Rise of the Ronin

登録日:2024/05/24 Fri 18:11:50
更新日:2025/03/27 Thu 14:46:17
所要時間:約 30 分で読めます




名も無き浪人として

己の運命を切り開け


『Rise of the Ronin(ライズオブローニン)』は、コーエーテクモが開発・SIEが発売したオープンワールドアクションRPG。
発売日は2024年3月22日。対応ハードはPS5


+ 目次

概要


NINJA GAIDEN』『仁王』シリーズや『Wo Long: Fallen Dynasty』などの高難度アクションゲームで知られる、コーエーテクモのTeamNINJAが開発したアクションゲーム。
プレイヤーは名も無き浪人の主人公を操作し、黒船の来航で揺れる幕末の日本を舞台に、坂本龍馬新選組といった歴史上の偉人・組織と関わりながら激動の時代を駆け抜けていく。

本作の企画は初代『仁王』(2017年発売)の発売前からあったらしく、仁王の好評を受けてSIEの協力を得られ、『仁王2』の開発終了後に本作の開発が本格化したとのこと。
コーエーテクモ社長のシブサワ・コウ氏の「幕末の時代で、横浜を舞台にしたい」*1という要望を取り入れ、横浜・江戸・京都の三都市を自由に歩き回れる幕末オープンワールドアクションゲームとして誕生した。
シナリオは大河ドラマ「龍馬伝」や「るろうに剣心(実写映画版)」の演出・監督を担当した大友啓史氏が担当。

“オープンワールド”というと、一つの広大なフィールドがシームレスに繋がっている…というのが一般的なイメージだが、本作の場合、舞台となる三都市間はさすがに繋がっておらず、それぞれ独立したフィールドとなっている。
とはいえ、シームレスに繋がった広大なマップが横浜・江戸・京都の3エリア分も存在している…と考えれば、その圧倒的なボリュームは十分感じられるだろう。
オープンワールドとしては徹底したストレスフリーな設計が特徴。
馬をいつでも呼び出せたり、ファストトラベルがいつでもできたり、サブイベントの発生箇所はもちろん宝箱の位置までもがマップに全て表示されたり*2、落ちているアイテムを自動で拾ってくれたり*3、物語のやり直しさえも自由だったりと、面倒くささをとことん排除したユーザーフレンドリーなシステムが多く見られる。
一方で、他のオープンワールドと比較して真新しい要素はあまりなく、またマップにほとんどの情報が記載されてしまう関係で探索の楽しみが薄く偶発的な発見があまりないとも言われる。*4

コエテクのオープンワールドといえば、(開発チームは別のω-Forceだが)『真・三國無双8』での厳しい評価も記憶に新しく、本作の発売前は不安視する声も見られた。
さらに、発売日がカプコンのオープンワールド大作RPG『ドラゴンズドグマ2』と完全に被ってしまうという事態が発生。
まさかの国産オープンワールドRPG対決と相成ってしまう。
国内外でドラゴンズドグマ2への関心が高かったこと、そして“コエテクのオープンワールド”への不安やそもそも本作の宣伝にあまり力が入っていなかった*5こともあり、当初はあまり注目されていなかったが、いざ発売されると各種レビューサイト等で高い評価を獲得した。

また、キャスティングに力が入っているのも本作の特徴のひとつ。
幕末の偉人たちを網羅したかような登場人物の多さもさることながら、キャスト陣にも多数の有名声優が名を連ねている。
ゲーム中ではそれらのキャラクターとの会話シーンも多く、選択肢によって相手の様々なリアクションを楽しむことができる。
一部のキャラクターとは(主人公・相手の性別を問わず)恋愛関係になることも可能で、コーエーテクモ・ルビーパーティースタッフ監修による攻めた内容の恋愛イベントが話題となった。
その甲斐あってか本作はキャラクター人気も高いようで、イラスト投稿サイトやSNS等でファンアートが投稿される等の積極的なファン活動も見られた。


ストーリー


1853年、日本。

黒船を率いて来航した米国東インド艦隊司令長官マシュー・ペリーは、日本に開国を迫った。
徳川の治世が始まって300年近く鎖国政策を維持してきた江戸幕府だが、米国(あめりか)の圧倒的な武力を前にして鎖国を断念し、日米和親条約を締結。
日本は開国へと歩み始める。

一方、国内では欧米列強を排除しようとする攘夷思想が加熱。
西の長州藩を筆頭に、一部の藩で尊王攘夷*6運動が盛んになり、幕府との対立を深めていく。


北陸の黒州藩(くろすはん)*7にて、二人一組の特殊兵士“隠し刀”として秘密裏に育てられた主人公とその片割れは、藩命に従いペリー暗殺のため黒船へと潜入する。
しかし任務に失敗し、片割れは行方知れずに。
相棒を失った主人公はひとり、里へと帰還するが、幕府の怒りを買った黒州藩は取り潰しとなる。


1858年、横浜。
日米修好通商条約の締結に向けて揺れるこの地では、様々な国・思想・立場の人々が集っていた。

“倒幕”か、“佐幕”か。

横浜に流れ着いた主人公は、片割れの行方を追いながら、攘夷志士や幕臣など多くの人々と因縁を深め、己が進むべき道を切り開いていく。


主な登場人物


本作は登場人物が非常に多く、ここに書ききれていない人物も多数存在する。
指定した人物と一対一で模擬戦ができる『鍛練』だけ見ても対戦相手となるNPCが50人くらいいる、と聞けば登場人物の多さが伝わるだろうか。
とはいえ、ストーリーに大きく関わる人物はさほど多くなく、岡田以蔵のようにサブイベントでのみ登場し本編に一切関わらないキャラもいる。

主要人物

  • 主人公
CV:花輪英司 / 加瀬康之 / 石川由依 / ファイルーズあい
“無明流”という独自の流派を扱う浪人。
黒州藩にて二人一組の特殊兵士“隠し刀”として育てられた過去を持つ。
ペリー暗殺に失敗して自身の半身たる“片割れ”を失い、その後脱藩して浪人になった。

外見・性別は『仁王2』『Wo Long』と同様のキャラメイクシステムにより老若男女問わず自由に設定可能。
ボイスの設定も可能だが、仁王2やWo longの主人公と異なり、今作の主人公は一部のムービーにおいてしばしば台詞を発するので、それも踏まえてボイスを選ぼう。

開国に向けて動き出した日本において、主人公は倒幕派/佐幕派のどちらにつくか、という選択を迫られ、プレイヤーの選択次第で主人公の立場が変わる。
一方、そういった思想や立場の話は置いておいて、本編中の主人公の行動目的は「行方不明の片割れを探すこと」で概ね一貫している。


  • 片割れ
主人公の相棒として育てられた、もう一人の“隠し刀”。
主人公と共にペリー暗殺を実行するも失敗し、一時行方不明となるが、その後意外な形で主人公の前に現れる。
再登場後の左手が完全に忍義手

主人公同様、キャラメイクが可能。CVも主人公と同じ4パターンから選択する。
ゲーム開始時、プレイヤーは隠し刀二人分のキャラメイクを行ったのち、ストーリー序盤のとある場面において、二人の内どちらを正式に主人公とするかを決めることができる。
この時、主人公に選ばれなかった方がこの“片割れ”となり、以降は登場人物の一人として、ストーリーの要所で出現する。


CV:武内駿輔
ご存知、明治維新の立役者。土佐藩を脱藩した浪人。
土佐弁が印象的な飄々とした人物で、その人柄から周囲の人々を惹き付ける。

片割れを失った主人公の新たな相棒的存在。
横浜で主人公と出会って以降、長く行動を共にし、長州藩士や薩摩藩士といった倒幕派、そして勝海舟などの幕臣とも関わる。
さまざまな立場の人々と知り合い、その中で新しい日本のあるべき姿を模索していく。

使用武器は刀と短銃。流派は北辰一刀流。


以下、勢力ごとに折り畳み。

+ 長州藩

長州藩

思想家・吉田松陰が開いた松下村塾(しょうかそんじゅく)の教えから、倒幕思想の強い派閥。
土佐藩を抜けた坂本龍馬や中岡慎太郎も身を寄せている。

  • 桂 小五郎(かつら こごろう)(CV:子安武人
ご存知、長州藩のリーダー的存在。
他人を「◯◯君」と呼び、おだやかな口調で話すが倒幕への思いは人一倍強い。
しかし酒に弱いのに飲酒が絶えなかったり、肝心なときにいないという弱点も持つ。
酔っ払っているときに幕府の重鎮中の重鎮とエンカウントするという間の悪さを見せる場面も。

  • 高杉 晋作(たかすぎ しんさく)(CV:小西克幸
長州藩士。三味線が得意で賭け事を好む。
志を同じくする私兵「奇兵隊」を率いる他、横浜中華街に住む清(中国)の人々とも交流を深めている。
龍馬が使っている短銃は、彼が手渡したもの。
民草や清人に対して圧政を強いる幕府に恨みを持つ倒幕派であるが、異人に対しての恨みはそれほどではなく、その事で玄瑞とは折り合いが悪い。
また何処か刹那主義で生き急いでいる節も見られるが…。

