リヒター・ベルモンド


「滅びよ! ここはお前の住む世界ではない!!」

+ 担当声優
堀川仁
『血の輪廻』
梁田清之
『月下の夜想曲』『Xクロニクル』『Harmony of Despair』『スマブラSP』
三木眞一郎 *1
『追憶の夜想曲』
浦和希
『月夜のノクターン』

『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』『悪魔城ドラキュラXX』の主人公。
『月下の夜想曲』『ギャラリーオブラビリンス』にもゲスト出演している。
通称「一族最強の男」「最強のヴァンパイアハンター」。
B型で正義感の強い熱血漢。曲がった事を嫌う。しかし単純。
1792年に復活したドラキュラ伯爵を倒すため、青い戦闘服に身を包み、
先祖伝来の伝説のムチ「ヴァンパイアキラー」を手に悪魔城に挑む。
シスターテラ救出時のキュピーン☆は一部では有名。

他にアイテムに秘められた力を解放する「アイテムクラッシュ」や、
高い身体能力により強力な体術をも扱う事が出来る。

……実は『血の輪廻』においては2面で助けた人質の方がキャラ性能的には遥かに強く、
結果として「最強のヴァンパイアハンター(笑)」になってしまった。*2
その辺りのネタキャラ要素も彼が愛される理由の一つだろう。

時間軸の違う作品にもちょこちょこゲスト出演しているが、
『悪魔城ドラキュラ ジャッジメント』では共演者であるマリアアルカードらが参戦した中、一人落選の憂目に遭い、
シリーズ初のマルチプレイ可能作『悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair』では、初期選択可能キャラの中に含まれていない。
(一応『HD』は課金する事で使用可能だが、シリーズ屈指の主役・登場回数を誇る彼に対して酷な扱いである。コアなファン狙いの商法か)。
+ 『悪魔城HD』でのリヒター
前述の通り初期選択キャラには含まれておらず課金して購入する事で使用可能になるキャラクターの一人。
他の使と同じく武器はヴァンパイアキラーで固定。
サブウェポンを使い込み熟練度を上げて行く事で攻撃力が高くなっていき、最終的には全キャラ中最大の物理攻撃力を誇る様になる。
なお、歩くよりもスライディングと、派生技のスライディングキック(MUGENでの「エアーキック」)を連発したほうが速い。
しかもこのキック、鞭やサブウェポン、マーシャルアーツ(スライディング及び派生技除く)でキャンセル可能(詳細は後述)。
そのためトビウオの如く跳ねて移動する変態ハンターが後を絶たない。
また、彼の最大の特徴として「マーシャルアーツ」による体術が豊富でそれにより格ゲーさながらのコンボを決める事が可能という事が挙げられる。
どのようなコンボが出来るのかは下記の動画を見てもらえれば大体わかるだろう。

余談だが、テキストチャットや協力技のボイスがやけに騒々荒々しく、荒ぶるリヒターなるタグが存在するほど。







 5年後の『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』では、
 『血の輪廻』で倒したはずの暗黒神官シャフトの手によって、
 ドラキュラ復活の為に洗脳されて操られ、
 (表向きの)ラスボスとしてアルカードの前に立ちはだかる事に。*3
 後にその事が原因で、
 聖鞭「ヴァンパイアキラー」を傍系のモリス家に預ける事になる。*4
 序盤でいきなりドラキュラを倒し、その後敵として出てくるが、
 隠しモード「リヒターモード」では序盤以外でも使用可能。
 ちなみに、セガサターン版では追加キャラのマリア共々最初から選択可能。
 しかも条件を満たせば追加コスチュームでプレイ可能になる。

『ギャラリーオブラビリンス』ではヴァンパイアキラーの力を目覚めさせる「鞭に宿った記憶」という形で主人公と戦う事になる。
とんでもない攻撃力を持ち、特にヴァンパイアキラーによる攻撃は、聖属性軽減装備をしていなければ軽く1/3ぐらい持ってくぐらい凶悪。
だが闇属性が弱点。新事実!最強の退魔の戦士は邪悪な力に弱かった!!*5
まあ『月下』の頃から既に闇属性弱点だったのだが
こちらもクリア後のおまけ「リヒターモード」では操作キャラとして使用可能。
……が、不幸な事にこのゲームは「2人の主人公を適時切り替えて動かすシステム」であり、
リヒターのパートナーと言えば……そう、「奴」である。
かくして彼は今日もまた幼女に出番を食われ続けるのであった。
+ とはいえ
『血の輪廻』では同等だった単発火力が『ギャラリーオブラビリンス』で是正されたため、
リヒターの方がボス戦での主なダメージソースとなり、射程と攻撃範囲が広く道中の雑魚散らしに向くマリアと住み分けが出来た。
ようやく「最強」の面目躍如か。
『輪廻』の印象が強過ぎてマリアが兵器じゃなくなった事に残念がる人も多かったが

