ラビアンローズ(機動戦士ガンダム)

登録日:2024/12/30 Mon 05:44:03
更新日:2025/02/19 Wed 00:16:30
所要時間:約 5 分で読めます





※推奨BGM:「サイレント・ヴォイス」



グレミーとキャラの艦隊の激突が始まれば、俺たちに対して隙ができる。
で、俺はコア3のミネバ・ザビを人質にとろうとした。

しかし、それは俺の増長だった。逆に、ネェル・アーガマが危機に陥った!
その時、盾になってくれてアーガマを救ったのは…



次回、ガンダムΖΖ

エマリー散華(さんげ)


無理なんだって!




ラビアンローズにお尻を見せるつもり!?



ラビアンローズとは「薔薇色の人生」を意味する言葉。
ここでは機動戦士ガンダムシリーズに登場する自走ドック艦について説明する。






【諸元】

分類 宇宙ドック艦
所属 アナハイム・エレクトロニクス
エゥーゴ
全長 618m
重量 98,535t
乗員人数 560名
装備 ドッキングアーム ×8
ガントリークレーン ×8
メガ粒子砲



【概要】

アナハイム・エレクトロニクス社の所有する大型ドック艦。
全長618mという、ガンダム世界でもかなり大きな艦艇であるが、それよりも特徴的なのがその外見。
なんと名前の通り薔薇の花のような形をしているのだ。
開いた花のような「前方」には多数のドッキング・アームがあり、それで戦艦を「掴んで」回収、花びらの後ろには8基もの工場ブロックがあり、そこで修理や整備を行うのである。
そのような重要な施設のためか、アナハイムの上級社員がこの船に乗り込む事もあるほか、クルーや艦長はほとんどがアナハイムの女性社員である。
…がアナハイムの人間は「艦長代理」「所長」等と呼ばれており、本来は軍の人間が艦長を担っているという軍籍っぽい描写もある。

基本的に艦艇に関してはオーソドックスなデザインの多いガンダム世界に置いて宇宙に開く花という外見はインパクト抜群であり、更に言うと中に詰めているスタッフも個性豊かで印象的。
…であるが、補給船・整備船という戦場においては最も重要なものを担う上に外観が目立つため、しょっちゅうひどい目にあう悲劇の艦。
乗員のほとんどが「何がバラ色の人生か!」って思うだろうレベルだろう。


なお、大きいと言ってもあくまで「前線近くに送られる船としては」である。
機動戦士ガンダム』に登場した船舶修理用の宇宙ドック(コンスコンがぶっ壊した奴)はラビアンローズを上回るほど大きく、また各コロニーや宇宙要塞のドックのほうがより広く、より本格的な設備を持っていると考えられる。
ただしそうした拠点は動かすことができないので、「前線近くまで持って行ける工作艦」としてはその価値が極めて高いものであることは間違いない。
またラビアンローズのような自走ドック艦を使わない場合、宇宙空間に整備士が出て船外整備・修理をする必要が出てくる。
一年戦争でも大型艦を宇宙空間で修理することはできていたのだが*1、やはり専門修理施設を持つドック艦があるのとないのとでは、その作業の進捗度合いは大きく変わるに違いない。
総じて、前線を支える極めて貴重な船と言える。


【来歴】

作中の時系列的に最初に登場したのが、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」で描かれたデラーズ紛争
この頃は地球連邦軍に与しており、連邦士官が普通に出入りしていた。
その巨大な艦体を利用して巨大なMSガンダム試作3号機を開発していた。
そのガンダムの機体システムを開発しに出向していた「ルセット・オデビー」(美人)は、補給に訪れていたアルビオンクルーのコウ・ウラキの腕前に惚れ込み、自らの開発したガンダムの性能を最大限引き出せるとし彼に試作3号機を渡そうとするも、それを阻止しようとした連邦軍士官「ナカッハ・ナカト」に射殺されてしまう。
その事が影響したのか不明だがグリプス戦役の頃にはエゥーゴの持ち艦みたいな扱いとなっていた。

というわけでメタ的に初登場したのは機動戦士Ζガンダムの頃。
…だったが、その時は単なる補給艦以上のことは描かれなかった。

この特異な艦が特別目立ったのは機動戦士ガンダムΖΖ
これにて登場した艦長代理の「エマリー・オンス」(美人)は非常に優秀な女性。
だが「ガンダムΖΖ」らしい個性豊かな人間でもあり、なんと既婚者のブライト・ノアに惚れて猛アピールするという悪癖を持っていた。

