クエスターズ(スパロボ)

登録日:2022/02/22 Tue 19:51:00
更新日:2025/02/26 Wed 14:48:52
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この記事は『スーパーロボット大戦30』の重大なネタバレを隠していません。まだプレイしていない方はご注意ください。






我々はクエスターズ…。神なき世界で真理を探求する者です。


クエスターズとはゲーム作品『スーパーロボット大戦30』に登場するオリジナル勢力である。




概要

自ら「真理の探求者」を自称する異星人集団。
「先生」と呼ばれる怪人物を指導者とし、先生と幹部である「師父」達の合議制によって物事の行動指針を決め、実行するのが特徴。

様々な星の文明に接触し、その星に住む知的生命体に「実験」と称した思考実験を兼ねた問答を行い反応を観測、そこから「先生」と師父達による討議の末に導き出された答えである「真理」を元に審判を下す。
審判の内容は導き出された真理によって異なり、
  • 対象となる文明を害悪な存在として、その星の文明と知的生命体そのものを抹消(抹殺)する。
  • 「矯正」と称して自身達の管理下に置くために支配者となる「王」を配置しクエスターズの統治下に置く。
という碌でもない手段を取る。
ただし彼らが尊ぶ合議制による議論や結論は答えのベクトルが決まっている「結論ありき」も同然な極めて独善的な代物であり、やってることは理不尽な侵略行為の何物でもない。
これまでにも29の惑星で審判を実行し、30個目である知的生命体のいる星地球を発見。干渉を開始することになる。


その正体は地球でいう数百年前、「自らの自由と正義を守る」という名目で神文明エーオスの支配に反旗を翻してエーオスを打倒した異星人の集団。
要は別宇宙におけるドライクロイツのような集団であった。
だがエーオス討伐後、クエスターズは「エーオス打倒という『神殺し』を遂げた自分達が宇宙の秩序を守るため、責任を持って他の文明を管理しなければならない」という余計な義務感を発露。
実験と討議を尊ぶ合議制に基づいた行動は独善を極めたエーオスのやってきたことを否定するための手段であったが、実際にやってることはエーオスと何ら変わらないという本末転倒ともいうべき有様になってしまった。

ざっくり言うと傍迷惑な独裁政権を打倒したレジスタンスが誰にも頼まれていないのに勝手に似たような独裁政権を敷いてきた感じとなる。


関連用語

  • 神文明エーオス
クエスターズの発起した時代に存在した30世界の宇宙の統治者であり最古の文明。
自らを「神の文明」と称してエーオス以外のすべての存在を見下し、独善的な理由で宇宙を統治していた独裁者。
過去には様々な星の生命体に干渉してウルガル同様生命体の知性化を実行し、己の意にそぐわない進化を遂げた文明を「創造主として生み出した者の不始末の責任を取る」という名目で一方的に滅ぼしてきた巨悪。
更には知性化を行った種族のDNAに「服従遺伝子」と呼ばれる遺伝子情報を埋め込み、「支配の波動」と呼ばれる感応波を放つことで感受性の高いものであれば瞬時に洗脳し操ることができる。
ざっくり言えばスパロボ30版御使いそのためカールレウムからは「宇宙の害悪」とボロクソに貶されている。
30の世界の地球やクエスターズの文明もエーオスの干渉によって発展と進化を遂げた文明に当たる。
とはいえ、本家御使いほどの支配領域と影響力はなかった模様。

  • MAGINE(マジン)
スパロボ30における独自設定。
「数多の並行宇宙に存在し、可能性を突破し、そこに生まれし生命を進化させるもの」「宇宙の法則も歪める禁断なテクノロジー」と定義される。
劇中では光子力エネルギーを用いるマジンガーやゲッター線を用いるゲッターロボ、サイコフレーム搭載機、レイアース、グリッドマンドライストレーガーが該当する。
作中では兜甲児流竜馬アムロ・レイの出現によってMAGINEの技術が地球でも発生したことでクエスターズは地球の存在を感知。
そしてシャアが行ったアクシズ落としに伴うサイコフレームの膨大なエネルギーによるアクシズ・ショックが、30の世界の地球にクエスターズの干渉を呼び寄せる決定的なきっかけを生んだ。
つまり大体シャアのせい

