登録日:2019/08/17 Sat 23:51:04
更新日:2025/04/30 Wed 23:16:44
所要時間:約 14 分で読めます
謎の騎士 新登場!!
夢とスリルがいっぱいの
地底大冒険がはじまる!!
監督:芝山努
脚本:
藤子・F・不二雄(「藤子不二雄」名義)
主題歌:大山のぶ代・森の木児童合唱団「友達だから」
『ドラえもん のび太と竜の騎士』とは、『映画
ドラえもんシリーズ』の第8作目及び『大長編ドラえもんシリーズ』第8作目のタイトルである。
1987年3月14日公開で上映時間は90分。
同時上映は『
プロゴルファー猿 甲賀秘境!影の忍法ゴルファー参上!』と『オバケのQ太郎 進め!1/100大作戦』の2本。
ここでは原作漫画版を中心に解説する。
【概要】
大長編シリーズ2作目となる恐竜をテーマにした作品。
舞台を地底にする事で『
のび太の恐竜』との差別化がなされている。
本作には地底人として、恐竜人ディノサウロイドをモチーフとした人種が登場している。
地底国を舞台にした作品には本作以外に『異説クラブメンバーズバッジ』や『
のび太の地底国』があるが、
これらの国はのび太達が作ったのに対し、本作の地底国は元々地底にあった大空洞に恐竜人が築いた国家という設定になっている。
本作は「なにかかっこいいタイトルがいい」という理由で『のび太と竜の騎士』として連載が開始されたが、
連載中盤まで
竜の騎士が敵か味方か定めておらず、結末も決めていなかったという。
とはいえ、さすがに
前作と
前々作の失敗で懲りたのか、本作では全体的にインフレは抑え気味になっている。
彗星?あれは自然現象だし……
また、最終的に竜の騎士こと恐竜人は明確な敵ではなくなったので、本作は悪役が登場しない初の作品となった。あえて挙げるなら、ドラえもん達を食べようとしたナンジャ族あたりが悪役に該当するかもしれない。
書籍によっては彗星が悪役扱いになっている事も。
『
のび太の大魔境』の後日談でもあり、ドラえもんが「衛星写真でアフリカを調べたことがあったっけな」と当時を振り返る場面がある。
【あらすじ】
ある秋の日。
恐竜が今でも地球上のどこかで生きていると信じているのび太をスネ夫は正論で言いくるめ、ジャイアンと一緒にのび太を笑いものにする。
すぐにのび太は恐竜が生存している事を証明しようとするが、ドラえもんの道具であっさり否定され、つまんないと落胆した。
だがその直後、ラジコン飛行機を多奈川へ落としたスネ夫は、川から首長竜らしき
巨大生物が現れるのを目撃。
さらにその夜、庭で巨大生物が柿を食べている様子を目撃し、見間違いだと自分に言い聞かせノイローゼとなってしまった。
一方のび太はドラえもんの道具「どこでもホール」で0点の答案を隠す空洞を探すが、その過程で地底の大空洞を発見する。
その翌日、皆で大空洞を使おうという事となり、それぞれ秘密の遊び場作りに没頭した。
その時にスネ夫は大空洞の奥で恐竜の群れを目撃するが、皆に話しても信じてもらえなかった。
翌日。スネ夫は恐竜の正体を突き止めるために、ビデオカメラを持って大空洞の奥に進んでいく。
だがその先で、先日なくしたはずのラジコン飛行機が飛んでいるのを見つけ、驚いて走っているうちに迷子になってしまう。
その頃、どこでもホールが壊れてしまう事態が発生。
その後でスネ夫が大空洞に取り残されている事に気づいたドラえもん達は、多奈川の川底に大空洞への入り口がある事を調べ、
スネ夫を助けるためにその奥に進んでいった。
その先で見たものは、広大なジャングルの中で恐竜が闊歩しているという驚きの光景であった。
地底世界を調べていたドラえもん達は、途中でナンジャ族に捕まってしまう。
そのままナンジャ族の食料にされかけるが、恐竜に乗って現れた騎士によって助け出された。
バンホーと名乗った竜騎士はドラえもん達にスネ夫を保護していると言い、彼らを首都エンリルまで案内する。
その後ドラえもん達はエンリルでスネ夫と再会し、地上に帰る手続きが済むまでの間、地底世界を見物する事にした。
だが偶然の事故で謎の施設に迷い込んだのび太は、そこで恐竜人が何やら不穏な計画を立てているらしいことを知ってしまう。
それを知ったドラえもん達はすぐに逃走を図るが失敗。「大遠征」が終わるまで、施設で建造されていた巨大船の一室に閉じ込められる事となった。
後に巨大船はタイムマシンであった事が判明。
船が白亜紀に
タイムスリップした事に気づいたドラえもん達は、恐竜人の目的が歴史改変による恐竜の絶滅の阻止であり、
哺乳類の殲滅によってその目的を果たそうとしているのではないかという推測を立てる。。
