ゴップ(機動戦士ガンダム)

登録日:2024/08/18 Sun 16:27:47
更新日:2025/03/01 Sat 02:46:04
所要時間:約 6 分で読めます




諸兄は、宇宙世紀ガンダムシリーズにおける地球連邦軍の大将と聞かれると誰を浮かべるだろうか。
多くの人は、一年戦争の英雄と呼ばれ本編中でも出番の多かったレビル将軍を挙げると思われる。
しかし、一年戦争の時代には彼の影に隠れたもう一人の英雄がいた。
そう、この項目で紹介するゴップである。


「永遠に厄介者かな、ホワイトベースは…」


機動戦士ガンダム』の登場人物。
CV:永井一郎、細井重之(劇場版)、石森達幸(特別版)、楠見尚己(THE ORIGIN)
座乗艦:ラ・グランパ(機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島)

この項目では注釈が無い限りアニメ本編での動きを説明する。


【概要】

地球連邦軍参謀本部の所属で階級は大将(提督)。
だが総大将であるレビル将軍と違い、彼は地球連邦軍の総本部「ジャブロー」の司令部に篭っている。
身分のある人間、それも大将という将官でも最高位の人間が総本部に構えるのは至極当たり前なのだが、前述のレビル将軍が現場に出たがる上に前線で結果を残した事もあり、ゴップをはじめとしたジャブローに詰めていた人間は「ジャブローのモグラ」と揶揄されることとなった。
一部作品ではジャブロー務め自体が軍人としては名誉かも知れないが、人としては恥のような扱いをされるほどである。*1

更にゴップは見た目は恰幅の良い中年男性であり、笑顔が似合うと言えばそれまでだが、おおよそ軍人に似つかわしくない、覇気のない姿をしている。
中身もどこかのんびりした性格であり、ミライに対して「婿さんを世話してやる」と今ならセクハラに該当するような発言をするなど野暮ったいところを見せる。
ORIGINの後付け設定ではコロニー建築や兵器や様々な技術で商売をしていたミライの父親とは昔から付き合いがあり、彼とのコネがゴップの出世に貢献していた。
『1stTV版』でも「世話になった」と言っているため、少なくとも友人関係ではあったようで、彼からしてみれば善意のつもりなのは間違いない。
だが、その友人の娘を危険なホワイトベースから降ろさないどころかそのまま囮任務に使っている。
ORIGIN等ではその後もミライを気遣っている様子がうかがえるが、この時は連邦軍勝利のために非情な決断をしたのだろう。
(ゴップは下船と後方転勤を打診したがミライから断られた、という可能性もある。実際、小説版では「ミライは後方配置への転換を説得されたが、本人が頑として断った」という記述がある)

しかし、連邦軍の総本山であるジャブロー内部への進入口をジオンに意図せずだが漏らした形になったホワイトベース隊を「永遠の厄介者」扱いした挙げ句、実質的に「囮部隊」として単体で放り出すなど、視聴者目線からしたら「現状を何も知らない、古い官僚主義のおっさん」「主人公達の邪魔をするだけの冷酷な悪人」にしか見えないだろう。
実際、外伝作品などでは連邦軍兵士からも「戦場を知らない人間」と認識されていた。
しかしよく考えると、
  • ホワイトベースの足取りを追ってジャブローに攻め込んできたジオン軍に対して、敵の狙いを瞬時に把握して的確な指示をだす。
  • 「囮作戦」もシャア・アズナブルの部隊がもろに引っかかり、結果として主力の第二連合艦隊が無傷で宇宙に進出するという大成果を上げる。
  • ホワイトベース隊は単なる「囮部隊」だけではなく、後発の主力艦隊を狙う敵軍が現れた場合、その敵の背後を襲って挟撃する遊撃部隊としても活用できる。現にシャアはこの点に気づき、「囮の木馬を無視して本命の連邦艦隊を討つ」というトクワンの進言も却下している。
  • ソロモンが墜ちればジオンは和平交渉に出る事を予測し、事実デギン公王は和平交渉を行おうとしていた。どっかの眉無しのせいでおじゃんになったが。
など、「大将」としてやる時はやる実力者なのは当時から描かれていた。
だが、付き合いのあるミライからは「口が軽い」とお茶目なおっさんのように見られており、視聴者の意見も概ね同様であった。

