MOTHERにおける地理

登録日:2024/07/27 Sat 07:27ː00
更新日:2025/04/14 Mon 09:10:16
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この項目ではファミコン版の初代『MOTHER』における地名や冒険の舞台となる地域について記述する。

【概要】


本作品は1988年のアメリカを舞台としており、今では現代を舞台にしたRPGは珍しくもないが、発売当時としてはドラゴンクエストシリーズFINAL FANTASYシリーズのような中世の世界観を主な舞台としたRPGがメジャーであっただけに、現代を舞台にしたRPGは斬新な作品であり、後の大ヒット作となるポケットモンスターシリーズ等多くのRPGに大きな影響を与えたと思われる。


具体的にアメリカの何州が舞台なのかは明言されておらず、あくまでもアメリカの架空の地域が舞台である*1が、アメリカの実在する都市がモデルになっている地域は存在する。町の名前はアメリカの祝日や年中行事の名称が用いられていることが多く、通貨単位は米国なので当然$(ドル)である。次作で利用できる公共交通機関はバスであるが、今作で利用できる公共交通機関は鉄道であるため次作にはない駅も存在する。


【主要な町】

前述の通り、主にアメリカにおける祭日が名前の由来となっている。

マザーズデイ

主人公が住む田舎町で、郊外には主人公の家である一戸建て(マイホーム)や、主人公のお隣さんな少女ピッピの家がある。
様々な怪奇現象が発生しており、ゲーム開始時にマイホームを襲ったポルターガイスト現象だけでなく、動物たちの凶暴化やゾンビ騒動といった事件に巻き込まれている。

市街地には今後の町にも登場する、HP/PP回復をするホテル(宿屋)、状態異常と意識不明を回復する病院、アイテム類を売買できるデパートが一通り揃っている。
また、中に入る事ができる丸いドアの民家がいくつかあるほか、あんまり役に立たなさそうな市長が居る市役所も存在する。

郊外北西にあるカナリア村はカナリアの生息地で有名。しかしカナリアの歌姫ローラの子が行方不明になった事によって、住んでいるカナリアは皆鳴かなくなってしまったという。

街の南にはヒーラーの家が存在し、病院で治せない石化の治療やPPの回復が可能。
しかし、そこから更に南へ進んだ先にある墓場ではゾンビが復活して人を襲っているという噂がある。
町中にも人間に化けたゾンビが紛れているのではないかと疑う人が居るのだが…

そして動物たちが急に凶暴化したことで、デパートでは動物たちが皆逃げ出してしまい、カナリアのヒナ1匹だけが残っている。
町の北東にあるシュークリーム動物園に至っては、動物たちが急に凶暴化したことで巨象といった危険な動物たちが暴走。入口は封鎖されたものの一部の動物たちは外へ逃げ出しており、近くを通るととんでもない敵とエンカウントする事も…

由来は母の日

サンクスギビング

マザーズデイの隣にあるそこそこ大きな町。ロイドの出身地でもある。

ロイドが通っているティンクル小学校があり、通っている生徒たちのほか、HPだけならタダで回復してくれる養護教諭さん、理科室で怪しげな発明品を売る変な先生、話の長い用務員さんもいる。
余談だがMOTHERシリーズの小学校はこのティンクル小学校しか存在しない(次作に幼稚園寄宿舎は存在するが‥)。
理科室の先生は一見ロイド専用アイテムを売ってくれると思いきや、有用なのは「ねばねばマシン」だけという罠。どれもこれも高額なだけに、実態を知った時の落胆も大きいだろう。
GBA版ではラインナップからタイムマシンがなくなった代わりにスーパーポムが追加されたが、これはこれで扱いが難しかったり*2

町の南にはスイートリトル工場、町の北にはダンカン工場が存在するなど工業地帯でもある。
この2つの工場はどちらも実業家ゴルドリッチ・ダンカンの物で、町が急速に発展したのはダンカンの手による功績が大きいとのこと。しかしダンカンがストリップ劇場*3を建設しようとしている事には、近隣住民から猛反対の声が起き上がっている。
なお、当のダンカン本人はゲーム中には一切出てこない。

町の北西にはサンタクロース駅が存在するのだが、そこに繋がるまでの線路は大岩でふさがってしまっており、電車の運行どころか駅に徒歩で向かう事も出来ない。
町の西にはマザーズデイとの連絡道路がある。この道路は最初マザーズデイで起きた怪奇現象を警戒して通行止めになっており、戒厳令が解除されて通れるようになるのは、それ以外の手段でサンクスギビングへ着いた頃になる。

