登録日:2012/10/11 Thu 05:33:54
更新日:2025/07/07 Mon 19:30:53
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【人物】
「二ヶ月ほどの内に一度ジオンに帰ります。ですが、父上。その前に必ず一つ大戦果を上げてご覧にいれますよ」
「『親の七光りで将校だ元帥だ』などと国民に笑われたくはありませんからね。では、お目にかかる日を楽しみにしております」
ジオン公国国家元首の御曹司であり
美男子ということもあって、ジオン国民からの人気も高く、父デギンや兄
ドズルの寵愛を受け将来を期待されていた。
デギンは他の子供たちがそれぞれ野心や粗暴さが際立っているのに辟易する一方、素直なガルマを特に好んでいた。
ドズルに至っては、いずれは自分すら使いこなせる将軍になれると確信していた。
姉のキシリアもガルマの直属の上司ということもあるが、少なくとも悪感情は抱いていない。
長兄ギレンに対しても、ガルマは「みんなが思っているほど怖い人ではない」と話すシーンがあって、友好的な関係を築けていた模様。
ザビ家の面々はそれぞれが悪い意味で我が強く、互いに嫌いあい、ギスギスしているのだが、その中でガルマは
唯一、全員と仲がよいという希有な人柄を持っていた。
一方、ガルマ自身も軟弱一辺倒というわけではなく、武功を立ててその存在を知らしめようという意識もあった。
もっとも、上記の父に当てたメッセージの通り、
生まれ持った立場に見合った役割を果たそうという趣旨であり、単なる手柄欲しさや自己顕示欲とは一線を画する、
貴族の責任感という類いのものであった。
軍人としても必ずしも無能とは言えず、木馬を見た感想が
「シャアの言う通りかもしれん。今までの地球連邦軍の戦艦とはまったく桁が違うようだ」であり、連邦軍を軽視しない一面がある。
部下たちの分析だと思われるが、ガンダム・ガンキャノン・ガンタンクが規格を統一し、更なるパワーアップの余地があることにも気付き、シャアに伝えている。
しかしそうした優しさや育ちの良さが、一方では他人を信用しすぎるところにも繋がっており、父デギンからは軍人の道を選んだことを心配されていた。
癖は髪をいじること。
富野監督曰く「神経質だから」らしい。
シャア・アズナブルとは士官学校の同期であり、親友でもある。
ガルマはジオン公国の士官学校を首席で卒業したことになっているが、実際はシャアの方が成績がよかったのに、その席を譲られたとされる。
シャアは表向き、ジオン公国の一般国民で家族もおらず、顔にひどい火傷を負っているという話にしており、少なくとも大した家柄としては認識されていなかった。
そんな彼にもガルマは地位や階級を意識しないフランクな話し方をしており、全幅の信頼を寄せていた。
しかし
「私には姉に対しての立場だってあるんだよ。家族のいない君にはわからない苦労さ」という発言もしている。
もちろんガルマ本人はシャアの真の素性など知る由もなく、ただ天涯孤独と聞かされただけなのだろうが、仮に本当に家族がいないと言うだけだとしても無神経な発言であったことは否定できない。
ニューヤークの前市長・エッシェンバッハの娘イセリナとは結婚を誓う仲だった。
ただしザビ家・エッシェンバッハ家ともに婚姻を認めてはいない。二人は「認められないなら駆け落ちしよう」などと言っていた。
そのため二人の関係はあくまで「私的な恋人」であり「許嫁」というようなものとは少し異なることになる。
【作中の活躍】
◆地球降下作戦後
一年戦争ではジオン公国軍地球方面軍司令として北米で活動した。
だが、実際は姉キシリアの突撃機動軍が活動していて、ガルマは名目上の司令官でしかなく、権限もジオン地上軍北米方面軍司令程度でしかなかった。
『THE ORIGIN』では階級は大佐のままであるが、地球方面軍司令官
マ・クベ中将(アニメでは大佐)指揮下の北米方面軍司令官となり、
いわば
“敵地にパラシュート降下するマ・クベと彼の兵”を公国軍が見捨てないための人質的側面もあったという。
とはいえ北米は豊富な工業力と食料地帯を有しており、南米の
連邦軍本部ジャブローを牽制する要地である。
