登録日:2020/05/27 Wed 21:26:23
更新日:2024/12/07 Sat 23:38:06
所要時間:これから約 10 分間、あなたの目はあなたの身体を離れ、この不思議な時間の中に入って行くのです
ここは、東京都と大阪を結ぶ弾丸道路のトンネル工事現場です。
中ではたくさんの人が、一刻も早くトンネルを完成させようと働いています。
今夜はこのトンネルの奥で起こったある事件をお伝えします…
ゴメスとは、ウルトラシリーズに登場する怪獣である。
別名「古代怪獣」。
初登場は、1966年に放送開始した『
ウルトラQ』第1話「ゴメスを倒せ!」。
つまり、シリーズ50年以上の歴史の中で多数登場した
ウルトラ怪獣たちの名誉ある第一号なのである。
【概要】
見た目はどことなく爬虫類っぽいが、実は新生代第三紀ごろに生息していたとされる古代
哺乳類で学名はゴメテウス。
その鋭い牙が表す通り完全な肉食性で、設定上は
人間も喰らう。特に牛を好むようで、30頭くらいならペロリと丸呑みにしてしまう。
頭部には前向きに曲がった角、発達した前肢には鋭い爪を持っている。地中を掘り進んで移動することもできるようだ。
「シトロネラアシッド」と呼ばれる特殊物質を
弱点としており、これを体内で生成し武器とする原始怪鳥・リトラは天敵と呼べる存在。
後年の怪獣達と違い、基本的に
火を吐くなどの類の技は持っていない、が……?(後述)
初代は怪獣の中では体長10メートルと比較的小柄なほうであったが、後に大型の個体も確認されており、そちらは専らゴメス(S)と呼称される(Sはスペシャルの意味)。
ちなみに、『ウルトラQ』で使用されたゴメスのスーツはあの
怪獣王・ゴジラの改造である。(『
モスラ対ゴジラ』に登場するものを使用)
故に
平成作品で登場してからは、これを由来とした
オマージュネタも多くなっていたりする。
更に言うと、どうやら元々はアザラシに似た四足歩行の怪獣として想定されていたらしく、『
妖星ゴラス』に登場するマグマを改造するつもりだったらしい。こちらの案は同じく『ウルトラQ』に登場した
トドラにて実現している。
なお、
エリマキ付けただけと評判の彼と比べて追加パーツ多めのデザインであり、ぱっと見ではそこまでゴジラっぽくは無い。
エリマキ付けただけの彼がオマージュネタをやるのは危険すぎる…というか、出番自体がなかなか回って来ないし。
【劇中での活躍】
ウルトラQ
身長:10m
体重:3万t太りすぎ…
出身地:東海地区 金峰山付近
東海弾丸道路・第三工区の地底にて眠っていたが、工事によって目を覚ました。
同じくして蘇った原始怪鳥・リトラと工事現場にて闘争する。
その体格差に物をいわせた
噛みつきや
尻尾攻撃でリトラを苦しめるが、右目を嘴で突かれてひるんでしまう。
そこにリトラが弱点のシトロネラアシッドを吐きつけたことで完全に絶命した。
しかし、シトロネラアシッドはリトラ自身の呼吸器をも溶かしてしまうため、リトラもまた力尽きたのであった。
漫画版
『ウルトラQ』放送当時に連載されたコミカライズでは、中城健と古城武司のバージョンに登場。
中城版では概ねTVシリーズ第1話に忠実なシナリオが描かれているが、古城版では映像作品とは展開が全く異なり、
リトラは全く登場せず、
WW2時の
日本における
戦時猛獣処分を下地にした動物園の老飼育員とゴメスの束の間の交流を描いた独自のシナリオ展開となっている。
ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY
身長:40m
体重:4万t
『Q』以来
実に42年ぶりの登場且つ、初のカラー作品への参戦を果たした作品。
本作では
ゴモラなどと戦うということもあって、初代の4倍にまで
巨大化を果たし、呼称も先述したように「ゴメス(S)」である。
