ヤミー(遊戯王OCG)

登録日:2025/04/09 Wed 14:05:00
更新日:2025/04/12 Sat 09:15:58
所要時間:約 25 分で読めます





Yum☆Yum☆ヤミーズ!


オカシな箱庭に住むオイシイヤツらをゲットせよ!


【ヤミー】とは、『遊戯王OCG』のカテゴリ/テーマの一つである。


概要

第12期最後に発売されたデッキビルドパック「ジャスティス・ハンターズ」で登場したテーマ。
同期は【ドラゴンテイル】と【K9】。

日本全国津々浦々に店舗を構えるKONAMIの主力商品でもあるクレーンゲームをモチーフとしたカテゴリ。
主役でありクレーンゲームのアームに相当するモンスターの「スナッチー」、クレーンゲームでいうところの「景品」にあたるメインデッキの「ヤミー」、そしてアームもといスナッチーがヤミーをキャッチした様子を描いた「ヤミーウェイ」の3種からなる。
「ヤミー」達はお菓子を体に纏った姿をしていることから、「美味しい」ことを表す(特に子供が用いるものとされる)英語圏のスラング「Yummy」からとられたものだと思われる。海外版カードはまだ無いが、上記のキャッチコピーでも「Yum」というスペルを使ってるし。

設定画によると、ぬいぐるみ型モンスター達の正体は「不定形の黒い生物」。闇から生まれたから「ヤミー」らしいが、その設定に反して種族は光属性。
決まった形は持たないものの、主に黒猫を思わせる形態を取ることが多く、驚いた際の挙動なども猫じみている。
彼らは美味しそうなお菓子を見つけると自分の「ガワ」として求める本能のようなものを持っており、中に潜り込んで新たな身体とする。
寄生先であるお菓子を取られるのは「うれしくない」らしく、ほとんどの個体がガワを剥ぎ取られぬように外敵から逃げ回る。

その一方でクレーンマシン型のモンスター、もとい「スナッチー」は、そんなヤミーたちを何らかの目的のもと捕獲する宇宙人。*1
キャッチャーくんというサポートメカの助けを借りて、ヤミー達の生息域へと侵入。自らの手で掴んで攫っていくという。
なお、同じKONAMIのゲームでほぼ同名の「SNATCHER」があるのだが、それとの関連性は不明。

戦術


光属性獣族で統一されたL・S召喚テーマ。
水晶機巧】や【ゴーティス】、【センチュリオン】と並ぶ、「相手ターンでシンクロ召喚を行うテーマ」の系譜のひとつだが、「ヤミー」と名の付くチューナーは現状いない。
ならばどうするかというと、ヤミーSモンスターの「リンク1を星1チューナーとしてS素材にできる」効果外テキストを利用し、「スナッチ―」をチューナー代わりとして素材に使うことでシンクロ召喚を行うのだ。
昨今のテーマよろしく展開力は高く、また「特殊召喚/S召喚に成功した場合」の効果を全員が有しているのも特徴。
詳しくは後述するがこのテーマは相手ターンでも積極的に動き回る(=特殊召喚しまくる)デッキであり、この誘発効果を相手ターンでも使う前提となっている。



カード一覧

効果モンスター

メインデッキ側のヤミーモンスターは、以下の共通する効果を持つ。
  • 「リンク1もしくはレベル2のSモンスター」が自分フィールドに居る場合、手札から特殊召喚する効果
  • 召喚・特殊召喚した場合に発動する効果(Sモンスターの効果で特殊召喚した場合は別の効果も選べる)

カプシー☆ヤミー
効果モンスター
星1/光属性/獣族/攻 0/守1600
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):リンク1モンスターまたはレベル2のSモンスターが自分フィールドに存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合に発動できる。
デッキから「カプシー☆ヤミー」以外の「ヤミー」カード1枚を手札に加える。
Sモンスターの効果で特殊召喚した場合、代わりに自分は1枚ドローする事もできる。