  • 久坂 玄瑞(くさか げんずい)(CV:福山潤
長州藩士。吉田松陰の一番弟子。
医者の家の出だが、医学の道より攘夷活動に熱心で異人への容赦はない。
端正な顔立ちと真面目すぎる性格が特徴的であるが、その本質は「異人を排除する」思想に支配されている危険人物。
“天誅”と称し、ことあるごとに異人やそれと親しくする幕吏を襲う。
彼が関わるミッションは明らかなテロ活動も多く、その行為を見て長州藩に身を寄せていた龍馬も次第に考えを改めていった。

彼が異人を憎むのは、「異人が持ち込んだコロリ*8のせいで家族が苦しんで死んだ」という境遇故である。
しかし仮にも医家の出であるならばコロリを恨みこそすれ、異人を恨むのは筋違いであり、その事を医者であるイネから指摘されるが……。

  • 伊藤 博文(いとう ひろぶみ)(CV:伊藤健太郎)
  • 山縣 有朋(やまがた ありとも)(CV:遠藤大智)
後の初代総理大臣と三代目総理大臣。
だがこの頃は単なるテロリスト的な役割が多く、久坂等の命令で動く三下のようなムーブも多い。
伊藤博文は女好きで軽薄な一面を持ちながらも根は真面目で礼儀正しく、物騒な山縣のストッパーとなっている。

ゲーム内では二人セットで扱われがちで、敵としても二人揃って出てくることが多い。
銃剣で遠距離から攻撃してくる伊藤に、槍を携え軽快に動き回り荒ぶるカメラの動きで翻弄する山縣のコンビネーションは非常に厄介。
山縣は単体で見てもかなり手強く、慣れるまではその素早い動きについていくのも難しい。

  • 中岡 慎太郎(なかおか しんたろう)(CV:小松史法)
龍馬と同じく土佐藩から脱藩してきた男。
明るい人柄で親しみやすい人物だが、「小手調べ」として主人公と戦うときにやたら強い事がネタになっている。
彼の使う銃は高威力な散弾タイプな上に、なぜか長射程で連射も速いというインチキ臭い性能なので、まずはこれを正確に石火できるようにしよう。
ゲームクリア後、何故か中岡だけがどこにも出現しなくなってしまい二度と会えなくなるというバグがあったが、後に京都に出現するよう修正された。

  • 吉田 松陰(よしだ しょういん)(CV:堀内賢雄
思想家。長州藩の過激な攘夷活動の発端ともいえる人物。
史実では米国に渡るためペリーの黒船に乗り込もうとするも失敗し投獄された過去を持つ。
その後、長州藩にて松下村塾を開き、久坂や高杉を筆頭に多くの人材を輩出した。*9

幕府が朝廷の許可なく開国を推し進め欧米諸国と条約を結んだことに激怒するが、大老・井伊直弼が断行した安政の大獄(攘夷派への弾圧)によって捕らえられる。
長州藩の依頼を受けた主人公によって脱獄の機会を得るも、「ここで逃げたら自分が間違っていると認めるようなもの」として、裁きを受けることを決意。
最終的には刑場に自ら歩いていき「諸君、狂いたまえ」という言葉を遺してこの世を去った。
彼と主人公が話した時間は非常に短かったが、大きな影響を与えたと思われる。
ちなみにキャラを写真で撮影しようとすると反応があるが、捕まってボロボロの松陰にも用意されている。

大河ドラマ「花燃ゆ」で名を挙げた、松陰の妹であり玄瑞の妻。
おしとやかで臆病ながら、兄同様意思の強い女性であり、兄の為であればかなりの無茶をしでかす。


+ 薩摩藩

薩摩藩

藩主の養女・篤姫が第13代徳川将軍の正室(御台所(みだいどころ))となったことで幕府と繋がりを持つ藩。
一方、長州藩と同じく倒幕思想が強く、また英国(いぎりす)と深い関係にある。

ご存知、薩摩藩の藩士。
幕府に立ち向かうために探りを入れており、やがて長州藩と薩長同盟を結ぶ事となる。
戦う時は専用流派と武器、飼い犬と共に襲いかかってくる強敵。ちゃんとモフモフできる。
イメージに違わぬ豪胆な男で抜け目がないが、一方で史実通り写真嫌いでありカメラを向けるとめっちゃ狼狽する。
ゲーム中盤辺りまで行方を眩ませており、薩摩藩関連のイベントでその存在を示唆される場面はあるものの、本人はなかなか登場しない。
しかし物語も佳境に入る後半、堂々たる姿で参戦すると圧倒的な存在感を見せつけてくれる。

  • 大久保 利通(おおくぼ としみち)(CV:てらそままさき)
西郷の相棒的存在。史実の彼は武術はからっきしだったが、今作では大太刀を振るう腕利きの剣豪として登場する。
良くも悪くも真面目な性格で誰に対しても高圧的だが、気を許した相手には意外と気さくである。
西郷隆盛の事は竹馬の友と思っており、同じように「相棒」を持つ隠し刀とはシンパシーを感じている。

  • 篤姫(あつひめ)(CV:清水理沙)
上述の通り第13代徳川将軍の正室であり大奥の実質的なリーダー。
強い意思を瞳に宿し、人を食ったような態度を取ることもある強かな薩摩の女。
一方、動物好きな一面も持ち、「サト姫」という猫を常に抱いて溺愛している。
既に夫は亡くしているが愛情は本物。徳川への思い入れも強く、もしも時は最後の大奥として江戸城と運命を共にする覚悟も秘めている。
出番は少ないが、物語中盤から終盤にかけてのヒロイン的存在。

  • 黒田 清隆(くろだ きよたか)(CV:中村章吾)
西郷が身を潜めている間、大久保の右腕となっている薩摩藩士。
豪快で気っ風のいい九州男児で、薩摩勢力の中では特に方言がきつく、主人公の勇ましい戦いぶりを見て“ぼっけもん”*10と評した。
そして主人公は黒田の発言の意味が分からず、篤姫に通訳を依頼した。

何処か頑固であり、良くも悪くも仲間思いである。
また上下関係をあまり気にするタイプではなく、自分が正しいと思えば篤姫や大久保相手にも臆せず進言する。
このゲームでは『薩摩藩に仕えるヤツA』くらいの印象であるが、史実ではこの後二代目総理大臣となり、やはりその気概で男気を見せたり逆に頑固な性格で災難にあうこととなる。

  • 中村 半次郎(なかむら はんじろう)(CV:田所陽向)
幕末4大人斬りの一人。野太刀自顕流の達人。
西郷を信奉しており彼のためならば鬼神の如き活躍を見せる。が、時折暴走することも。
プライドが高く、薩長同盟成立後も長州藩士たちをしばしば挑発するなど喧嘩腰で応対する。


+ 江戸幕府

江戸幕府

江戸を本拠とする武家政権。
大老・井伊直弼が欧米と通じ、開国を推し進めている。

  • 徳川 慶喜(とくがわ よしのぶ)(CV:小林親弘)
ご存知、徳川家最後の将軍。
年若いが単なるおかざりではなく、先々を見据えて物事を判断できる聡明さを持つ。
剣術の腕も立つが、それ以上に手裏剣の扱いが得意。
一方で深編笠を被り正体を隠して町を見回ったり、写真を撮ることを趣味とする等、将軍らしからぬ自由奔放な一面も持つ。
篤姫の話によると、「町を見てくる」と言いつつ一日中賭場に入り浸っていたこともあったらしい。
地位に恥じない、人の上に立つ者としての器を持ち合わせている好人物であるものの、最早幕府は彼1人ではどうにもならない程肥大化しており力不足を感じている。

  • 井伊 直弼(いい なおすけ)(CV:菅生隆之)
大老として幕府を動かしている老獪な人物。
朝廷の意向を無視して日本の開国を進め、それに反対する多数の攘夷派を投獄、処刑した。
攘夷派に一切容赦しない苛烈さから“井伊の赤鬼”*11と呼ばれる。
ストーリー序盤の主人公は長州藩と行動を共にすることが多いため彼は悪役っぽく語られがちだが、井伊自身は「開国によって日ノ本を豊かにし、民を守る」という強い意思のもとに行動している。
一方で、とある女性に対しては不器用ながらもしおらしい一面を見せることも。
主人公とはある人物を通じて出会うのだが史実ならば年齢は43歳。どう見ても老けすぎではあるが、古い体制を維持するには心労が絶えないのだろうか。

居合の達人であり、ゲーム中で一番最初に気焔を使うのが彼。
プレイヤーからはその強さに驚きの声が挙がったが、彼が居合の達人なのは史実である。*12

井伊大老の亡き後に幕府で地位を築いた男。
高杉晋作曰く「口だけの成り上がり」らしいが、実際には「日ノ本を異国と渡り合える強い国にする」ことを目的に様々な策を講じるやり手の幕臣。
快活な江戸っ子で、その気風と未来を見据えた慧眼から坂本龍馬に強い影響を与えた。
依頼をこなしてくれる主人公に何度も食事を奢ろうとするが、そのたびに事件が起こって結局何も奢ってくれない。

