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工業高校

登録日:2025/05/06 Tue 09:59:33
更新日:2026/08/16 Sun 16:38:37
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工業高校(こうぎょうこうこう)とは、日本の高校の種類の一つである。
正式には工業高等学校という。

ここでは工業高校以外の実業高校についても軽く解説する。



概要

そもそも高校の学科は実質的には中学校の延長である主に英語や数学などの一般教科を幅広く学ぶ「普通科」(普通高校)と、一般教科と職業教育をバランス良く学ぶ「総合学科」(総合高校)だけでなく、特定の教科について専門的に学ぶ専門高校(理数科、英語科、音楽科、美術科、体育科など)、そして特定の職業分野について専門的に学ぶ実業高校(職業高校)がある。

実業高校には工業高校商業高校農業高校水産高校(海洋高校)家政高校などの種類があるが、工業高校では主にものづくりについて勉強するのが特徴である。

地域や公立・私立の違いはあるものの、一般論で言えば入学試験の難易度は普通科よりは簡単なところが多く、工業高校は偏差値40〜45くらいのところが多い*1。また、名門と呼ばれる工業高校でも偏差値50〜55くらいであるのが普通である。
特に近年では「大学進学率の上昇」や「私立高校の無償化」などの影響により、昔ならば公立の工業高校に行っていたような層が私立高校の普通科に流れてしまったため人気が低迷している…*2
ただし地域によっても事情が異なり、例えば学歴社会で大学進学率が高い首都圏では工業高校(を含む実業高校)はあまり人気が無く、逆に東北地方*3のように大学進学率が低い地域では下手な普通科より偏差値が高い工業高校も少なくない。
※ちなみに、普通科で自称進学校と呼ばれるところは偏差値55〜65程度、進学校と呼ばれるところは偏差値65以上のところが多い。また、高等専門学校(高専)は自称進学校と同じくらいの偏差値のところが多い。

例外として、東京科学大学附属科学技術高校*4は工業高校としては唯一偏差値70を誇り、進学校並みにハイレベルな工業高校となっている。

比較的簡単に入学できる学校が多いものの、工業高校では専門教科や実習はそれなりに難しいものもあるので、「偏差値が低いから」「一般教科を勉強したくないから」などという消極的な理由で入るのはオススメできないとされる。
中学生の時点で既に「ものつくりの仕事に就きたい」などの明確な目標を持っているとかでない限りは、普通科または総合学科に行った方が良いと言われることも多い。


工業高校のメリット

資格取得に強い

工業高校は国家資格を含めた各種資格の取得に力を入れているところが多い。具体的に言えば、以下のような資格が取れたりする。
  • 電気科:第二種電気工事士など。優秀な生徒は第一種電気工事士第三種電気主任技術者(電験3種)を目指す場合もある。
  • 電子科:工事担任者無線従事者ITパスポートなど。優秀な生徒は基本情報技術者などを目指す場合もある。
  • 土木科:測量士補2級土木施工管理技士、建設業経理検定*5など。また、工業高校の土木科を卒業後に1級土木施工管理技士や二級建築士などを目指す人もいる。
  • 化学科:危険物取扱者乙4、丙種など)、二級ボイラー技士、毒物劇物取扱責任者など。優秀な生徒は危険物取扱者甲種を目指す場合もある。
  • 自動車科:三級自動車整備士。ただし、二級整備士資格が欲しい場合は卒業後に整備工場等に就職するか、自動車系の専門学校に通う必要がある。

実習の授業がある

工業高校には(普通科と違って)実習の授業があるので、就職してから即戦力になるという長所がある。
例えば電気工事士の資格を取るだけなら普通科出身者でもちゃんと勉強すれば可能だが、工業高校は実習の授業もあるので「単に資格を取っただけの人」よりも高評価になることも多い。

ただし、実習は正当な理由がなく欠席する*6とそれだけで単位を落とす原因にもなるし、レポートの提出も必須である。
そして危険な作業も少なくないので、ふざけていると最悪命を落としたり失明などの重大な後遺症が残る可能性もあるので注意すること。
まあそこに至る前に怒号が飛んだり*7羽交い絞めで制圧されたりで事故にまで発展するのは稀だろうが。昔はぶん殴られるなんてこともあったが現代じゃまずない…ハズ。それはそれで物理的にも社会的にも危険だし。