「カップケーキ」+「プシー(子猫)」のキメラモンスター。

(1)は自己特殊召喚。
「リンク1もしくはレベル2のSモンスター」なのでヤミーでなくても条件を満たし、その意味では柔軟性は広い。
またテーマ内の該当するモンスターにはヤミー達をサーチする手立てもあるため、サーチ後に即座に特殊召喚することもできる。
一方で「一番最初に該当モンスターを用意する」隙を突かれ、
「該当モンスターをフリーチェーンで除去/召喚そのものを無効」にされると展開が止まるという欠点も持つ。
いわゆる「着地狩り」と呼ばれるもので、例えばリンク1を出すために通常召喚した場合は最悪手を打てなくなってしまう
(この辺りは似たような展開効果を持った【スケアクロー】【スプライト】とも共通している)。

(2)はサーチorドロー。
サーチの場合はモンスターだけでなく魔法・罠カードも対象にできる。
基本的にはサーチ効果を使い、更なる展開の足掛かりに用いる。
フィールド魔法及びモンスターカードは他にもサーチ手段があるため、《ヤミー☆サプライズ》をサーチするのが無難。
《ヤミー☆サプライズ》の蘇生効果があれば、前述の「着地狩り」された際も立て直しができる。
ただし相手ターンにSモンスターの効果で特殊召喚する機会も多く、その場合はドロー効果で手札誘発を握るのもよいだろう。

クッキィ☆ヤミー
効果モンスター
星1/光属性/獣族/攻1000/守 0
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):リンク1モンスターまたはレベル2のSモンスターが自分フィールドに存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力を1000ダウンする。
Sモンスターの効果で特殊召喚した場合、代わりに対象のモンスターを破壊する事もできる。

「クッキー」+「キティ(子猫)」のキメラモンスター。

(1)は《カプシー☆ヤミー》と同じ効果なので割愛。

(2)は相手モンスターの弱体化or破壊。
弱体化の場合、下げ幅は1000と大きいもののそれ以上にヤミーモンスターは全体的に攻守値が低いため、不十分なことが多い。
一方破壊効果は確実にアドバンテージを稼げるため、こちらを積極的に使用したい。
「対象を取る破壊」であることやSモンスターの効果という条件からも、相手ターン中で優先的に使うこととなる。


ロリポー☆ヤミー
効果モンスター
星1/光属性/獣族/攻 600/守1200
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):リンク1モンスターまたはレベル2のSモンスターが自分フィールドに存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが召喚・特殊召喚した場合、相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードをデッキに戻す。
Sモンスターの効果で特殊召喚した場合、代わりに対象のカードを除外する事もできる。

「ロリポップ」+「ポー(犬猫の足先)」のキメラモンスター。

(1)は《カプシー☆ヤミー》と同じ効果なので割愛。

(2)は相手墓地カードのデッキ戻しor除外。
1ターンに1度とはいえ相手ターンでも使用する機会が豊富なので、墓地メタとしての質はそこそこ保証されている。
除外とデッキ戻しのどちらを嫌うかは相手次第なので、そこは適切に見極めたい。
「デッキ戻し」が有効な場合、通常召喚するだけで発動できるため展開前の嫌がらせにもなる。


リンクモンスター

ヤミー★スナッチー
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
◀   ▶
リンク・効果モンスター
リンク1/光属性/獣族/攻 600
レベル4以下の獣族・光属性モンスター1体
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚した場合に発動できる。
手札・デッキから「ヤミー」フィールド魔法カード1枚を自分フィールドに表側表示で置く。
このターン、自分はリンク3以上のLモンスターをL召喚できない。
(2):自分・相手のメインフェイズ及び相手バトルフェイズに、100LPを払って発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
「ヤミー」モンスターを含む自分フィールドのモンスターを素材としてS召喚を行う。

クレーンゲームの「アーム」を由来にしたモンスター。お菓子好きの宇宙人・スナッチーの基本形態。
「確保」する際は現実のクレーンゲームと異なり全身でしっかりとホールドしている様子。

概要欄でも触れた通り、ヤミーSモンスターはチューナーの代わりにリンク1を用いるため、このカードがテーマチューナーに位置する。

(1)は「ヤミー」フィールド魔法カードのサーチ。
「手札に加える」ではなく「直接フィールドゾーンに置く」なので《灰流うらら》等で妨害されない。
L召喚だけでなく蘇生や帰還にも対応しており、本デッキの豊富な蘇生効果で何度も使用することになる。
現時点で「ヤミー」フィールド魔法は2種類あるが、役割が明確に分かれているので状況に応じてサーチ先は分けていきたい。
この点、相手ターンで発動しても「直接張り替える」ことで即座に効果を適用できるのも嬉しい。

