エターナルズ(映画)

登録日:2021/11/12 (金) 18:50:57
更新日:2025/03/15 Sat 05:04:18
所要時間:約 18 分で読めます




◆エターナルズ






初めに…


6つの特異点の発生前、この世の創造より前にセレスティアルズが出現。
第一天界人(プライム・セレスティアル)のアリシェムが、最初の太陽を創出し、宇宙に光を与えた。


生命は栄え、均衡が保たれた。
だがある時、深宇宙から知的生命体を捕食するディヴィアンツが来襲、宇宙は混沌に陥った。


秩序回復のためアリシェムは惑星オリンピアからエターナルズを送り込んだ。
エターナルズはアリシェムを常に信じ、崇めていた。


プライム・エターナルのエイジャックの指導で、ある任務を行うまでは…











地球滅亡まで、あと7日









概要


『エターナルズ(Eternals)』とは、2021年に公開された映画。
MARVEL社のコミックヒーローチーム「エターナルズ」の実写映画作品である。
MARVELコミックヒーロー映画化シリーズ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画通算26作目にしてフェーズ4の映画第3弾。

今作は、MCUでは何回か名前だけ登場していた宇宙の創造主である天界人「セレスティアルズ」から使命を受けた、永遠の命を持つ種族「エターナルズ」をメインに据えている。
紀元前5000年を物語の起点とする本作はMCUで最も古い時系列が描かれ、『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の現在に至る、悠久の年月を経た物語が展開される。
その壮大なスケールゆえにこれまで登場したMCUの登場人物は一切登場せず、メインとなる人物は全員が新キャラである。
さらに、これまでのMCU作品にはなかった、実際に現実の歴史上でも起こった出来事や悲劇、ラブシーンを含めた複雑な愛憎劇や敵味方の逆転に次ぐ逆転など、MCU作品の中では群を抜いて独立性の高い異色の作品となった。
特に原作を知っている人であっても(むしろあればこそ)驚愕する後半の衝撃的な展開は激しい賛否を呼んだ。
また、今回は壮大な歴史を扱う作品のため、コミックだけじゃなく、世界史で教わる様々な出来事や、各地の神話、伝承などに関しても一定の知識や理解があると、より深く楽しめる作品になっている。

監督は、『ノマドランド』で第93回アカデミー賞作品賞、監督賞を受賞した新鋭気鋭の女性監督クロエ・ジャオ。
同作や『ザ・ライダー』といった監督作で見せた圧倒的な美しい風景の撮影手法や、キャラクター達の「人生」に深みを加えた展開など、自身の作家性を存分に発揮している。

本作の主人公となるセルシ役を演じたのは『キャプテン・マーベル』でミン・エルヴァを演じたジェンマ・チャン。『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のミシェル・ヨーに続き、MCUの別作品に出演経験のある役者が全く別のキャラクターを演じる事となった。
更に、MCU初参戦となるアンジェリーナ・ジョリーやサルマ・ハエックをはじめ、『ゲーム・オブ・スローンズ』のリチャード・マッデンとキット・ハリントン、韓国の名優のマ・ドンソク(本作ではドン・リー名義)といった、国際色豊かな俳優陣が集結した。




ストーリー


宇宙が誕生した時、その深淵から怪物「ディヴィアンツ」が生まれた。
これを重く見た宇宙の創造主「セレスティアルズ」は、惑星オリンピアに住む、永遠の生を受けた種族「エターナルズ」をディヴィアンツ退治のために各惑星に派遣。
そして紀元前5000年、ディヴィアンツの猛威に晒されている惑星・地球に、プライム・エターナルたるエイジャック率いる10人のエターナルズが派遣され、人類と交流を始めるのだった。
しかし、紀元1500年代、ディヴィアンツの絶滅を以てしてエターナルズは離散し、人間の中で正体を隠しながら生活していった。

そして現在。タイタン人サノスの未曽有の大虐殺「指パッチン」とその5年後に消滅した人々が一斉に復活した「指パッチン」により平穏な生活が人類に戻った頃。
原因不明の地震が世界各地で発生し、エターナルズのメンバーだったセルシとスプライトの元に、絶滅したはずのディヴィアンツが強襲する。
間一髪のところでセルシのかつての恋人・イカリスが加勢しディヴィアンツは倒されたが、世界各地でディヴィアンツが復活していることを知らされる。