レビル将軍がホワイトベース隊を気遣い、また前線で活躍し、最後には壮絶な戦死をする…という「良き将軍」だったのに対し、ゴップは安全なところで指揮している上に、ホワイトベース隊に全く得する事をしていない、そのくせ普通に生き延びる*2為に視聴者の印象は悪かった。

とはいえ、あくまでアニメ本編では軍人としては決して無能ではなく、単に若干嫌味だがよく見ると優秀な連邦将軍として描写されていた。
同時に地球連邦自体も非常に冷酷で大人の都合ばかりを優先する組織として描かれていた。戦死したマチルダさんの扱いに憤るアムロなどがわかりやすい例だろう。
だが「こんな大人もいる」くらいの名有りのモブくらいの扱いであり、ファーストガンダム放映当時は連邦軍は言うほど腐った組織としては描かれていなかった。
TV本編において主人公の所属するホワイトベース隊に利することを何もしていない…というのも穿ちすぎで
それまでのホワイトベース隊、特にアムロたちは「民間人のくせに連邦軍の重要機密に触れた 犯罪者 」という微妙な立場であり
彼らを重用していたレビル将軍であっても「戦力として使えるから保護しているが、働かないなら刑務所」と脅す発言をしていたりする中で
「(これまでの事は) 処罰はしない。 これはミライの父上への恩返しと思ってもらいたい」と記録が残るであろう場でホワイトベース隊の罪状を抹消したのはゴップである。
その後、そのミライが乗艦しているのに襲撃されたジャブローの宇宙港ブロックを見捨てて支援戦力どころか情報も回さなかったのはアレなのだが
ジャブローの中枢部に損害を出すと連邦軍全体が揺らいでしまうため、最悪宇宙港ブロックだけを見捨てるという選択も間違いとは言い切れない。
だが、以降の機動戦士Ζガンダム以降から段々と連邦軍自体の腐敗が進んでいく中で彼は未登場。
存在感も薄れていき、単なるマイナーなおっさんとして誰もが存在を忘れる…はずだった。



【ゴップの災難】

一年戦争を中心とした本格的シミュレーションゲームとしてセガサターンより発売された「ギレンの野望」。この作品で彼は一躍名を上げる。
無能な連邦大将として
とにかく一年戦争に登場した人間であればどんなドマイナーなキャラでも*3登場させるこのゲームに、彼は初代のSS版から登場する。
しかし、その能力はなぜか耐久以外全キャラクター中最低クラス。
にもかかわらず、妙に無責任かつ自己中心的な台詞が目立つ*4というものであり、その扱いは非常に酷い。そして言うまでもなく階級は最高の大将なので、他の優秀なキャラクターがリーダーになれない…どころか、同じ戦場に配属してしまうとこの高い階級と低い指揮・魅力が味方部隊を覆ってしまうと、とことん足を引っ張るキャラとなっている。
そのためゲームの4コマでは散々な扱いを受ける代表格。
一応突き詰めて育成すれば耐久力だけは高くなっていくため、潜水艦に隔離座乗させて海マップを占拠させ続け敵部隊を引き付けたり、指揮も低いとはいえいないよりマシのため、他の指揮官が不在の名無し部隊しかいないマップを任せることは出来るのが救いか。
PS2で発売された「ジオン独立戦争記」では戦闘時に有利になる作戦を実行するのに必要なポイントが増える策略の値が高かったり階級が高いおかげで大規模な部隊が編成できたりと「戦いでは無能だが、それ以外では役立つ」キャラクターとなっている。後年の評価を先取りしたのか、外交戦略で有益なものを多数提案してくれるのもプラス要素で、原作通り裏方に徹する事で力を発揮できるだろう。
しかし、なぜかレビルに懐疑的だったり敵対的だったりするセリフまであったり*5と、まだ扱いの悪さはちらほらと見えていた。
結果、このゲームシリーズのせいでゴップは無能というキャラとなってしまい、その印象がガンダムファンからは拭えない状況が長年続いていた…。
フォローしておくと、ギレンの野望は(上記の独立戦争記以外)キャラクターのパラメータが三国志でいうところの「武力」「統率」しかなく内政屋が活躍できない、また明らかにジオン贔屓な査定が目立つゲームである。

