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#contents ---- *THE KING OF FIGHTERS '94 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃふぉー】 |ジャンル|対戦格闘|&image2(kof94.JPG,height=250)| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNK|~| |稼動開始日|1994年8月25日|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2007年11月6日/926ポイント&br;アーケードアーカイブス&br;【PS4】2016年10月27日/823円(税8%込)&br;【Xbox One】2017年3月9日/823円(税8%込)&br;【Switch】2017年3月16日/823円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|3on3ドリームマッチの原点&brキャラ絵の濃さに時代を感じる|~| |>|>|CENTER:''[[KOFシリーズ関連作品リンク>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''| ---- **ストーリー >1994年。~ KING OF FIGHTERSを開催する。~ なお、今大会は特別ルールとして~ 3人1組のチーム対戦形式にて取り行う。~ 以上……。 [R] 世界中の格闘家たちに、またもやキング・オブ・ファイターズの招待状が届いた。~ しかし差出人は不明。主催者はギースでもクラウザーでもないはずだ。それでは一体だれが? 疑惑と期待の中、格闘界歴戦のスーパースター達が、新たな対戦方式のもと、強力なチームを結成し始めた。~ 歴史に残る豪華な顔触れがどんな対戦を見せてくれるのか?~ 人々のボルテージがすでに最高潮に達している中、大会はついに開始の時を迎えようとしている…。 ---- **概要 これまでSNKがリリースした人気タイトルのプレイヤーキャラクターが集結し参戦するドリームマッチ対戦格闘ゲーム。~ 後に年代をまたいだ大型シリーズとなる、SNKを代表するゲームタイトルの初代作品である。 ---- **参戦チーム -各国を代表する8つのチームにそれぞれメンバーが3人、計24人がプレイヤーキャラクターとなる。メンバーはチームごとに固定でエディットは無し。 --チームと出典作品は以下の通り。(本シリーズのオリジナルキャラは太字) |日本最強チーム(日本)|''草薙京'' / ''二階堂紅丸'' / ''大門五郎''| |[[餓狼伝説>餓狼伝説シリーズ]]チーム(イタリア)|テリー・ボガード / アンディ・ボガード / ジョー・ヒガシ| |[[龍虎の拳]]チーム(メキシコ) |リョウ・サカザキ / ロバート・ガルシア / タクマ・サカザキ| |[[怒]]チーム(ブラジル)|''ハイデルン'' / ラルフ・ジョーンズ / クラーク・スティル| |[[サイコソルジャー]]チーム(中国) |麻宮アテナ / 椎拳崇 / ''鎮元斎''| |女性格闘家チーム(イギリス) |不知火舞 / キング / ユリ・サカザキ| |アメリカンスポーツチーム(アメリカ)|''ヘビィ・D!'' / ''ラッキー・グローバー'' / ''ブライアン・バトラー''| |キムの教育してやるチーム(韓国) |キム・カッファン / ''チャン・コーハン'' / ''チョイ・ボンゲ''| -この頃からすでにステージ背景やバックストーリーはチームごとに用意されていた。~ 日本代表チーム、及び同チームの筆頭メンバー「草薙 京」が本シリーズ固有の主人公キャラとなる。 --ただし、本作の初期カーソルは1P側が『餓狼』チームに、2P側は『龍虎』チームに合っている。~ これに合わせてか、本作のあらすじも間接的に『餓狼伝説』の流れを汲んだものに近く、『KOF』としてのストーリーの大局といったものは、まだはっきりとは存在していなかった。 -なお、最終戦は本作オリジナルキャラ「ルガール・バーンシュタイン」との3vs1となるが、一人あたりの体力には相応の差がある。 ---- **特徴・システムなど -3on3の勝ち抜き戦(=3ラウンド先取)方式。相手を一人KOすると残り時間に比例し若干体力が回復する。相手チームを全員倒したら勝利。 --キャラ設定により、それまでの格闘ゲームと同じ1on1方式にすることも可能。 --ドローになった場合は両者とも負け扱いになり、次のメンバーが登場する。 ---両チームの三人目がドローになった場合は再び三人目同士の対戦になり、そこでドローになると両チームともゲームオーバーになる。 -システムのベースは「『餓狼』+『龍虎』」といった感じであり、これに細かい肉付けを行っている。 --1ライン制を採っているため、『餓狼』シリーズの「ライン移動」は「攻撃避け(A+B同時押しで、投げ以外に対し長時間全身無敵になる)((実は本作よりも先に『餓狼2』でCPU専用キャラだったローレンス・ブラッドが使用していた。))」となり、「ライン飛ばし攻撃」は「ふっとばし攻撃((C+D同時押しで、ダウンを奪える攻撃を出す。空中でも出せるが、本作ではジャンプDとグラフィック・判定を共用))」に変更された。 --『[[餓狼伝説2 新たなる闘い]]』や『[[餓狼伝説スペシャル]]』にあった「避け攻撃」こと「スルーアタック」も採用。自分が防御モーションを取っている間にレバー前+AorBと入力すると出る専用の特殊攻撃であり、必殺技でキャンセル可能+上半身無敵効果がつく。ただしスルーアタック自体の攻撃力は0。しかも相手は吹っ飛ばないので、状況によってはスルーアタックの硬直中に逆に攻撃を喰らってしまうこともある。 --「パワーゲージ」のシステムは『龍虎』シリーズの気力システムに若干近いもので、攻撃を食らう・攻撃をガードする・「パワー溜め」(A+B+C長押し)のいずれかで上昇し、相手のパワーゲージは「挑発」(遠距離でレバーニュートラル+C)で減らすことができる。 ---パワーが最大まで溜まると攻撃力が1.5倍になり、「超必殺技」を使えるようになるが、超必殺技の使用または一定時間(パワー溜めでゲージをMAXにした場合は10秒、それ以外は5秒)で解除されてゲージが0に戻る。~ また、体力が1/4以下になっている場合は、ゲージにかかわらず超必殺技を出すことができる。これは『餓狼』シリーズのシステムに近い。 ---なお、超必殺技のコマンドはまだインストカードに記載されない隠し技扱いだった。 ---パワーMAXかつ体力が1/4以下だった場合は、超必殺技の威力が1.2倍になる。 ---挑発はレバーやボタン入力でいつでもキャンセルできる。この点は『餓狼』シリーズの挑発に近い。 --「ガードキャンセル」は本作では「相手の攻撃を5回以上連続でガードすると、ガード硬直を必殺技でキャンセルできる」という仕様として採用。 --格闘ゲーム出身キャラの必殺技コマンドや性質は原作とほぼ同じだが、変更・削除されたものもある。 ---「龍虎乱舞」など『龍虎2』で隠し必殺技だったものが超必殺技になり((ただし、キングの超必殺技は「サプライズローズ」ではなくオリジナル技の「イリュージョンダンス」になっている。サプライズローズは後に『'95』で通常必殺技として実装された。))、「覇王翔吼拳」など超必殺技だったものが通常必殺技になっている。 ---本作ではテリーの「ライジングタックル」やキムの「飛燕斬」など無敵必殺技が軒並み弱体化しているが、ゲーメスト増刊のインタビューで「無敵必殺技は強すぎて、ゲームバランスを崩す要因となるので弱くした」とスタッフが語っている。 --『餓狼』シリーズ出身キャラはしゃがみ歩き(レバーを前斜め下に入れることでしゃがんだままゆっくり前進)もあるが、あまり使えない。 --フロントステップは全キャラが同じ仕様というわけではなく、舞と鎮は転がりモーションとなっている。 ---また浮くタイプのフロントステップは空中扱いのため、空中必殺技を出すことが可能。中でもブライアンのスクリューボディプレスは実戦的。 --『龍虎』シリーズ出身の女性キャラには脱衣KOがある。%%残念ながら舞やアテナの服は破けない。