レビル将軍

登録日:2009/05/27 Wed 14:07:14
更新日:2025/04/18 Fri 16:29:20
所要時間:約 3 分で読めます





全軍を指揮する者が弾の後ろで叫んでいては、勝つ戦いも勝てんよ。



TVアニメ「機動戦士ガンダム」に登場する人物である。
アニメ本編での出番はそう多くはないが、要所要所で顔を見せる重要キャラである。

本名:ヨハン・エイブラハム・レビル
年齢:年寄り
所属:(ゼネラルと付いているため多分)*1地球連邦陸軍→宇宙軍第三艦隊→第一連合艦隊
階級:連邦軍中将→連邦軍総大将(総指揮官)。
性別:男性
苦手な物: 「黒い三連星」「ソーラ・レイ
CV:池田勝(TV版)、村松康雄(劇場版)、堀勝之祐(特別編)、中博史(THE ORIGIN)
搭乗兵器:マゼラン級アナンケ、同フェーベ、連絡機ディッシュ

  • 作中の活躍・設定
アニメ本編開始前の「総人口の半数を死に至らしめた」と言う、通称「一週間戦争」が勃発。
奇襲や核兵器、毒ガスの乱用によるなんでもありな攻撃を繰り広げるジオン公国軍に対し、
各コロニー、および駐留している連邦の勢力は壊滅状態に陥る。

その後ジオンがコロニーを落とすものの、連邦の抵抗、計算外な崩壊を始める等でコロニーはジャブローに落ちなかった。
すぐさま第二のコロニー落としをすべく、再度軍事行動に移るジオン軍。
それに対しレビル将軍は、動かせるあらゆる戦力を投入し、「ルウム戦役」に身を投じる事になる。
単純な艦艇の差で言えば連邦軍の方が保有している戦力が多かったのだが*2
レーダーの効かない混乱と、機敏に動き回り次々と戦艦を破壊して回るMSの前に連邦軍は大敗。
自身も黒い三連星の猛攻にあい*3、旗艦から脱出せんとした所を捕縛され、捕虜となってしまう。
その後、ジオン側も戦力を磨耗したものの*4、圧倒的な国力差を覆しての勝利を得たため、連邦軍と優位な講和を結ぼうとしていた。

しかし、経緯は不明だがレビル将軍はジオンから脱出し、一週間戦争においてジオンも戦力を大幅に失っている事を暴露。
いわゆる「ジオンに兵無し」を演説し、スペースノイドの開放を謳いながら、自分達にくみしないスペースノイドはコロニーもろとも破壊して皆殺しにする*5ジオンの唯我独尊なキチッぷりに弱腰になっていた連邦政府に抗戦を決意させた。
その後、ルウムで大敗したとは言え、様々な思惑の元、徹底抗戦を謳うレビルが宇宙・陸・海等全ての軍の最高責任者となるのであった。

以後、ミノフスキー粒子によるレーダーかく乱技術によって、連邦の主戦力である戦艦や、フライ・マンタ等の航空機、61式戦車が大幅に弱体化、
一部の戦闘機や爆撃機や戦艦が何とかやりあえる程度でしかない、目を覆いたくなるような現状を打破すべく、大鑑巨砲主義を掲げる勢力を説き伏せ、MS開発計画「Ⅴ作戦」を実行。
MSの本格的な量産や、膠着した戦線の微妙なバランスの揺れを持って「オデッサ作戦」を実行。
高級士官エルラン中将が敵に内通しており、部隊の配置情報などをジオン軍にリークされるという手痛い出来事もあったものの、マ・クベの核攻撃による恫喝にも屈せず、正面決戦でこれを撃破。オデッサを陥落させ、地上における軍事バランスを一転させる。
その後の「ジャブロー防衛戦」「キャリフォルニアベース攻略作戦」「ソロモン攻略戦」などには参加しなかったが、
ソロモン攻略作戦でティアンム提督が戦死したことと第二連合艦隊が大きな損害を出したことを受けて、第一連合艦隊を率いて再び宇宙に出陣。
キシリア・ザビ率いるジオン軍突撃機動軍を撃退しつつア・バオア・クーまで迫るが、
ジオン公国の国家元首デギン・ソド・ザビ公王が和平会談をするために投降してきたことで、会談を持とうと乗艦「フェーベ」をデギンの船「グレートデギン」に接舷しようとした……
その瞬間、実の父ごと連邦の主力艦隊を吹き飛ばす腹積もりだったギレン・ザビが発射したソーラ・レイによって消滅、歴史からその姿を消すのであった。


