプを用いた中段・ガード不能技装備と攻め手は多彩。
切札も各種1ラウンド1度だけという制約はあるが、ガード不能で
ガードキャンセルから出せる「浦波嵐」や、
コンボに組み込めて一定以上の大ダメージが出せる「月影落とし」など、これらも強い。
さらにライフ3割以下で決死となり攻撃力が上昇するため、逆転性も高い。
一方で斬り攻撃の硬直の大きさや、飛び道具が準備の必要な「圧気」のみで遠距離が苦手という弱点もある。
総じて、原作のイメージを上手く格ゲーに再現し落とし込んだ性能となっている。
AIは未搭載だが、koyu@TWINT氏が製作したものが公開されている。
AIレベル等の設定は無いが、起き攻めにガード不能の居合を繰り出したり、隙を見て圧気を準備したり、
相手の攻撃の隙を見て的確に切札を叩き込んだりとかなり強い。
ランク的には強上位とのこと。
出場大会
プレイヤー操作
最終更新:2023年03月31日 04:10