(2)はフリーチェーンでS召喚を行う効果。
ヤミーSモンスターの「S召喚に成功した」場合に発動する効果を相手ターンで発動、またサクリファイス・エスケープにも使えるため活用の幅は広い。
この効果には回数制限が無く、つまり複数のヤミーSモンスターの効果を発動させる手掛かりにもなる。

総じて本デッキの回転に大きく関わる重要パーツとなっている。

ちなみにこの効果によるS召喚は「ヤミーをS素材として含める」だけの縛りである。
つまり《ヤミー★スナッチー》を必ず素材にする、またヤミーSモンスターを必ずS召喚する必要はない。
特に後述する《ロリポー★ヤミーウェイ》は「ヤミーモンスターを効果を無効にして蘇生」させるので、《ヤミー★スナッチー》を残してS召喚し即座にS素材として処分させたいため役に立つ。


シンクロモンスター

全員が星2のシンクロチューナーとなっている。
また共通して「S召喚した場合」に発動する効果と、相手が効果を発動した時に自己バウンス+蘇生させる効果を持つ。

カプシー★ヤミーウェイ
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星2/光属性/獣族/攻 0/守2200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
このカードをS召喚する場合、自分フィールドのリンク1モンスター1体をレベル1チューナーとして扱う事ができる。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚した場合に発動できる。
デッキから「ヤミー」モンスター2体を手札に加える。
その後、自分の手札を1枚選んで捨てる。
(2):相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、このカードをEXデッキに戻して発動できる。
自分の墓地から「ヤミー」モンスターを2体まで特殊召喚する。

(1)はヤミーモンスターのサーチと手札の墓地送り。
前述の通りヤミーモンスターは自己特殊召喚効果を持つため、サーチして即座に盤面に出すことができる。
そこから更なる展開に発展できるため、言わずもがなの「マストカウンター」になる。

(2)はヤミーSモンスターが共通する分離(逐電+蘇生)。
一見《シンクロキャンセル》と似ているが、蘇生するカードはS素材にしたカードでなくてもよい。
相手が効果を発動した場合と受動的ながらも緩い条件であり、その効果に直接チェーンして発動する形になる。

なおメインデッキ側のヤミーモンスターが持つ「Sモンスターの効果で特殊召喚した場合」の効果は、主にこの効果で満たすことになる。
そのため相手ターンでも発動する機会が多い。

またこの逐電効果はもう一つ大きな意味がある。
それは「フリーチェーンで自身をEXデッキへ退避し、自身をサクリファイス・エスケープさせる」ことができる。
例えばこのカードの(1)効果に対して相手が《エフェクト・ヴェーラー》など「対象にとる妨害」効果を発動した場合。
それにチェーンして(2)効果を発動することでフィールドから離れ、《エフェクト・ヴェーラー》を不発にしたうえで(2)も(1)も適用させることができる。

とにかく「このカードをS召喚するところから始まる」といっても過言ではなく、一にも二にもこのカードのS召喚が第一目標となる。


クッキィ★ヤミーウェイ
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星2/光属性/獣族/攻1600/守 0
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
このカードをS召喚する場合、自分フィールドのリンク1モンスター1体をレベル1チューナーとして扱う事ができる。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚した場合、フィールドの表側表示モンスターを2体まで対象として発動できる。
そのモンスターを裏側守備表示にする。
(2):相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、このカードをEXデッキに戻して発動できる。
自分の墓地から「ヤミー」モンスターを2体まで特殊召喚する。

(1)はモンスターの裏守備化。
《ヤミー★スナッチー》のおかげで相手ターンでもS召喚しやすく、(融合を除いた)各種召喚行為の阻害を初め多面の妨害を担える。
「2体まで」裏守備にさせるため暴発の恐れが無い点も嬉しい。

