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*シンクロニカ 【しんくろにか】 |ジャンル|音楽シミュレーション|CENTER:&ref(http://bandainamcoent.co.jp/am/vg/Synchronica/img/figure_01.png,,width=150)リニューアル筐体|~| |対応機種|アーケード|~|~| |発売・開発元|バンダイナムコエンターテインメント|~|~| |稼働開始日|2015年6月18日|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|『太鼓の達人』の次段階を目指す音ゲー&br;作り込みは悪くないがとにかく地味&br;設置店舗数少なすぎで知名度も低い&br;マツコ「無理よこれ…」|~|~| //初期版筐体&br;&ref(http://www.otogesai.jp/img/entry5.png,,width=250)| &bold(){本項目では2015年6月18日~2016年7月20日まで稼働していた大型アップデート実施前(REV 1.XX台)のシンクロニカについて解説します。} ---- #contents(fromhere) ---- **概要 [[太鼓の達人シリーズ]]で有名なバンナムによる「二人協力音楽ゲーム」という触れ込みの新たな音楽ゲーム。~ 「二人協力」とは謳っているものの、一人でも普通に遊べるのでご安心を。 「『太鼓の達人』をある程度極めた人が次にやる音ゲー」というコンセプトであり、『[[crossbeats REV.]]』程では無いが設計思想はややコアユーザー向け。~ とはいえUIデザインやNORMAL譜面、そして明快さを意識したシステムなど、ある程度間口の拡大を図ろうとする構造は見られる。 **ゲーム概要 -自由位置式のタッチパネル音ゲー。他音ゲーで例えるなら『[[押忍!闘え!応援団]]』が構造としては一番近いと思われる。 -譜面の難易度はNORMAL、ADVANCED、TECHNICALの3段階((ただし2016年のエイプリルフールネタとして「PANDORA」という第4の難易度が1日限りで追加されていた。一人プレイでもライフゲージが出現し、連続5回ミスで強制終了になるが、ライフゲージを回復させることは可能。後に「PANDORA」で出して欲しい曲や仕様についてアンケートを募集している。))。 --一部の楽曲のTECHNICALは、ADVANCEDでAランク以上か「UNBROKEN COMBO」を達成するまで選択できない。 -マーカー(ノート)の種類は以下の通り。 --タッチ ---マーカーの外枠から球が入ってくるので、球と外枠が重なった瞬間にマーカーをタッチする。 ---タッチのみ、重なった瞬間にマーカーの真ん中に指を滑らせることでも判定される。ただし、判定される範囲は普通にタッチするよりは狭くとられる。~ 密度の高い連続タッチを指を滑らせるだけで捌くテクニック「グリッサンド」は強力だがより正確さが要求される。 --ホールド ---タッチと同様に球と外枠が重なった瞬間にマーカーをタッチ。そのまま押し続けると外枠に沿ってゲージが下から左右へ進むので、ゲージが上に達した時に離すとボーナス(リリースボーナス)。一瞬だけなら離してしまってもホールドは維持される。 --ムーヴ ---ホールドと同様に押し続けるが、押しながら軌跡に沿って終点まで移動する必要がある((移動する軌跡と最適なスピードも表示されるが、離す時に終点に位置してさえいれば問題なく、移動速度は判定に影響しない。))。ホールドと同じく、下左右からのゲージが触れた瞬間に離すとボーナス。ちなみにこれも一瞬だけ外れても大丈夫。 --スワイプ ---大きい弓型のマーカー。同じ弓型のシルエットがマーカーと重なる瞬間、指定の方向に向けて滑らせる。 --フリック ---スワイプと同様に素早くドラッグするノーツだが、「タッチ」と同じ形状・大きさ。難易度ADVANCED以上の譜面でのみ出現。 -判定はPERFECT、GREAT、GOOD、FAST/SLOWの4段階。FAST/SLOWがミス扱いとなり、見逃しはSLOWとしてカウントされる。 -スコア計算はPERFECT*10点、GREAT*8点、GOOD*4点、FAST/SLOWが0点。CLEAR RATEはスコア獲得率を示しており、演奏終了時に70%を超えていればクリア。 --ホールド・ムーブのリリースボーナスはPERFECTに相当する青色と、GREAT~GOOD相当の黄色の2段階。ただしこれは演奏中には特に何も影響しない。 --クリア判定が行われた後に、リリースボーナスの判定分と最大コンボ数のそれぞれ10%分が得点とCLEAR RATEに加算される。 ---この最終スコアのCLEAR RATEからリリースボーナス含めて全てPERFECTでRz(Rezonated)、以下AAA、AA、A、B、Cとランク評価がされる。 ---よってRz達成時に到達するスコア理論値はノーツ数×12、CLEAR RATEはスコアに比例して120%となる。 **特徴 -二人協力を推すため、1筐体は2画面が横に連なる構造をしている。 --片側で1人プレイも可能。この場合、左右それぞれで独立して1人プレイを行う事も出来る。 --加えて、設定を『合流OK』にするともう片方側の途中参加でマルチプレイに移行することまで出来る。混雑してタイミングを合わせづらい環境にとっては嬉しいシステム。 --2人プレイでは「マルチコンボ」という要素が追加される。目標を開始前にマルチミッションで選択し、その分を達成する事でミッションクリアとなる。 ---ライフゲージは1ミスで1メモリ分減る。ゲージは2人分を合計して5メモリ分まで。 ---どちらかのライフが残っている限りマルチコンボは継続され、上手く演奏出来ればゲージも回復していく。 ---両者のライフが尽きた状態でミスをすると、どちらかがライフ1マス分を回復するまでマルチコンボは減少し続ける。 --演奏中、画面上部のボタンを押すと「Sync Burst」が発動しマルチコンボの増加数が増える。