  • 人柄&能力
(最新鋭の機密兵器を動かせるとはいえ)現地徴用の一般兵でしかないアムロ・レイ達にも勤めて紳士に振る舞い、偉ぶるところの無い良いおじさん風である。
その反面ジオン公国…というか、1週間戦争でのジオンの凶行を目の当たりにしたせいか
温厚な人柄に反してジオンおよびザビ家に対しては自身の生命の危険も顧みずに徹底抗戦の構えを取るし、その際に自分の権限で作戦を強行する事もあったりする。
オデッサ作戦でマ・クベが水爆を盾に撤退要求をした際に、黙って全軍に前進を命じたり(結局本当に水爆は発射されたのだから笑えない。ブライト・ノアの独断でガンダムが阻止したが)
侵攻の最終目標をア・バオア・クーではなくサイド3(おそらく完全占領してザビ家の反攻の火を消す為)にしていたりと結構過激。
ホワイトベース隊に対しても優しい面ばかりではなく、セイラ・マスが独断でガンダムを動かした挙句鹵獲されかけるという大事件を起こした際には、何とか「Gファイターコア・ブースターのパイロットおよびニュータイプなるものの実験台とする」ということで生かす反面、マチルダを通じて「本来なら銃殺刑が相当」とくぎを刺したり、
ベルファスト基地でホワイトベース隊員と接見した際には「諸君は軍の最高機密にさんざん触れた。いまから軍を抜けようというならこれまでの功績に免じても禁固一年は確実。本来なら終身刑であるべきだ」と容赦なくアムロたちを威圧する場面もある。この辺りは特に戦時中なら当然の事ではあるのだが。

そのため視聴者から反スペースノイドのタカ派とも思われがちだが、タカ派はタカ派でもティターンズのような過激な思想・行動はしていない上、あくまでも人類の脅威であるザビ家の独裁と軍事力の打倒が目的であり、彼自身はむしろ宇宙移民に対して理解があるし、同情的でもある。
更に連邦内にはコリニーを筆頭とするもっと激しいタカ派の保守勢力(№2はあのジャミトフ・ハイマン)が存在しており、
むしろレビルはジオンの徹底的な殲滅とスペースノイドの抑圧を提唱する彼らを抑止している立場だったりもする。
(ただし、一年戦争時はそういった派閥どうのこうの言ってる暇あったらジオン公国どうにかしろという状況だったため、ほぼ一丸となっている)

また、徹底抗戦と言っても「ジオン許さねぇ拠点もMSも全部潰すか奪い取って問答無用で全員ぶっ殺してやる」、「今に見ていろジオン人全滅だ」、「私に意見する奴は非国民だ!ジオンと同類のクズだ!」という程ではなく、ゴップ提督の楽観視に最後には反論しつつも理解の念は一応述べたり、デギンの申し出にYESを選択する程度の線引きは出来るので
非人道的な行いが目立ちまくるジオンの(特にギレンの)行いや、そんなジオン優位なまま結ばれる講和に人一倍の危機感を持っていた。という所だろう。

本来なら機密保持のために逮捕、拘束されるべきアムロ達を自らの権限で保護。
更に腹心の部下であるマチルダ・アジャンを直々に補給部隊に任命し、装備や物資を工面するなどWB隊を支え続けた。
ジオンでもWB隊はかなり有名になっていたため、そのまま志願兵として主力とは別方面の最前線で活動させて囮に使ってる辺り、「勝利のためならあえて褒められた事ではない事もする」 リアリストな面も垣間見えるが*6、彼らの実力を正当に評価し信頼した上での運用とも言える。
なお、囮にしたといってもジオンのジャブローへの攻撃を促した事による懲罰措置や騙した訳ではなく、きちんと命令による処置を行った為にWB隊の面々もそのことを理解している。
また、同然見殺しや使い捨ての措置でもないので、単騎突出させているわけでもなく他の部隊と合流させたり、戦力の増強措置を取っている。上述のベルファストでも対面前に「本当は一週間の休暇でもやりたいところだが」と漏らしており、成り行きから相次ぐ激戦に晒される彼らに個人としては同情する気持ちもあった模様。

小説設定によると、学校を主席で居続けたエリート中のエリートらしい、さすが将軍…。
あまりに出来た人物、能力の持ち主故、08小隊に出て来るイーサン・ライヤー大佐のように、嫉妬の目で見てくる人物も出た。
その反面政治的な派閥を強化しようと言う思考は薄かったようで、自身を慕う者は数あれど、
自身が死亡した後に軍や政治で活躍する後継者的な人物が現れず、偉大な功績が軍艦の名に付けられる程度に収まった。