何とか計画を阻止するため、ドラえもん達はひみつ道具で脱出して彼らと対立する事に決めるが…
【登場キャラクター】
【メインキャラクター】
ご存知22世紀のネコ型
ロボット。
のび太が0点の答案を隠そうとした時にどこでもホールを使う事を思いつく。
スネ夫が行方不明となった後、ビデオカメラの映像から多奈川に大空洞に繋がる入り口があると考え、のび太達と一緒にそこから大空洞へ突入した。
地底人にはロボットではなく変な生き物として認識される。
実は聖域を作った張本人。
ポップ地下室で津波を回避しようとした際、大きさを調節してる暇がなかったので、
北海道ほどの大きさがある地下室を作り出してしまう。
その後はそこに恐竜達を出来るだけ避難させるが、それによって祖先が救われたので祭司長から「神のお使いに違いない」と崇められる事となった。
ご存知怠け者のメガネ少年。
今でも恐竜が地球上のどこかで生きていると信じていたが、○×うらないで呆気なく否定されたので、今回はすんなり諦めた。
0点の答案が溜まっていたので、どこでもホールを使って隠し場所を確保。翌日には仲間達と一緒にそこに秘密の遊び場を作った。
謎の施設に迷い込んだ時に祭司長達の会話を聞き、彼らが地上世界を取り戻そうとしていると知り戦慄していた。
ご存知風呂好きヒロイン。
今回の出番は控えめ。
白亜紀に着いた際、段々と大きくなっていく彗星を誰よりも気にしていた。
ご存知頼りになるガキ大将。
毎日母ちゃんに「勉強しろ」「店番しろ」とうるさく言われているので相当参っているらしい。
恐竜人と対立する事になると、「やってやろうじゃん!!」と殺気に満ちた表情になっていた。
映画版では「ノイローゼ」を「ノゼローゼ」と間違えて連呼していた。また「センセーショナル」を「センセンセー」と間違える場面も。
ご存知イヤミなお坊ちゃまで、中盤までの主人公。
冒頭で恐竜の生存を否定するも、多奈川や自宅の庭で立て続けに恐竜らしき
巨大生物を目撃し、精神的に参ってしまう。
さらにその翌日、大空洞の奥で恐竜の大群を目撃し、錯乱状態でそれをドラえもん達に話すも誰にも信じてもらえなかった。
翌日はビデオカメラで証拠映像を撮ろうとするも、多奈川でなくしたはずのラジコン飛行機が飛んでいるのを見て、ビックリして逃げたせいで迷子になってしまう。
その後は地底湖に落下してしまうが、その場にいたバンホーに保護された。
エンリルでドラえもん達と涙の再会を果たすと、さりげなく「近いうちにロールスロイスを買う予定だから」と自慢する等、いつものスネ夫に戻っていた。
白亜紀に
タイムスリップすると、地底人達の目的が哺乳類絶滅と考える。
電話でスネ夫から相談を受ると、自室に置かれた固定電話にて、「考えすぎだよ」「怖い怖いと思っていると、干し物のシーツがお化けに見えるとか、よくある事だよ」等と言って彼を安心させていた。
映画版では姿を見せない。
最近のび太が0点の答案を見せないため、機嫌のいい日が続いている。だがその一方で、0点の答案を隠しているのではと疑っている。
のび太が嘘をついて遊びまわっている事に気づくと、説教した後で当分の間学校以外の外出禁止を命じた。
のび太のママの話からジャイアンが嘘をついて遊びに行った事を知り、「あのガキ!」と怒りに震えていた。
スネ夫がノイローゼ気味だと知ると、「もっと他の子みたいに無神経になったほうがいい」とパパに話しながらスネ夫を慰める。
その後でスネ夫から「のび太の家で2泊3日の勉強合宿をする」と聞き、少し心配したもののドラえもんが一緒との話を信じ、安心して送り出していた。
スネ夫がノイローゼ気味だと言い出すと、「男の子はもっとたくましくならないといかん」と叱る。
映画版には未登場。
答案を返す場面で少しだけ登場する。
映画版には未登場。
空き地でどこでもホールを見つけると転がして遊んでいたが、それが車に跳ね飛ばされて神成さんの家の窓に突っ込むと、見つかる前にすぐに逃げていた。
映画版では彼らとは別の子供達がどこでもホールで遊んでいた。
空き地でどこでもホールを見つけると、それをゴミと勘違いして
ゴミ捨て場に捨てに行く。
その後、飛んできたどこでもホールによって窓ガラスが割れると遂に激怒。
どこかから持ってきた大きなハンマーでどこでもホールを叩き潰した。
怒るのも無理ないが『大魔境』に続いて、ある種の戦犯と化してしまった。
映画版には未登場(これも『大魔境』と同様)。
【ゲストキャラクター】
CV:堀秀行
竜騎隊士の1人で原始動物保護区の監察官。職務中は兜を被っている事がほとんどである。
勇敢で心優しい好青年で、ドラえもん達にも友好的に接する。
