ネオサイタマ料理

登録日:2017/03/31 Fri 23:19:31
更新日:2025/03/28 Fri 00:50:20
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ネオサイタマ料理とは、日本の首都である世界有数のメガロ都市ネオサイタマ、及びその周辺で普及している料理体系である。
同じ日本料理から発展したキョート共和国(リパブリック)の料理とはかなり強い相関関係を持ち、また日本の首都であることから日本全国の食文化への影響も強い。

また鎖国以前に諸外国に日本企業が進出して日本文化が広まった名残で、大抵の国にはスシ・バーが存在する模様。

つまり『ニンジャスレイヤー』に登場する食事の項目である。


◆概要◆どんな料理なの?◆美味しさ◆

・主食はコメと魚、つまり「スシ」
・メジャーな調味料はローストした大豆から巨大な圧搾機によって絞り出す「ショーユ
・伝統的な朝食にはミソスープピクルス、そしてベジタブルスシとアジノリ
などといった奥ゆかしく伝統的日本料理を受け継ぐ部分が多い。
無論近代以降に受け入れられてきた欧米料理(ピザハンバーガー、ナチョスなど)
またそれらと日本料理との折衷料理(トーストにヒジキを乗せたヒジキトースト、パンにオニギリを挟んだオニギリ・サンドなど)も定着している。

一方で、Y2Kとその後の電子戦争の影響により、伝統的な日本料理から顕著に変化している部分も見られる。

「ほぼすべての素材が国産品」

電子戦争以降の日本は電子・物理の両面で鎖国状態にあったため、基本的に国外産の食料は入ってこなくなった。
このため、ネオサイタマで日常的に食べられている食材はほとんどが国産品である。

バイオ生物の多用」

海、川、雨水、大気、雲とあらゆる自然が重汚染化状態にある現代日本は、自然のままの生物にとっては非常に過酷な環境である。
このため商業ベースで生産されている食用動植物には、汚染環境に耐えられるように大規模な遺伝子改造を施した「バイオ生物」が多用されている。
ネオサイタマ西のタンボ平原で広く栽培されているバイオコメ・バイオネギなどは特に有名だ。

「ケミカル食品の多用」

貧富の差が激しく、食品会社のモラル後退も著しいネオサイタマでは、化学合成した代用食を使うことにほとんど抵抗がない。
特に低所得者に向けた食品ではこれが顕著で、トーフなどは大豆含有率1%未満などといったすさまじい代物が横行している。



◆品書◆代表的なネオサイタマ料理◆伝統◆


『スシ』

説明不要であろう日本の伝統的料理。炊いたコメを握り、魚介の切り身などを乗せたもの。
コメにはビネガーを混ぜるのが主流。
スシを主軸としたエピソードの記述から「ネオサイタマではビネガーを混ぜずそのままが主流」と解釈されていたが、原作者インタビューで否定された。
ネオサイタマでもあらゆる階層の人間に主食として食べられている。
スーパーやコンビニでは色とりどりのスシがつまったパックド・スシが売られ、
下層労働者は腹を満たすために無人スシ・バーに立ち寄り、
ちょっとした贅沢を楽しみたい人々は職人が営むモデストなスシ屋を訪れ、
カチグミ階級向けのパーティではマグロ・ショーが行われ超高級マグロ・スシで宴席が華やかに飾られる。

また、半神的存在であるニンジャにとっても「完全栄養食品」とされている。
単に食品と見ても非常に高効率なエネルギー源であり、またニンジャが持つニンジャ回復力を最大限に引き出すことができるのだ。
実際メタルギアシリーズのレーションめいている。
そのため長期戦に臨む時のニンジャにとっては必需品であり、かのニンジャスレイヤーも長きニンジャ同士の戦いではこのスシに何度も救われた。
逆に長期間水と食事を絶った上で磔にした者の前で、美味そうにスシを食うスシ・パーティを催し精神的に追い詰めるスシ・トーチャリングは、ニンジャにとっては発狂しかねない残虐無比な恐るべき拷問として知られる。