礼儀正しい人間が多い

工業高校と言えばどうしてもヤンキーが多い治安があまり良くないイメージを持っている人も中にはいるかもしれないが、実際の工業高校はマナー教育が徹底しているので、意外と礼儀正しい生徒・卒業生が多いのが特徴である。
というのも工業高校は(普通科と比べると)高校卒業後に就職する人が多いので、社会人になってから困らないように指導が充実しているのである。
よく「工業高校は(普通科に比べて)就職に強い」と言われるが、これは「資格が取れるから」「技能が身につくから」ではなく、むしろ「上下関係や礼儀(マナー)について厳しく指導されるから」というのが最大の理由であるとも言われている。そもそも工業高校で取れる資格は、必ずしも「工業高校に行かなければ取れない」というわけではないし、基礎学力も普通科(特に進学校)や高専ほど高くはないので…*8
オタクとヤンキーの仲が良いなんて言われることもしばしばある。

ただし、逆に言えば「(普通科と比べて)校則が厳しい」とも言えるので注意すること。
また、工業高校は流石に陸上自衛隊高等工科学校や男塾ほどではないが体育会系の要素が強い組織なので、上下関係が厳しく怖い教師・先輩が多い傾向もある。


就職に強い

今の日本は(流石に欧米や韓国ほど極端ではないものの)「大卒>短大・高専卒≧専門卒>高卒>中卒」というように学歴が高いほど就職に有利になるという学歴社会のシステムが採用されている。なので普通科だと高卒だとあまり良い就職先が無いが、工業高校は地元企業や3大都市圏の企業など求人(推薦枠)を出してくれているため、(高卒にしては)良いところに就職しやすいという特長がある。
なので工業高校の上位1〜2割くらい(名門校であればもっとか)の卒業生は下手な大卒よりも稼げる可能性もあるのである。
そのため、「偏差値が低めの普通科に行くくらいなら、工業高校に行った方が良い」*9と言われることも多い。これが正しいかどうかは別として*10…。

ただし、良いところの推薦枠は、どうしても「成績優秀」「やむを得ない理由*11以外での欠席・遅刻をしていない」「部活動で活躍している」「手先が器用で実習の評価が高い」など学校や先生に気に入られた人が優先されやすいので注意すること。
また、工業高校に行っても「成績が悪い」「欠席・遅刻が多い」「普段の態度が悪い」などの理由で学校に気に入られなかった場合、ブラック企業に就職したり、そもそも正社員にすらなれずフリーターや無職になってしまう可能性もゼロではない…。


大学にも行ける

工業高校というと「高卒で就職する人が多い」というイメージが強いだろうが、正規の高校である*12ため希望次第では大学進学も可能である。
実は工業高校にも国公立大学や有名私立大学、地元私立大学などの工学部推薦枠があるのである。なので勉強を頑張れば大学に行ける可能性もある。

ただし、工業高校は英語数学などの一般教科の授業は(普通科と比べて)充実していないことが多く*13、推薦枠が取れなければFランク大学にすら行けない可能性がある。その意味では進学校はおろか、偏差値が低めの普通科よりも不利なので注意すること。
一応、専門学校や通信制の大学であれば学力検査(入学試験)が無い場合がほとんどなので工業高校などからでも進学できるが…。
また、工業高校では数学や物理などをあまり勉強しないため、大学入学後に苦労する人も少なくない…。