名目上と言うには権限もかなりのものがあった模様。
司令官としては有能で軍規の維持に成功し、現地の住民とも上手く付き合って協力を引き出している。
当時はコロニー落としで地球人のほとんどがジオン公国に強い憎悪を持っていたことを考慮すれば、
これはガルマが挙げた大成果と言ってもよく、ひとえに彼の優しい人柄と高い社交性故のものと言える。
自分を利用しようとする一部現地有力者に対して「虫唾が走る」とシャアに愚痴りながらも、
その相手をしつつ共存の落し処を探り、さらに部下の不満や暴走も抑止していたのだから、忍耐力の面でも見るべき点がある。
後にシャアが
ブレックス死後の
エゥーゴの腐敗に耐え兼ねてリーダーと言う立場にも拘らず自派を率いて離反している点も考えると、
「嫌な相手にも粘り強く対応しつつ部下の不満も宥め、相利の落し処を探る」ガルマの性格と特長は、シャアの欠点を正に補うものだった。
とはいえ、第8話で全滅していく兵士たちを目の当たりにし、士気を鼓舞しなければならない立場にありながら、
「このような失態を姉上になんと言って報告すればいいのか!!」と狼狽えてしまうなど、まだ肝が座りきっていない未熟者である。
ルッグンパイロットのバムロが彼について「ガルマ様はまだお若いので、我々が支えていかなくてはならない」と発言しており、
兵士たちの中に「ガルマ様を盛り立てながら戦う」という考えがあったことがうかがえる。
ただし、完全に統治がうまく行っていたわけでもない。
例えば、
アメリカのニューヤーク(『THE ORIGIN』ではロサンゼルス)に本拠を置き、
そこの有力者
エッシェンバッハとの協力関係を構築し、彼の娘
イセリナとは恋人にもなっているが、
当のエッシェンバッハはガルマの持つ軍事力を暴発させないためだけに組んでいるに過ぎず、
腹の底ではガルマのみならずジオンのことも嫌悪・軽蔑しており、イセリナとガルマの関係にも反対していた。
『THE ORIGIN』においては彼の手引きで、ガルマの足元でゲリラ攻撃まで起こさせている。
ガルマ自身もその事は重々承知しており、自分に媚びる現地の有力者に対して
「虫唾が走る」との愚痴をシャアにこぼしている。
……まあ地球全体がジオンによる様々な悪影響を受けている上に、ニューヤークも明らかにジオンの攻撃で荒廃していたので、
なにを言おうが「故郷を滅ぼしたジオン」と心の底から仲良くできる人間なんてそうそういるはずもなく、そこまでの成果を求めるのは無茶ぶりなので手腕の評価は難しい。
ガルマ・ザビと言えばこのニューヤークの設定も語ってしかるべきなのだが、
荒廃したニューヤークの設定をあえて描写を曖昧にしたこともあって地味に設定変更され続けているようで(認識が間違っている設定もあるかも)、
当初は製作スタッフの一部はコロニー落とし地点の一つとして描写したつもりだったり(後にコロニー落としがシドニーのみになって設定変更)、
コロニー落としを阻止した際の破片が飛んできた設定になったり(コロニー落としに成功したのがシドニー一件のみでも成り立つ設定)、
ジオン軍の空襲や侵攻で普通に荒廃、一年戦争前に戦争が起きて荒廃したことになったり、
宇宙世紀が始まる前後の約80年前に戦争で荒廃したことになったりしている(ユニコーン)。
複数の合わせ技の可能性もある。
なおニューヨークではありえない地形描写から元ネタは名前はニューヨークからとりつつ地形はロサンゼルス辺りとされる。
ちなみにアースノイドのイセリナ・エッシェンバッハとの恋愛関係から「このまま婚姻できればスペースノイドとアースノイドの和平の可能性もありえたのでは」という意見もあるが、
実際にはザビ家もエッシェンバッハ家もそれを望んでいなかった上、ガルマ当人は「両家が受け容れてくれなければ私もザビ家を捨てて駆け落ちしよう」と発言していたので、
ガルマ自身は「スペースノイドとアースノイドの和平の可能性」なんていう大きなことは考えておらず、純粋に若い恋として思っていた模様。
誠実と言えば誠実だが、一面では立場を考えていない無責任な考えだったとも言えるか。
