ゴーティス(遊戯王OCG)

登録日:2023/05/17 (水) 18:14:57
更新日:2025/04/11 Fri 14:24:28
所要時間:約 15 分で読めます





- The Most Distant, Deepest Depths -

遥かなる深遠(そこ)より、最果ての宇宙(うみ)へと


ゴーティスとは、遊戯王OCGのテーマカテゴリの1つ。


目次

概要


海外版Power of the Elementsで初登場した、いわゆる海外先行テーマのひとつ。

「天の川を泳ぐ魚介類」をモチーフとしたカテゴリで、もののけ姫のデイダラボッチを魚型にしたような幻想的なデザインが特徴。
属するモンスターは何れも体内に宇宙のようなものが広がっており、またウミウシの触手のようなものが生えている。
一部では脳に瞳を宿した結果とかネタにされているが

また、各カードの固有名は各言語の「魚」「海」などを意味する単語のスペルのアナグラムになっている。

元ネタが「フィッシュ」に関連することからモチーフは魚や海洋生物で、魚族カテゴリである。
ただし、カテゴリ名「Ghoti」自体は英語でも「ゴーティ」と読んでいる模様。

英語名は「Ghoti」。これは元々英語の一部単語に見られる「一般的な読みと全然違う読みをする」ことを揶揄した有名な皮肉である。
(日本の英語のテストでも発音問題でよく出されるアレである)
「laugh(ラ)のgh」「women(ウミン)のo」「nation(ネイシャン)のti」を部分的に抜き出して組み合わせたもので、
全くそんな風には見えないながらも「Ghoti」と書いて「フィッシュ」と読む(魚の「fish」と全く同じ読み)。
日本語で言えば、「八日(ようか)」の「()*1と「木綿(もめん)」の「()*2を抜き出して「日木」と書いて「かも」と読んでいるようなものである。

このような由来のため日本語でどのような名称になるかは大いに注目されるところであったが、見ての通り普通だった。

日本語ではなんと、23年5月に遊戯王マスターデュエルで初実装。
海外先行テーマがマスターデュエルで先んじて収録されたのはビートルーパーの前例があるが、
こちらは日本語紙媒体での収録情報すら発表されていない時点での初来日となったため、日本語カテゴリ名がここで判明した。


デッキコンセプト


所属モンスターは水属性魚族で統一されている。
名称指定カテゴリでかつ魚族統一なのは、【フィッシュボーグ】以来となる2例目。
そして、まともに戦力になる魚族統一テーマとしてはたぶん史上初。

カテゴリとしてのコンセプトは、「除外」「相手ターンでのS召喚」

ゴーティスはS召喚を主戦術とするテーマなのだが、
自分のターンではS召喚を行うことなく魚族の除外に徹し、相手ターンになると帰還してくる魚族モンスターを素材にS召喚を行いS召喚成功時の効果で相手フィールドに圧力を与える変則的なデッキ。
除去手段も単に効果で吹っ飛ばすのではなく、自ら除外されて行くゴーティスに巻き込む形で相手のカードを道連れにし、全てが終わったあとゴーティスだけが再びフィールドに戻ってくる形をとるため、デュエル中は超大型モンスターが突如消えたり現れたりを繰り返す不思議な動きを特徴とする。
昨今のカテゴリデッキには大抵実装されている耐性効果やパーミッション効果といったものをテーマ内に一切持たない潔い構成をしているが、ほぼ自由自在なタイミングで撃てる除去能力、除外ゾーンから戻ってくる能力によるタフネスでそこを補っている。
「除外ゾーン」という、ある種誰も手出しできない領域とフィールドを行ったり来たりしながらアドバンテージを稼ぐ性質から長期戦に非常に強く、完封しきれなければ除外ゾーンを介して何度でも戻ってくるしぶとさが最大の長所。

また、コンセプトの関係上、カードプールに恵まれなかった除外海産物を受け継ぐこととなった。



モンスター


前述の通り、全員水属性・魚族。また、攻撃力か守備力どちらかの値が0となっている。
どれも偶数レベルなのと、チューナーはレベル2で統一。
基本的に2レベルごとの連続S召喚を行っていく形となる。


メインデッキのモンスター


  • 《ゴーティスの(あかり)ペイシス/Paces, Light of the Ghoti》
チューナー・効果モンスター
星2/水属性/魚族/攻 0/守 0
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのこのカードを除外して発動できる。
手札から「ゴーティスの灯ペイシス」以外の魚族モンスター1体を特殊召喚する。
(2):このカードが除外された次のターンのスタンバイフェイズに発動できる。
このカードを特殊召喚する。
(3):このカードを特殊召喚した相手ターンのメインフェイズに発動できる。
このカードを含む自分フィールドのモンスターを素材として魚族Sモンスター1体のS召喚を行う。

メンダコ。
「Paces」はスペイン・ポルトガル・イタリア語の「Pesca(ペスカ)(釣り)」、もしくは英語の「Space」のアナグラムと思われる。

効果……というか特徴を端的に言うと、「除外された次のターンにフィールドに特殊召喚され、さらにそれが相手ターンならば好きなタイミングで魚族のS召喚を行える効果が追加される」というもの。
ゴーティスデッキの生命線とも言える効果であり、実戦ではいかにコイツを除外しまくるかが勝敗を分けるカギとなる。
なお、テキストの記述に引っ張られそうになるが自分のターンは普段通りS素材に使用可能。

このカード固有の効果として、フィールドにいる《ゴーティスの灯ペイシス》自身を除外することで手札から別の魚族を特殊召喚できる。
魚族なら何でも特殊召喚でき、《超古深海王シーラカンス》などの大型を直出しすることも可能。
もっぱら、この効果で手札から出すのはレベル4の《揺海魚デッドリーフ》であることが多い。
そこでレベル4が1体だけフィールドに残る→相手ターンで《ゴーティスの灯ペイシス》が帰還→レベル6の《ゴーティスの大蛇アリオンポス》をS召喚、というのがこのデッキの基本的な動き。