◆マグロ・スシ
我々が「寿司」と言われてまず思い浮かべるであろうあの赤い寿司……いや、スシ。
現代日本同様、人気で主役ではあるがそれほどの高級品というわけでもなく、(粉末成形マグロではあろうが)100円の安価なスシとしても提供されている。

トロ(トロマグロ)・スシ
ネオサイタマにおける「トロ」とは、厳密にマグロのトロのみを指す。やはりこちらもマグロ・スシ同様、我々にもおなじみの切り身のスシである。
中トロ・大トロの区別も無論ある。
ネオサイタマの食文化において最高級品として認められているのは勿論、ニンジャの栄養補給源としてもこれ以上のものはないとされている。
一般市民にはなかなか手が出せない超高級品ではあるが、巨大な権力を持つ暗黒ニンジャ組織は日常食レベルで消費している。
これと戦うニンジャスレイヤーやその仲間たちがそれらを奪って食べる描写も多い。

ネギトロ・スシ
ミンチ状にしたマグロを具にしたもの。グンカン・スシとしても巻き物としても食べられる。
ネオサイタマでもメジャーなメニューではあるが、それ故に「スプラッターな惨殺死体」の比喩表現として各メディアで用いられることが多い。
◆風評◆被害◆
またその性質上悪質な食品偽装も横行。
業界最大手のドンブリ・ポン社は、有毒成分を含むバイオ・マンボウを偽装してネギトロと称していたことがすっぱ抜かれ、イメージを地に落とした。
スシ以外にもネギトロ・パックなるものが売られているが、こちらはタンパク質を手早く補給するための某ゼリー飲料めいたなんか
主にスポーツや病院食等で活用される。
見た目だけで中身のない男性のことを「ネギトロ野郎」と呼ぶスラングがあるほど、ネオサイタマにおいてすら悪名高い食物である。

◆タマゴ・スシ
「マグ…タマゴだ」
こちらも我々の良く知るだし巻きめいたタマゴ。
最下級のスシとでも言うべき無人スシ・バーで出されるものでもきちんと海苔の細切りが巻かれており、奥ゆかしい日本の様式を受け継いでいる。
基本的に安価な食材ではあるが、化学合成の大量生産品ではなく鶏卵からきちんと作ろうとするとかなりの高級品になるようだ。

ハマチ・スシ
マグロにも劣らないレベルで好まれているスシ。
しかし2030年代初頭に、日本の食糧品シェアの87%を寡占していたヤンバナ・サシミP&D社が合成ハマチ粉末に関する食品偽装スキャンダル…
違法ブリ粉末や違法プロテインを混入していたこと、並びにそれを隠匿するため政治家に献金していたことの発覚により倒産。
ネオサイタマを含めた日本全国で、スシが食べられずに餓死した人が前年度の30000%を越えるという大惨事になってしまった。
パーセンテージがおかしいことには突っ込むな。多分餓死する位ならとやけになった民衆の性犯罪とか出生率のなんかが上回ったのだろう。

◆ベジタブル・スシ
野菜のスシ。伝統的に朝食などで軽めに食べられる。めはりずしめいたものなのかかっぱ巻きじみたものなのかは不明。

◆ナチョ・スシ
テックス・メックス料理の定番「ナチョス」を使ったスシ。納豆と語感が似ているが実際関係は無い。
ネオサイタマとメキシコは地理的にも文化的にもかなり身近な存在であり、メキシコ人やメキシコ料理店は市街地でもよく見られる。

◆バッテラ・スシ
これも我々の良く知るそれと同じ、押し型で固めたのスシである。
しかしネオサイタマにおけるバッテラ・スシは我々の一般認識におけるそれよりもやや普及率が高い。
普通の握りスシにも負けないほどに一般化している。
一部の武装霊柩車にはこれとマッチャを自動で供する機能もあるという。
これはおそらく、エコノミックな効率が何より神聖視されるネオサイタマにおいて、バッテラの輸送効率の良さが高く評価されているためと思われる。
(出荷時の状態から手を加える必要がなく、また通常の握りスシよりも振動に強いし、重量/体積効率も優れているなど)