工業高校のデメリット

工業高校には以下のようなデメリットもある。
  • (就職、進学問わず)良いところの推薦枠が取れなければその後の人生が辛くなりがち…。
    • また優良企業や大企業、公務員であっても、大卒や短大卒、専門卒の人たちとの待遇の差はある
  • 学校によって(就職、進学ともに実績に)差がある。
    • 例えば戦前からある名門の工業高校や工業が強い地域(愛知県三重県など)の工業高校であれば優良企業の推薦枠が豊富にあるが、戦後にできた新興の工業高校の場合、良い就職先がほとんど無い場合もある*14
  • 手先が不器用だったり、そもそもその学科の専門分野に興味が無かったりすると実習等で地獄を見ることも…。
  • 校則が厳しい。また、体育会系組織であることが多く、上下関係も厳しい。
  • 学科にもよるが女子が少ない(情報系・化学系・建築系はそうでもないが)。実質男子校になっているところもある。
  • 部活動に入っていないとスクールカースト下位になりがち…。
    • ただし、最近はオタク系の生徒も増えているので必ずしもそうとも言えなくなりつつある…とも言われている。
  • 今は工業高校から専門学校や職業訓練施設に行く人や、そもそもものづくりに関係ないところ(郵便局など)に就職する人も増えているので、普通科と比べた時の強み(就職に強い)があまり無くなりつつある。
    • さらに、カリキュラム的に大学進学は(進学校はおろか)偏差値が低めの普通科と比較しても不利である。
  • 高卒で就職する場合でも、公務員に限ればむしろ普通科や総合学科の方が有利である。
    • というのも公務員試験には数学英語地歴公民の問題もあるため、学生時代の基礎学力が重要になるから。
  • そもそも工業高校で取れる資格の多く(危険物取扱者など)は、制度上普通科でも取れる。何なら大学入学後や就職してから取る人も少なくない。
    • 例えば医療系国家資格(看護師など)や美容師・理容師、自動車整備士(二級)、調理師などは専門学校以上に進学しなければ取れない*15が、危険物取扱者や電気工事士などは(制度上は)中学生でも試験を受験することができる
      • ただし(筆記試験だけの危険物取扱者はともかく)電気工事士は実技試験があるので、実習の授業がある工業高校に通った方が有利、というのはある。
  • 企業の推薦枠があるおかげで新卒での就職にはまあまあ強いが、転職の際には工業高校卒だからといって必ずしも有利になるとは限らない
    • 例えばその人に「立派な資格や技術がある」とか「企業とのコネがある」とかならともかく、学歴としては所詮高卒なので「4大卒以上」「短大卒(専門卒)以上」などの条件がある企業や職種には応募できない
  • (普通科と比較して)中退率が高い。校則の厳しさや体育会系な雰囲気、そしてカリキュラムが合わなかったことなどを理由として退学する人もいる。
    • ちなみに工業高校中退者の多くはその後、定時制や通信制の高校(普通科など)に入学し直すことがほとんどである*16
  • (学校にもよるが)部活動への加入が強制されているところもある。
    • 普通科でも部活動が強制の高校はあるが、工業高校は「上下関係が身につく」とか「根性が養われる」などの理由で部活動が強制になっている学校が(普通科と比較して)多い傾向があるとされる。
      • また、強制ではなくても部活動への加入が強く推奨されている工業高校もある。

Fランク大学や専門学校との比較

時々「Fランク大学(所謂、偏差値が低い大学)や専門学校に行くくらいなら、工業高校の方がマシ」という意見を聞くことがある。
確かに100%間違っているとも言い切れず、勉強はあまり好きではないが礼儀正しく手先が器用で体力にも自信がある人であれば、良い企業の推薦枠が取れるので下手な大卒よりも待遇が良い可能性もある。そして学費も大学や専門学校より圧倒的に安いので、コスパも良いと言えるだろう。

だが、100%正しいとも言い切れない
何故ならば、工業高校卒だと「大卒または専門卒以上の求人」には応募できないし、そもそも推薦枠が取れなければ良いところに就職するのは難しいからである。
また、工業高校からは(一流企業であっても)事務職や営業職などといった職種に応募するのは難しく、どうしても肉体労働が中心となってしまうことが多いのである。そして体育会系で上下関係が厳しい職場も多いため、(適性があれば良いが)合わない人には本当に合わないのである。
そして、そもそも工業高校で取れる資格のほとんどは就職してから取ることも十分可能であるため、一旦普通科の高校に進学してから大学なり専門学校なりに行って、就職してから資格を取っても良いのである。