存命中には兵を統御し、「敵対行動をとらなければ危害を加える様な集団ではない」というイメージを占領地住民に認識させるところまでは成功していたが、
ごく少数例を除けば、地元住民とジオン軍が心底から友好関係を構築するには未だ遠い状況であったと言える。
戦闘では自身も専用の
ドップに搭乗し前線で戦った。因みに降下作戦では専用の
ザクⅡFS型に搭乗している。
ユウ・カジマや
ソシエ・ハイムとは正反対の、MS乗りから飛行機乗りに転身した人物である。
ちなみにドップやザクは
赤茶色に塗装されていて、これが彼のパーソナルカラーらしい。ノーマルスーツは
紫色と
黄色だが。
彼はドップの特性を知り尽くしており、「自らを囮にしてガウのビーム砲の射程内に敵をおびき寄せ、ガウに一網打尽にさせる」という
必殺技を持っている。
また、配下の部隊もMSよりも航空機や戦闘車両の方が目立つ特徴的な編成となっている。
彼は作中でも「(MSは)所詮は陸戦兵器」と発言しており、宇宙では無敵の強さを誇るMSも、
一年戦争時においては地球上では宇宙ほど活躍できないことを理解していたことがわかる。
実際にはアムロと
ガンダムが空中戦に無理やり対応したことで作戦は破綻してしまい、
虎の子の必殺技も
マチルダ・アジャンの割り込みによって封じられてしまったが、
この時のホワイトベース隊は孤立していたためにジオン軍が完全に数の上で有利であり、敵が普通のMSとパイロットなら成功していた可能性が高い。
漫画「
オレら連邦愚連隊」でも北米でのことについて描写されており、
ザビ家のお坊っちゃんであるが故に司令官になったガルマを老将兵達は当初は嫌っていたが、
ガルマがドップ等の兵士と同じ兵器を使い戦場で共に戦う事を望み、更には末端兵士への労いと配慮を忘れなかった。
それらが功を奏して徐々に彼らの信頼を勝ち取り、心酔されていった事が語られている。
◆本編での動向
「シャア……謀ったな、シャア!!」
地球の北米大陸に駐屯していたところ、宇宙から降りてきた親友シャア・アズナブルから呼び出しを受ける。
シャアから木馬の説明と「ジオン十字勲章ものだ」という教唆を受けて、意気揚々と
ガウ攻撃空母を主力とする部隊でホワイトベース攻撃に向かうが、
ガルマはガンダムとそれを擁するホワイトベース隊の前に連敗を喫してしまい、徐々に焦りを見せ始める。
(ちなみにガルマはシャアに対して「君は(僕の部下ではなく)ドズル兄さんの直属だから」と配慮していたりも)
やがてホワイトベースは、ジオンの勢力圏から脱するために太平洋を抜けるであろうことが発覚。
シャアの口車に乗せられたガルマは、ガンダムをガウで追跡するように誘導されるが、そこにシャアは陥穽を仕掛けていた。
ガンダムを追跡したガルマのガウは、待ち伏せていたガンキャノン、ガンタンク、そしてホワイトベースに背後を曝してしまった。
集中砲火を浴びたところにシャアからの裏切りを告げる通信が入り、「親友」の正体と、彼に嵌められたことに気付いたガルマは、
愛するイセリナを脳裏に浮かべつつも、「ジオン公国に栄光あれ!」と自らを鼓舞するように叫ぶと、
シャアの嘲笑が響く中、ガウを180度回転させてホワイトベースに特攻を掛けるも、間一髪で躱されて機体はそのまま爆散し、ガルマも戦死を遂げた。
◆死後
ガルマ戦死の報告を受けた公王デギンは「
使者の前で杖を落とす
」ほどのショックを受けた。
身内での静かな葬儀を望んだデギンだったが、ジオン公国軍の指導者である長兄
ギレンは国葬を主張。
キシリアの賛同もあり、戦意高揚のため大々的に利用されることになる。
謀殺したことは表に出なかったものの、シャアはガルマを守れなかった責任を問われる形で、ドズルから処刑を主張されるが、
最終的には予備役への編入となり、そこでキシリアに拾われることになった。
なお、キシリアはシャアの正体に気付いた際に、彼が弟を謀殺したことにも勘付いたと思われる(内心どう思っていたかは不明)。
また、ガルマの仇討ちのため、ドズル配下の
ランバ・ラル部隊がホワイトベース追撃の任を与えられることとなった他、
これと前後して、ダロタ中尉等ガルマの配下だった兵士たちがイセリナに扇動され、独自に仇討ちを実行に移したが、部隊は全滅し、扇動したイセリナも死亡した。