  • サブ・スペース
エーオスの遺産が眠る別次元の空間でありクエスターズの本拠地。
内部にはキューブ型の物質が浮かぶ不思議空間。
最深部にはクエスターズの本拠地ともいうべき要塞めいた黒い球体上の天体が存在する。

メンバー

「先生」


自らを神と名乗っていたエーオスを滅ぼした者として、私には宇宙を管理する責任があるのです

クエスターズを率いる首領。
その姿は黒い鎧とフルフェイスの兜によって隠されており、伺いしれない。
普段は本拠地であるサブ・スペースに存在する「審判の間」に座し、クエスターズの実験対象となった文明に審判を下すべく、最高幹部である師父達と討議を行い真理を探求する役目を持つ。
個ではなく集合知として存在する証として本名や顔を捨て去っており仮面を被っている理由にもなっている。

常に物腰穏やかで理知的な言動を示すが、その言葉の節々には自身の知能を鼻にかけたような傲慢さが垣間見える。
カールレウムに「地球を統治する王」の役目を任命し、地球人に対して何らかの干渉を行っているようだが…


師父


我らこそが宇宙の管理者…

CV:???

「先生」と同一の鎧と兜を装備したクエスターズの最高幹部達。
普段はサブ・スペースに存在する「審判の間」に居り、クエスターズの実験対象となった文明の行く末を「先生」との討議によって決める役目を持つ。
通常であれば「先生」の決定に異議を申し立てたりするなど組織のストッパー的役割を期待されるが、彼らは全くと言っていいほど己の意志を喋る様子がなく個人の自己主張も皆無。
ひたすら「先生」の発言や意思決定に対して追従し、討議の内容も全会一致で「先生」の意見を採択するだけの姿は典型的なイエスマンそのもの。
ちなみに戦闘時ボイスはボイスチェンジャーがかけられている。


カールレウム・ヴァウル


手土産もなしに訪問した無礼は詫びておこう。ごめんなさい


クエスターズの行動隊長で、第12銀河の戦闘種族ヴァウルーガ出身の異星人。
浅黒い肌に黒い数本の角を生やした美青年で、ドライクロイツの面々からも美形と呼ばれるほどにはイケメンに分類される。
「地球の王」を自称しており、爽やかな笑顔を絶やさない尊大かつプライドの高い性格。
理知的であり物腰も穏やかではあるが爽やかな笑顔と相まって慇懃無礼に近い態度を取るのがネック。
クエスターズを「エーオスの支配から宇宙を解放し、今は宇宙を導く英雄である(要約)」として属していることに誇りを持っている。
加えて実験と討議を繰り返して結論を導く合議制によって真理を見出すクエスターズのあり方を尊び、それらを実践する「先生」と師父達に畏敬の念を送る。

基本尊大ではあるものの律儀かつ礼儀正しいのもまた事実であり、ドライクロイツの面々もフルネームかつ「君」付けで呼ぶなど高圧的に接する…のだが、
  • 本名が長めのナイツマの面々も律儀にフルネームで呼ぶ
  • 「私は君たちには二度敗北した」と言った後主人公に「自分にも負けたから三回だ」と突っ込まれて「あれは数に入れない」と変な駄々をこねる
  • 感謝の言葉「ありがとう」を知ってからはそれを気に入って使いまくる
  • 謝罪する言葉「ごめんなさい」も知らなかった為ミツバ艦長に無理矢理教えられる。更に言い方が気に食わなかった為に連呼させられる。その結果、こちらも気に入ったのか何かあると「ごめんなさい」と言うようになった
  • 終盤ドライクロイツとの会談の際には内心ウキウキ気分でドライストレーガーに乗り込む。お茶もお菓子も結構だ。もてなしは遠慮する
など妙に可愛い一面も見せる
ちなみにギャグイベントのように思われるが「変なところでマメ」「負けず嫌い」「感謝と謝罪を知らない」ことは彼の正体の伏線となっている。