大学で電子工学を学んでおり、初めて見たスネ夫のラジコン飛行機を辺境監視用ドローンに改造している。
戦闘力も高く、ナンジャ族に奇襲されても難なくかわし、あっという間に追い払っていた。
近々「大遠征」に参加するらしく、日々そのための演習に励んでいる。
地底湖に落ちたスネ夫を保護し、首都エンリルまで連れて行く。その後はナンジャ族に捕まっていたドラえもん達を助け、エンリルでスネ夫に会わせる事を約束し案内した。
脱走したドラえもん達を保護すると「信頼を裏切るのがどんなに大きな罪か分かっているのか」と怒りを露わにするが、
彼らの気持ちも理解していたので、軍団長に彼らの身柄を任せてもらうよう直訴していた。
その後でドラえもん達と対立する事になると、全力で彼らと戦う事に決めるが…
CV:神代智恵
バンホーの妹。
ドラえもん達にエンリルを案内する。
歴史博物館では、地底世界の事と6500万年前に発生した「大災害」について教えた。
ドラえもん達の話を聞き、地上世界に憧れるようになる。
映画版では、のび太がそのかわいさにメロメロになっており、静香がそんなのび太に少し怒っていた。なお、今時の創作と違い「恐竜人は女性だけ地上人にそっくり」なんて都合のいい設定はないため、ぶっちゃけクリーチャー顔である。可愛いといえば言えなくもないが…
CV:巖金四郎
恐竜人の長。
神に仕えている一番偉い人で、普段は法王庁にいる。
CV:
大塚周夫
法王に仕えており、「大遠征」計画の実行責任者。
哺乳類(人類)が支配している地上世界を恐竜人の手に取り戻す事を夢見ている。
CV:田中信夫
竜の騎士団の団長。
他の恐竜人と比べて地上人への警戒心が強い。
「大遠征」計画の指揮官であり、大災害の前夜には騎士団の前で演説を行っていた。
ドラえもん達が脱走すると、彼らが恐竜を絶滅させたのではないかと考える。
【用語】
地下100キロメートルほどの位置に存在する大地底空間で、バンホー達恐竜人が住んでいる。
恐竜人は大空洞の事を「大陸」と呼んでおり、地殻の中を次元転換船で行き来している。
ちなみに首都のエンリルはアメリカ大陸の地底に存在する。
地下空洞なので太陽は存在せず、本来は真っ暗なはずであるが、22世紀のバイオテクノロジーが生み出したはずの日光ゴケが岩脈に自生しており、
これが24時間ごとにしぼむ事によって昼夜が存在している。
だが季節が存在せず、雨や雪も降らない。
街の外れは原生林となっており、恐竜が昔のままの姿で生息している。
たまに恐竜が地上に迷い込む事もあるようで、バンホーはそれを防ぐための監視官の役職に就いている。
地上人が地底に迷い込んだ時には、徹底的に調査をした後で
記憶を消してから地上に戻すようにしている。
中世風の文化を持っているが科学力は地上世界より優れており、前述の次元転換船の他にも巨大なタイムマシンも完成させており、
リニアモーターカーも実用化されている。
地底なので大気を汚してしまう排気ガスを出すようなエンジンは使っておらず、街中ではオルニトミムスに乗るか竜が牽引する「竜車」が利用されている。
地底世界に住んでいる種族。
6500年前に大災害が発生した時、一部の恐竜が地下に逃げて難を逃れ、そこに住み着く。
その中のトゥロオドンは飛びぬけて大きな脳を持っていたので、それがやがて際立った進化を辿り恐竜人となった。
一部の未開の原住民を除いて、神への信仰心が強い者が多く、高い宗教性と道徳性・技術力を持った種族。
迷い込んだ地上人に対しても、それなりに警戒心は強いものの殺さずに記憶を消してから地上へを送り返すなど基本的には穏健である。
バンホーらも、地底世界の安全と秘密保全のための厳しい掟の存在を示唆しつつ、
ドラえもんらが危機に落ちれば見捨てずに助け、約束通り地上に送り届けてくれたりと、地上人に親身に接している。
原生林や渓谷等に住み着いている野蛮な部族。
頑固に文明を拒否しており、昔ながらの血なまぐさい恐竜狩りを今でも行っている。
姿が河童に似ており、映画版では地上に迷い出た個体が河童の正体だと推測されていた。
ドラえもん達を捕まえると食べようとするが、バンホーに阻止されていた。
バンホー達とは違った言語を使っているが、『
ギガゾンビの逆襲』ではカタカナだが普通に会話をしている。
恐竜人が大陸間を移動するのに利用している船。
これの発明によって未知の大陸が次々と発見され、恐竜人の社会は大きな発展を遂げる事となる。
現在は
タイムスリップが出来る次元転換船の開発が進行中。物語終盤で完成し、6500万年前の大災害の前日に
タイムスリップした。