発動は1人1回。 --二人で同時に同じ判定を取ると「SYNC」が発生。この発生数により、曲終了後のマルチコンボにボーナスが加わる。 --曲終了までマルチコンボを一度も減らさなかった=ライフを維持し続けた場合は「UNBROKEN COMBO」となる。 -オプションについて --デフォルトでは「ノーツのタイミング予告速度がBPMに依存する」仕様のため稼働時点ではBPMが早ければ早い程ノーツの予告時間が短くなる欠点を抱えていた。 --アップデートにより「タイミング予告速度をBPMに依存させず一定にする」オプション((他音ゲーで言えば『beatmania IIDX』のREGUL SPEEDのような感覚。))、ハイスピードオプション、ノーツサイズオプション(見た目のみで判定範囲は変わらない)が追加され、自分好みに設定できるよう改善された。 -クラウン --一言で言えば「実績システム」。プレー内容に応じた実績が設定されており、一部クラウンの獲得がマーカーや称号とエンブレム(後述)の解禁条件になっている。 -称号とエンブレム --称号は3パーツ制になっており、好きなキーワードを組み合わせて称号を作る事が出来る。 --エンブレムは2パーツ制で、下部のベースパーツと上部のフロントパーツを重ねあわせてアイコンを作ることが出来る。 ---- **評価点 -自由配置方式によるアクション性の高さ --マーカーは画面上どこにでも配置されるため画面全体をフルに使って演奏する必要がある。さらにムーヴやスワイプ/フリックの存在によって、タッチパネル音ゲー随一とも言える高いアクション性を持っている。 --自由配置式だからと言って、視覚的(手で覆っている位置にノーツが出るなど)や物理的に辛い配置はあまり無いといった配慮はキッチリされている。 -ビジュアル面の良さ --各曲には専用の背景ムービーと固有のタッチエフェクトが搭載されている。 --タッチパネル音ゲーでは比較的演出に拘られている部類でもあり、ノーツ種類や曲の場面ごとに対応し、非常に多彩なタッチエフェクトが出現する。~ 例を挙げるなら「夏祭り」における夜空の背景に対する花火のエフェクトや「紅蓮の弓矢」における炎のエフェクトなど。天下一音ゲ祭参加に際して『太鼓の達人』から移植された「きたさいたま2000」では背景と譜面が歌詞通りのネタである(元)埼玉県北埼玉郡をホールドさせる構成で、プレイヤーの笑いを誘った。 -スクリーンショット機能 --演奏中にGREAT以下を出した時やリリースボーナスを外したなどのプレーに関する印象的な場面と曲中でのビジュアルエフェクト、リザルト画面が自動的にスクリーンショットとして仮保存されており、リザルト画面で見ることが出来る。さらにこの内1プレイで5枚を保存することができ、連動サイトのシンクロニカラウンジから最新50枚がいつでも見られる。 --ビジュアルエフェクトはノーツが取り除かれた状態で保存されるためビジュアルをじっくりと見ることが出来る。 -1曲のやりこみの深さ --上記のようにCLEAR RATEにはコンボとリリースボーナスが関わっている。 --『maimai』などと違いこのゲームの長押し終端は初見では対応しづらく、理論値取得には反復や研究が必要。『crossbeats REV.』とは違った方向性で奥深さを生み出すことに一役買っている。 --やはりコンボやリリースボーナスはクリアの可否自体には影響せず、より多くPERFECT/GREATを取ればいい。取っ掛かりは悪く無い。 -イヤホンジャック搭載 --太鼓の達人では環境によってはスピーカーが聞き取りづらく、外装の仕様上イヤホンジャックの後付けは難しい。しかしシンクロニカでは標準搭載で気軽に使用可能。 --画面左下のヘッドホンマークをタッチした後、表示されるバーをスライドして音量調整が出来る。 -一部の楽曲チョイス --太鼓の達人に続くと言う事もあり、あちらから「さいたま2000」や「エンジェルドリーム」等のオリジナル曲が移植されている。 ---高難易度でありながら『太鼓の達人』でも人気のある曲のためチョイスとしては好評。 --他にも「シンデレラガールズフェス」と題して『アイドルマスター シンデレラガールズ』の楽曲を収録するイベントが行われ、他音ゲーはもちろん太鼓の達人にすら収録されていない同タイトルからの楽曲が多数収録されている点は評価できるだろう。難易度ADVANCED以上でフルコンボすればアニメの映像が導入される特殊な演出も用意されている。 ---女性プレイヤーが多いのか「アイドリッシュセブン」とも同様のイベントが行われている。 --オリジナル楽曲である「Synchronicity」や「God Ray」等評価の高い新曲もあり、太鼓の達人にも数曲が相互移植されている。 -「貢ぎ」の少なさ --他音楽ゲームでは時として楽曲等の解禁に至るまでのクレジット数の多さが批判を浴びることも多いが、~ 本作ではほとんどの楽曲が無条件による追加である。一部解禁が必要な楽曲やマーカー、エンブレムも概ね10クレジット以下で解禁することができ、良心的と言える。 ---- **問題点 -楽曲面の決定打の無さ --楽曲は定番J-POPとアニソン・ゲーム音楽、クラシック、[[ボカロ>SEGA feat. HATSUNE MIKU Projectシリーズ]]・[[東方アレンジ>東方Projectシリーズ]]と一通りそろえているが、正直決定打に欠ける面子。 ---「他機種で収録されている有名曲を一通り揃えている」とも言えるが、「他機種の使い古し・出がらしを集めただけ」という見方もできる。 --音ゲーはゲーム性はもちろん、インパクトのある機種独自の楽曲も重要な存在であり、そういった面で本作は安易な人気曲を一通り集めただけで、独自性をほとんど発揮できていない。 ---アップデートにより万遍なく着々と収録曲は増えてきているが、インパクトのある選曲という意味では現時点でもあまり出来ていない。 --ナムコの顔でもあろう『アイドルマスター』(THE IDOLM@STER)シリーズ楽曲を多数収録しているが、その選曲の偏りも問題の一つとなっている。 ---メインと言える765プロダクションの楽曲は「MUSIC♪」のみ。 ---『アイドルマスター シンデレラガールズ』の「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律」は、アニメジャンルではあるもののデフォルト収録。 ---その後イベントで「メッセージ」「Star!!」「Memories」「Trancing Pulse」「M@GIC☆」「LET'S GO HAPPY!!」「Heart Voice」「GOIN'!!!」が収録されるが、いずれもシンデレラガールズの楽曲、それもTVアニメ版が初出の曲ばかりである。良くも悪くも「''デレマスにおんぶにだっこ''」な状態がずっと続いている。 ---なお『アイドルマスター ミリオンライブ!』の楽曲に関しては''一曲も収録されていない''((ちなみに太鼓の達人においても「Thank You!」一曲のみ。なぜバンナム製音ゲーはミリマスを冷遇するのか…。付け加えれば、876プロのDearly Stars楽曲及びJupitarなどsideMの315プロの男性楽曲も本作には未収録だが、両者とも太鼓の達人には一部収録されている。))。 ---キャッチーでテンポもノリも良くニコニコ動画などで話題にもなった「GO MY WAY!!」や「キラメキラリ」などもまさかの未収録。こういった人気曲を使わないのは惜しい。 --この手のゲームにおける「レトロ枠」も「[[パックマン]]」のアレンジのみ。せめて太鼓に入っている「[[ドラゴンスピリット]]」や「[[源平討魔伝]]」辺りを入れてくれてもよかったのではなかろうか。 --問題点…とは言えず余談でもあるが、「バラエティ」はバラエティという皮を被った「東方アレンジ」フォルダである。((2016年11月17日のアップデートでBMS発出の楽曲「conflict」がバラエティフォルダに収録されて、一応東方アレンジオンリーではなくなった。)) ---他社の『[[GROOVE COASTER 2>GROOVE COASTER 2 HEAVENLY FESTIVAL]]』『[[BeatStream]]』『[[CHUNITHM]]』などはしっかりと『東方アレンジ』としてカテゴライズされている。 ---やはり収録曲の少なさもあると思うが、太鼓の達人のようにCMオリジナルソングやお笑い芸人の持ち歌などを入れる余地はあったはず。 -パッとしないジャケット --オリジナル楽曲・カバー楽曲におけるジャケットがムービーの一部の一枚絵そのもの。 ---ゲームを通した抽象的なイメージに合わせるためか、一部を除いて楽曲名やアーティスト名すらも表記されていない。 ---他音楽ゲームを見ると楽曲イメージキャラとしてイケメンや美少女が描かれたジャケットは無数に存在し、ネタキャラを描くことで笑いを誘うジャケットも多く存在する。~ そうでなくとも楽曲のイメージに沿ったジャケットが作られ、ムービーを引用していてもほとんどの場合調整が入っている。~ また曲名やアーティスト名の書かれ方も楽曲イメージを広げるための重要なポイントである。せっかく非常に大きくジャケットが表示されるのに楽曲同様''インパクトに欠けている''。 --「第二回 天下一音ゲ祭」の課題曲であった「夜明けまであと3秒」はムービー引用そのものだがクオリティも高く曲名も入っている。 --本人歌唱の楽曲はちゃんと本家本元のジャケットを使用している。 ---先程の「MUSIC♪」もゲーム内で使用されているもの。 --一部では「ジャケットの必要は…」との声も。 --余談になるが「ロストワンの号哭」も初めは机とハサミの公式PVをイメージした汎用ムービーの一枚絵ジャケットだった。 ---現在はタイトルこそはないものの、例の背合わせのジャケットに戻されている。 -全体のやりこみの浅さ --1曲のやりこみの深さは評価点であったが、逆に全体としてのやりこみ要素は少ない。 --他機種にレーティング・スキル・段位等として存在する腕前指標が存在しないため、上達した事を示す明確な指標がない。 --また、他機種にあるような1バージョンを通じた解禁システムも存在せず、「楽曲を解禁していく」という目的は発生し得ない。 ---イベント等で楽曲やマーカーが解禁出来ることもあるが、バージョン通しての解禁とイベントを両立しているゲームが大半ではある。 --ゲーム全体としての目標を持ちづらいため、見た目の地味さと合わさってあっさりとした薄めのゲームという印象をより強くしてしまっている。 -全体的に漂う地味な印象 --筐体は見た目も形状も非常にシンプル、さらに白とオレンジのカラーリング、まだ電飾も一切ないなど非常に地味。初心者が威圧感を覚えないように、との事なのかもしれないがシンプル極まって地味過ぎる。 --UIも水色を基調としたこちらもシンプルな配色。ゲーム全体を通して抽象的なビジュアルで構成されている。画面もゴテゴテせずオシャレかつ格好良くはあるのだが、いかんせん派手さに欠けるため他の音楽ゲームと比べるとどうしても見劣りしてしまう。 -イベントに関して --楽曲に関しては大部分が無条件追加であるが一部の隠し楽曲と隠しマーカーの解禁条件が指定楽曲数曲を「『ADVANCED』以上でフルコンボ」もしくは「2人とも『ADVANCED』以上でUNBROKEN COMBO」に設定されている。当然ながら初心者には厳しい設定であり、UNBROKEN COMBOの方が達成しやすい関係上仲間のいない1人プレイヤーにも厳しい。 ---ただし指定楽曲1つを何度もやることでも解禁可能。だが何故か筐体上のみ、しかもほんの一瞬しか説明されない。((条件を狙う際に必然的に指定楽曲を何度も遊ぶことになるので、救済措置と取れる。)) -設置店舗数の少なさ、及び知名度の低さ --2016年11月1日時点で''174店舗''と、設置店舗数が極端に少ない((現行稼働しているアーケード音ゲーでは最も少ない『PUMP IT UP 2015 PRIME JAPANESE EDITION』の次点である。))。バンナムグループの直営店にすら設置が少なく、1台も無い、あるいは1店舗しか設置されていない県も多く、地方在住者は「遊びたくても設置店がなく、遊ぶことができない」という事態に陥ることが非常に多い。 ---同時期に稼働した作品で例を上げると、設置店舗数が決して多いとは言えない『crossbeats REV.』でも587店舗、『CHUNITHM』に至っては''1170店舗''(共に2016年6月18日現在)と圧倒的な少なさが分かるだろう。店舗の運営会社や土地柄などの諸事情はあるかもしれないが、この数では「そもそも流行らせる気がない」と思われても仕方がないレベル。 --宣伝等も全くと言ってよいほど行われなかったせいで知名度がとにかく低い。%%勝手にユーザーから寄ってくると思ったのだろうか。%%せっかく置いてある店によっても、インカム低迷により奥に追いやられてさらに新規の目に付きづらくなるという悪循環まで起こっている。 ---なお、&u(){本作の稼動は『CHUNITHM』や『crossbeats REV.』よりも若干だが早い。}つまり新作音ゲーが存在していない頃に現れた期待の新星であり、立ち回り次第では後続の作品群に大きく差をつける絶好のチャンスもあった。にもかかわらず稼動当初から積極的な行動に出ることは一切なくダラダラと低空飛行を続け、結果後続の『CHUNITHM』が大ヒットを決めて一人勝ちしてしまい、今作のスタートダッシュが完全に失敗になってしまったのが残念でならない(何の手も打たなかった開発の責任ではあるが)。 --稼働開始から2年と1ヶ月(2017年7月現在)経った今は243店舗とそれなりに増えて来てはいるが、1店舗しか稼働してない店は4県に当たり、設置なしは4県もある((1店舗のみは、岩手、山梨、岡山、長崎の4県。未だ稼働無しは福井、島根、宮崎の3県で鳥取は過去に設置されていたが現在は無し。)) ---- **総評 アクション性やビジュアル面、奥深さなどポテンシャルを持ちながらもシンプル過ぎる見た目や決定打の無い楽曲面、アピールポイントの「二人協力プレイ」による誤認((上記のように1人プレイが可能でかつそれによるプレー上のハンデは一切無い。イベントで条件達成の難易度が下がる程度。))、宣伝不足による知名度不足、そして何より設置店舗不足によってポテンシャルが伝わる土壌が育っていないのが現状。~ 特に宣伝不足と設置店舗不足に関してはゲーム内容だけでは最早どうしようもない問題。~ 稼動から一年経った現在でも人気は低迷しており復活の兆しは見えていない。''設置店舗数の拡大及び認知度の上昇が最大の課題になる''。~ 大ヒットを決めた『CHUNITHM』と同時期に稼働し、仲良く煮え湯を飲まされた同期である『[[crossbeats REV.]]』『[[MUSECA]]』は、当時時点では本作の倍以上の設置数を持ち、かつ大幅な方針転換を含めた大規模なアップデートで巻き返しを図っていた(結局それは叶わず撤退する羽目になってしまったが)。~ 好調な『CHUNITHM』はもちろんのこと、各種音ゲーが少ない客を食い合っている現状において、本作はまともな立ち位置すら確保できていない厳しい状況にある。これは上述の二機種にも同じことが言えていたが、本作も例に漏れず深刻な状況に陥っている。 //稼働から一年経ち、第2回天下一音ゲー祭の参加作品に選ばれるなど芽は出てきているが、魅力を伝えられる土壌を作れるかでその先が決まると言っても過言ではないだろう。 ---- **余談 -売り込み方針 --ロケテ時から筐体背面のポップには大きく「太鼓の達人に続く!!」とロゴ入りのキャッチコピーと「和田どん/かつ」が鎮座しており、『太鼓の達人』の威を借りているのが丸分かり。いくら新規の作品で知名度がないとは言えこの節操のない売り込みには批判的な声が大きい。 --なお、リニューアル版ではこれらの売り込みは影を潜め、ポップの一角に小さく描かれているのみになった。 -第2回天下一音ゲー祭に参加した事により、同じく新規参戦機種の『[[SOUND VOLTEX>SOUND VOLTEX BOOTH]]』と共に第1回の予選楽曲4曲が移植された。 --いずれも全て最高難易度だが「きたさいたま2000」は他の3曲を引き離すボス曲となっている。バンナム自社製曲の意地というところだろうか。 --KONAMI代表の「FLOWER」は今回の収録により、さらに収録機種数の記録を伸ばすことになった。 -テレビ番組「マツコの知らない世界」の音ゲー特集回で、なぜかマイナーな部類である本作が大きく取り上げられた。 --マツコ・デラックス氏が達人のプレイを見て「何やってんのこの人たち」と感想を漏らし、その後自身もプレイするが高難度だったため「&bold(){無理よ これ…}」とコメント。 ---音ゲーマーには汎用性の高いそのシーンがコラ画像の素材になったり、何故か''番組とは全く無関係の''『[[crossbeats REV. SUNRISE]]』にて称号「ムリよぉ これ…」として登場する((同作での獲得条件は「UNLIMITED譜面をCLEAR RATE49%以下でクリア」))等、それなりに話題を集めた。 ---が、''マツコの名言だけが注目''されてしまった結果、せっかく番組で大々的に取り上げられたにもかかわらず本作自体の知名度にはあまり影響しなかった模様。 -稼働から1年が過ぎた2016/07/21に大型アップデートを実施している。 --筐体装飾の一新(冒頭のリニューアル筐体の画像参照)、レーティングシステムの追加、フルコンボ系マークの追加、PANDORA譜面の恒常化、オプション拡充、恒常解禁システムの追加などが行われた。 --ゲームタイトルそのものは『シンクロニカ』のまま変わっていない(サブタイトルが増えていたりはしない)。 -低空飛行ながらも稼働開始から3年以上現役稼働を続けており、何かと短命な作品が多かった音ゲー新規機種の中ではむしろ長生きな部類に入っていたが、2019年9月30日をもってのオンラインサービス終了が告知されてしまった。 //記念プレイ等を行う場合はお早めに。 --本作及び『CHUNITHM』の同期的存在ともいえる『crossbeats REV.』『MUSECA』両機種も既にオンラインサービス終了に追い込まれており、本作もその後を追うこととなった。とはいえ、絶望的な状況下で現行の人気機種相手に4年以上持ちこたえたことを考えれば健闘したと言えるだろう。
