海楼石(ONE PIECE)

登録日:2019/11/16 Sat 11:37:27
更新日:2023/12/19 Tue 16:24:27
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カイロウセキ??

能力者の悪魔の力を無効にする石よ!
あんた達が海に落ちるのと同じ効力らしいわ


海楼石(かいろうせき)とは、漫画ONE PIECE』に登場する架空の鉱物。

●目次

概要

偉大なる航路(グランドライン)」の新世界・ワノ国で産出される鉱物。

が固形化した存在」と言われているが、悪魔の実同様、正確な由来は不明。
空島における海雲と島雲を形成する核となる物質「パイロブロイン」が、この海楼石にも含まれているらしい。

色は大理石のような不透明な白系統で表現されている。
重さについては特に明言されていないが、ものすごく重いというわけではない様子。

◆硬度と加工

ダイヤモンドのように非常に硬度が高く加工技術を持つのはワノ国の一部の技術者に限られている。
また、熱などに対しても非常に強く、鉄を溶かすレーザーでも破壊は難しいようで(セニョール・ピンクの発言)、
現在のところ作中で海楼石を力技で破壊したキャラクターは存在しない
なお、ダイヤモンドは実際には衝撃に対しては脆い部分があり*1、絶対に壊れないわけではないので
単に「硬い」だけではなく衝撃に対して強い性質も含んでいるものと思われる。

また、加工はその硬度ゆえに難しく、海軍でも拘束具や軍艦の船底にしきつめる程度が限界。
弾丸や釘といった極小サイズの細かな加工技術はワノ国のみが有している。

◆対悪魔の実の能力者

最大の特徴は「海が固形化した存在」であるため、悪魔の実の能力者を封じる効果を持つこと。
これに触れた悪魔の実の能力者は海に触れている時同様、力が抜けてしまい能力の自由・能動的な行使ができなくなってしまう。
体を不定形に変化させられる自然系能力者でも、海楼石に触れた状態では変化できなくなるため脱出は不可能。
前述のように単純な硬度も非常に高いため、実質的にこれで拘束されてしまうとあらゆる能力者は完全に身動きできなくなってしまう。
とはいえ、金獅子のシキキュロスは海楼石の鎖に足を繋がれた状態から足を切断するという方法で逃げおおせている。

また、「海そのもの」であるためか、船の底に海楼石を敷き詰めると海中からその船の存在を認識できなくなる。
そのため、海軍の軍艦はこの裏技で「凪の帯」の海王類の目を誤魔化して「偉大なる航路」を行き来している。
(もちろん一時的なものなので、肉眼で目視できるほどの距離まで来たらおしまいであるが)

詳細は不明だが、「純度」の概念があるようで、より純粋なものほど能力者は弱体化する。


なお、あらゆる能力が封じられるかというとそうでもなく、ドルドルの実(と恐らくほぼ同じ性質を持つペロペロの実も)は自分自身が拘束されてさえいなければ、
海楼石の手錠に対する合鍵を能力で生成して解錠するような芸当が可能である。
また、シロシロの実も体内に海楼石の武具を持ち込むことができていたので、能力で生成した「物」を使って触れる場合は基本的に問題ないとも推測できる。

後に登場した、対能力者用の技術覇気との最大の違いは、
覇気はあくまで実体を捉えるための技法であり、能力の完全な無効化はできないということ。
比較して言うと、海楼石は能力そのものを封じ込める手段ということになる。

例に出せば、全身バラバラ人間である道化のバギーは「斬られてもダメージ0」の特性を持つ。
世界一の大剣豪ジュラキュール・ミホークの斬撃すらゴムゴムのジェット身代わり不意打ちでも躱してみせる。
これはバラバラの実が「体がバラバラになっても死なない」という能力を付与するためのものであり、仮に覇気によって実体を捉えても実体そのものがバラバラだから大丈夫なのである。
――しかし海楼石による拘束があれば話は一転。「体がバラバラになっても死なない」効果が発動しなくなるため、
その状態で刃物を向けられれば無敵のバギー船長もその赤っ鼻がごとき飛沫をド派手にあげることだろう。
実際に運用された事例としては、空島でワイパーが自然系能力者であるエネルの不意を突く形で海楼石によって身動きを封じ、そこへ強力な物理的攻撃を加えることで大ダメージを与えていた。