(2)は《カプシー★ヤミーウェイ》と同じ効果なので割愛。

ちなみにヤミーモンスターでは最高打点を有している。

ロリポー★ヤミーウェイ
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星2/光属性/獣族/攻1200/守1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体
このカードをS召喚する場合、自分フィールドのリンク1モンスター1体をレベル1チューナーとして扱う事ができる。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがS召喚した場合に発動できる。
自分の墓地から「ヤミー」モンスター2体を効果を無効にして特殊召喚する。
(2):相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、このカードをEXデッキに戻して発動できる。
自分の墓地から「ヤミー」モンスターを2体まで特殊召喚する。

(1)はヤミーモンスターの蘇生。
ただし効果を無効にするためメインデッキ側のヤミー及び《ヤミー★スナッチー》の効果を使用できない。
フィールドに維持させる理由はたいして無いため、《ヤミー★スナッチー》や別のSモンスターの素材として早めに処分させたい。
相手ターンで使用した場合、効果が有効な《ヤミー★スナッチー》が居なければ壁にしかならないので、《ヤミー★スナッチー》を残しつつS召喚する工夫が必要。

ちなみに「効果が無効」なのであって「発動自体はできる」という抜け道はある。
これを利用し《ヤミー★スナッチー》を蘇生させた後、(2)をひたすら発動して限り限りまでライフを減らすことができる。
あまり現実的ではないが、《九十九スラッシュ》や《サイコ・エンド・パニッシャー》などの効果に生かすことはできる。

(2)は《カプシー★ヤミーウェイ》と同じ効果なので割愛。



魔法カード

フィールド魔法は《ヤミー★スナッチー》でサーチでき、それ以外も《カプシー☆ヤミー》でサーチできる。

ヤミーズメント☆ミニヨン
フィールド魔法
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「ヤミー」モンスターの攻撃力は、フィールドの獣族・光属性モンスターの数×500アップする。
(2):自分フィールドにリンク1モンスターが存在する場合、自分の墓地のレベル1の「ヤミー」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
(3):このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地・除外状態の「ヤミー」モンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターとこのカードを好きな順番でデッキの下に戻す。

(1)はヤミーモンスターの全体強化。
倍率は500と高く、横に並べれば並べる程上昇値も大きくなる。
ヤミーモンスターは全体的に攻守値が低めなので、戦闘補助として欠かせない効果となる。
なお参照するのは「お互いのフィールドにいる光・獣モンスター」なので、ミラーマッチの場合はお互いに同じ値だけ攻撃力が上がる。
ただしこれは互いのフィールドに《ヤミーズメント☆ミニヨン》があればの話で、片方しか《ヤミーズメント☆ミニヨン》が無い場合は圧倒的な打点差が生じる事にもなる。

(2)はヤミーの蘇生。
条件は「リンク1が居るとき」なので、《ヤミー★スナッチー》のL素材にしたヤミーを蘇生させればS召喚の素材が揃う。

(3)はデッキ戻し。
墓地の自身と、墓地/除外されたヤミーモンスターの合計3枚を戻せるため、デッキリソースの回復量はそこそこ。
サーチやリクルートのアテを賄う他、《ヤミー★スナッチー》の(1)効果で頻繁にフィールド魔法を張り替える手立てにもなる。

後述の《ヤミーズメント★アクロッキー》と比べると「自分のターンで展開、殴る用」のフィールド魔法になる。


ヤミーズメント★アクロッキー
フィールド魔法
このカード名の(1)(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分が獣族・光属性SモンスターをS召喚した場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
(2):自分フィールドの表側表示モンスターが相手の効果でフィールドから離れた場合に発動できる。
デッキから「ヤミー」モンスター1体を特殊召喚する。
(3):このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地・除外状態の「ヤミー」モンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターとこのカードを好きな順番でデッキの下に戻す。

(1)はカードの破壊。
ヤミーSモンスターは相手ターンでも積極的にS召喚でき、また破壊するカードの種類を問わない。
そのため「対象を取る破壊」ではあるが、除去効果として水準に達してはいる。
またヤミーSモンスターの「S召喚した場合」の効果に直接この効果をチェーンさせることで、《灰流うらら》などの「効果を無効にする」効果をチェーンされずに済む利点も持つ。

(2)はヤミーのリクルート。
「相手の効果で除去される」が条件なので、《原始生命態ニビル》などの除去ケアが目的になる。
勿論この効果は相手に見えているため先に《ヤミーズメント★アクロッキー》を潰す手もあり、過信は禁物。

