ガディ・キンゼー

登録日:2024/10/21 Mon 20:00:14
更新日:2025/03/16 Sun 12:50:03
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ガディ・キンゼーとは、『機動戦士Ζガンダム』、『機動戦士Ζガンダム A New Translation』の登場人物。
CV:戸谷公次(カクリコン・カクーラーとの兼役)、今村直樹


【概要】

ティターンズ所属の少佐であり、そして非常に有能な船乗りである。
Zガンダム初期からアレキサンドリアの艦長を務めるジャマイカン・ダニンガンの副官。
……に見えるが、実は設定上は初めからガディの方が艦長である。ジャマイカンは部隊指揮官として旗艦であるアレキサンドリアに乗り合わせていたそして艦の指揮にも口を出していただけ。

この時点ではジャマイカンの命令に唯々諾々と従うだけの地味な男だが、それでもサラミス級巡洋艦の偽装を「船乗りにはちょっとした違いでわかります」と見抜くなど有能っぽさを見せていた。
そしてそのジャマイカンの死後、アレキサンドリアの艦長として本格的に参戦。
その際には「俺だってそろそろアレキサンドリアの実力を発揮させたいからな」と、遠回しにジャマイカンではアレキサンドリアを使いこなせていなかったことを指摘している。よっぽどその存在が邪魔だったらしい。ジャマイカンだけに
こうして目立たないながらも順調に出世していった彼は、その自信に恥じない働きをすることとなる。


【活躍】

だが、彼が最初に指揮を取った作戦はサイド2の降伏を無視して毒ガスを撒き散らそうという虐殺作戦であった。
しかも「命の尊厳を賭けての戦いなのだよ。これは」等と大義名分を掲げての事であり、視聴者的にもこの時点で他のティターンズ将兵と変わらないと思われただろう。
しかし実際に対峙してみると作戦では見事な手腕でアーガマのブライトの動きを読み切り出し抜いて、互角に渡り合う実力を見せる。
また、ジェリド・メサヤザン・ゲーブルと言ったアクの強い奴らも見事にまとめ上げ、正しいと思えば裏切り者の女の言葉もすんなり受け入れるなど、柔軟な思考の持ち主であった。
と同時にそんな裏切り者かつ男性に嫌悪感を持つレコアがストレートに物申す辺り、部下も話しやすい風通しの良い理想のリーダーとすら言える。
エリート揃いのティターンズにしては珍しく相手を侮る事はなく、むしろ敬意のようなものすら持っていた節がある。

そんな彼であるが、実は民間人の犠牲を嫌うという一面を持っている。
件の虐殺作戦も彼としては不本意なものであり、毒ガスを始めとした民間人の大量虐殺は『軍隊の統制を乱すもの』として嫌っている。
それでも命令とあれば従う辺り、良くも悪くも「職業軍人」なのだろう。
個人としては若干口さがなく、死んだジャマイカンに対して皮肉を言ったり
レコアに対して「まったく、シロッコとひっついたら妙なのばかり寄り付く」と愚痴ったりはするが、口では文句を言いながらも仕事はしっかりとこなしていた。

しかしこんな有能な彼でも戦略兵器の前にはどうにもならず、コロニーレーザーによって乗艦のアレキサンドリアと共に宇宙に消えた。
有能な彼には似つかわしくないあっけない最期であるが、ティターンズらしいと言えばらしいだろうか。


【外伝作品等】

劇場版Ⅰではなぜかエンディングのクレジットが「アレキサンドリア・キャプテン」とモブキャラっぽくなっているがちゃんとガディである。

スーパーロボット大戦シリーズでは特にF完結編の活躍が印象的であり、ドレイク軍との繋がりを目撃したロンド・ベル隊に「実弾を使った演習」を仕掛けて殲滅を図るという狡猾な一面を見せる。
だがその際にロンド・ベル隊を「アグレッサー」…要するに腕利きでなければ成立しない仮想敵軍と呼ぶなど、こちらを侮っていない一面も見せる。
とはいえ連邦軍のブランに威張り散らすという変な言動もあるが。
他方でαでは乗艦をトントン拍子にランクアップさせていったかと思えば撤退ともとれる台詞で終了。生き残ったジャミトフ達がゲーム前半で全滅するα外伝でも一切出番なし。撤退時のような台詞のせいで分かりにくかっただけで、αで乗艦とともに爆発したのが正史なのだろうか。
Zではミネルバ相手に特殊セリフがあるものの、IFルートの1話にしか登場しない挙げ句「撤退する」と言ってそのまま行方不明になる。IFルートではネオ・ジェネシスの発射でティターンズの艦が大量に消滅するシーンがあるため、断末魔すら上げられずにそこで死んだのでは?という切ない説もある。
能力値的にも特筆すべき点はなく、なんというか扱いが雑である。
見た目や一見した言動が悪役そのものなのでそのイメージに引っ張られた感じだろうか。

一方、ギレンの野望シリーズシリーズではベテランの船乗りでありそうながらヤザン・ゲーブルやライラ・ミラ・ライラと異なり一年戦争限定のナンバリングやジオンの系譜では登場せず、アクシズの脅威無印とVにのみ登場。
しかも、レビル将軍エゥーゴ寄りルートなら出てくるエゥーゴのマニティ・マンデナ*1と異なりガディはティターンズ(ジャミトフ)とティターンズ(シロッコ)でしか出てこない。
能力値もヘンケンと比べると一回り劣るが、ティターンズでは佐官が少ないのでジャミトフ・ハイマン&パプテマス・シロッコ&ジャマイカン・ダニンガン&テッド・アヤチ&ハイファンとともに指揮官として重宝する。バスク?彼はいらんことしいなので組織の癌として粛清される運命にあるので…

また「機動戦士Ζガンダム エゥーゴvsティターンズ」では高圧的な言動をしながらも、こちらが昇進すれば労ってくれる他、同じ少佐に並んだときは「貴様も偉くなったものだな」喜んでくれるなど、個性豊かな部下たちに慕われたキャプテンらしい一面も見せてくれる。


【余談】

一年戦争時はグリーン・ワイアットの副官も務めていた。
そしてワイアットもジャマイカンも作中では無惨な死を遂げるが、その双方でガディは上手く生き残る死神かな?

とまぁ割と地味な男であるが、実は服装に関して色々と特徴がある。
最初期は連邦軍の制服を着ており、アレキサンドリアも地球連邦軍だったのではと推測されている。
そしてティターンズ制服に変わった後も、珍しく制帽を常に着用している。
彼以外に着用しているのがGジェネレーションシリーズのティターンズモブ艦長くらいしかおらず、そういう意味では資料価値のある男と言えるだろう。
ジェリドが例の失言をする有名なシーンの後ろでほくそ笑んでるカクリコンが制帽かぶってるのは秘密。

機動戦士ガンダム00』に登場したカティ・マネキンは政治的な判断力も持ち合わせてアロウズから離反し生き延びて後に確固たる地位を得たため、「技量に加えて見識も持ち合わせて作中の結末に貢献したガディ・キンゼー」といえるかもしれない。
まあこの手のお約束で、エマリー・オンスみたく戦死したり更迭されるような女艦長の方がレアなのだが。

劇場版でガディを演じた今村氏は、同じく戸谷氏が演じたアルファ・A・ベイトの代役も務めている。



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最終更新:2025年03月16日 12:50

*1 TV編で月面の基地の管理官でジャマイカンを言いくるめていた女性佐官