転じて、結果だけなら同等の能力封じを引き起こす・更には能力者を問答無用で引き寄せて攻撃・拘束が可能なヤミヤミの実がどれだけ能力者キラーであるかがわかる。

ただ、超人系能力者は曖昧な部分があり、「動物系→使われると変化不能」「自然系→使われると不定形状態になれない」という分かりやすい特徴があるが、
アーロン戦時のルフィをみるに、あくまで海に入ると自発的な行使が封じられるだけで能力そのものが封じられる訳ではない可能性もある。
監獄弾に拘束された金棒のアルビダが別にブサイクに戻るわけでも、海に落ちたブルックが黄泉に戻るわけでもないため、より正確に言えば「能力の能動的な使用」が出来なくなる状態と思われる。

メタ的な視点だと、バトル漫画において主人公や敵キャラを含め、話が進むと強者の扱い(退場・負けさせ方)に困ることがあるが、海楼石や海は、そうした強者への“ジョーカー”として長く存在感を発揮し続けている。

◆武器と拘束具

海楼石を保有する世界政府・海軍でも、海楼石を用いた武器は量産されておらず、海軍本部の実力者でも海楼石製の武具を所持している者はほとんどいない。

これは希少かつ世界政府及び海軍でも加工が難しいこともあるが、そもそも能力者相手に渡り合える実力者なら
だいたい覇気という対処技を身につけている*2のでわざわざ作って持たせるメリットが薄いというのが大きい。
武器を持たせたところで、それだけでは武術で勝る能力者に勝てないどころか海楼石を分取られてしまう危険性さえ存在する。
更に、下手に武器を奪われて海賊に流れると、逆に海軍側の能力者がピンチになってしまうリスクを考慮したためと思われる。
(作中では一海賊が海楼石製の穂先を持つを1つだけ所持しているケースが見られた)


作中で登場した代表的な海楼石製の道具・アイテム

基本的に所持しているのは海軍及び、海軍に協力関係にある王下七武海(クロコダイルドフラミンゴなど)のみ。

ただし、四皇の一角百獣海賊団は海楼石の一大産地であるワノ国を拠点にしているためか大量の海楼石を所持している。

シーザーも海楼石の拘束具を所持していたが、経歴を考えるとベガパンクのところからガメたか、ドフラミンゴローから提供されたものだと思われる。

どのようなルートで流れたのか、はたまたそちらにも産出場所があるのか、なぜか空島にもごくわずかだが流通している。

どちらかというと、能力者を殺さず無力化するための「捕縛具」の側面が強い。
前述のように海軍本部でも海楼石製の武具はほとんど支給されていないことを考えると、当時は大佐ながらもスモーカーの実力が評価されていたことが窺える。
スモーカーは装備品を含めた全身を煙にすることができるが、流石にこの十手は変化させられないようだ。

  • 監獄弾
海軍やインペルダウン職員らが使用。
バズーカから発射される、能力者を封じる網。
東の海ローグタウン編で初登場し、バギーとアルビダを捕縛した。
海楼石の有無は作中明言されていないが、能力者を封じることから用いられている様子。

作中で最初に海楼石の存在について触れられたアラバスタ編で登場。
中に入れられると自然系でも脱出できない(バラバラの実でもここまで小さくはなれない*3だろう、という格子)。
また、インペルダウンやドレスローザにも似たものが登場している。