(3)は《ヤミーズメント☆ミニヨン》と同じなので割愛。

前述の《ヤミーズメント☆ミニヨン》と比べると「相手ターンで妨害、除去に備える用」のフィールド魔法になる。
ちなみにカードイラストには宇宙服を着ていない時の姿のスナッチーの姿が確認出来る。


ヤミー☆サプライズ
速攻魔法
(1):以下から1つを選択して発動できる
(このカード名の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度しか選択できない)。
●自分フィールドの獣族・光属性モンスター2体と相手フィールドのカード2枚を対象として発動できる。
そのカードを手札に戻す。
●自分の手札・墓地から「ヤミー」モンスター1体を特殊召喚する。
そのモンスターはこのターン直接攻撃できない。
●自分のフィールド(表側表示)・墓地からフィールド魔法カード1枚を手札に戻す。
その後、手札から「ヤミー」フィールド魔法カード1枚を自分フィールドに表側表示で置く事ができる。

3種類ある効果から1つを選べる速攻魔法。

1つ目はお互いのカードのバウンス。
フリーチェーンで発動できるため除去性能は高いが、必ず2枚ずつを対象にとるため融通が利かない面も持つ。
なおこの効果に対し同じくフリーチェーンの《ヤミー★スナッチー》(2)効果をチェーンして発動した場合、
本来自分の手札に戻るはずのモンスターをS素材として処分できるため相手のみバウンスさせる裏技もある。

2つ目はヤミーの特殊召喚。
主に素材として墓地に送ったヤミーを復活させ。新たにS召喚する手立てとなる。
ただし「召喚権を切らずに展開を開始したい」場合、手札から特殊召喚するのも手ではある。
他には「チェーンを組まずに特殊召喚したモンスターにヤミーSモンスターが戦闘破壊された」場合でも、それを復活させることで牽制を維持できる。

3つ目はフィールド魔法の手札戻しと入れ替え。
ヤミーフィールド魔法は「このカードの発動時の処理として~」効果は無いため、既に場にあるヤミーフィールド魔法をバウンスしてそのまま再発動する利点は薄い。
理想としては《ヤミー★スナッチー》(1)効果で入れ替え墓地へ行ったヤミーフィールド魔法を戻して再発動、となる。
特に速攻魔法である点を活かし、「自分のフィールド魔法を除外から守る」防御札としても使える。

1枚で「妨害/貫通/防御」の役割を持ち、また効果処理時に使う効果を選べるため柔軟性が高い。
同じ効果は1ターンに1度しか発動できないが、違う効果を選ぶなら《ヤミー☆サプライズ》自体は1ターンに複数発動できるので、手札にダブっても困りにくい。


罠カード

ヤミー★リデンプション
永続罠
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの攻撃力は、自分のフィールド・墓地の獣族・光属性モンスターの数×200ダウンする。
(2):自分が獣族・光属性SモンスターをS召喚した場合に発動できる(同一チェーン上では1度まで)。
自分は1枚ドローする。
その後、自分の手札を1枚選んでデッキの一番下に戻す。
(3):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「ヤミー」モンスター1体と相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスター2体のコントロールを入れ替える。

(1)は相手モンスターの全体弱体化。
倍率は《ヤミーズメント☆ミニヨン》よりも低いが、代わりに自分の墓地も参照している。
ある程度デッキが回っていれば1000以上の弱体化にはなる。

(2)は手札交換。
手札枚数は増えないが条件は「ヤミーSモンスターのS召喚」と緩く、手札誘発や次以降のリソース確保には有益。
デッキ戻しの部分も、本テーマのサーチ/リクルート手段で再起させるなどしてうまく活用したい。

(3)はコントロールの入れ替え。
ヤミーは攻守値が低め、かつコントロール転移で居座っても特に効果を発揮しないため送る損失は小さい。
フリーチェーンで行えるので相手の素材を奪うだけでなく、攻撃力の高いモンスターを奪って戦闘ダメージを稼ぐこともできる。