この町の住民のうち何人かは風邪にかかっているらしく、彼らに話しかけただけで主人公たちの誰か1人が風邪をひいてしまう。変な咳やくしゃみが台詞中に出てきたら、会話後真っ先にステータスを確認しよう。

また、この町の病院は「ビッグベン・ケーシー*4」なる評判の悪い医者がやっている。他の町の医者と同じく腕は確かでキッチリ治療してくれるのだが、評判の悪い理由は恐らくその態度と性格。
やってきた患者に「まずはマネーを見せてください。話はそれからです」と切り出し、断られれば「死んでしまいなさい。葬儀屋にでも電話しときましょう」と吐き捨て、おまけに治療費は所持金の半分という暴利*5
だが、裏を返せば所持金が1ドル以下ならタダで回復してもらえる

近隣には脱走犯、イーグルや熊などの野生動物の他、自動車系の敵が出現する。
喘息持ちの主人公には自動車の排気ガスは脅威で、喘息症状が出ると逃げることも戦うこともできなくなってしまう。
主人公一人でレベルが十分にない場合は喘息スプレーは必ず所持しておきたい。

由来は感謝祭。起源は収穫祭といえるが、アメリカにおいては少々訳アリの祝日。詳しくは各自で調べたし。

レインディア

サンクスギビングの一駅隣。元々は引退した裕福な人達の住む高級住宅街だったのだが、それを狙った悪人をも引き寄せてしまい、今では混沌とした町になってしまったとのこと。
この町の駅にいるおばあさんと会話しないと女の子を仲間にする為に必要なアイテム『ぼうし』が貰えないので仲間にするなら必ず入手しておきたい。

風邪が流行っており、サンクスギビングよりも風邪を引いている人が多い。もちろん無暗に話しかけると風邪をうつされるので要注意。
また妙な人物が多く、何でもいいのでアイテムをあげると「ノミとシラミ*6」と交換してくれる人や、主人公に金を押し付けて逃げていく怪しい男など、やけに印象に残る人も。

町の郊外、北西にある山の上には予言者の仙人が住む家がある。しかし訪れてみると何を喋っているのか分からず、一緒に住む助手ですら予言者が何を言っているのか理解できない。喋ることができない人の意志を読むPSIと言えば…?
そして家の近場にある看板には「落とし物多発地帯につき注意」と書かれており、読むことでその下に落ちている誰かの入れ歯を入手できる。拾った入れ歯をどうすればいいのかはもう言わずもがな。

予言者の困りごとを解決すれば、持ち物欄の空白が全部埋まるほどのうがい薬*7を貰うことができる。無くなっても助手からもう一度貰うことができるが、今度は1個10ドルで買う形になる。売値を考えると実はそれでもかなりお得。

この町への主なアクセス手段は鉄道だが、ダンカン工場でロケットを飛ばす前に徒歩でトンネルを通ることでも到着可能。
FC版ではトンネル内に敵が出現しないが、GBA版ではトンネル内でアドベント砂漠の強敵が出現するため、マジカントで購入できる「まよけのゆびわ」を使ってエンカウント率を下げるなど一工夫が必要。

近隣にはここにもデビルトラック・デビルカーと車が出現する。やはり喘息対策は忘れずにしておきたい。

由来は祝日そのものではなく、トナカイのこと。実質クリスマスが由来だろう。

ハロウィーン

レインディアの一駅隣で、かつて鉱山で栄えた街。
しかし街の中心部であるダウンタウンはモンスターに襲撃、支配されてしまい、住民のほとんどは町東部の郊外にある住宅地へ避難している。

ゴーストタウン化しているダウンタウンだが、病院とホテルは営業している。
しかし病院には医師しかおらず、看護師がいないので意識不明を治療することが出来ない。(スーパーヒーリングがあれば関係ないが。
また、ホテルは1回だけだが1人6ドルで宿泊できる超格安設定。だが宿泊後には‥‥。

住宅地から北に進むと、代々この町の町長をつとめるローズマリー家の豪邸がある。
しかしここも何かおぞましい出来事があったらしく、現在は無人の幽霊屋敷。その無人の筈の屋敷からはピアノのメロディーが聞こえてくるらしい……