地上の生物を殆ど根絶やしにした恐るべき災害の事。
自然現象説、宇宙からの侵略者説などがあるが、未だに何が原因だったかは分かっていない。
これがなければ現在は恐竜人が地上で栄えていたとされており、現在はそれを突き止めるための大計画が進行中らしい。
前述の
タイムスリップ可能な次元転換船が開発されたのは大災害の原因を突き止めるためで、「大遠征」の目的は恐竜の絶滅を阻止する事であった。
後に恐竜絶滅の原因は、巨大
彗星落下によるものと判明。
ドラえもんの説明でどうやっても抗えない運命だと知った恐竜人は悲嘆と共に涙した。
資料によっては、この巨大彗星をこの作品における悪役として紹介しているものもある。
ちなみに、スネ夫は恐竜人たちの目的を「哺乳類の絶滅による地上奪還」と推測していたが、
上記の通り恐竜人たちの目的はあくまで「大災害の原因を探り阻止すること」であったため、結果的にこの仮説は誤りだった。
そもそも恐竜が滅んだ原因は哺乳類のせいではないし、哺乳類が地上に栄えたのも「大災害から奇跡的に逃れられた」という偶然に過ぎない。
しずかも「そんなことをして本当に絶滅が防げるのか」と疑問に思っていた。
とはいえ、恐竜人からすれば「自分たちが手にするはずだった地上を我が物にしている存在」という認識は当然持っていただろう。
(捕縛したドラえもんたちの身柄を預かったバンホーに対し騎士団長が「彼らはある意味で我らの敵でもある」と発言していたことにもその点は表れている)
人類であるのび太らからすれば仮に恐竜人たちが災害を食い止めたとしたら、哺乳類の進化の道筋が絶たれ、人類が誕生しなくなってしまう。
こうした点から、どのみち対立は避けられないことではあった。
地底世界の片隅にある小さな空洞。
地質学者の測定によると大災害のあった時に突如出来た空間であり、
北海道ほどの大きさがある。
だがなぜか不自然に真四角の形になっており、なぜこのような形となったのかは現在も不明である。
大災害の際に一部の恐竜がここに逃げ込み、その後トゥロオドンが恐竜人へと進化していった。
後にこの聖域は、ドラえもんが津波の避難のために作った巨大な地下室と判明する。
【登場したひみつ道具】
どんな質問にも○か×かで答えてくれる。
結果は100パーセント信用出来、結果に文句を言うと×が怒って飛んでくる。
冒頭で「今現在、この地球上に恐竜は生き残っているか?」と質問した際には「×」と答え、のび太を落胆させた。
実際は「聖域」で多くが生き残っていたわけだが、
これはドラえもんが「地球上」と訊いたために、「地下」の恐竜が対象とされなかったため。
地面の中にひとりでに出来た空洞を探す道具。
空洞と繋がった後は、ダイヤルさえ覚えておけば取り除いても大丈夫で、部屋の中からでも空洞に行く事が出来る。
原作では窓を割られカンカンになった神成さんがハンマーで壊していたが、映画版ではおもちゃにしていた子供たちによって車道に飛び出した際にトラックにひき潰された。
太陽光線と全く同じ光を出す苔。吹き付けるとひとりでにどんどん増えていき、洞穴全体を照らすようになる。24時間周期でしぼんで光らなくなってはまた光りだすというサイクルを繰り返す。
22世紀の科学技術が生み出した植物だが、なぜか恐竜人の大空洞に自生していた。
地底大陸と恐竜人の成り立ちに纏わる密かな
伏線となっている。
コテとヘラを使うと岩が粘土細工のように柔らかくなり、好きな部屋を作れるようになる。
映画版で岩細工セットの代わりに登場。
小さな粒にお湯をかけると、数秒で部屋があっという間に完成する。
粒の色によって完成する部屋が違う。
壁にくっつけるだけで地下水脈を勝手に探して接続し水が出てくるようになる。天然のガスだまりに接続するガス管バージョンもある。
原作版に登場。
家を留守にしていたり、嘘をついて外出していた事がばれると、ブザーで知らせてくれるテレビ。
眠っている人を眠ったまま呼び出す風鈴。
深夜に使い、眠っていた静香とジャイアンを呼び寄せた。
連載版のみ登場。
単行本では水中酸素アメに変更されているが、ドラえもんの「テキオー灯のせいじゃないぞ」の台詞はそのまま残されている。
水を分解して酸素を取り出すあめ玉。
これを食べると水中でも空気中と同じように息ができるようになる。
小さなテント型の道具で、中には
目玉おやじのようなミニ
ロボットが何体も入っている。
何か変わったものを発見するとブザーで教えてくれる。
お馴染みの移動手段その1。
恐竜に食べられそうになったのび太を助けるために取り出す。
だが助ける前にのび太が捕まってしまったので、これに掴まるとどうなるかは不明。