戦闘台詞も豊富であり、中にはタマキの告白を跳ね除けるものもある。
敵対キャラであるものそれはあくまで自分より上の存在に従っている為であり、彼本人はどちらかというとドライクロイツの面々に好意的である。
特に主人公に対してのそれはもはや執着とも言える。まぁ態度が態度なので向こうには嫌われるが。

劇中ではドライクロイツに「実験」と称して戦いを仕掛け、謎めいた問いかけをミツバに行うが……。
その内容は大抵が両極端な選択で、現在を生きる我々の間でも頻繁に議論となる倫理的ジレンマを問うことが多い。そして毎度ルルーシュが反応する。「トロッコ問題か…」



中の人はスパロボにも版権・オリジナルともよく出演しているが、エッジ役の杉田氏の親友としても有名。
なお、中村氏は上記の相沢氏のキャスト発表までに余計な事口走らないか心配だったという発言に深く同意していたが、こっちはマジでやらかしかけていた


クェーサー


お前達に問う。意地とは何だ?
お前達に問う。正義とは何だ?

CV:島田敏(青髪)、稲田徹(桃髪)

クエスターズの実行部隊隊員。
全員カールレウムに似た顔つきの男性で、赤髪と青髪の2種類がいる。今作の島田兵、稲田兵枠
隊長であるカールレウム・ヴァウルの下でオルクスーラ・ダインを操り前線にも赴き無人機を指揮している。
戦闘時、相手に対して「〇〇とは何だ?」と様々な問いかけをする不気味な存在。


オルキダケア


黙れ、下郎が!創造主に刃向かう事が許されると思うな!


神文明エーオス唯一の生き残りである女性。
白いベールを被った神秘的な女神のような姿をしており、頭の上には大きなリングが浮かんでいる。
……が、それ以上にとんでもなくデカい爆乳とその谷間を惜しげもなく露出させた痴女に片足ツッコんでそうなビジュアルが特徴。

当初は穏やかな態度でドライストレーガーのメインシステムに潜伏してドライクロイツの協力者然とした態度を取っていた。
……が、本性は上記のエーオスの解説の通り、非常に独善的かつ傲岸不遜。
「下等な地球人は自分に従って当然」という思考に凝り固まっているが、それ以上に自分たちに反逆し滅ぼしてしまったクエスターズへの憎悪に燃えている。
よって精神的な余裕があまりなく、逆らった場合は顔を豹変させて激高し罵倒しまくる短気な激情家という側面を持つ。
ブチ切れた際は、美貌が台無しになるくらいの怒り狂った形相を見せてくれる。

ドライクロイツに協力していたのも全てはエーオスを滅ぼしたクエスターズへの復讐のためでしかなく、ドライクロイツの存在は完全に自分にとっての下僕としか見ていない。
劇中では密かにドライストレーガーの機関部から「支配の波動」を放つことでじわじわとドライストレーガークルーの精神を掌握していた。
ミツバが作中、無駄にクエスターズに対して攻撃的な態度だったのは全てオルキダケアの精神干渉が原因である。
またドライストレーガーの素体を30の世界に持ってきたのもオルキダケアの干渉によるもの。
ファイクス准将もオルキダケアの半ば支配下に置かれており、クエスターズへの復讐のための手駒を用意させるために生み出したのが第30士官学校に集った後のドライストレーガーのクルーとなる若者であり、A機関に集められた主人公を含めた異能を持つ子供たちであった。
よって主人公たちが地獄の生活を送る羽目になったのも概ねオルキダケアが原因。
終盤ではその本性を一気に現してドライクロイツを掌握。一時は第30士官学校の面々を洗脳して手駒に変えてしまう…が、計画はとある2人の人物の活躍により失敗に終わる。