しかし本人としては、幕臣としてあれやこれやと策を巡らせる事は不本意であり、何も考えず刀だけ振っていた頃の方が性に合っていて楽だったんだとか。
普段は本気の斬り合いを避けるため、腰の刀は紐で結ばれ簡単には抜けないようにしている。
剣士としては腕利きであり、苦手な船上で若干船酔い気味であったにもかかわらず、主人公と龍馬の猛攻を刀を抜かずにいなすほど。

ご存知、一万円札の人。
自らの知識を高めることに余念がなく、黒船に忍び込んで異国の道具を「拝借」したりする等、いい性格をしている。
彼も史実通り剣術の達人であるが、人を殺すことを嫌悪しており、彼の依頼では主人公に不殺を要求してくる事が多い。*13
また本人も同行中は全くと言っていいほど攻撃をしてくれない
徒党として連れて行くことも出来ず、ゲームサイドから彼に人殺しをさせない事を徹底している。
道場での模擬戦では彼と戦うことができるが、神速の居合斬りを駆使する強敵になっている。

基本的に礼儀正しいものの勝海舟とは史実通り仲が悪く、彼に対しては愚痴ることもある。

  • 渋沢 栄一(しぶさわ えいいち)(CV:興津和幸)
ご存知、新一万円札の人。
幕府で勘定の仕事に従事している。
開催が迫るパリ万博のため奔走しており、日ノ本が出展する品として薩摩藩の伝統工芸品である薩摩焼に注目する。
やたら強い仏国式の銃剣で戦うが、それが史実かどうかは不明。

  • 山岡 鉄舟(やまおか てっしゅう)(CV:星野貴紀
  • 高橋 泥舟(たかはし でいしゅう)(CV:岩崎正寛)
勝海舟と並んで“幕末の三舟”と称される幕臣。
鉄舟は腕利きの剣豪で、清河八郎と共に新選組の前身である浪士組を率いた。
泥舟は神業の域とも謳われる槍の名手。しかしストーリー終盤のモブ槍兵は泥舟のモーションを流用していることが多く、槍の名手だらけである。

  • 青鬼(あおおに)(CV:土師孝也)
ペリーの暗殺に来た隠し刀の前に突如現れた男。
その名の通り青い鬼の仮面を被っており、忍者を思わせる剣術で圧倒する。
短銃の扱いにも長けており、雨の中高速で動く人間を的確に狙撃できるほど。
主人公と片割れが分かれる要因になった他、その後も主人公たちの行方を阻み、大事なものを奪っていく。
(初邂逅の際に勝つことも可能だが、結局ペリーの銃撃で隙を作られて形勢逆転となってしまう。…がレアアイテムが手に入る)

その正体はとある人間に不器用なまでに忠誠を誓う男であったが、独断専行が過ぎるきらいがありやがて…。




+ 新選組

新選組

京都の治安維持や攘夷志士の弾圧を務める浪士隊。
京都守護職・松平容保の配下。町人・農民の出身者が多い。

新選組おなじみの羽織はこのゲームにも登場し、主人公も着ることができる。
色味はよくある派手な浅葱(あさぎ)ではなく、どちらかというとに近い色味で、昨今の研究にあわせたものが採用されている。*14

新選組局長。天然理心流剣術の四代目当主。
見た目通り豪胆な人物で、圧倒的なリーダーシップとカリスマで隊を率いる。
一方、「俺もトシや総司のような顔立ちなら…いや、この(ツラ)に後悔はない!」とイケメンへの憧れを口にするなど親しみやすい一面も。
刀・大太刀・大剣と様々な武器を使いこなす。

主人公の事を目にかけており、たとえ主人公が倒幕派であっても新選組に入らないかと勧誘してくる。
因縁ミッションでは主人公を無二の友と認め、自分に何かあった際は代わりに土方や沖田を見守って欲しいと頼むなど絶大な信頼をよせる。

近藤への銃撃事件は今作では発生せず、鳥羽・伏見の戦いに参戦。敗走の折、古き侍の時代の終わりを実感した近藤は土方に新選組を託し、そして…。

  • 土方 歳三(ひじかた としぞう)(CV:中村悠一
ご存知、鬼の副長。隊を厳しくとりまとめ、近藤の補佐にあたる。
本作では二刀流の使い手だが、彼の刀は鎖で結ばれており、鎖を持って刀を振り回すなどトリッキーな戦いをする。
戦場では近藤や沖田、斎藤等と同時に出現することが多く、複数ボス戦になりがちなので土方が出てくるミッションはわりと難度高め。
新政府軍との戦いの最中、侍の時代の終わりを悟りつつも侍として最期を迎えることを望んだ近藤に、新選組の未来を託される。

  • 沖田 総司(おきた そうじ)(CV:田丸篤志)
一番隊組長。
薄幸の美少年にして新選組随一の剣豪という創作物の彼のイメージ通り、剣のみに生きる男。
近藤や土方に褒められたい、認められたい一心でひたすら剣を振ってきたと語る。
戦いを好んでいるような節も見られ、主人公との斬り合いを純粋に楽しむ。
小柄だが身の丈ほどもある長刀を軽々と振るい、目にも止まらぬ速度で斬擊を放つ凄腕剣士。
多くの専用武技を持ち、天然理心流や北辰一刀流を駆使する。
また隠し刀の独自流派である無明流さえも、戦闘中に一目見ただけで習得し武技まで使いこなすなど、常人離れした才覚を見せる。

史実通り病弱であり、時代が進むと寝込むようになる。
体調が悪化しだした直後もしばらくは戦う姿勢を見せ、その剣技も錆びることはないが、不意に咳き込みその場に伏せるなどかなり無茶をしていることがわかる。

  • 永倉 新八(ながくら しんぱち)(CV:高口公介)
二番隊組長。
剣術の腕に絶対の自信を持ち、最強を目指している。
やや近寄りがたい雰囲気のキャラが多い新選組の中では、比較的明るくフレンドリーな人物。

  • 斎藤 一(さいとう はじめ)(CV:鈴木達央)
三番隊組長。
寡黙な性格で、他の隊士には内密の独自任務も多い人物。
冷たく見えるが確かな人情を持ち合わせている…が、新選組のためならばその情すらも殺すことができる。
独自任務の多さ故か、副長の土方すら知らされていないような情報を持っていることもあり、新選組を裏から支えている。
史実では使用した流派ははっきりしていないが今作では無外流を使用する。
十手のような刀を使い、短銃による不意をついた攻撃と、大技の三連高速突きでプレイヤーを苦しめる難敵。

  • 藤堂 平助(とうどう へいすけ)(CV:米内佑希)
八番隊組長。
純粋な性格で、京の平和のために戦う事に誇りを持っている。
近藤らとは試衛館時代からの同士ではあるが功を求めて戦う彼らに疑問を持ち始める。

  • 伊東 甲子太郎(いとう かしたろう)(CV:江越彬紀)
新選組参謀。
理知的な人物でカリスマがあるものの、どこか自分以外の人間を見下している節がある。
だがその実力は確かであり、近藤らとは異なる独自の思想を持つが故に新選組内に伊東派の派閥を築いている。
思想の違いから新選組内で対立し、後に内部抗争(油小路事件)を引き起こす。

  • 鈴木 三樹三郎(すずき みきさぶろう)(CV:吉野貴宏)
九番隊組長。
兄の伊東甲子太郎を盲信している。
油小路の変で兄と共に新選組を離反する。
そこで果てたと思いきや、後に意外な再会をすることとなる。

初代筆頭局長。
昨今再評価が進んでいる芹沢鴨だが、残念ながらこのゲームでは粗暴で短慮な男。またイベントの都合上史実より長生きする事も…。
サブイベントをこなさなければ登場せず、またそのクエストで退場してしまうというほぼモブキャラとなっている。
しかし酒の席に突如襲撃してきた近藤らに対し不遜な態度を崩さず、彼らのやり方を古いとなじるなど、豪胆な一面は崩さなかった。
結果的に敵対したがその死は近藤に暗い影を落としており、描写が少ないだけで史実通りの美点もあったかもしれない。

  • 井上 林太郎(いのうえ りんたろう)(CV:鈴木達央)
一番隊隊士。
妻子を養うため新選組に入隊した。沖田を慕っており、彼からも信頼されている。
沖田を治すため、主人公と薬を探すが…。
史実では天然理心流の剣士で近藤らとは試衛館時代からの同士。総司の姉であるみつと結婚しており、総司の義理の兄にあたる。

  • 松平 容保(まつだいら かたもり)(CV:露崎亘)
佐幕派で知られる会津藩の藩主で、京都守護職。
新選組は彼の配下にあたる。


+ 欧米列強

欧米列強

米国(あめりか)

  • マシュー・ペリー(CV:木下浩之)
もはや説明不要、日本に開国を迫った男。米国東インド艦隊司令長官。
日ノ本を大鯨(モビーディック)と見なし、それを釣り上げて本国での名声を上げることを目的としている。