しかしエゥーゴの支援を行っていることからネオ・ジオンの標的となり襲撃を受ける。
メガ粒子砲やドッキング・アーム射出などで応戦するも敵わず、エマリーと共に宇宙に散った。


【関連キャラクター】


  • エマリー・オンス
CV:藤井佳代子
生年月日:12月10日
年齢:22歳
身長:176センチメートル
体重:50キログラム
血液型:AB型
趣味:占い
好物:フレンチサラダ
特技:専門家なみのメカ知識

上記で語った、第一次ネオ・ジオン抗争時の艦長代理。
軍人ではなくアナハイムの社員らしく、階級を持たない。
一見するとブライトをタジタジにさせるだけの困った女性であるが、メカニック知識は豊富であり、更に仕事に対しても手を抜くことのない優秀なキャリアウーマン。
伊達に艦長代理を務めているわけではなく、ビーチャに対して
「自分の船を守ってこそ艦長でしょ! 戦闘に立って船を守ってみせない限り、誰もあなたを艦長とは認めないわ!」と責任のある大人として厳しい叱責をする一面も持つ。
その事から部下達には(ブライトの件で呆れられつつも)慕われている。

だがプルツーの襲撃に対し覚悟を決めたのか、スタッフを退避させてラビアンローズでアーガマの盾となり、ブライトの名前を叫びながら壮絶な最期を遂げるのだった…。

スパロボではそのプルツーが生存している事からか死亡シーンが描かれることがなく、登場して補給してついでにブライトと絡んで去っていくというキャラにされがち。


  • ミリィ・チルダー
CV:水谷優子

アナハイム社員でエマリーの部下。メガネっ娘。
真面目な激情家という「委員長」のような性格が印象深い。
だがやはりアナハイムギャルのひとりでもあり、メカニックとして優秀。曰くネェル・アーガマのブリッジの設計に携わったとか。
ラビアンローズ轟沈後はネェル・アーガマのクルーとなり、トーレスとちょっとだけいい雰囲気になっていた。

エマリーのことは尊敬しつつもそのエキセントリックさはやっぱり印象深かったのか
後に「ジョニー・ライデンの帰還」でキマイラ隊に出向した時は「私の派遣先はこんなのばっかりだ…」と愚痴っていた。


  • ルセット・オデビー
CV:勝生真沙子

デラーズ紛争時に登場したアナハイム社員。
ニナ・パープルトンのライバルであり彼女のパーソナルデータも知っていた。
だが上述の通りナカッハ・ナカトの銃撃からコウをかばい、最終的にはニナに看取られて息を引き取った。


  • クレナ・ハクセル
CV:一城みゆ希

デラーズ紛争時におけるラビアンローズの最高責任者。劇中では「所長」と呼ばれている。
やや年長のように見受けられるが、当然のように美人。
ガンダム試作3号機開発を統括していたが、ナカト少佐によって中止させられていた。

スマホアプリゲーム『機動戦士ガンダム U.C.ENGAGE』にはイベントストーリーに登場。
U.C.0082年時にはガンダム試作0号機及びガンダム開発試験0番機(エンゲージゼロ)の開発責任者であり、主人公ペッシェ・モンターニュのよき理解者であった。



【同型艦】

アナハイムを代表する艦であるためか同型艦がそこそこ出ている。

  • ロサ・ギガンティア
ラビアンローズ級2番艦。本艦のみエゥーゴ(後に連邦軍に帰属)の所属。
U.C.0087年にガンダム[ケストレル]の運用試験を行っていたが、ティターンズに襲撃される
多大な損害を被るが、幸いにも轟沈には至らなかった。

それ以降も新型MSの試験場やエゥーゴ/連邦軍の作戦拠点として活用された。


  • ラビアンローズIV
機動戦士Vガンダムに登場した。
鹵獲したスクイードⅠと大破したリーンホース(とガウンランドの残骸)を組み合わせてリーンホースjrにするという、よく考えたら凄い魔改造を行った。
時代は宇宙世紀0153なので、初代の就役から50年以上が経過しているが、見た目の変化はほとんどない。


【ゲーム作品】

スーパーロボット大戦シリーズでは基本的に地形扱い。
ラビアンローズのマスに配置すると強力な回復、地形効果を得られる。
現状ではユニットとして参戦したのは『スーパーロボット大戦64』のみ。

上述の通りエマリーとブライトのコミカルなやり取りが行われる他*2、αシリーズでは「ラビアンローズ・パフェ」という御当地スイーツがあるらしい。
シナリオ上で何かしらの補給が行われることも多く、特に新型MSの入手タイミングになりやすい。