逆にFランク大学であっても卒業すれば4大卒の学歴は手に入るし、大卒以上の求人に応募することもできる。
そして一部の国家資格は大卒以上じゃないと取れないものもある(特に医療系、法律系に多い)。

専門学校も文部科学省に認可された学校であれば短期大学(短大)とほぼ同等の学歴が手に入るし、学科によっては高卒では取れない国家資格も取れたりするのである。

その他の特徴

部活動が強い

工業高校は部活動が強い高校が多いとされる。運動部は特に野球部、柔道部、ラグビー部が強いことが多い。また、文化部にものづくり系の部活動があるのも工業高校の特長だろう。
これは公立高校の場合、普通科や総合学科は学区制度があるので越境入学がしにくいが、工業高校や商業高校などは(同一都道府県内の受験生であれば)学区制度が無いところも多いので県内全域から優秀な生徒を集めやすいからって理由もある。また、県外でも隣接する都道府県に限り越境入学を認めている場合がある。

また工業高校の卒業生の就職先はどうしても体力勝負だったり職場の雰囲気が体育会系で上下関係が厳しいところが多かったりするので、就職についても運動部で頑張った人が優先されやすいという事情もある。

ただし近年は特待生制度が充実している私立高校も増えているため、「公立の工業高校(に限らず実業系全般)は昔ほど部活動が強いわけではない」という厳しい指摘もあったりする…*17

公立高校が多い

工業高校は公立高校が圧倒的に多く、私立高校が少ないという特徴もある。
作新学院高校(栃木県宇都宮市)のように実業系の学科が充実している大規模私立高校も中にはあるが、特に小規模な私立高校の場合は大学進学に力を入れていることが多く実業系の学科を作りたがらない傾向がある。

ただし私立の工業高校の場合、自動車科(三級自動車整備士資格が取れる)や鉄道科航空科などの変わった学科が置かれていることもある*18
また、公立の場合は工業高校であっても学費は安い(公立の普通科より若干高い程度)が、私立の工業高校は私立普通科に比べても明らかに学費が高額になりがちなので注意が必要である。

他の学科と併設されている工業高校もある

これは他の実業高校にも言えることだが、最近では人気が低迷しているので他の実業系の学科(商業科、農業系、福祉科など)に併設されたり、普通科や総合学科に転換される工業高校もある。
ちなみに、商業高校や農業高校でも普通科に併設されているところが増えている。

工業高校生の経済状況

工業高校は(普通科と比べて)高卒での就職に強いという長所があるため、どうしても経済的に貧しい家庭の生徒が集まりやすいという特徴がある。
また、児童養護施設(孤児院)里親家庭のように大学や専門学校に行くのが難しい環境で育った生徒も比較的多いとされる*19

今の日本は先進国にしては奨学金制度が貧弱であり欧米ほど手厚くない*20ことから、家が貧しくて大学や専門学校(特に私立学校)に行けないという子供が少なくない。
そのため、ごく稀に進学校(偏差値60以上の普通科)に行けそうな学力の生徒でも工業高校に入学してくるケースがある。
また、地域によっては高等専門学校(高専)が地元に存在しないケースもあるため、そういう場合も工業高校に進学校レベルの生徒が在籍している場合がある。

あと、工業高校はアルバイトを認めている学校も多いという特徴もある。
普通科の場合、(勉強に支障をきたす可能性があるため)アルバイトを禁止している学校も多いが、工業高校は早く社会に出る生徒が多いためアルバイトを認めている学校が多い。

その他の実業高校

ここでは工業高校以外の実業高校について軽く解説する。

ちなみに共通している点としては、
  • 普通科よりも偏差値が低いところが多い。(名門商業高校や名門家政科などを一部を除く)
  • 工業高校と同様に実習がある。そして商業科以外はふざけていると命を落としたり、失明などの重大な後遺症が残る可能性があるので注意しよう。
  • (一部の名門商業高校を除き)大学進学は普通科に比べて不利な傾向がある。推薦枠が取れなければ大学に行くのは難しい。
  • 普通科に比べて高卒で就職する人の割合が高い。
  • (学校にもよるが)校則が厳しいところが多い。
などがあげられる。

商業高校(商業科)