ペリー暗殺の藩命を受けた主人公と片割れに命を狙われる。
短銃とサーベルを駆使して戦うが、隠し刀二人を相手にしてはさすがに敵わず危うく殺されかけるも、「青鬼」と名乗る男が乱入してきて命を拾う。
その後は横浜に滞在し、日ノ本と米国の関係を取り持つこととなるが、自分を殺しに来た主人公ですら手駒として使うなど策士な一面も見せる。
そんな彼が求めるのは、英雄と称えられるも早死した兄に追いつくことである。

なお、ペリーは史実では残念ながら横浜編直後の辺りで病死する(主人公たちが江戸に付いた頃には亡くなっている)のだが、ゲーム中では生存しているらしく、長屋にも登場するし徒党として連れて行くことも可能である。(とは言え物語からはフェードアウトしてしまうが)
このゲームは作中で死亡したキャラクターははっきりと「死去済み」と表示されるのでわかりやすい。
ちなみ一部キャラクターは「ペルリ」と呼んでいるが、字幕では「ペリー」で統一されている。

  • タウンゼント・ハリス(CV:楠見尚己)
米国総領事。日米修好通商条約を締結するためにやってきた。ヒゲが特徴的。
条約締結後、日本国内で米国の立場が微妙になっても日本に留まっている。
ペリー同様、主人公に殺されかけた経験があり、それもあって主人公と話す際は常に警戒気味。

  • アレクサンドリア・モロー(CV:杏寺円花)
謎の女性。史実には存在しないオリジナルキャラクター。
植物や毒に詳しく、主人公やロバート・フォーチュンを操ったりする悪女。
米国兵からも魔女として恐れられているが、その本質は仲間思いである。
不治の病である「労咳」を直す手がかりを握っているようだが…。

術師とのことだが、衣装もどことなく同社ガストチームのアトリエシリーズを彷彿とさせる、肩を大きく露出した変わったデザイン。
入手できれば主人公にも同じ服を着させることができる。
靴も本作では珍しいハイヒールブーツなので、女性用装備としてわりと人気。


英国(いぎりす)

  • アーネスト・サトウ(CV:三上哲)
英国から横浜にやってきた通訳士。
まだ英国が日本と深く関わっていない時期から福沢諭吉に日本語を学び「もう教えることはない」と言われるまでマスターしてしまうほどの日本好き。
ちなみに「サトウ」という姓は、彼が日系ハーフで「佐藤」姓を名乗っている…わけではなく、偶然同じ読みになっただけの、れっきとした英国人である。*15
決して悪人ではないが、その親日家の一面は荒れていく日ノ本ととある人物によって次第に暴走していき…。
真っ直ぐすぎる激情家ながら、後に自らの過ちを恥と受け入れることができる冷静な面を持つ。

作中では語られないが、日本に登山靴を伝えた人物。
ネタバレになるので詳しくは伏せるが、本作における彼の靴は作中屈指のオーパーツ
スタッフは登山靴というものをなにか勘違いしている。
それと後に彼の屋敷にも訪れるのだが、そこの仕掛けもいろいろおかしい。
本人は至って真面目であるものの、本作随一のネタキャラと化している。

  • ラザフォード・オールコック(CV:青山穣)
英国の外交官。井伊直弼亡き後、日ノ本で米国に代わり英国が台頭してきたタイミングで登場。
外国人を目の敵にして暴れまわる攘夷志士を「野蛮人」と罵るが、日本人全体を嫌悪しているわけではなく、「英国人にはない洗練された一面がある」と評している。
また、自然を深く愛し浮世絵や陶芸などの繊細な美術品を作り出す日本人の感性は認めており、いずれ日本文化を本国に紹介したいと考えている。
史実では外交官として清(中国)、そして日本に滞在し、後に彼の目から見た日本人論を記述した。
それほど有名でもない要素の話ではあるが、実は開国後はじめて富士山への登山を行った外国人でもある。アーネスト・サトウの靴を履いていたに違いない。
本作の彼も富士山について「登って良し、眺めて良し」と語っており、相当気に入っているようだ。

  • マーカス・サミュエル(CV:岩中陸樹)
ペリーの知り合いである英国の商人。
身ぐるみ剥がされて下着一丁の時に主人公と出会うという衝撃的な登場をする。
どこか情けない印象を与えるが筋は通す人物であり、主人公がペリーと縁を結べたのは彼のおかげでもある。

なお史実では1853年と黒船来航時と同年生まれであり、作中の登場時期だと5歳かそこらになるのは秘密。父親も同じ名前であったが…。

  • フェリーチェ・ベアト(CV:下川涼)
写真家。本作屈指のイケメン。
オールコック曰く退廃趣味で、欧米の文化を取り入れたことで廃れていく日本文化に興味を示す。
史実では、江戸時代の日本の貴重な写真を残した人。明治維新を扱ったテレビ番組でたまに出る『下関戦争で勝利した連合国兵士達が長州の砲台を占拠した写真』も彼が写したもの。
彼の作品に、愛宕山から江戸の町並みを撮影したパノラマ写真があるが、本作では主人公がその撮影を手伝うイベントがある。

  • ロバート・フォーチュン(CV:駒谷昌男)
植物学者。
日本人に対して何の偏見を持たず、主人公にも気さくに接して長屋に植物を育てる設備を用意してくれる良人物。
…なのだが、モローの毒でラリッたり、薄雲太夫に一目惚れしたりと女性絡みで変な印象を多く残す。

仏国(ふらんす)

声の圧がめっちゃ強い仏国の騎士。
ハリスの護衛として主人公と初邂逅した後、江戸幕府の陸軍精鋭部隊・伝習隊に西洋式の軍事教練を行う講師となる。
当初は功を焦って突出する「サムライ」を嫌悪していた節があるが、自身が理想とする「竜の軍隊」をこの国に作れると徐々に前向きになっていく。
サーベル・ハルバード・銃剣を使いこなし、武器によってモーションやリーチが大きく変わるのが地味に厄介。

史実ではこの後、幕府のために全てを捧げて戦う榎本武揚らに感化されて本国の帰還要請を無視し戊辰戦争に参加。
五稜郭での最終決戦直前まで戦い抜いた上でようやく自らが鍛えた兵士達に後を託してフランスに帰国した。
このエピソードが元となり後年に製作されたのがあのハリウッド映画『ラストサムライ』である。


+ その他

その他

主人公と片割れを隠し刀として育て上げた師匠。
身よりのない主人公にとっては親も同然の存在。
厳しくも優しい老婆であるが、掟に背き脱藩を決意した主人公の前に立ちはだかる。
彼女もまた隠し刀として活動していたが任務のうちで片割れを亡くしていたが…。

主人公と龍馬が横浜で出会った美女。
芸妓をしながらも主人公に何かと頼みごとをしてくるため、たとえ主人公が女であろうと、彼女に会うためたびたび遊郭を訪れることとなる。
物腰柔らかだが、何かを隠しているらしい謎多き女性。作中一の慈悲深い人。
ストーリー序盤を牽引するヒロイン的存在。複雑な事情を抱えている様子だが、主人公と出会ったことで彼女の中にも変化が起き、そして…。
史実では主人公と会った時点で49歳。

発明家。
人当たりが良く明るい性格だが、自分の考えそのままに突っ走ったり、発明のこととなると早口になったりするという困った気質を持つ。
本人も「ああ、またやってしまった」と言うほどであり自覚しているが一向に治る気配はない。
自分の発明品を執拗に求める幕府の役人にはうんざりしている。
が、倒幕しようとするほど恨んでもおらず、諭吉や(知らずとはいえ)慶喜と仲良くなったりもする。
彼に頼むと様々なからくりを作ることが可能。プレイヤーが拾ったアビキルも元は彼が作ったものである。
だが彼の発明品にはこの手のゲームにありがちなオーパーツじみたものもまた多い。

  • 薄雲太夫(うすぐもだゆう)(CV:小島幸子)
遊郭の遊女。「わちき」「~ありんす」等の花魁(おいらん)言葉が印象的な人物。
遊郭の最高位「太夫」の称号を得た女性だが無類の猫好きであり、本作の収集要素である「猫」集めを主人公に依頼する。
猫一筋で他のことには興味なさげな性格に見えるが、前述のフォーチュンの不器用過ぎる告白にも応じたり、主人公と比翼の関係になれば積極的に愛を言葉にしたり等、人間が嫌いというわけではない。

  • 権蔵(ごんぞう)(CV:武田太一)
賊。脱藩した主人公が最初に戦うボス。
主人公の流派に強いが、同行者の流派に弱い…という、流派のチュートリアルも兼ねているが…。
詳しくは項目にて。
プレイしてみるとなんか作中随一の萌えキャラとか言われている理由がわかるはず。