◆トビッコ・スシ
トビウオやシシャモの卵をショーユに漬けたものを具にしたグンカン。
現実世界ではややマイナーなスシ・ネタだが、忍殺世界では非常に良く食されており、マグロ・サバに次ぐ高いカラテ回復力を持つ。
スシだけでなくトビッコ・ギムレットなどのカクテルに彩りとして添えられることもあり、それらはターコイズ色(青みががった緑)の光沢を放つ。
…なんらかのケミカル加工が施されているのか、甘海老の卵と混同されているのかは不明。

オハギ(オハギ・スシ)
アンコをまぶした甘いスシ。
しかしネオサイタマでは違法な甘味成分を含むアンコを用いたイリーガルなオハギが氾濫。あらゆる階層の人間を重篤なアンコ中毒に陥らせている。
違法オハギはアンコの違法甘味成分で酩酊感や多幸感を得られるが、常用すると血中にアンコ成分が溶け出し始める。
やがては定期的にアンコを摂取せねば危険な禁断症状が起きるようになってしまうのだ。
無論こういった違法アンコを用いない普通のオハギもある…
のだが、非合法ドラッグが氾濫しているネオサイタマでは最早そちらのオハギの方が「合法オハギ」と呼ばれて区別されている始末。

サーモン・スシ
4部以降、ネオサイタマでも見られるようになってきた比較的新しいスシ。
バイオ笹の葉のパックに包まれるなどの形で売られており、スシとしては割と安価な模様。
北米ではむしろマグロ・スシよりもメジャーであるらしく、イクラ・スシと共に頻繁に登場する。

他にもイクラ、シロミ、イカ、バイオウニ、アボカド、オキアミ、サバ、バッファロー、タラバーカニ、バイオアナゴ、ガンモ、カリフォルニア・ロール
などは比較的メジャーなスシ・ネタ。
更には地の文に「グンカン」「成形モノ」とだけ書かれた正体不明のスシ(現実の回転スシで流れているテンプラやハンバーグに近いなんかだろうか)、
果ては異国のピーマン・スシなどが存在する。スシの世界は奥深い。

※無人スシ・バー
ネオサイタマでは一般的なスシの供給形態。
席が一蘭めいて一人分に仕切られていて、壁のスリットに硬貨を入れ口頭で注文することで壁が開いてスシが登場する。
社会に疲れ切ったマケグミ労働者にとっては、誰とも会話することなく壁とスシだけに向き合って静かに食事ができるこの形態が丁度いいとのこと。
逆に人の温もりに飢えている老人達は、かろうじて人の手が加わっている「回転スシ・バー」を好むらしい。
壁の向こうで何が行われているかはあまり知りたくないところである。


ドンブリ

炊いたコメに何らかの具を乗せたもの。
スシ同様、日本人にとって説明は不要であろう。
ネオサイタマでもスシに次ぐレベルでポピュラーな食事だが、スシに比べるとややお手軽さ、ファストフード的側面が強い。

◆マグロ・ドンブリ
「本当はスシが食いたい。マグロやタマゴやイカを思う存分食って栄養をつけたい。だが、彼の工場の給料は下がる一方だ。」
具は粉末成形マグロ。
マグロ・スシに比べ下層階級が腹を満たすためのファストフードといった趣が強い。
前述したドンプリ・ポン社のマグロ・ドンブリなどは、熱すると異臭を放つ七色の粉末成形マグロを具に使っている。
その異臭をごまかすために大量のショーユとワサビをトッピングして食べるのが一般的という実際恐ろしい代物。

◆イクラ・ドンブリ
「ミャオーウー」
具は味付け合成イクラ。魚介由来タンパクと粗悪な合成DHA、ショーユなどから作られている。
品質はまさしくネオサイタマ水準と言わざるをえないが、マグロ・ドンブリと同じく実際安く、実際早い。
調理過程も著しく自動化・効率化されている。
例えば典型的イクラ・ドンブリチェーン店「半手動イクラ」では、店員から渡されたライスにマネキネコ型機械から自動イクラをかけて完成となる。

