ホグワーツ・レガシー

登録日:2023/04/08 Sat 22:30:00
更新日:2025/04/12 Sat 12:26:52
所要時間:約 41 分で読めます








LIVE THE UNWRITTEN



未知の運命、知られざる物語




Hogwarts Legacy(ホグワーツ・レガシー)とは、Avalanche Software開発のアクションロールプレイングゲーム。

販売元のPortkey Gamesは、今までJ.K.ローリングが描く「魔法ワールド」関連のスマートフォン向け作品を世に送り出してきたが、
コンシューマ向けの作品を展開するのは本作が初(過去作のハリポタゲームは全てスマートフォン向けか映画版権モノだった)。

PlayStation5、Xbox Series X|SおよびWindows(ストアはEpic Game StoreとSteam)向けに2023年2月10日に発売されたが、デラックスエディションには2023年2月7日からのアーリーアクセス権が付いていた。
その後、PlayStation4、Xbox One向けにも2023年5月に発売、延期に延期を重ねて、Nintendo Switch向けにも2023年11月に発売されている。

史上最強のブリティッシュファンタジーこと『ハリー・ポッター』シリーズの世界観を、オープンワールドかつ自分で作ったアバターで追体験できるということで、PV発表当時はかなり話題となった。


●目次


◆概要

1890年代のホグワーツ魔法魔術学校を舞台にした、全く新しいWizarding World(魔法ワールド)のオープンワールドゲーム。
5年生として異例の転入を果たした主人公が勉学に励みながら、外で巻き起こるゴブリンや密猟者たちと戦い、更には古代魔術にまつわる神秘的な出来事を体験していくというもの。

1890〜1891年というのは、『ハリー・ポッター』ファンタスティック・ビーストより更に古い時系列である。
どれくらいかというと、作中屈指の主要人物で最高齢であるアルバス・ダンブルドアの入学が1892年。
なのでハリー・ポッターを含む中心人物達は、当たり前だが殆ど登場しない。
ただし、ほとんど首なしニックや太った婦人、ピープズなど遥か過去からの幽霊キャラはちゃんと出てくる。

逆に言えば「ハリー・ポッターを読んだことは無いけど、雰囲気は何となく知っている」という人でも気軽に楽しめる作りになっている。
もしこのゲームを楽しめたのならば、これを機に原作小説を読んだり、映画シリーズを鑑賞してみるのも良いだろう。
もちろん知っている人ならば、聞き覚えのある人物名や地名、設定ほか、思わずニヤリとするようなセリフややりとりが随所にちりばめられている。

基本ハリー・ポッターのゲーム作品は、その学年に合わせたゲームが毎年作られていたものの、それらはハリー自身を操作するものが大半であり、
今回のように「ホグワーツのみならずホグズミードやその周辺の地理を散策できるオープンワールド」や、「自分のアバターを作って動かす」というのは初。
(闇の魔術も含めた)呪文を使っての戦闘や色々な授業の体験、箒に乗ってフィールドやホグワーツを自由に飛び回る等様々なことができるが、残念ながらクィディッチはできない
流石に何人もの魔法使いが激しい3次元移動を行うスポーツまで詰め込むのは厳しかったようである。
また、原作者のローリングは監修していない。

発売後、全世界累計販売本数1200万本、売上8.5億ドルをわずか2週間で達成しており、2023年5月には販売本数1500万本、売上10億ドルに達している。


◆ゲームシステム

●ワールドマップ

本作では大まかに分かれてホグワーツ「ホグズミード」と、その外部である「ハイランド地方*1の3つで構成されている。

ホグワーツは言わずと知れたイギリス魔法魔術学校
細部こそ違うが、時計塔や大広間、校長室をはじめとした各教室や黒い湖など、映画で印象に残るであろう間取りはこの頃から健在。

様々な小ネタや謎、地下室や別室が隠れているので探索していて飽きないが、大変複雑な構造で非常に迷いやすい。
なのでクエストなど指定ポイントへの道しるべを示す機能「魔法のコンパス」や、今作のファストトラベルシステム「煙突飛行粉」には終盤までお世話になる。
屋根上には乗れないが、箒などで上空を飛び回ることも可能。余裕ができたらホグワーツを望む周辺を飛び回るだけでも映画の雰囲気を十分楽しめる。

ホグズミードもまたハリポタ本編でお馴染みの、魔法使いのみが住む村落。
魔法薬や魔法植物、動物などの素材やレシピなど重要なアイテムを販売しており、さらにアロホモラを覚えれば様々な家の探索もできる。
また装備品の売買などもここでしか行えないので、後半でも割と頻繁に通うことになる。
ホグワーツとホグズミードは飛行不可能な地区。

そして本作のハイランド地方は、北西は禁じられた森から南東は海が見える山岳まで、かなり広いワールドマップとなっている。
箒や中盤以降で手に入るとある飛行動物を仲間にすれば、空を飛んで自由に飛び回れる。
広大なだけあり、様々なスポットが散在する。




●装備と才能

装備品は、戦闘や至る所にある宝箱などで簡単に増えていく。
帽子、メガネやフェイスマスク、マフラー、手袋、制服、マント・ローブの6種類で構成。レベルが上がるほど防御力・攻撃力の高い装備が手に入る。
そのため序盤は目まぐるしく装備は変わっていくが、一度手に入れた装備の外見は記録されて後で好きに変更することが可能なので、コーディネートについては心配ない。

逆にこれらは所持数限度がある上に数少ない金策なので、使わない古着はすべて売り払っても問題ない。
中には識別しなければ装備できない(代わりに最初から特性がついている)服もある他、自分より高レベルの装備はつけられない。
後述する必要の部屋を開放すれば、魔法動物の素材を使ってアップグレードや特性の付与も行えるように。
特性はチャレンジクリアや無法者の巣窟にある宝箱で追加される。

才能はレベルを一定数上げると選択可能になる、呪文やアイテム、ステルスほか様々なアクションの強化を行えるシステム。
スキルによってはレベル条件があるものの、ツリー形式ではないので(該当する呪文を覚えていれば)自由に取得できる。

ただし注意点として、レベルキャップは40、しかもスキルポイントの獲得はレベル5からとなる。つまりスキルポイント合計は36までとなり、キャップ解放やその他のポイント獲得はないのに対して、スキルの数は48個あるため、すべてのスキルを開放するのは不可能。
(振り直しに関してはアプデで追加されたが)最初から安易に選択していると、あらぬ後悔をすることになる。ご利用は計画的に。