なお、住宅地には「ゲームのアシスタント」を名乗る女性がおり、冒険のヒントを3つまで教えてくれる。
しかしその代金は次作のヒント屋とは異なり1つ1000ドルという高額。おまけに一度でも断ると姿を消してしまい二度とヒントを聞くことはできない。(どうしてもヒントを聞きたいなら、次作同様ヒントを聞いてセーブせずリセットという手段もあるが、その内容も値段や手間に見合っているかというと…

由来は言うまでもなくハロウィン。ホラー色の強い舞台にはぴったりである。

スノーマン

女の子(アナ)の出身地で豪雪地帯。鉄道で行ける終点の街でもある。

雪国で寒いためか、この街もレインディア同様に風邪が流行っている。無暗に住人に話しかけると風邪をひきまくるので要注意。
この町にはヒーラーの家はあるが病院はないので回復手段の用意は必須。それでも打つ手が無くなったらドラッグストアでうがい薬を高値で買うしかない。
また、ヒーラーの家にある黒電話を使うと、初回のみパパからセーブではなくプレイヤーの名前を聞かれ入力することになる。

街の中心部から東に離れた山中に教会があり、レインディアで貰った帽子があれば女の子を仲間にすることが出来るが、仲間にしなくてもストーリーを進めてゲームクリアは可能。*8

次作のウィンターズのスノーウッド寄宿舎で流れるBGMの元はこの街で流れるBGMである。

由来は雪だるまのこと。

イースター

アドベント砂漠の南にある森に囲まれた町。
鉄道の駅も存在するが、砂漠の入口で線路が破壊されてしまっているので駅は機能していない。

何者かにより大人全員がバレンタインの向こうの山に連れ去られてしまい、町に居るのは子供だけ。
周囲の砂漠や湿地帯には強力なモンスターがウヨウヨしている事を考えると、かなり悲惨な状況である。
幼い子供が多いからか『おっぱい!』と叫ぶ子供が多い。(エロい意味は断じて無いぞ!
また、次作のポーラスター幼稚園で流れるBGMの元はこの街で流れるBGMのアレンジである。

町の中でも大きな家にはガリクソン家の人たちが住んでおり、自己紹介が趣味の長男トムとその妹、そして不思議なパワーを持っているらしい赤ちゃんの3人が今は暮らしている。
赤ちゃんは当然ながら話す事はできないが、テレパシーにより意思疎通が可能。PSIが使える人にテレポーテーションを授けてもらえる。

宿屋や道具屋も子供が切り盛りしており、宿屋の方はなんと無料。
道具屋の方は何気なく売られている「エアガン」がロイドの最強武器。また体力全快アイテムであるきずぐすりも売られているので、この後に控える湿地帯の攻略を考えるなら買いこんでおきたいところ。

由来は復活祭。これも日本では馴染が薄いものの、近年ゲームではバニー目当てで引用される事があり知名度は少しずつ増えている。
子供の頃イースター島のことだと勘違いした人も多いのでは?

バレンタイン

湿地帯の北部にある大きな港街。
ストーリーでは最後に訪れることになる街で、大きいお友達(テディ)の出身地でもある。

かつては自動車産業で栄えた街だったが、工場が引き上げられてしまってから発展が止まり、まるで1950年代のままのような街並みが残っているとのこと。
おまけに『ブラブラ団(ブラックブラッド団)』という不良集団が街中を闊歩して話しかけただけで戦闘になったり、警官の不法行為も横行しているなど、MOTHERシリーズでもトップクラスに治安が悪い。
一方でデパートの品揃えが良く、町中にライブハウスもあるなど、時代遅れとは言えそれなりに活気のある大きな町である。
なおブラブラ団メンバーは話しかけるだけで何度でも戦うことができ、さらにロイドの使用アイテムとして有用な「かえんほうしゃき」をドロップするので、経験値稼ぎも込みで狩るのもアリ。

ライブハウスは入場チケットをデパートで購入しないと入る事ができない。一応店先に居る男から購入することもできるが、デパート価格350ドルに対して男から買うと1200ドルというとんでもないぼったくり価格なので素直にデパートで買っておこう。
中に入ってステージの前にいるおじさんに話しかけると、ステージに上がって1曲歌うことができる。これはオープンマイクという飛び入り客にステージを貸すイベントの一種で、実際のアメリカでもやっているライブハウスは多い。
なお、ライブハウスで飲んだくれている女性に話しかけるとビールを勧められる。言うまでもなく主人公たちは未成年なのでどうすればいいかは分かるはずだが、もし間違った対応をしてしまうと…