%% -一定の条件下で、待機メンバーによる「援護攻撃」(A+B+C)が使える。条件は、「気絶状態」もしくは「相手の掴み技で掴まれてから起き上がるまでの間」であること、待機状態のメンバーが画面内にいること、相手より体力が少ないことの三つ。 --援護攻撃はガード可能、ダメージ無し、ヒット時ダウン効果あり、援護に来たメンバーは無敵という性質を持つ。 --敗北したメンバーは画面奥でダウンし、援護で呼ぶことができなくなる。 --ラスボスのルガールには待機メンバーがいないため、代わりに背景にいるペットの黒豹が援護攻撃を担当している。 -コマンド投げを連続技に組み込む事ができる。この仕様は、後のシリーズ作品にも実に様々な形を取って継承されている。 --といっても本作ではコマンド投げを連続技に組み込むととんでもないことになるのだが…(詳しくは後述)。 --本作におけるコマンド投げは、「投げ間合いを含む条件が満たされた場合のみ、コマンド成立と同時に(=0フレームで)発動する必殺技」という概念と思われる。よって、投げスカりの固有モーションはまだ存在しない。 ---このためか、コマンド投げが成立しない状態(相手がガードポーズを取っている、あるいは投げ間合いの外)で通常技をコマンド投げでキャンセルすると、何も技が出ずに通常技のモーションのみがキャンセルされる((『サムライスピリッツ』の所謂「モズキャン」と同じ原理。))。 -キャラクターごとの性能の強弱はかなり格差が大きい。本作はキャラクター単位ではなくチーム単位での総合戦闘力でバランスを取っている節が大きい。 -3ラウンド先取が基本設定であることの兼ね合いのためか、平均的なダメージが対戦格闘ゲームの平均より大きい部類であり、気絶もしやすい。1チャンスからのお手軽コンボで大逆転などが日常茶飯事の大味なバランスである。 -連打で出る必殺技(ジョー・ヒガシの爆裂拳など)は、全ての地上通常技をキャンセルして出すことが可能。 -タクマの強飛燕疾風脚、クラークのバルカンパンチ、ラッキーのサイクロンブレイク等一部の必殺技は空中コンボ判定となっており追撃が可能。 ---- **評価点 -総勢24名というキャラクター数は当時では抜きん出たラインナップだった。そして2本先取が基本だった格闘ゲームにおいて、3本先取を原則とした(=1クレジットで体力ゲージ3本分戦える)というのもかなりの大盤振る舞いだったといえる。 --ただしその分一人あたりの体力は低い。また「操作キャラを3人も覚える必要がある」ととらえる事もできるが、『龍虎』チームのように全員コマンド体系が似ているチームや、『怒』チームのように全員溜め系あるいは連打系の簡単なコマンド体系のチームを用意するなどの配慮もあった。 -キャラは『餓狼』や『龍虎』をはじめとしたSNKの色々なゲームから選出されており、今でこそ定番キャラとなったものの、当時はやはりオールスター色が強く非常に華やかだった。 --本作オリジナルキャラの日本チーム、特に草薙京も、そういった面々の中にいても決して埋もれていない。 -チーム選択制で、チーム内のキャラクターの強弱がはっきりしているため、3人をそれぞれどの順番で戦わせるかが勝敗を左右する駆け引きの一部となっていた。アーケードの格闘ゲームとしては新鮮な感覚だったと言える。 ---- **問題点 -概要項を見ての通り、『[[サムライスピリッツ]]』シリーズからの参戦は無し。 --世界観の問題や得物の有無によるバランスの問題など、様々な理由が挙げられてはいたものの、結果的に『KOF』シリーズ自体が出典作品間の設定の違いやキャラバランスなどの細かい事をあまり気にしない方向での進化を遂げたため、その判断が正しかったのかどうかは何とも言えない。 --この点については、続編で『KOF』独自路線のストーリーが展開されるようになるまで、いの一番に指摘される問題となっていた。 --その後、『THE KING OF FIGHTERS XIV』発売前のインタビューにて同作のプロデューサーである小田泰之氏は「ナコルルは開発側では当時から出したかったという要望もあった。しかし、サムスピ自体KOF'94と同時期の開発であったことに加え、ナコルルがあそこまでの人気キャラになるとは当時は誰も予想していなかった。だから、ゲームエンジンの基礎部分に武器やママハハ等といったキャラクターとは別のスプライトを被せる仕組みも組込まれておらず、KOF'95以降もそうした基礎部分を引き継いでいたので、(ナコルルは)出したくても出せなかったというのが実情だった」と述べている。 ---「ゲーメスト」増刊では攻略ライターの一人が「サムスピのキャラがいない所に、メーカーのうまさを感じられる」と語っていた。 ---後の『KOF'97』では三誌合同企画として、読者投票による参戦キャラを決める企画が開催されたが、『サムスピ』シリーズからは「世界観を考慮して」という理由で黒子のみがノミネートされた。 ---その後も長らく本編シリーズでのサムスピからの参戦はなく、派生作品である『熱闘KOF'95』や『KOF MI2』などで登場するのみだったが、『THE KING OF FIGHTERS XIV』にてようやく本編でナコルルが参戦 することとなった。 -小技連打が強力。 --強攻撃はヒットバックが大きく連続技をつなげにくいが、逆にしゃがみ弱Kの連打は一発のダメージが馬鹿にならないくせに入る手数が多く気絶まで狙える。~ 「めくりで飛び込み→小足連打→気絶」には萎えるプレイヤーも少なくなかった。特に紅丸やキムは小足連打からキャンセル必殺技に繋げられるためこれを露骨に狙うプレイヤーが続出した。 --もっとも酷いのは鎮。連打が完璧or連射装置付きなら立ち弱P連打だけで気絶→気絶になってしまう。多少連打が甘くても、鎮はジャンプ強Pが2ヒット技のためここから弱P連打に繋げばめくらずとも気絶→気絶。 -一部の昇龍拳系コマンドの必殺技が出しにくい。 --本作では所謂「昇龍拳コマンド((テンキーで「623+ボタン」or「421+ボタン」のコマンド。))」の必殺技が、京の「百式・鬼焼き」や拳崇の「龍顎砕」など一部の技はレバーを入力した後一旦ニュートラルに戻さないと、必殺技が出ずに通常技が出てしまうという謎の現象が存在する。 --全ての昇龍拳コマンドの技がそうなのかというわけではなく、リョウの「虎咆」などは斜め下で止めてもちゃんと必殺技が出たりする。キングの「トルネードキック」に至ってはきちんと斜め下で止めないと何故か死に技の「猛襲脚」が暴発してしまったりする。 -キャラを自由に選ぶことができない。 --シリーズで唯一、まだチームエディットができなかった作品だったため、あるキャラが使いたくても同じチームの他の二人は使いたくない、という事態が発生する。 -一部のチームの代表国の割り当てが不自然。 --日本、アメリカ、韓国は問題なく、3人中2人が出身国として該当する中国や、その国の傭兵部隊という括りで当てはめたブラジルもまだ言い訳が立つ。しかし、それ以外のチームは割り当てられた代表国の出身者が一人もいないため、無理矢理当てはめた感が強い。 ---イタリア代表(餓狼伝説チーム)は『餓狼伝説シリーズ』でアンディがイタリア代表にさせられていたため、それを流用した可能性がある。それ以外の2チームは、縁もゆかりもない国を当てはめられており、メキシコ代表(龍虎の拳チーム)は2人が日本人で1人がイタリア人、イギリス代表(女性格闘家チーム)は2人が日本人で1人がフランス人である。せめてイタリア人のロバートがいる龍虎の拳チームをイタリア代表に出来なかったものだろうか。 --次回作以降は、登場キャラクターの増加に伴い、国という括りで分けることが困難になったため、主人公チーム(日本)以外は代表国の割り当てがなくなった。 ---- **その他 -何かとバグが多かった。 --一定の条件下で投げられ判定が消えてしまい、攻撃避けが万能無敵状態になるといったやや危険なものもある。 --が、面白いバグも数多く、好意的に受け止められた部分もある。以下は代表的なもの。 ---「投げてからダメージが入るまでに自分のキャラを動かせる猶予がある通常投げ」を決め、投げのダメージが入るまでに超必殺技を出すと、その通常投げのダメージと得点が超必殺技のものになる(有名なのはアテナの投げ→シャイニングクリスタルビット。他にも鎮、ブライアン、キムも可能だがキムは鳳凰脚の最初の一撃分のダメージしか入らないため逆に威力が減少してしまう(得点は稼げるのだが))。 ---リョウ、キム、ブライアンは特殊なコマンドを入力すると、空中で超必殺技が出せる(後の空中鳳凰脚の元ネタ)。((パワーMAXが切れる瞬間に超必殺技を出すと必殺技に化けるバグを併用すると、飛燕疾風脚・半月斬・ハイパータックルが空中で出る。)) ---飛び道具を出してから前後にステップをしてからまたすぐに飛び道具を出すと、画面中に2個飛び道具を出せる。 ---ハイデルンのストームブリンガーの一段目の攻撃値と気絶値が、直前の攻撃(または決めた投げ技)のものになる。特に1P側でムーンスラッシャーを空振りした後に決めるとダメージが異常に上がる((1P側はムーンスラッシャーの攻撃値が2P側の倍になっている。また、ヒット・ガードさせると補正の影響で攻撃値が半減するため、空振りの方がダメージが高くなる。))。『'95』以降でも再現されている((『'98』以降はムーンスラッシャー空振りでのみダメージが増える。))。この数値はタイトル画面かOPデモを表示しない限り初期化されないため、CPUルガール含む全キャラの攻撃でダメージを変化させることができる。 //---さらにこのバグはラウンドをまたいで機能する。ストームブリンガー後にKO判定が出るまで一瞬だけ動けるのでそこでムーンスラッシャーを空振りしておくと次の対戦相手にストームブリンガーで大ダメージを与えられる。これは3人目をKO~次のチーム一番手にすら有効。 ---ハイデルンではもう一つ、1P側のムーンスラッシャーが相手の攻撃と相打ちになると、ダメージが激増する。これも『[[KOF'96>THE KING OF FIGHTERS '96]]』以降で、カウンターダメージが大幅に増加するという形で再現されている。 ---ジャンプ攻撃ヒットまたは通常技キャンセルからのコマンド投げの連続技を決めた後、ダウンした相手に前ステップ等で近づいてコマンド投げを入力すると、ダウン中の相手を投げてしまえる。投げ硬直の短い大門がやりやすく、凶悪な連続技として有名((ハイデルンも通常技キャンセルストームブリンガーの最中に溜めを作り、ネックローリングでダウンした相手に近づいて再びストームブリンガーで投げることが可能。))。 ---弱ボタンで入力した技のコマンドを、発動中にもう一度強で入れなおすと、弱の性能で発動し強の効果を持つようになる。その逆もできる。今作で実戦的だったのはアテナのフェニックスアロー切り替え(スキの無い弱で出し、ヒット時のみダウンを奪える強に切り替える)ぐらいだが、次回作『[[KOF'95>THE KING OF FIGHTERS '95]]』で猛威を振るうことに。 -グラフィックはそれまでの原色に近い色使いと丸みを帯びたSNK作品と異彩を放ち、シャープなライン・ドットの組み合わせと淡い色使いによる濃い画風になっている。 --というのも、本シリーズのドッターはゲーム事業を撤退していたアイレムからの移籍組だったため。当時業界最高峰と言われていた彼らは、このシリーズの他にも『[[メタルスラッグシリーズ]]』を手掛けることになる。 --キャラ人数を重視する作品だけに一人一人のモーションパターンの数量は餓狼伝説などには劣るため、必殺技・超必殺技の動きは荒く見える場合が多かった。それでも本作のキャラグラフィックにおける評価は、後作での評価のハードルを図らずも引き上げてしまうほど高いものとなった。 -ルガールについて --本作ボスのルガールは凶悪なボスとして良く名が挙がる。 ---最初は上着を着た第一形態で、この状態では投げ技と必殺技を持っていない(立ち強Pはガードしても必殺技同様に体力を削られる)。投げ技を持っていない弱点を突いて、飛び込みを誘うor起き上がりに攻撃避けを出して投げ、というパターンにはめられる。 ---上着を脱いだ第二形態は高性能な技に加えて、この当時のSNKの代名詞とも言える超反応で襲ってくるため倒すのは至難であった。特に彼の必殺技「ジェノサイドカッター」は通常の必殺技でありながら、パワーゲージMAXの状態で2段共に食らうと体力MAXから9割減らされてしまう事から語り草となっている。 ---とはいえ近づいてきたところを投げたり、しゃがみ強Pが横方向に強いキャラ(餓狼チームや怒チームなど)は近づいてきたところにそれを連発するだけでかなり戦える。またパワーゲージ溜め中は反応が鈍くなるため、その隙に乱舞や突進系の(超)必殺技、投げなどが入りやすい。 ---- **総評 「豪華なのか地味なのかわからない」この中途半端さが本作の泣き所である。~ SNKゲームのラインナップは超能力や銃火器の飛び交う破天荒な世界観が当たり前のようにあったが、一堂に会するにあたって非日常性がやや薄れたことも重なり、1作内へのすり合わせの結果過去作から参戦してきたキャラたちが良くも悪くも大人しくなってしまった。 本作の新キャラクターたちもまた確かに魅力的だった。そこに加えて、同社のスターキャラ同士が同じ土俵に上がり、格闘ゲームのチーム戦を演じる。~ 実はもうこれだけでお祭り気分は申し分ないはずなのだが、「せっかくなら『サムスピ』キャラも…」と思いたくなるのが、手前勝手な人の情というものである。 サムスピキャラ以外に足りないものを挙げるなら、大味なバランスの改善、またはそれを吹き飛ばすほどの華やかな本作ならではの独自要素だろう。~ 後者の課題をクリアし、『KOF』がシリーズとして花を開かせるには、来年の発表までもう少し時を待つ必要があったようだ。 ---- **その後の展開 -続編の『[[KOF'95>THE KING OF FIGHTERS '95]]』が、ほぼ1年後である翌年の夏にリリースされた。以降、KOFシリーズは『2003』まで毎年リリースされ続けたが、『XI』以降は隔年になったことでナンバリング形式に移行している。 //2000で一回潰れた影響で2001以降は年末じゃなかったか? ギリギリ2001年に出たとかそんなだったはず -『[[KOF'97>THE KING OF FIGHTERS '97]]』では、本作から受け継がれたシステムをベースにキャラクターを操作する「EXTRAモード」が実装され、『[[KOF'96>THE KING OF FIGHTERS '96]]』風+ストックパワーゲージの「ADVANCEDモード」の2種類から選択できる。 ---- **余談 -「元々はオリジナルチームとオリジナルキャラがメインのゲームになるはずだったが、キャラ数が多すぎた関係で既存キャラを使う事になった」というのが本作のできる発端だったらしい。 --以前『餓狼伝説スペシャル』に『龍虎の拳』の主人公が隠しボスとして登場するといった夢の競演もあり、この頃から『餓狼』のキャラと『龍虎』のキャラで対戦したいという要望は少なからずあったが、本作がそれに応えて生まれたわけではなく偶然の一致なのである。 -そして、初期構想では『リーダー+似た性能の二人』というシフトが中心になる予定だった。 --リーダーの存在が大きい韓国チームやサイコソルジャーチーム、他それぞれ必殺技性能やコマンドの傾向が似通った龍虎・怒チームにもその片鱗が見て取れる。 -原作では『龍虎』が『餓狼』のおよそ10年前という設定だったが、本作では両作品のキャラクターが同時代の人物として大会に参加しているなど、原作とは似て非なるパラレルワールドの設定となっている。 --元々は「夢の共演」であり原作の年代差などは考慮せずに制作されていたのだが、『KOF』が人気となりシリーズ化されたことで独自のストーリーを展開していくことになり、各キャラクターにも原作に無いKOF独自設定が付加されていった。 --その後各原作が事実上終了してKOFだけが継続した結果、KOFでのキャラ付けの方が有名になってしまうという逆転現象も起きている。 -「ゲーメスト」において1994年のゲーメスト大賞を受賞している。 -後にリリースされた携帯アプリ向け恋愛ゲーム『[[デイズ オブ メモリーズ]]』シリーズでは、『KOF』『餓狼』の現代勢と『サムスピ』『月華の剣士』の江戸勢の競演が実現した。「やっぱ“夢の競演”といったらこのくらい大胆な方がいいか」という路線に考え直したという事だろうか。また、KOF自体も『XIV』でようやく『サムスピ』出典キャラの本編参戦が叶った。 --『DOM』については後にニンテンドーDSにも移植されている。 -実は草薙京は開発の初期段階では暴走族のヘッドで「霧島 翔」と呼ばれていた((更にその前は「良牙」だったという。))。