◆ポークカツレツ・ライスボウル
要するにカツ丼
ネオサイタマを含む日本警察において「取り調べの最中に容疑者にカツレツ・ライスボウルが出される」ということは、
「自白=罪の減免を認める最後通牒」を示す暗黙の不文律となっているらしい。

◆ミート・ポン/ネギトロ・ポン/パワー・ポン
作中最大のファストフード店にして暗黒メガコーポの一角、ドンブリ・ポンのメニュー。
ミート・ポンはミステリーミート(牛コマ肉)を質の悪い合成ショーユで甘辛く煮たもの。牛丼めいたものである。
ネギトロ・ポンは合成ネギトロ・パックと合成イクラを混ぜたものに「オキアミ・バー」を添えたもの。
オーダーすればオキアミ・バーを多くしてもらうこともできるが、4つ入れようとすると「2つで充分ですよ!」とあしらわれる。
パワー・ポンはなんかよく分からない物体で、ニンニクと銀杏とカフェインと糖質が大量に含まれたすた丼めいたもの。
ミート・ポンとネギトロ・ポンをハーフ&ハーフに盛った「ミックス・ポン」も注文できる。


『オニギリ・サンド』

成型したオニギリに具を挟んだライスバーガーめいたなんか…ではなく、バンズに具入りのオニギリを挟んだファストフード。炭水化物重点。
普通に肉やワサビを挟んだハンバーガー同様、ネオサイタマのファストフードの典型例的と言える。
本編で描かれたオニギリの具はテンプラ


ソバ

「おちおち食事もできんなこの街は」
ネオサイタマ料理でも大きな地位を占めているヌードル。
しかし高級料理としての側面はあまり目立たず、主に中~下層階級向けの食事として見られている。
日本の伝統に従い、ズルズル音を立てて食べるのがマナーとされている。

◆スシ・ソバ
「勢いよくソバを啜り込む。トッピングとして乗っているスシは、マグロとイカ。スタンダードなものだ。硬く握られたシャリは、魚介ウマミの効いた温かいスープに徐々にほぐれ、見事な味のグラデーションを作り出す。」
屋台の定番料理。スシ+ソバのセットではない。スシがトッピングされたソバである。
トッピングするスシ・ネタは選択可能で、ソバ一杯に対し二貫盛りがスタンダードな模様。
三貫以上盛るよう注文すると、やっぱり「2つで充分ですよ!」とあしらわれる。
忍殺飯の中でも再現が簡便ということもあり、実際に作ってみるヘッズも。
試食してみると「コメとソバのスープの相性は意外と悪くなく、うまい」のだとか。
なので、年末企画のTLではヘッズが好みに合わせて思い思いに作った年越しスシ・ソバが大量に投稿されるのが毎年の風物詩となっている。
ちなみに現実ではかのスティーブ・ジョブズがスシ・ソバならぬ「サシミ・ソバ」を愛好していたとか*1

ペペロンチーノソバ
オリーブオイル・バイオトウガラシ・(多分バイオ)ニンニクを使ったソバ。


『流しソーメン

ソーメンはソバ同様のメジャーなヌードルで、屋台なども存在している。
しかしソバと違って高級料理としても認識されており、キョート共和国では「高級流しソーメン料亭」なども存在している。
料亭における高級流しソーメンは、ドーナツ型のカウンターテーブルに設けられた溝の中を、ソーメンと金魚が流れているというもの。
ちなみに金魚は彩りのためであり、生食用ではない。実際にニンジャが食べた際は、地の文で「蛮行」と書かれた。


ウドン

小麦粉で作られる白く太めのヌードル。
ソバの登場機会が多いがたびたび形容詞でウドンが使われるようにこちらも料理として普通に存在するらしい。
ヘッズからザ・ヴァーティゴ=サンへの質問コーナーにおいて話題になった際、話の流れでザ・ヴァーティゴ=サンがウドン屋台を経営するという珍事が発生。
そのまま一つのエピソードが即興で作られてしまったことがある。