●フィールドガイドやチャレンジ

各ワールドにはレベリオを使うことで「羊皮紙と羽ペン」の形をしたオブジェクト「フィールドガイド」が出現する。
これを取得すると「魔法ワールド」にて登場する小ネタやアイテム、地形などの説明コレクションが手に入る。
緻密に作られたハリーポッターの世界観や小ネタに触れられる上、微量に経験値も入るので初回はこれを集めて回るのも効果的。
劇中では説明がないが、近くにページがあるとレベリオを使った時に音が鳴るので、それを目印に周辺を探すと良い。

ほかにもメニュー画面には「チャレンジ」という項目もある。
上述したフィールドガイドの収集も含め、「クエストをこなす」、「特定の敵を数回倒す」、「ワールド中にあるギミックを数回クリアする」ことで特別な外見装備、装備品収納数や古代魔術ゲージ量アップなど様々な恩恵が受けられる。
なお、経験値は基本的にチャレンジの進行及びクリアでのみ獲得でき、チャレンジを制覇するとそれに関連する行為からはほぼ経験値を得られなくなる。
(例:「蜘蛛の敵を○体倒す」系統のチャレンジを全てクリアした場合、その後蜘蛛を倒しても経験値は獲得できない。)

レベルアップで直接上昇するのはHPだけで、攻撃力・防御力は上がったレベルに見合う装備を自分で用意する必要がある。
なお、敵の強さは自分のレベルに合わせてある程度まで上下する仕様(地域ごとに上限・下限はある)。


●必要の部屋

ホグワーツに存在する、その人が本当に欲しいと望むものが現れるという不思議な空間。
物語を進めることで、後々プレイヤーだけの「必要の部屋」を持つことができるようになる。
ここではゲーム中手に入れた家具や絵画、壁紙や床を好きにいじれるだけではなく、調合用のレシピと台を買えば自家栽培、調合も可能となっている。
また後述する魔法生物用の牧場も、ストーリーを進める毎に解放されていく。

装飾品の種類は豊富なので、内装を自分だけの好きな空間に塗り替えることが可能。おしゃれな像と絵画で彩るもよし、調合台や栽培台だけの作業空間にするも良し。
ただし家具を置くには「ムーンストーン」が必要。フィールドの至る所に生えているのでちょくちょく砕いて集めておきたい。


●魔法生物

蜘蛛や野犬などの敵対してくる生物もいるが、それらとは別に、魔法生物もいたるところに生息している(群生地はマップ上で動物の足跡のようなアイコンで表示される)。
序盤では特に干渉することはできないが、ディークから託される「魔法の捕獲袋」を使って魔法生物を捕獲(建前上は密猟者に狙われないための救助活動である←ここ重要)することが可能。

捕獲した生物は必要の部屋の牧場にて放し、エサや手入れをすることで生物特有の素材を落としてくれる。
この魔法生物の素材は、衣類に織り込むことで性能アップや固有スキルを別個に付与させるのに使う。
またたくさん捕獲して持て余し気味になった場合は、ホグズミードの専門店にて買取も行ってくれる。

ストーリーを進めると、保護した魔法生物の繁殖もできるようになり、各生物の子供を愛でることが可能。

この作品、実は売却できるのが装備と魔法生物だけで素材を売ることは不可能。
なので金に困った場合は、簡単に捕まえられるパフスケインを乱獲して売り払うのが手っ取り早く稼げたりする。
それは密猟なのではって?いいえ保護です。


●魔法植物と魔法薬

ホグワーツの授業の中には、当然呪文だけではなく飛行訓練や魔法生物飼育学、そして魔法薬学や薬草学なども含まれている。
中でも魔法薬は『謎のプリンス』にも出てきた「幸運の液体(フェリックスフェリシス)」や、ハリポタゲームでおなじみ体力を回復する「ウィゲンウェルド薬」、呪文の火力を上げる「マキシマ薬」や姿を消す「透明薬」等、様々な薬品が登場する。
調合用の素材を集める必要があるが、製作すれば戦闘時の助けになる。

魔法植物では原作小説から出てきているマンドレイク/マンドラゴラや、今作初登場の噛み噛み白菜など。
これも専用の種と栽培台があれば自分で育成が可能。
特に噛み噛み白菜は、強化スキルを取ると強敵すら一方的に数の暴力で屠り倒す凶悪野菜と化す。


●戦闘

勿論プレイヤーも魔法使いのなので、杖を使った戦闘が中心となる。
基本はR2ボタンを使った基礎呪文による攻撃になるが、物語を進めることで様々な呪文や“古代魔術”を使用することが可能。
更に目くらまし術を取得すれば背後からのステルスキルも使えるように。

その代わり一部のストーリーを除き1対多の戦闘が当たり前となる。
中盤以降の強敵はどいつもこいつもプロテゴを展開するため、単調な攻撃はまず通じない。
相手のプロテゴを破壊する場合、その色と同じ分類の呪文をぶつけると、一時的に解除させられる。
一方で相手が攻撃してくるときは頭の上に魔方陣のマークがでるため、不意打ちを受ける可能性は低くなっている。
プロテゴで弾ける攻撃は黄色の魔法陣、防げない攻撃は赤い魔法陣が表示される。

また、敵の半数には、攻撃の動作中といったタイミングで対応する呪文を唱えると大きなカウンターダメージを与えることもできる(弱点の呪文はコレクションや決闘の試練:戦闘毎のランダム目標で示唆される)。

体力が少なくなった場合、ウィゲンウェルド薬を飲むか戦闘から離れると自然回復する。

以下、主に使うであろう呪文を簡単に紹介

〇呪文(Spell / Charm / Jinx)

  • Revelio(レベリオ)(現れよ)
おそらくゲーム中数百回は軽く唱えるであろう呪文。分類も基本アクション扱いの「必須呪文」で、十字ボタン左を専用キーとして割り当てられている。
ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』にてニュート・スキャマンダーがゲラート・グリンデルバルドの正体を暴いたように、本来は目に見えない物体や通路、変装呪文を見破る呪文であるが、
今作においてはUBIオープンワールドによくある機能の如くギミックやアイテム、敵の位置を割り出すサーチ魔法という役回り。
青色はギミック、緑色はアイテムや宝箱、赤色は敵という風に色分けもしてくれるイーグルビジョン仕様。