ということで基本的に沈むことはないが、『新スーパーロボット大戦』ではデビルガンダムに侵食されるという末路を迎えてしまった。このため、最終決戦がラビアンローズ内という珍しい事になっている。
…なお、同作の宇宙世紀ガンダムは『逆襲のシャア』と『Vガンダム』しかいないので実は存在している事がまずおかしい。IVの事だろうか。
一方、『Ζガンダム』が出ていて『ガンダムΖΖ』がいないスパロボでは基本的に登場しない。艦長・責任者キャラが不在だからだろうか。
また『SUNRISE WORLD WAR Fromサンライズ英雄譚』では『機甲戦記ドラグナー』のダイアン・ランスが艦長代理を務めている。声がルセットと同じ勝生さんという声優ネタではない。

他にもガンダムゲーへの出席率はそこそこだが、基本的に「地形」「一応攻撃できるが性能は低め」という性能が与えられている。


【SDガンダム戦国伝】

SDガンダム戦国伝シリーズでは第5作目となる『伝説の大将軍編』にて「羅美安薔薇山」の名称で登場。
修行の場として有名で、第4作目『地上最強編』の天宮サイドの主人公「武者衛府弓銃壱」が武闘家としての道を極めた他、修行の際に流星頑駄無と出会うなど、物語の始まりの舞台として描かれている。

余談だが、戦国伝シリーズでは『地上最強編』で0083の前半をモチーフとしたキャラが登場していて、試作3号機も「頑駄無大光帝」として登場しているのだが、残念ながら戦国伝では関係が無い。


SDガンダム外伝

ラビアンローズをもじった「ラビア」「ラビアム」があり、使うと味方全員のHPを回復できる。要するにベホマラーとベホマズン
大量の戦艦を補給したラビアンローズらしい魔法と言える。
アルガス騎士団の騎士アレックスの得意魔法らしくスーパーロボット大戦BXでも再現されている。


【タマロイド 超Cガンダム】

クロスボーン族に制圧された超Cコロニーを救うため、伝説の白い戦士が造物主の知恵を授かった聖地「らびあんの薔薇」で超兵器を手に入れるのが最初の任務となる。
薔薇星雲の先で洗脳されていたジオン女王クィン・マンサを正気に戻し、らびあんの薔薇を騙っていたクロスボーン族最強のMAラフレシア(MA)の正体を暴き、無数の触手に苦戦する中、
謎の男ホロ仙人の助言もあってきゅ~いちやたんくの愛により本物のらびあんの薔薇が開花、
きゅ~いちがフェイスオープンの力に覚醒。ラフレシアを圧倒するスピードに自分も振り回されるが謎の男がビームランチャーでラフレシアを撃退する。
らびあんの超兵器はラフレシアの手で古代の白い戦士たちが特訓した試練の惑星ガイアのジェットストリームの中に隠され、
クロスボーン大総統からバグ(ガンダムシリーズ)に変形する機能を与えられたアッシマー三連星が守っていたが、
試練を超えフェイスオープンのスピードを使いこなしたきゅ~いちが回収し、サイド6にいる伝説の白い戦士νガンダムへフィン・ファンネルを届けることが次の任務となる。


【ガンダムVS.ガンダム】

GクロスオーバーというシステムでZZの機体を用いていると登場。
1戦で1回だけ使用できる広範囲MAP兵器であり、上空45°から多数のドッキング・アームが突き刺さる。
見た目は他に劣らず派手なのだが、プレイヤーからの評価は低め…どころか最弱と評されることもある。
鉄骨なので当たり判定がスカスカ、範囲のど真ん中に立っていれば当たらない、着弾時の爆風も無いと、ちょっと残る鉄骨が視界の邪魔と散々。



立体化

EXモデルとしてガンプラ化されている。
スケールは1/1700で、同シリーズのアーガマアルビオンと合わせられており、並べてディスプレイするための台座も付属する。さらに同スケールのクィン・マンサ、試作3号機(ステイメン、デンドロビウム両形態)、ジム・カスタム×4、ゲルググマリーネ×4が付属する。
EXモデル全体がそういうコンセプトだからであるが、ディティールは精密ながら色分けはそこそこに割り切ったもの。また価格も税抜き6500円とやや高価。





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最終更新:2025年02月19日 00:16

*1 『機動戦士ガンダム』においても、ホワイトベースやザンジバルが宇宙空間で修理されるシーンが描かれている。

*2 ギャグではあるが同時にブライトがどれだけ皆に慕われ、愛されているかが表現されることもある