映画版には未登場。
恐竜人の言葉を理解するのに使用する。
巨大船から抜け出すのに使用する。映画版では珍しく赤色をしている。
投げるともの凄い音と光が出る爆弾。
だが脅かすための爆弾なので、バンホーにはすぐに見抜かれていた。
バリアが完備されている日本風のお城。
その名の通り巨大な城型のひみつ道具であり、現時点でドラえもんがポケットから出すひみつ道具の中では最大級の大きさを誇っている。
また、壁面にはデカデカと「風雲ドラえもん城」と書かれており、のび太に「いくらなんでも目立ちすぎじゃない?」とツッコまれていた。
防御力に優れており、城全体にバリヤーを発生させることで砲撃程度ならば防ぐことが出来る。
名前の元ネタは当時放送されていたバラエティ番組の「
痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」から。
「たけし」という名前の人物が存在する点も共通している。
恐竜人と対立する事になった際、ドラえもんが森の中に半分やけくそ気味で出した。
しかし直接乗り込まれるということには弱く、恐竜人たちの用意した攻城やぐらで万事休すの状況に陥ってしまう。
…が、乗り込まれる寸前に巨大彗星が衝突。
直後に発生した衝撃波で倒壊し、大津波に飲み込まれて消滅した。
どれも脅かすための武器で、大した戦力にはならなかった。
みせかけ銃は映画版に登場する。
これを撒くと天地が逆転し、空に向かって落ちていく事となる。
すぐに元に戻るので、そのまま空に落ちていく心配はない。
原作では抱えるほどの大きさのビンに入っていたが、映画版では片手で持てるほどの大きさになっている。
土に埋めて爆発させると一瞬で地下室が出来上がる。過去作にも何度か登場している。
今回は津波から逃れるために使用する。
だが大きさを調節する暇がなかったので、北海道ほどの大きさの巨大な地下室が出来上がってしまった。
その後、この地下室に地下水の川と海水を引き、植物を移し変える。
そして地上の恐竜達をそこに避難させた。
この地下室が後に恐竜人達の聖域となった。
また、地下室全体を照らすために日光ゴケを使用しているので、後に地下室の一部が大空洞と繋がった際に、そこから大空洞全体に広がったものと思われる。
コンピュータの計算で算出したデータを立体的に見せてくれる機械。
恐竜人達に恐竜絶滅の真相を教えるために使用した。
どんな動物でも食べさせると言う事を聞くようになるだんご。
絶滅の危機に瀕した恐竜達を地下室に避難させるために使用する。
【余談】
メインテーマ自体が「
恐竜絶滅の原因に真っ正面から向き合う」という
どうしても事前の予習が必要で、理屈に走らなければいけない題材だったため、
藤子F先生は何とか「理屈を突き詰めることで作られる面白さ」にこだわらず、
いつも以上に意識的に視覚面での見せ場を用意して、説明的にならない様にした。
今回は彗星による恐竜滅亡説を取り入れており、藤子F先生も本作の執筆に意欲を抱いていた。
だが、描き終えた後で彗星衝突説より隕石衝突説のほうが有力だったのではないかと思ったらしい。
【後日談】
第3章「地底編」がそのまま竜の騎士の地底世界を舞台としている。
先述した通り「竜の騎士」には「絶対悪」が存在しないのでステージボスはギガゾンビの手下「ツチダマ」の上位個体が登場。
たかや健二による正式な続編。
地上人の隷属を目論むマッドサイエンティスト「カール」が竜の騎士を裏切って「地底大魔王」を僭称、
地震や石油資源の独占で地上制圧を目論む。
悉く計画が失敗したカールは、
拾った透明マントで
昼寝していたドラえもんのポケットから
もしもボックスを
コソ泥するという情けない方法で再び権力の座に返り咲き、地上を征服ではなく滅亡させるため、環境破壊を激化させようとするが…。
追記・修正は地底世界で恐竜を見てからお願いします。
- 地底人たちは、竜の騎士というより、風車の騎士みたいな感じだった。 -- 名無しさん (2019-08-18 00:40:22)
- これも是非リメイクしてほしい作品だな。ラストの感動(タイムパラドックスが起こした奇跡?)は未だ忘れない。 でも今リメイクしたら恐竜は毛むくじゃらになるのかなあ・・・ -- 名無しさん (2019-08-18 01:08:25)
- 苔の光る周期の話は映画版じゃなかったな -- 名無しさん (2019-08-18 06:52:25)
- ↑↑津波のシーンをどうするかが課題だな。 -- 名無しさん (2019-08-18 07:41:30)