「発動のコストとして《ゴーティスの灯ペイシス》を除外し、その効果処理として魚族を出す」という処理順であることもさりげない長所で、この効果が《神の通告》等で無効化され特殊召喚に失敗しても《ゴーティスの灯ペイシス》は除外されたままとなる。
一見すると得をしていないように見えるが、上述の通り《ゴーティスの灯ペイシス》は「除外した次のターンに戻ってくる」カード。
つまり、(1)の成否問わず、発動ができた時点で《ゴーティスの灯ペイシス》が次のターンに戻ってくること自体は確約されているのである。

実は純粋な魚族・レベル2チューナーは下記の《ゴーティスの妖精シフ》と並んでこれが初。


  • 《ゴーティスの妖精(ようせい)シフ/Shif, Fairy of the Ghoti》
チューナー・効果モンスター
星2/水属性/魚族/攻 0/守 500
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの魚族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップする。
(2):このカードが除外された次のターンのスタンバイフェイズに発動できる。
このカードを特殊召喚する。
(3):このカードを特殊召喚した相手ターンのメインフェイズに発動できる。
このカードを含む自分フィールドのモンスターを素材として魚族Sモンスター1体のS召喚を行う。

クリオネ。
「Shif」は英語の「fish」のアナグラム。

《ゴーティスの灯ペイシス》と同様、除外した次のターンにフィールドに戻ってくる効果と相手ターンS召喚ができる効果をもつ。
共通の特徴である(2)と(3)は《ゴーティスの灯ペイシス》の項であらかた説明したので割愛するとして……

さて、固有の効果だが、「墓地から自らを除外して魚族モンスター1体の攻撃力を500アップ」というもの。
上昇値はたった500でしかも1体にしか作用せず、その上次のターンになると切れてしまう……と、パンプアップ効果としては少々寂しい内容だが、
なんだかんだ火力不足に陥ることも多い【ゴーティス】では、それなりに使う頻度のある効果。召喚した《揺海魚デッドリーフ》で邪魔な下級を始末したり、トドメの一撃をくれてやる際に《最果てのゴーティス》に攻撃力を供給したり……というのが主な使い方。

しかしこれもやはり発動時のコスト、すなわち「場に魚族さえいれば墓地から他のカードの力を借りずに単独で除外できて、次のターンには問題なく戻ってこれる」という部分が本命であり、《ゴーティスの灯ペイシス》とはまた違った形で戦線を支えてくれる縁の下の力持ち。
反対に、手札やフィールドで発動できる効果がないので、序盤に来るとできることのない死に札になりがち。
《ゴーティスの灯ペイシス》共々両方を採用した上で使い分けるのが吉。



  • 《ゴーティスの紅玉(こうぎょく)ゼップ/Zep, Ruby of the Ghoti》
チューナー・効果モンスター
星2/水属性/魚族/攻 0/守1000
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から除外し、自分の墓地の魚族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
(2):このカードが相手ターンに除外された場合に発動できる。
このカードを特殊召喚する。
(3):このカードが特殊召喚した場合に発動できる。
このカードを含む自分フィールドのモンスターを素材として魚族Sモンスター1体のS召喚を行う。

ナガヅエエソ。またの名を「トライポッド・フィッシュ」。
「Zep」はスペイン語の「pez(ペズ)(魚)」のアナグラム。

これも除外された場合に戻ってくる効果、S召喚効果をそれぞれ持つ。
が、「除外されると次のターンを待つことなく即座に戻ってくる」「特殊召喚したその瞬間にS召喚するかどうかを選ばなければいけない」という点が《ゴーティスの灯ペイシス》や《ゴーティスの妖精シフ》と異なる。
また、自分ターンで除外した場合は戻ってこれない。

上記の特徴から、《ゴーティスの大蛇アリオンポス》や《ゴーティスの陰影スノーピオス》の効果で不意打ち気味に除外し、場に戻ってきたところでS召喚に使うのが主な役目。
S召喚先は、好きなカードを1枚除外できる《ゴーティスの双角アスカーン》、相手のモンスターだけをまとめて破壊できる《白闘気白鯨》、場のカードを全部除外して更地にする《最果てのゴーティス》の三択。
むろん、これらは全部相手ターンで行うので、一番狙われたくないタイミングを見切れれば大打撃を与えられる。
このカードがないと前述の流れで《ゴーティスの大蛇アリオンポス》を出したところでただモンスターが棒立ちするだけになるため、デッキに1枚は残しておきたい存在。

ちなみに、メインとなる(2)と(3)の効果だが、《ゴーティスの灯ペイシス》や《ゴーティスの妖精シフ》と違い「相手のメインフェイズ」とはどこにも書かれてないのもポイント。つまり「《ゴーティスの紅玉ゼップ》を相手ターン中に除外できるカード」もしくは「《ゴーティスの紅玉ゼップ》を相手ターン中に特殊召喚できるカード」のどちらかがあれば、バトルフェイズ、エンドフェイズといった、本来ゴーティスが活動できないタイミングでもS召喚ができるのである。
バトルフェイズに特殊召喚してくる【天盃龍】を《ゴーティスの朧キーフ》で除外しつつコイツを特殊召喚してS召喚、という悪あがきも可である。
使いこなしたい場合は、《ゴーティス・チェイン》等の魔法・罠を活かした構築にするとよいだろう。

手札効果では素早く除外を行えるが、このカード自体は自分ターンの除外なので戻ってこない分ディスアドが目立ち、墓地からの除外は他にも十分方法があるので、事故った時の最終手段と思った方がいいだろう。
相手ターンでの除外でしか活かせない癖の強さから上記2枚と比べるとコンボ性が高く、手札に来ると邪魔になりやすいのが悩みどころ。
何枚入れるかは人によって意見の分かれるポイントで、《ゴーティスの陰影スノーピオス》共々可能な限りガン積みして後攻0ターンから動けることを狙う構築にする人もいれば、自分ターンでの動きやすさを確保するために少なめにする人もいる。


  • 《ゴーティスの(おぼろ)キーフ/Keaf, Murk of the Ghoti》
効果モンスター
星2/水属性/魚族/攻 0/守1500
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドに魚族モンスターが存在する場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、その内のモンスター1体と自分の除外状態のレベル6以下の魚族モンスター1体を対象として発動できる。
対象の相手のモンスターとこのカードを除外し、対象の自分のモンスターを特殊召喚する。
(3):このカードが除外された次のターンのスタンバイフェイズに発動できる。
除外状態のこのカードを特殊召喚する。

