機動戦士ガンダムさん

登録日:2010/01/30 Sat 22:20:33
更新日:2025/07/09 Wed 17:28:05
所要時間:約 5 分で読めます





『機動戦士ガンダムさん』は、「月刊ガンダムエース」にて連載中の大和田秀樹の漫画


タイトル通り、「機動戦士ガンダム」を元としているが、そんな雰囲気は皆無なギャグ作品。
Z』以降のネタが基本的に出ないのは作者が見たことがないから。
(赤く塗るのをやめろと言われたシャアが金色に塗ろうとする、後述の伝記漫画で永野護が登場する*1など、ネタが出てきた事はある)

そして、2014年7月に『ガンダムさん』の題でまさかのショートアニメ化となった。キャストはオリジナルとは異なる。
ちなみにYouTubeの公式「ガンダムチャンネル」では歴代TV作品の1・2話が無料公開されているが、それらと並んで本作の1話も公開されている。


◎登場人物


シャア・アズナブル(声:小西克幸
認めたくないものだな 自分自身のバカさ故の過ちというものを

本作主人公の一人にして、本作一の暴走キャラ。原点での人物像が分からなくなる程キャラ崩れが激しい。「赤くて角つき」に対して異常なまで執着し、
MSもそれ以外には乗ろうとしない(普通のゲルググと赤い角付きのゾゴジュアッジュで迷わず後者を選ぶ)上、日用品にまでそれを施すまでにこだわる。
角があればMSは大気圏突入出来ると思っていた。
アッガイ大好きでリック・アッガイの完成を夢見る。
よく脱ぐ。
もはやフル・フロンタル(全裸的な意味で。)

例外的に、正式なアニメ化よりも前に「ガンダムエース自体のCM」において本来の『1st』におけるキャストである池田秀一がCVを務めたことがある。
ただ、シャアのイメージに唾どころかびらん性ガスをぶっかけるような内容なので、池田さんはこの一回でギブアップ*2。アニメシリーズではほぼ出演していない。


アムロ・レイ(声:代永翼
思春期真っただ中なヘタレ
一応、もう一人の主人公。若さ故の過ちをまざまざと見せ付けてくれる。セイラさんからは毎度ドキツい制裁を受ける(無論原因はコイツ)。ガンダム達MS同士の会話が脳内再生されている。


ララァ・スン(声:潘めぐみ
シャア側のツッコミ担当。
非常にツッコミが荒く、力で捩伏せたり、恐怖を与えて抑止したりと結構キツい。
それでもシャアの事は慕っている(曰く、黙っていればイイ男)。額のホクロを度々ネタにされる。
シャアに角を刺して豹変した時は「これじゃない」として結局戻した。
『あたしはシャア専用だモン・・・///』
アニメでの声は、オリジナルの潘恵子の実子が担当というある意味出落ちの配役。残念なことに本家寄りのアニメ版『ORIGIN』ではセイラ役になったが、どちらにせよシャアと関わりの深い女性である。


セイラ・マス(声:名塚佳織
アムロ側のツッコミ担当。
兄の暴走に頭を痛め、アムロのセクハラに悩まされたりと、多分一番悲惨な環境にいる。
医者の卵なのでホワイトベース内で診療しているが、Sな診断しかしない。
しかし、主な被害者にはご褒美でしかない。
アニメでの声優は後に『GQuuuuuuX』にてキシリア役として、一応は妹属性繋がりかつやはりシャアと少なからず関わりのある女性を演じることとなった。


ブライト・ノア(声:置鮎龍太郎
お馴染み、WB艦長。声はエターナルの艦長。
しょうもないダジャレを言ったり、ムッツリだったりとオヤジっぽくなってる。
アムロの事を理解出来てるようで出来てない。
スレッガーが大嫌い。


◆ハロさん(声:松山鷹志)
アムロの作ったマスコットロボ……ではなく、その中に入っている関西弁のおっちゃん。どうやら体の柔らかさを生かした仕事らしい。その存在を知るのはブライトとセイラさんのみ(一度だけハヤトが人が入っているのを見ている)
妻と息子を大事に思うが、その妻からは遠避けられている。
昔色々あったらしく、かなりの多芸。


アッガイ
本作のマスコットと言っても過言ではないMS。元のデサインから、更にデフォルメされており、もはや萌えキャラと化しており、(その可愛さは、アムロすら攻撃を躊躇する程)半ば、擬人化されてる節がある。
アッガイ谷と言う集落がある。


ガンダム(声:松山鷹志)
言わずと知れた主役機。
アムロの脳内では、何故か関西弁。ふたばを筆頭にしたネット上でのおっちゃん扱いの開祖。
一度、暴走族風に改装された。
なお、ザクさん内のガンダムは女性。


◆ゾゴジュアッジュ
本作オリジナルMS。
非常に奇怪なデザインをし、MSどころか兵器なのかどうかすら怪しい。実は設計者はシャアだった。ガンダムさん版シャアをして「量産された暁には、連邦にボロ負けするだろうよ。」と言わせる代物。
しかし、意外と武装は豊富で、実は性能は高いかも知れない。