ラーメン

同じく小麦粉で作られるヌードル。
テリヤキ・ラーメンという現代日本ではあまり耳にしないものが初登場だが、第3部以降は一般的なラーメンもちらほら登場している。


『モージョー・ガレット』

小麦粉と化学合成タンパク質(モージョー・エキス)を水で溶いたペーストを、半生状態に焼いたもの。
つまり、我々の認識で言う「もんじゃ焼き」である。
イカなどの具が入る場合もあるが、具が入っていない安価なプレーン・モージョーは下層市民にとって重要な栄養源である。
ちゃんとヘラですくって食べる。


『チャワン蒸し』

恐らく本質としては茶碗蒸しと同じと思われるが、囲炉裏にかけた鉄の椀で作り、お皿によそって食べるのが通常らしい。バケツプリンかな?
また旅客機の機内食としても採用されており、円筒状の紙パックに入った状態で供される。


モチ

ネオサイタマではモチが日常食として普及しており、フライド・モチやオーゾニは家庭でも屋台などでも一般的な食べ物である。
また一方で儀式的な神聖みを帯びた食材という認識も残っており、正月にはダブル・オモチがマンデリンと共に神棚に捧げられる。
ヤクザ天狗によると
「オモチを口に咥えてセンベイを額に当てると、邪悪なニンジャソウルの影響が黒い染みとなってオモチに移りニンジャの悪夢が浄化される」らしい。
実行させられたヤマヒロ=サンは当然そんな効果はなかったが逆らえば何されるか分かったもんじゃない狂人相手なので効果があったと嘘をついた。

オーゾニ
モチとネリモノ(練り物)などを汁に入れた料理。
正月にしか食べないというわけではなく、手軽に作れる家庭料理としては勿論、屋台やカフェでの軽食としても提供されている。
アメリカでは「風邪をひいた時にはグランマのチキンスープ」というのが定番。
同様にネオサイタマでもバイオチキンとセロリを用いたオーゾニを風邪の時に食べる習慣がある。


『イカ』

ネオサイタマの魚介食品において大きな位置を占めるのがバイオイカであり、スシ・ネタになったりジャーキーになったりと用途も豊富。
ちなみに、古事記には「イカは仲間に囲んで棒で叩かれたせいで全身の骨を失った」という寓話が記されている。サツバツ!

◆イカケバブ
もっとも有名なイカ料理で、その姿もズバリイカのケバブ(トルコ料理の串焼き)そのもの。
貧民層にとってはイカ料理の中でも一際身近な料理である。

◆イカジャーキー
イカの燻製。
恐らく現実世界で言うアタリメ(スルメ)にあたると思われるが、そのものZBRなネーミングのおやつがドン○に売っていたりするので実態があやふや。
ザシキ・ダンジョンのバイオイカジャーキー作業場にて、囚人達が「アップ……ダウーン」の合図でひたすらイカを裏返し続けるという奴隷的労働により製造されている。
作業場はむせ返る熱気とバイオイカが焼ける臭気でジゴクめいた環境なのだという。
囚人の汗や血が混ざり合って異臭になっているのか、ジャーキー用のバイオイカが特別安物なのかは知らない。

◆活きの良い大型イカ
「グッドクッキング、良い匂いですね。」
カチグミ・サラリマンがヨロシサンの育成プラントから脱走し野生化したバイオスモトリ狩り(!)を楽しむ秘密遊戯施設「キルゾーン・スモトリ」において
バイオスモトリを誘き寄せるアイテムとして設置されたイカ。
小型バイクほどの大きさがある。
火炎放射器で炙ることで体を丸め、ハンターから逃げ隠れている野生バイオスモトリが本能的に逆らえない「香ばしい匂い」を放つ。
ジャーキー用よりも質がいいということか。