困難ルートではそのままドライストレーガーのメインコンピュータの最深部へと意識を完全に封印され退場。
通常ルート*1では計画失敗後に飼い犬と思って見下していたドライストレーガーの面々に反逆された屈辱がクエスターズへの怒りを上回ったことで、屈辱に感じながらもクエスターズに外部協力者として参加することになる。
そしてドライクロイツへの怒りのままにオルクスーラ・バングを操ってドライクロイツに勝負を仕掛けるも敗北。
撃墜後はミツバとメイヴィーによってドライストレーガーのメインコンピュータにデータを再移植され一命をとりとめるが、贖罪も込めて最深部に引きこもる形で退場した。
この時内心では、自分たちが滅んだのは因果応報と悟っており、自身の復讐は既に意味を失っている事に気付きながらも、同胞の無念を晴らすためにも復讐の道を止まれなくなった事が語られている。

なお声を演じる桑島女史は『30』の参戦作品では『ガン×ソード』のウギャーことウェンディなども演じているが、そちらの新録は無く、ウェンディの出演する中断メッセージはライブラリの流用になっている。

保有兵器

基本的に「オルクスーラ・シリーズ」と呼ばれる量産型無人機動兵器群を主戦力としている。
オルクスーラ・シリーズは素体であるオルクスーラの背中に用途に合わせたオプションパーツを装備するカスタマイズを行う事が可能。
劇中ではカールレウムが率いており、素体のオルクスーラだけでも戦闘力は既存の地球の量産機を上回ることが語られている。
なお、このオルクスーラはHPと耐久値が登場時期の戦力に対して設定ミスとしか思えないくらい高く、本作の難易度を高くしてる元凶の一つでもある。
にも関わらず、機体の改造が一切出来ない状態の1話から出てくるという嫌がらせのような初登場までしてくる始末である。

オルクスーラ


分類:オルクスーラ・シリーズ
全長:58m
重量:245t

オルクスーラ・シリーズの素体と言える機体。
バイザー状のモノアイを有した頭部と、腕がない代わりに生えた大きな2本の脚部というずんぐりむっくりなデザインが特徴。
通常のオルクスーラは主に調査・偵察に使われる事が殆どで武装も最小限だが、高い機体性能により十分な脅威となりえる。
クエスターズが今まで接触した29の文明の内、8つの文明は通常のオルクスーラの出撃のみで滅亡、あるいは支配下に置かれている。
見かけに反して全高はコン・バトラーV以上とかなりデカい。

◇武装
  • カリディム・ラディウス
機体下部に装備されている2門のビーム砲からレーザーを放つ。
細身ながらも爆発力のありそうな戦闘アニメをしている。
後のオルクスーラシリーズにも搭載されている基本兵装。


オルクスーラ・イン


分類:オルクスーラ・シリーズ
全長:58m
重量:280t

オルクスーラの背部に2門の巨大なキャノン砲を装備させた砲撃戦特化型。
腕はなく、格闘戦用であるダンとの連携戦術を基本とする。

◇武装
  • カリディム・ラディウス
機体下部に装備されているビーム砲。

  • コーメテス・グロブス
背部の巨大なキャノン砲からビーム弾を2発発射し砲撃を行う。


オルクスーラ・ダン


分類:オルクスーラ・シリーズ
全長:58m
重量:285t

オルクスーラの背部に人間の腕を模した巨大な2本の腕部を装備させた格闘戦特化型。
砲撃戦用のインとの連携戦術を基本とする。
ゲーム序盤では指揮官機としても運用され、カールレウムが乗り込んでいた。

◇武装
  • カリディム・ラディウス
機体下部に装備されているビーム砲。

  • コーメテス・グラディス
両腕から型のビームの刃を計4本放出して背中のバーニアを吹いて敵に接近。
突進しつつ殴り飛ばすように剣型ビームで切り裂き斬撃と打撃を同時にぶつける。


オルクスーラ・ダイン


私の攻撃を披露しよう…!