このため謎解き探しから敵位置の補足など、平時でも戦闘でも応用の効く汎用呪文となっている。
空中ではこれに加え、遠い位置に何があるかをアイコンで補足もしてくれる。
ちなみに呪文で隠ぺいしたものを暴く呪文に「Aparecium(アパレシウム)(現れよ)」があるがこちらは未実装。ややこしいからか。

  • Protego(プロテゴ)(護れ)
ハリポタ本編でも多用された防御呪文。こちらは△/Yボタン一つでいつでも発動可能なガード/パリィ行動。
相手の攻撃を防ぐバリアを展開するが、プレイヤーは長時間の維持は不可能。
敵の呪文に対してプロテゴによる防御が成功した場合、そのままボタン長押しでStupefy(ステューピファイ) (麻痺せよ)によるカウンターを放ち、相手を一時的に行動不可能にさせられる。
タイミングピッタリのいわゆるジャストパリィなら、直接ダメージを跳ね返すこともできる。

これ関連の才能スキルは複数あり、ジャストパリィ時やステューピファイの効力などをアップさせられる。
が、Reducto(レダクト)(粉々)やトロールのこん棒など、中盤からガード&パリィ不可の攻撃がかなり増えてくるため、人によっては取らない候補に挙げられることもある。

原作ではハリーが4年目の三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)に向けて練習するも、ハーマイオニー・グレンジャーに破られる未修得状態であった。
その後、翌年のDAでは課題に設定できるほどに上達している。
本作主人公はフィグ先生から独自に教えられた模様*3
ちなみに魔法省でもできない者が多い高度な呪文なのだが*4、本作では敵にプロテゴを張り続けたまま攻撃してくる熟達者が多い。
まあ密猟者の中には動物もどきになれる者もいるので、この時代の魔法使いは全体的にレベルが高いのだろうが…。

  • Lumos(ルーモス)(光よ)
杖先に光を灯す呪文。分類は薄水色(万能)。
暗い洞窟や地下室を探索するケースは多いので、必然この呪文の使用回数も多い。
また悪魔の罠(有害な黒い触手状の植物)を除けたり、魔法の蝶々を誘導するときにも使う。主にギミックの解除用である。
当然だが戦闘時には役には立たない。だが動けない相手を煽ることはできる。煽ルーモス。

  • Levioso(レヴィオーソ)(浮遊せよ)
闇の魔術に対する防衛術として最初に教わる呪文。分類は黄色(制御)。
対象をただ浮かせるだけの呪文能力だが、へキャット先生が「数多くの窮地を救ってくれた」と推すだけあって効きさえすれば拘束力は非常に高い。
クールタイムも、ほかの黄色の呪文と比べると比較的短いうえに、才能で伸ばせば複数の相手を同時に浮かせられる。序盤でこの呪文に助けられたプレイヤーも多いことだろう。

なお、ハリーたちが1年次に習った、物体を浮かせたうえで操るWingardium Leviosa(ウィンガーディアム レヴィオーサ)(浮遊せよ)も後々習得できる。
その時のガーリック先生のセリフを見るに、こちらが浮遊関連で一番の基礎呪文である可能性が高い。
ただし後述するアクシオなども含め、トロールや女王蜘蛛のような巨大な相手には制御・強制系の呪文の多くが無効となる。

Harry Potter Official Siteでは杖で対象を直接たたく必要があるとのことだが、今作では普通に遠距離で使えている。

  • Accio(アクシオ)(来い)
物体を呼び寄せるチャーム。分類は紫色(強制)。呪文学にて教わる呪文。
敵が紫色のプロテゴを張った場合、これを使えば破壊しながらこちらに呼び寄せることも可能。
謎解きでも「足場を引き寄せる」、「遠くにあるレバーを引く」、「石棺を開ける」などで利用する場面は多い。
また物体を呼び寄せた場合、長押しでそのまま「ウィンガーディアム レヴィオーサ」へと派生する(もちろん習得済みの場合のみ)。

だが、それ以上に今作では「引き寄せる」ことの利便性と凶悪性が発覚。
「崖際の上から、下にいる敵を釣り上げて落下死させる」、「爆弾などの遮蔽物を挟んで呼び寄せることで物体へぶつけにいかせる」、「倒れた相手をさらに呼び寄せて追撃する」、「姿くらましと別の攻撃呪文を併用して、一人一人誘拐して各個撃破する」といった外道戦法をとれるように。
このため、その場の発想次第でいくらでも使いようがある、ある種戦術の幅を広げる呪文といっても過言ではない性能となっている。
「遊びも必要」と語ったローネン先生はこの使い方を見て何を思うのか……

原作では『炎のゴブレット』で登場した4年生の授業で習う呪文。
なおハリーは修得に少々手こずっており、授業中に修得できず追加練習の課題を出されている。
練習を重ねて三大魔法学校対抗試合の第一課題までには無事修得し、見事に愛用の箒ファイアボルトを呼び寄せた。
作品終盤に復活したヴォルデモートから逃げるために移動(ポート)キーと化した三大魔法学校対抗試合(トライウィザード・トーナメント)の優勝杯を呼び寄せる時に使った呪文として、印象に残った読者・視聴者は多いことだろう。

余談だが、これとレヴィオーソは「人物には効かないが、相手の着ている衣服にかけることで疑似的に再現している」という設定があったりする。
さらに余談だが、英語の発音だと「アッキオ」が正しいそうな。

  • Depulso(デパルソ)(除け)
アクシオとは反対に相手を吹き飛ばす呪文。同じく分類は紫色。
呪文自体に火力は無いが、突進中の野犬に仕掛けた場合のみ直接カウンターダメージが入る他、「崖際の相手をこの呪文で転落させる」、「別の敵にぶつけてダメージを与える」といった形で活躍する。
取り巻きを呼ぶタイプの大ボスが相手の場合、雑魚をぶつけて大物を消耗させる戦い方もできるため柔軟に活用したい。
ほかにも遠くにあるスイッチを押す、邪魔な石壁を破壊する、風車を力付くで回すなどでも出番がある。

ホグワーツのとある場所にはその名もズバリ「デパルソのパズル部屋」という隠し部屋があり、内部では大量のブロックをデパルソで移動させながら道を作っていく。
隣り合ったブロックはそれ以降常にくっついて移動するなど仕様が複雑で、部屋も広い3次元構造なので本作でも屈指の難易度を誇るパズルである。
ただ、どっちかというとデパルソよりアクシオの方を多く使うかも。