『PHANTOM NIGHTMARE』で登場した初のレベル2非チューナー。
《ゴーティスの灯ペイシス》《ゴーティスの妖精シフ》同様、除外されれば次のターンにフィールドに戻ってくる。

チューナーではないのでS召喚関連の効果はないのだが、
「相手の特殊召喚時、相手モンスターを道連れにしつつ《ゴーティスの朧キーフ》自身を除外&除外ゾーンにいる魚族をフィールドに戻す」という(2)の固有効果が目玉。
「除外されっぱなしの魚族を連れて戻ってくる」「相手のモンスターをどかして妨害する」2つの用途を状況に応じて使い分けられる。
加えて自身は除外されてもターンを跨げば戻ってくるし、魚族がいれば手札から特殊召喚もできるので小回りも効く。

ただし、《ゴーティスの朧キーフ》と対象のモンスター両方が効果処理時に揃っていないと効果が不発になるほか、対象耐性持ちには通用せず、効果の無効化にも弱い。
簡潔に言うと、(2)は相手から横槍が入ると失敗するリスクのある繊細な効果であるということ。
確実に釣れる小魚(下級モンスター)をさっさと釣り上げて釣果とするか、大物の一本釣りを狙うかはプレイヤー次第。

モチーフはおそらく、後述する《ゴーティスの月夜サイクス》のイラストからするにチョウチンアンコウの擬似餌+雄。
名前の由来は英語の「Fake(偽物)」で、唯一魚や海関係ではない単語が由来となっている。
擬似餌モチーフであることを考えると、こいつは魚ではないのだろう。
事実、このカードのイラストには奥で口を開けて獲物を待ち構える《ゴーティスの月夜サイクス》の姿が描かれており……
ちなみに、ハウサ語で魚を意味する「kifi」という単語も存在し、
英語名判明前はこれのアナグラム「kiif」となるのではないかと噂されていた。


  • 《ゴーティスの(きざし)イグジープ/Ixeep, Omen of the Ghoti》
効果モンスター
星4/水属性/魚族/攻1500/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):魚族モンスターが除外された場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが除外された次のターンのスタンバイフェイズに、自分の墓地・除外状態の「ゴーティス」罠カード1枚を対象として発動できる。
そのカードを自分フィールドにセットする。

ベンテンウオ。
「Ixeep」はポルトガル語の「peixe(ペイシ)(魚)」のアナグラム。

魚族が除外された場合に手札から特殊召喚できるゴーティス。
トリガーを引くのは簡単で、手札からの展開スピードが遅いゴーティスの中では貴重。
……なのだが、手札から特殊召喚できるレベル4魚族には既に《サイレント・アングラー》がいる。
優秀なあちらと比較せざるを得ず、「どうしても」という理由がなければ投入しづらい不憫なヤツ。

だが、後述の《最果ての宇宙》を採用した場合は話が別。
あちらでサーチできるレベル4としては唯一のモンスターであり、さらにあちらの効果でサーチを行うと引いてきた時点で(1)の条件を満たしていることになるので即座に特殊召喚ができる。*3
よって、「《最果ての宇宙》を入れた時に、1枚だけ忍ばせておくカード」としてなら需要がある存在。

後半の(2)はゴーティス罠カードを再利用する効果。
発動させるのは簡単だが、あくまで「使い終わったカードの回収」を目的とする効果なので、使い終わった罠が無いと腐ってしまう。
《トラップトリック》や《封印の黄金櫃》で除外した罠カードも回収可能なので、コンボするのもあり。



  • 《ゴーティスの守人(もりびと)イーノック/Eanoc, Sentry of the Ghoti》
効果モンスター
星6/水属性/魚族/攻2100/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合、自分の除外状態のレベル4以下の魚族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
(2):自分の手札・フィールド(表側表示)から魚族モンスター1体を除外して発動できる。
デッキから「ゴーティス」罠カード1枚を手札に加える。

マンタ。
「Eanoc」は英語の「ocean」のアナグラム。
一番いいのを頼む人(およびその元ネタ)はEnoch*4なので関係ないが、その人の出るゲームの原作者はしっかりとこのカードに反応していた。*5

効果は除外から魚族の特殊召喚と、魚族を除外してゴーティス罠カードのサーチ。
ゴーティスは正しいタイミングで除外しないと除外されっぱなしでフィールドに戻ってこれないモンスターが結構いるので、それらを回収できるのはありがたい。
……のだが、除外ゾーンから戻してきた魚族の効果を無効化するデメリットがあるせいで、ゴーティスお得意の「相手ターンにS召喚」戦法につなげられず、ビミョーに使い勝手が悪い。
《ゴーティスの守人イーノック》自身には自らを特殊召喚する効果が一切ない上に上級モンスターのため、運用時は他力本願にならざるを得ないのも難点。
基本的に、(2)で引っ張ってこれる《ゴーティス・チェイン》等と組み合わせて使うことになる。
ちなみに、《ゴーティス・コスモス》の「4体以上」の条件を満たしているときは、この「無効化する効果」が無効になり相手ターンシンクロができるようになる……というちょっとした裏ワザがある。

手札に来た場合は《ゴーティスの灯ペイシス》から出すのがベスト。


  • 《ゴーティスの陰影(いんえい)スノーピオス/Snopios, Shade of the Ghoti》
効果モンスター
星6/水属性/魚族/攻2100/守 0
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、自分の手札・墓地から魚族モンスター2体を除外して発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードが特殊召喚した場合、フィールドの表側表示カード1枚を対象として発動できる。
そのカードはフィールドから離れた場合に除外される。
(3):このカードが除外された場合、自分の墓地から魚族モンスター1体を除外して発動できる。
このカードを手札に加える。

マダコ。
「Snopios」はフランス語の「poisson(ポアソン)(魚)」のアナグラム。

【ゴーティス】における事実上のメインエンジンであり、魚族を除外しつつ自らを特殊召喚する手札誘発のような効果を持つカード。当然、投入は必須。
「手札・墓地から魚族モンスター2体を除外して手札から特殊召喚」とあるがここで大事なのは「特殊召喚」ではなく「魚族モンスター2体を除外して」の方であり、これによって自由なタイミングでゴーティスを除外しその効果を起動させるところにこそ、このカードの役割がある。