分類:オルクスーラ・シリーズ
全長:58m
重量:330t
パイロット:カールレウム、クェーサー

オルクスーラの背部にダンの腕とインの大型砲を搭載した統合戦術機
ダンとインの長所を併せ持ち、それら2機を上回る性能を誇る。
戦闘では部隊に少数配備されて遊撃的に動いて両者の連携を繋ぐ役割を果たす。
クエスターズが今まで滅ぼした、あるいは支配下に置いた29の文明の内、ダインを導入したのは6つの文明だけに留まっている。
無人機ではなく本格的に有人機になるのもここから。基本はクェーサーが搭乗するが初期ではカールレウムも搭乗する。

◇武装
  • カリディム・ラディウス
  • コーメテス・グラディス
  • コーメテス・グロブス
上記と同一の技。全てダンとインの流用。


オルクスーラ・バング


許し難い屈辱…!ここで晴らす!

分類:オルクスーラ・シリーズ
全長:58m
重量:355t
パイロット:オルキダケア

ドライストレーガーのメインシステムに潜みクエスターズへの復讐のため潜伏していたオルキダケアが、ドライクロイツの面々の洗脳に失敗した結果逃走。
その後クエスターズに降ったことでオルキダケアに与えられたダインのカスタム機。
オルキダケアの意識を同機のシステムに移植しており、オルキダケアの新たな肉体も兼ねている。
一部に神文明エーオスの技術も導入されており、ダイン以上の性能を誇る。

……とここまではかなり仰々しい設定だが、「先生」の嫌がらせ意向から外見も武装も9割近くダインのまま。
一応頭部の形状が異なっており、一本角がついて目もツインアイに変更。機体下部の砲身もダインより伸びているが、違いはその程度でしかない。
性能的には技が一部変更された以外にも指揮系統中枢を完備している。

頭部が通常オルクスーラになった「オルクスーラ・ザング」も最終話付近で登場し、こちらはクェーサーが乗り込む。
ザングはクェーサーの搭乗を前提としており、自律システムで稼働する友軍機の指揮を執る。
見た目はダインと殆ど変わらないが、機体各部が強化されており、戦闘力はダインの130%を計測。
クエスターズが今まで滅ぼした、あるいは支配下に置いた29の文明の内、ザングまで導入したのは2つの文明だけに留まっている。

◇武装
  • コーメテス・グラディス
  • コーメテス・グロブス
上記と同一の技。

  • アエテルート・ラディウス
その生命、ここで摘む

オルクスーラの基本武器である「カリディム・ラディウス」の強化型。バング・ザングの最強武器。
機体下部の砲身からより強力になった金色のビームを放つ。バングの方はMAP兵器版も所持している。


グラヴァリン


新たな地球の王、グラヴァリン…!その威光を今ここに!

全長:45.3m
重量:291.5t
パイロット:カールレウム・ヴァウル
デザイン:大張正己
BGM:新たなる王

カールレウム・ヴァウルが搭乗する人型機動兵器。
地球を支配する「新たな地球の王」の証として開発され、「先生」によって王に選ばれたカールレウムのアイデンティティとも、彼の座る玉座とも言える機体。
頭部には王の証であることを意味するかの如く王冠のような意匠がある。
「単機で多数の敵を殲滅する」というコンセプトの下多彩な武装による圧倒的な攻撃力を持ち、量産型であるオルクスーラ・シリーズとは一線を画する性能を持つ。
高い戦闘能力に加えて指揮系統の中枢を担う機能を備えており、理論上では65535機のオルクスーラ・シリーズを同時にコントロールする事が可能。
その正体は、クエスターズが支配下に置いた惑星で「先生」が実行部隊の中で「王」として認定した者に与える「ヴァリン・シリーズ」の一つであり、本機は他のヴァリン・シリーズをはるかに上回る性能を有する。

外観は立派なバリメカだが、設定テキストやテクノロジーなどはグランゾンをリスペクトしたような機体であり、マサキに直球で突っ込まれる。

なお、BGM設定をいじらずに専用BGMを戦闘アニメで聴けるのは仲間になった際のみである。

ちなみに「ヴァリン」という名前が大張氏の名前から取られたかどうかは不明。

◇武装
  • リンク・インストラクター
両目から放たれるシンプルなビーム。

  • ヴァリアント・クラジエイター
両手と胸のクリスタル状のパーツにエネルギーを溜め、両手の掌から交互に緑色の高出力ビームを連射する。
MAP兵器版も存在。

  • グラヴィスフィア・カノン
見せてやろう、王の力を…!
勝利を我が手に!これがグラヴィスフィア・カノンだ!