(1)(2)は悪い効果ではないものの、やや影響力に乏しいため、採用する場合は(3)効果を目当てにすることになる。
その場合、自分ターンに《ヤミー☆サプライズ》を差し置いて《カプシー☆ヤミー》でサーチするわけにはいかないため、相手ターン《カプシー☆ヤミー》特殊召喚時にサーチ、
《カプシー★ヤミーウェイ》の(1)効果で《ヤミー★リデンプション》を墓地に置くことで発動準備を整えることになる。


デッキ運用

S召喚の要になる《ヤミー★スナッチー》は「フリーチェーンのS召喚」を、そしてSモンスター側は「相手ターン中の分離」を行う。
この「S召喚」と「分離」を何度も繰り返し、その過程で盤面形成と相手への妨害を行うテーマとなる。
基本的な展開の流れは、以下の通り。
  1. 任意の星1ヤミーを通常召喚
  2. それを素材に《ヤミー★スナッチー》をL召喚、その後(1)効果で《ヤミーズメント☆ミニヨン》をフィールドゾーンに設置
  3. 《ヤミーズメント☆ミニヨン》(2)効果で、手順1で召喚したヤミーを蘇生
  4. 《ヤミー★スナッチー》と手順3で蘇生したヤミーを素材に《カプシー★ヤミーウェイ》をS召喚
  5. 《カプシー★ヤミーウェイ》の効果でヤミー達をサーチ、そのままヤミー達が自力で特殊召喚して展開の始まり

この通り、メインデッキ側のヤミーモンスターを《ヤミー★スナッチー》にすることで展開が開始できる。
そのためメインデッキ側のヤミー全員が1枚初動札となり安定性は高い。

目標盤面としては万能カウンターの《虹光の宣告者》をS召喚しつつ、《クッキィ★ヤミーウェイ》や《クッキィ☆ヤミー》の効果を発動する用意を整えること。

相性の良いカード

リンク1モンスター

メインデッキ側のヤミーモンスターの特殊召喚効果トリガーになる他、ヤミーSモンスターのS素材にもなる。

レベル1と引き換えにEXデッキもしくは墓地から特殊召喚する。
メインデッキ側のヤミーは全員レベル1なので素材/自己蘇生条件を満たしている。
自己蘇生もレベル1のヤミーと入れ替えることで、《リンクリボー》をチューナーとしたS素材の組を成立できる点も高相性。
相手モンスターの攻撃力を0にする効果も、攻守値が低いヤミー達を戦闘から守る手段として損は無い。

  • 転生炎獣アルミラージ
通常召喚した攻撃力1000以下のモンスターを素材にL召喚するテーマ。
メインデッキ側のヤミーは全員該当する他、《クリッター》等のカードでも素材に使える。
《クリッター》の場合、素材として墓地へ送られた場合にヤミーをサーチできるため、展開の足掛かりになる。
ヤミーの自己特殊召喚効果は発動しない効果なので、《クリッター》の効果でサーチしても問題なく使用できる。
また《クリッター》はサーチ先が広いため、ヤミーのサーチが不要であれば手札誘発のサーチに切り替えるなど柔軟性も高い。

  • リンク・スパイダー
通常モンスター1体を素材にするLモンスター。
本テーマには通常モンスターが居ないが、《原始生命態ニビル》を発動された時の保険の1つして働く。
つまり展開途中で《原始生命態ニビル》の効果を受け、自分の場が原始生命態トークンを残して更地になった場合。
ここからでも原始生命態トークンを素材に《リンク・スパイダー》をL召喚、そしてそれを条件に星1ヤミーを特殊召喚しS召喚まで巻き返しができる。

Sモンスター

あくまで「リンク1を星1チューナー扱いにする」のはヤミーSモンスターの特性なので、これらのSモンスターにはリンク1を代用できない点には注意。

  • 武力の軍奏(星3、シンクロチューナー)
星2のヤミーSモンスターと星1のヤミーの組み合わせでS召喚できる。
S召喚した際に墓地からチューナーを効果を無効にして蘇生する効果を持ち、モンスターの頭数を増やすことができる。

  • 虹光の宣告者(星4)
本デッキの最終盤面に出したいSモンスターの1体。
基本的には上述の《武力の軍奏》と星1のヤミーの組み合わせになる。
(2)の万能カウンター効果が目的で、テーマ内では除去に偏っている妨害面の補填になる。
(1)の手札・デッキから墓地へ送るモンスターを除外する効果も一部のデッキには強烈に刺さるため、場合によってはこれを主目的にするのも手。