紆余屈折を経て改造学ラン姿の現行デザインに変更され、更に開発終盤になってからキャラ名が「草薙 京」に変更されて「ヤマタノオロチを退治したという草薙流古武術の使い手で留年高校生」という設定も追加された((資料集に記載されている本作のOPデモの絵コンテの指示では、現在の京のデザインとなった主人公を「ショウ」と記載している。))。 --もし霧島翔のまま主人公として登場していたら、KOFシリーズの展開がどうなっていたか気になるところではある。その霧島翔もDC版『'99』のエクストラストライカー、『2000』の京のアナザーストライカーとしてゲームに登場している。 -本作のタイトルは『餓狼伝説』および『龍虎の拳2』でギースが主催していた格闘大会の名前に由来する。(海外版『餓狼伝説』のサブタイトルでもある) --本作の少し後の1995年2月1日に稼働した、同じくSNKクロスオーバー作品の『クイズ キング オブ ファイターズ』というタイトルも同じ由来を持つが、本作との関わりは薄い。 -ラスボスのルガール・バーンシュタインは『餓狼伝説』シリーズのボスキャラであるギースの「烈風拳」とクラウザーの「カイザーウェーブ」、また本作の麻宮アテナの「サイコリフレクター」に似た「ダークバリア」を使うのだが、~ これは企画当初の「プレイヤーの技を見ただけで完全に使いこなしてしまう」という設定が実現できなかったため、その名残として「優れていると思った技をなんでも取り入れる」という形として既存の必殺技などを使うようになった、ということである。 -勝利メッセージ画面のバストアップイラストのうち、餓狼・龍虎勢のうち3名(アンディ、ジョー、ユリ)については、各種出展作品の公式イラストからのトレスだったりする。 ---- **家庭用移植 -1994年10月1日にネオジオROM版が、同年11月2日にネオジオCD版が発売された(発売元は共にSNK)。CD版は激長ロードがアレな事とアレンジBGMに変更されている、パワー溜めのボイスが通常の攻撃時のボイスに差し替えられている事を除けば、それ以外は両者共にほぼ完全移植となっている。なおCD版のロードは後発のKOFと違い、試合開始前に6人分のキャラをロードする為試合中のロードが無い(その分ロード中は極長だが)。 -ネオジオ以外のプラットフォームにおいてはしばらくの間は一切移植がされなかった((理由の一つに、本作発売直後にSNKがMVS及びネオジオゲームの他機種への移植を取りやめることを発表したことがある。これは、ハイエンド機であるネオジオのいわば廉価版であるネオジオCDを、SSやPSのライバル機のような位置づけとして構え、それまでのネオジオゲームを自社独占とし、いわゆる32ビット機戦争に参戦していた経緯がある。しかしアクションゲームがメインなのに読み込み時間が長いネオジオCDの売れ行きは芳しくなく、この発表から約1年後にセガとクロスライセンスを結んでSSに参入、後にPSにも参入した。だが本作と『真サムライスピリッツ』は時期的なタイミングが悪く、長らく移植作が登場しないこととなった。))が、2004年12月28日に10年ぶりのリメイク移植『THE KING OF FIGHTERS '94 RE-BOUT』が発売された(詳しくは下記にて)。 --2007年11月6日からネオジオROM版がWiiの[[バーチャルコンソール>http://game.snk-corp.co.jp/event/virtual-console/kof94/index_kof94_j.html]]にて配信されている。要900Wiiポイント。 --2010年12月22日からプレイステーション・ポータブル/同3の[[ネオジオステーション>http://game.snk-corp.co.jp/game/neogeostation/lineup/details.php?id=8]]にもネオジオROM版基準が配信されていたが、2016年7月27日を以て本作を含めた全タイトルが配信終了となった。要700円(PSP)/要900円(PS3)。 ---PS3版に限りネット対戦も可能であった。 --2016年10月27日、PS4にてMVS版が配信開始。ハムスターが展開する『アーケードアーカイブス』から派生した『アケアカNEOGEO』の第一弾としてリリースされた。 --2017年3月16日、Nintendo Switchの方でもハムスターがアケアカNEOGEOの一つとしてリリースされた。こちらはSwitch発売日である3月3日に同時に配信されていた『'98』より、ほんのわずかに遅れての配信となった。 ---ネオジオROM版ではなくMVS版の完全移植はこれが史上初となる。クレジット投入やレベル表記なども再現、他の配信タイトル同様に5分間でどれだけスコアを稼げるか競う「キャラバンモード」も搭載されている。ただしサービスの趣旨からか、残念ながらネット対戦は搭載されていない。((元々アーケードアーカイブスは「当時のタイトルを忠実に再現することを目指している」という趣旨から、付加要素については最小限に留めているためである)) -また、2009年5月21日に発売されたオムニバス集『SNK ARCADE CLASSICS Vol.1』、及び2010年6月24日に発売された『ザ・キングオブファイターズ'94~'98 チャプター・オブ・オロチ』(発売元は共にSNKプレイモア)にも本作が収録されている。 ---- *THE KING OF FIGHTERS '94 RE-BOUT 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃふぉー りばうと】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B00067HMZS)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|SNKプレイモア|~| |発売日|2004年12月28日|~| |判定|なし|~| |ポイント|初のネオジオ関連以外のKOF94移植&br()リメイクと移植の二本立て|~| **概要(RE-BOUT) -『KOF'94』のリメイク移植であり、ネオジオ以外では初の家庭用移植でもある。 --当時、家庭用ゲーム機が16ビット機から32ビット機への移行期であった94年から95年にかけての約一年ほど、SNK・ADKのネオジオ作品が他社のハードへの移植作を取りやめていた時期があった。~ セガと契約し初めて自社制作発売で移植したネオジオ作品が『KOF'95』であり、PSにもソフトを提供するようになり以後はその空白期間の作品も徐々に移植されるようになっていったが、年一本ペースで発売される『KOF』(及び『サムスピ』)に関しては最新作を移植するのが精いっぱい(アーケード→ネオジオ→ネオジオCD→他機種という順だがその間隔は相当な短さ)であり、『KOF'94』に関しては長い間他社ハードへの移植が行われる機会が与えられなかった。 --然るに、本作のリリースは隔年リリースに変わった後のシリーズの10周年を記念した企画として行われたものであり、ハードはPS2になってからであった。 -ドットをハイレゾ化するなどグラフィックをPS2相当にすべてリニューアルし調整を加えたリメイクと、原則として原作『KOF'94』のネオジオROM版をベタ移植したオリジナルの2本が収録されている。 --リメイク版は原作では不可能だったチームエディットが可能となり、CPU専用ボスだったルガール・バーンシュタインと、本来は『'95』から登場する草薙柴舟が使用可能となっている。~ また、ネオジオROM版でのバグについては危険性の高いものは削除する一方、プレイの幅を広げたり面白みがあるものについては残されているなど、完全に作り変えてしまうのではなく、あくまで『'94』の雰囲気を残したままのリメイクとなっている。 -ネオジオCD付属のパッドをPS2用にボタンを増やすなどリファインしたコントローラー『ネオジオパッド2』と記念に作成されたゲーメストムックが付属していた。 -マルチマッチングBB対応で、ネット対戦可能だった。 -OPも当時のドット絵のものではなく新規アニメが作成されている。キャラクターデザインは当時のキャラクターイラストの濃い画風が忠実に再現されており、2004年発売の作品とは思えないほどに90年代アニメの雰囲気を醸し出している。 //ザ・キング・オブ・ファイターズ ザキングオブファイターズ ザ・キングオブファイターズ キングオブファイターズ(検索用、消さないこと)