…が、現在シリーズ最新作である新ギレンの野望では従来シリーズ換算で指揮が12(当ゲームでは60)・魅力改め求心が15(当ゲームでは77)相当になり、直接戦闘や主戦場ではともかく、方面司令塔としてはなかなか侮れない数値に上昇した。

こんな扱いになった理由の1つに、上記で触れた「連邦軍&政府の腐敗」もあるだろう。
連邦政府はファーストの小説版の時点でこれでもかと言うぐらいこき下ろされており、
連邦軍も時代が下るにつれて「平和に浸かって堕落する」「やる気がなくなっていく」
と、Ζ以降に描かれた腐った連邦軍にいる、つまりゴップもそんな俗物だ。そんな説得力があったのもまた事実であった。


【ゴップの再来】

『THE ORIGIN』では周囲の将官が懐疑的な中、MSの有用性をいち早く見抜きテム・レイにMSの本格的な開発を指示するなど、クソ胆力を持つ抜け目のない元帥として描かれている。
だが、『THE ORIGIN』自体がパラレルワールドじみた世界観というのもあり、無能な印象の払拭はできなかった。
『ORIGIN』側の公式HPでは「テム・レイはゴップの 弟子 」と書かれているのだが、ORIGIN世界におけるテム・レイはミノフスキー博士の弟子であり、軍に出向しているが本職はアナハイムの技術者である。
テム・レイがゴップに重用されていたとか部下だというのならわかるのだが、「弟子」という表現を使っている理由は不明。
さすがにゴップがテム・レイに指導するほど技術知識があると言うことはないと思われる。

機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還」という漫画にて、彼の運命は大きく変わることとなる。
機動戦士ガンダムΖΖから機動戦士ガンダム 逆襲のシャアの間の話を書いた漫画作品であり、当時その行く末が不明となっていたヤザン・ゲーブルが登場することで話題となった。
え?あれはヴァースキ?逆にヤザンじゃなかったら怖い。
そしてそのヤ……ヴァースキが話した相手がこのゴップだったのだ。

彼は一年戦争後も生きており、そして底しれぬ老獪さを持つ男だと判明する。
更にあの戦争中、ジャブローの軍上層部では戦いたがるレビルを更迭しようとしていたが、それを止めてV作戦の実行まで導いたのがゴップという事実もわかる。
「ジャブローに訪れた全兵士の声に耳を傾けた」「レビル達とは違い前線に出る事はなかった、政争が私の戦場だった」と自負し、聞いていたヴァースキも「少なくとも戦場で飢えたことはない」と発言している。
そう、彼は裏方の天才だったのだ

戦争というのはどうしても前線の部隊がクローズアップされがちだが、それらが万全に戦うためには兵器弾薬や燃料、食糧などの各種物資などの補給や正確な情報提供、政治家たちとの折衝による予算捻出なども必須である。
物資の補給の滞りや偏りが出れば、それだけで戦線への被害は大きなものとなり要衝の陥落や部隊の全滅、最悪の場合は軍としての敗北を招きかねない。
戦場に於いて数少ない娯楽である食事に支障が出れば、兵士達の不満やストレスの蓄積は加速していくのは必定。最悪の場合、餓えた兵士が守るべき一般人に銃を向ける恐れや、餓死や栄養不足による病が発生が発生するリスクも存在する。
更に貴重な補給物資を抱えた輸送部隊を無防備で前線に蹴り出すわけにもいかない。戦場の中で補給を要する部隊と合流可能な時間と場所を正確に見定め、彼らと物資を守るために必要な戦力を慎重かつ的確に試算した上で妥協無く捻出する必要もある。
そして、それらを回すための予算の捻出を譲歩すれば、上述した事態がまとめて起きかねない……と、ゴップが立っていたのは非常にデリケートな扱いを要求され、それを任された者は一切の「妥協」が許されない、文字通り「後方の見えざる戦場」である。
元々軍では技術畑の出身であるゴップはそれら後方職種を司る軍官僚として軍政面を担い、一年戦争における連邦の勝利に十分なほどの貢献をしたのである。
上述した『ジャブローの本部勤務はまあまあ恥扱いされた作品』ですら、主人公たちの部隊や同所属の部隊のメンバーたちは基本的に毎食ほぼ決まった時間に・決まった通りのメニューがちゃんと食事として出されている描写がある。現にこの作品で連邦兵として登場した人物たちはみんなこういった「補給・兵站」に大きな不満を抱く描写がない*6*7
さすがゴップだ、なんともないぜ!