  • Incendio(インセンディオ)(燃えよ)
火を放つ呪文。分類は赤色(攻撃)。原作では主に暖炉の火起こしに使用。
比較的高火力でクールタイムも早いが、この呪文だけ射程がとにかく短い。
ほぼ近距離相手にしか機能しないので遠くから攻撃してくる相手には通用しない。
なので活用する場合は、アクシオで呼び寄せるか自分から才能「敏速」などを使って近づく必要がある。
才能「インセンディオの熟達」で自身の周囲も炎で焼き払うようにするので、多少集団戦にも対応できるようにはなるが。

一方で亡者や蜘蛛など、火を苦手とする敵もそれなりにいるのでそういう手合いには重宝する。
特に亡者は炎ダメージを与えるまで無敵状態なのでこれかConfringo(コンフリンゴ)(爆発せよ)が必須。
邪魔な蜘蛛の巣を焼き払ったり、松明に火をつけたり悪魔の罠を一時的に追い払ったりと戦闘以外でもそこそこ使用する。

  • Glacius(グレイシアス)(氷河となれ)
対象を凍らせる呪文。こちらの射程は短いということはない。分類は黄色。
凍った相手は一時的に行動不能になる上、受けるダメージを増加させる効果もある。
これ→インセンディオの連携は、序盤で覚える呪文では貴重な高火力コンボ。

忘れがちだが、間違った松明を消すのもこの呪文になる。
ちなみに拘束効果は魔法動物に対しても有効で、レヴィオーソよりも効果時間が長いため密猟捕獲に際して多用することになる呪文でもある。

  • Expelliarmus(エクスペリアームス)(武器よ去れ)
ハリーも愛用した武装解除呪文。分類は赤色。
単純にダメージを与えることもできるが、魔法使いや武器持ちのゴブリンなどに当てると武器をふっとばして攻撃手段を奪うことができる。
攻撃できなくなった相手は、当然ながら武器を拾いに行く/再度呼び出すまで攻撃してこなくなる。
熟達才能は用意されていないが、代わりに才能「古代魔術の投てきの専門知識」が対応しており、一部の奪った武器を古代魔術によって直に投げ返す事もできる。

  • 変身術
自分ではなく、相手を別の動物に変えてしまう呪文。分類は黄色。
当たればほぼ相手を無力化できるが、大きい動物などには効果がない。
またクールタイムは比較的長いのが欠点。

しかし才能を伸ばし「変身術の熟達」を覚えると性能が一変。
相手を爆発物に変え、すぐに古代魔術でそれを別の相手に投げつけるという殺意の塊のような効率戦法が可能となる。
勿論爆弾になった相手はそのまま確殺。
また、宝物庫のとあるギミックでも使うこともある。

  • 目くらまし術
自分の姿を認識させにくくする呪文。分類は薄水色。
原作さながらに、監督生の目をかいくぐる時や敵に隠れて移動する時などで重宝する呪文。
二段階の才能「気配消し」により、真正面から立たなければまず気付かれないくらい性能が向上する。

これによって相手に気づかれずに接近すれば「Petrificus Totalus(ペトリフィカス トタルス)(石になれ)」によるステルスアタックを仕掛けられる。
ただし大ダメージを与える仕様で確殺ではないので、レベルが高い相手だと耐えられてしまうことも。
才能「ペトリフィカス・トタルスの熟達」を得ると、意外なまでに範囲が広がり、ある程度の距離の取り巻きもまとめて石化できるようになる。


〇古代魔術

呪文とは別個に備えている、主人公の特殊スキル。体力上にある青い魔力ゲージを消費する。
ゲージが溜まっている状態でLとRを同時押しすると、ターゲットしている敵に対して古代魔術を用いた必殺技で大ダメージを与える。プロテゴも無視するのでかなり強力。

これでとどめを刺したときの内容は敵によって異なり、
  • トロールの棍棒を操作して頭にぶつけさせる
  • 上空から雷を浴びせる
  • 全く別の生物に変身させる(永続)
  • 敵を宙に浮かせて何度も何度も地面にたたきつける
  • クモを小さくして踏みつぶす
  • 閃光を放って相手を消滅させる
などなど。下へ行くほど殺意が高い。

魔力ゲージは体力と違い自然回復しないが、コンボを途切れさせずに連続攻撃することで、魔力(と体力)を回復する雫が戦闘中に手に入る。
体力回復に余裕を持たせたいのであればゲージを溢れさせず1マス空けておくとちょっとお得。
魔力ゲージは最初は2つだが、古代魔術の痕跡を辿ることで増やすことが可能。

また、周囲にタルや箱、爆薬タルなどのオブジェクトがあった場合、それを敵に向かって投擲することもできる。
こちらは魔力ゲージを消費せずにプロテゴを破ることができるので、積極的に使っていきたい所。



◆登場人物

●ホグワーツ学生

  • 主人公(Unidentified student
プレイヤーが操作するキャラクター。ゲームを始める前に自分で好きなキャラメイクをすることができる。
性別は勿論、肌や髪、瞳の色や形、そばかすの有無など細かく決められる。ちゃんとハーマイオニーヘアーもあるぞ!
ゲームを進めることで、更に入る寮や杖の材質、長さ、芯の中身まで決められる。
髪の色や顔の形などは後で変えることも可能だが、当然ながら名前や杖(ただし取っ手の部分は自由に変更可能)、寮などは後から変更は不可。
上述したように、いきなり5年からの入学生という形でホグワーツに入ることになる。

“古代魔術”という不可思議な力を秘めており、そのせいで荒くれのゴブリン達を束ねる長ランロクやその取り巻き連中に狙われることに。
そんな中過去同じ力を持った守護者たちと出会い、そこで彼らの試練を受けながら心身ともに成長をしていくこととなる。

アバターなので仕方ないのだろうが、防衛術や呪文学を始めとした呪文全般のみならず、魔法薬学、薬草学果ては飛行訓練に至るまで、どの分野でも成果を残す秀才。
もちろん魔法生物に対してもヒッポグリフに始まり不死鳥まで、ありとあらゆる生物と心を通わせる。
歴史学では流石に舟をこいでいたけどね……。

最終的にやった功績や実力を見れば蛙チョコレートに載ってもおかしくない実力者となるが、その功績は完全に後世の人々から忘れさられている。
一説には「暴れすぎて歴史から抹消されたのではないか」とも。
最終決戦前のやりとりで、闇堕ち示唆ルートも実は用意されている。