また、北の郊外には港と展望台がある。
港には長話好きの釣り人がたむろしており、彼の話を聞くとあまりに話が長すぎて宿に一泊した扱いになる。

展望台には望遠鏡が設置されており、これを使うと遠くの小島から発射されたロケットを確認できる。このロケットは展望台に着陸し、乗り込むとさっき見つけた離れ小島へと移動する。
離れ小島には何かの研究をしているらしい博士1人と助手2人が住んでおり、都会的なデザートである「いちごどうふ*9」を欲しがっている。
彼らにいちごどうふをあげるとホーリーローリーマウンテン攻略のヒントや、「あいのことば」「のろいのことば」なる謎のアイテムを貰うことができる。

治安が悪く自動車産業で発展したという点から、モデルはアメリカ・ミシガン州に実在する都市でデトロイトであろう。
由来はもちろんバレンタインデーホワイトデーはアジア圏特有なので、おそらくホワイトという町はない。


【主なダンジョン・その他の地域】


カナリア村

マザーズデイ北西にある小さな公園。野生のカナリアが大量に生息している。
元々人に飼われていたカナリアが逃げ出し、野生化して集落を作ったのがはじまりらしい。

カナリアたちの綺麗な鳴き声で有名な場所だが、最初に訪れた時は皆一様に押し黙ってしまっている。
いつもここにいるカナリア好きのおじさん曰く、どうやらカナリアたちの歌姫ローラが子供を誰かに連れ去られてしまい、その悲しみでカナリアたちは歌を歌わなくなってしまったのではないか、とのこと。
ローラの歌うメロディを聞くために、ここは一肌脱いでみよう。

立地的にはマイホームに近く、また道中の敵も自宅周辺で出くわす顔ぶれと変わらない。
遠出ができるくらいのレベルになったら、まずはここから冒険を始めてみるとよいだろう。

南の墓場

マザーズデイの南にある共同墓地。死人が復活しゾンビ化して人を襲ったりと不可解な現象が起きている。
ここに主人公の家の近所の女の子ピッピが迷いこんだらしい。

登場する敵はゴーストやゾンビもどきなどで、そこらの道で遭遇するおじさんやノライヌより1ランク強いレベルなので一人旅の状況ではなかなか過酷。しっかりレベル上げして臨みたい。

敷地内には教会と無数の墓標がある。教会ではゾンビを怖がっている神父さんがいるだけで、墓標の方も調べたところで特に何かがあるわけではない。
実はこの墓場には1か所だけ地下壕が存在し、枯れ木の林に沿ってぐるっと回りこむようにして向かえば入口となる四角い穴を見つけることができる。

ピッピを救出したらピッピとの会話が発生し、選択肢『いいえ』→『はい』の順で会話するとフランクリンバッヂが貰える。このバッジがないとこの直後のシュークリーム動物園での戦闘がキツくなるので必ず入手しておきたい。
ちなみにこの選択肢通りに会話しなくてもピッピと別れた後にまた『いいえ』→『はい』で会話すればフランクリンバッヂは入手可能。
フランクリンバッヂは次回作より重要度が高いにもかかわらず捨てようと思えば捨てられてしまうので間違って捨てないように注意。

クリアして市長のところにピッピを連れて行くと、今度は動物園の解決を頼まれる。
動物園の鍵は秘書から受けとるのだが、何故か何度でももらえる。

シュークリーム動物園

マザーズデイの北にある動物園。創設3年のまだまだ新しい動物園だが、ある日動物が急に凶暴化した事で封鎖されてしまい、現在は無人である。
HP・オフェンスが高い巨象やタイガー、ワニなど、狂暴化した動物は難敵が多い。南の墓場と比べても出て来る敵がさらに1ランク上な事には注意したい。

入るためには先述の鍵が必要なのだが、入り口にいる猿に鍵を盗られてしまう。これでは入れない、と思われるが……?