その後、レビルに先立たれた彼は「モグラ」どころか「寄生虫」と自らを表現しながらもジャブローにしがみつき続け、軍を退役するとヤシマグループのバックアップを受けながら政治家に転身。一年戦争後も続く戦乱の中で中立を守り続け、宇宙世紀0090年には地球連邦議会の最大派閥の長になった上に自身は連邦議会議長という立ち位置にまで出世していた。
レビルを始めとした連邦軍のおえらいさんは良くも悪くも前に出たがる悪癖があり、そのほぼ全員が死亡ないし失脚している。
そんな中、ゴップは自らの身の程を弁えて敢えて表舞台には立たず、強かに生き続けていた。

だが影響力はかなりのものであり、個人的にMSを手配し、子飼いの兵士に分け与えられるほど。
しかも内訳はフルアーマーガンダムMk-Ⅱと近代化改修されたヘビーガンダム。MSだけでなく装備一式も揃えていた。
更に彼の台詞曰く「早急となるとこれくらいしか用意できなかった」との事なので、時間があればもっと良いMSを手に入れられた可能性も高い。
まぁ、パイロットはそのMk-Ⅱに苦しめられたので苦い顔をしていたが。

と、一時期の悪評を覆すように再評価されたゴップだが、だが結局のところは聖人…完全無欠の正義の味方というわけではないのもまた事実。
人には言えない事を多くこなし、更に「私腹も肥やした」との事であり、元来の印象通りの一面も持ち合わせている。
またゴップ自然公園を代々管理している名家の生まれでもあり、そのせいか白磁集めという趣味もあるが、そのコレクションにも人には言えない、表には出せないものがいくつかあるらしい。
この事から「ゴップ」というのは名字であると推測される。もしくは襲名制。
と同時にそんな自分の性分をしっかりと把握しており、ゴップの派閥・軍閥についてくれている人物に対して自嘲することができるくらいには受け止めている。というか、実際にヤザン(ヴァースキ)へ「本当の私はこの程度の男」というニュアンスで語っている。
狸爺という言葉がよく似合う食えないおっさんである。
こうなると冒頭で語った「笑顔の似合う恰幅の良い中年男性」という姿も底知れぬ物に見えるから不思議なものである。

自らを寄生虫と呼ぶが、本体が死ねば寄生虫も死ぬという理屈で、彼は今まで自分を育ててくれた地球に恩返しをすると立ち上がるのであった。

ちなみに本作ではイングリッド0という少女を養子としているが、これが原因で周囲からは「少女趣味な変態」だと見られる事も多い。
しかしゴップ自身はそれに対し、そういう認識を持つ人間は勝手に自分を侮って隙を見せてくれるのだから、むしろ都合が良いとすら思っている様子。
イングリッド自身はゴップにとって優秀な私兵でもあるが、そんな損得勘定だけで世話しているわけではなく、しっかりと親心も持っている。
向こうからは…一見するとあんまり好まれてはいないように見えるが、年頃の娘と父親なんてこんなもんだろう。
実際、話が進んでいく中でゴップを含めた周囲の大人達は特殊な出自を抱えているイングリッドを一人の兵士・人間として真っ当に扱っており、
彼女も彼女なりに大人達からの期待と心配に応えようとするなど、その関係は実のところ極めて良好。
最後の戦いに赴くイングリッドを送り出す最中、眼前に佇むヘビーガンダムを見つめて呟いた
「…頼むぞ ガンダム」という言葉は、ガンダムに纏わる様々な厄介事を知っている彼の偽りのない親心から出たものだったのだろう。