主に簿記経済ビジネスについて学ぶ学校。最近ではパソコンについて学ぶ学校も多い。
こちらはどちらかと言えば女子が多めである。

取得できる資格は全商*21の簿記実務検定(全商簿記)や情報処理検定、日商簿記3級ITパスポートFP技能士などがある。
名門の商業高校(偏差値50以上)や優秀な生徒の場合、日商簿記2級*22基本情報技術者試験*23などの難関資格を目指すことも多い。
プログラミングなどを教えている学校もあるが、事務処理向けのプログラミングが主であり、IT系企業やゲーム会社に就職するのは難しいかもしれない。

工業高校と比べて大学進学に力を入れている学校も多い(流石に普通科ほどではないが)*24が、逆に言えば就職は(工業高校と比較すると)やや弱め悪く言えば、どちらも中途半端かもしれない…。
ちなみに昔は成績優秀者であれば銀行に就職することもできたらしい(今は大手銀行・地方銀行問わずほぼ全ての銀行が大卒以上しか採用しなくなっており、仮に高卒で入社できたとしても通信制大学への通学が条件になっていたりする)。

農業高校

主に農業生物食品などについて学ぶ。
学科によっては商業科と同様に簿記を勉強したりもする(農業経済科など)。
取れる資格としては危険物取扱者(乙4)測量士補ボイラー技士造園技能士、運転系の免許(フォークリフトなど)、日商簿記3級、農業簿記検定などがあげられる。

就職先としては農業協同組合(農協、JA)食品メーカー農家酪農家公務員などがあげられる。

市街地から遠い場所にある学校が多く(工業高校や商業高校などと比べて)立地があまり良くない場合が多いが、その代わり農場(実習施設)があるなど敷地が広いのが特徴である。

水産高校(海洋高校)

主に海洋学水産学について学ぶ。
高校によっては船舶通信の勉強をしたり、海技士資格(船員の国家資格)が取れたりする。

学校数は少なく、ほとんどは海沿いの港町にある。
一部の都道府県には水産高校(海洋高校)が存在しない。その代わり、越境入学を認めている学校も多い。
ちなみに内陸県(海なし県)である群馬県*25栃木県*26にも水産高校があり淡水魚について学ぶことができる。

現役高校生の段階でシーフード加工品などの商品開発に携わることがあり、大相撲関取の欧勝海が高校時代に水産高校所属の相撲部員の立場で開発に携わっていた例が話題となったこともある。

家政高校

家政科(家庭科)を置いている高校。

昔は主に女子校に置かれていたという歴史的背景から、普通科進学校に併設されているところも多い。そのため実業高校とは思えないほど偏差値が高いところも少なくない。
昔は女子校がほとんどだったが、今は男子生徒を受け入れる共学の家政科も増えている。それでも男子は少ない。…ので入学したらハーレム状態なんてことも(モテるとは言ってない)。

主な就職先としては保育や栄養、服飾などの知識を生かせるところ*27があげられるが、実業系の学科にしては大学進学率が高い傾向があるので高卒就職者は少ない
また、そもそも保育士や栄養士などは(一応、就職後の実務経験があれば試験を受けることもできるが…)原則として高卒だと資格が取れず、大学や専門学校などに進学する必要がある。

造船高校(造船科)

造船科を置いている高校。
昔は海洋立国という事もあり、船舶を作る技術者を育成する為に設立された。
ボイラーや溶接、船体工学などを学び、実際に船舶を作るなどして造船技師としての過程を学び、造船会社に就職するのが主な流れだった。
昔は造船も花形産業だったが、現代では斜陽産業となり、造船高校はおろか造船科を含めて10校あるかないかの状況になっている。

林業高校

林業に従事する技術者を育成するために設立された。
戦前は山林学校と称していた。
樹木の伐採、生産、再生産、製品の加工など幅広いが、1980年代から輸入木材に押されて衰退気味である。

工業高校と似たような学校

高校ではないが工業高校と似たような学校としては以下のものがある。

高等専門学校(高専)