再び発生した危機を受け、エターナルズの仲間を集めることにしたセルシだったが、リーダーだったエイジャックは既に殺され、彼女はエイジャックからプライム・エターナルの力を譲渡される。
その後も、散り散りになったエターナルズと再会していくセルシ達。再会した仲間の反応は様々だ。変わらない者、人間に絶望した者、人間としての生に固執する者……。
そんな中、セルシはセレスティアルと対話し、エターナルズの真の目的と、ディヴィアンツの衝撃の真実を知ることとなる……。




登場人物


エターナルズ


  • セルシ
演:ジェンマ・チャン/吹き替え:恒松あゆみ
今作の主人公。エターナルズの中でも争い事を好まない穏やかな性格の女性。
地球を一目で気に入り、人間と共に暮らすうちに彼らを愛するようになり、人間の中での生活も受け入れながら暮らしていた。
2024年ではロンドンの博物館で科学の講師をしており、同僚のデインと友達以上恋人未満な関係を築いていた。
ところが、ディヴィアンツの襲来を受けて事態を解決するためにエターナルズの再結成を図ろうとするが、頼りにしていたエイジャックが死に、その後継者としてまさかの自分が選ばれてしまう。
能力は「物体の変換」。触れた物体を全く別の材質に変化させられる。戦闘向きの能力ではないが、人間の生活の発展や戦闘のサポートで活躍していた。生物には対応できなかったが、プライム・エターナルの力を受け継ぐとそれが可能となった。


  • イカリス
演:リチャード・マッデン/吹き替え:川田紳司
エターナルズの中でも最強の力を持つとされる戦士で、エイジャックから最も信頼されていた。
セルシと共に暮らすうちに彼女にするようになり、エイジャックの後押しもあって彼女と交際し、結婚もしていたが、エターナルズの解散以降彼女の前から姿を消していた。
責任感が強く、セレスティアルズに忠誠を誓っていることもあって、人望も厚く「リーダーに相応しい」という声もあるが、自身にリーダーの資格はないと認めており、その地位に就くことはなく、チームのNo.2に甘んじていた。
セルシの危機に彼女と再会し、エターナルズの仲間集めに同行。そして、エイジャックが選んだ新たなリーダーであるセルシに従う意思を示す。
能力は「空中飛行」と「目から出すビーム」。あのスーパーマンのモデルとなった伝承の由来であり、機動力・攻撃力ともに最強クラスを誇る。


  • エイジャック
演:サルマ・ハエック/吹き替え:戸田恵子
エターナルズのリーダーであるプライム・エターナル。
冷静沈着で落ち着き払った女性で、エターナルズ皆からの信頼の厚い存在であり、個性のバラバラな彼らをまとめ上げていた。
解散した後も、エターナルズのメンバーのことは陰ながら見守り、時に顔を見せて励ますこともあった。
セレスティアルズである直属の上司・アリシェムと唯一対話する権利を持っており、彼からある最重要の任務を伝えられている。
セルシがディヴィアンツに襲われた直後、ディヴィアンツに殺され力を奪い取られてしまうが、プライム・エターナルの力をセルシに託す。
能力は「治癒」。あらゆる怪我や病気を一瞬で治し、仲間に重宝された。


  • スプライト
演:リア・マクヒュー/吹き替え:金子陸
13歳の少女の姿をしたエターナルズ。だが、年齢自体は他のメンバーとほぼ同じ。
物語を作ることが得意で、人類にエターナルズの活躍を物語として語り聞かせ、神話や伝承の元ネタを作った。そのこともあり、キンゴからは一目置かれていた。
解散後はキンゴと行動していたが、5年毎の引越しに嫌気がさした彼に置き去りにされ、しばらくはエイジャックの元で暮らしていたが、彼女に言われてセルシの面倒を見ることとなり、彼女と同居し腐れ縁となる。
しかし、実はイカリスを密かに想いを寄せており、子供の姿である自分は彼には意識してもらえず、セルシとの間にも入り込めず疎外感を薄々感じていた。
また、子供の姿から成長しないことから人間社会にも馴染めず、人一倍孤独も感じていた。
能力は「幻覚」。自分の姿を他人に化けさせたり、無数の分身を作り出したり、透明化することができる。


  • キンゴ
演:クメイル・ナンジアニ/吹き替え:杉田智和
陽気なチームのムードメーカー的存在。
スプライトの作る物語の素晴らしさに心惹かれ、自身も物語を語る側になりたいと考え、人間の世界では俳優として活動をすることに。
2024年でも、インドのボリウッド界で俳優一家の家系という設定で活躍しており、エターナルズとして戻ることには一番消極的な態度を取っていた。
セルシ達と行動を共にする際は、お付きのカルーンにドキュメンタリー映像を撮らせ、なんとなく傍観の立場を取る。
イカリスを信頼しており、最終的な判断は彼に仰ぐことが多い。
あのソーの幼い頃も知っているという。
能力は「コズミックエネルギーの発射」。手からビームのようにエネルギーを撃って攻撃する。