なおイングリッド以外の家族構成は不明だが、彼女に自分の事業の跡を継がせようとしていた辺りから、恐らくは孤独な身であったのだろう。
ちなみにその事業の内容というのが、明言こそされてないがあれとの繋がりを匂わせるものとなっており、もしそうだとしたら幾星霜もの先の世界にまで影響を与えたことになる。

これ以降、ゴップは「前線に出ることはないが裏方としては優秀」というキャラ付けにされた。
その集大成が劇場版「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」での描写だろうか。
自分の非情な判断のせいで地球の都市が焼かれることとなるが、その事から決して逃げず…そして「運良く」焼かれなかったがそれでも安堵を余り外に出さずに進軍を指揮する彼の姿に、最早「無能」と呼ぶファンは皆無であろう。


【余談】

ギレンの野望にてステータスに疑問点が残るキャラクターはゴップ以外にもグリーン・ワイアットがいる。
彼も主人公目線では嫌なおっさんに見え性格にも難ありだが、実際は頭が切れ、清濁併せ呑む策略家というのも描かれているのがゴップと共通する。
だが、彼はそれ以上に野望を抱いていたが、そのせいか戦場で果ててしまった。

また、位だけは高いが指揮や戦闘能力が低い連邦軍キャラとしてはジオンに内通するも見破られ拘束されたエルランもいるが、こちらは明確な裏切り行為を働いたためほとんどフォローされておらず*8、『THE ORIGIN』では現場の人望がほぼないうえに裏切りがバレた際に顔芸全開で命乞いして泣き叫んだり『機動戦士ガンダム CROSS DIMENSION 0079』で登場した従弟が部下を置き去りにして逃亡したりといいところまるでなしで、新ギレンの野望ではとうとうゴップとワイアットに指揮方面で後れを取ることになってしまった。

上記で少し触れたが、ジオンマ・クベとも妙に共通点が多い。
軍のかなり上の階級で一見悪辣な知恵者
…と見せかけて彼らなりの人情と意外な胆力がある点がそっくりである。趣味も似通っている。
劇場版「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」ではそんな2人のやり取りも描かれており、互いに地球の都市を焼きたくないのにそうせざるを得ない状況が描かれている。

また、今までのイメージを180度ひっくり返し奥深さが出たキャラというのはある意味ではボッシュショックの先駆けとも言える。
彼はとある組織の出身であった事がたった1つの台詞で明言されたことで散らかり気味だった設定に説明がついたためイメージがひっくり返ったが、
ゴップは本人が『Ζガンダム』以降の時系列で未登場であることを逆手に取りつつ、一年戦争中は前線の兵士がこと食事面に於いて不満を口にするシーンが正史・外伝問わずあまり見られない事を踏まえ、
「前線に出ることなく、自身の戦場をジャブローと見定めて軍政を担っていた裏方の天才」という設定に落とし込み、それを丁寧に説明し読者に伝える事に成功したため、株が大きく上がることにも繋がった。
また、ボッシュがガンダムを「悪魔の力」と呼んだのとは反対に、イングリッド0を送り出す際に「頼むぞ ガンダム」と彼女のために用意したガンダムに呟いている。
一年戦争時には厄介者扱いし、そこからデラーズ紛争グリプス戦役第一次ネオ・ジオン抗争という動乱期に於いてガンダムによる様々な活躍や惨劇の報告をジャブローで目にしたであろうゴップが、ガンダムを「娘を守る存在」として見ているのは対極的である。