※詳細は高等専門学校(高専)を参照。

ものづくりに関してさらに深く学べる学校。一般的な高校(3年制)と異なり高専は5年制で、「高校+短期大学」という感じである。
卒業できれば高専卒となり、短大卒とほぼ同等の学歴も手に入る。卒業できれば…、の話だが。
就職は工業高校よりも遥かに強く、頑張れば国立大学の3年次(3年生)への編入も狙える。

工業高校と異なり難関校が多く、下手な自称進学校よりずっと難しい高専もある*28

ただし、数学や物理の授業は工業高校はおろか進学校よりもハイレベルなことをやるので生半可な気持ちで入学するのは禁物である。一方で国語や地歴公民、英語は自称進学校よりも内容が薄かったりする。
また、高校は(工業高校を含めて)成績が悪くても余程のこと*29がない限り留年することはほぼ無いが、高専は(大学や一部の専門学校*30と同様に)舐めていると平気で留年させられるので気をつけよう。

その他、工業高校との違いとしては、
  • 高専は国立学校が多い。
    • そのため学区制度というものが存在せず、(国立大学と同様に)遠くの都道府県にある高専に入学することも制度上可能である。
  • (工業高校とは対照的に)校則・校風が比較的緩い。ただし、その分自主的に努力しなければならない。また、学生個人の責任が重いのも高専の特徴である。
  • (大学と同様に)夏休みなどの長期休暇が長い。
  • がある学校が多い。
などがあげられる。

陸上自衛隊高等工科学校

防衛大学校防衛医科大学校などと同じ自衛隊附属の学校。通称、自衛隊高校
一般的な高校の内容に加えて電気機械工学や情報工学、軍事学などについて学ぶことができ、卒業後は高卒資格も手に入る。
学費は無料…それどころか在学中は公務員扱いになるので給料も支給される。

ただし、一般的な工業高校とは比較にならないくらい校風・校則が厳しいので要注意。
例えば正確には高校生ではなく社会人扱いになるので、正当な理由が無い遅刻や欠席(欠勤)は厳禁である。
また、生徒は指定された部活動*31に加入しなければならず、軍事教練(訓練)も必修である。ぶっちゃけ工業高校の実習が天国に見えるレベルである。全寮制の共同生活でもあるので、一人遊びが好きな人には全くオススメできない

卒業後は原則として自衛隊への入隊が必須となる。一応任官辞退(任官拒否)も全く不可能なわけではないが、その場合でも工業高校などと異なり就職先の紹介などはしてくれないので要注意。

日野工業高等学園

日野自動車株式会社が運営する企業内訓練校。
日野自動車が運営する工業高校と思えば間違いない。
通称、日野学園。
入学資格は15歳で中学卒業見込みの者。入学と同時に日野自動車の社員(訓練生)になり、給与が支給される*32
機械加工科(機械)、塑性加工科(板金)、自動車製造科(自動車)、製造設備科(電気)の4つの科がある。
在学期間は3年、1年目は高校の普通科目を勉強、2年目に各科に配属され専門科目を勉強しながら、専門技術を実習する。3年目は専門科目、専門技術を学びながら、国家資格取得を目指す。
部活動は全員必須。
卒業後、日野自動車に技能職の新入社員として配属される。
18歳にして3年目の高卒社員と同等の立ち位置である。

トヨタ工業学園

トヨタ自動車が運営する企業内訓練校。
トヨタ自動車が運営する(ry
概要は上述の日野学園と変わらないが違いは通信制の高校と提携している為、3年後に高卒の資格を取得している。
更にもう1年間、専門部に進学してトヨタ自動車のカーエレクトロニクスやメカトロニクスなど、先端技術に対応できる専門家として教育を受ける。
卒業後は、トヨタの正社員として、工場の設備保全部門、生産設備を製作する部門、車両や電子部品の試作・評価部門などに配属になる。