タムラ
これまでは「」ネタや買い出しネタでの登場が多かったが、
5巻にてアッー!な性癖が発覚


ギレン・ザビ
ジオン総帥。本編では整形を試みようとしていた。
理由はイケメンになれば女子人気が出て死なずに済むから。
「ガルマくん」では大卒ニートなザビ家のバカ息子となっている。
…のだが、そんなギレンが「ガルマくん」のオリジナル設定とはいえ、どうしてあのような冷血漢になったのかも描かれた。


キシリア・ザビ(声:広橋涼
シャアの上司だが、シャアに「紫ババア」と言われて以来、無茶な指令(ダンボールMSで出撃)などを与えたりする。
シャアからは、リック・アッガイの完成、配備を申請されるが造る気は全く無い。
「ガルマくん」ではしっかり者の長女として登場。
途中から可愛くなった。


デギン・ソド・ザビ(声:松山鷹志)
老人。寝室の電灯のヒモを寝ながら切れるようにしたり、今さらスマップやモー娘の話を部下に振って引かれたり、韓流を若者の文化と思っていたりしている。
(その度にギレンから「老いたな、父上も」とツッコまれる)
ガルマくんでは頼りになる一家の長として登場している。


ドズル・ザビ
本編の出番は少なめ。ガルマくんで働き者の次男として登場。嫁さんとの馴れ初めも描かれている。


ガルマ・ザビ(声:興津和幸)
よく、「謀ったな」ネタでいじられ、ウ〇コをする時間を計られたり、チ〇コの長さを測られたりした。
シャアと一緒に芸人を目指したり、ガルマくんでは主役になるなど割と出番は多いのだが…。


ハヤト・コバヤシ(声:下山吉光)
WBの地味クルー。
ガンタンク大好き。
ドエライ性癖の持ち主。


カイ・シデン(声:下山吉光)
セイラさんのストレスのはけ口。
「軟弱者!!軟弱者!!」とボコられるのは最早日常茶飯事。


◆クラウン
ミスター大気圏。
死亡フラグをぶっ立て、シャアの制止を振り切り戦場へ……。
「助けて下さいシャア少佐ーーーッ!!」


◆コム
ガンダムハンマーの数少ない被害者。
よくそのことを擦られる。


◆オスカー&マーカー
セイラさん「二人の見分けがつかないのは生き別れの肉親という可能性もありますね DNA調べておきましょう」


◎サイドストーリー


また、本作には本編の四コマとは別のサイドストーリーが存在する。
単行本によっては4コマよりページ数を割いていることも。

隊長のザクさん

愚直なまでに命令に忠実なソロモン方面軍の小隊長のザクのお話。お笑いシーンは多数存在するが、筋はほぼシリアスなガンダム漫画のそれ。
長編枠では例外的にコメディ4コマのエピソードも定期的に執筆されている。

【宇宙島のガルマくん】

これはまだ、ザビ家のみんなが貧しく、力を合わせて暮らしてた時代のお話
後半ではジオン・ズム・ダイクンの死の真相や、ギレンがふとした切っ掛けで独裁者を目指した結果、社会的な成功の代償として冷血漢へと変貌していく姿も描かれた…と途中よりドシリアスな「ザビ家エピソードゼロ」に路線変更する

【ガルマ&シャアのお笑い一直線】

サイド3の士官学校に通う、ガルマとシャアはひょんな事から学園祭のお笑いステージに立つことになり…
大和田節全開のコミカルな一編であるが、最終盤では才能の有無が引き金となってシャアは姿を消し、そして…。

【ガンダム創世】

今日まで、人気の続くアニメ「機動戦士ガンダム」
その伝説が生まれるまでの監督達のお話を一部フィクションを混ぜながら描いている

これは最後までコメディ色が強めで、シリアスな展開は「視聴率不振によるテレビシリーズ打ち切り」と「安彦良和の過労による戦線離脱」程度(かつ前者はほぼ、後者も「安彦が健康面の理由で離脱」自体は史実*3である)。
主人公は言うまでもなくあの禿だが、このお話ではアニメ嫌いな面はほぼ完全に削られており、変人だが志あるクリエイターの面を強調して描写されている。
後に『「ガンダム」を創った男たち。』と改題され、番外編や各種コラム、執筆に至った経緯を描いたオマケと一緒に上下巻の単行本にまとめられている。
ちなみに性質上実際にFGに関わったメンバーの了承を得ており、富野監督からも「すべてお任せする(大意)」の形で公認を貰っていたとのこと。

実は本作以降、大和田先生は『疾風の勇人』『角栄に花束を』など伝記漫画を得意とする傾向を見せるようになっており、先生の作風そのものにも強く影響した作品でもある。





「30過ぎても、追記・編集てどうかと思うね、ボカァ」

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最終更新:2025年07月09日 17:28

*1 実際に1stのリアルイベントに参加していたのの再現。現在は彼の奥さんでもある川村万梨阿といっしょなのも史実で、2人でインタビューを受ける映像が残っている

*2 元々『SDガンダム劇場』などのコメディやブラックなネタ一辺倒なシャアに対して複雑な思いを明言していたのもある

*3 史実では胸膜炎発症による入院。