王は全てを決する!

グラヴァリンの必殺技
両手で胸部装甲をこじ開け、剥き出しとなったクリスタル状のパーツから巨大な球体状の重力弾を生成し敵に発射。
命中した重力弾で敵を飲み込み、グラヴァリンが遠隔で握り潰す動作と共に重力球もろとも敵を圧縮し爆砕させる。
モーションはグランゾンのブラックホール・クラスターとズフィルードのジーベン・ゲバウトに類似。


エル・ミレニウムゼル・ビレニウム


愚劣な文明は淘汰すべき…

「先生」が古の宇宙から回収し、修理することで運用しているクエスターズの新兵器。
操縦は師父が担当する。
ただし、両者とも装甲値3500越えという真化融合無しではまともに戦えないインフレ性能を持っていたオリジナルと比べると、真化融合無しでも打倒できるため性能はオリジナルよりも下回っている。
詳細は御使いの項目を参照。















最終話ネタバレ













真実



宇宙を統治するためには他者を従わせる必要がある
だが、集団が集団を屈服させるのは結局は集団の利益の追求であり、それは利己的な行為だ
だからこそ、私は真理という純粋な正義の執行者となるためにあえて個という存在を選んだのだ

私は、神ではない。だが、唯一無二の到達者である私の意志こそが、真理であり、全てを決定するべきもの…
もう一度、言う…。私は断じて、神などではない。私は真理の探究者にて到達者…

それを独裁などという言葉で片づける事こそ、真理の障害…
そのためにクエスターズに属するすべては私個人の意のままに動かなくてはならない

その実態は「先生」の遺伝子から生み出された人工生命体(クローン)によって構成される集団。
実のところクエスターズという組織には多くのメンバーがいた。
しかし「同志達は真理の探究を行うには愚鈍で下劣な存在だった」という身勝手な理屈から、クエスターズの1人である「クエスター」は自身の仲間を抹殺。
自分1人になるまで仲間を殺した後は「自身の意志こそが絶対的な真理である」と身勝手な結論に到達すると、自らの遺伝子からクローンを造り出して己の部下とすることで組織を完全に一新。
生み出したクローン達に自分にとって都合のいい一方的な知識や価値観を刷り込むことで現在のクエスターズの体制を作り上げた。

組織名も「探究者達」という意味ではなく、「クエスターの集まり」という意味合いのある種のミスリードであった。


クエスター


そうだ。全ては私に帰結する
私こそが、クエスターズそのもの…つまり、クエスターだ

CV:置鮎龍太郎 氏が演じたスパロボオリキャラはこれで14人目となる。

「先生」を名乗っていた男の素顔にして正体。そして今作のラスボス。
素顔は声こそ違うものの、カールレウムと瓜二つの顔を持つ異星人。その年齢は何と300歳以上。
カールレウムやクェーサーは自分の思い通りの手足として動いてくれる駒としての価値しかなく、師夫の役目は自身の補助を行わせ、延命を補助するため臓器提供用のスペアに過ぎない。