トーフ

大豆を原料とするという点は日本の伝統料理であるソレと同様だが、そこはマッポー都市ネオサイタマ。
先にも触れたが、大豆含有率1%未満と言う最早トーフとも呼べぬ名状しがたい何かが、下層市民向けの「化学トーフ」として流通している。
その製造工程もまさしくマッポー的。
トーフ製造工場では「未精練トーフエキス」「トーフプレス機」「トーフ着色エリア」「中枢ジェネレータ(当然攻撃されたら爆発する)」
など、食欲が失せること請け合いの壮絶なパワーワードが頻出する。
そして製造工程では有毒ガスもばっちり排出し、周辺の環境を汚染している
そしてネオサイタマのお約束として、「麻薬的な美味さ」を持つカチグミ向けの大豆100%高級オーガニック・トーフも流通している。

◆激安4連トーフ「カルテット」
サカイエサン・トーフ社が販売している下層市民向け激安トーフ。ウェブ版では4個パックで10円というマッポーそのものの価格で販売されている。
このありえない価格がネオサイタマの荒廃ぶりを表しているのかと思いきや単なるボンモーの設定ミスだったらしい。
物理書籍では4個パック100円と、我々がスーパーで買う格安トーフと変わらない値段に改訂された。
申し訳程度にしか大豆を含んでおらず、その味は「鉄錆よりも味気ない」と称されるほどひどい代物。
だがそれでもこのトーフで命を繋いでいる貧民は数多い。

◆オカラ
安価なオカラを使ったスシは、キョート共和国における刑務所の食事として有名。
囚人曰くその味は「飼料」だが、栄養価が無駄に高いため囚人は肥え太らされていく。


テンプラ

油の入ったカーボン土鍋や鉄鍋で素材を揚げる料理で、我々の良く知る天ぷらと同じものと見て間違いなかろう。
かつてマルノウチ抗争に巻き込まれ痛ましい閉店を迎えたセルフテンプラレストラン「ダイコクチョ」はつとに有名。
他にもオニギリ・サンドの具や、ニンジャの修行に使われたりもする。


『そでん』

だし汁で様々な具を煮込んだ料理。「S」がどこから来たのかはわからないが、どうやら我々の知る「おでん」と同じもののようだ。
屋台でサケと一緒に供されることが多く、そでん屋台に酔っ払いが集まるのはネオサイタマのチャメシ・インシデントである。


ニョタイモリ

詳細を語られることがはばかられる淫靡な料理。青少年のなんかが危ない。
我々の感覚からすると特殊なポルノに分類されるが、ネオサイタマではかなり一般的な形式。
多少なりイリーガルな場ではしばしば提供されている。
女体盛りをもっぱらとするニョタイモリ職人まで存在するほどだ。
人権という概念が形骸化しているネオサイタマなので、一部には女性の自我を破壊したり、肉体的な改造も施したりして体温を下げる施術を実施。
「ニョタイモリ器」と称して使うという非道極まりない事例も報告されている。
ちなみに、男体盛りもある。


『オカキ』

乾燥させたモチを焼くor揚げて作った日本の伝統的米菓。
ネオサイタマではポテトチップスのように手軽なジャンクフード、またお茶請けとして非常に普及している。

◆カキノタネ
柿の種にも似た小さなオカキで、バイオトウガラシによって辛味をつけたもの。
我々の知る「柿の種」と実際似ている。
が、ネオサイタマでは辛さを追及する傾向がエスカレートし、ついにはショック死する人間まで出るほどの辛さに到達してしまった。
現在では一応こういった違法カキノタネは法律によって規制されているが、その強い覚醒効果を好む者は多く、実際には闇市場で普通に流通している。


『チャンコ』

忍殺世界の相撲取り「スモトリ」が食する神聖な鍋料理。
新鮮な食材で作られ、豊富なタンパク質を含んでおり、我々の知るちゃんこ鍋と変わらないものであると考えられる。
……が、忍殺世界では肉体の強化と肥大化を得る代償に知性減退などを伴う遺伝子異常を誘発する深刻なリスクを持つドーピング薬「チャンコ072」の方が一般化している節がある。
なお現実世界では鍋以外にもスモトリが作る料理ならなんでも「ちゃんこ」と呼ぶ風習があるが、忍殺世界ではそれらは「オスモウ惣菜」と呼ぶ。