園内の最奥には管理事務所の建物があるのだが、入ると奇妙な音が繰り返し響いている。どうやらここに動物達を狂わせて凶暴化させている原因があるようだ。
クリア後は動物たちが大人しくなって元の平穏を取り戻す。他では見られない歌う猿はチェックしておきたい。

マジカント

主人公達の暮らしている世界とは別の世界の国。
ピンクの雲のような地面に巻貝の形をした民家が並ぶ、幻想的で優しい雰囲気の異世界。

この国の住民はトンガリ帽子をかぶった魔法使いのような人たちや、ピエロのようなメイクの人たち。彼らはPSIのような不思議な力をあたりまえのように使うほか、とても親切で他の人に対し無償でものを提供する。
不思議な力で心が通じ合い皆が友達になれ、お金は使われずに欲しい物が好きなだけ手に入るという、文字通り愛と夢の国である。

南には城下町があり、宿屋や病院、荷物預かり屋といった施設もここにある。前述の通り施設を利用しても一切お金を取られる事は無い。
ただし、防御装備を売る店はマジカントの外からやってきた人が開いており、普通にドルを要求してくる。なおこのゲーム中防具を打っている店はここマジカントにしかない上、GBA版以外だとこの地域で金をおろすことが出来ないので、この場所に来る際には事前に金を降ろしておきたい。

中央にはこの国を治める女王「クイーンマリー」の居城が存在する。住民たちによればマリーの歌を聞くと心が落ち着くとのことだが、今彼女は歌を思い出せずに苦しんでいるとのこと。
またここにはステータスを増加させるカプセルや珍しいアイテムの入ったプレゼントボックスがあるので、ぜひ立ち寄っておこう。

北にはフライングマンと呼ばれる一族の住む家がある。彼らに話しかけると「あなたの為に生まれてきた」と語り、同行して戦闘の助けになってくれる。
ただし敵との戦いで傷つき倒れたり、マジカントを出たりする事で戦闘不能となると、死んでしまい二度と蘇る事はない儚い命である。

北西にはクイーンマリーの泉があり、触れると体力が回復するほか、マジカントの至る所に生えている赤い草を摘んでこの泉に浸すとマジックハーブという優秀な回復アイテムに変化する。
また、テレパシーを使う事で謎のお助け爺さんが出現し、ヒーラーと同様に回復を行ってくれる。GBA版では回復の代わりにお金の用立て(キャッシュディスペンサーと同様の役割)を行ってくれるようになった。

南西はちょっとした森になっており、ここには孤独を愛するギター弾きの詩人が一人で住んでいる。
ギターの音で話が聞けないなどとぼけた事を言う彼だが、ものすごく強くなった後に会いに来ることで、物語にとって超重要なある事を教えてくれる。ぜひ覚えておこう。

南東の町はずれには沢山の井戸があり、その内の1つが地下大河につながっている。
ここにはテレポートでも来る事ができないマジカントへ一瞬でワープできるアイテム「めのうのつりばり」が眠っているが、入手にはボスである地下大河の主を倒す必要がある。
また、主人公が強くなるとここの奥にいるドラゴンと戦闘することも出来る。
そして、ここの出口を「忘れられた男」が塞いでいる。他のマジカントの住人とも異なる雰囲気の彼に何度も話しかけ、そして質問に適切に答えると彼は消える。果たして居なくなったのか、はたまた居るけど見えなくなっただけなのかは分からないが…… ともかくそうしてここを抜けるとマジカントから元の世界へと帰還することができる。

次回作にも同じ名前の場所が存在するが特に繋がりはなく、共通点はフライングマンの存在と 【最終盤ネタバレにつきクリックで表示】 のみ。
また大乱闘スマッシュブラザーズシリーズではステージとしても登場しており、今作と次回作の要素が入り交じっている。

名前の由来は前半はmagic(魔法)と思われるが、後半は不明。
海外版での綴りはMagicantなので、countryではないと思われる。
同じく綴りが一致しないが、マジカントの地形や描写からcunt(女性器)なのでは、と予想する者も多い。
『MOTHER』というゲームのタイトルからすると変な意味ではなく、「その中」と考えるといろいろ思い当たる節が…。


スイートリトル工場

サンクスギビングの南にある工場で、かつてはミサイルを製造していた工場。ロイドを仲間にするにはここにあるペンシルロケットを入手することが必要。

実は後述のダンカン工場でも入手できるので先回りすればこちらはスキップできるが、どのみちロイドを仲間にしてからダンカン工場に行く必要があるのであまり意味はない。

出てくる敵はねずみとバーボット程度で、アイテムも多くないので攻略は容易。
最奥のゴミ箱からペンシルロケットをさっさと拾って帰ろう。ちなみにペンシルロケットは無限に入手可能。