  • 武田 物外(たけだ もつがい)(CV:浦山迅)
「拳骨和尚」の異名で知られる僧侶。
武術家であり、凄まじい怪力を誇る。

  • 千葉 周作(ちば しゅうさく)(CV:金尾哲夫)
千葉道場の主で、北辰一刀流の創始者。
「とにかく厳しい修行をすれば強くなれる」という精神論に基づいた剣術に疑問を抱いており、より論理的で実戦的な剣術を教えることを心がけている。
姪である佐那を可愛がっている。
佐那曰く、「まずは相手の技を見よ」というのが周作の教えらしいが、これは本作のプレイヤーにとっても極めて重要な心構えである。

千葉周作の姪。史実では「千葉 さな子」という名称が一般的。
道場の娘らしい凛々しい女性で、薙刀の名手であり「鬼小町」と呼ばれるほどの腕前。
坂本龍馬に惚れており、彼の伴侶になる為に邁進する。
会うたびに求婚を迫るレベルで押しが強いため、龍馬からは若干避けられている。
そしてストーリーが進むと、主人公と普通に比翼の関係になれる。

  • 男谷 信友(おだに のぶとも)(CV:塾一久)
  • 島田 虎之助(しまだ とらのすけ)(CV:間宮康弘)
  • 大石 種次(おおいし たねつぐ)(CV:船木まひと)
『天保の三剣豪』と称される三人の剣士。
男谷は男谷道場の師範で、小柄で温厚な性格の爺さんだが千葉周作も認める江戸屈指の剣豪。
島田は男谷の弟子で道場の師範代。
大石は男谷道場にしばしば道場破りに来る剣客。

  • 楢崎 将作(ならさき しょうさく)(CV:ふくまつ進紗)
医者。コロリの治療法を研究していたが、安政の大獄で捕まる。
処刑されそうになるも、主人公と龍馬らそして娘の龍に救われる。
偏屈と言われるがそれほど悪い人物ではなく、コロリ撲滅のために身を粉にして働く気概の持ち主。
娘とは仲が良いが互いに遠慮のない言葉をぶつけ合う関係で、この親にしてあの子ありといった間柄。
史実では釈放翌年に亡くなるが、ゲームでは明治維新まで長生きする。

  • 楢崎 龍(ならさき りょう)(CV:伊藤静
楢崎将作の娘。
非常に気が強く、父親を救うために単身処刑場に忍び込み牢の鍵を持ってくるほどの豪胆な娘。
同じく「龍」の字を持つということで龍馬と仲良くなる。
彼女には入浴シーンが存在するが、これは史実のとあるエピソードに由来する。

  • 楠本(くすもと) イネ(CV:行成とあ)
ドイツ人医師・シーボルトの娘。コロリを治す薬を研究している。
龍とは別ベクトルで芯の強い女性であり、また医者であるため人を殺す事を激しく嫌う。
…が悪人に対してはわりと容赦がなく、戦う主人公を援護するため敵に毒を投げつけるという無茶をしたりもする。
史実では壮絶な体験をする事となるが、流石にゲームでは語られない。

  • 清河 八郎(きよかわ はちろう)(CV:上田燿司)
庄内藩出身の志士。龍馬の兄弟子である。
一応幕府側の人間であるが、尊王攘夷派の志士ともつながりがある。
その為、幕臣である勝海舟の依頼に対しても最初はのらりくらりかわす食えない男。
侮りがたい人物ながら筋は通す性格のためか、確かなリーダーシップも持っている。
彼なりのやり方で、この乱世を生き延びようという考えがあるようだが…?

  • 沢村 保祐(さわむら やすすけ)(CV:辻井健吾)
なんか諭吉に「ご紹介しましょう」とか言われて唐突に出てくる忍者。
「幕末に忍者?」と思う人もいるだろうが、彼も実在人物である。
実力は確かなようで、黒船に忍び込んでそこから生還した…という驚くべき経歴を持つ。*16
主人公らがペリー暗殺のため黒船に向かった際に彼もいたらしく、「おかげで藩命を果たせた」との事で隠し刀に一目置いている。

「黒船に潜入したい」と言い出した福沢諭吉に協力してくれるが、待ち合わせの時間に遅れたり、現れるや否や「沢村保祐参上!」と高らかに名乗ったりと何処かズレた人物。
隼流という忍術を会得している。どこで誰に教わったのかは口外できないらしい。
忍術の後継者不足を嘆いており、忍術道場を開くも全く人が集まらなかったんだとか。

  • 中沢 琴(なかざわ こと)(CV:森なな子)
非常に珍しい女剣客。新選組の前身である「浪士組」に参加した。
凛々しくも美しい整った顔立ちで、男女双方からモテるらしい。
しかし本人は「色恋にかまけている時間はない」として恋愛には興味がない様子。
作中で「自分より強い男としか結婚しない」と発言しているが、これは史実通りで、そして彼女は生涯独身を貫いたとか。
その為か彼女と比翼の契りを結ぶことはできない。

  • 嘉納 治五郎(かのう じごろう)(CV:林勇)
柔術家。後の柔道の創始者。
史実では1860年生まれであり、主人公が江戸についた時点では本当は5歳にも満たないが、本作では10代前半くらいの外見の少年として登場する。
幕府の御前試合で主人公と戦うことになるが、小柄で武器も持たない嘉納を木刀でしばくのはフェアじゃない、と思う人はぜひ素手で相手をしてあげよう。

嘉納の名は江戸ではそこそこ知られているようで、強くなりたいと願う伊藤博文・山縣有朋の未来の総理コンビに稽古をつけることとなる。あいつら元から結構強いんで、余計なことしないでください
最後には稽古の仕上げとして伊藤・山縣が主人公と試合をすることになるが、“真剣勝負”と言いつつ伊藤・山縣は相変わらず二人がかりな上、片方を倒すと嘉納まで参戦してくる。
これをアンフェアだと思う人は、あらゆる手段を駆使して全力で叩きのめしてやろう。

  • 相楽 総三(さがら そうぞう)(CV:宮崎遊)
西郷隆盛や岩倉具視の支援を受けて結成されるも、最後は新政府から見放された『赤報隊』のリーダー。
本作では物語の終盤にて対峙することとなる。
「下級武士や農民にまで富が行き渡る真に平等な世の中」という彼らなりに志があっての事である…が、正直ポッと出な上にやってる事は賊とそう変わらない。
彼本人も性格的には特筆すべき点はないが、戦闘中に自分に刀を刺して血の斬撃を飛ばしてくるというインパクト抜群の攻撃方法だけは印象に残る。

  • 岡田 以蔵(おかだ いぞう)(CV:水中雅章)
幕末4大人斬りの1人。“人斬り以蔵”と恐れられる剣客。龍馬と同じく土佐出身。
元々は龍馬の同志で攘夷活動に精を出していたが、次第に佐幕派の幕臣を斬ることそのものが目的となっていく。
史実では龍馬の口利きで勝海舟の護衛をしたことがあり、暗殺者を斬り捨てて勝を守るも、当の勝から「人を殺すことを嗜んではいけない」と諌められる、というエピソードがあるが、本作では…。

幕末4大人斬りの1人。緋村剣心のモデルとなった人。
池田屋事件で自害した宮部鼎蔵の敵討ちのため、新選組を虎視眈々と狙う。

  • (うしお)(CV:-)
  • 佐依(さより)(CV:-)
主人公とは別の隠し刀。
黒州藩を脱藩した上、あろうことか幕府に協力している主人公に対し、(主人公の事情を知らぬとはいえ)「半端者」と呼び、襲いかかってくる。
やはり絆は硬く、どちらかが生きているともう片方も動揺しない。また戦闘中にどちらかがやられると、残った方は激昂する。
ちなみに一番最初のチュートリアルステージにて二人で鍛錬している姿が見られる。

  • 隻眼の男()(CV:-)
慶喜公の因縁ミッションで出てくる謎の老人。
主人公と同じく黒州藩の出身で恨みを晴らすため、慶喜公を狙う。
研師と同じく仕込み杖を得物としており、その正体は…。



基本システム


戦闘システム関連の用語は以下のとおり。

用語 説明
気力 いわゆるスタミナ。敵味方双方に存在する。
攻撃やガード、回避等を行うと気力を消費し、
時間経過や閃刃等によって回復する。
気力が尽きると大きな隙をさらす。
閃刃 攻撃動作後に武器についた血を払い、気力を回復する。
回復量は閃刃ゲージに比例して大きくなる。
閃刃ゲージは敵に攻撃を当てる(=武器が血に染まる)ほど溜まる。
石火 いわゆるパリィ。敵の攻撃を弾く。
成功するとダメージを無効化し、気力を回復する。
石火された敵は気力を削られる。
大技を弾かれた敵は動揺し隙を晒すことがある。
ほぼ全ての攻撃をパリィ可能で、投げ技や飛び道具も弾ける。
タイミングは非常にシビアで、外すと気力をかなり消費し、後隙も大きい。
武技 各武器種・流派ごとに設定された特殊攻撃。
斬擊を飛ばしたり投げ技だったり種類は様々。
敵が使う武技は赤いオーラを纏って放つ大技で、ガード不可。
石火で弾けば反撃のチャンス。
流派 戦闘スタイル。
同じ武器でも流派によって攻撃モーションや武技が変わる。
ひとつの武器に流派を3つまでセットでき、戦闘中に切り替え可能。
烈風 流派を切り替えながら繰り出す特殊攻撃。
紫電 武器を切り替えながら繰り出す特殊攻撃。
追い討ち 気力を削り切った敵に大ダメージを与える技。
武技の中にはより強力な追い討ちに派生するものもある。
暗殺 こちらに気づいていない敵を一撃で仕留める。
敵の背後や頭上から襲いかかるのが基本。
強敵の場合、一撃では死なずこちらを振り払って戦闘状態に入る。
徒党 ミッションに同行し共に戦ってくれる味方NPC。
操作キャラを主人公から徒党に切り替えることもできる。
徒党の体力が尽きても操作キャラで近づけば蘇生可能。
気焔 主人公および徒党を一時的に大幅強化する技。
気焔ゲージを消費して発動する。
気焔ゲージは攻撃を当てたり石火に成功すると蓄積される。