#contents ---- *THE KING OF FIGHTERS '94 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃふぉー】 |ジャンル|対戦格闘|&image2(kof94.JPG,height=250)| |対応機種|アーケード(MVS)|~| |発売・開発元|SNK|~| |稼動開始日|1994年8月25日|~| |レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~| |配信|バーチャルコンソール&br;【Wii】2007年11月6日/926ポイント&br;アーケードアーカイブス&br;【PS4】2016年10月27日/823円(税8%込)&br;【Xbox One】2017年3月9日/823円(税8%込)&br;【Switch】2017年3月16日/823円(税8%込)|~| |判定|なし|~| |ポイント|3on3ドリームマッチの原点&brキャラ絵の濃さに時代を感じる|~| |>|>|CENTER:''[[KOFシリーズ関連作品リンク>THE KING OF FIGHTERSシリーズ]]''| ---- **ストーリー >1994年。~ KING OF FIGHTERSを開催する。~ なお、今大会は特別ルールとして~ 3人1組のチーム対戦形式にて取り行う。~ 以上……。 [R] 世界中の格闘家たちに、またもやキング・オブ・ファイターズの招待状が届いた。~ しかし差出人は不明。主催者はギースでもクラウザーでもないはずだ。それでは一体だれが? 疑惑と期待の中、格闘界歴戦のスーパースター達が、新たな対戦方式のもと、強力なチームを結成し始めた。~ 歴史に残る豪華な顔触れがどんな対戦を見せてくれるのか?~ 人々のボルテージがすでに最高潮に達している中、大会はついに開始の時を迎えようとしている…。 ---- **概要 これまでSNKがリリースした人気タイトルのプレイヤーキャラクターが集結し参戦するドリームマッチ対戦格闘ゲーム。~ 後に年代をまたいだ大型シリーズとなる、SNKを代表するゲームタイトルの初代作品である。 ---- **参戦チーム -各国を代表する8つのチームにそれぞれメンバーが3人、計24人がプレイヤーキャラクターとなる。メンバーはチームごとに固定でエディットは無し。 --チームと出典作品は以下の通り。(本シリーズのオリジナルキャラは太字) |日本最強チーム(日本)|''草薙京'' / ''二階堂紅丸'' / ''大門五郎''| |[[餓狼伝説>餓狼伝説シリーズ]]チーム(イタリア)|テリー・ボガード / アンディ・ボガード / ジョー・ヒガシ| |[[龍虎の拳]]チーム(メキシコ) |リョウ・サカザキ / ロバート・ガルシア / タクマ・サカザキ| |[[怒]]チーム(ブラジル)|''ハイデルン'' / ラルフ・ジョーンズ / クラーク・スティル| |[[サイコソルジャー]]チーム(中国) |麻宮アテナ / 椎拳崇 / ''鎮元斎''| |女性格闘家チーム(イギリス) |不知火舞 / キング / ユリ・サカザキ| |アメリカンスポーツチーム(アメリカ)|''ヘビィ・D!'' / ''ラッキー・グローバー'' / ''ブライアン・バトラー''| |キムの教育してやるチーム(韓国) |キム・カッファン / ''チャン・コーハン'' / ''チョイ・ボンゲ''| -この頃からすでにステージ背景やバックストーリーはチームごとに用意されていた。~ 日本代表チーム、及び同チームの筆頭メンバー「草薙 京」が本シリーズ固有の主人公キャラとなる。 --ただし、本作の初期カーソルは1P側が『餓狼』チームに、2P側は『龍虎』チームに合っている。~ これに合わせてか、本作のあらすじも間接的に『餓狼伝説』の流れを汲んだものに近く、『KOF』としてのストーリーの大局といったものは、まだはっきりとは存在していなかった。 -なお、最終戦は本作オリジナルキャラ「ルガール・バーンシュタイン」との3vs1となるが、一人あたりの体力には相応の差がある。 ---- **特徴・システムなど -3on3の勝ち抜き戦(=3ラウンド先取)方式。相手を一人KOすると残り時間に比例し若干体力が回復する。相手チームを全員倒したら勝利。 --キャラ設定により、それまでの格闘ゲームと同じ1on1方式にすることも可能。 --ドローになった場合は両者とも負け扱いになり、次のメンバーが登場する。 ---両チームの三人目がドローになった場合は再び三人目同士の対戦になり、そこでドローになると両チームともゲームオーバーになる。 -システムのベースは「『餓狼』+『龍虎』」といった感じであり、これに細かい肉付けを行っている。 --1ライン制を採っているため、『餓狼』シリーズの「ライン移動」は「攻撃避け(A+B同時押しで、投げ以外に対し長時間全身無敵になる)((実は本作よりも先に『餓狼2』でCPU専用キャラだったローレンス・ブラッドが使用していた。))」となり、「ライン飛ばし攻撃」は「ふっとばし攻撃((C+D同時押しで、ダウンを奪える攻撃を出す。空中でも出せるが、本作ではジャンプDとグラフィック・判定を共用))」に変更された。 --『[[餓狼伝説2 新たなる闘い]]』や『[[餓狼伝説スペシャル]]』にあった「避け攻撃」こと「スルーアタック」も採用。自分が防御モーションを取っている間にレバー前+AorBと入力すると出る専用の特殊攻撃であり、必殺技でキャンセル可能+上半身無敵効果がつく。ただしスルーアタック自体の攻撃力は0。しかも相手は吹っ飛ばないので、状況によってはスルーアタックの硬直中に逆に攻撃を喰らってしまうこともある。 --「パワーゲージ」のシステムは『龍虎』シリーズの気力システムに若干近いもので、攻撃を食らう・攻撃をガードする・「パワー溜め」(A+B+C長押し)のいずれかで上昇し、相手のパワーゲージは「挑発」(遠距離でレバーニュートラル+C)で減らすことができる。 ---パワーが最大まで溜まると攻撃力が1.5倍になり、「超必殺技」を使えるようになるが、超必殺技の使用または一定時間(パワー溜めでゲージをMAXにした場合は10秒、それ以外は5秒)で解除されてゲージが0に戻る。~ また、体力が1/4以下になっている場合は、ゲージにかかわらず超必殺技を出すことができる。これは『餓狼』シリーズのシステムに近い。 ---なお、超必殺技のコマンドはまだインストカードに記載されない隠し技扱いだった。 ---パワーMAXかつ体力が1/4以下だった場合は、超必殺技の威力が1.2倍になる。 ---挑発はレバーやボタン入力でいつでもキャンセルできる。この点は『餓狼』シリーズの挑発に近い。 --「ガードキャンセル」は本作では「相手の攻撃を5回以上連続でガードすると、ガード硬直を必殺技でキャンセルできる」という仕様として採用。 --格闘ゲーム出身キャラの必殺技コマンドや性質は原作とほぼ同じだが、変更・削除されたものもある。 ---「龍虎乱舞」など『龍虎2』で隠し必殺技だったものが超必殺技になり((ただし、キングの超必殺技は「サプライズローズ」ではなくオリジナル技の「イリュージョンダンス」になっている。サプライズローズは後に『'95』で通常必殺技として実装された。))、「覇王翔吼拳」など超必殺技だったものが通常必殺技になっている。 ---本作ではテリーの「ライジングタックル」やキムの「飛燕斬」など無敵必殺技が軒並み弱体化しているが、ゲーメスト増刊のインタビューで「無敵必殺技は強すぎて、ゲームバランスを崩す要因となるので弱くした」とスタッフが語っている。 --『餓狼』シリーズ出身キャラはしゃがみ歩き(レバーを前斜め下に入れることでしゃがんだままゆっくり前進)もあるが、あまり使えない。 --フロントステップは全キャラが同じ仕様というわけではなく、舞と鎮は転がりモーションとなっている。 ---また浮くタイプのフロントステップは空中扱いのため、空中必殺技を出すことが可能。中でもブライアンのスクリューボディプレスは実戦的。 --『龍虎』シリーズ出身の女性キャラには脱衣KOがある。%%残念ながら舞やアテナの服は破けない。%% -一定の条件下で、待機メンバーによる「援護攻撃」(A+B+C)が使える。