  • 手錠
エニエス・ロビーなど、主に海軍側の司法組織に多く配置されている。
また、エースがマリンフォードに連行される時に着けられていたのもこれ。
ワノ国の「兎丼(うどん)」でルフィたちが着けられていたものは、「労働用に弱くなっている」とのこと。

青海の海賊でもなかなか持っていないものが一体どのような経緯で空島の一戦士の手に渡ったのかは謎だが*4
ブーツに海楼石が仕込まれているため能力者にも有効な蹴りを放つことができる。

軍艦の船底に海と同じエネルギーを放つ海楼石をしきつめることで、大型以上の海王類にその存在を気づかれず「凪の帯(カームベルト)」を比較的安全に航行することが出来る。
なお、無風地帯である「凪の帯(カームベルト)」での推進力は不明。パドル(外輪)らしきものは確認できないが、「凪の帯(カームベルト)」にあるインペルダウンの海域では帆をたたんでも推進できていたため、一応なんらかの推進力はある様子。
海楼石の能力者封じや硬度では無く、「海と同じエネルギーを持つ」という点に着目した、天才科学者ベガパンクによる発明。
ただし、あくまでも気配を消すためのものであるため、肉眼で観測されてしまえば無意味となる。

ファイアタンク海賊団がどこかからかっぱらったもの。
海楼石製の武具が大量生産されていないのは、それ自体が貴重と言うのもあるがこういう事態を警戒してのこととも思われる。

  • バトルスマッシャー
映画『ONE PIECE FILM Z』に登場した、右腕を失った元海軍本部大将ゼファーに取り付けられた巨大な義手。その大部分は海楼石製。
海軍のイカれた科学者による開発であり、「能力者の海賊を狩るための右腕」。
銃撃や殴っての爆撃も可能な兵装が取り付けられている。

  • 銃弾
一応作られてはいるようだが、加工が難しいためワノ国でのみ生産可能な代物。
普通の銃弾程度ならゴムの弾力で弾いてしまうルフィに対しても、能力の能動的な使用を封じて有効打となる代物。

ONE PIECE FILM Z』では、試作品なのか元海兵のゼファーが所持・使用。
しかしゼファー曰く、「能力にかまけていない新世界の海賊にはまず当たらない」とのことなので、希少な海楼石を消耗品にすることもあり、量産はされていない様子。
ワノ国編では、実際に見聞色の覇気でルフィがあっさり回避する様子も描かれた。

ONE PIECE STAMPEDE』の小説版では、ブエナ・フェスタが所持していた銃弾が海楼石製だったことが明かされている。
万が一バレットと手切れになった時始末するために持ち歩いていたらしい。
結局は自身を仕留めに来たサボに対して使用するが、まともに役に立たず瞬殺される。

ワノ国の高い技術力で作られた極小の拘束具。
ほとんど視認不可能な上、当たれば一発で能力を封じられるためか見た目に反して結構強力。 
バジル・ホーキンスが所持しており、倒れたルフィを回収しようとしたローの能力発動を妨害した。

パンクハザードにて登場した拘束具、主に手錠と同様に全身に巻き付け能力者を捕らえるために使用される。
海軍や百獣海賊団も使用する描写が確認され、純度100%のもので拘束したならばあのビッグ・マムですら自力で脱出するのは不可能な代物
(それでも表面上は特に力が抜けた様子はなくピンピンしてたあたり流石というべきか)。
ちなみにパンクハザード編では、暴れん坊のルフィやスモーカー達を容赦なく縛り付けていた海楼石製の鎖をローがあっさり能力で切断している描写がある。



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最終更新:2023年12月19日 16:24

*1 もっともこのマンガではダイヤ製のガンナックルとかがあるのだが。

*2 中将クラスなら習得必須

*3 あくまでバギーのコントロール出来る範囲ではぶつ切り程度が限界であり、第三者から切り刻まれた場合は細切れになれるという考察もある

*4 一応空島を構築する島雲には海楼石と同じ成分が含まれているのでそこから自然発生した可能性もなくはない