理知的な言動と振る舞いを見せていたが、本性は「宇宙の管理者」を自負するカールレウム以上に傲岸不遜な性格。
そもそも彼の中では他者との協調や合議そのものを内心否定しており、基本的に上記の合議制や議論云々は自分が公平に判断していることをアピールするためのデモンストレーションでしかない。
自分の一方的な価値基準による判断を絶対と妄信しそれを他者に強要する独善の権化である。
「文明がより高度に発展していくためには、それを使う人もより聡明に賢明になる事が求められる。それが出来ない者は滅んで当然」という持論を掲げているが、
自分だけがその「聡明な人」に該当すると信じて疑っておらず、自分の価値基準で下した判断を遂行することと「私の義務」と断言。そして師父との結論ありきの問答や討議を「公正な審判」とまで嘯く。
またクエスターズを用いた異星侵略の動機も「宇宙を統治するためには他者を従わせる必要がある」という暴力的な答えによるものである。
部下であるカールレウムが初歩的なコミュニケーションを取る言葉すら知らないのも、彼の元で育ったからと言えよう。

結果クエスターの持論はドライクロイツの面々からはことごとく暴論扱いされて総スカンを食らった。
挙句その所業を「独裁」「文明を監視していたのは自分の立場が脅かされることを恐れたため」「目的はMAGINEを有する文明の排除または服従」などと糾弾されたが、クエスター自身は「真理を理解しえない者にはそのように映るのだろうな」と全く聞く耳を持っていない。
また自身の被造物であるクローン達の扱いはどこまで行っても道具であり、「意志も権利も自由も必要ない者達」と呼び彼らの意思や個々の尊厳といったものは一切認めていない。
そういった点でもコン・バトラー組やブレイブポリス、グリッドマンから痛烈に批判されている。

エゴイスティックな神文明エーオスを唾棄していたカールレウムから見るとクエスターの行為はエーオスを彷彿とさせる嫌悪の対象として見られており、クエスターズの真実を知った後はクエスターの所業を独裁と糾弾。
自分を騙していたことへの怒りも込めて「醜悪な男」と吐き捨てられている。
だがクエスターから見ても個人意志に目覚めたカールレウムの存在は自身の論理の絶対性を穢す存在でしかなく、カールレウムを抹殺対象と見做している。

…と、ここまでは独善的な頭でっかちのインテリキャラだが、導き出した最終的な宇宙を統べる真理が「力づくで反抗勢力を叩き潰して勝利する」という答えだった点などから、一部では脳筋疑惑が囁かれている。
またなんやかんやで自分を打ち負かした相手には敬意を払う事もある。
もしかしたら彼も最初はここまで腐ってはなかったのかもしれない。


アルティム・フィーニ


これこそがクエスターズの知の結晶…その名もアルティム・フィーニ…
どんな愚かな人間でも確実に理解できる絶対の真理…すなわち圧倒的な力の行使者…

全長:333m
重量:6900t
パイロット:クエスター
BGM:孤高の探究者、絶対の真理と共に

クエスターの乗機にして神文明エーオス打倒の為に開発されたクエスターズの決戦兵器。同時にクエスターのいた宇宙における「MAGINE」でもある。
クエスターの鎧を彷彿とさせるカラーリングに曲線的なフォルムが目立つ有機的なデザインの人型機動兵器であり、頭部の意匠は「先生」や師父達の被っている仮面のベースとなっている。
よく見ると顔には人間のような目もあり、モーションが生物チック*2なのも印象的。
内部にはクエスターズが集い合議を行う「審判の間」があり、クエスターズの本拠地中枢部も兼ねている。
まさにこの機体の存在自体がクエスターズそのものと言える。

高次元エネルギーを武装に転用する技術が使われており無尽蔵のエネルギーを確保、決戦兵器に相応しい高い戦闘能力を誇る。
また様々な文明のテクノロジーをフィードバックする機能を持っており、過去におけるエーオスとの戦いでは決戦時にエーオスの最終兵器を単独で撃破する活躍を果たしている。
しかし、エーオスとの決戦以降は実戦投入された事例はなく、よってエーオスを打倒しエーオスのテクノロジーを吸収した後は強化されることはなかった。
それらの経歴からカールレウムすら存在を知らなかったまさに秘密兵器である。

なお胸部の青いクリスタルや有機的なデザインから「外見がウルトラマンっぽい」と一部では噂される。
また、全長の割に重量がおかしい
T』のダイガイアンですら300m・7500tとおかしい数値になっていたが、更にデカくて軽い機体が出るとは誰が思っただろうか?
何で出来ているのか本当に問いただしたいところ。

◇武装
  • オムニ・ディールプト
ラスボス恒例となったMAP兵器
自機を中心に無数の光線のような高次元エネルギーを放出し、周囲の敵を殲滅する。
実は射程1が穴。
もっとも難易度の高いルートだと、マップ全体への割合ダメージ攻撃としても使用してくる。

  • アブソルート・ファクトム
見せてやろう、真理を…!
私は一つにして全…!我こそが唯一絶対…!クエスターだ!