ついには『Grimoire of Souls』で、
マリアはプレイアブル(しかも初期アルカード、仲間1号シモンに次ぐ早期加入。さらには12歳と17歳の二人いる
だがリヒターはアルターアーツ(サブキャラ)
という主客転倒になってしまった……。まぁ、頑張れ。

Netflix配信のアニメ『悪魔城ドラキュラ キャッスルヴァニア-月夜のノクターン-』では主人公として登場。
本作ではまさかのPCE準拠デザインでファンを喜ばせた。ラルフ=トレバーは大幅変更だったのに……
吸血鬼ハンターとして活動する母ジュリアと共にアメリカ合衆国ボストンに移り住んでいたリヒターだったが、
9歳の時、ジュリアに恋人(男)を殺された吸血鬼オルロックの復讐から逃れるため渡仏しようと港に向かう最中、
突如として出現したオルロックによって目の前で母を惨殺され、母の形見の鞭だけを持って一人逃げ出したリヒターは見逃され生き延びる。
そしてフランスに渡ったリヒターは叔母のテラ、従妹のマリアと暮らすようになり、やがて10年の歳月が流れた頃。
おりしも革命真っ只中のフランスでは吸血鬼が異常に増えており、その背後にはヴァンパイア・メシアを名乗る女吸血鬼*6の影があった。
テラ、マリア、カリブ海の吸血鬼支配圏から逃れてきた黒人女奴隷のアネットとそのパートナーのエドゥアールと共にメシアに立ち向かうリヒターだったが、
エドゥアールが惨殺され吸血鬼に成り果て、さらに突如としてオルロックが出現した事でパニックに陥り再び逃げ出してしまうという、
とてもではないが後に「ベルモンド一族最強の男」と呼ばれるような人物とは思えない醜態を晒してしまう。
そんな彼の前に現れた謎の老人は自らを祖父ジュスト・ベルモンドと名乗り、リヒターに先祖から受け継がれた魔力の覚醒を促す。
これによってトラウマを乗り越え立ち上がったリヒターは再びメシアとの戦いに舞い戻る。
やがてマリアが敵に囚われ生贄にされた事を切っ掛けに、彼女を救うべく仲間達と共にメシアとの決戦に挑むも、
あろう事かメシアには覚醒したリヒターの力すら一切通じずに敗北。今度は叔母テラが吸血鬼に変えられてしまう。
重傷を負ったマリアを救助し、アネットと共にその場を脱出したリヒターだったが、追手をかけられもはやこれまで……。
という所にアルカードが駆け付けた場面で、シーズン1は終了となった。
予告編
リヒターの覚醒

本作のリヒターは軽薄な態度の裏にオルロックによって母を殺されたトラウマが根深く残っており、才能はあるも未熟な若者として描かれている。
一方、その内心は吸血鬼に脅かされる人々や家族を守らんとするベルモンド家に相応しい意志が宿っており、
時に逃げ出し、時に敗北する事はあっても、必ず吸血鬼と戦うために立ち上がる強さも持ち合わせている。
また、サイファから受け継いだベルナンデスの血が目覚めた時の戦闘能力は凄まじいものがあり、
この辺りは捻くれたベテランだった前作主人公トレバーに対し、若きベルモンドの戦士といったポジションを意識したものと思われる。
またリヒターのテーマとして採用されたのは「乾坤の血族」のアレンジ曲であり、必聴もののクオリティとなっている。

+ TAS動画におけるリヒター
やっぱり変態になってしまっている。
『血の輪廻』では比較的まともな動きをしているものの、
『月下の夜想曲』では宙を飛び、アイテムクラッシュでボスを瞬殺。
ポンッポンッイヤァ
『ギャラリーオブラビリンス』ではさらに状況が悪化し、ハイジャンプを繰り返して、
上に向かってカッ飛ぶという不可思議な挙動で見る者の度肝を抜いた。

…『血の輪廻』の頃の常識人だった彼はどこへ行ってしまったのか。


大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおけるリヒター・ベルモンド


2018年の『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』ではシモンダッシュファイターとして参戦。
デザインは『血の輪廻』ベース(鉢巻きにノースリーブ)だがスピリットのイラストは『Xクロニクル』出展(スカーフに袖あり)になっている。
また、リュウとのまさかの対面を果たす。*7

シモンとの大きな違いはダメージ判定が異なる事と、下必殺技の聖水がシモンは火炎属性なのに対してリヒターは波動属性である事。

ちなみに特設リングでの肩書は「紺碧のヴァンパイアハンター」
助けた人質に立場を取られ、操られていたとはいえドラキュラ復活に手を貸した点から
「最強のベルモンド」とは言い難いと判断されたのだろうか?