手札・墓地の両面から除外できるので、魚族さえ揃えば後攻0ターン目(相手の先攻1ターン目)から《ゴーティスの双角アスカーン》のS召喚まで持っていけたりもする。このため、【ゴーティス】側の《増殖するG》を許してしまったりすると目も当てられないことに……。

特殊召喚時の効果は相手モンスターに使えば墓地利用阻害になる他、自身含むゴーティスに使用すれば素材等に使っても直接除外されるようになり、除外時効果へとつながる。
そのため手札にこのカードと《ゴーティスの紅玉ゼップ》があれば0ターンで《白闘気白鯨》や《ゴーティスの双角アスカーン》で妨害を構えつつ、次のターンレベル10シンクロが可能になる。

除外されたときに墓地から魚族を除外すれば手札に戻せるので、《ゴーティスの大蛇アリオンポス》の(1)等から手軽に引っ張ってこれるのも長所。


  • 《ゴーティスの月夜(つきよ)サイクス/Psiics, Moonlight of the Ghoti》
効果モンスター
星6/水属性/魚族/攻2400/守 0
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「ゴーティスの月夜サイクス」以外の魚族モンスター1体を手札に加える。
その後、自分の手札・フィールド(表側表示)の魚族モンスター1体を除外する。
(2):このカードが除外された場合、自分の手札・フィールド(表側表示)・墓地から「ゴーティスの月夜サイクス」以外の魚族モンスター1体を除外して発動できる。
このカードを特殊召喚する。

チョウチンアンコウ。《ゴーティスの朧キーフ》を擬似餌に《ゴーティスの灯ペイシス》を捕食しようとしている。
名前の由来はラテン語の「Piscis(ピスキス)(魚)」のアナグラム。うお座のことを「ピスケス」と呼んだりもするが、アレである。
《ゴーティスの朧キーフ》の「朧」と合わせると「朧月夜(おぼろつきよ)*6になるオサレネーミング。暗い深海にぼんやりと提灯が浮かぶ様はまさしくといったところか。
『月夜』という肩書きと名前繋がりで某機関に所属する月夜に舞う魔人を想起するが、あちらはSAIXなので関係ない。ちなみに何の因果かあちらの名前も『X』を加えたアナグラムで作られたものである

チューナーではないしレベル2でもないが、《ゴーティスの灯ペイシス》や《ゴーティスの紅玉ゼップ》同様、除外すると場に戻ってくる。
特殊召喚の際に同名以外の魚族を手札・場・墓地から除外しなければならないが、《ゴーティスの紅玉ゼップ》と同じく除外されたら即座に特殊召喚される
ゴーティスを握ればわかるがこれは非常に嬉しい仕様で、チューナーにあった「前のターンのうちに除外を済ませておかないと特殊召喚できない」「ターンの途中で不意打ち的に出すことができない」という欠点がない。
つまり除外さえされれば相手ターンだろうと自分ターンだろうとすぐ場に戻ってきてくれるため、S素材として扱いやすいのだ。
除外元の指定が「手札・フィールド・墓地」なのも大きく、自らを除外しようとする《ゴーティスの双角アスカーン》をコストにして魚族の墓地コスト1枚分を踏み倒したり、手札やフィールドで腐っている魚族を処分したりもできる。
変わったところでは、フィールドに出っぱなしの《ゴーティスの紅玉ゼップ》を除外してS召喚に繋げることも。

召喚・特殊召喚時、手札・場の魚族を除外するのと引き換えに同名以外の魚族をサーチできる効果も優秀。
「サーチする」→「除外する」の順であるため、サーチしてきた魚族をそのまま除外してしまってもよい。相手ターンなら《ゴーティスの紅玉ゼップ》をサーチした後そのまま除外することで《ゴーティスの双角アスカーン》等のS召喚に繋げられる。
サーチ先が非常に緩いため《アビス・オーパー》に繋げてサーチした《超古深海王シーラカンス》を出して大量展開、なんて動きも可能。
しかし、除外時の帰還しか自力で特殊召喚する効果を持たない上級モンスターであるため他にカードを要求するためやや重く、帰還効果はターン1なので帰還からサーチに繋げた場合は自身を除外コストにすると帰ってこれないなど取り回しが良くない点もあるため要注意。



シンクロモンスター


  • 《ゴーティスの大蛇(だいじゃ)アリオンポス/Arionpos, Serpent of the Ghoti》
シンクロ・効果モンスター
星6/水属性/魚族/攻2100/守 0
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚した場合に発動できる。
デッキからレベル6以下の魚族モンスター1体を除外する。
(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合、自分の墓地の魚族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
その後、そのモンスターのレベル以下のレベルを持つ魚族モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。

長い胴体の大蛇。深海魚のミツマタヤリウオと思われる。
「Arionpos」は古代ギリシャ語の「opsarion(オプサリオン)(魚)」のアナグラム。

《ゴーティスの陰影スノーピオス》と並ぶ、このデッキのキーカード。
効果は、最上級を除いた魚族に限定した《封印の黄金櫃》である(1)と、除外コストに応じたサーチを行う(2)。
とにかく早くデッキから「ゴーティス」を取り出したいゴーティスにとっては(1)も(2)も要になる効果であり、いかにこのカードを素早くシンクロできるかがカギになる。

デッキから好きな魚族を除外できるという選択肢の幅の広さの分ここで何を除外するかが戦略を大きく左右するので、運用難易度は少々高め。
《ゴーティスの月夜サイクス》を除外してとにかく魚族を増やすもよし、《ゴーティスの陰影スノーピオス》を除外→サルベージして行動権を確保するもよし。
《ゴーティスの朧キーフ》や《ゴーティスの灯ペイシス》を除外して次ターンに備えるでもいいし、あるいは《ゴーティスの朧キーフ》で帰還させたい魚族を除外ゾーンに出しておくのもいい。
相手ターンに《ゴーティスの紅玉ゼップ》を除外すれば、即座に《ゴーティスの双角アスカーン》のS召喚に繋げることだってできる。
なんにせよ、その後の段取りを見据えた利用が必要とされるカードである。

かつては《ゴーティスの大蛇アリオンポス》を使用したS召喚までを成立させないとデッキのゴーティスを引っ張り出せず《ディメンション・アトラクター》との併用が難しい問題があったが、《ゴーティスの月夜サイクス》の登場により解決した。