- タイトル忘れたけどドラえもんの映画に因んだクイズがある漫画でバンホーさんが「(ラジコン)売らないで良かった・・・」とか呟いてるのに笑った -- 名無しさん (2019-08-18 09:19:41)
- ↑4 恐竜毛むくじゃら説は別に確定した学説でもなんでもないぞ -- 名無しさん (2019-08-18 09:41:10)
- ↑5 「のび太の新恐竜」発表前は「のび太と竜の騎士」リメイクが来ると予想されていたなぁ… -- 名無しさん (2019-08-18 09:52:50)
- よく言われてることだと思うけど、こけおどし手投げ弾ってほぼスタングレネードだから十分な制圧能力があることになっちゃうんだよな。さしものF先生も実在すると知らなかったのか、それともあれよりずっとマイルドな代物なのか。 -- 名無しさん (2019-08-18 12:30:37)
- 風雲ドラえもん城の元ネタは風雲たけし城? -- 名無しさん (2019-08-18 13:46:00)
- ムベンベやネッシーに触れているけど 恐竜オーパーツ(土偶や壁画)にも触れてほしかったな -- 名無しさん (2019-08-18 14:17:00)
- ドラえもんがいなければ絶滅していた種族っぽいな のび太の歴史改変の結果生まれたけどタイムパトロール的には大丈夫なのかな?それとも未来で彼らの助けて人類が助かったから特例で許されたのかな -- 名無しさん (2019-08-18 15:56:26)
- ↑映画ではドラや未来人などの介入で生まれた種族がよく出るね 創世日記 翼の勇者たち 動物惑星とか -- 名無しさん (2019-08-18 17:13:44)
- 記事末尾にあるゲームブックの印象が強いなー。二回も降参を提案するスネ夫が好き -- 名無しさん (2019-08-18 21:25:45)
- ドラえもんが『こ~んな顔した』ってスネ夫の顔真似するのは笑えた。あんな特徴的な顔、骨川一族しかいないよ。バンホーさんも普通に通じてるし。 -- 名無しさん (2019-08-18 21:30:56)
- 子供時代不思議に思ったのは地底においてきた荷物が宅配便で届いたこと。あの世界配送地域だったのかと。今思えば地上に出て送ってくれたんだろうけどw -- 名無しさん (2019-08-18 23:10:18)
- ↑ちゃんと入国審査の時に「名前、年齢、住所は?」って聞いてるんだよな -- 名無しさん (2019-08-19 06:57:24)
- コケの名称が劇場版で変わったのは 似たような名前の事件が過去にあったからだろうか? -- 名無しさん (2019-08-19 07:32:00)
- 伏線が見事すぎる作品 -- 名無しさん (2019-08-19 10:59:04)
- この原作本を読んでて、「恐竜から進化した人類が地底で栄えたとか、他にも色々とゲッターロボと似てないか?」と思ったわ。 -- 名無しさん (2019-08-19 13:42:41)
- 前作の鉄人兵団の影に隠れがちだけど名作。大山のぶ代さんが歌う主題歌が好きなんですよ〜(^^) -- 名無しさん (2019-08-22 19:35:00)
- ↑(上から5番目)コロタン文庫の「大長編映画ドラえもんクイズ全(オール)百科」だな。スネ夫が出した「バンホーは回収したラジコンを何に使ったか」というクイズの選択肢に「量産してラジコン屋を開いた」というのがあって、正解発表のコマでジャイアンが「バンホーさんがラジコン屋なんか開くか!」って突っ込んでたな -- 名無しさん (2019-08-23 19:15:51)
- ↑スネ夫の家の樹の果物の選択肢が、リンゴ、カキ、タワシだったりもしたな。 -- 名無しさん (2019-08-27 10:26:14)
- ↑(上から6)一部恐竜は羽毛が確認されているので間違いではない。全てが毛むくじゃらと確定したわけではないが。 -- 名無しさん (2019-08-27 10:32:49)
- ↑2うわー、何かコメント見覚えあると思ったらその書籍持ってたわ…名前まで覚えてるなんて凄いな!中古で探してみようっと -- 名無しさん (2019-10-14 18:58:23)
- バンホーさんは仕事をまじめにこなしつつ相手の心も考えることができる立派な人だな -- 名無しさん (2020-07-13 21:54:15)
- 恐竜人の目的が哺乳類の先祖の絶滅だとスネ夫が推測してたが、これミスリードだったんだな。なぜなら哺乳類の先祖を絶滅させたとしても、直接の原因である恐竜を滅ぼした何か(=巨大彗星)を何とかしないと意味がない。(しずかも疑問に思ってる)