アルティム・フィーニの通常武器兼必殺技
敵に向かってゆっくりと歩行しつつ、自身の周囲に3体の青い分身を形成し、分身が敵機に目がけて飛翔・突撃。
連携しながら蹴りも絡めたステゴロのラッシュを分身達が交互に叩き込み、最後はアルティム・フィーニ本体の体から放つ青いエネルギーの奔流によって敵機を焼き尽くす。
非常にシンプルかつ、「圧倒的な力で全てを決する」というクエスターの信じる真理をダイレクトに見せつける脳筋感満載の大技。
移動後使用可能の上に射程が1〜9、カウンター属性持ち、高威力高命中率を兼ね備えた非常に強力な技。逆を言えば射程10の武器があると一切反撃できないのがネック。
なので四方をひらめき持ちで囲って射程10以上の武器で殴れば一方的にボコボコにできる

技名はラテン語で直訳すると「絶対の真実(真理)」。ラスボスの最大技としては珍しくカットインが存在しない。
余談だがモーションを見た一部の人間から「モーションがバルタン星人っぽい」とか言われる場合もある。


結末

劇中ではクエスターズの影響で次元が歪み地球滅亡の危機が迫る中、地球に帰る手段がないことを知ってもなおクエスターズ打倒のため決死隊となってサブ・スペースに突入したドライクロイツと決戦。
己が真理と嘯く「力による勝利」を目論むが、ドライクロイツとの死闘の末に敗北。
「地球人類は一時の平和を取り戻しても再び同族で戦い合い滅びる」と断言するもドライクロイツの面々からはその事実を受け入れた上で、
「自分たちが死んだとしても必ず平和のために立ち上がる者が現れる」というミツバの戦いの中で見出した真理を突きつけクエスターの真理を拒絶する。
更に「クエスターは真理に到達できていないこと」「自身が真理と嘯く力のぶつけ合いで負けた」ことを突きつけられ狼狽。
そして最後は主人公が導き出した「生命そのもの*3が真理である」という、
エーオスと戦った仲間を捨てて思い上がりからの独裁を選んだが故に既に忘れ去っていたかもしれない結論を聴き、敗北を悟る。

生命が…真理…

私は…何も知らなかった…のか…

そしてミツバの「例え地球人が愚かな文明だったとしても未来への希望を信じて突き進み、少しずつでもできることを精一杯する」という人類の可能性を諭されたことで憑き物が落ちたような顔となり態度を変える。
最後は先ほどまでの悪役然とした態度で自身が古の宇宙に干渉したことで「古の宇宙」にいる敵が30の世界の地球に襲来することを宣言し、自身の真理を超えたドライクロイツの面々を30の世界の宇宙に送り返すと、クエスターはアルティム・フィーニ諸共消滅した。
なおカールレウムを生み出したのは、主人公から「仲間を捨てて独裁を選んだことへの慚愧から無意識に作ったものではないか」とも推察されている。

(地球人よ…。私が到達した答え以外の真理が存在しているというのなら…)

(それを見せて…みろ…。それが私の…真理の探究に全て懸けた者の最後の…願い………)






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最終更新:2025年02月26日 14:48

*1 矯正実行ルート

*2 通常の立ち絵が左手を腰に当てたポーズ、ダメージを受けた際は埃を払うように両手をはたく様な挙動

*3 具体的には人の持つ愛や夢、仲間との友情や絆、未来への希望、世界への愛を指す