  • 《ゴーティスの双角(そうかく)アスカーン/Askaan, the Bicorned Ghoti》
シンクロ・効果モンスター
星8/水属性/魚族/攻2700/守 0
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚した場合、自分フィールドの魚族モンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
(2):このカードが除外された場合、自分の墓地から魚族モンスター1体を除外して発動できる。
このカードを特殊召喚する。

立派な二本角をたたえたでっかいトビウオ。ゴーティスではもっとも登場頻度の高いエースモンスター
このトビウオに過労死してもらう活躍してもらうのが本デッキの目的であり、組むなら必ず投入しておきたい必須カード。
「Askaan」は我らが日本語の「sakana(サカナ)(魚)」のアナグラム。

S召喚時に自分フィールドの魚族と相手カードを除外する(1)の効果、除外されたときに墓地の魚族を除外することでフィールドに戻ってくる(2)の効果を持つ。
(1)は自分・相手ターン問わず相手フィールドの万能除外が可能で、また自身を除外しても即戻ってこれるため自分側の除外はマイナスにならない。
役割が近い《白闘気白鯨》との使い分けとなるが、相手ターンシンクロを積極的に狙っていきたい。
この(1)でついつい《ゴーティスの双角アスカーン》を除外したくなるが、(1)と(2)は独立した別個の効果であることが活用のポイント。
(1)を使わない、あるいは別の魚族を(1)の身代わりにしておくことで、手札の《ゴーティスの陰影スノーピオス》による墓地除外→帰還……といった具合に、たとえ破壊されても好きなタイミングでフィールドに舞い戻ってこれる。

さらに除外時の場所を問わずにすぐに戻ってくる性質上、S召喚に成功した後だと場に出しやすくなるのも長所。
たとえば、場に出ている《ゴーティスの双角アスカーン》をS素材やL素材にすると墓地に送られるのだが、そうして墓地に落っこちた《ゴーティスの双角アスカーン》をなんらかの手段で除外すればまた場に戻ってくる。
《ゴーティスの陰影スノーピオス》《ゴーティスの月夜サイクス》《最果ての宇宙》が効果を発動するときのコストに《ゴーティスの双角アスカーン》をあてがえば簡単に(2)の条件を満たすことが可能なので、実戦では攻撃力2700レベル8のデカブツである《ゴーティスの双角アスカーン》が何度も場に現れることになる。


  • 《ゴーティスの死棘(しきょく)グオグリム/Guoglim, Spear of the Ghoti》
シンクロ・効果モンスター
星8/水属性/魚族/攻2700/守 0
魚族チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。
その相手モンスターを除外する。
(2):相手スタンバイフェイズに発動できる。このカードを除外する。
その後、このカードのS召喚の素材としたモンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、その一組を特殊召喚できる。
この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドを離れた場合に除外される。

多数の触手を持つタコに恐竜の頭のようなものが乗っかった、バイドの親玉っぽい姿の水棲怪獣。
「Guoglim」は朝鮮語の「mulgogi(ムルコギ)(魚)」のアナグラム。

効果は除外版カタストル効果である(1)と、相手スタンバイに発動できる「シンクロキャンセル」となる(2)。
見ての通り相手ターンに使える効果が特に戦闘力を持たない(2)しかないため、もっぱら自分ターンで出して除去&攻撃を叩き込むためのカード。
とはいえ、相手ターンに(2)を使った場合、ゴーティスチューナーの「相手ターンに特殊召喚した場合、相手ターンの好きなタイミングでS召喚ができる」という効果が使えるようになるため、完全にムダというわけではない。
ないのだが、先述の《ゴーティスの双角アスカーン》が便利すぎるために採用枠を奪われがち。

  • 最果(さいは)てのゴーティス/Ghoti of the Deep Beyond》
シンクロ・効果モンスター
星10/水属性/魚族/攻 ?/守 0
魚族チューナー1体以上+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードの元々の攻撃力は、除外状態のモンスターの数×500になる。
(2):相手ターンに、このカードがS召喚した場合に発動できる。
フィールドのカードを全て除外する。
(3):このカードがモンスターゾーンから除外された次のターンのスタンバイフェイズに発動できる。
このカードを特殊召喚する。

《ゴーティスの双角アスカーン》がゴーティスのエースモンスターなら、こちらは最終兵器とでも呼ぶべきカード。

ウツボかリュウグウノツカイの様な太長く、太い触覚を何本も生やした胴体、星空の広がる身体……と何とも荘厳な姿をしているが、これがフロムゲーのボスエネミーを彷彿とさせるとネタにされる事となった。
マスターデュエルに実装されているプロテクターでは「無限に広がる異空間に生息する巨大な生物」と紹介されている。
「CARD GAME ART WORKS」の設定画では《ゴーティスの双角アスカーン》らしき影がまるで稚魚のようなサイズで並べて描かれており、他のゴーティスとは一線を画す巨体であることが示唆されている。

相手ターンにS召喚されるとお互いのフィールドのカードを根こそぎ除外する豪快な除去を放つ。
《最果てのゴーティス》自身も除外されてしまうが、次のターンにはフィールドに戻ってくるので心配ご無用。
ただし使用後はお互いの場が空っぽになるため、相手が手札に切り札を温存していた場合、手札に残してあったそれらで総攻撃を掛けられてデュエルに負ける危険性はある。
それを的確に見抜けるかどうかが腕の見せどころ。

もともとの攻撃力はゼロだが、除外されているモンスターの数だけ攻撃力が上がるため、戦闘面でも問題はなし。
ただし、「1体につき500」「除外されているお互いのモンスターのみをカウント」という仕様のため、実際の上昇効率はそこまで良くない。
しっかり除外して攻撃力4500~5000、早い段階で出すと攻撃力1000とか500とかも珍しくないため、そちら方面の下準備も必要。
もっとも、コイツが一度でも出たということは相手の場はがら空きのはずなので、そのまま勝ててしまう事の方が多いのだが……。

ちょっとした注意点として、こいつの帰還効果だけ「モンスターゾーンから除外された」と若干弱体化していることには注意。
レベルの高さから、一度でも墓地に落ちてしまうと再回収はほぼ不可能なため、コレを踏み台にさらなるS召喚を狙う場合は気を使いたい。

ちなみに、カード名は他のゴーティスモンスターと違いアナグラムで命名されていない。
特別な存在ゆえに固有名詞を持たないのか、はたまた誰にも発見されない程の「最果て」に棲まう存在だからなのか……?