条件は、「気絶状態」もしくは「相手の掴み技で掴まれてから起き上がるまでの間」であること、待機状態のメンバーが画面内にいること、相手より体力が少ないことの三つ。 --援護攻撃はガード可能、ダメージ無し、ヒット時ダウン効果あり、援護に来たメンバーは無敵という性質を持つ。 --敗北したメンバーは画面奥でダウンし、援護で呼ぶことができなくなる。 --ラスボスのルガールには待機メンバーがいないため、代わりに背景にいるペットの黒豹が援護攻撃を担当している。 -コマンド投げを連続技に組み込む事ができる。この仕様は、後のシリーズ作品にも実に様々な形を取って継承されている。 --といっても本作ではコマンド投げを連続技に組み込むととんでもないことになるのだが…(詳しくは後述)。 --本作におけるコマンド投げは、「投げ間合いを含む条件が満たされた場合のみ、コマンド成立と同時に(=0フレームで)発動する必殺技」という概念と思われる。よって、投げスカりの固有モーションはまだ存在しない。 ---このためか、コマンド投げが成立しない状態(相手がガードポーズを取っている、あるいは投げ間合いの外)で通常技をコマンド投げでキャンセルすると、何も技が出ずに通常技のモーションのみがキャンセルされる((『サムライスピリッツ』の所謂「モズキャン」と同じ原理。))。 -キャラクターごとの性能の強弱はかなり格差が大きい。本作はキャラクター単位ではなくチーム単位での総合戦闘力でバランスを取っている節が大きい。 -3ラウンド先取が基本設定であることの兼ね合いのためか、平均的なダメージが対戦格闘ゲームの平均より大きい部類であり、気絶もしやすい。1チャンスからのお手軽コンボで大逆転などが日常茶飯事の大味なバランスである。 -連打で出る必殺技(ジョー・ヒガシの爆裂拳など)は、全ての地上通常技をキャンセルして出すことが可能。 -タクマの強飛燕疾風脚、クラークのバルカンパンチ、ラッキーのサイクロンブレイク等一部の必殺技は空中コンボ判定となっており追撃が可能。 ---- **評価点 -総勢24名というキャラクター数は当時では抜きん出たラインナップだった。そして2本先取が基本だった格闘ゲームにおいて、3本先取を原則とした(=1クレジットで体力ゲージ3本分戦える)というのもかなりの大盤振る舞いだったといえる。 --ただしその分一人あたりの体力は低い。また「操作キャラを3人も覚える必要がある」ととらえる事もできるが、『龍虎』チームのように全員コマンド体系が似ているチームや、『怒』チームのように全員溜め系あるいは連打系の簡単なコマンド体系のチームを用意するなどの配慮もあった。 -キャラは『餓狼』や『龍虎』をはじめとしたSNKの色々なゲームから選出されており、今でこそ定番キャラとなったものの、当時はやはりオールスター色が強く非常に華やかだった。 --本作オリジナルキャラの日本チーム、特に草薙京も、そういった面々の中にいても決して埋もれていない。 -チーム選択制で、チーム内のキャラクターの強弱がはっきりしているため、3人をそれぞれどの順番で戦わせるかが勝敗を左右する駆け引きの一部となっていた。アーケードの格闘ゲームとしては新鮮な感覚だったと言える。 ---- **問題点 -概要項を見ての通り、『[[サムライスピリッツ]]』シリーズからの参戦は無し。 --世界観の問題や得物の有無によるバランスの問題など、様々な理由が挙げられてはいたものの、結果的に『KOF』シリーズ自体が出典作品間の設定の違いやキャラバランスなどの細かい事をあまり気にしない方向での進化を遂げたため、その判断が正しかったのかどうかは何とも言えない。 --この点については、続編で『KOF』独自路線のストーリーが展開されるようになるまで、いの一番に指摘される問題となっていた。 --その後、『THE KING OF FIGHTERS XIV』発売前のインタビューにて同作のプロデューサーである小田泰之氏は「ナコルルは開発側では当時から出したかったという要望もあった。しかし、サムスピ自体KOF'94と同時期の開発であったことに加え、ナコルルがあそこまでの人気キャラになるとは当時は誰も予想していなかった。だから、ゲームエンジンの基礎部分に武器やママハハ等といったキャラクターとは別のスプライトを被せる仕組みも組込まれておらず、KOF'95以降もそうした基礎部分を引き継いでいたので、(ナコルルは)出したくても出せなかったというのが実情だった」と述べている。 ---「ゲーメスト」増刊では攻略ライターの一人が「サムスピのキャラがいない所に、メーカーのうまさを感じられる」と語っていた。 ---後の『KOF'97』では三誌合同企画として、読者投票による参戦キャラを決める企画が開催されたが、『サムスピ』シリーズからは「世界観を考慮して」という理由で黒子のみがノミネートされた。 ---その後も長らく本編シリーズでのサムスピからの参戦はなく、派生作品である『熱闘KOF'95』や『KOF MI2』などで登場するのみだったが、『THE KING OF FIGHTERS XIV』にてようやく本編でナコルルが参戦 することとなった。 -小技連打が強力。 --強攻撃はヒットバックが大きく連続技をつなげにくいが、逆にしゃがみ弱Kの連打は一発のダメージが馬鹿にならないくせに入る手数が多く気絶まで狙える。~ 「めくりで飛び込み→小足連打→気絶」には萎えるプレイヤーも少なくなかった。特に紅丸やキムは小足連打からキャンセル必殺技に繋げられるためこれを露骨に狙うプレイヤーが続出した。 --もっとも酷いのは鎮。連打が完璧or連射装置付きなら立ち弱P連打だけで気絶→気絶になってしまう。多少連打が甘くても、鎮はジャンプ強Pが2ヒット技のためここから弱P連打に繋げばめくらずとも気絶→気絶。 -一部の昇龍拳系コマンドの必殺技が出しにくい。 --本作では所謂「昇龍拳コマンド((テンキーで「623+ボタン」or「421+ボタン」のコマンド。))」の必殺技が、京の「百式・鬼焼き」や拳崇の「龍顎砕」など一部の技はレバーを入力した後一旦ニュートラルに戻さないと、必殺技が出ずに通常技が出てしまうという謎の現象が存在する。 --全ての昇龍拳コマンドの技がそうなのかというわけではなく、リョウの「虎咆」などは斜め下で止めてもちゃんと必殺技が出たりする。キングの「トルネードキック」に至ってはきちんと斜め下で止めないと何故か死に技の「猛襲脚」が暴発してしまったりする。 -キャラを自由に選ぶことができない。 --シリーズで唯一、まだチームエディットができなかった作品だったため、あるキャラが使いたくても同じチームの他の二人は使いたくない、という事態が発生する。 -一部のチームの代表国の割り当てが不自然。 --日本、アメリカ、韓国は問題なく、3人中2人が出身国として該当する中国や、その国の傭兵部隊という括りで当てはめたブラジルもまだ言い訳が立つ。しかし、それ以外のチームは割り当てられた代表国の出身者が一人もいないため、無理矢理当てはめた感が強い。 ---イタリア代表(餓狼伝説チーム)は『餓狼伝説シリーズ』でアンディがイタリア代表にさせられていたため、それを流用した可能性がある。もっとも、アンディはアメリカ人であり、他の2人もアメリカ人と日本人である。 ---それ以外の2チームは、縁もゆかりもない国を当てはめられており、メキシコ代表(龍虎の拳チーム)は2人が日本人で1人がイタリア人、イギリス代表(女性格闘家チーム)は2人が日本人で1人がフランス人である。せめてイタリア人のロバートがいる龍虎の拳チームをイタリア代表に出来なかったものだろうか。 --次回作以降は、登場キャラクターの増加に伴い、国という括りで分けることが困難になったため、主人公チーム(日本)以外は代表国の割り当てがなくなった。 ---- **その他 -何かとバグが多かった。 --一定の条件下で投げられ判定が消えてしまい、攻撃避けが万能無敵状態になるといったやや危険なものもある。 --が、面白いバグも数多く、好意的に受け止められた部分もある。以下は代表的なもの。 ---「投げてからダメージが入るまでに自分のキャラを動かせる猶予がある通常投げ」を決め、投げのダメージが入るまでに超必殺技を出すと、その通常投げのダメージと得点が超必殺技のものになる(有名なのはアテナの投げ→シャイニングクリスタルビット。他にも鎮、ブライアン、キムも可能だがキムは鳳凰脚の最初の一撃分のダメージしか入らないため逆に威力が減少してしまう(得点は稼げるのだが))。 ---リョウ、キム、ブライアンは特殊なコマンドを入力すると、空中で超必殺技が出せる(後の空中鳳凰脚の元ネタ)。((パワーMAXが切れる瞬間に超必殺技を出すと必殺技に化けるバグを併用すると、飛燕疾風脚・半月斬・ハイパータックルが空中で出る。)) ---飛び道具を出してから前後にステップをしてからまたすぐに飛び道具を出すと、画面中に2個飛び道具を出せる。 ---ハイデルンのストームブリンガーの一段目の攻撃値と気絶値が、直前の攻撃(または決めた投げ技)のものになる。特に1P側でムーンスラッシャーを空振りした後に決めるとダメージが異常に上がる((1P側はムーンスラッシャーの攻撃値が2P側の倍になっている。また、ヒット・ガードさせると補正の影響で攻撃値が半減するため、空振りの方がダメージが高くなる。))。『'95』以降でも再現されている((『'98』以降はムーンスラッシャー空振りでのみダメージが増える。))。この数値はタイトル画面かOPデモを表示しない限り初期化されないため、CPUルガール含む全キャラの攻撃でダメージを変化させることができる。 //---さらにこのバグはラウンドをまたいで機能する。ストームブリンガー後にKO判定が出るまで一瞬だけ動けるのでそこでムーンスラッシャーを空振りしておくと次の対戦相手にストームブリンガーで大ダメージを与えられる。これは3人目をKO~次のチーム一番手にすら有効。 ---ハイデルンではもう一つ、1P側のムーンスラッシャーが相手の攻撃と相打ちになると、ダメージが激増する。これも『[[KOF'96>THE KING OF FIGHTERS '96]]』以降で、カウンターダメージが大幅に増加するという形で再現されている。 ---ジャンプ攻撃ヒットまたは通常技キャンセルからのコマンド投げの連続技を決めた後、ダウンした相手に前ステップ等で近づいてコマンド投げを入力すると、ダウン中の相手を投げてしまえる。投げ硬直の短い大門がやりやすく、凶悪な連続技として有名((ハイデルンも通常技キャンセルストームブリンガーの最中に溜めを作り、ネックローリングでダウンした相手に近づいて再びストームブリンガーで投げることが可能。))。 ---弱ボタンで入力した技のコマンドを、発動中にもう一度強で入れなおすと、弱の性能で発動し強の効果を持つようになる。その逆もできる。今作で実戦的だったのはアテナのフェニックスアロー切り替え(スキの無い弱で出し、ヒット時のみダウンを奪える強に切り替える)ぐらいだが、次回作『[[KOF'95>THE KING OF FIGHTERS '95]]』で猛威を振るうことに。 -グラフィックはそれまでの原色に近い色使いと丸みを帯びたSNK作品と異彩を放ち、シャープなライン・ドットの組み合わせと淡い色使いによる濃い画風になっている。 --というのも、本シリーズのドッターはゲーム事業を撤退していたアイレムからの移籍組だったため。当時業界最高峰と言われていた彼らは、このシリーズの他にも『[[メタルスラッグシリーズ]]』を手掛けることになる。 --キャラ人数を重視する作品だけに一人一人のモーションパターンの数量は餓狼伝説などには劣るため、必殺技・超必殺技の動きは荒く見える場合が多かった。それでも本作のキャラグラフィックにおける評価は、後作での評価のハードルを図らずも引き上げてしまうほど高いものとなった。 -ルガールについて --本作ボスのルガールは凶悪なボスとして良く名が挙がる。 ---最初は上着を着た第一形態で、この状態では投げ技と必殺技を持っていない(立ち強Pはガードしても必殺技同様に体力を削られる)。投げ技を持っていない弱点を突いて、飛び込みを誘うor起き上がりに攻撃避けを出して投げ、というパターンにはめられる。 ---上着を脱いだ第二形態は高性能な技に加えて、この当時のSNKの代名詞とも言える超反応で襲ってくるため倒すのは至難であった。特に彼の必殺技「ジェノサイドカッター」は通常の必殺技でありながら、パワーゲージMAXの状態で2段共に食らうと体力MAXから9割減らされてしまう事から語り草となっている。 ---とはいえ近づいてきたところを投げたり、しゃがみ強Pが横方向に強いキャラ(餓狼チームや怒チームなど)は近づいてきたところにそれを連発するだけでかなり戦える。またパワーゲージ溜め中は反応が鈍くなるため、その隙に乱舞や突進系の(超)必殺技、投げなどが入りやすい。 ---- **総評 「豪華なのか地味なのかわからない」この中途半端さが本作の泣き所である。~ SNKゲームのラインナップは超能力や銃火器の飛び交う破天荒な世界観が当たり前のようにあったが、一堂に会するにあたって非日常性がやや薄れたことも重なり、1作内へのすり合わせの結果過去作から参戦してきたキャラたちが良くも悪くも大人しくなってしまった。 本作の新キャラクターたちもまた確かに魅力的だった。そこに加えて、同社のスターキャラ同士が同じ土俵に上がり、格闘ゲームのチーム戦を演じる。~ 実はもうこれだけでお祭り気分は申し分ないはずなのだが、「せっかくなら『サムスピ』キャラも…」と思いたくなるのが、手前勝手な人の情というものである。 サムスピキャラ以外に足りないものを挙げるなら、大味なバランスの改善、またはそれを吹き飛ばすほどの華やかな本作ならではの独自要素だろう。~ 後者の課題をクリアし、『KOF』がシリーズとして花を開かせるには、来年の発表までもう少し時を待つ必要があったようだ。 ---- **その後の展開 -続編の『[[KOF'95>THE KING OF FIGHTERS '95]]』が、ほぼ1年後である翌年の夏にリリースされた。以降、KOFシリーズは『2003』まで毎年リリースされ続けたが、『XI』以降は隔年になったことでナンバリング形式に移行している。 //2000で一回潰れた影響で2001以降は年末じゃなかったか? ギリギリ2001年に出たとかそんなだったはず -『[[KOF'97>THE KING OF FIGHTERS '97]]』では、本作から受け継がれたシステムをベースにキャラクターを操作する「EXTRAモード」が実装され、『[[KOF'96>THE KING OF FIGHTERS '96]]』風+ストックパワーゲージの「ADVANCEDモード」の2種類から選択できる。 ---- **余談 -「元々はオリジナルチームとオリジナルキャラがメインのゲームになるはずだったが、キャラ数が多すぎた関係で既存キャラを使う事になった」というのが本作のできる発端だったらしい。 --以前『餓狼伝説スペシャル』に『龍虎の拳』の主人公が隠しボスとして登場するといった夢の競演もあり、この頃から『餓狼』のキャラと『龍虎』のキャラで対戦したいという要望は少なからずあったが、本作がそれに応えて生まれたわけではなく偶然の一致なのである。 -そして、初期構想では『リーダー+似た性能の二人』というシフトが中心になる予定だった。 --リーダーの存在が大きい韓国チームやサイコソルジャーチーム、他それぞれ必殺技性能やコマンドの傾向が似通った龍虎・怒チームにもその片鱗が見て取れる。 -原作では『龍虎』が『餓狼』のおよそ10年前という設定だったが、本作では両作品のキャラクターが同時代の人物として大会に参加しているなど、原作とは似て非なるパラレルワールドの設定となっている。 --元々は「夢の共演」であり原作の年代差などは考慮せずに制作されていたのだが、『KOF』が人気となりシリーズ化されたことで独自のストーリーを展開していくことになり、各キャラクターにも原作に無いKOF独自設定が付加されていった。 --その後各原作が事実上終了してKOFだけが継続した結果、KOFでのキャラ付けの方が有名になってしまうという逆転現象も起きている。 -「ゲーメスト」において1994年のゲーメスト大賞を受賞している。 -後にリリースされた携帯アプリ向け恋愛ゲーム『[[デイズ オブ メモリーズ]]』シリーズでは、『KOF』『餓狼』の現代勢と『サムスピ』『月華の剣士』の江戸勢の競演が実現した。「やっぱ“夢の競演”といったらこのくらい大胆な方がいいか」という路線に考え直したという事だろうか。また、KOF自体も『XIV』でようやく『サムスピ』出典キャラの本編参戦が叶った。 --『DOM』については後にニンテンドーDSにも移植されている。 -実は草薙京は開発の初期段階では暴走族のヘッドで「霧島 翔」と呼ばれていた((更にその前は「良牙」だったという。))。