また、以降の作品でも基本的にこちらの設定で登場するため、
「むしろ『Q』に登場したのが成長途上の個体だったのでは」という解釈も現れている。
本作では第1話、第2話に登場。
ガッツ星人(RB)によって操られ、
レイの操る
ゴモラの他に宿敵のリトラとも対決した。
ウルトラマンベリアルによって
怪獣墓場から
蘇り、ウルトラ戦士たちに襲い掛かる。
……が、最後はよりによって
復活させてもらったはずのベリアルの攻撃に巻き込まれる形で退場してしまう。
このほか、
ベリュドラを構成する怪獣の1体にもなっている。
本作でウルトラ戦士と初めての共演を果たしている。
なお、本作における地中から現れるという登場シーンは『モスラ対ゴジラ』におけるゴジラの初登場シーンをパロディしている。
また、ウルトラQのカラー版となる『総天然色 ウルトラQ』の発売に伴い、着ぐるみは『Q』当時の物により近づける形で改修されている。
第15話に登場。
市街地に出現し、その頑丈な体でXioの攻撃を歯牙にもかけず暴れまわる。
ウルトラマンエックスとの戦いでもその怪力で圧倒し、
「接近戦ではかなわない」とまでエックスたちに言わしめる。
一度は地中へと去っていったが、その後
ダークサンダーエナジーを浴びて強化された状態で再び姿を現す。
…なお、このエピソードが放映されたのは
11月3日。
監督の
田口清隆氏によればそれも含めて
「あの怪獣を意識しました」とのことである。
また、単独で登場したり市街地で暴れたのもこの話が初。
第10話に登場。
愛染マコトによってジャイロと怪獣クリスタルで召喚された。
ウルトラマンロッソ、
ブルと戦い善戦するが、最後はロッソウインド、ブルグランドによって倒される。
(第1話)
身長:18m
体重:3万5千t太りすぎ…
(第23話)
身長:50m
体重:4万2千t
(身長・体重いずれも公式サイトより)
第1話に登場。
突如
調布の市街地に出現し暴れ回るが、対怪獣特殊空挺機甲隊「
ストレイジ」の
ナカシマ ヨウコが操縦する特空機1号・
セブンガーと交戦。
主人公
ナツカワ ハルキが人気のない公園に誘導しようとするが、迷子になった
子犬に気を取られたことで失敗。ゴメスの視界に入ってしまう。
ハルキを救おうとセブンガーは
鉄拳を繰り出しゴメスをK.O.するが、勢い余って転倒してしまいビルを壊してしまう。
一応、ゴメスは倒せたもののストレイジは防衛予算を削られてしまうのだった……。
55mのセブンガーとの身長差に目が行きがちだが、体格は初代よりも大きめに設定されており、(S)でない個体が平成以降初めて登場したことになった。
第23話にも登場。
ウルトロイドゼロに搭載されたD4レイを排除しようと起動実験に合わせて目覚め、同時に目覚めたパゴス、先に目覚めて交戦していたデマーガと共にウルトロイドゼロを追い詰めるがD4レイを喰らいまとめて
消滅させられた。
ちなみにこの個体は50m級と、
これまでに登場した中で最も大型となっているが、(S)の呼称はされていない。なお本作ではパゴスも他の作品よりも大きめの身長・体重設定がなされている。
第17話に登場。
今回の個体は(S)の呼称が付いており、例によって40m級の体躯を誇るが、過去には別の出現例もあったらしく
「あんなに大きなゴメスは見たことがありません」という、歴代のサイズ差を知っているファンならニヤリとできるセリフも。
テラフェイザーの一件や、それ以前から宇宙人に
寛大な措置を取ってきたことからムラホシ隊長が内通者の疑いをかけられたために
GUTS-SELECTが出動できず、対怪獣災害モデル都市の迎撃設備もものともせず侵攻したが、
リュウモン隊員によりムラホシ隊長の潔白が証明されたことで出撃許可が降り、GUTS-SELECTおよびデッカーと戦闘を開始する。