日立工業専修学校

(株)日立製作所の運営する(ry

デンソー工業学園

株式会社デンソーの運営する(ry


フィクションの実業高校

架空の世界の実業高校として有名なところは、以下のものがある。
ただし、実在する高校がモデルとなっているケースも少なくない。

架空の工業高校

  • 山王工業高校スラムダンク):バスケットボールの強豪校。ただし100%架空というわけではなく、秋田県にあるバスケ強豪校・秋田県立能代工業高等学校(現:秋田県立能代科学技術高等学校)がモチーフとなっている。
  • 埼玉県立浅沼工業高校(工業哀歌バレーボーイズ):本編では偏差値30台で「バカの巣窟」という設定になっている。
  • 須見工業高校(タッチ):本編では上杉達也のライバル・新田明男が所属する東東京にある野球の強豪校。続編のMIXでは工業科が廃止され、健丈高校と名前を改めて登場する。
  • 三方ヶ原工業高校(帯をギュッとね!):本編では主人公・粉川巧のライバル・藤田恵が所属する静岡県にある柔道の全国大会常連校。
  • 銚子工業高校(名門!第三野球部)∶本編では主人公・檜あすなろのライバル・桑本聡が所属する千葉県にある野球の強豪校。銚子商業がモデル。
  • 只野工業高校(只野工業高校の日常):秋田県にある工業高校。機械科・自動車科・電気科・設備科の4学科があり、女子生徒も僅かながら在籍。自動車科は「10割ヤンキー」と言われるほど。ただし、基本的には真面目な生徒だらけで停学までするようなのはごく一部に限られている。
  • フロンティア総合学園(機動戦士ガンダムF91):スペースコロニー・「フロンティアIV」に存在する学園の中に工業学科があり、そこの在学生が主人公・シーブック・アノー

架空の実業高校(工業高校を除く)

  • アスティカシア高等専門学園(機動戦士ガンダム 水星の魔女):本編で主人公が在学する、宇宙に位置するベネリットグループが運営する企業内訓練校。座学メインの経営戦略科、整備技術メインのメカニック科、操縦訓練メインのパイロット科が存在する。
  • 岬商業高校(柔道部物語):新潟県立新潟商業高等学校がモデル。漫画家・小林まことの母校でもある。
  • 大蝦夷農業高校(銀の匙 Silver Spoon):北海道帯広農業高等学校がモデル。
  • 三本木農業高校:青森県に実在する高校ではあるが、ここの馬術部を舞台とした実写映画が存在する。ちなみに現在は「三本木農業恵拓高校」という名前に変わっている。
  • 田茂農業高等学校(のうりん):岐阜県立加茂農林高等学校がモデル。
  • 大洗女子学園(ガールズ&パンツァー):茨城県にある架空の女子校。海洋高校だと思われがちだが普通科、商業科、農業科、家政科もある。
  • 横須賀女子海洋学校(ハイスクール・フリート):神奈川県にある架空の海洋高校。
  • 斗南農林高校(4P田中くん):青森県にある架空の農業高校。本編で主人公・田中球児が在籍する野球強豪校に進学予定だったが人物、田中球児が在籍する。監督の悪筆が原因で入学通知書が隣町の主人公に届き、もう一人の田中は入学が出来なくなる。その後、両親は離婚し、母方に引き取られ巽球児として斗南農林を甲子園に導き、田中球児と対戦する。


追記、修正は普通科以外の高校(工業高校など)に通っていた人にお願いいたします。

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最終更新:2026年08月16日 16:38

*1 地域によっては地元(学区内)で一番低い普通科(公立、全日制)よりも、さらに偏差値が低い工業高校や農業高校なども存在する。

*2 昔は「偏差値が低くても良いからどうしても公立高校に行きたい」という層が公立の工業高校に行くことが多かったが、今は普通科を含む私立高校に行きやすくなったため公立の工業高校(などの実業系)の人気が低迷していると言われている。