余談だが、主人公はアルバス・ダンブルドアの6学年上にあたる。今作の2年後、順当なら7年生であろう主人公が新入生のダンブルドアと何らかの関わりを持ったのか否かは全くの謎。

  • ナツァイ・オナイ(Natsai Onai
アフリカ、ジンバブエのマタブルランド育ちの黒人女性の生徒。主人公とは同学年で、グリフィンドール生。
ワガドゥーという別の魔法学校*5に通っていたが、紆余曲折を経てホグワーツへ転入してきた。
母のムディワ・オナイは、ホグワーツで占い学を務めている。

グリフィンドールらしい勇猛果敢で強い正義感の持ち主で、ビクトール・ルックウッド率いる密猟集団を許せず、時に独自調査しようとするほど。
しかしその裏では、父を亡くしたトラウマと転校せざるをえなかった過去が見え隠れしており、それが原因で危なっかしい行動も垣間見せる。
実はガゼルの動物もどき。ホグワーツだと危険ということで教えることに消極的だが、ワガドゥーだと普通に教えているとのこと。

  • セバスチャン・サロウ(Sebastian Sallow
スコットランド出身の魔法使いで、決闘では周囲からも一目置かれるほどの実力者。スリザリン生。
両親は子供のころに死別し、今は妹のアンと共に叔父のソロモンに引き取られている。
しかしソロモンとの仲はかなり険悪。

初登場時こそニヒルな面を見せたが、本質は友情と義理を硬く重んじるナイスガイ。
後述するオミニスと共に、原作では嫌なやつしかいなかったスリザリン生の株を一手に上げる存在である。
特に妹のアンの事は凄く気にかけているが、彼女が不治の呪いを受けて以降は、四方八方手を尽くして治療法はないか、主人公と共に奔走する。
そこで触れてはいけない闇の魔術に手を伸ばすようになり、遂には……

ちなみに今作では許されざる呪文は彼から学ぶのだが、ルートを誤ると永遠に取得できなくなるので注意。

  • ポピー・スウィーティング(Poppy Sweeting
小柄でブラウン髪の女の子。ハッフルパフ生。
魔法動物をこよなく愛する優しい性格だが、周囲からは「変人」呼ばわりされいじられている。
ナツァイ同様、魔法動物を捕まえ殺し売りさばく密猟者は嫌悪しており、主人公とともに度々危ない橋を渡ることに。
その過程でドラゴンやケンタウロスとも積極的に対話を試みようとする、意志の強さも持ち合わせている。
しかしその義憤は、実は親の職業とも関係しており……

  • オミニス・ゴーント(Ominis Gaunt
セバスチャンの親友であるスリザリン生。彼と主人公のためにしばしば協力を強いられる作中屈指の苦労人枠。
生まれつき盲目であるためか、彼の瞳は白濁色で染まっており、「ほぼ知覚のある」杖でそれを補っている。
かのサラザール・スリザリンの末裔であり、蛇語使い(パーセルタング)でもあるが、家族からの"英才教育"*6による罪悪感で、悲観的でやや人間不信な性格になり、闇の魔術に関してかなりの忌避感を示すようになった。

ゴーント家は全魔法族の中でも特に過激な純血主義・マグル差別主義で知られるが、その中にあってオミニスと彼の叔母ノクチュアは例外ともいえる精神性を持っている。*7
本作の時点では名家としての影響力・財力はまだ健在だったようだが、そう遠くない未来には没落して家族は浮浪者のような生活を送ることになってしまう。

なお、ゴーント家は純血を保つために近親婚を繰り返した結果、身体・精神障碍が多い子供が生まれ、最後は断絶したという設定がある。オミニスの盲目もおそらくはそれに起因している。
そして最後の娘メローピーを経て例のあの人を産み落とすこととなる。

  • ギャレス・ウィーズリー(Garreth Weasley
赤毛にそばかすの少年。名字の通りウィーズリー家であり、副校長とは叔母と甥の関係に当たる。寮は勿論グリフィンドール。
魔法薬の実験が趣味であり、度々周りを巻き込んでは叔母やシャープ先生に叱られている模様。
主人公に対しても、しれっと(シャープ先生の個室やハニーデュークスの地下室から)調合素材を取ってきてほしいと頼んできたりする。
良くも悪くもかなりマイペースな性格。

  • イメルダ・レイエス(Imelda Reyes
茶髪を束ねたスリザリン生。父はスリザリンのクィディッチ・チームでチェイサーを務めていたという。
箒によるレースに誰よりも強いこだわりを見せており、その飛行技術に関しては周囲からも一目置かれている。
しかしその飛び方は、スピントゥイッチーズ・スポーツ用品店の店主をして「独特過ぎて箒自体の性能の参考にならない」という程らしい。
またかなり傲岸不遜な人物であるが、それは飛行による妥協を一切しない精神の裏返しでもあり、実際レースに勝つことで主人公への評価をきちんと変えていく。

彼女とのレースに勝つことで箒の性能がアップグレードするので、箒を活用するのなら率先して進めたい所。

  • アミット・タッカー(Amit Thakkar
歴史家になることを夢見る少年。レイブンクロー生。
天体観測をこよなく愛しており、最新の望遠鏡でいつも星を覗いている。

彼から望遠鏡を受け取れば、「チャレンジ」の一つである星見台が解禁される。
夜中に特定の場所で星を観察し、星図を作ると特別な外見装備が入手できるように。

またゴブリディグック語を読める生徒だったため、後々主人公と行動を共にすることに。好奇心はそれなりだが暗闇でビビるなど余り実戦慣れしていない。まあそれが普通なのだろうが。
ちなみに当のゴブリディグック語の発音に関しては、ゴブリンのロドゴクにすら酷評されていた。


●ホグワーツ教師陣

  • エリエザー・フィグ(Eleazar Fig
ホグワーツの魔法理論教授。かつてはグリフィンドール生だった。
ブラック校長に頼まれ主人公の入学手続きを一緒に行う道中、主人公と共にいきなりドラゴンに襲われる。
その後のグリンゴッツ銀行でのやり取りを経て、古代魔術にまつわる不思議な体験をすることになる。
実は妻ミリアムも古代魔術に関する調査で命を落としており、そのカギとなりうる主人公を積極的にサポートするように。

かなりの老齢だが、魔法に関する技術や練度は凄まじく高い。序盤でドラゴンに襲われた際には、杖を使わずに呼び寄せ呪文を唱えている。
更に未知の部類である古代魔術に関しても、積極的に理解しようとする柔軟性も持ち合わせる。
作中では、彼の授業を受けることはできない。しかしできうる限りの立場で正しく主人公を導こうとする清廉な人物。