自由なキャラメイク・意匠変更

仁王2』『Wo Long』同様のキャラメイクシステムを搭載しており、顔の細かい造形から髪型まで自由に調整可能。
プリセットもあるので、面倒なキャラメイクに興味がない人も安心。
ゲーム開始後も、いつでもキャラメイクしなおすことができる。

服装も自由に設定でき、実際の装備とは別に見た目のみを好きな武器・防具に変更することが可能。
この部分は過去作よりかなり強化されており、インナーや羽織もの・帯・ベルト・小物等を細かく組み合わせて設定できる。*17
時代的にも幕末ということで、着物や草履といった和服はもちろん、シャツ・ズボン・コート・軍服・帽子・ブーツ等などの洋服も充実している。
着物にブーツ等、和洋折衷で組み合わせることもできるので、幕末ファッションを思う存分楽しもう。


豊富な選択肢とストーリー分岐

本作の会話シーンやイベントでは、たびたび選択肢が表示される。
選択肢は単なる「はい/いいえ」ではなく、臨場感のあるセリフ調になっているため、仁王2やWo Longの主人公と比べて本作の主人公はしっかり会話に参加している印象が強く、より没入感を味わえる。
スキルを覚えていけば、「痛い目を見ないとわからないか?」といった相手を威圧する選択肢や、嘘をつく、説得する選択肢なども選べるようになり、それによって結果が変わることもある。
時には主人公の選択によってキャラクターの生死が変わったりと大きな影響を及ぼす場合も。

ただし、主人公の選択でストーリーの大筋が変わることはなく、“幕末のIF展開”を期待するとやや肩透かしをくらう。
あくまで主人公や周囲の人々の生き方を少し変えられるだけなので、「もし薩長同盟が成立しなかったら…」というような大局を動かす歴史改変はできないと考えておこう。

一度体験したストーリーやサブイベントは、吉田松陰が残した『留魂録』という書物を使うことで、いつでも振り替えることができる。
さらに、主人公の選択を選び直すこともでき、それを今の時代に反映させることもできる…というちょっとした過去改変装置になっている。


幅広い移動手段

他のオープンワールド同様、本作にも様々な移動手段が用意されている。

    • 地上の主な移動手段。
    • いつでもどこでも、呼べばすぐに来てくれるので利便性が高い。
    • 高低差は苦手。一応ジャンプはできるが申し訳程度の段差しか登れない。
    • 馬用の装備があり、見た目にも反映される。
    • 馬に乗ったまま弓を射る流鏑馬(やぶさめ)のミニゲームがある。
    • ちなみに馬を手に入れる経緯はとある村を救ったら手に入るという味気ないもの。救った村にて元々の主らしき遺体とそれを弔っている僧侶がおり、彼らから譲り受けたと思わしき描写はある。

  • 鉤縄
    • 高所に引っかけて、その場所に一気にジャンプできる道具。
    • 類似のシステムがあるSEKIROと比べると、引っかけられるポイントは少なめ。
      • そのため、鉤縄を使えない場所では「どうやって上に登るか?」をしばしば考える必要がある。
    • 戦闘中に敵に引っかけることもできる。
      • 地上で使えば敵をこちらに引き寄せ、空中で使えば敵の方へ一気に飛べる。
      • 屋根の上などの高所にいる弓兵に近づくのに便利。
    • タルなどの一部のオブジェクトを鉤縄で手繰り寄せ、敵に投げつけることもできる。
      • 雑魚敵はこれで大きく怯む上、投げるものによっては敵が炎上したり毒になったりするので強力。
    • なぜかNPC達も全員鉤縄を持っている為、付いてこないということはないので安心して欲しい。

  • 阿鼻機流(アビキル)
    • 高所から滑空を行うためのカラクリ。
    • 要するにパラセール的な道具。
      操作に少しクセがあり、小回りは効かない。
    • 高いところから長距離を飛べると気持ちいい。加速も可能。
      • 味方NPCを連れている場合、これで長距離を飛ぶと感想を述べることがある。*18
    • 飛行中は気力(スタミナ)を消費する。
      • 飛行中に凧などに鉤縄を引っかけることができる。
        これによって飛翔し、再度滑空状態に移行すると気力が回復するため、また長距離を飛べる。
      • 凧から凧へ、鉤縄とアビキルを繰り返し使うことで、快適な空の旅を楽しめる。
    • 滑空しながら空中の的を割っていく滑空訓練のミニゲームがある。

  • 泳ぎ
    • 本作の主人公は泳げる。そして潜れる。
    • 泳ぐ速度はあまり早くない。
      • 一応、気力を消費しながら早泳ぎができるが、それでも遅め。
    • 水中に潜っている間は気力を消費する。水中で気力が尽きると息ができなくなり死亡する。
    • 水中から敵の乗った小舟に近づき、足元に近づいて暗殺する…なんて動きも可能。


人対人の剣戟アクション

本作の敵キャラクターは、基本的に全て人間である。*19
『仁王』の妖怪、『Wo Long』の妖魔のような異形の存在は登場せず、純粋な人間同士の斬り合いに重きを置いている。
中には山田浅右衛門のように異形に片足突っ込んでそうな体型の奴もいるが

この部分は人によって好みが分かれるところで、「敵が人間ばかりでバリエーションに乏しい」と感じる人もいれば、「チャンバラが思う存分楽しめる」と好意的な人もいる。


主武器と流派

『仁王』『Wo Long』同様、本作にも様々な武器が登場する。
主人公は武器を二つまで装備でき、戦闘中に自在に切り替えられる点も同じ。

『仁王』に存在した上段・中段・下段の『構え』システムの発展系として、本作には『流派』システムが存在している。

武器ごとにいくつかの流派があり、流派を切り替えれば攻撃モーションが切り替わる。
また、各流派は天・地・人・忍・無のいずれかに分類され、それによって得意武器・苦手武器が存在する。
相性有利な敵と戦うと、石火を成功させたときに敵が大きな隙を晒す等の恩恵がある。

“忍”は特殊な分類で、あらゆる武器種に対し相性不利になってしまう上、石火を決めるのも難しい。
その代わり石火を成功させると、相性を無視して敵を大きく仰け反らせることが可能。

“無”はあらゆる武器に対し相性の有利・不利を持たない。

+ 武器/流派の一覧
  • 刀・槍・銃剣に強く、二刀・サーベル・牛尾刀に弱い。
  • 大太刀・薙刀・大剣に強く、刀・槍・銃剣に弱い。
  • 二刀・サーベル・牛尾刀に強く、大太刀・薙刀・大剣に弱い。

武器 説明 流派 分類
最も基本的な武器。流派も多彩で扱いやすい。
『立身流』は石火のしやすさから評価が高い。
『隼流』『仁王流』は過去作オマージュの流派。
無明流
北辰一刀流
立身流
神道無念流
示現流
柳生新陰流
天然理心流
無外流
隼流
義経流
仁王流
愛洲陰流
リーチに優れる。
突きがメインだが流派によっては振り回す。
無明流
種田流
宝蔵院流
自得院流
二刀 手数に優れ、優秀な武技が多い。
発売初期は武技『彼岸蛍』がかなり強く、
この技ばかり雑に使うプレイヤーもいた。
無明流
二天一流
鏡新明智流
天然理心流
無明開新流
大太刀 リーチと攻撃力に優れる。
鈍重そうな見た目だが、流派によっては振りも速い。
無明流
野太刀自顕流
示現流
柳生新陰流
天然理心流
神道無念流
サーベル 手数に優れ、動きも機敏。
英国式の武技『ヘルハウンド』が優秀な性能で
気力を削りやすく、使いやすい。
敵のサーベル使いは盾を構えていることが多く
ガードを多用するので少し厄介。
無明流
米国式
英国式
無明開新流
薙刀 リーチと気力削りに優れる。
刀以外で珍しく忍属性の流派がある。
無明流
神道無念流
北辰一刀流
隼流
銃剣 手数が多く、遠距離攻撃もできる。
発射する弾は単発タイプと散弾タイプがある。
敵の銃剣使いは遠くからチクチク攻撃してくる。
乱戦ではかなり鬱陶しいので真っ先に処理すべし。
無明流
奇兵隊式
仏国式
英国式
大剣 隙は大きいが、溜め攻撃が強力で一撃が重い。
流派・武技によっては出の早い攻撃もできる。
無明流
法神流
天然理心流
無明開新流
牛尾刀 刃が湾曲した中国刀。柄の先に紐がついている。
振りが速く、足技も駆使するトリッキーな動きが特徴。
紐を使って武器を振り回す攻撃はリーチも長い。
無明流
清国式
奇兵隊式
無明開新流
素手 相手を殺さない戦いができる。
閃刃ができず、リーチも短い。
石火はスキル習得で可能になる。
攻撃はかなり速く、意外と強いと評判。
無明流