うきうきメルフィーズ
シンクロ・効果モンスター
星4/地属性/獣族/攻1500/守1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが特殊召喚した場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に戻す。
(2):相手がモンスターを召喚・特殊召喚した場合、
またはこのカードが相手モンスターの攻撃対象に選択された場合に発動できる。
このカードをEXデッキに戻す。
その後、EXデッキから「メルフィー」Xモンスター1体を特殊召喚できる。
《ヤミー★スナッチー》の(2)効果は出すSモンスターに制限が無いため、この《うきうきメルフィーズ》もS召喚できる。
そして相手ターン中にS召喚すれば、(1)効果でバウンスでき妨害として働く。
あと珍しく、「メルフィーのお友達」としてはイラストの雰囲気がかなり近しい。


種族・属性・ステータスサポート

  • ワン・フォー・ワン
手札1枚と引き換えに、デッキからレベル1モンスターを特殊召喚するカード。
メインデッキ側のヤミーモンスターは全員が該当し、当然特殊召喚時の効果も問題なく発動できる。

  • 魔獣の懐柔
自分フィールドにモンスターがいない時、ヤミー三種をデッキから特殊召喚できる。
単純に物量を稼ぐのみならず、通常召喚権を使わない上振れ札として見返りが大きい。
欠点は発動条件の都合で腐りやすいこと、発動ターンは獣族しか特殊召喚できないため、デクレアラーなどのシンクロ召喚にラグが生じること。

その他

以下の流れにより、ヤミーカードを握っていなくとも召喚権を使わない初動展開を実現できる。
《閃刀機-ホーネットビット》を素引きしている場合
  1. 《閃刀機-ホーネットビット》を発動、閃刀姫トークンを特殊召喚
  2. 閃刀姫トークンを素材に《閃刀姫-カガリ》をL召喚、《閃刀機-ホーネットビット》を手札に戻す
  3. 再び《閃刀機-ホーネットビット》を発動、閃刀姫トークンを特殊召喚
  4. 閃刀姫トークンと《閃刀姫-カガリ》を素材に《カプシー★ヤミーウェイ》をS召喚
  5. 《カプシー★ヤミーウェイ》の効果でヤミー達をサーチ、そのままヤミー達が自力で特殊召喚して展開

《閃刀機-ホーネットビット》を素引きしていない場合
  1. 何でもよいので効果モンスター2体を並べる
  2. その2体で《閃刀姫-カメリア》をL召喚、(1)効果で《閃刀機-ホーネットビット》を墓地へ送る
  3. 《閃刀姫-カメリア》を素材に《閃刀姫-カガリ》をL召喚、《閃刀機-ホーネットビット》を手札に戻す
  4. 《閃刀機-ホーネットビット》を発動、閃刀姫トークンを特殊召喚
  5. 閃刀姫トークンと《閃刀姫-カガリ》を素材に《カプシー★ヤミーウェイ》をS召喚、後は同じ流れでヤミー展開
前者の場合は召喚権を使わないため妨害を受けても打たれ強く、後者は効果モンスター2枚からアクセスできるため安定性が高い。
ただしこの場合、墓地にヤミーモンスターが居ない状況で《カプシー★ヤミーウェイ》をS召喚しているため、(2)効果で逐電できず「対象を取る妨害」を受ける欠点がある。

高い汎用性を持つリンク2モンスター。
特に本デッキでは「《ヤミー★スナッチー》の制約下でも出せる妨害用Lモンスター」という貴重な立ち位置が用意されている。

弱点

特殊召喚メタ

展開に展開を重ねるデッキの宿命として、特殊召喚メタにはめっぽう弱い。
特にヤミーモンスターは全体的に攻守値が低いため、効果無効系のカードが隣に控えている場面も想定すれば「通常召喚して効果を発動せず《フォッシル・ダイナ パキケファロ》を殴り倒してから展開」すらできない点も苦しい。
一応、素出しの結界像程度であれば《クッキィ☆ヤミー》で相打ちにできる…が、それも突破口としては心許なさ過ぎる。