余談だが、原作本編に登場する近所のおばさんはFiggなので確実に無関係。

  • フィニアス・ナイジェラス・ブラック(Phineas Nigellus Black)
当時のホグワーツ校長。ハリポタ本編でも肖像画にて登場している。

外見こそ映画版でシリウス・ブラックを演じたゲイリー・オールドマン似のナイスミドルなのだが、全体的に自己保身、事なかれ主義が目立つ。
そして純血を是とするブラック家の生まれなので当然ながらマグル・混血差別主義者でもあり、それを(遠回しな皮肉を交えてではあるが)隠そうともしない。
主人公の突然の転校手続きや遅れての登校などにも内心(面倒だからか)快くは思っていない様子。

更に純血の選手がケガをしたという理由で今作のクィディッチを中止にした張本人。これには生徒どころか教師陣、果てはホグズミードの住人にまで総スカンを食らっている。
実際飛行訓練担当のマダム・コガワとはそれをめぐって論争しているが、かたくなに変えようとはしない(ただしこの時はポリジュース薬で校長に化けた主人公が演じていたのだが)ため、「頭が固い」と面と言われる始末。
その他、終盤の演説でも、身内の名前すらろくに覚えられないグダグダっぷりを披露する。

そういうわけで悪人ではないにも関わらず、子孫のシリウスが「歴代一不人気な校長だった」と評するのも納得の御仁。
なお彼が亡くなるのは1925年。

  • マチルダ・ウィーズリー(Matilda Weasley
ホグワーツ副校長で変身学の担任も受け持つ。主人公にホグワーツ入学許可証を送ったのも彼女。
学生のギャレスとは叔母と甥の関係である。若いころは当然グリフィンドール寮で、台詞からおそらく寮監も務めている。
校長がこのザマであるためか、ホグワーツでの主要な演説や締めは実質彼女が取り仕切っている。また各先生のスカウトも行っている様子。
しもべ妖精のディークとは学生時代に出会って以降、現在まで親密な関係を築いている。

主人公に対しても必要の部屋を教えたり、他の生徒に遅れないよう課外授業を課したりと優しく差配するできた先生だが、厳しいところはやはり厳しい。
特に主人公が学校をおっぽり出して冒険から帰ってこない、危険な悪党と戦っている、門限を守らない等といった点には、面とは言わないものの校長にも苦言を呈すほど。心中お察しします…。
また直感も鋭く、「主人公がフィグ教授と内緒で何か危険なことをしている」というのをほぼ察しており…。

  • ダイナ・へキャット(Dinah Hecat
闇の魔術に対する防衛術の教師。かつてはレイブンクロー生で首席だった。
容姿こそ腰が少し曲がった老婆だが、その実たった一人でウェールズ東部最大の密猟集団を壊滅させたガチガチの武闘派。
特にレヴィオーソの呪文を得意としており、「幾多もの窮地を救われた」と言わしめるほど信を置いている。
ちなみにフィニアスとはかつての学友でもある。彼以上に老けているのは昔神秘部で勤めていた経歴が関係している様子。
ちなみに、闇の魔術に対する防衛術と言えば「1年交代のジンクス」があるが、これは例のあの人が就職をお祈りされて以降の呪いの結果なのでこの先生がいなくなることはない。
ただ、本編設定を見る限り引退はそう遠い未来ではない模様。

  • エイブラハム・ローネン(Abraham Ronen
おおらかな性格をした呪文学の教師。アクシオは彼から教わる。実はスリザリン生だった。
学生生活の経験からか、授業では座学だけではなく「遊び」で学ばせることを信条とする。特にゴブストーンが好きという。
彼の考案した「アクシオの玉寄せゲーム」は、サイドクエストの一つにもなっている。

  • ミラベル・ガーリック(Mirabel Garlick
魔法薬草学の先生。花の輪で編み込んだ帽子と三つ編みポニーテールが特徴。
元はハッフルパフ生で、マグル生まれの魔女。
学生時代から薬草学科で優秀だったようであり、トロフィー室では彼女のメダルも飾られている。
植物も好きだが、それ以上に生徒の才能を花開かせることに楽しみを見出す朗らかな性格。
美人なこともあってか学生人気も高い。

他の教師陣と比べると比較的年若いが、これは先任の教師が魔法植物を粗雑に扱った結果聖マンゴ病院を行き来する羽目になったのが原因。
当時は代理で勤めていたのが、先任が辞めてしまったのを期にそのまま教師の座に収まったという。

  • イソップ・シャープ(Aesop sharp
魔法薬学の先生。元闇祓いで、スリザリン出身。
顔と足に大きな傷を負っている(歩くときにびっこを引いている)のが特徴。
これは前職で干し首密猟を当時の相棒と共に摘発しようとした際、待ち伏せを貰って負ったもの。これによって相棒も死に、さらには事件後に魔法省からもはしごを外されたために闇祓いを引退。ホグワーツの魔法薬学の教師になる。

性格は良くも悪くも厳格で寡黙。そのため生徒からの受けはあんまりよくない模様。
違反をすれば厳しく叱り、でもほめるべき点はきちんと伸ばす。ぶっちゃけ(程度は違えど)えこひいきを連発している後輩達に比べれば十分立派な教師をしている。
また課外授業ではデパルソ、ディセンドといった魔法を教えてくれる。

ボロボロの体なのが察せられる身の上だが、終盤でもある場面で大立ち回りを演じる。

  • チヨ・コガワ(Chiyo Kogawa
飛行訓練の先生。
その名前や、授業で「トヨハシ・テング*8」の名を出したこと、更にはウィーズリー副校長への手紙を見るに、おそらく初登場となるであろう日本、そしてマホウトコロ*9出身の魔女。
もちろんクィディッチをこよなく愛しており、若いころはテストも受けたようだが様々な境遇が重なり断念。
けじめとして箒を燃やし、その後紆余曲折を経てホグワーツにスカウトされたという過去を持つ。

またクィディッチを中止にしたブラック校長とは度々口論を起こしている模様。

  • ムディワ・オナイ(Mudiwa Onai
占い学の先生で、ナツァイの母親。彼女のことは「可愛いガゼル」と呼んでいる。
水晶を用いた占い師でもあり、ある程度の未来を見据える力も持っている。
ホグワーツに転勤することまでは見通せていたようだが、愛していた夫の死までは見えなかったため、残された一人娘のことは心から案じている。
アフリカの魚「ワシ」の動物もどきだが、夫の死と共に変身を封印している。