副武器

弓・長銃・短銃・手裏剣などの飛び道具

弓と長銃は射程が長く、遠距離や高所にいる敵を倒すのに便利。
長銃のほうが威力が高いが、弓は音を立てないため敵に見つかりにくい。

短銃や手裏剣は接近戦において主武器と併用して使い、敵を牽制することができる。
短銃はひるんだ敵への強力な追い討ちが狙える。
また、敵の攻撃に合わせて撃てば、石火のように敵を仰け反らせることができる。(いわゆる“銃パリィ”)
手裏剣は状態異常の付与が狙いやすく、その上回避しながら投げられるのが強み。

他にも火炎放射ができる“捕火方(とりびほう)”や、音を立てて敵を誘い出す“陶玉”も副武器扱い。
優秀なサブウェポンが多いが、装備できるのは主武器と同じく2つまで。


名所

寺や神社・城などの建物や、滝や田畑などの有名なスポット。
史実に基づいたもので、幕末の横浜・江戸・京都の観光気分を味わえる。
訪れると経験値がもらえる。


治安

一部の土地は悪質な浪人などが跋扈しており、治安が悪化している。
それらの敵を全て倒すと治安が改善し、土地の因縁レベルが上がったり、商人が町に戻ってきたりする。


お尋ね者

幕府が行方を追っているお尋ね者が、各地に身を潜めている。
お尋ね者を討ち取り、役人に報告すると報酬がもらえる。


手配度

通行人を攻撃したり、スリをしたり、役人の目の前で武器を振り回したりしていると、主人公の『手配度』が上昇する。
手配度が上がりすぎると役人に追いかけ回されるようになり、町中で戦闘するハメになる。
役人は倒しても旨味がない上、延々と沸き続けるのでかなり面倒。
手配度は時間経過でリセットされる。


因縁レベル

各登場人物には『因縁レベル』という主人公との関係性の深さを示す値が設定されている。
その人物に関わるイベントをこなしたりプレゼントを上げたりすると、因縁レベルが出逢友誼親愛宿命と上がっていき、より深い関係になれる。
因縁レベルが上がると、そのキャラの流派や装備を入手できるなどの恩恵がある。

また、人だけでなく土地*20や勢力にも因縁レベルがある。
特定の土地でイベントをこなしていくと、土地因縁が上がっていき、その土地の宝箱などの位置情報がマップに表示される等の恩恵を得られる。
特定の勢力(倒幕派/佐幕派)に所属する人とのイベントをこなすと勢力因縁が上がり、アイテムや意匠変更に使える服などが入手できる。


比翼の契り(恋愛イベント)

一部の登場人物には、上記の因縁レベルとは別に『好感度』が設定されている。
好感度を最大まで上げると『比翼の契り』を結び、恋愛関係になることができる。

比翼の契りに性別は関係ないため、女主人公が女性とニャンニャンすることも可能。
比翼の契りを結ばないと見られないイベントもあり、中には朝チュンを迎えたりする大胆なイベントも存在。
主人公に覆い被さってくる肉食系女子もわりといる。
比翼の契りを結ぶと、特別な装飾品が手に入るなどのメリットがある。

恋人に黙って別の相手と比翼の契りを結ぶこともできるが、その場合、一定確率で詰問イベントという修羅場が発生する。


+ 余談:ルビーパーティーの監修
余談だが、この恋愛イベントにはコーエーテクモで主に女性向けの恋愛ゲームを開発しているチーム・ルビーパーティーのスタッフが関わっている。

“人の因縁”がテーマの一つである本作にロマンス要素は欠かせないとして、当初から恋愛イベントの実装は想定されていたようだが、ここ数年死にゲーばかり作っていたTeam NINJAのおじさんたちに恋愛イベント作成はハードルが高かったようで、経験豊富なルビーパーティーに協力を仰いだとのこと。
結果的に、上記の通り攻めた内容のイベントシーンが作られたのだが、最初に映像を見たチーニンのスタッフは「これ大丈夫なのか…?」と狼狽してしまったらしい。

困惑するTeam NINJAスタッフに対し、ルビーパーティー出身のスタッフらは
「このくらい全然普通」
「そもそも我々はまだ本気を出していない」
と答え、その圧倒的強者オーラにチーニンのスタッフも「マジか…」と言葉を失ってしまい、そのまま実装に至ったようだ。

同じ社内とはいえ、畑違いのゲームを開発しているルビーパーティースタッフの召喚は、Team NINJAにとっての黒船来航だったのかもしれない。


本作は死にゲーか?


本作を死にゲーと見るか否かは、人によって意見が分かれている。

同開発チームによる『仁王』や『Wo Long』は、いわゆるソウルライクの高難度アクションゲームでスタッフからも明確に死にゲーと呼ばれていたため、それらの作品の流れを汲む本作についても死にゲーと見る向きもある。

しかし、本作について開発スタッフは「死にゲーではないが、『簡単です』とも言い切れない」と述べており、実際、ゲーム内では死にゲーではあまり見られない救済措置的な要素が多数散見される。

+ 様々な救済措置について
  • 難易度選択
    • 本作には、死にゲーを標榜するゲームにはたいてい存在しない難易度選択が実装されている。
      • 最低難度の『薄明』はアクションよりストーリーや探索を楽しみたい人向けにかなり手心が入った仕様となる。
      • しかし『黄昏』『宵闇』と段階を上げるに連れ一気にシビアな戦闘になり、死にゲーライクな緊張感が加わっていく。
    • 難易度はゲーム開始後でも変更可能。
      一度遊んでみて、手応えに合わせて難易度を適宜調整すると良いだろう。*21
    • ちなみに、同社ω-Forceが手掛けた『Fate/Samurai Remnant』も、ω-Forceには珍しく難易度が高めの作品だったが、本作同様に難易度選択が実装されていた。

  • 優秀な味方NPC
    • 特定のエリアを探索しボス撃破などの目的を達成する『ミッション』に挑む場面では、“徒党”と呼ばれる味方NPCを2名まで同行させることができるのだが、これがかなり優秀な性能。
      • 攻撃力が高く、雑魚敵は適度に処理してくれる上、ボス相手でも背後や側面から良い案配で横槍を入れてプレイヤーをフォローしてくれる。
      • 徒党として連れられるのは、坂本龍馬をはじめとする幕末の偉人たち。一部、オリジナルキャラクターも存在する。
        ミッションによって連れていける人物が制限される場合もあるが、徒党の選択肢はかなり豊富。
    • 徒党を連れている場合、主人公のHPが0になっても即ゲームオーバーとならず、操作キャラが徒党に切り替わり、戦闘を続行できる。
      • さらに、徒党を操作して倒れている主人公に近づき、HPを回復させて戦闘に復帰させることも可能。
        もちろん、主人公が復帰すれば操作キャラを主人公に戻せる。
      • ちなみに徒党のHPが尽きてが倒れた場合も、同様に主人公か他の徒党で近づけば蘇生が可能。
    • 本作は多数の敵に囲まれる場面も多いが、徒党がいれば敵のヘイトをかなり取ってくれる。
      そのため、乱戦においても自分が戦いたい相手に集中しやすい。

  • 非戦闘時の自動回復
    • 『非戦闘時に体力自動回復』のスキルを習得すると、雑魚との戦闘で甚大なダメージを負ったとしても、戦闘から逃げるか敵を全滅させればHPはすぐに全快する。
    • 高所から落下した際に受けるダメージなども自動回復で帳消しにできる。
    • そのため、このスキルさえあれば回復アイテムを使用する場面は戦闘中に死にかけた時くらいに限定される。
    • ただし、前述の『ミッション』中は常時戦闘扱いのためこの自動回復機能が機能せず、道中で回復する必要が生じる。

  • 暗殺によるスムーズな雑魚処理
    • 本作はステルスゲー的な要素が存在し、敵を『暗殺』することができる。
    • 身を屈めて草むらや物陰に隠れたり、屋根の上など敵の視界の外に陣取った後、敵の頭上や背後から奇襲すれば、雑魚は一撃で仕留められる
      • スキルを覚えると、こちらに気づいていない敵にダッシュで近づいて、やや離れた位置から飛び付いて暗殺することも可能になる。
        コソコソとしゃがんで近づくより時短になるので便利。
    • 雑魚敵を暗殺すると、近くの敵は驚き戸惑うため、動揺中の敵を続けざまに仕留めることもできる。
      • そのため、2~3人程度の雑魚なら流れるような動きで一掃可能。
        暗殺を意識すれば、道中の敵の多さに対して真正面から刃を交える機会はさほど多くないだろう。
      • オープンワールドということもあり、奇襲できるポイントも多彩。
        門の前などで見張りをしていて動かない敵も、『陶玉』という投げると割れるアイテムを使えば、パリン!という音に敵を反応させて任意の方向に釣りだし、背後からサクッと暗殺することができる。
    • なお、暗殺によって一撃で倒せるのは一般の雑魚敵のみ。
      • ボス級の敵や、“手練れ”と呼ばれる強めの雑魚は奇襲してもダメージこそ受けるものの、こちらを振りほどいて戦闘を開始してくる。