ダンカン工場

サンクスギビングの北にある工場。ダンカン大工場とも呼ばれるほど大きく近代的な工場で、軍事や兵器に絡んだきな臭い噂もあるようだ。
サンタクロース駅への道を開くため、ここの奥にあるロケットで大岩を吹っ飛ばすのが目的。さらっととんでもないことしてんな
かなり広い工場で迷いやすくアイテムも大量に存在するため、まずはストーリー上の目的をクリアし、その後仲間が3人になり所持できるアイテム数が増えてからアイテム回収をするとよい。

ここでもフランクリンバッヂを入手することが可能だが、作中に存在するフランクリンバッヂはピッピから貰えるのとダンカン工場でのアイテムの2つしか存在しない貴重かつ非常に有用な物なので必ず入手しておきたい。蘇生PSIが使える主人公と女の子に持たせるのが定石である。

敵は攻撃・防御共に強力なロボット系が多く、スイートリトル工場とは難易度が雲泥の差。この時点のロイドは戦力としては心もとないので心してかかろう。

幽霊屋敷

ハロウィーンの北にある大きな屋敷。地元の有力者であるローズマリー一家の別荘だったが、今はモンスターの住処と化しており無人屋敷である。
無人の筈の屋敷からピアノのメロディーが聞こえてくるという噂が広がっており、主人公たちはその調査を目的としてこの屋敷に踏み入る事になる。

屋敷の中は無数の部屋と階段で繋がった迷宮となっており、件のピアノはその最深部に位置する一部屋にポツンと佇んでいる。
というのもこの別荘、奇形として生まれたローズマリーの姉を閉じ込めるために建てられたらしく、外に出ることが叶わない彼女の唯一の楽しみがピアノで曲を演奏する事だったのだという……

屋敷の外と比べ、敵が急に強くなるので無理だと思ったらじげんスリップで即逃げることを勧める。
特に『カッチュウ』という敵が2体同時に現れたらじげんスリップで逃げないと余程鍛えてない限りこの時点では全滅の危険性もある程。

アドベント砂漠

大陸の北部に位置する巨大な砂漠。このゲームで一番退屈な場所。by砂漠の骨
見た目通りに登場する敵も苛烈で、エイリアンの強力な戦闘ロボットや宇宙生物まで襲い掛かってくる。
砂漠の中にサボテンが密集している地帯があるが、そこの形の違うサボテンは是非チェックしておきたい。

砂漠というだけにオアシスも存在し、そのオアシスに有料の遊覧飛行を運営している老人がおり、遊覧飛行を利用することで老人から半券が貰え、その半券を10枚集めると戦車に乗車することが出来る。この戦車がないと近場にある遺跡で‥‥。
遊覧飛行の老人曰く砂漠に地雷を埋めたが一つだけ見つからず、砂漠のどこかに地雷が埋まっている。それを踏むと…

遺跡の中にはどこかで見たような猿だらけの空間がある。この遺跡に入らなくてもゲームクリア自体は可能だが遺跡内には貴重なアイテムがあるので入って損はない。

次作のドコドコ砂漠でのBGMにはこの場所で用いられているBGMが使用されているほか、猿だらけの遺跡で流れるBGMのフレーズは猿の多い洞窟…ではなくサターンバレーに引き継がれている。

ちなみに「アドベント」はキリスト教における救世主の誕生を待つ待降節、すなわち12月1日からクリスマスまでの期間を指す。
サンタクロース駅とイースター村に隣接する地域として中々似合う名前ではないだろうか。

湿地帯

イースターの町とバレンタインの町の間にある湿地帯。
入り組んでいて結構な長距離を歩く必要がある上にバイソンやつよいワニといった動物やエイリアンのムークなど、砂漠に引き続き強敵が待ち受ける。

ちょうど湿地帯の中間地点当たりにピッピの別荘が存在し、無料で回復できるのでレベル上げを行う際には拠点に出来る場所である。
別荘外のゴミ箱にはロイドの父親がなぜかおり、スノーマンで行ったプレイヤーの名前入力の変更が可能。
余談だが周囲には獰猛な動物やエイリアン等がうじゃうじゃ出現する危険地帯の中、ピッピは単独でここに来ている当たり只者ではないと言える。