ソロモンに駐留してるときに、ジオンのNTが発するサイコミュ波を感知したと思わしき頭痛を訴える等、
「NTなんでは?」と思われる描写もあった。
また、NTを「戦争しなくて良い人種を言うんだ」と言ってる辺り、ジオン・ダイクンのNT論を理解していたことは確か。実際にどう思っていたかはともかく。


ゲーム等への出演


ギレンの野望

一年戦争でちょいちょい出てただけで、MSに乗るわけでもない彼は、ギレンと同じくゲームで全面的に出演する事はあまりなかった。
だがそんな彼が一躍主人公に躍り出るゲームが発表される、そう、「ギレンの野望」である。

高い指揮能力を持ち、指揮値が最大の20をマークする名指揮官。同じ成長を遂げるのはブライトぐらい。射撃、耐久も高いので艦船向け。
NT能力を持ってると解釈されており、NT兵器に乗るとなんと補正を受けられたり、サイコミュ兵器が使えるので、
系譜や脅威では戦艦を放り出してサイコガンダムに乗りこみ「わしのお兄ちゃんはどこじゃあーーー!」
と暴れまわったりしたとかしないとか*7
初代からのお約束として、MA以外だとモビルスーツや戦闘機といった全ての兵器に乗る事が可能。自らガンダムを駆りV作戦の成果を確かめる事も可能。*8もちろん、戦闘継続中も連邦軍の指揮や軍備の管理も欠かさない。スーパーアクティブおじいちゃん。

また、プレイヤーの選択次第では自身が音頭を取る訳ではないにしろ、非人道的要素が垣間見える強化人間計画を許可したり
ゲームによっては、エゥーゴティターンズと言った派閥を全部敵に回す等、黒いレビルを演出できる事も。
アクシズの脅威からは、遂にシャアの逆襲にまで立ち会う事となった。脅威VではΞガンダムに乗ると、ファンネルミサイルを飛ばせる。長生きはする物?である。

レビル将軍率いる連邦軍が勝利すると、基本的に「良い世界になりました」で終わる事が多い。
ジャミトフのような一部の性急な連中とは違い、ゆっくりと穏やかに、それでいて確実に人類を宇宙に移民させるというアースノイドやスペースノイドも納得のグッドエンドを迎える。
独立戦争記のオリジナルモードではそこまでいかないにせよ、戦乱を収めた後に後進に任せて引退しているので自身のやるべき事はやった事がうかがえる。

ガルマ・ザビマ・クベが主役の外伝「特別編 蒼き星の覇者」では、ストーリー上どうあっても連邦が敗北するのだが、展開次第でその後内乱を起こしたジオンとの戦いで
善寄りの勢力であるガルマ側にホワイトベース隊と共に加わり、ジャミトフらと戦ってくれる。

ちなみにこのギレンシリーズ、ゴップの能力がやたら低いことが多くまるで彼がジャブローのもぐら代表のような印象もあるが(実際前線には積極的に出ていない*9ので正解ではある)、実はゴップこそ前線に赴くレビルを後方支援や政治面で影から支え続けた人物であると後に設定されたため、実はレビルの一番の支援者兼理解者といっても過言ではない。*10


スパロボシリーズ

こちらでは宇宙世紀でメインで取り扱われるのが『機動戦士Ζガンダム』なため、後方で味方を政治的に支えるキャラとしてもほとんど登場しない。
第3次では、陥落するジャブローからロンド・ベルに通信を送ってフェードアウト。その後の第4次に名前の一つも出てこないのでまず間違いなく戦死していると思われる。
ちなみにPS移植版では没データだがボイスが収録されている。
その後音沙汰無し、以後ずーーーっと出番が無く。
実に10数年後にようやく一年戦争メインのスパロボであるGCで復帰した。
さらに後のOEではソーラ・レイ発射が阻止されたことで、ようやくスパロボ補正を受けて生存した。
ちなみに、原作で共に死んだデギンはこの場では生き残るも、軍を奮起させるために前線に赴き、戦死するというオリジナル展開を見せる。