紆余屈折を経て改造学ラン姿の現行デザインに変更され、更に開発終盤になってからキャラ名が「草薙 京」に変更されて「ヤマタノオロチを退治したという草薙流古武術の使い手で留年高校生」という設定も追加された((資料集に記載されている本作のOPデモの絵コンテの指示では、現在の京のデザインとなった主人公を「ショウ」と記載している。))。 --もし霧島翔のまま主人公として登場していたら、KOFシリーズの展開がどうなっていたか気になるところではある。その霧島翔もDC版『'99』のエクストラストライカー、『2000』の京のアナザーストライカーとしてゲームに登場している。 -本作のタイトルは『餓狼伝説』および『龍虎の拳2』でギースが主催していた格闘大会の名前に由来する。(海外版『餓狼伝説』のサブタイトルでもある) --本作の少し後の1995年2月1日に稼働した、同じくSNKクロスオーバー作品の『クイズ キング オブ ファイターズ』というタイトルも同じ由来を持つが、本作との関わりは薄い。 -ラスボスのルガール・バーンシュタインは『餓狼伝説』シリーズのボスキャラであるギースの「烈風拳」とクラウザーの「カイザーウェーブ」、また本作の麻宮アテナの「サイコリフレクター」に似た「ダークバリア」を使うのだが、~ これは企画当初の「プレイヤーの技を見ただけで完全に使いこなしてしまう」という設定が実現できなかったため、その名残として「優れていると思った技をなんでも取り入れる」という形として既存の必殺技などを使うようになった、ということである。 -勝利メッセージ画面のバストアップイラストのうち、餓狼・龍虎勢のうち3名(アンディ、ジョー、ユリ)については、各種出展作品の公式イラストからのトレスだったりする。 ---- **家庭用移植 -1994年10月1日にネオジオROM版が、同年11月2日にネオジオCD版が発売された(発売元は共にSNK)。CD版は激長ロードがアレな事とアレンジBGMに変更されている、パワー溜めのボイスが通常の攻撃時のボイスに差し替えられている事を除けば、それ以外は両者共にほぼ完全移植となっている。なおCD版のロードは後発のKOFと違い、試合開始前に6人分のキャラをロードする為試合中のロードが無い(その分ロード中は極長だが)。 -ネオジオ以外のプラットフォームにおいてはしばらくの間は一切移植がされなかった((理由の一つに、本作発売直後にSNKがMVS及びネオジオゲームの他機種への移植を取りやめることを発表したことがある。これは、ハイエンド機であるネオジオのいわば廉価版であるネオジオCDを、SSやPSのライバル機のような位置づけとして構え、それまでのネオジオゲームを自社独占とし、いわゆる32ビット機戦争に参戦していた経緯がある。しかしアクションゲームがメインなのに読み込み時間が長いネオジオCDの売れ行きは芳しくなく、この発表から約1年後にセガとクロスライセンスを結んでSSに参入、後にPSにも参入した。だが本作と『真サムライスピリッツ』は時期的なタイミングが悪く、長らく移植作が登場しないこととなった。))が、2004年12月28日に10年ぶりのリメイク移植『THE KING OF FIGHTERS '94 RE-BOUT』が発売された(詳しくは下記にて)。 --2007年11月6日からネオジオROM版がWiiの[[バーチャルコンソール>http://game.snk-corp.co.jp/event/virtual-console/kof94/index_kof94_j.html]]にて配信されている。要900Wiiポイント。 --2010年12月22日からプレイステーション・ポータブル/同3の[[ネオジオステーション>http://game.snk-corp.co.jp/game/neogeostation/lineup/details.php?id=8]]にもネオジオROM版基準が配信されていたが、2016年7月27日を以て本作を含めた全タイトルが配信終了となった。要700円(PSP)/要900円(PS3)。 ---PS3版に限りネット対戦も可能であった。 --2016年10月27日、PS4にてMVS版が配信開始。ハムスターが展開する『アーケードアーカイブス』から派生した『アケアカNEOGEO』の第一弾としてリリースされた。 --2017年3月16日、Nintendo Switchの方でもハムスターがアケアカNEOGEOの一つとしてリリースされた。こちらはSwitch発売日である3月3日に同時に配信されていた『'98』より、ほんのわずかに遅れての配信となった。 ---ネオジオROM版ではなくMVS版の完全移植はこれが史上初となる。クレジット投入やレベル表記なども再現、他の配信タイトル同様に5分間でどれだけスコアを稼げるか競う「キャラバンモード」も搭載されている。ただしサービスの趣旨からか、残念ながらネット対戦は搭載されていない。((元々アーケードアーカイブスは「当時のタイトルを忠実に再現することを目指している」という趣旨から、付加要素については最小限に留めているためである)) -また、2009年5月21日に発売されたオムニバス集『SNK ARCADE CLASSICS Vol.1』、及び2010年6月24日に発売された『ザ・キングオブファイターズ'94~'98 チャプター・オブ・オロチ』(発売元は共にSNKプレイモア)にも本作が収録されている。 ---- *THE KING OF FIGHTERS '94 RE-BOUT 【ざ きんぐ おぶ ふぁいたーず ないんてぃふぉー りばうと】 |ジャンル|対戦格闘|&amazon(B00067HMZS)| |対応機種|プレイステーション2|~| |発売・開発元|SNKプレイモア|~| |発売日|2004年12月28日|~| |判定|なし|~| |ポイント|初のネオジオ関連以外のKOF94移植&br()リメイクと移植の二本立て|~| **概要(RE-BOUT) -『KOF'94』のリメイク移植であり、ネオジオ以外では初の家庭用移植でもある。 --当時、家庭用ゲーム機が16ビット機から32ビット機への移行期であった94年から95年にかけての約一年ほど、SNK・ADKのネオジオ作品が他社のハードへの移植作を取りやめていた時期があった。~ セガと契約し初めて自社制作発売で移植したネオジオ作品が『KOF'95』であり、PSにもソフトを提供するようになり以後はその空白期間の作品も徐々に移植されるようになっていったが、年一本ペースで発売される『KOF』(及び『サムスピ』)に関しては最新作を移植するのが精いっぱい(アーケード→ネオジオ→ネオジオCD→他機種という順だがその間隔は相当な短さ)であり、『KOF'94』に関しては長い間他社ハードへの移植が行われる機会が与えられなかった。 --然るに、本作のリリースは隔年リリースに変わった後のシリーズの10周年を記念した企画として行われたものであり、ハードはPS2になってからであった。 -ドットをハイレゾ化するなどグラフィックをPS2相当にすべてリニューアルし調整を加えたリメイクと、原則として原作『KOF'94』のネオジオROM版をベタ移植したオリジナルの2本が収録されている。 --リメイク版は原作では不可能だったチームエディットが可能となり、CPU専用ボスだったルガール・バーンシュタインと、本来は『'95』から登場する草薙柴舟が使用可能となっている。~ また、ネオジオROM版でのバグについては危険性の高いものは削除する一方、プレイの幅を広げたり面白みがあるものについては残されているなど、完全に作り変えてしまうのではなく、あくまで『'94』の雰囲気を残したままのリメイクとなっている。 -ネオジオCD付属のパッドをPS2用にボタンを増やすなどリファインしたコントローラー『ネオジオパッド2』と記念に作成されたゲーメストムックが付属していた。 -マルチマッチングBB対応で、ネット対戦可能だった。 -OPも当時のドット絵のものではなく新規アニメが作成されている。キャラクターデザインは当時のキャラクターイラストの濃い画風が忠実に再現されており、2004年発売の作品とは思えないほどに90年代アニメの雰囲気を醸し出している。 //ザ・キング・オブ・ファイターズ ザキングオブファイターズ ザ・キングオブファイターズ キングオブファイターズ(検索用、消さないこと)

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