デッカーが前話で負傷していた腕を攻めるなどしてフラッシュタイプのデッカーを苦戦させるが、
ムラホシ隊長の操る
ナースデッセイ号の援護により隙ができ、逃れたデッカーがダイナミックタイプにチェンジしたことで形勢逆転。
デッカーミラクルダイナミックで浮かされたところへネオマキシマナースキャノンを受けて爆散した。
ハンガーモードのネオマキシマナースキャノンに耐え切るなど、素の状態でのゴメスではトップクラスの強さともいえる。
序盤にて巨大不明生物(後の
禍威獣)第一号としてアバンのダイジェストで描かれている。
自衛隊の攻撃によって駆除されたものの、ゴメスの出現を皮切りに次々と禍威獣が日本中に現われるようになる。
CGモデルは
やはりというかなんというか『
シン・ゴジラ』のゴジラ(第4形態)にパーツを盛られたもので、
誰が呼んだか"シン・ゴメス"。
デザインワークスの庵野氏のインタビューでは「版権管理上明確に繋げることはできないが何となく
シン・ゴジラのようなことがあったかも」とのこと。
公開前は「『シン・ジラース』が出る」なんてファンからはネタにされていたが、
まさかゴメスの方が出るとは誰も予想していなかったようだ。まあパッと見のゴジラ要素はあっちの方が強いもんね…
第20話に登場。
今作での個体名は
ゴメス(SP)
。
デッカー以来のニュージェネ出演となったゴメス。
だが、今作のゴメスはというと、
「従来のゴメスより明らかにサイズが大きい」という事に加えて、「肉食の筈なのに山から下りず羅角山の山頂に居座っている」、「弱点の筈のシトロネラアシッドによる砲撃が一切効かない」、「本来のゴメスとは異なる鳴き声を放つ」、「飛行能力を持つ」、「ウルトラマンアークの攻撃が一切通用しないどころか、反射防壁を貼って飛び道具を跳ね返すほどの防御力」、「目と口から光線を放って攻撃する」…
と、言ったように、これまで登場したゴメスとは全く異なる特徴を持っている。
それもそのはず、
今作のゴメスは「
宇宙生命体スペッキオ
」という名前のガラスの様な物質で覆われた鉱物生命体が擬態した姿なのである。個体名に(SP)と付いていたのはこの事でもあったりする。
なお、スペッキオが地球に来た理由などは作中で分かっておらず、謎に包まれている。
余談
- 大伴昌司監修の書籍『ウルトラ怪獣入門』のコーナー「ウルトラ怪獣名勝負」ではツインテールと対決。果てしない戦いの末に、ツインテールの棘で付けられた傷から大量の血が流れ、倒れて敗北。やはり身長10メートルのゴメスと45メートルのツインテールでは体格差があり過ぎたか…
- 『ゴジラVSメカゴジラ』の終盤では、スーパーメカゴジラの攻撃によって第二の脳を破壊され立てなくなり瀕死の重傷を負ったゴジラが、ラドンから生命エネルギーを貰うことで第二の脳を再生・そして復活するシーンがあるが、倒れたゴジラの真上に被さるラドンという構図は1話ラストのゴメスの死骸の上に力尽きたリトラと全く同じである。
- あまり似ていないが『帰ってきたウルトラマン』のアーストロンはゴメスのリメイク的な怪獣で、一度作り直しになったNG版のスーツはもっとゴメスに似た造形(腹の凹凸など)だった。
- ゴジラを流用して哺乳類と言うのも大胆な改造だが、もじゃもじゃした体毛が生えているうえ、1954年版『ゴジラ』ではゴジラは「海生爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間の生物」とされていた(よく見ると耳たぶもあった)ので、比較的縁は近いかもしれない。また、1990年代に入ってからは、マニアの間でもゴジラは「単弓類」という哺乳類の祖先に近い生物だという説が語られている。
(ちなみにジラースは海生ではないがネス湖に住んでいた恐竜で、こちらも近縁と言えないこともない?)