【他メディアでの活躍】

【SDガンダム外伝】

騎士ガンダムシリーズでは、連邦軍の大将だったこともあって、物語開始時の舞台であるラクロア王国の王様として登場…するが、
伝説の巨人*11に城を壊されたショックであじゃのパーになってる印象が一番強いだろう…。
(´Д`)「巨人が~ 巨人が~ ううーん」
しかし、彼が騎士アムロにかけたある言葉が、その後の騎士アムロの活躍のきっかけとなっており、
出番はジークジオン編のみながらかなりの重要人物と言える。

HPは健康な時は150で負傷した時は20。この世界では娘であるフラウ姫を含むの一般人は10~30ぐらいであり、それよりは強いが騎士ガンダム「HP500」は無論人間族としては強い部類に入る騎士セイラの「HP320」や騎士アムロの「250」よりも弱い。万全の状態ならゴブリンザクのHP50ぐらいなら何とかなるが中堅クラスの戦士ドムのHP230には歯が立たないといっていいだろう。

【余談】

70年以上後の時代である「機動戦士Vガンダム」に、レビル将軍そっくりな連邦軍人ムバラク・スターン大将が登場する。
主流派から外された人物であるため、流石に連邦の軍全てを動かせる程ではないが、「提督」で「大将」とかなり高い地位に居り、
自身の権限で動かせる軍隊を引き連れて、主人公側の民兵集団に協力するなど、かなりレビルな人材として描かれる。
また、彼が率いるムバラク艦隊は連邦が形骸化し、軍全体が旧式兵器*12という老朽化している当時の連邦軍でもかなり精強な艦隊であった。


漫画『NIGHT=HAWKS!』ではチャアミン・ブラウン曹長という孫が登場している。




辛いのだな…追記や修正も。わかった、交渉に応じよう。

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最終更新:2025年04月18日 16:29

*1 あくまで『ORIGIN』における安彦氏の設定だが、レビルは陸軍出身で艦隊の指揮の経験は浅く、そんな彼がなぜかルウムで総司令を任されたことが海軍出身のティアンムにとっては気に食わず上官のレビルを呼び捨てで軽口を叩いていたのはそのためとのこと。

*2 ただし機動兵器を見ると、連邦軍の宇宙戦闘機300に対してジオン軍のMS2920+ガトル400と、むしろ連邦軍のほうが1/8ほどしか所持していない。宇宙戦闘機そのものは優秀なものを含めて多数開発されていたが、運用する宇宙空母ペガサス級が未完成だったこともあって、こうなってしまったのだろう。

*3 この時三連星が乗っていたMSは媒体でザクⅠだったりⅡだったりと一定しない。

*4 アニメやゲームでジオンのエースが多いから言われてもピンと来ないが、開戦前から訓練を積んで来たベテラン兵が相当戦死してるとされる。

*5 独立戦争開始前に協力を明確に断ったサイドが標的にされたと言う。

*6 もっとも、後年になるとZガンダムのバスクやジャマイカン、ZZのホワイトや「機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91」のガレムソン等虐殺や毒ガス攻撃を始めとしたもっと酷い事をしてたり、戦場で戦ってる兵士に無礼極まりないとしか言いようがない発言をする輩がウヨウヨいることや、そもそも1stの戦況自体前半の大敗戦によって凄まじい損害を負っていたので勝利のためやむを得ないという事情などから、私情で虐殺に及んだりする外道や無能と言ってもよい彼らとは全くの別物である。

*7 連邦編で唯一入手可能なNT用巨大MAで、Iフィールドも搭載しているために耐久力が高く、サイコミュ搭載かつ遠距離砲撃が出来るので、総大将が撃破されるとゲームオーバーになる系譜ではサイコガンダムにレビルを乗せるプレイヤーが多かったらしく、共通の話題としてちょくちょくネタになる

*8 MSは艦船よりも戦闘機会が多いので、ガンダムで戦わせるのは育成面でも有効だったりする。

*9 尤も軍の統括を位置する大将と言う階級を考えれば迂闊に前線に出るのも考え物である。 実際レビルがジオンに捕まったのが降伏の受け入れの原因の一つとなっていた。

*10 ORIGINやジョニーライデンの帰還で有能描写が増えた後の作品である新ギレンの野望ではレビルほどではないが指揮や求心力を持ち大将という階級による広い指揮範囲を活かせるそれなりに有能なキャラになった

*11 イデオンではないぞ

*12 この時代で使われている連邦軍の兵器はほぼ全てがジェガンヘビーガンジェムズガン、ジャベリン、量産型F91等20年以上前の兵器ばかりである。最もジェムズガンやジャベリン等はパイロット次第でゾロアット等の最新兵器にも対抗できるポテンシャルを持っているが。