単なる「上官の彼女(それもアースノイド)」に過ぎないイセリナに従った兵士たちの行動は
「暴走」以外の何物でもなかったが、
それだけ兵士たちがガルマを慕っていたということでもある。
ちなみに、このエピソードは「クサすぎる」とスタッフたちに不評であったため、
劇場版及び
『THE ORIGIN』ではカットされているが、フラナガン・ブーン戦記ではブーンにトラウマを与えるシーンとして描かれた。
このことからも、ガルマは兵士達の統率は取れていた…というか、彼に従っていた兵はモラルが高かったことが窺え、
個人レベルにおいても民間人に危害を与えることは少なかったものだと思われる。
原作でも『THE ORIGIN』でも、ガルマは徹頭徹尾甘さが抜けない"坊や"として描かれ、後年には占領軍司令官としての有能な部分を再評価されたものの、
シャアやホワイトベース隊(=視聴者)視点からはさほど有能な軍人・重要キャラとして描かれることはなかった。
物語的にも敵キャラとしては決して大物ではなかったが、彼の死はあのシャアをして変心させ、
彼を失ったザビ家は勢力争いの内乱状態に陥り、また一方では地球連邦軍が反撃を決意する契機となるなど、
結果を見るならば、ガルマと彼の死は、物語において重要なキーパーソン、及び出来事であったと言える。
特にシャアは彼の死以降、ガルマほど距離感の近しい人物は確認されていない。
『THE ORIGIN』で描かれた士官学校時代でもガルマと一緒だった時の方が多いくらいであり、
シャアは自ら謀殺したものの、ガルマの死後はますます孤独な人生を歩むハメになったともいえるだろう。
また、ガルマの死に際してシャアが放った名台詞
「坊やだからさ」は、自分を信じすぎた結果目論見通り命を落としたガルマを揶揄する発言とされるのが一般的だが、
発言時の本人の雰囲気やその後の言動の変化などから、それとは真逆に「親友の命よりも
復讐を選んでしまったシャア自身の自嘲」だったのではないかという解釈も存在し、
後にキシリアを謀殺した際にも「姉上と仲良く暮らすがいい」と既に亡きガルマに対するようなモノローグを浮かべていることからも、
シャア自身、ガルマや彼を謀殺したことにずっと何かしらの後ろめたさを抱えていた可能性はある。
一方でその「姉上と仲良く~」は露骨にほくそ笑みながらの発言なので、単なる皮肉や嘲笑と見る向きもあるが。
いずれにしても自分で決行したこととはいえ、ガルマの
死がシャアに与えた影響が大きかったことは間違いない。
+
|
与太話的なその後 |
- 安永航一郎の短編漫画『ロボゾック』では、イセリナにより密かに回収されて脳だけの状態でかろうじて生き延びていたものの、
イセリナの戦死で蘇生計画が中断され、巡り巡って新型モビルスーツの中枢システムとして流用される。 そしてシャアと再会したことで意識が覚醒し復讐を果たそうとするという展開が描かれるが、 よもや数十年後に似たような扱いをされる人が後続作品に出てくるなど、当時は誰も予想しなかっただろう。
- 長谷川裕一の『機動戦士クロスボーン・ガンダム 猿の衛星』では、「さるジオンのやんごとなき高官」が進めていたという、
「類人猿をモビルスーツパイロットとして養成する計画」を聞いた際、皆でガルマを連想していた。 この時点でガルマの死から半世紀が過ぎているのだが、未だにそんな扱いだったのである。
- 長谷川裕一『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』では「ガルマ・ザビ3世」を名乗る老人がズムシティを支配している。もちろん全く無関係な赤の他人。
他にもサイド3にはジオンの後継者を名乗る輩が3団体ほどいるらしい。
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【ゲームその他の作品】
ゲーム「ギレンの野望・ジオンの系譜」では、本作の目玉として、ガルマが
一年戦争を生き延びた場合のIF展開やシナリオが収録されている。
ジオン公国の罪を自覚し、その罪を償う為に戦うという設定である。ガルマ派とドズル派を傘下に収めて新生ジオンを立ち上げる。