ホーリーローリーマウンテン

本作でのラストタンジョンで、バレンタインの東に存在する標高1013mの山。ファンからは略して「ホロリ山」と呼ばれる事も。
海外版では高さに因んでか「Mt.Itoi」という名前になっている為、恐らく標高の由来は糸井重里。
尚、ソフト同梱の地図ではマップの中央部に位置するように描かれている。

麓には医者らしき男が滞在するセーフハウスがある。無料で宿泊可能なうえ、体力全快アイテムであるきずぐすりをタダで何度でも貰うことができる。
この先の戦いは長くかなり厳しいものになるため、もし持ち物欄に余裕があるなら貰えるだけ貰い、万全を期しておきたいところ。

セーフハウスの先にはホーリーローリーマウンテンの高原に繋がる洞窟があり、山に登るにはまずここを通らなければならない。
この洞窟には主人公、アナ、テディの最強装備がそれぞれ存在するので回収しておきたい。
出現する敵も洞窟内はまだ小手調べのようなものだが、攻撃PKを乱射してくる上に固いブレインガや、いしのもとを使ってくるタイタニアン、ガーゴイラなど油断できない敵も多い。

洞窟を抜けるといよいよラストダンジョンの本番。
敵が恐ろしく強くなり、山小屋より先のエリアにはコイツも出て来るので要注意。

中腹の山小屋にはヒーラーがいて無料で回復や蘇生も行ってくれる。非常にありがたい存在だけに是非活用したい。

ここの湖にあるボートを動かすためにはロイドが必須になるのでアナやテディと違い彼なしでゲームクリアをするのが不可能なのはこのためである。
湖の底には工場が存在しここでロボット・イヴがゲスト加入、あるイベント戦闘後にメロディが入手できる。
FC版ではこれが最後のメロディであり、ここまでのメロディを全て入手後にマジカントに戻るとイベントが発生、山頂付近までワープさせられるが、
GBA版ではその山頂付近の岩から最後のメロディを入手しなければならないため、一度は自力で踏破する必要がある。
その代わりGBA版ではイヴ退場イベント後にメモリーチップというマジカントでの『めのうつりばり』と同じく一瞬でイヴの元に来ることが出来るアイテムを入手できる。

山頂にはマザーシップが停泊しており、イースターの町で連れ去られた大人がカプセルに監禁されている部屋がある。その奥には‥‥‥。



追記・修正はエンカウント率の高さにもめげない方にお願いします。

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最終更新:2025年04月14日 09:10

*1 ガイドブック『MOTHER百科』に収録された地図ではバレンタインの北側の海を「Pacific ocean」(=太平洋)と記載しているため、おそらくアメリカ西側を想定していると思われる。

*2 敵全体にPKファイヤーΩと同じ火属性即死攻撃を行うが、ロイドにも使用後に一定のダメージが入る。仲間にしたばかりの彼のHPでは、間違いなく彼も意識不明になる。

*3 GBA移植版以降は「れいのみせ」とボカされており、何の話だか分かり辛い

*4 元ネタはアメリカの医療ドラマ「ベン・ケーシー」とロンドンのビッグ・ベン。性格が悪いあたりケーシー高峰も元ネタかもしれない。

*5 最初の町マザーズデイでの治療費は25ドル、最後の町バレンタインでも92ドル

*6 汚くて不衛生だが、戦闘中に使用すると敵へ投げつけ、かゆがった敵のオフェンスとディフェンスを一気に下げるという超強力アイテム。相手の攻撃力を0にして一部負けイベントを強引に乗り切ってしまう事も可能

*7 使用すると風邪を即座に治す。うがいをするだけで予防どころか治療してしまうとはどういう薬なのか…?風邪ひき住民の多いレインディアやスノーマンの探索にもってこいのほか、デパートで高く売れるので金策にもなる。

*8 その場合この先の理不尽な程強い雑魚敵と攻撃PSIなしでの戦闘を余儀なくされることを意味し、テディを仲間にする事も不可能になるのでかなり縛りプレイになる。

*9 糸井重里曰く「日本文化を勘違いしたアメリカ人の作りそうなデザート」。公式ガイドブックMOTHER百科には、杏仁豆腐のような牛乳寒天にイチゴが葉つきでぶち込まれている凄まじい見た目の写真が掲載されている。