  • グラドウィン・ムン(Gladwin Moon
当時のホグワーツの管理人。いわゆるアーガス・フィルチのポジションだが、彼と違ってスクイブではない。韓国育ち。
魔法生物のデミガイズを異様に恐れており、それを模した像がホグワーツどころかハイランド地方全部に置かれたため主人公に回収してきてほしいと頼んでくる。
代わりにドアや扉の鍵を開ける「アロホモラ」の呪文を教えてくれる。回収した数に応じて開錠できるレベルが上がるので、探索好きなら積極的に集めたい。
なお「デミガイズの像」は夜にならないと回収できない点は注意。このせいでデミガイズを見つけるとその場で寝だす生徒が続出した。

ちなみにこうなった経緯については、割と自業自得だったりする。


●その他

  • ディーク(Deek
ホグワーツの屋敷しもべ妖精。ウィーズリー副校長とは学生時代からの友人。
彼女の頼みで、主人公に必要の部屋の案内及び管理を任される。
魔法生物関連のクエストやチュートリアルも主に彼が担当。クエストを進めると「捕獲袋」を主人公に託してくれる。

一方でホグワーツで働く前の主人が、不死鳥を密猟しようとして事故死した際、自罰中で*10助けに行かなかったことを悔いていたり、その時の友人であるトブスと離れ離れになったりと、かなり悲惨な過去を抱えている。

  • シローナ・ライアン(Sirona Ryan
ホグズミードのパブ「三本の箒」の店主。初登場時は主人公にバタービールをお出ししてくれる。
勇敢な性格でもあり、密猟集団の長ビクトール・ルックウッドが直に訪れた際も凛とした姿勢で立ち向かったことも。
ほかゴブリンであるロドゴクとも友好的な関係を築けていたりと、顔は広い。

ちなみに学生時代はガーリック先生と友人であることが手紙で明かされる。その時はレイブンクロー生だった。
またクィディッチでシーカーを3年務めていたとか。

実はトランスジェンダーの魔女なのだが、言語を日本語にしていると女性声優が吹替を担当しているためなかなか気づけない。
英語にすると設定通り男性声優の声を聞くことができる。

  • ロドゴク(Lodgok
ホグズミードに住む、引退した金属商人。ゴブリンだが、ランロクとは現在手を切っている様子。
人に対しては不信感を抱えているものの、シローナとは友好的であったりと敵意までは持ち合わせていない。
ある目的のため、ランロクも求める「アートコットの兜」を探しており、それを使ってランロク接近の足掛かりにするが…。

  • ペニー(Penny
PS5版で先行配信されていたサイドクエスト「勝手なビジネス」にて登場するしもべ妖精。
ホグズミードにある店を売り出しており、主人公に購入しないかと検討してくる。
実際、クエストを進めると店を丸ごと買い取ることができるのだが、うまい話には裏があり…。
口止めされていることまで言いすぎると、大きく息を吸って止める癖がある。

クリアすると、装備品を1割高く買い取ってくれるようになる。


●守護者

主人公と同じ素質を持ったパーシバル・ラッカムを中心とした、古代魔術の秘密を守ることを使命とする数百年前の魔法使い達。全員当時のホグワーツの教授。
自分達でも制御しきれなかった力が邪な者の手に渡らないように、また新たな素質を持った者が正しい道を進むように古代魔術の試練を遺した。
故人だが肖像画として主人公をサポートしてくれる。
何気にグリフィンドール関係者がいない
正義と騎士道是として(主人公の寮やって)りゃいいってもんじゃねぇという証左かもしれない。

  • パーシバル・ラッカム(Percival Rackham
立派な顎ひげを蓄えた古代魔術の使い手の一人。
守護者陣のリーダー格で、教師時代は占い学を教えていた。寮はハッフルパフ。
彼もまた、主人公や後述するイシドーラ同様、5年生でホグワーツに入学した組でもある。
他の守護者と共に試練の間を作り上げた後は、自身の記憶をペンシーブに収め、託す者が現れるまで古代魔術の存在を秘匿した。
最初に主人公たちと接触をはかり、彼(彼女)に最初の試練を課す。

  • チャールズ・ルックウッド(Charles Rookwood
パーシバルと共に最初のペンシーブにて登場した古代の魔法使い。元変身術の教授で、スリザリン生。
後述する密猟集団のリーダー、ビクトール・ルックウッドは彼の子孫にあたる(なお、ビクトールの父も密漁集団のリーダーだった)。
さらに余談だが、ルックウッド家は代々スリザリン生を輩出してきた家系であり、1世紀後の子孫であるオーガスタス・ルックウッドは後に死喰い人と成り果てている。
ことごとく子孫が悪党になることについて、チャールズは何を思うのか……

ただし、彼自身は他の守護者と同様、古代魔術に対する冷静さと機知に富んだ偉大なる魔法使いであることはその名誉のために記述しておく。

  • ナイアム・フィッツジェラルド(Niamh Fitzgerald
守護者陣の紅一点。愛称はニーフ。
当時のホグワーツの校長で、パーシバルも敬語で接する人物。元レイブンクロー生。
古代魔術に関しては、(イシドーラからの視点では)他の面々と比べ比較的寛容でもあったようだが、それがイシドーラの野望をさらに加速させてしまうことに……。

彼女の試練は『死の秘宝』で有名な三人兄弟の物語をなぞった絵物語のような形で進んでいく。

  • サン・バカー(San Bakar
ターバンを巻いた魔導士。クィレルじゃないよ。
イエメン生まれのスリザリン生で、ホグワーツでは魔法生物飼育学を教えていた。
4人の守護者の中では最後に姿を現し、また主人公についても最後まで懐疑的な目を向けていた。
ただ、そうなった理由については、彼の憂いの篩を見ると明らかになる。

  • イシドーラ・モーガナーク(Isidora Morganach
守護者たちから修行を受けていた若き魔女。
主人公と同じ古代魔術を秘めており、また5年でホグワーツに入学してきた。
成長してからは闇の魔術に対する防衛術で教鞭もとっていたとのこと。学生寮はレイブンクロー。
また金属細工師で有名だったゴブリンのブラグボールとも、古代魔術のことを教えあうなどかなり親しい間柄だったのがうかがえる。