魔法カード

※現状、ゴーティスは「ゴーティスモンスター」か「ゴーティス罠カード」を指定するカードしかなく、
厳密には「ゴーティスに関係する魔法カード」といった感じ。

  • 最果(さいは)ての宇宙(うみ)/The Most Distant, Deepest Depths》
フィールド魔法
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドに魚族Sモンスターが存在する限り、このカードは効果では破壊されず、効果では除外できない。
(2):自分の手札・墓地から魚族モンスター1体を除外して発動できる。
デッキから「ゴーティス」モンスター1体を手札に加える。
(3):このカードが墓地に存在する状態で、自分フィールドに魚族モンスターが召喚・特殊召喚された場合、自分フィールドの魚族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外し、このカードを手札に加える。

除外コストが必要だが、ゴーティスのサーチが可能なフィールド魔法。
「さいはてのうみ」と読む。「そら」と読みたくなる気持ちはわかる

魚族シンクロがいれば破壊も除外もされない耐性を持ち、《最果てのゴーティス》の全体除外にも耐える。
墓地に送られても、フィールドの魚族をコストに回収も可能。
サーチ以外の効果がないので攻防の役には立たないものの、上記の耐性と自己回収能力のおかげでとにかく頑丈で、なかなか除去されない。
手札や場がすっからかんになっても墓地のゴーティスを除外することで効果の起動トリガーにできるし、手札に加えてきたゴーティスから次なる展開に繋ぐこともできる。
そこに先述の頑丈さが合わさるので、実戦では難攻不落の砦のような役割をする。

ただし、このカード自体は名前にゴーティスを含まない……というかもしゴーティスだとしても現状では魔法カードのサーチ手段はないため、汎用フィールド魔法サポートでしかサーチできない。
だが、このカードを引けなくても《ゴーティスの大蛇アリオンポス》か《ゴーティスの月夜サイクス》を経由することで十分戦うことができ、引ければ耐性とサーチ効果で硬い盤面を築くことができる、良バランスのカード。


罠カード


  • 《ゴーティス・チェイン/Ghoti Chain》
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの表側表示の魚族モンスター1体を除外して発動できる。
このカードを発動するために除外したモンスターとは元々のカード名が異なる「ゴーティス」モンスター1体を
自分の手札・デッキ・墓地・除外状態から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。

フィールドの魚族を除外して、別名のゴーティスを特殊召喚。
このカードと魚族の計2枚を失い、ゴーティス1枚を出すため、発動時点では差し引き1枚分のマイナスになってしまう。

ただ、特殊召喚元が広範囲に及ぶためタイミングを選ばず使える便利な一枚。
S召喚デッキにありがちな、チューナーか非チューナー片方しかいない事故をデッキからのリクルートで補填できる。


  • 《ゴーティス・コスモス/Ghoti Cosmos》
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):除外状態の魚族モンスターの数によって以下の効果をそれぞれ適用する。
●1体以上:このターン、自分の魚族モンスターは戦闘では破壊されない。
●4体以上:このターン、自分フィールドの魚族モンスターの効果の発動及びその発動した効果は無効化されない。
●8体以上:EXデッキから魚族Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。

除外された魚族が多いほど効果が追加されていき、
1体以上で戦闘耐性、4体以上で無効への耐性、
8体以上でEXデッキから魚族シンクロを直接特殊召喚。

8体以上が強力なものの、ゴーティスは除外に溜まりっぱなしになるわけではないので、さすがにそれだけ溜めるのは難しいところ。
1体以上の戦闘耐性は簡単に発動できるのでこちらがメインとなるか。


  • 《ゴーティス・フューリー/Ghoti Fury》
永続罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの魚族モンスター1体と相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスター2体を次の自分スタンバイフェイズまで除外する。
(2):除外状態のカードが存在し、自分フィールドに魚族モンスターが特殊召喚された場合、魔法&罠ゾーン(表側表示)・墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分フィールドの全ての魚族モンスターの攻撃力はターン終了時まで、除外状態のカードの数×100アップする。

フィールドの魚族と相手モンスターを一時除外と、
このカードを除外して魚族の攻撃力を除外カードの数だけアップ。

除外したモンスターはいずれ帰ってくるが、永続罠のため消費なしで妨害手数を増やせる。
《ゴーティスの灯ペイシス》《ゴーティスの妖精シフ》は自分ターンで除外すると相手ターンで先に帰ってくるため、1体分で2体を除外することも可能。
攻撃力強化もあるが、フィールドからは手放す必要があるため、
墓地に落ちた後に除外するか、詰めの攻撃の際使いたい。




相性の良いカード


  • 《鰤っ子姫》
自身を除外しつつ各ゴーティスや《揺海魚デッドリーフ》をデッキから特殊召喚できる。
特殊召喚でも可能なため、《ゴーティスの灯ペイシス》等から出してもよい。《ワン・フォー・ワン》から初動になり得るのも強み。
「出すとすぐ効果を発動して除外ゾーンに行く」という部分が《ゴーティスの朧キーフ》と非常に相性がよいため、《ゴーティスの朧キーフ》登場後は、《ゴーティスの朧キーフ》で除外された《鰤っ子姫》を帰還させつつ、《鰤っ子姫》でゴーティスチューナーをリクルートしてS召喚……という奇抜な戦法も取れるようになった。
ただし、《ゴーティスの朧キーフ》の効果がチェーン2、つまり特殊召喚時になんらかの効果を発動するタイプのカードに対してキーフの(2)を撃ってしまうと《鰤っ子姫》のリクルート効果が発動できないので注意。

  • 《揺海魚デッドリーフ》
デッキから魚族モンスターを墓地へ送る要員。
《揺海魚デッドリーフ》は自身がレベル4魚族であるため《ゴーティスの妖精シフ》を墓地に送って即座に自身の効果で除外すれば、
これ1枚召喚で相手ターンに帰還した《ゴーティスの妖精シフ》と共にレベル6Sができる。
《次元の裂け目》《マクロコスモス》が張ってあれば直接除外でき、《封印の黄金櫃》と同様になる。