なお、一人用モード「勝ち上がり乱闘」で表示される全キャラが一堂に会している1枚絵では、
FEのカムイ(女)の首にヴァンパイアキラーを巻き付けているように見えるが、
実際はカムイの首のアクセサリーがそう見えているだけで、ヴァンパイアキラーはちゃんと謎の影を捕らえている。
さらに、スピリッツモードでのレオン・ベルモンド戦での相手はリヒター。
サラの婚約者がサラに拒絶されたベルモンドで戦う事になるとは何の因果か。
引きこもりから世界を救ったヒーローになった少年や、市長として表舞台にカムバックした男を演じるというあまりにも皮肉なバトルも存在しているが

特定のスピリットの力を借りればTAS動画のような変態的な動きが可能だったりする。これはオリジナルファイターのシモンも同様。


「ほう、流石だな。だが…
    一本の鞭はかわせてもこいつは避けられまい!!」


MUGENにおけるリヒター・ベルモンド

悪魔城キャラに定評のあるライグ・ギラル氏によって製作されたものが存在。
レバーに攻撃ボタンとジャンプボタン、サブウェポン選択ボタンx2という、ある種独特なアクションゲーム風の操作法となっている。
『月下の夜想曲』のリヒターモードに近いか。
パワーゲージの上限は2本。サブウェポンやアイテムクラッシュには「ハート」を消費する。
「ハート」は初期設定で20蓄積されており、ムチ等で攻撃したり、ハート(大・小)を出し、それを取る事で蓄積される。
他にも攻撃の際ランダムで「CRITICAL!!」と表示され、威力が強化される。