家族を亡くして以来、無言になった父がおり、それを古代魔術を使って治したのがきっかけで「古代魔術を使って人々の痛みを癒す」ことを志していくのだが……。


●敵対者

  • ランロク(Ranrok
大仰な手甲をまとったゴブリン。
理由は不明だが、ほかのゴブリンどころか熟練の魔法使いすら歯牙にもかけない強大な魔術を操る。
人間……とりわけ魔法使いを強く厭悪しており、他の荒くれのゴブリンを率いて魔法界への反乱を企てる。
そのカリスマは相当なものだが、従わない平和主義者なゴブリンに対しても容赦がなく、部下も単純な手駒としか見ていないなど、その性格は苛烈の一言。
古代魔術に関する情報を集めており、その痕跡が見える主人公を執拗に付け狙う。
一方で、この時期の闇の魔法使いを束ねるビクトール・ルックウッドと手を組んでいるようだが…。

作中では分かりやすい悪党として描かれているが、彼の過去やこうなるに至った経緯を調べることで、魔法族の闇が見え隠れする案件に行き着いたりする。
なおプレイヤーからはゴブリン討伐の免罪符にされている。
「ランロクのせいだからね!(迫真)(全ギレ)」

  • ビクトール・ルックウッド(Victor Rookwood
シルクハットをかぶった魔法使いで、守護者チャールズ・ルックウッドの子孫。
ハイランド地方でその勢力を伸ばす犯罪組織ルックウッド・ギャングのボス。
性格は粗野で冷酷であり、目的のためなら手段は選ばない卑劣漢。
彼の組織はアッシュワインダーズと呼ばれる強盗・恐喝者集団と、魔法動物を乱獲する密猟団とで構成されている。
また右腕にシオフィルス・ハーロウ、部下にカトリン・ハガーティーなどを従える。
どちらもハイランド地方では名の通った犯罪者であり、住民たちを恐れさせている。
とある目的のため、ゴブリンを率いるランロクと手を組んだようであるが…。



◆余談

●蜘蛛恐怖症モード

PS4/Xbox One版発売の頃に、先行していたプラットフォーム向けのアップデートが行われており、この際に「蜘蛛恐怖症モード」が追加されている。
蜘蛛恐怖症(アラクノフォビア)に配慮して蜘蛛やそれに類する生物の見た目を変えるアクセシビリティ設定は、『Satisfactory』などでも存在していたが、本作もまた蜘蛛の出番が多い作品故の配慮と思われる。

特筆すべきはこれもハリー・ポッターシリーズの小ネタを拾っていること。
後の魔法界でアラクノフォビアであるロン・ウィーズリー本人が、蜘蛛に化けたボガートRiddikulus(リディクラス)の呪文で化けさせて見ていた姿に替わるのである。

●薩摩ホグワーツ

「名前ば聞く前にアバダるんは女々か?」「名案にごつ」
「エ゛クズベリア゛ア゛ア゛ーーーーッ!!!(猿叫)」

本作が日本で発売となった際、急速に拡散したミーム
見敵必殺なプレースタイル、連鎖アバダや爆弾樽変身などの戦法、敵であれば平然と闇の魔術を行使できる主人公の精神構造といった要素が、一昔前の薩摩藩士を思わせること、更には某twitterでのつぶやきがきっかけで広まった。一体いつから薩摩藩士は健在扱いなんだ

ホグワーツに第5の寮「サツマハン」ができたり、そこに住む藩士生徒達は「衛府の七忍」に出てくる武家者(ぼっけもん)のごとく猿叫と共に呪文を行使するだの、あらゆる魔法が必殺の技になっている*11だの、刀を杖と言い張って担当者を寝込ませるだの、色々な寸劇が作られることとなった。
敵を呪文で倒しているのか単に刀で斬り捨てているのか判断がつかないケースもちらほらある。
それをまとめた文章が、ニコニコやpixivの大百科にも掲載されるほど。

実際、今作の声優の一人である佐藤せつじ*12も、わざわざで「君は…サツマハン!」とアテレコした動画を上げていたり、果ては海外勢にすら(webだが)記事で取り上げられたりもした。
史実でも薩英戦争の後、薩摩藩遣英使節団が英国に留学するなどあったため、イギリス魔法界と薩摩との繋がりが全くないと言い切れないのもミームを加速させた。

とはいえ、当然だが公式とは一切関係のないネタなので、発言の場には十分注意されたし。住み分けは大事。




追記・修正はホグワーツ生徒がお願いします。


Draco Dormiens Nunquam Titillandus



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  • 2023年
  • Steam
最終更新:2025年04月12日 12:26

*1 スコットランド北西部

*2 アーサー王伝説に登場する魔術師マーリンその人。スリザリン寮生だがマグルとの共存に尽力し、グリフィンドール寮生たことで知られる。

*3 杖十次会や同学年の仲間を見る限り、この時代だけ低学年でも教えている可能性もあるが。

*4 フレッドとジョージ・ウィーズリーが開いた「WWW」にて、プロテゴ効果を付与した衣類を販売したところ、売れ行きが大変好調だったという。魔法界最大の脅威であったヴォルデモートが消滅してから10年以上経過し、戦闘呪文を身につける意識が薄れていたのかもしれないとはいえ…

*5 ウガンダ西部、月の山脈にある、アフリカ全土の生徒を収める世界最大の魔法学校。杖を使わない魔法を教えることで知られている。

*6 マグルに磔の呪文をかけるよう詰られ、断れば自分がその呪いをかけられる等。時系列的にマールヴォロ・ゴーントが関わっていた可能性が推測されている。

*7 他の善良なゴーント家出身者ではイゾルト・セイアやその母親のリーニャ・ゴーントなどがいる。イゾルトは強力な闇の魔法使いである伯母・ゴームレイスを倒し、アメリカ合衆国にイルヴァモーニー魔法魔術学校を創設した。

*8 愛知県豊橋市を拠点にするクィディッチチーム。チャンピオンリーグ優勝経験もある強豪。負ける度箒を燃やすことで有名。ちなみに箒ではなく絨毯での移動がポピュラーなアジアにおいてクィディッチは割とマイナー。

*9 日本の南硫黄島にある魔法学校。

*10 不死鳥捕獲を命じられたが、美しさに魅了されたディークは断ったため

*11 例えば上記のエクスペリアームズでさえ腕を斬り落とす技に変貌している。武装解除していることに変わりはないので問題はないらしい。

*12 組み分け帽子やグラッドウィンなどを演じた他、映画『死の秘宝 PART1』ではスカビオールの吹き替えを担当