*3 東北地方は高卒で就職する人が多く、政令指定都市の仙台市を有する宮城県ですら、大学進学率は首都圏よりだいぶ低いのである。

*4 2024年9月までは「東京工業大学附属科学技術高校」と呼ばれていた。

*5 建設業界に特化した簿記検定で、日商簿記や全経簿記などの一般的な簿記検定とは異なる。

*6 勿論、身内が亡くなったとか体調が悪い時(特にインフルエンザノロウイルスなどの感染症に罹っている場合)は無理せず休むこと。ただし理由をきちんと申告すること。

*7 見せしめ的な部分も無くはないが、機械の騒音下でも聞こえるようにするためであったり、大きな声でビビらせて動きを止めたりするなどの合理的な理由もある。

*8 例えば危険物取扱者などは工業高校や農業高校だけでなく、普通科の高校の出身者でも持っている人が珍しくない。

*9 普通科でも偏差値50未満のところは大学進学率が低く、専門学校への進学者や高卒就職者が多い。また、普通科の場合、高卒向けの就職先に優良企業は少ない。

*10 例えば田舎の過疎地域の場合、地元に進学校が存在せず普通科は偏差値が低いところしか無いというケースもある。それでも地元の普通科に選抜クラスがある場合もあり、ちゃんと勉強すれば進学校じゃない普通科からでも国公立大学や難関私立大学に合格できる可能性がある。

*11 例:「インフルエンザなどの感染症」「身内が亡くなった」「電車やバスなどの公共交通機関の遅延」など。

*12 工業高校などの実業系高校にも(普通科に比べて少ないとは言え)英語や数学などの一般教科の授業があるのはこれが理由である。単なる職業訓練施設との大きな違いである。

*13 たとえば英語の場合、授業だけ(予備校・学習塾、通信教材などの存在は考慮しない)では英検2級に合格するのはほぼ不可能で、英検準2級に合格できれば良い方である。ただし、帰国子女や外国人労働者(移民)の子供などの場合はこの限りではない。

*14 就職実績の悪い工業高校は、実際にあまり人気がなく偏差値が40程度(下手すると30台)のところも少なくない。

*15 ただし自動車整備士と調理師は実務経験を積めば高卒でも国家試験を受験することができるようになる他、調理師も一部の調理科がある高校なら卒業と同時に資格を取ることが可能性である。

*16 現代日本は中卒に対してきわめて厳しい社会である。最終学歴が中学校卒業のままではブラック企業にすら受け入れられなかったり、そもそもフリーターで働くことすら難しくなってしまう…。

*17 例えば大谷翔平さん(岩手県出身のプロ野球選手)は工業高校ではなく、私立の花巻東高校(普通科)出身である。

*18 ただし、鉄道科がある高校は今は東京都にしか無い。

*19 原則として児童養護施設や里親家庭などは18歳になったら出ていかなければならないため、奨学金を借りたとしてもアルバイトをして自力で学費と生活費を稼がなければならない。そのため大学に行く人よりも高卒で働く人の方が圧倒的に多い。

*20 ただし欧米は日本以上の超学歴社会であり、学歴によってほぼ身分(階級)が決まってしまう厳しい社会ではあるが。

*21 全国商業高等学校協会という公益財団法人のことである。

*22 合格難易度は全商簿記1級よりやや高い。

*23 合格難易度は全商の情報処理検定1級より高い。

*24 地域・学校にもよるが、偏差値も工業高校や農業高校よりは高い場合が多い。

*25 群馬県立万場高等学校。ただしここは厳密には普通科であり、その中に水産コースがあるという感じだが。

*26 栃木県立馬頭高等学校。ちなみに普通科も併設されている。

*27 給食センター、児童福祉施設(保育園など)、ファッション業界(アパレル等)など。

*28 特に明石工業高等専門学校(兵庫県)、徳山工業高等専門学校(山口県)、久留米工業高等専門学校(福岡県)は偏差値70近くもあり、東京大学への編入者もいるほど。

*29 例:出席日数が足りない、重大な素行不良があるなど

*30 ちなみに看護師、栄養士、自動車整備士、美容師、調理師などの特殊な国家資格が取れる専門学校は留年・中退率が高いと言われている。これは国家試験の合格率が学校評価を大きく左右するからである。

*31 ほとんどが運動部だが、ドリルチーム部、吹奏楽部、和太鼓部、サイバーコンピュータ部のような(ハードな)文化部も存在する。

*32 社会保険料、所得税、入学時に必要な制服代や教科書代、積立金(修学旅行、自動車運転免許など)、日々の昼食代(社員食堂利用の場合)、その他(遠方から来る人向けの寮費など)、費用は手当から引かれる。年2回のボーナスも付与される