  • ファストス
演:ブライアン・タイリー・ヘンリー/吹き替え:後藤光祐
天才的な頭脳を持つ技術士で、人間には様々な科学・工学の技術を伝え、文明の発展を手伝っていた。
しかし、自分が与えた技術が原子爆弾を生み出し、大勢の命を奪ったことで自分を責め、人間には極力関わらないことを誓う。
2024年では、平凡な人間の男性と同性結婚しており、その息子とも良好な家族関係を築いて平穏な生活を営んでいた。セルシから協力を依頼された当初はそれを固辞するも、家族からも後押しされ、家族の生活を守るために仲間の元に戻る。
能力は「発明」。ほんのわずかな材料で飛躍的な技術の物を生み出すことが可能。戦闘でも、ガジェットを駆使すれば武闘派にも引けを取らない。


  • ドルイグ
演:バリー・コーガン/吹き替え:内山昂輝
シニカルで冷めた性格をした皮肉屋の青年。そのため他のメンバーとは一部を除いてそりが合わない。
暴力を嫌い、人間を愚鈍で暴力的であると見下しており、介入できない故に戦争や虐殺を繰り返す彼らを守り続けることに辟易し、ディヴィアンツの絶滅を最後に仲間の元から去った。
2024年ではアマゾンの奥地で新興宗教じみたコミューンのリーダーとなっていた。
当初は自身の能力で人類全体を自分の支配下に置こうとしたが、「欠点がなくなれば人間ではなくなる」からそれを諦めていた。
能力は「マインドコントロール」。人間の精神を操り、意のままに動かすことが可能で、それを駆使し私兵扱いすることにも躊躇はない。


  • マッカリ
演:ローレン・リドロフ
超高速移動」の能力を持つ女性。ドルイグが仲間の中で心を許す唯一の人物。
普段から耳が聞こえないため、手話で会話するが、移動の際の高周波に耐えられるという利点もある。
エターナルズの解散後は地球を隅々まで探索しており、人間社会には溶け込まず、地面に埋没したドーモ号の中で引き籠って生活しつつ、故郷へ帰る日を待ち遠しく思っていた。
面倒見が良く、戦闘でも仲間と人間を助けることが多かった。


  • セナ
演:アンジェリーナ・ジョリー/吹き替え:深見梨加
惑星オリンピアで有数の剣技の腕前を誇る「戦いの女神」の異名を持つ女性戦士。
戦闘となると意気揚々と敵を屠り、幾多ものの戦場で活躍していた。
しかし、存在しない記憶が入り混じる記憶障害「マアド・ウィアリー」を患い、仲間にも危害を加えるようになり、自信を喪失していってしまう。
解散後は戦友ギルガメッシュのサポートを受けてひっそりと生活し、悪化する病に悩む日々を送っていた。
能力は「武器の生成」。コズミックエネルギーでといった武器を作り、圧倒的な武術で敵を倒す。


  • ギルガメッシュ
演:ドン・リー(マ・ドンソク)/吹き替え:稲田徹
エターナルズの中でも最も怪力を誇る戦士。
セナとは戦闘でもコンビネーションを組み、固い友情で結ばれている。
マアド・ウィアリーを患ったセナの面倒を見ながら人里離れて二人で暮らしており、料理の腕は抜群。
後継者に選ばれたセルシを励ましたり、アマゾンにいるドルイグと付き合いがあるなど、仲間を思う気持ちは人一倍。
能力は「肉体の強化」。コズミックエネルギーで腕部といった体の一部を強化し剛腕を繰り出す。


人間


  • デイン・ウィットマン
演:キット・ハリントン/吹き替え:花輪英司
セルシの同僚の講師。
時折セルシが不思議な力を使うことは知っていたものの、彼女が不老不死のエターナルズとは知らず、ドクター・ストレンジのような魔術師だと思っていた。
イカリスのこともあり、セルシからは距離を置かれていたが、本心では彼女から想いを寄せられている。
ディヴィアンツの襲来を受けてセルシの正体を知り、仲間集めの旅に出た彼女の帰りを待つことになる。
実家が中世の騎士の家系であり、複雑な事情があるらしい。