そもそもの大遠征は恐竜を滅ぼした直接的な原因を突き止めて解決することだったわけだから、誤解とすれ違いが対立を生んだということだった。某所での解説を読んで今更ながらそれに気づいたな。
まあどっちにせよ、人類の存亡に関わる話だから対立は避けられないし、話し合いで何とかなるような事態でもなかったわけだが。 -- 名無しさん (2020-07-14 21:35:48)
- 川で見た首長竜や庭にいた巨大生物は地底人が回収したのかあるいは本当に幻覚だったのか -- 名無しさん (2020-08-20 12:58:15)
- これ、大長編の中でも冒険してる感じが強くて好き。地底人も基本的に良い人達だし。 -- 名無しさん (2020-08-24 21:43:03)
- 悪役はいない話なのにめちゃくちゃ壮大なのが凄い。 -- 名無しさん (2020-08-24 21:46:23)
- ↑3わざわざ多奈川と地底世界が繋がってる設定にしたんだから、少なくとも川で見た首長竜は本物だろ ネッシーのオマージュでもあるだろうし 庭で見たのは幻覚の可能性が高いと思うけど(スネ夫以外が気づかなかったのは不自然) -- 名無しさん (2020-10-14 04:18:48)
- ↑5恐竜の絶滅がなければ、哺乳類が地上を支配するような世界にはならなかっただろうし、当然人間も生まれなかったはずだしね -- 名無しさん (2021-07-03 22:28:05)
- そう言えばな話白亜紀末には頭脳が発達し始めていた恐竜は存在していたらしいよね。彼らが絶滅しなかったら進化のスピード的にこういう恐竜人がいた可能性は高いらしい。F先生そこまで調べてたのかな? -- 名無しさん (2021-08-08 01:38:38)
- うーん、そもそも恐竜の絶滅を防げたとしても、これまでに恐竜人たちが築いてきた歴史も文明も何もかもなかったことになっちゃうわけだけど、本人たちはそれでよかったのかしら、というか、そのことを理解してたのかしら? ・・・と子供心に疑問だったな。ドラえもんに彗星の説明されても「じゃあなんで俺たちは今ここにこうして存在してるんだ?」って疑問に至ってないようだったし。 -- 名無しさん (2021-08-17 18:01:35)
- ↑流石に消えるとは思ってないでしょ。彗星の説明に関しても「神の意志(と当人たちは考えていた)」を目の当たりにしてそんな冷静になれるかって話だし -- 名無しさん (2021-08-17 18:46:38)
- 高い科学力で過去に戻って絶滅の原因を探る+あわよくばそれを阻止する、じゃなくて直接地上に攻め入って取り戻すという方向に走ってたらまんまゲッターの恐竜帝国になる所だったな -- 名無しさん (2021-11-30 02:58:07)
- 地上のような軍事科学についてはそれほど発達してないようだから、近代兵器相手のドンパチに勝てるかどうかはわからんけどな -- 名無しさん (2022-01-07 13:33:11)
- ↑「地中を自在に移動できる」ってだけでもかなりの脅威だろう。人類には地中からの奇襲なんて想定すらしていないわけだし、世界中どこでも前触れなく攻撃できるのはやばすぎる。 -- 名無しさん (2022-01-19 21:16:43)
- 武器は中世からせいぜい近世レベルなのに時空間に関する科学は22世紀並みなんだよな。恐らく大気汚染に関して厳しくならざる得ないせいで地上とは別方面に科学が発展したんだろうが -- 名無しさん (2022-01-29 15:45:59)
- ↑ドラえもんが地底世界にリニアがあるのに車がなくて馬車移動なのに対して「地底世界だから排気ガスが出ないように科学が進化したんだろう」って言及してますね。 -- 名無しさん (2022-01-29 17:36:14)
- この作品もリメイクされたら、『のび太の新恐竜』の事もあるから同じ時間の異なる2つの場所に同時にドラえもん達一行が存在している…なんてパラドックスが起きそう。 -- 名無しさん (2022-03-02 11:30:39)
- 近代兵器を開発してないのは大気汚染の問題もあるかもだけどアレだけの科学力持っていれば作ろうと思えば兵器作れたとは思う、単純に種族として温和なので殺人兵器の開発なんて考えもしなかっただけなんじゃないかな。 -- 名無しさん (2022-03-10 02:14:50)