カレーライス

ここまで想像を絶するネオサイタマグルメしんじつを目の当たりにした諸兄は戦々恐々としているだろう。
日本のソウルフードの一つたるカレーライスにはどんな恐ろしい事実が……と思うかもしれない。
が、現在のところニンジャスレイヤーに登場したカレーライスは、我々も知るごく普通の一般的なカレーライスである模様。
具体的に詳細が語られたカレーライスの場合、具材はほぐれたバイオチキンにコメ、赤いツケモノ(=福神漬)である。
第3部『モータードリヴン・ブルース』での印象的な登場は読者の涙と食欲をそそった。

『肉まん』

同世界観作品『スズメバチの黄色』に登場。
ジャンクフードの一つのようで、主人公の一人火蜂がもう一人の主人公ラオモト・チバに合成マンゴージュースや路上合成イクラスシと共に空中屋台から買っておごった。
何肉か等中身自体は不明で「熱い内に食ったほうがいい」代物だが、権力者として豪勢な食事に慣れていたチバも「(カラフルオブラート入りで粉っぽい合成スシに比べて)まだ食えるほうだ」とジュースと一緒に食べていた。
なお同作での火蜂の発言から、ネオサイタマには他にチャーハンもあると明かされている。(一応前から「フライドライス」という名称でそれらしきものは出ていた)



【飲み物】

チャ

日本人の心の燃料、緑茶。
ネオサイタマでもメジャーな飲み物ではあるが、例によって低所得者層向けの商品はお茶と呼んでいいのか怪しいような代物である。

◆ギョクロ・ハイゴウ
キョート共和国で生産される最高級茶葉。末端価格はもはや食品の値段ではない。
翡翠のごとき美しい色彩、そして強い覚醒効果を持ち、ただチャとして飲まれるだけではなくパイプに詰めて大麻などとともに吸引されることもある。

◆コブチャ
昆布茶。ネオサイタマではチャとならんで愛飲されており、会社のオフィスなどにもコブチャ・サーバーが普通にある。
屋台やカフェなどでもしばしば提供され、「コブチャ・ラテ」のようなバリエーションも豊富。

◆チャプチーノ
クリームがあるようなので名前通りチャで作ったカプチーノと思われる。カフェで出てくる。
緑茶のカプチーノ自体は実在するので、割とネオサイタマにおいては普通の飲食物と言えるかもしれない。


『アルコール』

たやすく手に入る合法・脱法ドラッグで溢れかえっているネオサイタマだが、憂さを晴らす手段としてはアルコールも決して負けてはいない。
しかしこれもネオサイタマにおける食文化の例にもれず、高級品と廉価品の格差は凄まじい。

◆サケ
所謂日本酒。ネオサイタマやキョート共和国を含む日本全土で最もポピュラーな酒であり、あらゆる階層の人々が所得に応じたサケを飲んでいる。
勿論屋台や料理屋ではホット・サケも注文できるし、サラリマンなら宴席でのお酌も必須技能とされている。
その品質はキョート共和国でもレア度の高い「青い茄子」などの高級酒から、
ネオサイタマのうらぶれた自販機で売っている「悪い金塊」のような得体の知れない安アルコールまで、
千差万別である。

ビール
こちらもサケに負けていないネオサイタマの人気酒。
「ワースゴイ、ナンカスゴーイ、ケモビール、ダヨネー」のキャッチコピーで知られる「ケモビール」
ビタミン類と発光成分の添加で有名な「カガヤキ」などは特に有名だ。


『水』

環境汚染の深刻な忍殺世界において、綺麗な水は高級品としても扱われる。
劇中ではボトル詰め天然飲料水「枯山水」が有名だが、飲んでいるのは専らハッカーなどの裏稼業の人間ばかりである。





「追記:修正、やりてえな」アニヲタが、イカケバブを食いながら言った。

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最終更新:2025年03月28日 00:50

*1 現在もApple社の社食で提供されているらしい。