  • カルーン・パテル
演:ハーリッシュ・パテル/吹き替え:杉野田ぬき
キンゴの付き人で、彼の正体を知っており50年間も彼に忠義を誓っている。
人類を救う使命をすべきと主人を後押しし、その後も仲間探しの旅に付き合ってドキュメンタリー映像を撮るべくカメラを回し続ける。
その度に他のエターナルズにカメラを壊され、予備のカメラを出していた。
まさかの人間サイドの代表でマスコット的存在の可愛いおっさん。


  • ベン
演:ハーズ・スレイマン/吹き替え:前田一世
  • ジャック
演:イーサイ・ダニエル・クロス/吹き替え:正垣湊都
ファストスの夫とその息子。人間嫌いとなったファストスが心を許している数少ない人物達で、彼の生きる希望となっている。
ベンに以前は妻がいたのか、ジャックとの間に血縁関係があるのかは触れられていない。
夫の使命を知り、後悔しないために行くべきだと彼に助言し、心を込めて送り出した。



セレスティアルズ


  • アリシェム
声:デヴィッド・ケイ/吹き替え:根本泰彦
エイジャックら地球に派遣されたエターナルズを指導するセレスティアル。
外宇宙から地球を監視し、時折エイジャックの報告を受けている。
エイジャックにはある極秘の任務を与えているようだが……。


  • ティアマット
新たなセレスティアル。



ディヴィアンツ


  • クロ
声:ビル・スカルスガルド/吹き替え:てらそままさき
知性を持たないはずのディヴィアンツの中で、唯一知性を持った個体。
自ら創造された理由を把握しており、エターナルズに対し憎悪をぶつける。
ビル・スカルスガルドの出演は公開まで伏せられていたが、エンドロール前の主要キャストのクレジットには名前が記載されている。





キーワード


  • エターナルズ
惑星オリンピアを故郷に持つ、永遠の命を持つ種族。
セレスティアルズからディヴィアンツを倒すという使命を与えられ、様々な惑星に派遣されている。
それぞれコズミックエネルギーを使った固有の特殊能力を持ち、戦闘や文明の発達に力を貸している。


  • プライム・エターナル
エターナルズの中で、最も位が高い人物に与えられる称号。
セレスティアルと謁見する力を与えられており、黄金の球をその証として体内に保管している。


  • セレスティアルズ
宇宙を生み出した万物の創造主である「天界人」。一体一体が巨大で、惑星一つほどの大きさを持つ。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に登場したエゴがこれであり、他にもインフィニティ・ストーンを作り、かつて駆使していた存在である。


  • ディヴィアンツ
宇宙の深淵から誕生したとされる怪物。知的生命体を襲い、暴食の限りを尽くす。
エターナルズの天敵であり、彼らが倒すべき存在。


  • マアド・ウィアリー
エターナルズを襲う奇病で、「存在しない」記憶が脳裏によぎり、それに支配されて暴走してしまう病である。
セナがこれに苦しんでいたが、それにはある理由があった。


  • ドーモ
エイジャック達が地球に派遣された際に乗り込んでいた宇宙船。
無骨な外観ながらも、高速で飛行することができる。
エターナルズの解散後はマッカリの家となっていた。










「項目を愛しているからこそ、追記修正を任せられたのよ」





































































  • エロス/スターフォックス
演:ハリー・スタイルズ/吹き替え:石川界人
  • ピップ・ザ・トロル
演:パットン・オズワルト/吹き替え:西村太佑
全てが終わった後、セナ、ドルイグ、マッカリは3人で宇宙へと旅立ったのだが、ある時を境に地球に残った仲間達と連絡がつかなくなった事に困惑する中、
いつの間にかドーモ号に侵入して3人の前に現れたタイタン人とそのお供の妖精。
その正体は、狂気のタイタン人サノスの実の弟で惑星タイタンの王子。
タイタン人は元々美しい外見の種族であり、サノスはその異形の外見から周囲から疎まれていたのだ。
爽やかで礼儀正しい彼は、「友達が危険に晒されている」と警告するのだが……。



  • デイン・ウィットマン
恋人が攫われ、彼女を助けたい一心で自身の家系の暗部に手を出そうとする。
それは、呪符に覆われた不気味な黒い。「死は褒美」という文言まで書かれている。
いざ、それを手にしようとした時、背後から男の声がした。




いいんですか?ウィットマンさん?







ETERNALS will return...

エターナルズは帰ってくる…





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最終更新:2025年03月15日 05:04