*シンクロニカ 【しんくろにか】 |ジャンル|音楽シミュレーション|CENTER:&ref(http://bandainamcoent.co.jp/am/vg/Synchronica/img/figure_01.png,,width=150)リニューアル筐体|~| |対応機種|アーケード|~|~| |発売・開発元|バンダイナムコエンターテインメント|~|~| |稼働開始日|2015年6月18日|~|~| |判定|なし|~|~| |ポイント|『太鼓の達人』の次段階を目指す音ゲー&br;作り込みは悪くないがとにかく地味&br;設置店舗数少なすぎで知名度も低い&br;マツコ「無理よこれ…」|~|~| //初期版筐体&br;&ref(http://www.otogesai.jp/img/entry5.png,,width=250)| &bold(){本項目では2015年6月18日~2016年7月20日まで稼働していた大型アップデート実施前(REV 1.XX台)のシンクロニカについて解説します。} ---- #contents(fromhere) ---- **概要 [[太鼓の達人シリーズ]]で有名なバンナムによる「二人協力音楽ゲーム」という触れ込みの新たな音楽ゲーム。~ 「二人協力」とは謳っているものの、一人でも普通に遊べるのでご安心を。 「『太鼓の達人』をある程度極めた人が次にやる音ゲー」というコンセプトであり、『[[crossbeats REV.]]』程では無いが設計思想はややコアユーザー向け。~ とはいえUIデザインやNORMAL譜面、そして明快さを意識したシステムなど、ある程度間口の拡大を図ろうとする構造は見られる。 **ゲーム概要 -自由位置式のタッチパネル音ゲー。他音ゲーで例えるなら『[[押忍!闘え!応援団]]』が構造としては一番近いと思われる。 -譜面の難易度はNORMAL、ADVANCED、TECHNICALの3段階((ただし2016年のエイプリルフールネタとして「PANDORA」という第4の難易度が1日限りで追加されていた。一人プレイでもライフゲージが出現し、連続5回ミスで強制終了になるが、ライフゲージを回復させることは可能。後に「PANDORA」で出して欲しい曲や仕様についてアンケートを募集している。))。 --一部の楽曲のTECHNICALは、ADVANCEDでAランク以上か「UNBROKEN COMBO」を達成するまで選択できない。 -マーカー(ノート)の種類は以下の通り。 --タッチ ---マーカーの外枠から球が入ってくるので、球と外枠が重なった瞬間にマーカーをタッチする。 ---タッチのみ、重なった瞬間にマーカーの真ん中に指を滑らせることでも判定される。ただし、判定される範囲は普通にタッチするよりは狭くとられる。~ 密度の高い連続タッチを指を滑らせるだけで捌くテクニック「グリッサンド」は強力だがより正確さが要求される。 --ホールド ---タッチと同様に球と外枠が重なった瞬間にマーカーをタッチ。そのまま押し続けると外枠に沿ってゲージが下から左右へ進むので、ゲージが上に達した時に離すとボーナス(リリースボーナス)。一瞬だけなら離してしまってもホールドは維持される。 --ムーヴ ---ホールドと同様に押し続けるが、押しながら軌跡に沿って終点まで移動する必要がある((移動する軌跡と最適なスピードも表示されるが、離す時に終点に位置してさえいれば問題なく、移動速度は判定に影響しない。))。ホールドと同じく、下左右からのゲージが触れた瞬間に離すとボーナス。ちなみにこれも一瞬だけ外れても大丈夫。 --スワイプ ---大きい弓型のマーカー。同じ弓型のシルエットがマーカーと重なる瞬間、指定の方向に向けて滑らせる。 --フリック ---スワイプと同様に素早くドラッグするノーツだが、「タッチ」と同じ形状・大きさ。難易度ADVANCED以上の譜面でのみ出現。 -判定はPERFECT、GREAT、GOOD、FAST/SLOWの4段階。FAST/SLOWがミス扱いとなり、見逃しはSLOWとしてカウントされる。 -スコア計算はPERFECT*10点、GREAT*8点、GOOD*4点、FAST/SLOWが0点。CLEAR RATEはスコア獲得率を示しており、演奏終了時に70%を超えていればクリア。 --ホールド・ムーブのリリースボーナスはPERFECTに相当する青色と、GREAT~GOOD相当の黄色の2段階。ただしこれは演奏中には特に何も影響しない。 --クリア判定が行われた後に、リリースボーナスの判定分と最大コンボ数のそれぞれ10%分が得点とCLEAR RATEに加算される。 ---この最終スコアのCLEAR RATEからリリースボーナス含めて全てPERFECTでRz(Rezonated)、以下AAA、AA、A、B、Cとランク評価がされる。 ---よってRz達成時に到達するスコア理論値はノーツ数×12、CLEAR RATEはスコアに比例して120%となる。 **特徴 -二人協力を推すため、1筐体は2画面が横に連なる構造をしている。 --片側で1人プレイも可能。この場合、左右それぞれで独立して1人プレイを行う事も出来る。 --加えて、設定を『合流OK』にするともう片方側の途中参加でマルチプレイに移行することまで出来る。混雑してタイミングを合わせづらい環境にとっては嬉しいシステム。 --2人プレイでは「マルチコンボ」という要素が追加される。目標を開始前にマルチミッションで選択し、その分を達成する事でミッションクリアとなる。 ---ライフゲージは1ミスで1メモリ分減る。ゲージは2人分を合計して5メモリ分まで。 ---どちらかのライフが残っている限りマルチコンボは継続され、上手く演奏出来ればゲージも回復していく。 ---両者のライフが尽きた状態でミスをすると、どちらかがライフ1マス分を回復するまでマルチコンボは減少し続ける。 --演奏中、画面上部のボタンを押すと「Sync Burst」が発動しマルチコンボの増加数が増える。発動は1人1回。 --二人で同時に同じ判定を取ると「SYNC」が発生。この発生数により、曲終了後のマルチコンボにボーナスが加わる。 --曲終了までマルチコンボを一度も減らさなかった=ライフを維持し続けた場合は「UNBROKEN COMBO」となる。 -オプションについて --デフォルトでは「ノーツのタイミング予告速度がBPMに依存する」仕様のため稼働時点ではBPMが早ければ早い程ノーツの予告時間が短くなる欠点を抱えていた。 --アップデートにより「タイミング予告速度をBPMに依存させず一定にする」オプション((他音ゲーで言えば『beatmania IIDX』のREGUL SPEEDのような感覚。))、ハイスピードオプション、ノーツサイズオプション(見た目のみで判定範囲は変わらない)が追加され、自分好みに設定できるよう改善された。 -クラウン --一言で言えば「実績システム」。プレー内容に応じた実績が設定されており、一部クラウンの獲得がマーカーや称号とエンブレム(後述)の解禁条件になっている。 -称号とエンブレム --称号は3パーツ制になっており、好きなキーワードを組み合わせて称号を作る事が出来る。 --エンブレムは2パーツ制で、下部のベースパーツと上部のフロントパーツを重ねあわせてアイコンを作ることが出来る。 ---- **評価点 -自由配置方式によるアクション性の高さ --マーカーは画面上どこにでも配置されるため画面全体をフルに使って演奏する必要がある。さらにムーヴやスワイプ/フリックの存在によって、タッチパネル音ゲー随一とも言える高いアクション性を持っている。 --自由配置式だからと言って、視覚的(手で覆っている位置にノーツが出るなど)や物理的に辛い配置はあまり無いといった配慮はキッチリされている。 -ビジュアル面の良さ --各曲には専用の背景ムービーと固有のタッチエフェクトが搭載されている。 --タッチパネル音ゲーでは比較的演出に拘られている部類でもあり、ノーツ種類や曲の場面ごとに対応し、非常に多彩なタッチエフェクトが出現する。~ 例を挙げるなら「夏祭り」における夜空の背景に対する花火のエフェクトや「紅蓮の弓矢」における炎のエフェクトなど。天下一音ゲ祭参加に際して『太鼓の達人』から移植された「きたさいたま2000」では背景と譜面が歌詞通りのネタである(元)埼玉県北埼玉郡をホールドさせる構成で、プレイヤーの笑いを誘った。 -スクリーンショット機能 --演奏中にGREAT以下を出した時やリリースボーナスを外したなどのプレーに関する印象的な場面と曲中でのビジュアルエフェクト、リザルト画面が自動的にスクリーンショットとして仮保存されており、リザルト画面で見ることが出来る。さらにこの内1プレイで5枚を保存することができ、連動サイトのシンクロニカラウンジから最新50枚がいつでも見られる。 --ビジュアルエフェクトはノーツが取り除かれた状態で保存されるためビジュアルをじっくりと見ることが出来る。 -1曲のやりこみの深さ --上記のようにCLEAR RATEにはコンボとリリースボーナスが関わっている。 --『maimai』などと違いこのゲームの長押し終端は初見では対応しづらく、理論値取得には反復や研究が必要。『crossbeats REV.』とは違った方向性で奥深さを生み出すことに一役買っている。 --やはりコンボやリリースボーナスはクリアの可否自体には影響せず、より多くPERFECT/GREATを取ればいい。取っ掛かりは悪く無い。 -イヤホンジャック搭載 --太鼓の達人では環境によってはスピーカーが聞き取りづらく、外装の仕様上イヤホンジャックの後付けは難しい。しかしシンクロニカでは標準搭載で気軽に使用可能。 --画面左下のヘッドホンマークをタッチした後、表示されるバーをスライドして音量調整が出来る。 -一部の楽曲チョイス --太鼓の達人に続くと言う事もあり、あちらから「さいたま2000」や「エンジェルドリーム」等のオリジナル曲が移植されている。 ---高難易度でありながら『太鼓の達人』でも人気のある曲のためチョイスとしては好評。 --他にも「シンデレラガールズフェス」と題して『アイドルマスター シンデレラガールズ』の楽曲を収録するイベントが行われ、他音ゲーはもちろん太鼓の達人にすら収録されていない同タイトルからの楽曲が多数収録されている点は評価できるだろう。難易度ADVANCED以上でフルコンボすればアニメの映像が導入される特殊な演出も用意されている。 ---女性プレイヤーが多いのか「アイドリッシュセブン」とも同様のイベントが行われている。 --オリジナル楽曲である「Synchronicity」や「God Ray」等評価の高い新曲もあり、太鼓の達人にも数曲が相互移植されている。 -「貢ぎ」の少なさ --他音楽ゲームでは時として楽曲等の解禁に至るまでのクレジット数の多さが批判を浴びることも多いが、~ 本作ではほとんどの楽曲が無条件による追加である。一部解禁が必要な楽曲やマーカー、エンブレムも概ね10クレジット以下で解禁することができ、良心的と言える。 ---- **問題点 -楽曲面の決定打の無さ --楽曲は定番J-POPとアニソン・ゲーム音楽、クラシック、[[ボカロ>SEGA feat. HATSUNE MIKU Projectシリーズ]]・[[東方アレンジ>東方Projectシリーズ]]と一通りそろえているが、正直決定打に欠ける面子。 ---「他機種で収録されている有名曲を一通り揃えている」とも言えるが、「他機種の使い古し・出がらしを集めただけ」という見方もできる。 --音ゲーはゲーム性はもちろん、インパクトのある機種独自の楽曲も重要な存在であり、そういった面で本作は安易な人気曲を一通り集めただけで、独自性をほとんど発揮できていない。 ---アップデートにより万遍なく着々と収録曲は増えてきているが、インパクトのある選曲という意味では現時点でもあまり出来ていない。 --ナムコの顔でもあろう『アイドルマスター』(THE IDOLM@STER)シリーズ楽曲を多数収録しているが、その選曲の偏りも問題の一つとなっている。 ---メインと言える765プロダクションの楽曲は「MUSIC♪」のみ。 ---『アイドルマスター シンデレラガールズ』の「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律」は、アニメジャンルではあるもののデフォルト収録。 ---その後イベントで「メッセージ」「Star!!」「Memories」「Trancing Pulse」「M@GIC☆」「LET'S GO HAPPY!!」「Heart Voice」「GOIN'!!!」が収録されるが、いずれもシンデレラガールズの楽曲、それもTVアニメ版が初出の曲ばかりである。良くも悪くも「''デレマスにおんぶにだっこ''」な状態がずっと続いている。 ---なお『アイドルマスター ミリオンライブ!』の楽曲に関しては''一曲も収録されていない''((ちなみに太鼓の達人においても「Thank You!」一曲のみ。なぜバンナム製音ゲーはミリマスを冷遇するのか…。付け加えれば、876プロのDearly Stars楽曲及びJupitarなどsideMの315プロの男性楽曲も本作には未収録だが、両者とも太鼓の達人には一部収録されている。))。 ---キャッチーでテンポもノリも良くニコニコ動画などで話題にもなった「GO MY WAY!!」や「キラメキラリ」などもまさかの未収録。こういった人気曲を使わないのは惜しい。 --この手のゲームにおける「レトロ枠」も「[[パックマン]]」のアレンジのみ。せめて太鼓に入っている「[[ドラゴンスピリット]]」や「[[源平討魔伝]]」辺りを入れてくれてもよかったのではなかろうか。 --問題点…とは言えず余談でもあるが、「バラエティ」はバラエティという皮を被った「東方アレンジ」フォルダである。((2016年11月17日のアップデートでBMS発出の楽曲「conflict」がバラエティフォルダに収録されて、一応東方アレンジオンリーではなくなった。)) ---他社の『[[GROOVE COASTER 2>GROOVE COASTER 2 HEAVENLY FESTIVAL]]』『[[BeatStream]]』『[[CHUNITHM]]』などはしっかりと『東方アレンジ』としてカテゴライズされている。 ---やはり収録曲の少なさもあると思うが、太鼓の達人のようにCMオリジナルソングやお笑い芸人の持ち歌などを入れる余地はあったはず。 -パッとしないジャケット --オリジナル楽曲・カバー楽曲におけるジャケットがムービーの一部の一枚絵そのもの。 ---ゲームを通した抽象的なイメージに合わせるためか、一部を除いて楽曲名やアーティスト名すらも表記されていない。 ---他音楽ゲームを見ると楽曲イメージキャラとしてイケメンや美少女が描かれたジャケットは無数に存在し、ネタキャラを描くことで笑いを誘うジャケットも多く存在する。~ そうでなくとも楽曲のイメージに沿ったジャケットが作られ、ムービーを引用していてもほとんどの場合調整が入っている。~ また曲名やアーティスト名の書かれ方も楽曲イメージを広げるための重要なポイントである。せっかく非常に大きくジャケットが表示されるのに楽曲同様''インパクトに欠けている''。 --「第二回 天下一音ゲ祭」の課題曲であった「夜明けまであと3秒」はムービー引用そのものだがクオリティも高く曲名も入っている。 --本人歌唱の楽曲はちゃんと本家本元のジャケットを使用している。 ---先程の「MUSIC♪」もゲーム内で使用されているもの。 --一部では「ジャケットの必要は…」との声も。 --余談になるが「ロストワンの号哭」も初めは机とハサミの公式PVをイメージした汎用ムービーの一枚絵ジャケットだった。 ---現在はタイトルこそはないものの、例の背合わせのジャケットに戻されている。 -全体のやりこみの浅さ --1曲のやりこみの深さは評価点であったが、逆に全体としてのやりこみ要素は少ない。 --他機種にレーティング・スキル・段位等として存在する腕前指標が存在しないため、上達した事を示す明確な指標がない。 --また、他機種にあるような1バージョンを通じた解禁システムも存在せず、「楽曲を解禁していく」という目的は発生し得ない。 ---イベント等で楽曲やマーカーが解禁出来ることもあるが、バージョン通しての解禁とイベントを両立しているゲームが大半ではある。 --ゲーム全体としての目標を持ちづらいため、見た目の地味さと合わさってあっさりとした薄めのゲームという印象をより強くしてしまっている。 -全体的に漂う地味な印象 --筐体は見た目も形状も非常にシンプル、さらに白とオレンジのカラーリング、まだ電飾も一切ないなど非常に地味。初心者が威圧感を覚えないように、との事なのかもしれないがシンプル極まって地味過ぎる。 --UIも水色を基調としたこちらもシンプルな配色。ゲーム全体を通して抽象的なビジュアルで構成されている。画面もゴテゴテせずオシャレかつ格好良くはあるのだが、いかんせん派手さに欠けるため他の音楽ゲームと比べるとどうしても見劣りしてしまう。 -イベントに関して --楽曲に関しては大部分が無条件追加であるが一部の隠し楽曲と隠しマーカーの解禁条件が指定楽曲数曲を「『ADVANCED』以上でフルコンボ」もしくは「2人とも『ADVANCED』以上でUNBROKEN COMBO」に設定されている。当然ながら初心者には厳しい設定であり、UNBROKEN COMBOの方が達成しやすい関係上仲間のいない1人プレイヤーにも厳しい。 ---ただし指定楽曲1つを何度もやることでも解禁可能。だが何故か筐体上のみ、しかもほんの一瞬しか説明されない。((条件を狙う際に必然的に指定楽曲を何度も遊ぶことになるので、救済措置と取れる。)) -設置店舗数の少なさ、及び知名度の低さ --2016年11月1日時点で''174店舗''と、設置店舗数が極端に少ない((現行稼働しているアーケード音ゲーでは最も少ない『PUMP IT UP 2015 PRIME JAPANESE EDITION』の次点である。))。バンナムグループの直営店にすら設置が少なく、1台も無い、あるいは1店舗しか設置されていない県も多く、地方在住者は「遊びたくても設置店がなく、遊ぶことができない」という事態に陥ることが非常に多い。 ---同時期に稼働した作品で例を上げると、設置店舗数が決して多いとは言えない『crossbeats REV.』