- 『ウルトラマンZ』でゴメスが暴れていた場所はビックカメラ京王調布店の周辺。ビックカメラの店舗ロゴがバッチリ映っている。ちゃんと許可は取っていたのだが、逆にビックカメラ京王調布店が『ウルトラマンZ』の聖地としてウルトラ関係の玩具販売に力を入れ出す結果に至った。
しかし、『Z』1話放送当時にウルトラマンゼットの限定ソフビが発売されたの[ヤマダ電機だったりする。
その後、同店にはウルトラマンデッカーがダイナミック入店を果たすこととなっており、この時も公式Twitterでビックカメラの広報が反応している。
追記・修正はトンネルを抜けて怪獣に遭遇してからお願いします。
- 本当は10mしかないのは忘れられがち。というか10mで出てきたのって初代だけよね -- 名無しさん (2020-05-27 21:34:35)
- 平成の世に復活してからは所々、元になったゴジラを思わせる描写が増えたね。 -- 名無しさん (2020-05-27 22:27:25)
- ゴ雌 -- 名無しさん (2020-05-27 22:50:40)
- 確かに体毛はあるけど鱗が目立つ -- 名無しさん (2020-05-28 10:50:41)
- 復活版のスーツは大怪獣バトルのあと総天然色ウルトラQのための考証を反映した姿に改造されたからサーガ以降は体色や細部が違うんだっけ -- 名無しさん (2020-05-29 22:06:35)
- Zに出てきたゴメスは、Qの個体にサイズを合わせたんかな。おかげで、セブンガー(55m)と比べると大分かわいく見えたが(笑) -- 名無しさん (2020-06-20 09:55:13)
- ↑Qよりもちょっと大きい設定だけどね -- 名無しさん (2020-06-21 20:42:55)
- 小説のウルトラマンFだとゴメスをサイボーグ化したレプリカゴメスなんてのも出てくるみたいだけど、これもある種のゴジラネタだったりするのかな? -- 名無しさん (2020-06-27 13:03:07)
- Zで出たゴメスって存命なのか?あの描写だとセブンガーが撲殺して状況終了したようにしか見えなかったんだが -- 名無しさん (2020-06-27 14:48:08)
- >>復活版のスーツは大怪獣バトルのあと総天然色ウルトラQのための考証を反映した姿に改造されたからサーガ以降は体色や細部が違うんだっけ -- 名無しさん (2020-09-17 03:33:06)
- ウルトラ怪獣バトルブリーダーズではまさかのレジェンド枠。「始まりの巨人」が初代マンなら「始まりの怪獣」はこいつということか。 -- 名無しさん (2020-09-28 11:40:47)
- ゴジラ単弓類仮説を追記。 -- 名無しさん (2020-11-04 21:50:06)
- 初めて見たときは小ささに驚いた -- 名無しさん (2022-02-18 06:39:03)
- あからさまにシンゴジラなのだ! -- 名無しさん (2022-05-19 09:21:55)
- シン・ゴメス -- 名無しさん (2022-05-20 16:19:04)
- シン・ジラースだと思ったか?ゴメスだよ!! -- 名無しさん (2022-06-19 19:29:15)
- Xの個体はダークサンダーエナジーで強化された強さであって、素で1番強いのはデッカーの個体かな -- 名無しさん (2022-12-13 00:39:18)
- ゴメラ(昔のテレビくんにあった怪獣バラエティ特撮)ではなかったか… -- 名無しさん (2023-03-12 22:51:23)
- 地球人側の友だt…味方として戦う姿も見てみたい。ゴモラやタッコングみたいに -- 名無しさん (2023-03-17 19:54:20)
- ↑貴方のコメントを読んで、レイモンのリトラ&ゴモラと対になる形で、サーガに出た個体がグビラと共にウルトラマンゼロのカプセル怪獣になるかと期待していた当時の事を思い出した -- 名無しさん (2024-10-05 23:52:44)
- アークに出てきた個体がスペースゴメスとか言われててダメだった -- 名無しさん (2024-12-01 06:33:36)
- ↑あと、偽ゴジラに化けてた時の昭和メカゴジラっぽい演出もあったよね。 -- 名無しさん (2024-12-02 20:33:37)
最終更新:2024年12月07日 23:38