ちなみに上にも書いてあるハイドロストーム発動ボイスは洗脳時の物なので、結構邪悪

+ サブウェポン
      • キツメの放物線を描く対空飛び道具。威力高め。ハート1消費
    • 短剣
      • 弾速の速い飛び道具。威力低め、クリティカル率高め。ハート1消費
    • 聖水
      • 2,3歩前方にビンを投げ込み、そこに炎を出現させる。
        多段ヒット設置系下段飛び道具?ハート2消費
    • 十字架
      • 一定距離でUターンする飛び道具。
        多段ヒットするので距離調節が肝心。ハート1消費
    • 懐中時計
      • 5秒間時を止める。飛び道具も時間も止まる。
        効果時間中にナイフを投げると途中で止まる。ハート8消費
    • 聖書
      • 自分の周囲を8の字を描くように聖書が飛び回る。多段ヒットするが威力は低め。
        飛び道具をかき消したりにも使える。ハート3消費
      • ストライカーを呼ぶ。鍵自体にも攻撃判定アリ。
        たまにアルカードを呼んだり、ハズレの?を引いたりする。ハート2消費。
+ アイテムクラッシュ
    • スラッグアックス
      • 斧のアイテムクラッシュ。
        宙に浮かび自分の周囲に回転する斧を召喚し、直線軌道で飛ばす。
        空中で密着して繰り出すと回転する斧が多段ヒットし7割以上持って行く脅威の技。
        しかし無敵の発生が斧召喚後なので非常に使いづらい上、普通に当てると非常に威力が低い。
        ハート10消費
    • サウザンドエッジ
      • ナイフのアイテムクラッシュ。
        その場でナイフを40本以上連続で投げる。無敵が無い上に威力も低い。
        ハート10消費
    • ハイドロストーム
      • 画面全体に雨のような飛び道具を降らせる。
        無敵時間は無いが発動さえすれば相手はガード以外する事がなくなり、
        さらに効果時間中にリヒターの硬直が切れるという脅威の性能を誇る。
        ハート15消費
    • グランドクロス
      • ベルモンド家に伝わる最後の奥義。
        自分を中心に左右1キャラ分ほどの光の柱が発生し
        宙に浮き、自分を中心に巨大な十字架が螺旋を描いて上昇する。
        威力が高めで近距離なら最高11ヒットする。ハート20消費
    • ホーリーバイブル
      • 聖書のアイテムクラッシュ。
        リヒターの後方に魔法陣が敷かれ、そこから極太光線を放つ。
        隙が大きい分威力も大きい貫通型飛び道具。
        コマンド入力後に無敵時間があるが、発動前に切れる。攻撃されると中断してしまう。ハート20消費
    • ホーリーフラッシュ
      • 原作では跳鉱石のアイテムクラッシュ。
        紫色に光り上方に4本の白い線を走らせ、その後低威力だがガード不能の全画面攻撃を行う。
        ほぼ完全に対空目的だが、紫に光るリヒター自身にも攻撃判定があり
        リヒターで当てると白い線で追撃出来る。
        ちなみに2秒以上の長い無敵時間を持ち、攻撃を避ける目的にも使える。ハート10消費
    • トールハンマー
      • アグネアのアイテムクラッシュ
        広範囲(全画面ではない)に雷を発する。中程度の威力。
        発生が少々遅くコマンド完成から無敵の発生まで0.5秒ほどかかり
        攻撃されると中断してしまう。ハート20消費
+ 体術
    • リヒタータックル
      • タックルする。食らった相手は画面端まで吹っ飛ぶ。
    • スライディング
      • 地を這うスライディング。エアーキックに繋がる。
    • エアーキック
      • スライディングの姿勢のまま放物線を描いて飛ぶ。威力は高めだがパワーゲージを少し消費する。
    • アッパー
      • 出掛りに無敵時間が存在する対空技。パワーゲージを少し消費する。
    • 回し蹴り
      • 3連続で蹴る。威力が高くムチから繋がる。ただしパワーゲージを1本消費する。
    • ライトニングウェーブ
      • 足から飛び道具を発射する。ムチから繋がり、ゲージを1本消費する。空中可。
+ 聖なる力
    • ムチが「炎の鞭」にパワーアップし一部の技が使用可能になり、
      更に移動速度アップ・パワーゲージが漸増する。
      しかし時間経過で効果が切れると気絶する上にパワーゲージが0になってしまう。
      ドラゴンインストールが元ネタ。ハート15消費。
      ちなみにAIは2ラウンド目以降ライフが残り少なくなると聖なる力を発動する。
  • 聖なる力効果時間中のみの技
    • ボーンクロス
      • 判定と威力が向上した骨で出来た十字架。ハート3消費
    • ヘルファイア
      • 発生が遅いが、近距離でヒットさせると大ダメージを期待出来る。
+ その他
    • ドア
      • ガードキャンセル攻撃。
        低威力でどれだけライフが減っていてもKO出来ないが
        受身不能で画面端まで吹っ飛ばす。攻撃後にドアに触れると再度開く。
        敵が触れるとリヒターがダメージを受ける。
    • バック転
      • バク転で後退する。無敵時間が長い。
    • ホーリーチャージ
      • パワーゲージを溜める。チャージ時間に応じて回復量が増える。
    • ハート
      • 目の前に大小のハートを投げる。ハートを取ると大は5小は1増加する。
        ランダムで出なかったり、ロザリオが出る。
        ロザリオは低威力で硬直の長い全画面攻撃。

+ 大会ネタバレ
3on3 強キャラリーグトーナメント【1万件記念】では主人公チームの大将として出場し、決勝に進出。
相手チーム大将のハルクに開始早々残り1ドットまで追い込まれたが、
ハイドロストームからの怒濤の反撃で大逆転優勝を果たした。

「リヒター役の梁田清之です。
    君…ゲームばっかりやってないで、たまには体も鍛えようね」

たまにこんな台詞…というか中の人のインタビューでの発言がイントロで飛び出し、
そこで視聴者は思わず「サーセンwww」と言うのがある種お約束となっている。
ボイス元

出場大会

+ 一覧
シングル
タッグ
チーム
その他
凍結
更新停止中
削除済み

出演ストーリー




「じゃあな!」


*1
ちなみに、同作でアルカード、マリアを演じた声優は、のちの『ジャッジメント』にそれぞれ同じ役で出演した。
という事は、もしリヒターがジャッジメントに出ていたら、やはり……?