  • 気焔による自己強化
    • 『気焔』は、戦闘中に主人公を一時的に強化するシステム。
      • 攻撃を当てたり、敵の攻撃を弾いたりしていると気焔ゲージが溜まり、ゲージがMAXになれば発動できる。
    • 気焔を発動すると、次のような強化が得られる。
      • 主人公や仲間の武器に炎属性が付与される。
      • 攻撃力などのステータスが上昇する。
      • 気力(スタミナ)切れが発生しなくなる。
      • 石火で攻撃をはじきやすくなる。
    • 気焔は時間経過で終了するが、かなり至れり尽くせりな性能。
      • 特に気力切れにならないメリットは大きく、気力が続く限り連続攻撃できるタイプの武技が強力になる。
      • 道中の雑魚戦で気焔ゲージを溜めておけば、ボス戦は開幕気焔発動からのゴリ押しでアッサリ終わってしまうことも。
      • 気焔でゴリ押しする際は、こちらの被ダメージを軽減するアイテムを併用すればさらに確実。

一方で、スタッフが「簡単ではない」と説明したとおり、ハードな要素もいくつかある。

+ 死にゲー的な難しめの要素
  • 石火(パリィ)の難しさ
    • 敵の攻撃をタイミング良く弾いて隙を作り出す技『石火』は、戦闘中にこちらが攻勢に転じるための重要な要素。
    • しかし失敗すると後隙が大きく、敵から殴られやすいというデメリットがある。
    • 他作品における石火の類似システム(Wo Longの『化勁(かけい)』や、これらのルーツにあたるSEKIROの『弾き』など)と比べて、タイミングが明らかにシビアなのが厄介。
      • ただし、石火タイミングはゲームの難易度設定や武器・流派によって大きく変わる様子。
        最低難度の『薄明』だと石火しやすくなり、また難易度問わず刀の『立身流』など一部の流派は他の武器種・流派より石火しやすい。
    • 石火で攻撃を弾いてもなかなか隙を見せない敵も多い。
      • ボス級の敵はこちらの攻撃では簡単にはひるまないスーパーアーマーを纏い、ごりごり殴ってくるのが基本スタイル。
        石火で弾いてもひるまずに攻撃してくるパターンもよく見られる。
      • 敵の連続攻撃の最終段を石火で弾けば、ほとんどの敵は怯む。
        途中まではガードで凌いで、タイミングを取りやすい攻撃だけ石火するのも手。
    • 無理に石火を狙うより、普通に避けて殴るヒット&アウェイの方が戦いやすい場合もある。
      • 火花舞い散るチャンバラは楽しいが、あまり石火にこだわりすぎず色んな戦法を試してみよう。

  • 繊細な気力管理
    • 『気力』は主人公の行動力を示すゲージ。
      いわゆる“スタミナ”で、攻撃や回避、ガードによって消費される。
      • 気力が尽きると行動不能になってしまいピンチを招くので、適当に武器を振り回したりガードや回避ステップに頼りすぎるのはNG。
    • 石火に成功すれば気力は回復する。
      • 敵の攻撃パターンの内、5回以上続くような連続攻撃は非常に厄介で、全部ガードしていると気力がとても持たない。
        よしんば受けきれたとしても、その後1、2回攻撃したら即気力切れ…となりがち。
      • 敵の連続攻撃で気力切れにならないよう、距離をとってやりすごすか石火しなければならない。
    • 敵を攻撃すると武器が血に染まっていき、『閃刃』というアクションで血を払うことで気力が回復する。
      • 要するに仁王における『残心』システムである。
      • 仁王プレイヤーは慣れたものだろうが、仁王シリーズ未プレイの場合、閃刃に慣れるまでは気力切れを起こしやすいかもしれない。

  • 雑魚敵の多さ
    • 本作は雑魚敵の数が多く、多数の敵に囲まれる場面も少なくない。
      • 雑魚は2~4人程度で群れていることが多く、ボスと同じく『武技』(ガード不可の大技。赤く光ってから放つのが特徴。石火なら防御可能。)も持っている。
      • そのため、たとえ雑魚でも複数人を相手に一人で正面から挑むのは危険。
      • ボスについても、複数人の雑魚を連れていたり、二人以上のボスが同時に襲ってくるケースもある。
    • 一応、こちらがロックオンしている敵以外は攻撃頻度がやや下がるようだが、それでも理不尽なタコ殴りに合うときもある。
      • 弓や長銃など遠距離武器や背後からの暗殺によって雑魚の数を減らしておいたり、あるいは徒党(味方NPC)と連携して多vs多の状況に持ち込むなど、工夫が求められる。

以上のように、本作は死にゲーライクな難しさと様々な救済措置が同居しており、死にゲーかどうかの判断はプレイヤーの技量や選択した難易度によって異なる。
同社の無双シリーズのような手軽さは断じてないが、救済措置を頼れば死にゲーのように何度も何度もゲームオーバーになるほどでもない、といった案配。

本作の戦闘は『閃刃』『石火』『流派』『武技』『烈風』『紫電』『気焔』など覚えることが多く、これが原因でライトゲーマーにとっては「難しい」と感じてしまう要素にもなっている。
実際には、これらのアクション要素を全て駆使せずとも十分クリアを目指せるゲームになっているので、これらの要素は覚えられる範囲で使えばよいだろう。

アクションを楽しみたい上級者にとっては、上記のとおりアクション面でやれることが幅広いため、より本作を楽しみやすい。
敵の怒濤の攻撃を石火で全て捌いたり、攻撃の最中に武器や流派を流れるように切り替えて戦うなど、スタイリッシュな立ち回りができると非常に楽しい。






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  • 大友啓史
最終更新:2025年03月27日 14:46

*1 横浜にこだわったのは、コーエーテクモの本社が横浜にあることに由来するらしい。

*2 イベントをこなしていくことで、マップに記載される情報が徐々に充実していく。

*3 設定でON/OFFできる。

*4 マップに記載されない隠し要素もある。「無縁の強者」と呼ばれる隠しボスが各地に数名存在し、勝つことで新しい流派を会得できたりするが、これらはマップに一切表示されない。

*5 発売日直前まで、本作に関する情報は『幕末オープンワールドである』ということ以外、ほとんど明かされていなかった。例えば「主人公のキャラメイクができる」というごく基本的なシステムが明かされたのも、なんと発売三ヶ月前に行われたインタビューでの出来事であり、その時点では公式HPなどもほとんど整備されていない状態であった。

*6 尊王(そんのう)は『天皇を尊ぶ』という思想で、攘夷(じょうい)は『外敵(外国船)を追い払う』という思想のこと。

*7 もちろん、架空の藩である。

*8 コレラのこと。

*9 ちなみに松下村塾の教えは、松陰が弟子に一方的に講釈を垂れるというものではなく、松陰が弟子たちと意見を戦わせる討論形式であったという。

*10 「恐れ知らず」「大胆な人」のような意味。

*11 この呼び名は本来、かの徳川家康に従った重臣・井伊直政の異名であり、そして直政は井伊直弼の先祖である。

*12 しかし史実の桜田門外の変では彼は狙撃されてしまい、本領を発揮できなかったという

*13 不殺は任意目標なので、諭吉の依頼を無視して主人公が敵を殺害してしまってもゲームオーバーにはならないが、報酬は少なくなる

*14 有名な浅葱色の羽織も実在したそうだが、「派手すぎる」「素材が安っぽい」「汚れが目立つ」等の理由で隊士からの評判が悪く、実際にはあまり着用されていなかったらしい。また、黒や紺色の場合「返り血が目立たない」というメリットがあったようだ。

*15 スラブ系民族由来の名字で、父親の家系から来たもの。なので英国人としても珍しいファミリーネームだが、日本人には「佐藤」姓と同じ響きで親しみやすい名前だったため、彼が日本人と交流するのに大きなメリットになったとか。

*16 忍者なのも黒船に乗り込んだのも史実ではあるが、ゲームのように忍び装束で潜入したわけではなく、日本の招待客として紛れ込んだらしい。

*17 服によっては、選択できない組み合わせのものもる。

*18 なぜかNPCたちも全員がアビキルを所持している。

*19 犬や猪といった獣も一部登場するが、バリエーションは少ない。

*20 土地とは、例えば江戸なら麻布・浅草・渋谷といった細かいエリアのこと。

*21 ただしトロフィーコンプには隠し難易度でいずれかの浪人ミッションをクリアする必要がある