でも587店舗、『CHUNITHM』に至っては''1170店舗''(共に2016年6月18日現在)と圧倒的な少なさが分かるだろう。店舗の運営会社や土地柄などの諸事情はあるかもしれないが、この数では「そもそも流行らせる気がない」と思われても仕方がないレベル。 --宣伝等も全くと言ってよいほど行われなかったせいで知名度がとにかく低い。%%勝手にユーザーから寄ってくると思ったのだろうか。%%せっかく置いてある店によっても、インカム低迷により奥に追いやられてさらに新規の目に付きづらくなるという悪循環まで起こっている。 ---なお、&u(){本作の稼動は『CHUNITHM』や『crossbeats REV.』よりも若干だが早い。}つまり新作音ゲーが存在していない頃に現れた期待の新星であり、立ち回り次第では後続の作品群に大きく差をつける絶好のチャンスもあった。にもかかわらず稼動当初から積極的な行動に出ることは一切なくダラダラと低空飛行を続け、結果後続の『CHUNITHM』が大ヒットを決めて一人勝ちしてしまい、今作のスタートダッシュが完全に失敗になってしまったのが残念でならない(何の手も打たなかった開発の責任ではあるが)。 --稼働開始から2年と1ヶ月(2017年7月現在)経った今は243店舗とそれなりに増えて来てはいるが、1店舗しか稼働してない店は4県に当たり、設置なしは4県もある((1店舗のみは、岩手、山梨、岡山、長崎の4県。未だ稼働無しは福井、島根、宮崎の3県で鳥取は過去に設置されていたが現在は無し。)) ---- **総評 アクション性やビジュアル面、奥深さなどポテンシャルを持ちながらもシンプル過ぎる見た目や決定打の無い楽曲面、アピールポイントの「二人協力プレイ」による誤認((上記のように1人プレイが可能でかつそれによるプレー上のハンデは一切無い。イベントで条件達成の難易度が下がる程度。))、宣伝不足による知名度不足、そして何より設置店舗不足によってポテンシャルが伝わる土壌が育っていないのが現状。~ 特に宣伝不足と設置店舗不足に関してはゲーム内容だけでは最早どうしようもない問題。~ 稼動から一年経った現在でも人気は低迷しており復活の兆しは見えていない。''設置店舗数の拡大及び認知度の上昇が最大の課題になる''。~ 大ヒットを決めた『CHUNITHM』と同時期に稼働し、仲良く煮え湯を飲まされた同期である『[[crossbeats REV.]]』『[[MUSECA]]』は、当時時点では本作の倍以上の設置数を持ち、かつ大幅な方針転換を含めた大規模なアップデートで巻き返しを図っていた(結局それは叶わず撤退する羽目になってしまったが)。~ 好調な『CHUNITHM』はもちろんのこと、各種音ゲーが少ない客を食い合っている現状において、本作はまともな立ち位置すら確保できていない厳しい状況にある。これは上述の二機種にも同じことが言えていたが、本作も例に漏れず深刻な状況に陥っている。 //稼働から一年経ち、第2回天下一音ゲー祭の参加作品に選ばれるなど芽は出てきているが、魅力を伝えられる土壌を作れるかでその先が決まると言っても過言ではないだろう。 ---- **余談 -売り込み方針 --ロケテ時から筐体背面のポップには大きく「太鼓の達人に続く!!」とロゴ入りのキャッチコピーと「和田どん/かつ」が鎮座しており、『太鼓の達人』の威を借りているのが丸分かり。いくら新規の作品で知名度がないとは言えこの節操のない売り込みには批判的な声が大きい。 --なお、リニューアル版ではこれらの売り込みは影を潜め、ポップの一角に小さく描かれているのみになった。 -第2回天下一音ゲー祭に参加した事により、同じく新規参戦機種の『[[SOUND VOLTEX>SOUND VOLTEX BOOTH]]』と共に第1回の予選楽曲4曲が移植された。 --いずれも全て最高難易度だが「きたさいたま2000」は他の3曲を引き離すボス曲となっている。バンナム自社製曲の意地というところだろうか。 --KONAMI代表の「FLOWER」は今回の収録により、さらに収録機種数の記録を伸ばすことになった。 -テレビ番組「マツコの知らない世界」の音ゲー特集回で、なぜかマイナーな部類である本作が大きく取り上げられた。 --マツコ・デラックス氏が達人のプレイを見て「何やってんのこの人たち」と感想を漏らし、その後自身もプレイするが高難度だったため「&bold(){無理よ これ…}」とコメント。 ---音ゲーマーには汎用性の高いそのシーンがコラ画像の素材になったり、何故か''番組とは全く無関係の''『[[crossbeats REV. SUNRISE]]』にて称号「ムリよぉ これ…」として登場する((同作での獲得条件は「UNLIMITED譜面をCLEAR RATE49%以下でクリア」))等、それなりに話題を集めた。 ---が、''マツコの名言だけが注目''されてしまった結果、せっかく番組で大々的に取り上げられたにもかかわらず本作自体の知名度にはあまり影響しなかった模様。 -稼働から1年が過ぎた2016/07/21に大型アップデートを実施している。 --筐体装飾の一新(冒頭のリニューアル筐体の画像参照)、レーティングシステムの追加、フルコンボ系マークの追加、PANDORA譜面の恒常化、オプション拡充、恒常解禁システムの追加などが行われた。 --ゲームタイトルそのものは『シンクロニカ』のまま変わっていない(サブタイトルが増えていたりはしない)。 -低空飛行ながらも稼働開始から3年以上現役稼働を続けており、何かと短命な作品が多かった音ゲー新規機種の中ではむしろ長生きな部類に入っていたが、2019年9月30日をもってオンラインサービス終了となることが告知された。 //記念プレイ等を行う場合はお早めに。 --本作及び『CHUNITHM』の同期的存在ともいえる『crossbeats REV.』『MUSECA』両機種も既にオンラインサービス終了に追い込まれており、本作もその後を追うこととなった。とはいえ、絶望的な状況下で現行の人気機種相手に4年以上持ちこたえたことを考えれば健闘したと言えるだろう。

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