しかし前線に出て戦っていないのはゲームにも出しにくいらしく、スパロボシリーズやGジェネレーションシリーズでも登場しない。
出すにしてももっとうってつけの他作品にいるのもあるし。
逆にゲームに登場したのがギレンの野望シリーズくらいであり、この辺りもゴップが無能と言われる要因と言えるだろうか。
ククルス・ドアンの島ではゴップ専用艦と呼ばれる航空母艦「ラ・グランパ」が登場した為、今後ゲームに出るとしたらこの艦に乗るのかもしれない。

アーケードゲーム「機動戦士ガンダム カードビルダー」にコモンキャラとして登場した。
運用コストが低めで戦艦に乗せると機体の修理や武器の補給速度が上がるが、本人のステータスが低く自分のテンション*9がMAXのとき味方のテンションを徐々に下げ、逆にMINだと味方テンションが上がっていくスキル「ジャブローのもぐら」の扱いずらさもあって使い勝手はよくない。

それよりも気になるのが彼のフルネームがいまだ不明ということかもしれないが。*10





だがな、追記、修正あっての項目である事は弁えておる。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 機動戦士ガンダム
  • 大将
  • 無能?
  • ジャブローのモグラ
  • 軍人
  • 地球連邦軍
  • 永井一郎
  • 細井重之
  • 石森達幸
  • 楠見尚己
  • 提督
  • 裏方
  • 政治家
  • 議長
  • 地球連邦議会
  • THE ORIGIN
  • ガンダム登場人物項目
  • 風評被害
  • 老獪
  • 狸親父
  • ガンダム
  • ジョニー・ライデンの帰還
  • 宇宙世紀
  • 宇宙世紀キャラクター項目
最終更新:2025年03月01日 02:46

*1 スピンオフ作品『機動戦士ガンダムさん』の1コーナー、しかも登場人物は人間キャラですらない『隊長のザクさん』シリーズでは、ザクさんのジャブロー送りは左遷も同様の扱いであった。ギャグ漫画の擬人化コーナーという真逆の世界観のジオンにすらこの扱いなのだから、本編世界のジャブローがどういう場所なのかは推して図るべし…か。

*2 ガンダム放映当時はまだ「死」に関して美化されがちな時代でもあった

*3 全身タイツで有名な赤鼻も初代SS版からいる

*4 「なんでわしが戦わなければならんのだ」「誰かいないのか」等々…。倒されたときに「私こそ連邦の厄介者なのか?」と自虐的に呟くなど、公式でもネタにされている様子がうかがえる

*5 独立戦争期のムービーでのセリフ、オリジナルモードでのレビルVSゴップ等で。上記のようにジオンとの和平の可能性と、宇宙での連邦勝利による戦争の早期終結を楽観的にとは言え言及するなどし、ジオン殲滅を主張してレビルを怒らせたジャミトフやコリニーよりはまともな感性してるような描写もあるにはある。ただしオリジナルモードで総大将にして勝利すると、当時のゴップ感たっぷりなBADENDが流れる…。

*6 せいぜい当時の技術設定から「ビームライフルは高級品なのでそうホイホイと配備を頼めない」「隊で1機だけビームライフル使うくらいなら、まとめて補給や整備を受けられる実弾装備の方が作戦面では楽」という選択がされた程度。これ自体は『コロニーの落ちた地で…』など、08小隊以外の一年戦争作品でもよくある描写

*7 08小隊では普通にビールが飲めることを示す描写がOVA、小説両方に存在する。また『ガンダム戦記』でもジオン小隊が無血開城させた、連邦軍の一般的な基地の中に大量の食品とアルコールが備蓄されておりそれらを使って勝利の細やかな祝宴を行うシーンもある。

*8 精々劇場版でオデッサがカットされたのを拡大解釈して独立戦争記で裏切りを回避できる方法があるぐらい

*9 これが高いとクリティカルが出やすい等戦闘で有利になる

*10 一応フォローしておくと、初代ガンダムはフルネーム不明なキャラが多い。主要人物であれば後付や非公式等でつけられる事も多いが、ゴップは未だフルネーム「ゴップ」のままである。