*2
『月下の夜想曲』の冒頭、前作でドラキュラを倒した場面のシーンでリヒターがドラキュラにやられてしまうと、
その場にマリアが駆け付け圧倒的火力でドラキュラを秒殺してくれる……ではなく祈りを捧げてリヒターを復活させ、更に完全に無敵にする。
その後戦闘が再開されるが、もはや「『神と対極の存在』であり、世界に不可欠なもの。よって、絶対に不滅」とされるドラキュラが全く為す術もなく、
あらゆる抵抗が通じず撲殺されるだけという一方的な戦いでリヒターが勝利するのである。
この時のリヒターは間違いなく全シリーズ中最強のベルモンドと言えるだろう。
実力での戦いではドラキュラに負けてしまい、マリアに無敵にしてもらったから勝てたというオチは付くが……

ただし、同作内ではマリアの口からリヒターと決闘したが負けてしまったという話が出ており、
設定上ではリヒターの方がマリアより強いというのが公式の模様。
勝ってしまったらアルカードいらないしな

*3
公式の設定では無く確証も取れない話なのだが、
『Circle of the moon』の主人公ネイサン・グレーヴスの師匠モーリス・ボールドウィン(TAS動画で「ワシが育った」の人)は、
開発中は年老いたリヒターだったという噂がある。

彼はゲームの10年前にドラキュラを封印したものの、その戦いにおいて共に戦ったネイサンの両親が戦死しており、
遺児のネイサンを実子ヒュー・ボールドウィンと共にヴァンパイアハンターとして育て上げる。
そして聖なる鞭(ゲームがベルモンド家と関係無い作品になったため、この鞭がヴァンパイアキラーだと明言はされない)をヒューではなくネイサンに継承させ、
10年後に復活したドラキュラを再び討伐に向かうものの弟子達と分断されて囚われの身になってしまう。
そのままドラキュラの生け贄にされそうになっていた所を間一髪でネイサンが駆け付け、ネイサンがドラキュラを倒して窮地を逃れる。

実際は別人という事になったものの(若かった頃は格好良かったリヒターが噛ませ役ではあんまりだという事情もあったのだろう)、
もしもこれが本当にリヒター本人であったのなら、『月下』の後でもしつこく復活してきたドラキュラを戦友を二人失いつつもなんとか撃破し、
亡き戦友の遺児を自らの手で育て上げ、ベルモンドの血を引く実子では無く新たな弟子に鞭を授けてドラキュラ打倒への道を繋ぎ、
最後はドラキュラに敗れてしまうものの育てた弟子の力で救われる……
つまり自身の人生を狂わせてしまった「最強」の座を失い、代わりに「ドラキュラ打倒」という本来の目的に辿り着くという、
若き日に犯した過ちを償い、未来に繋げていくリヒターのその後の人生として相応しいものであったのではないだろうか。
ただ、晩年がハゲジジイになるとか「ワシが育った」とか言われてますます名声が落ちぶれ果てるのは避けられなかっただろうが

*4
ヴァンパイアキラーはベルモンド家開祖レオンの婚約者であったサラの魂が宿っている。
吸血鬼ヴァルターに噛まれたサラを救うため、ヴァルターを滅ぼすために聖鞭を握ったレオンだったが、
聖鞭の完成には所有者と最も信頼し合える吸血鬼の魂が必要であり、サラはレオンを救うためにその魂を捧げた。
ヴァンパイアキラーはサラの夜の一族に対する憎悪、自分のような者を生み出さないで欲しいという願いによって退魔の力を発揮する。
ベルモンド一族といえどドラキュラ復活に手を貸したのなら拒絶されても仕方がないという事だろうか。
グレイテスト5の記憶にクリストファーがいない事に関しても、ソレイユの洗脳とサラの魂の間に関連性が見出せそうであるが詳細は不明。
とはいえ吸血鬼に成り果て愛する人に介錯を願うしかなかったサラにしてみれば、洗脳されたソレイユが振るうヴァンパイアキラーの中から見た、
予備の鞭でソレイユをしばき倒してドラキュラの闇の呪縛から解き放って救った父の愛はあまりにも眩しいものだったに違いない。
サラ「それに比べてリヒターくんはさぁ……(クソデカ溜息)」

……しかし、このヴァンパイアキラー、ベルモンド一族以外の人間ではマトモに扱えない代物であり、分家でも扱うと寿命が削られてしまう。
ジョナサン・モリスの父ジョニーはこれが原因で若くして亡くなった)。
モリス家に夜の一族の血は入ってない……はず。ソニアがアルカードとの間に作っちゃったという子がラルフではなくモリス家の先祖だったという事でもなければ