また、愛するイセリナや号泣するドズルが見守る中、髪を束ねたガルマが演説をするアニメシーンも存在する。
ガルマが死なずにジオン公国を引き継いでいれば、ジオン公国は変わっていたかもしれない……
もっとも、系譜でのエンディングではあまり明るい展望が無い感じにされてしまったが…。
続編の「ジオン独立戦争記」で、オリジナルモードでガルマを総大将にすると明るい未来を予期する物になった。
ギレンシリーズでは、作品や場面によってはキシリアから期待されているとも軽視されているとも取れる描写があるが、
基本的には可愛がられている様子。
国葬のシーンについては丸々リメイクされた(PS2版ガンダムでも別のリメイクシーンがある)。
ワンダースワンカラーのゲームソフト「ギレンの野望 蒼き星の覇者」ではマ・クベと共に主人公に抜擢。ガルマ専用
ゲルググも用意された。
このゲームでは選択や行動、会議での結果次第で、ガルマがボンクラにも名君にもなれるので、ガルマ好きはスワン本体とソフトを
がんばって手に入れるだけの価値が有る。
ただ、マイナーすぎるせいか、
フラグを完璧に網羅した攻略サイトがないので
攻略本も買おう。
上記のようにギレン等のゲームでは目立つが、物語の序盤に退場した事もあり、一年戦争だけを取り扱ったゲームでも無いと、割と出番が無い。
それが顕著なのが
スーパーロボット大戦シリーズ。
『第3次』で初登場。アニメで印象的だったドップやガウに乗らないが、専用カラーの
ザクⅡやケンプファーに乗る。
ルートによっては特攻イベントも再現してあったりと比較的優遇されていた。
PS版に至ってはボイス付きで特攻してくれる。
『
第2次』では登場してなかったがリメイク版『第2次G』では出番が追加された。なぜかザクⅢに乗ってくる。
ここまでがスパロボにおけるガルマのヤマ。
今までの戦いで倒されたように見えて実は生きていたキャラも多い旧シリーズの最終作『
第4次』では『第3次』の戦いで死亡したようで未登場。
ザビ家の人間が生きていた
と思わせて実はクローン技術によって蘇生させられていた『
F完結編』でも兄弟の中で唯一未登場。
『
α』に至ってはザビ家で唯一既に戦死している設定のため全く登場しない。
『
GC』では久々に登場し原作のイベントをしっかり再現されたが、
登場した次の回で特攻する。
『
スパロボOE』ではなんとシャアが
復讐に移らなかったため珍しく退場せず終始仲良しのままで終わる。
クワトロ姿の
サングラスを褒める場面まであったり。
そしてシャアもガルマを
「私にはもったいないくらいの素晴らしい友人」と復讐のためにガルマに近づいた事を恥じ、彼を殺さずに済んだ事に安堵していた。
ギレンが戦争強硬派、キシリアが時勢を見て主人公の組織に陰ながら協力する立場となっている為、
シャアもクワトロとの二足の草鞋で行動しており、シャア自身序盤の内に時勢を見て復讐を自重したため、シャアの確執部分が薄いのも一因か。
出番がそう多いわけではないが
スパロボ補正で生き残った珍しい作品…なのだが、残念ながらDL専売かつ配信終了している為、新規にOEをプレイすることは出来なくなっている。
ガルマ…('A`)
ゲーム『ヒーロー戦記 プロジェクト オリュンポス』ではストーリー序盤で、ダカール市の南の森の洞窟の奥にシャアと共におり、出会った主人公達に襲い掛かってくる。
2人ともザクを使用しており、「シャアザク」と「ガルマザク」の2体とのボス戦になる。
だが実は、彼らもこの時の主人公達同様、ダカール解放戦線のテロリスト達と戦っており、主人公達をテロリストと間違えていただけで、
数ターン後に誤解が解けると戦闘も終了し、和解して去って行く。
ちなみにこの時のガルマは気取った態度でザビ家のプリンスを自称して、光太郎に「このパープリンスが」と思われていた。
その後は、ストーリー後半でザビ市の酒場に再びシャアと共にいる。ここでは最低2度会う事になり、
1度目では「もうじきジオンとアクシズの戦争が始まる、僕の活躍を見ていきたまえ」という話をするだけ。
ちなみにシャアは、アバオアクー市へのルートを封鎖されて困っている主人公達にヒントをくれる。