デッキからカードを除外する魔法。ただし両方とも制限カード。
《抹殺の指名者》はそのターン中除外したカードの効果を無効にするが、《ゴーティスの灯ペイシス》や《ゴーティスの妖精シフ》ならば除外された次のターンに特殊召喚効果が発動するので問題ない。

ゴーティスチューナーと同じく、相手のメインフェイズにS召喚が行える。
あちらとの違いは「発動するその瞬間まで相手からは見えないこと」と「魚族以外もS召喚できること」。
相手からすればフィールドに出ていてS召喚する気満々のゴーティスチューナーに意識が向きやすいため、このカードが不意打ちとして機能する。

手札からハープナー自身を含む2枚の水属性を捨てることで、うち1体を特殊召喚できる魚族。
自分ターンでの展開能力に乏しい【ゴーティス】では、召喚兼を使わずに出せる優秀な展開札となる。ハープナー自身を特殊召喚する側に選ぶことも、逆にハープナーを捨てる側にすることもできるので、用途が非常に柔軟。
そして特筆すべきは、レベル4で魚族でしかもチューナーという、非常に扱いやすいステータス。
S召喚に使いやすい偶数レベルというだけでなく、魚族なので《ゴーティスの月夜サイクス》でデッキから取り出せる、使い終わったらゴーティスの墓地コストにできるなど、状況に応じた使い分けが可能な便利なヤツ。

文字通り大昔から存在する魚族最強の展開カード。
レベルは7と極めて重いが、《ゴーティスの灯ペイシス》か《アビス・オーパー》か《フィッシュボーグ-ハープナー》があれば手札からポンと出せ、一度通してしまえば大量展開を行える。
《ゴーティスの月夜サイクス》の効果を使えば手札に加えるのも容易。
良くも悪くも影響力がデカいため、採用した場合は動きがガラッと変わることに留意。

主にデッキからレベル4水属性をサーチできる《アビス・シャーク》や手札から気軽に出せる《サイレント・アングラー》が採用候補。
《アビス・シャーク》は元々のレベルが奇数(5)なためシンクロには使いにくいが、レベル7では《白闘気一角》もそこそこ優秀なので採用しておくのも手。

手軽に出せるリンク2。
ゴーティスでは、除去効果を目当てに採用することとなる。
自分のターンでは撃ちづらい除去で邪魔なカードを排除できるほか、LモンスターなのでSモンスターメタの影響下であっても除去を使用できる。
《S:Pリトルナイト》は少ないコストかつ自由な素材で使用でき、使用後も妨害を構える役目を任せられる戦闘向きのカード。
《アビス・オーパー》は召喚時に手札の魚族を出せるので展開に寄与し、《超古深海王シーラカンス》を素早く展開するためのコンボパーツとしても使える。
コストが「除外」なので《ゴーティスの灯ペイシス》とのコンボが可能なほか、魚族なのでコストにも転用できるため、墓地に落ちた後も無駄なく使える手堅さが売り。

相手モンスターを素材に含めてL召喚できるLモンスター。
ゴーティスは戦術が極端にモンスター、それもSモンスターに偏っているため、その効果を《No.41 泥睡魔獣バグースカ》などで潰されたり、効果が一切効かないモンスターなどを出されると機能停止してしまう弱点がある。
そのような状況下で、動かせない相手モンスターをL素材として処理するのに使う。

「レベル2」で「相手ターンに動く」となったら当然こいつの出番。
レベル2チューナーを吊り上げることで能動的にS召喚を行うことが出来るこのカードは無論相性がいい。
OCGでは禁止になってしまっているがマスターデュエルでは24年8月現在まだ現役。せっかくなので存分に活躍させてやろう。

  • 《白闘気白鯨》
レベル8魚族Sモンスター。
S召喚時に相手の攻撃表示モンスターを全破壊できる。
相手ターンにシンクロしても破壊効果が発動でき、同じレベル8の《ゴーティスの双角アスカーン》と「モンスター全破壊」か「万能単体除外」かで使い分けられる。
また、破壊されると回数無制限で場に戻ってくる効果も持っており、相手からの攻撃が激しい場合はこの効果でゾンビ戦法に出ることも可能。
時の任意効果のため、チェーン2以降でS召喚するとタイミングを逃すのが玉に瑕。

  • 《魔救の奇跡-ドラガイト》
アダマシアのエースであるレベル水属性Sモンスター。魚族ではないので共通効果による相手ターンシンクロでは出せない。
岩石族が無い本デッキでは一つ目の効果は使えないが、水属性モンスターが墓地に溜まりやすいため妨害効果目当てで使って行ける。

  • 《相剣大公-承影》
レベル10水属性Sモンスター。魚族ではないので共通効果による相手ターンシンクロでは出せない。
カードが除外されると連動して相手カードを除外する効果を持ち、ゴーティスなら発動は非常に容易。
攻守アップダウンも除外を繰り返すのでかなりのものとなる。

レベル8風属性Sモンスター。魚族ではないので共通効果による相手ターンシンクロでは出せない。
ゴーティスチューナーと同じ「自身を素材にS召喚を行う効果」を持つため、ゴーティスとは別口で相手ターンでの不意打ちが行えるようになる。
それだけでなく「S召喚時に墓地のレベル2以下のチューナーを蘇生する」、つまり、こいつのS召喚を行うことで自動的にレベル10のS召喚までつながるため、少ないリソースでレベル10に繋げる中継役としても便利。


戦術


このデッキにおけるキーカードは以下の3種。
  • 《ゴーティスの大蛇アリオンポス》
  • 《ゴーティスの月夜サイクス》
  • 《最果ての宇宙》
この3つのうちいずれか1つをフィールドに出して効果を使い、「フィールドに非チューナー」「除外ゾーンにゴーティスチューナー」という状態にしてから相手にターンを渡すのが基本となる。


まずはレベル6《ゴーティスの大蛇アリオンポス》をS召喚し、
更にそれを起点にレベル8《ゴーティスの双角アスカーン》《白闘気白鯨》、レベル10《最果てのゴーティス》《相剣大公-承影》と連続でシンクロして行こう。