なお《増殖するG》などへの相性は悪く無い部類。
メインデッキ側のヤミーはチェーンブロックを作らずに特殊召喚するため、特殊召喚にチェーンして《増殖するG》を発動されずに済む。
また効果を受けた後でも「星1ヤミー+《ヤミー★スナッチー》+《ヤミーズメント★アクロッキー》」だけ展開してターンを渡すことができる。
これにより相手ターン中に《ヤミー★スナッチー》の効果で《ヤミーズメント★アクロッキー》《クッキィ★ヤミーウェイ》をS召喚して妨害ができる。
またその上で相手が蠢く場合は《クッキィ★ヤミーウェイ》を分離させて《ヤミー★スナッチー》を復活させることで、こちらもモリモリ展開ができる。

打点不足

ヤミーモンスターは全員攻守値が低く、戦闘破壊やダメージ稼ぎが得意ではない。
《ヤミーズメント☆ミニヨン》があれば全員の打点を底上げできるものの、逆に言えば戦闘面は《ヤミーズメント☆ミニヨン》1枚に大きく依存している。
保険として高打点のモンスターを別途採用したい所だが、ヤミーモンスターはレベルが低いため高レベルSモンスターの採用はテーマ外カードが必須。
また《ヤミー★スナッチー》の制約があるため、デッキを気にせず採用できる脳筋ドラゴンを初め高リンクモンスターを採用できない点も選択肢を狭めている。


相手の「チェーンブロックを作らない/組ませない」効果

ヤミーSモンスターの(2)効果は「相手のカード発動」に直接チェーンすることで発動し、様々な妨害や展開に発展させる効果になる。
そのため《禁じられた一滴》《超融合》などの「このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。」効果を発動された場合は当然発動できず、無効化や除去を術無く喰らってしまう。
Sモンスターだけでなく《ヤミー★スナッチー》の(2)効果も発動できない場合は、自分モンスターをS素材としてフリーチェーンで逃がすこともできなくなる。

またこれと地続きの欠点として、「チェーンブロックを作らないモンスターに戦闘破壊」されるケースがある。
相手にターンを渡した直後はヤミーモンスターの数は多くないため、《ヤミーズメント☆ミニヨン》の強化も十分ではない場合も無くはない。
一例として《獣王アルファ》を特殊召喚し、ヤミーSモンスターを戦闘破壊することで効果を封じメインフェイズ2で展開されるという事態。
あくまでヤミーSモンスターは「相手のカードの発動にチェーンして効果を連鎖」させるので、そもそもチェーンブロックを作らずに展開する相手には少々分が悪い。
また《クシャトリラ・ユニコーン》もチェーンを組まずに出せる2500打点なので戦闘破壊があり得、また下手にSモンスターがEXデッキに逐電しようものならその効果にチェーンして《クシャトリラ・ユニコーン》の(3)効果を発動し、逃げた先のEXから裏側除外されてしまう。


墓地メタ

ヤミーSモンスターを初め、本デッキは豊富な墓地蘇生効果を持って互いのターンに展開と妨害を行う。
そのため《ディメンション・アトラクター》を始めとした「墓地にカードを残させない」墓地メタが強く刺さる。
何とかヤミーSモンスターを出して最低限の展開をしようにも、墓地にヤミーが居ない場合はヤミーSモンスターの(2)逐電効果が「空打ち」となって発動できないため、途端に妨害貫通力が落ちてしまうのも影響している。


デッキ全体のレアリティが高い

一つ前のデッキビルドパックでも色々と物議を醸していたのだが、ヤミー関連のカードは光り物がとても多い。
複数投入が基本の下級ヤミー全ておよび《ヤミー☆サプライズ》がスーパーレア、《ヤミー★スナッチー》はウルトラレアと、これでもかというほどにピカピカ輝いている。
なのでパック購入で組む際にはレアの偏りなども考えて、相応の投資が必要になるかもしれない。



追記・修正は、逃げ回るお菓子をうまく掴めた人がお願いします。


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最終更新:2025年04月12日 09:15

*1 「あいつうまそう」「おかしがほしい」というセリフなどが設定画にあるため、恐らくはヤミーのガワであるお菓子を食べるためだろう。また、猫のような姿だが、設定画によるとこれはヤミー達に合わせた擬態であり、本来はゼリーのような塊のスライム型の姿をしている。