2度目では、エゥーゴ国でクーデターを起こしたティターンズに対処するためにソロモン市に極秘で潜入する方法を知りたがる主人公達に対し、
「今は友好的でもいつエゥーゴと敵対するか分からず、その時に秘密を知られていては都合が悪い」と断ってくる。
そしてシャアはガルマの態度に「あのお坊っちゃんはどうしようもない」と呆れつつ、自分は立場上教えられないからと、方法を知っている人を探すヒントをくれる。
それ以降は主人公達が出会う事は無く、単独行動中のアムロが、ジオン滅亡後に各地を転々としていたシャアにシャングリラ市で出会った際に、ガルマの死を聞かされる。
シャア曰く「最期までお坊っちゃんだった」との事。シャアに謀られたかどうかは不明。
『
SDガンダム外伝 円卓の騎士編』の『ヴァトラスの剣』ではザビロニア帝国から任命されたラナール地方の領主ガルマとして登場。
自身では領主のつもりでおり、悪事に走りがちで妻イセリナに心配されていたが、実際は帝国に利用されているに過ぎず、ラナール地方の実質的な支配者は魔剣士ザクロードだった。
漫画版ではベルファスト村の兵士に捕らえられ、FC版ゲームでは更生し、SFC版では逃走して行方不明になる。
「
トニーたけざきのガンダム漫画」では家族から非常に溺愛されている。
「可愛いな…」
「ああ…」
シャアからも大事にされているのだが、世間知らずっぷりを陰で笑われているような一面も。
【機動戦士GUNDAM GQuuuuuuX】
「もしもガンダムにシャアが乗り込み、ジオンの事実上の勝利で一年戦争が終了していたら」というパラレルワールドを描く本作では、
ガルマはシャアに謀殺されることも、他の要因で死亡することもなく、一年戦争を生き延びたことが明かされている。
しかし、どうやら「一身上の都合」で既に軍を退役しているらしく、シャアが名前を言及するくらいで、本人は本編に登場しない。
これによってシャアが左遷されることもなくなったようだが、それはそれとしてキシリアの元に異動はさせられている。退役に伴い指揮系統の再編でもあったのだろうか?
しかし親友を手にかけて止まれなくなった正史のシャアを考えればこれで良かったのかもしれない。
一方で、左遷が無くなったことで、正史では起こった
シャアとある人物が出逢う機会がなくなるという事態にもなっており、
彼女は「夢」という形で見ている「自分を迎えに来てくれたはずの赤い軍服の将校」を、娼館で5年も待ち続けることになっていた。
なお、10話にてデギンの逝去が判明するなど、ザビ家関連は大きく話が動いたが、相変わらずガルマの出番はなく、
結局は最後まで彼が『GQuuuuuuX』本編に顔を出すことはなかった。ただ兄や姉の顛末を見ると「出番がある=死亡フラグが立つ」なので、出なかった方が良かったかもしれない
ちなみに、初期プロットではキシリアに婚約者を親族諸共殺された挙句、ジオン本国に強制送還されるという、彼にとって正史以上に辛い展開が想定されていた。
また、物語終盤にはキシリアがイオマグヌッソを地球に向けて撃つ=地球人類を殲滅することを目的の一つとしていたため、
これが実行されていれば、ガルマは他ならぬ姉の指図で地球ごと殺されるという恐ろしい結末を迎えていたかもしれない。
【余談】
『機動戦士ガンダム』でガルマを演じた森氏は、『
機動戦士ガンダムUC』にてオードリー(ミネバ)がふらりと立ち寄った店の老主人役を演じている。
役名の通り、言ってみればこの話限りのモブキャラクターなのだが、それでもミネバとの会話の中で、
シャアについて「
本当は、人間を好きになったことがない男だったんじゃないかな……」と
シリーズで誰よりも彼の本質を見抜いて鋭く指摘した人物であり、
視聴者からは「
さすが謀られた人は人生経験が違う」などとネタにされることも。
『THE ORIGIN』でガルマを演じた
柿原徹也氏も
シャアの再来との関係がある
男を演じており、狙ったキャスティングだと思われる。
ちなみに、ガルマは『機動戦士ガンダム』に登場するザビ家4兄弟の中では一番下の末っ子であるが、
演じた森氏はザビ家4兄弟を演じた声優陣の中では一番年上だったりする。
追及・修正お願いします
最終更新:2025年07月07日 19:30