  • 1.「アリオンポス」展開
1.《揺海魚デッドリーフ》を召喚or《鰤っ子姫》を召喚し自身の効果で《揺海魚デッドリーフ》を特殊召喚、《揺海魚デッドリーフ》の効果で《ゴーティスの妖精シフ》を墓地に送る。
2.《揺海魚デッドリーフ》を対象に《ゴーティスの妖精シフ》の効果を発動
3.次の相手ターンのスタンバイフェイズに《ゴーティスの妖精シフ》の効果で除外されている自身を自場に特殊召喚
4.相手ターンのメインフェイズに《揺海魚デッドリーフ》と《ゴーティスの妖精シフ》でレベル6《ゴーティスの大蛇アリオンポス》をS召喚
1.《死神官-スーパイ》を自身の効果で特殊召喚
2.デッキからリクルートした《スーパイ》と共にレベル6《ゴーティスの大蛇アリオンポス》をS召喚

  • 2.レベル8シンクロ召喚

1.《ゴーティスの大蛇アリオンポス》の効果で《ゴーティスの紅玉ゼップ》をデッキから除外
2.除外された《ゴーティスの紅玉ゼップ》を自身の効果で自場に特殊召喚
3.特殊召喚された《ゴーティスの紅玉ゼップ》の自身の効果で《ゴーティスの大蛇アリオンポス》とレベル8S召喚
4.《白闘気白鯨》の効果で相手場の攻撃表示モンスターを全破壊
4.《ゴーティスの大蛇アリオンポス》のS素材時効果で墓地の自身を除外、デッキのゴーティスを1枚手札に加える
5.《ゴーティスの双角アスカーン》の効果で自身と相手場のカード1枚を除外
6.《ゴーティスの双角アスカーン》の除外時効果で墓地の《ゴーティスの妖精シフ》を除外し自場に帰還
7.次のターンのスタンバイフェイズ、《ゴーティスの妖精シフ》が自場に帰還

この様に相手ターンに行うS召喚で相手場を荒らして行くのが基本。
これを繰り返して行く事ができれば次のターンからはレベル8から更にレベル10S召喚に繋げる狙う事もできるようになり、
《最果てのゴーティス》等の巨大シンクロに繋げ圧倒して行くのが狙いとなる。



弱点


  • 一定のプレイング能力と対戦相手のデッキへの理解力
シンクロモンスターの効果をよーく見てみるとわかるが相手への攻撃手段が「フィールドのカードを破壊もしくは除外」しかない
《ゴーティスの双角アスカーン》による単体除去か《白闘気白鯨》《最果てのゴーティス》による全体除去の2通りになり、それ以外の妨害が欲しい場合は手札誘発などに頼る必要がある。
使い手に腕前があれば、それだけしか芸がなくとも十分に渡り合えるポテンシャルを秘めたデッキではあるのだが、
逆に言えば、対戦相手のデッキがどういう動きをしてくるか見極めることが重要となる難解なデッキでもある。
何も考えず相手ターンでシンクロすると特に耐性を持たないレベル8のSモンスターがぼっ立ちになったり、全体除去しても相手が展開をリカバリーする可能性も十分ありうる。なのでマストカウンターや召喚するモンスターの吟味が非常に大切になる。特に《白闘気白鯨》の全体除去は前述のとおりチェーン処理中に出してしまうとタイミングを逃してしまうためよく状況を見極める事。



  • 誘発や効果無効等一通りの妨害や捲り札
基本的に《揺海魚デッドリーフ》で《ゴーティスの妖精シフ》を落とすか《死神官―スーパイ》を用いたものが主な展開になるため、《灰流うらら》や《無限泡影》といった汎用誘発は一通り刺さる。
特に相手ターンで《増殖するG》を打たれると、相手ターン中に大量に引かせてしまうためかなり厳しい。*7
また《サンダー・ボルト》や《拮抗勝負》といった全体除去カードを耐える手段も乏しい。

  • モンスターメタ
ゴーティスは手札と除外ゾーンで効果を使う関係上、動きの中でモンスターが占める重要度が極端に高く、逆に魔法罠はなくても行動できる。
なので、モンスターに対するメタカードは基本すべて刺さってしまう。
《センサー万別》や《アンデットワールド》で種族メタを張られる、《スキルドレイン》で効果を潰される、《フォッシル・ダイナ・パキケファロ》《サモンリミッター》で召喚制限をかけられる、などなど、とにかくメタビ系デッキに死ぬほど弱い。
また、モンスター効果での除去で相手の出鼻をくじきながら戦う関係上、除去が通らない「効果を受けないモンスター」が出てくるとその後の対応に苦慮しがち。
なるべくカテゴリ外のカードも投入したい。


  • 相手の効果に直接チェーンはできない(行動がワンテンポ遅れる)
ゴーティスデッキの操作難易度を上げている要因のひとつ。
ゴーティスチューナーの効果は「相手の効果Aが発動→S効果発動→チェーン解決処理(この中でAとS召喚を行う)」を済ませた後、改めてSモンスターの「S召喚時の効果」を新しいチェーンで組み直す、という流れとなる。
ゆえに、「相手が発動したフィールド魔法の効果を除去で取り消したいのに間に合わない!」「相手の融合召喚を阻止したかったのに、除去する前にS召喚されてしまった!」という事態が起こりがち。
なので本当になんとかしたいカードが出てきそうな場合、その1手前のうちからS召喚効果を使わねばならないのだが、「1手前」がどこなのかを読み切るのが難しいのだ。



追記・修正は宇宙遊泳しながらお願いします

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最終更新:2025年04月11日 14:24

*1 「にち」でも「ひ」でもない

*2 「き」でも「もく」でもない

*3 除外したタイミングで《ゴーティスの兆イグジープ》が手札に存在しないため、一見特殊召喚できないように見えるが、手札が非公開情報なために手札に他の《ゴーティスの兆イグジープ》があるかどうか外からは判断できないため。《アストログラフ・マジシャン》や《闇黒の魔王ディアボロス》などと同じルール

*4 『創世記』に登場する人名及びそれに因む「エノク書」のエノクの英語読みがイーノックである

*5 https://twitter.com/Sawaki_Takeyasu/status/1656273720145752065

*6 雲がかかって輪郭のぼやけた状態に見える月のことを「朧月」という。

*7 逆に自分ターンで打たれる分には、展開を最低限に控えても相手ターンで十分動ける余地があるため耐えられる部類である。