- そもそも恐竜人たちの国家体制が不明なんだよな。独立した国家があちこちに存在していたら恐竜人同士で戦争が起きててもおかしくはないけどそういう気配は見えないから地底全体を包括した単一国家なんだろうか。恐竜人同士で争ってたら目的達成するどこじゃないし。でも大災害の原因を悪魔のようなものと例えて敵視し、武装した軍団も保持してるから戦争の概念がまるっきりないとも言えないよね -- 名無しさん (2022-06-08 14:53:19)
- 未来の世界で地下の恐竜人と交流が始まってるのが良い。バードピアとかともそのうち交流が始まるかもしれない。 -- 名無しさん (2022-06-08 17:43:46)
- 相談所での報告を受け、ネタバレ収納が消される前まで復元。未視聴者へ配慮して隠しているので、相談無しで削除はご遠慮ください。 -- 名無しさん (2022-07-21 00:01:27)
- 磁力が発達してるので兵器を作ろうと思えば重粒子砲とか作ろうと思えば作れた気がする、けど神話とかからして温厚な種族だからなあ・・・、天上人の方の神話は差別的で恐ろしいけど恐竜人の方の神話は平和というか温厚というか・・・ -- 名無しさん (2022-09-09 17:18:07)
- 戦争を文明とし、特に意味もなく他人を傷つけ争いを続ける人類と、みんな同じだと思わないことだ。 -- 名無しさん (2022-12-16 23:17:10)
- 地底で恐竜の群れを目撃する直前のスネ夫は、皆から少し離れた場所でブツブツ独り言を言ってたけど、『(ノイローゼ気味だから)静かな場所で静かに過ごしたい』なら、ただ黙って座ってたら良いのになんでブツブツ独り言を言っているんだコイツ? -- 名無しさん (2023-05-24 19:18:10)
- ナンジャ族以外の恐竜人みんな好い人でほっこりする。 -- 名無しさん (2023-06-01 19:26:40)
- スネ夫の家に現れた恐竜はさすがに幻覚だと思うんだよな… -- 名無しさん (2023-12-24 11:30:37)
- リメイクする場合は新恐竜との整合性が問題になりそう。舞台となる時代がばっちりかぶっているわけだし。 -- 名無しさん (2024-02-16 21:53:32)
- 自分たちの神話の始まりのきっかけが実はドラえもん達と分かった時いきなり跪いて『あなたたちは神の使いに違いない』というのほっこりするwドラえもんは『よしてください』と慌ててたけどw しかし地底人を救った神話のきっかけがドラえもんのような未来人なら天上世界の方も未来人なのかな、あっちは差別的でめっちゃ恐ろしい神話で背筋凍るけど -- 名無しさん (2024-04-01 15:22:48)
- ↑その後の法王の「恐竜人は地底で栄えよ、これが神の思し召しである。」って台詞好きだわ。尺の都合とは言え、往々にして豊かな地上を我らに〜みたいな敵役(ニムゲとか)が多い中、地底を安住の地としてより良くしていこうって綺麗な終わり方は歳食った今感動すら覚える。 -- 名無しさん (2024-06-04 21:03:11)
- リメイクされたら彗星ではなく隕石になるのかな。 -- 名無しさん (2024-06-04 21:13:03)
- 脱走したドラたちを保護したときはきちんと叱るが、上役の軍団長への報告には「軽率な処罰は博愛を説かれた神の御心に背くと思います。」と弁護してくれるバンホーさんは人間の鑑。 -- 名無しさん (2024-06-04 21:26:49)
- ↑軍団長もその意見を認めてくれるし、全体的に温厚で平和主義だよね。映画ドラえもんに出てくる亜人・宇宙人国家の中でも、最高クラスに民度が高くて安定した国だと思う。アニマル惑星も同じくらいだが、あっちはすぐそばに問題抱えてるし -- 名無しさん (2025-01-25 21:47:41)
- 何気に22世紀の未来では地底世界もある程度地上世界と交流するようになってるぽいね。ドラえもんズでそんなシーンがちょっとあった。 -- 名無しさん (2025-01-25 22:32:11)
- リメイクされたら「新恐竜」でこの時代にもう一組ドラえもん一行が来てるので関連させて欲しい -- 名無しさん (2025-03-25 18:22:26)
- これまでの大長編と異なり明確な急的がいないので子供の頃は物足りなかったけど、改めて見ると恐竜人の進化、地底世界の設定、その文明を否定する一部の種族、聖域の伏線回収とかなり作り込まれた作品だったんだな -- 名無しさん (2025-03-31 07:54:49)
- 日光ゴケがピッカリゴケに名称が変わったのは、ひかりごけ事件との連想を防ぐためだろうね -- 名無しさん (2025-04-30 23:16:44)
最終更新:2025年04月30日 23:16