*5
吸血鬼(ヴァンパイア)ハンターは古来より聖なる力で邪悪を滅ぼしてきた。
    だが、ハンター同士が戦えば…?」

「ベルモンドの力は他を圧倒する。同じ性質の力なら、まず倒す事はできまい」

これは『月下の夜想曲』クライマックスでのアルカードとシャフトの会話の一節。
その内容から、逆にリヒターの持つ聖なる力と対極に位置する闇の力をもってすれば対抗出来うる事が推測出来る。

もはや言うまでもないだろうが『月下の夜想曲』で敵として登場するリヒターも闇属性を弱点としている。
『闇の呪印』でのラルフに関してもそれは同じ。
つまる所、ベルモンド一族を始めとする歴代のヴァンパイアキラー達の持つ力はあくまで
「邪悪な存在を打ち倒す事を可能にする力」でしかなく、一方的に有利となる都合の良い力などではない、という事なのだろう。
まあ、いずれのケースにおいても重要な役割を持つボスである以上、倒せない事にはどうしようもないわけで……。
ただ、そういう意味では『暁月の円舞曲』でのユリウスは弱点属性を持たないし、
そもそも『月下の夜想曲』でのリヒターは倒してはいけないのだが
(ドラキュラ撃破エンドに進むためには、あるアイテムをマリアから貰い、それを装備した状態で戦った時のみ現れる水晶玉を破壊しなければならない)。
とはいえ、リヒター撃破エンドもドラキュラ撃破エンドとは違ったカッコよさがあるので、一度見ておく事をお勧めする。

「終りだ…、ベルモンド」
「そうだ…。人と吸血鬼の闘いの歴史は、今ここで終わる…」
「........」
「狩られる者がいない今、狩る者は不要だ…。
    もう、ここには俺の居場所はなかったのかもしれないな…」

*6
正体はエリザベート・バートリだが、古代エジプトに由来する吸血鬼なので、どうやらその名前を自称しているだけらしい。
まあ本物はソレイユがしばき倒して封印したはずだし、実際に討伐するのはこの後のジョニー・モリスだしね
本作は他にもアネットが黒人の逃亡奴隷、マリアが女性革命家、テラはマリアの母など『血の輪廻』『XX』『月下の夜想曲』とは大きく変更され、
加えてオリキャラとしてアネットのパートナーのエドゥアール、マリアの父エマヌエル修道院長、聖ヨハネ騎士団ミズラックなども登場。
ストーリーもフランス革命真っ只中という事もあって、革命の裏で蠢く吸血鬼、吸血鬼に支配され搾取されるカリブの植民地、
逃亡黒人奴隷、黒人ハーフの嫡子、アメリカ独立戦争の影でのベルモンドの戦いなど時代設定を色濃く反映したものになっているが、
『月下』の中ボスに過ぎなかったオルロックとベルモンドとの因縁、老境に達したジュストの雄姿が描かれるなど、原作の掘り下げも行われている。
またアネットはマリアの姉(XX)であってマリア・ラーネッドの姉ではない(PCE版)ため、その他の点でもPCE版の影響が強いようだが、
その一方でマリアのデザインに関しては『Xクロニクル』版が採用されているなど、設定のバラけた『X』派生作品の統合が試みられている。

これらの改変点については当然ながら賛否両論あるものの、映像作品としてのクオリティは極めて高いものとなっているため、
『悪魔城ドラキュラ』シリーズ正史のアニメ化というより、アニメ版『キャッスルヴァニア』の続編、別の世界線として見た方が良いだろう。

*7
『血の輪廻』時代の外見やこのページの一部画像キャプションを見れば分かる通り、
当時のリヒターがリュウをモチーフにしてデザインされたのは確定的に明らか
そのため昔から「リュウ・ベルモンド」というあだ名で呼ばれる事もしばしば。
+ 比較画像

左が『ストリートファイターZERO2』のリュウ、右が『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』のリヒター。
ポーズまでパク……オマージュ、と言いたい所だが、
実は『ZERO2』が199 6 年3月25日稼働なのに対し、『血の輪廻』は199 3 年10月29日発売。
なのでポーズ自体はリヒターの方が3年早い。
互いにパクリ影響し合ってるという事だろうか。それにしても今と比べておおらかな時代である事が窺える。
時代が下り鉢巻きからスカーフ巻きになったりロン毛になったのは、時代がそういう事を良しとしなくなったのもあるのだろうか。
+ おまけ・もう一人のそっくりさん(左ハイキック注意)

自重できてないギンガブルー、照英・ベルモンド


最終更新:2024年04月07日 09:09